JP4426085B2 - コーティング用布 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コーティング用布、詳しくは、車両の塗装面などをコーティングするためのコーティング用布に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両の塗装面のワックスがけは、シリコン系あるいはフッ素系のワックス剤を、スポンジや布などに含浸させて塗装面に塗布し、その後、乾拭きすることによって、塗装面に皮膜を形成するものがよく知られている。
【0003】
また、このようなワックス剤において、フッ素系のワックス剤は、シリコン系のワックス剤に比べて、皮膜の防汚性に優れており、例えば、特開平5−130963号公報には、不織布シートがフッ素系のワックス剤によって湿潤されているカーワックス掛け用ウエットシートが提案されている。
【0004】
一方、近年、塗装面に塗り込んだ後、そのまま拭き取らない、いわゆるドライブライトタイプのカーワックスが普及しつつある。ドライブライトタイプのカーワックスでは、拭き取りが要らないため、簡単かつ短時間でワックスがけを行なうことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、フッ素系のワックス剤は、皮膜の防汚性には優れるが、使用する布の種類によっては、同じ成分のワックス剤であっても、塗装面に良好に皮膜を形成することができず、撥水性や防汚性が低下する場合がある。
【0006】
とりわけ、上記したドライブライトタイプのものにあっては、少量のワックス剤を塗装面に塗り込んで、その後、拭き取らないようにする必要があることから、使用する布がワックスがけの性能に大きく反映される。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、処理時の作業性が良好で、優れた撥水性および防汚性を発現することのできる、コーティング用布を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のコーティング用布は、目付け量30〜300g/m2、1.961KPaの荷重を加えた時の密度が、0.02〜0.3g/cm3である布に、ポリテトラフルオロエチレンと、パーフルオロポリエーテルとを含むコーティング成分が含浸されており、コーティング成分中のポリテトラフルオロエチレンの含有量が0.8重量%以下であることを特徴としている。
【0009】
また、本発明のコーティング用布では、コーティング成分が、ポリテトラフルオロエチレンと、パーフルオロポリエーテルとを含む水分散体であることが好ましい。
【0010】
また、本発明のコーティング用布では、コーティング成分中に、さらに、親水性の有機変性シリコーンオイル、とりわけ、ポリエーテル変性シリコーンオイルが含まれていることが好ましく、また、コーティング成分中に、さらに、増粘剤としてイオン架橋型有機酸類が含まれていることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる布は、目付け量が、30〜300g/m2 、好ましくは、40〜200g/m2 であり、かつ、1.961KPaの荷重を加えた時の密度が、0.02〜0.3g/cm3 、好ましくは、0.1〜0.25g/cm3 のものが用いられる。
【0012】
目付け量が、これより小さいと、厚みが薄くなり過ぎて、含浸されるコーティング成分の保持容量が小さくなり、十分な量を含浸させることができず、その結果、十分な面積を処理することができない。また、目付け量が、これより大きいと、厚みが厚くなり過ぎて、加工性や、処理時の作業性が低下する。
【0013】
また、1.961KPaの荷重を加えた時の密度が、これより小さいと、含浸されるコーティング成分の保持力が小さくなるとともに、保持容量も小さくなり、その結果、十分な面積を処理することができない。また、処理時において、含浸されているコーティング成分の布から放出される量も多くなり、塗装面に過剰の成分が付着されて、均一な皮膜を形成できない。また、密度が、これより大きいと、保持容量が小さくなったり、含浸されているコーティング成分の布から放出される量が少なくなり、塗装面に十分な量の成分が付着されない。
【0014】
このような布は、上記の範囲の目付け量および密度であれば、特に制限なく用いることができるが、好ましくは、不織布が用いられる。不織布としては、例えば、湿式不織布、乾式パルプ不織布、乾式不織布、スパンボンド式不織布、メルトブロー式不織布、フラッシュ紡糸式不織布などが挙げられる。
【0015】
より具体的には、例えば、100%ポリエステルの乾式ニードルパンチ不織布(目付け量110g/m2 、1.961KPa 荷重下の密度0.07g/cm3)、100%レーヨンの乾式スパンレース不織布(目付け量40g/m2 、1.961KPa 荷重下の密度0.18g/cm3)、100%ナイロンのメルトブロー式不織布(目付け量50g/m2 、1.961KPa荷重下の密度0.15g/cm3)、70%アクリルおよび30%ポリエステルを混紡した湿式スパンレース不織布(目付け量40g/m2 、1.961KPa 荷重下の密度0.15g/cm3)、50%ポリプロピレンおよび50%ポリエステルを混紡した乾式サーマルボンド不織布(目付け量40g/m2 、1.961KPa荷重下の密度0.12g/cm3)、25%ナイロン、25%ポリエチレンおよび50%レーヨンを混紡した乾式ケミカルボンド不織布(目付け量40g/m2 、1.961KPa 荷重下の密度0.12g/cm3)、25%ナイロン、25%ポリエチレン、25%ポリエステルおよび25%レーヨンを混紡した乾式スパンレース不織布(目付け量85g/m2 、1.961KPa 荷重下の密度0.17g/cm3)などが挙げられる。
