JP3812506B2 - ハイブリッド車の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関と他の動力源とを備えたハイブリッド車の制御装置に関し、特に内燃機関の出力を制御する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関とモータあるいはモータ・ジェネレータとを動力源としたハイブリッド車が知られている。この種の車両は、内燃機関による排ガスの低減および燃費を向上させることを主な目的として開発された車両であって、内燃機関を可及的に効率の良い状態で運転し、内燃機関の余剰の動力を電気エネルギーとして蓄えるとともに、制動時などに回生したエネルギーを電気エネルギーとして蓄える一方、内燃機関の動力が不足する場合には、蓄えた電気エネルギーによってモータを駆動して駆動トルクの不足を補い、さらには発進時などでは内燃機関に替えてモータを駆動することにより、内燃機関の効率の悪い運転を避けるようにしている。したがって従来のハイブリッド車は、基本的には、内燃機関の出力の不足をモータなどの他の動力源の出力で補い、また状況によって内燃機関の代替手段としてモータなどの他の動力源を使用し、内燃機関を可及的に高効率状態で使用するように構成されている。
【0003】
一方従来、内燃機関から排出される煤およびNOx を低減するために、内燃機関を低温燃焼運転することがおこなわれている。これは、内燃機関の負荷が比較的低負荷の場合に、例えば排ガスの再循環量を増大させて内燃機関の燃焼温度を下げて内燃機関を運転する制御である。この低温燃焼を実行すると、吸入空気量が少なくなるので、内燃機関の出力が低下し、駆動トルクが不足することがある。
【0004】
そこで、例えば特開2000−110601号公報に記載された発明では、内燃機関に連結されている変速機を低速側の変速比に制御することにより内燃機関回転数を高くし、その結果、駆動トルクを維持しつつ内燃機関の出力トルクを低下させることにより、低温燃焼を可能にするように構成している。このように変速比あるいは内燃機関の出力を制御すれば、駆動トルクの不足やそれに伴う低温燃焼の制約がなくなり、あるいは緩和されるので、低温燃焼の可能な運転領域が拡大して、煤やNOx の発生量を更に抑制することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
低温燃焼運転は、上述したように、例えば排ガス再循環量を増大させて燃焼温度を下げる内燃機関の運転状態であるから、内燃機関自体でのNOx の発生量を低減できる。一方、従来の車両では、NOx などの汚染物質を除去できる排ガス浄化触媒を搭載しているので、内燃機関で発生したNOx がそのまま大気中に排出されることはなく、内燃機関の運転状態に応じてある程度のNOx が発生しても車両全体としてのNOx 排出量が増大することはない。したがって、例えば吸蔵還元型触媒のように、NOx の吸蔵量が次第に増大する触媒を使用している場合には、NOx の吸蔵量が所定の量に達した後は、触媒におけるNOx の吸蔵量を低下させるまでの間、内燃機関でのNOx の発生量自体を抑制する必要があり、上記の低温燃焼での内燃機関の運転はこのような場合に有効である。
【0006】
しかしながら、低温燃焼を実行可能な内燃機関の運転領域は、比較的低トルクの領域に限られる。したがって上述した公報に記載されているように、低温燃焼時に内燃機関の回転数を増大させて内燃機関の出力を維持できるのは、その時点の等出力線上の高回転数で低トルクの運転点が低温燃焼可能領域に入っている場合に限られる。言い換えれば、その時点の要求出力が大きいために、内燃機関の回転数を等出力線上で増大させてトルクを下げたとしても、その結果としての運転点が低温燃焼領域に入らない場合には、低温燃焼での運転をおこなうことができない。
【0007】
従来、ハイブリッド車は、内燃機関の出力の補助(アシスト)としてモータなどの他の動力源を動作させており、内燃機関の出力で走行している状態で、内燃機関の出力を積極的に低下させるために、モータなどの他の動力源を使用するようには構成されていない。ましてや、上述した低温燃焼をおこなう内燃機関との関連で好ましい制御態様が知られておらず、この点で新たな技術の開発が必要であった。
【0008】
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、低温燃焼を可及的に可能にするように、内燃機関に併せて搭載されている他の動力源を制御することにより、排ガスの悪化を防止することのできる制御装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】