【0016】
そして、本発明のコーティング用布は、このような布に、ポリテトラフルオロエチレンと、パーフルオロポリエーテルとを含むコーティング成分が含浸されている。
【0017】
ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと省略する場合がある。)は、例えば、四フッ化エチレンを公知の方法によって重合させることにより得ることができ、例えば、その数平均分子量が、1000〜100万、さらには、3000〜50万のものが好ましく用いられる。このようなポリテトラフルオロエチレンは、市販品を用いてもよく、そのような市販品としては、例えば、ルブロンLシリーズ(ダイキン工業社製、PTFEパウダー)、フルオンLシリーズ(旭アイシーアイフロロポリマーズ社製、PTFEパウダー)、フルオンCDシリーズ(旭硝子社製、PTFEパウダー)、ホスタフロンシリーズ(ダイニオン社製、PTFEパウダー)、テフロンTFE(三井・デュポンフロロケミカル社製、PTFEパウダー)、KTL、KTシリーズ(喜多村社製、PTFEパウダー)、セフラルルーブ(セントラル硝子社製、PTFEパウダー)、アルブフロン(アウジモント社製、PTFEパウダー)などが挙げられる。
【0018】
また、パーフルオロポリエーテルは、例えば、下記式(1)〜(4)の構造を有する重合体およびその誘導体であって、例えば、パーフルオロアルキレンオキシドの開環付加重合やパーフルオロアルケン類の紫外線照射などの公知の方法によって得ることができる。
【0019】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
(上記式(1)〜(4)中、mは、1〜300の整数、nは、1〜210の整数を示す。)
このようなパーフルオロポリエーテルは、たとえば、その数平均分子量が、400〜20000、さらには、1000〜15000のものが好ましく用いられ、市販品を用いてもよい。そのような市販品としては、例えば、上記構造式(1)に相当するものとして、KRYTONシリーズ(デュポン社製)、上記構造式(2)に相当するものとして、FOMBLINシリーズ Yタイプ(アウジモント社製)、上記構造式(3)に相当するものとして、FOMBLINシリーズ M、Zタイプ(アウジモント社製)、上記構造式(4)に相当するものとして、DEMNUMシリーズ(ダイキン工業社製)などが挙げられる。
【0020】
そして、コーティング成分は、ポリテトラフルオロエチレンとパーフルオロポリエーテルとを、水中に分散させることによって、水分散体として調製することが好ましい。
【0021】
これらポリテトラフルオロエチレンとパーフルオロポリエーテルとを水中に分散させるには、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロポリエーテルおよび分散剤を混合撹拌した後、これに水を加えて、強制的に水中分散させればよい。
【0022】
分散剤としては、例えば、オレイン酸を初めとする高級脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸などのNa、K、Li、アンモニア、モルホリン、アルカノールアミン塩などで代表される陰イオン性界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックポリマー、脂肪酸アルカノールアミド、アミンオキシド、アルキルグルコシド、その他、ポリオキシエチレン誘導体に代表される非イオン性界面活性剤、例えば、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩などに代表される陽イオン性界面活性剤、例えば、アルキルベタインに代表される両性イオン界面活性剤、例えば、ポリアクリル酸アンモニウムに代表されるポリアクリル酸塩などを用いることができる。また、フッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤など、乳化や可溶化分散性のあるもので一般に慣用されている界面活性剤を用いることもできる。また、その目的や用途などにもよるが、好ましくは、例えば、ポリアクリル酸塩が用いられる。
【0023】
そして、例えば、水分散体全量に対して、ポリテトラフルオロエチレンが、0.01〜0.8重量%、好ましくは、0.05〜0.5重量%、パーフルオロポリエーテルが、0.01〜5.0重量%、好ましくは、0.1〜2.0重量%、分散剤が、0.01〜10.0重量%、好ましくは、0.1〜5.0重量%の割合となるように配合し、水中に加えて撹拌し、強制的に分散させればよい。なお、フッ素系界面活性剤を用いれば、その使用量を低減することができる。
【0024】