この発明は、上記の目的を達成するために、内燃機関の低温燃焼の要求があった場合に、他の動力源の出力を増大させて内燃機関の出力が予め定めた低温燃焼領域に入る出力となるように内燃機関の出力を低下させ、かつ内燃機関の運転点が、出力を変化させることなく、前記低温燃焼領域内の運転点となるように内燃機関の回転数を制御するように構成したことを特徴とするものである。より具体的には、請求項1の発明は、煤の発生量が極大となる不活性ガス吸入量より多く不活性ガスを吸入する低温燃焼の可能な内燃機関と、他の動力源と、前記内燃機関の出力側に連結されかつ内燃機関の回転数を変更する回転数制御機構とを備えたハイブリッド車の制御装置において、前記低温燃焼の要求の有無を判断する低温燃焼判断手段と、低温燃焼の要求があった際の前記内燃機関の出力がその出力を維持して前記内燃機関の回転数を変更することにより前記低温燃焼領域に入る出力か否かを判断する出力判断手段と、内燃機関の回転数を変更しても内燃機関の運転状態が前記低温燃焼領域に入らないことが判断された場合に、前記他の動力源を駆動するとともに前記内燃機関の出力を前記低温燃焼領域に入る出力に変更する出力変更手段と、その変更した出力での内燃機関の運転点が前記低温燃焼領域内の運転点となるように前記回転数制御機構によって内燃機関の回転数を変更する回転数制御手段とを備えていることを特徴とする制御装置である。
【0010】
また、請求項1における前記出力変更手段は、請求項2に記載されているように、前記内燃機関の出力が、前記低温燃焼領域内に入る出力で最大出力もしくは最大出力に近い出力となるように、前記他の動力源を駆動して前記内燃機関の出力を変更するように構成することができる
さらに、請求項3の発明は、請求項1または2に記載された発明において、サンギヤと、そのサンギヤと同心円上に配置されたリングギヤと、これらサンギヤとリングギヤとの間に配置されたピニオンギヤを保持するキャリヤとを有する遊星歯車機構を更に備え、前記回転数制御機構は、前記サンギヤに連結された発電機を含み、前記キャリヤに前記内燃機関が連結されるとともに、前記リングギヤに前記他の動力源が連結されかつ前記リングギヤが出力部材に連結されていることを特徴とするハイブリッド車の制御装置である。
【0011】
したがってこの発明では、他の動力源と併せて搭載されている内燃機関を低温燃焼させる要求があった場合、その時点の内燃機関の出力が予め定めてある低温燃焼領域内に入っていなければ、すなわち内燃機関の回転数を変化させても低温燃焼領域に入らない出力であれば、他の動力源が駆動されて内燃機関の出力が低温燃焼領域内に入る出力に変更される。すなわち、他の動力源を駆動するのは、内燃機関の出力の低下を許容するためであり、あるいは内燃機関の出力を低温燃焼領域に入れることを要因として他の駆動源が動作させられる。ついで、その変更された出力を維持した状態で、内燃機関の回転数が変更させられ、その運転点が前記低温燃焼領域内の運転点に設定される。その結果、内燃機関で発生するNOx や煤の量が低減され、車両の全体としての排ガスの悪化が防止される。特に請求項3の発明では、発電機の回転数を変更することにより遊星歯車機構を介して内燃機関の回転数が変更させられ、それに伴って他の動力源からリングギヤにトルクが入力される。
【0012】
また特に、請求項2の発明では、変更された内燃機関の出力が、低温燃焼領域に入る最高出力もしくはそれに近い出力に設定される。その結果、内燃機関の出力を変更する前後での車両全体としての出力を維持するために必要とする他の動力源の出力が小さくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とするハイブリッド車について説明すると、図3は、動力源として内燃機関(E/G)1とモータ(M)2とを備え、さらにエネルギー回生のための機構として発電機(G)3を備えたハイブリッド車を示している。その内燃機関1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃料を燃焼して動力を出力する動力装置であって、その排気系統に、吸蔵還元型三元触媒などの排ガス浄化触媒(図示せず)を備えており、さらにこの内燃機関1は低温燃焼を実行できるように構成されている。この低温燃焼とは、排ガス再循環装置(EGR)などによって燃料に対して不活性なガスを供給することにより、燃焼温度を低下させる燃焼形態であり、特に、煤の発生量が極大となる不活性ガス量より多い量の不活性ガスを供給(もしくは吸入)させる燃焼形態である。その結果、煤の発生が抑制されると同時に、燃焼温度が低いことによりNOx の発生量が少なくなる。