このようにして得られる水分散体は、ポリテトラフルオロエチレンおよびパーフルオロポリエーテルが、水中に乳化状あるいは懸濁状に分散された状態となり、乳化状に分散される場合には、ポリテトラフルオロエチレンおよびパーフルオロポリエーテルがミセル中に存在した安定な水中油滴型(O/W型)のエマルジョンとなり、また、懸濁状に分散される場合には、ポリテトラフルオロエチレンおよびパーフルオロポリエーテルが塊状または油滴状となって分散した安定なサスペンションとなる。
【0025】
また、水分散体の調製は、上記のように、ポリテトラフルオロエチレンおよびパーフルオロポリエーテルを、水中にて強制分散させてもよいが、予め調製されたポリテトラフルオロエチレンの水分散体と、パーフルオロポリエーテルの水分散体とを配合することによって、ポリテトラフルオロエチレンと、パーフルオロポリエーテルとを含む水分散体を得ることが、より好ましい。
【0026】
ポリテトラフルオロエチレンの水分散体と、パーフルオロポリエーテルの水分散体とを配合すれば、ポリテトラフルオロエチレンおよびパーフルオロポリエーテルが、それぞれ独立して水中に乳化状あるいは懸濁状に分散された状態となる。すなわち、乳化状に分散される場合には、ポリテトラフルオロエチレンおよびパーフルオロポリエーテルが、それぞれ独立してミセル中に存在した安定な水中油滴型(O/W型)のエマルジョンの混合液となり、また、懸濁状に分散される場合には、ポリテトラフルオロエチレンおよびパーフルオロポリエーテルが、それぞれ独立して塊状または油滴状となって分散した安定なサスペンションの混合液となる。
【0027】
したがって、ポリテトラフルオロエチレンの水分散体と、パーフルオロポリエーテルの水分散体とが配合された水分散体からなるコーティング成分を布に含浸させれば、塗り込む前には、ポリテトラフルオロエチレンと、パーフルオロポリエーテルとが、水中に、それぞれ独立して安定的に分散された状態を保ち、塗り込む時において、その塗り込む時の押圧力によって、それらが混合されながら塗装面に付着されるようになるので、ポリテトラフルオロエチレンおよびパーフルオロポリエーテルを、当初から強制分散させるものに比べて、塗り込む時の円滑な作業性を確保することができながら、かつ、むらのない良好なコーティングを行なうことができる。
【0028】
ポリテトラフルオロエチレンの水分散体は、例えば、公知の溶液重合法や公知の乳化重合法によって、そのままポリテトラフルオロエチレンの水分散体として得ることができる。
【0029】
このようなポリテトラフルオロエチレンの水分散体は、市販品を用いてもよく、そのような市販品としては、例えば、KRYTOX DF/W(デュポン社製、PTFEエマルジョン、固形分20重量%、数平均分子量3500)、KRYTOX LW−1200(デュポン社製、PTFEエマルジョン、固形分20重量%、数平均分子量40000)、フルオンADシリーズ(旭アイシーアイフロロポリマーズ社製、PTFEディスパージョン)、ホスタフロン5000シリーズ(ダイニオン社製、PTFEディスパージョン)、ルブロンLDW−40(ダイキン工業社製、PTFEディスパージョン)などが挙げられる。
【0030】
また、パーフルオロポリエーテルの水分散体も、例えば、上記と同様に、乳化重合法または強制分散などによって得ることができ、市販品を用いてもよい。そのような市販品としては、上記したもののうち、例えば、L−205(中京油脂社製、パーフルオロポリエーテルエマルジョン、不揮発分64重量%)、K−926(中京油脂社製、パーフルオロポリエーテルエマルジョン、不揮発分64重量%)、L−287(中京油脂社製、パーフルオロポリエーテルエマルジョン、不揮発分64重量%)、NIKKOL NET−HCシリーズ(日光ケミカルズ社製、パーフルオロポリエーテルエマルジョン)、NIKKOL NET−Uシリーズ(日光ケミカルズ社製、パーフルオロポリエーテルエマルジョン)、FOMBLINエマルジョン FE−20シリーズ(アウジモント社製、パーフルオロポリエーテルエマルジョン)などが挙げられる。
【0031】
そして、このようなコーティング成分では、ポリテトラフルオロエチレンとパーフルオロポリエーテルとを含む水分散体中(後述する各種の成分を配合する場合には、コーティング成分全量中)に、ポリテトラフルオロエチレンが、固形分として、0.8重量%以下、好ましくは、0.5重量%以下、とりわけ、0.05〜0.5重量%含有されるように調製する。ポリテトラフルオロエチレンが、0.8重量%以下であると、後述するように、塗装面に少量を塗り込んで、その後、拭き取らないドライブライトタイプのものにも、有効に適用することができる。
【0032】
また、パーフルオロポリエーテルは、ポリテトラフルオロエチレンとパーフルオロポリエーテルとを含む水分散体中(後述する各種の成分を配合する場合には、コーティング成分全量中)に、0.01〜5.0重量%、さらには、0.1〜2.0重量%含有されるように調製することが好ましい。パーフルオロポリエーテルが、0.01重量%より少ないと、十分な艶出しと撥水撥油効果が得られない場合があり、また、5.0重量%より多いと、油分が過剰に塗装面に残り濃淡むらの原因となる場合がある。
【0033】
また、コーティング成分中に、さらに、有機変性シリコーンオイルを配合してもよい。有機変性シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジエンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アルキルアラルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、アクリル変性シリコーンオイルなどの疎水性の有機変性シリコーンオイル、例えば、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイルなどの親水性の有機変性シリコーンオイル、その他の種々の有機官能基が導入された変性シリコーンオイルが挙げられる。これら有機変性シリコーンオイルは、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。なお、上記の疎水性の有機変性シリコーンオイルおよび親水性の有機変性シリコーンオイルの分類は、一般的な分類であって、具体的には、親水性基および疎水性基の変性率などによって、疎水性の有機変性シリコーンオイルに属するか、または、親水性の有機変性シリコーンオイルに属するかが適宜決定される。
【0034】
本発明において、これらのうち、コーティング成分中に、親水性の有機変性シリコーンオイル、とりわけ、ポリエーテル変性シリコーンオイルなどのノニオン性有機変性シリコーンオイルや、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイルなどのイオン性有機変性シリコーンオイルが好ましく配合される。親水性の有機変性シリコーンオイルを配合すれば、塗り込み時の良好な作業性を確保することができ、むらのない均一なコーティングを行なうことができる。とりわけ、ポリエーテル変性シリコーンオイルを配合すれば、その効果が著しく発現される。
【0035】
ポリエーテル変性シリコーンオイルは、例えば、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体などの、ポリシロキサンが、ポリオキシアルキレンによって変性されたポリエーテル変性のシリコーンオイルや、さらには、フッ化アルキルによって変性されたフッ素・ポリエーテル変性のシリコーンオイルなどが挙げられ、例えば、HLBが10前後のものが好ましく用いられる。
【0036】
このようなポリエーテル変性シリコーンオイルは、市販品を用いてもよく、例えば、KF−353、KF−618、KF−354、KF−355(信越化学工業社製、ポリエーテル変性シリコーン)、FPDシリーズ(信越化学工業社製、フッ素・ポリエーテル変性シリコーン)、SH3746、SH3749、SH8400、SH8410(東レ・ダウコーニングシリコーン社製、ポリエーテル変性シリコーン)、L03、L051(旭化成ワッカーシリコーン社製、ポリエーテル変性シリコーン)などが挙げられる。
【0037】
また、これら有機変性シリコーンオイルは、コーティング成分全量中に、0.01〜3.0重量%、さらには、0.01〜0.5重量%含有されるように調製することが好ましい。有機変性シリコーンオイルが、0.01重量%より少ないと、塗り込み時の作業でむらになり、均一な処理ができにくくなる場合があり、また、3.0重量%より多いと、むらのない均一な処理ができるが、初期の撥水撥油性やその持続性が低下する場合がある。
【0038】
また、コーティング成分中には、その目的および用途により、ワックス、樹脂および増粘剤を配合することが好ましい。
【0039】
ワックスとしては、例えば、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、セレシン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライトなどに代表される天然ワックス、α−オレフィンワックス、フィッシャー・トロプッシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックスおよびその誘導体、酸化パラフィン、酸化マイクロクリスタリンワックス、カスターワックス、モンタンワックスをベースにした酸ワックスおよびエステルワックスおよびその誘導体、ラノリン誘導体、石油系のオレフィンベースのオレフィンと無水マレイン酸あるいはアクリル酸、または、酢酸ビニルからなるワックス、金属石鹸、油脂、高級脂肪酸、高級アルコール、硬化油、脂肪酸アマイド、ポリエーテルなどに代表されるワックス様物、あるいは、フッ素変性ワックス、シリコーン変性ワックス、樹脂変性ワックスなどの種々の変性ワックスなどが挙げられる。これらワックスは、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。ワックスを配合することにより、塗装面の艶出し性を向上させることができる。また、これらワックスは、エマルジョンあるいはサスペンジョンとされた水分散体であるものが好ましく用いられる。また、これらワックスは、コーティング成分全量中に、0.01〜5.0重量%、さらには、0.02〜3.0重量%含有されるように調製することが好ましい。
【0040】