【0014】
その内燃機関1の出力側にダンパーを備えたクラッチ4が連結されており、そのクラッチ4を係合させることにより出力されるエンジントルクと、前記モータ2および発電機3のトルクとを合成する合成機構5が設けられている。この合成機構5は、図3に示す例では、シングルピニオン型の遊星歯車機構を主体として構成されており、サンギヤ6に発電機3のロータが連結されている。そのサンギヤ6と同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤ7にモータ2におけるロータが連結されている。そして、そのサンギヤ6とリングギヤ7との間に配置されたピニオンギヤを保持しているキャリヤ8に前記クラッチ4が連結されている。さらに、リングギヤ7が、出力部材であるドライブスプロケット9に連結されている。
【0015】
そのドライブスプロケット9に巻掛けたチェーン10が、中間軸11に取り付けたドリブンスプロケット12に巻掛けられ、前記リングギヤ7から中間軸11にトルクが出力されるようになっている。この中間軸11に対して最終軸13が平行に配置されており、これら中間軸11と最終軸13とがカウンタギヤ対14によって連結されている。さらに、その最終軸13とデファレンシャルギヤ15とがファイナルギヤ対16によって連結されており、このデファレンシャルギヤ15に伝達されるトルクを左右のドライブシャフト17に出力するように構成されている。
【0016】
上記の内燃機関1の吸入空気量、燃料供給量(燃料噴射量)、排ガス再循環量(EGR量)などの出力あるいは運転状態を決めるパラメータを電気的に制御できるように構成されており、その制御をおこなうための電子制御装置(E−ECU)18が設けられている。また、前記モータ2や発電機3の回転数やトルク、発電量などを制御するための電子制御装置(HV−ECU)19が設けられている。これらの電子制御装置18,19は、それぞれマイクロコンピュータを主体として構成されたものであって、予め記憶させられているプログラムおよびデータならびに入力されるデータに基づいて演算をおこなって必要な制御指令信号を出力するように構成されている。
【0017】
上記の合成機構5を構成している遊星歯車機構についての共線図を図4に示してある。内燃機関1がキャリヤ(C)8に連結されていることにより、キャリヤ8にはその回転数を増大させる方向にトルクが作用する。このキャリヤ8を挟んだ両側にあるサンギヤ6とリングギヤ7とには、その回転数を低下させる方向にトルクが作用している。なお、モータ2の出力トルクは、リングギヤ7の回転数を増大させる方向に作用する。
【0018】
したがって図4に実線で示す運転状態にあるときに、発電機3の回転数を低下させると、キャリヤ8およびこれに連結されている内燃機関1の回転数が、図4に破線で示すように押し下げられる。これに対して発電機3の回転数を増大させると、キャリヤ8および内燃機関1の回転数が、図4に一点鎖線で示すように増大する。したがって図3に示す構成では、発電機3が内燃機関1の回転数を変更する回転数制御機構になっている。
【0019】
上記のハイブリッド車を対象としたこの発明の制御装置は、内燃機関1の低温燃焼のための制御を以下に述べるように実行する。図1はそのための制御例を説明するためのフローチャートであって、先ず、低温燃焼の要求の有無が判断される(ステップS1)。これは、要は、内燃機関1自体でのNOx の発生量を低下させる必要があるか否かの判断であり、例えば触媒でのNOx の吸蔵量が所定値以上に増大し、しかもリッチスパイクと称される空燃比の一時的な増大による、吸蔵した硝酸態窒素の還元を実行できないなどの状態では、低温燃焼の要求が成立する。
【0020】
したがって触媒のNOx 吸蔵量が所定値より未だ充分に低い場合や、リッチスパイクなどによってNOx 吸蔵量を低減できるなどの場合には、ステップS1で否定的に判断され、その場合は、特に制御を行うことなくリターンする。これとは反対に内燃機関1でのNOx 発生量を低下させる必要があることによりステップS1で肯定的に判断された場合には、その時点での運転点が低温燃焼が可能か否かが判断される(ステップS2)。
【0021】