樹脂としては、例えば、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、石油系樹脂、テルペン樹脂、脂環族炭化水素樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、尿素メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ビニール系樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、ロジン変性樹脂、アミノアルキド樹脂、変性アルキド樹脂、天然樹脂、ケトン樹脂、ロジン系樹脂などが挙げられる。これら樹脂は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。樹脂を配合することにより、定着性を向上させることができる。また、これら樹脂は、エマルジョンあるいはサスペンジョンとされた水分散体であるものが好ましく用いられる。また、これら樹脂は、コーティング成分全量中に、0.01〜3.0重量%、さらには、0.02〜1.0重量%含有されるように調製することが好ましい。
【0041】
増粘剤としては、例えば、イオン架橋型有機酸類、ガム類、鉱物類、あるいは、セルロース類などが挙げられ、その他に、寒天、ゼラチン、ポリアクリルアミドなどが含まれる。
【0042】
イオン架橋型有機酸類は、ポリアクリル酸やアルギン酸などの有機酸などであって、塩の添加によってイオン架橋し、分子鎖が伸びることによって、増粘性を発現するものである。添加する塩としては、ポリアクリル酸の場合には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニアなどの無機アルカリや、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、ジイソプロパノールアミン、ジ−(2−エチルヘキシル)アミン、アミノメチルプロパノール、トロメタミン、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミンなどの有機アミン類などのアルカリが挙げられ、また、アルギン酸の場合には、塩化カルシウムや塩化マグネシウムなどの2価の金属塩などが挙げられる。これらの塩は、有機酸のカルボン酸に対して、例えば、中和当量で用いられる。
【0043】
ガム類としては、例えば、アラビアガム、グアーガムおよびその誘導体、ビーガム、キサンタンガム、ウェランガム、ランタンガム、ジュランガムなどが挙げられる。鉱物類としては、例えば、ベントナイト、モンモリロナイトなどが挙げられる。また、セルロース類としては、例えば、カルボシキメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。これら増粘剤は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。増粘剤を配合することにより、成分の沈降防止と溶液の安定性を向上させることができる。
【0044】
本発明において、これらのうち、コーティング成分には、イオン架橋型有機酸類が好ましく配合される。イオン架橋型有機酸類を配合すれば、保水性を発現して、作業性を向上させ、むらのない均一な皮膜の形成を実現することができる。
【0045】
また、これら増粘剤は、コーティング成分(水分散体)に含有させた時に、その成分(水分散体)の粘度が、0.05〜200Pa・s、さらには、0.1〜80Pa・sとなるように調整することが好ましい。
【0046】
また、コーティング成分中には、その他に、艶出し剤、界面活性剤、研磨剤、染料、顔料、香料、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤など、通常添加される各種の添加剤を配合してもよい。例えば、シリコンパウダーやワックスパウダーなどの滑剤を配合することで、拭き取り性を向上させることができる。
【0047】
そして、コーティング成分は、上記した各成分を、上記した割合において、水に配合し、撹拌混合して、均一に分散させることにより、水分散体として調製することができる。なお、増粘剤を配合する場合には、上記した各成分を配合する最初または最後あるいは適宜の段階で配合して、コーティング成分(水分散体)を均一に増粘させるようにすればよい。
【0048】
そして、このように調製されたコーティング成分を、布に含浸するには、例えば、ディップロールコーター法、グラビアロールコーター法、スプレーコート法、リバースロールコーター法、ダイレクトロールコーター法、キスロールコーター法、インバースナイフコーター法、エアナイフコーター法、オポジットナイフコーター法、ハケ塗り法などを用いることができる。このような公知の方法によって、コーティング成分を布に含浸させることにより、本発明のコーティング用布を製造することができる。なお、布の上からシャワー状にコーティング成分をかける方法がよく用いられており、このような方式は、シャワー方式とも呼ばれている。
【0049】
また、コーティング成分を含浸する割合は、例えば、布の重量に対して、1.0〜5.0倍、好ましくは、1.5〜4倍である。
【0050】
このようにして得られた本発明のコーティング用布は、何ら制限されることなく、金属、プラスチック、セラミック、木材の塗装面などのコーティングに用いることができ、より具体的には、車両、航空機、船舶、重設機械、各種の産業機械、家具、家電、各種の家庭用機械などの塗装面のコーティングに用いることができる。
【0051】
そして、本発明のコーティング用布によって塗装面を処理するには、本発明のコーティング用布を塗装面に接触させて拭けばよく、例えば、塗装面がクリアな表面となるまでコーティング成分を塗り込めばよい。
【0052】
本発明のコーティング用布では、処理時の作業性が良好で、塗装面にむらの少ない均一な皮膜を形成することができ、優れた撥水性および防汚性を発現することができる。とりわけ、コーティング成分が水分散体として布に含浸されていると、塗り込みの前には、ポリテトラフルオロエチレンおよびパーフルオロポリエーテルが、水中に安定した状態で分散している一方で、塗り込み時においては、その塗り込む押圧力によって、塗装面に一旦接触すると、その塗装面に良好に付着して、水中に再び戻ることが少ないので、塗り込み量に対する塗装面への付着量が多く、そのため、塗装面に少量を塗り込んで、その後、拭き取らないドライブライトタイプのコーティング用布として好適に用いることができる。さらに、水分散体として布に含浸されていると、有機溶媒を用いずにすむので、環境上および衛生上、良好な作業条件を確保することができる。
【0053】
【実施例】
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これら実施例および比較例に何ら限定されるものではない。
【0054】
製造例1(コーティング成分Aの調製)
・KRYTOX DF/W(デュポン社製、PTFEエマルジョン、固形分20重量%、数平均分子量3500) 2.0重量%
・L−205(中京油脂社製、パーフルオロポリエーテルエマルジョン、不揮発分64重量%) 2.0重量%
・イオン交換水 96.0重量%
上記各成分を、イオン交換水に撹拌しながら順次添加して、均一に分散させることにより、コーティング成分Aを調製した。
【0055】
製造例2(コーティング成分Bの調製)
・KRYTOX DF/W(デュポン社製、PTFEエマルジョン、固形分20重量%、数平均分子量3500) 2.5重量%
・KRYTOX LW−1200(デュポン社製、PTFEエマルジョン、固形分20重量%、数平均分子量40000) 1.0重量%
・L−205(中京油脂社製、パーフルオロポリエーテルエマルジョン、不揮発分64重量%) 2.5重量%
・KF−618(信越化学工業社製、ポリエーテル変性シリコーンオイル ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体) 0.1重量%
・イオン交換水 93.9重量%
上記各成分を、イオン交換水に撹拌しながら順次添加して、均一に分散させることにより、コーティング成分Bを調製した。
【0056】
製造例3(コーティング成分Cの調製)
・ルブロンLDW−40(ダイキン工業社製、PTFEディスパージョン、固形分40重量%) 1.5重量%
・K−926(中京油脂社製、パーフルオロポリエーテルエマルジョン、不揮発分64重量%) 3.0重量%
・KF−354(信越化学工業社製、ポリエーテル変性シリコーンオイル ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体) 0.1重量%
・エマスター0001(日本精蝋社製、マイクロクリスタリンワックスエマルジョン、固形分40重量%) 1.0重量%
・ハイビスワコー104(和光純薬工業社製、イオン架橋型ポリアクリル酸)
0.1重量%
・トリエタノールアミン(90重量%水溶液) 0.15重量%
・イオン交換水 94.15重量%
イオン交換水に、ハイビスワコー104を溶解させた後、ルブロンLDW−40、K−926、KF−354、エマスター0001を撹拌しながら順次添加して、均一に分散させた後、トリエタノールアミンを添加して、均一に増粘させることによって、コーティング成分Cを調製した。
【0057】
製造例4(コーティング成分Dの調製)
・KRYTOX LW−1200(デュポン社製、PTFEエマルジョン、固形分20重量%、数平均分子量40000) 3.0重量%
・K−926(中京油脂社製、パーフルオロポリエーテルエマルジョン、不揮発分64重量%) 3.0重量%
・FPD−4668(信越化学工業社製、フッ素・ポリエーテル変性シリコーンオイル) 0.1重量%
・セロゾールD−355(中京油脂社製、石油系樹脂エマルジョン、固形分40重量%) 0.5重量%
・アルギン酸ナトリウム(紀文フードケミファ社製) 0.3重量%
・塩化カルシウム 0.06重量%
・イオン交換水 93.04重量%
イオン交換水に、アルギン酸ナトリウムを溶解させた後、塩化カルシウムを添加して、均一に増粘させた後、KRYTOX LW−1200、K−926、FPD−4668、セロゾールD−355、を撹拌しながら順次添加して、均一に分散させることによって、コーティング成分Dを調製した。
【0058】
製造例5(コーティング成分Eの調製)
・ホスタフロンTF5050(ダイニオン社製、PTFEディスパージョン、固形分58重量%) 1.5重量%
・L−205(中京油脂社製、パーフルオロポリエーテルエマルジョン、不揮発分64重量%) 4.0重量%
・KF−618(信越化学工業社製、ポリエーテル変性シリコーンオイル ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体) 0.1重量%
・サーフロンS−141(旭硝子社製、フッ素系活性剤) 0.1重量%
・ハイビスワコー104(和光純薬工業社製、イオン架橋型ポリアクリル酸)
0.05重量%
・アンモニア水(28重量%水溶液) 0.05重量%
・イオン交換水 94.2重量%
イオン交換水に、ハイビスワコー104を溶解させた後、ホスタフロンTF5050、L−205、KF−618、サーフロンS−141を撹拌しながら順次添加して、均一に分散させた後、アンモニア水を添加して、均一に増粘させることによって、コーティング成分Eを調製した。
【0059】
製造例6(コーティング成分Fの調製)
・ルブロンLDW−40(ダイキン工業社製、PTFEディスパージョン、固形分40重量%) 1.0重量%
・L−205(中京油脂社製、パーフルオロポリエーテルエマルジョン、不揮発分64重量%) 2.0重量%
・FPD−4668(信越化学工業社製、フッ素・ポリエーテル変性シリコーンオイル) 0.1重量%
・Fluoromontanate emulsion(クラリアントジャパン社製、フッ素ワックスエマルジョン、固形分21.2重量%) 1.0重量%
・ハイビスワコー104(和光純薬工業社製、イオン架橋型ポリアクリル酸)
0.05重量%
・アンモニア水(28重量%水溶液) 0.05重量%
・イオン交換水 95.8重量%
イオン交換水に、ハイビスワコー104を溶解させた後、ルブロンLDW−40、L−205、FPD−4668、Fluoromontanate emulsionを撹拌しながら順次添加して、均一に分散させた後、アンモニア水を添加して、均一に増粘させることによって、コーティング成分Fを調製した。
【0060】
製造例7(コーティング成分Gの調製)
・KRYTOX DF/W(デュポン社製、PTFEエマルジョン、固形分20重量%、数平均分子量3500) 1.5重量%
・KRYTOX LW−1200(デュポン社製、PTFEエマルジョン、固形分20重量%、数平均分子量40000) 1.5重量%
・L−205(中京油脂社製、パーフルオロポリエーテルエマルジョン、不揮発分64重量%) 4.0重量%
・FPD−4668(信越化学工業社製、フッ素・ポリエーテル変性シリコーンオイル) 0.1重量%
・ルミフロンFE−3000(旭硝子社製、フッ素樹脂エマルジョン、不揮発分50重量%) 0.1重量%
・アルギン酸ナトリウム(紀文フードケミファ社製) 0.3重量%
・塩化カルシウム 0.06重量%
・イオン交換水 92.54重量%
イオン交換水に、アルギン酸ナトリウムを溶解させた後、塩化カルシウムを添加して、均一に増粘させた後、KRYTOX DF/W、KRYTOX LW−1200、L−205、FPD−4668、ルミフロンFE−3000を撹拌しながら順次添加して、均一に分散させることによって、コーティング成分Gを調製した。
【0061】
製造例8(コーティング成分Hの調製)
・K−926(中京油脂社製、パーフルオロポリエーテルエマルジョン、不揮発分64重量%) 3.0重量%
・エマスター0001(日本精蝋社製、マイクロクリスタリンワックスエマルジョン、固形分40重量%) 1.0重量%
・KF−354(信越化学工業社製、ポリエーテル変性シリコーンオイル ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体) 0.1重量%
・イオン交換水 95.9重量%
上記各成分を、イオン交換水に撹拌しながら順次添加して、均一に分散させることにより、コーティング成分Hを調製した。
【0062】
製造例9(コーティング成分Iの調製)
・ルブロンLDW−40(ダイキン工業社製、PTFEディスパージョン、固形分40重量%) 1.5重量%
・FPD−4668(信越化学工業社製、フッ素・ポリエーテル変性シリコーンオイル) 0.1重量%
・ハイビスワコー104(和光純薬工業社製、イオン架橋型ポリアクリル酸)
0.05重量%
・アンモニア水(28重量%水溶液) 0.05重量%
・イオン交換水 98.3重量%
イオン交換水に、ハイビスワコー104を溶解させた後、ルブロンLDW−40、FPD−4668を撹拌しながら順次添加して、均一に分散させた後、アンモニア水を添加して、均一に増粘させることによって、コーティング成分Iを調製した。
【0063】
製造例10(コーティング成分Jの調製)
・Fluoromontanate emulsion(クラリアントジャパン社製、フッ素ワックスエマルジョン、固形分21.2重量%) 5.0重量%
・FPD−4668(信越化学工業社製、フッ素・ポリエーテル変性シリコーンオイル) 0.1重量%
・イオン交換水 94.9重量%
上記各成分を、イオン交換水に撹拌しながら順次添加して、均一に分散させることにより、コーティング成分Jを調製した。
【0064】
製造例11(コーティング成分Kの調製)
・KRYTOX LW−1200(デュポン社製、PTFEエマルジョン、固形分20重量%、数平均分子量40000) 3.0重量%
・ルミフロンFE−3000(旭硝子社社製、フッ素樹脂エマルジョン、不揮発分50重量%) 0.1重量%
・ハイビスワコー104(和光純薬工業社製、イオン架橋型ポリアクリル酸)
0.05重量%
・アンモニア水(28重量%水溶液) 0.05重量%
・イオン交換水 96.8重量%
イオン交換水に、ハイビスワコー104を溶解させた後、KRYTOX LW−1200、ルミフロンFE−3000を撹拌しながら順次添加して、均一に分散させた後、アンモニア水を添加して、均一に増粘させることによって、コーティング成分Kを調製した。
【0065】
製造例12(コーティング成分Lの調製)
・エマスター0001(日本精蝋社製、マイクロクリスタリンワックスエマルジョン、固形分40重量%) 2.5重量%
・BY−22−007(東レ・ダウコーニングシリコーン社製、ジメチルシリコーンオイルエマルジョン、不揮発分50重量%) 2.0重量%
・イオン交換水 95.5重量%
上記各成分を、イオン交換水に撹拌しながら順次添加して、均一に分散させることにより、コーティング成分Lを調製した。
【0066】
実施例1〜18および比較例1〜19
上記により得られたコーティング成分A〜Lを、30×40cmにカットした下記に示す不織布A〜Gに、表1に示す組み合わせにおいて、不織布の重量に対してコーティング成分が2.5倍となるように、それぞれ含浸させることにより、実施例1〜18および比較例1〜19のコーティング用布を調製した。
【0067】
不織布A:100%ポリエステル不織布(目付け量70g/m2、1.961KPa荷重下の密度0.07g/cm3)
不織布B:30%ナイロン、30%ポリエステルおよび40%レーヨンを混紡した不織布(目付け量70g/m2、1.961KPa荷重下の密度0.16g/cm3)
不織布C:100%レーヨン不織布(目付け量120g/m2、1.961KPa荷重下の密度0.18g/cm3)
不織布D:50%レーヨンおよび50%ポリエステルを混紡した不織布(目付け量16g/m2、1.961KPa荷重下の密度0.14g/cm3)
不織布E:50%ナイロンおよび50%ポリエステルを混紡した不織布(目付け量350g/m2、1.961KPa荷重下の密度0.23g/cm3)
不織布F:50%ポリエチレンおよび50%ポリエステルを混紡した不織布(目付け量100g/m2、1.961KPa荷重下の密度0.01g/cm3)
不織布G:100%ナイロン不織布(目付け量130g/m2、1.961KPa荷重下の密度0.33g/cm3)
評価(処理試験)
下記の手順に従って、実施例1〜18および比較例1〜19のコーティング用布を用いて、平成10年型トヨタカローラ白色塗装車(2台)のボンネット部分を処理し、1)塗り込み時の作業性および皮膜の均一性(むらの有無)、2)処理直後の撥水性、3)撥水の持続性、4)皮膜の防汚性、について評価した。その結果を表1に示す。
【0068】
1)市販のクリーナーワックスを用いて、ボンネット部分の塗装面の汚れを除去し、さらに残っているワックスの皮膜部分を、脂肪族系溶剤を用いて完全に除去した。
【0069】
2)ボンネット部分の塗装面を分割して、1区画(約30cm×35cm)ごとに、各コーティング用布で塗装面にそれぞれ塗り込み、クリアな面がでるまで磨き上げた。これを、実施例1〜18および比較例1〜19の各サンプルについて実施した。
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】
本発明のコーティング用布によれば、処理時の作業性が良好で、塗装面にむらの少ない均一な皮膜を形成することができ、優れた撥水性および防汚性が発現される。とりわけ、コーティング成分が水分散体として布に含浸されていると、塗り込みの前には、ポリテトラフルオロエチレンおよびパーフルオロポリエーテルが、水中に安定した状態で分散している一方で、塗り込み時においては、その塗り込む押圧力によって、塗装面に一旦接触すると、その塗装面に良好に付着して、水中に再び戻ることが少ないので、塗り込み量に対する塗装面への付着量が多く、そのため、塗装面に少量を塗り込んで、その後、拭き取らないドライブライトタイプのコーティング用布として好適に用いることができ、さらに、有機溶媒を用いずにすむので、環境上および衛生上、良好な作業条件を確保することができる。
Claims (5)
- 目付け量30〜300g/m2、1.961KPaの荷重を加えた時の密度が、0.02〜0.3g/cm3である布に、ポリテトラフルオロエチレンと、パーフルオロポリエーテルとを含むコーティング成分が含浸されており、
コーティング成分中のポリテトラフルオロエチレンの含有量が0.8重量%以下であることを特徴とする、コーティング用布。 - コーティング成分が、ポリテトラフルオロエチレンと、パーフルオロポリエーテルとを含む水分散体であることを特徴とする、請求項1に記載のコーティング用布。
- コーティング成分中に、さらに、親水性の有機変性シリコーンオイルが含まれていることを特徴とする、請求項1または2に記載のコーティング用布。
- 親水性の有機変性シリコーンが、ポリエーテル変性シリコーンオイルであることを特徴とする、請求項3に記載のコーティング用布。
- コーティング成分中に、さらに、増粘剤としてイオン架橋型有機酸類が含まれていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のコーティング用布。
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