低温燃焼は、EGRガスなどの不活性ガスの供給量(吸入量)を増大させて燃焼温度を下げる内燃機関1の運転状態であり、その不活性ガスの量は、煤の発生量が極大になる量より増大させられる。したがって低温燃焼は、内燃機関1の負荷が低負荷もしくは軽負荷の場合に可能であって、例えば図2の出力線図においては領域Aで示される運転状態で実行される。そのため、例えば図2の点P1 で示す運転点にある場合には、その運転点が低温燃焼領域A内にあるので、低温燃焼が可能であり、上記のステップS2で肯定的に判断される。
【0022】
ステップS2で肯定的に判断された場合には、直ちに低温燃焼が実行される(ステップS3)。そして、モータ2の出力の要否が判断される(ステップS4)。この場合、内燃機関1の出力トルクが出力要求を充分満たしていてステップS2で肯定的に判断されたのであるから、モータ2の出力は必要ではない。したがってステップS4で否定的に判断され、リターンする。このステップS1ないしステップS4の一連の制御は、低温燃焼を実行する場合の通常の制御である。
【0023】
一方、現在時点の運転点が図2に示す低温燃焼領域Aを外れている場合には、上記のステップS2で否定的に判断される。その場合には、その時点の内燃機関1の出力が、前述した低温燃焼領域Aに入っているか否かが判断される(ステップS5)。これは、図2に示す出力線図に即して説明すれば、その時点の出力に一致する等出力線が低温燃焼領域Aに入っているか否かの判断である。
【0024】
したがって例えば図2の点P2 で示す運転状態であれば、その運転点P2 を通る等出力線が低温燃焼領域Aに入っているので、ステップS5で肯定的に判断される。ステップS5で肯定的に判断された場合、低温燃焼を実行するには、運転点を低温燃焼領域A内に移動させる必要があるので、内燃機関1の回転数を、低温燃焼領域A内の運転点となるように決定する(ステップS6)。具体的には、運転点が等出力線上を高回転数側に移動して低温燃焼領域Aに入るように、内燃機関1の回転数を高回転数側に決定する。なお、この回転数の決定は、例えば予め用意したマップを利用しておこなうことができる。
【0025】
こうして決定した回転数となるように変速動作が実行される(ステップS7)。これは、内燃機関1の回転数を変更する制御であり、図3に示すハイブリッド車においては、図4を参照して説明したように、発電機3の回転数を大小に制御することにより、内燃機関1の回転数を変更することにより実行される。
【0026】
ついで、前述したステップS3に進み、排ガス再循環量を増大させるなどのことによって低温燃焼が実行される。なお、この場合もモータ2を特に駆動する必要はないので、ステップS4で否定的に判断され、リターンする。
【0027】
また一方、現在時点の内燃機関1の運転状態が図2の点P3 で示す運転点にある場合には、ステップS5で否定的に判断される。点P3 を通る等出力線が前述した低温燃焼領域Aに入っていないからである。したがってこのような状態では、内燃機関1の回転数を、出力を維持しつつ、どのように変更しても運転点が低温燃焼領域Aに入ることはない。
【0028】
そこで、モータ2を駆動してそのモータ出力分、内燃機関1の出力を下げた場合に、その低下させた出力が低温燃焼領域Aに入っているか否かが判断される(ステップS8)。図1では、これを、「エンジン+モータで低温燃焼可能か?」と記載してある。図2に点P3 で示している状態では、モータ2で可能な出力分、内燃機関1の出力を低下させると、運転点が点P3’に移動する。その運転点P3’を通る等出力線が低温燃焼領域Aに入っており、もしくは低温燃焼領域Aにおける最高出力あるいはこれに近い出力となっているから、この場合はステップS8で肯定的に判断される。
【0029】
ステップS8で肯定的に判断された場合、モータ出力を最小にできる内燃機関1の出力が求められる(ステップS9)。すなわち、前述した低温燃焼領域A内で最大の内燃機関1の出力もしくはこれに近い出力が求められる。これは、マップから求めることができる。
【0030】
ついで、その変更した出力で低温燃焼領域Aに入る運転点の回転数が決定される(ステップS10)。これは、図2に示す出力線図では、点P3’を通る等出力線上で回転数を増大させて低温燃焼領域Aに入る運転点に変更する制御であり、マップに基づいて決定することができる。
【0031】
そして、内燃機関1の出力を低下させることによる不足をモータ2で補うために、そのモータ出力が計算される(ステップS11)。そのモータ出力は、図2に示す例では、点P3 の出力と点P3’の出力との差である。
【0032】
その後、ステップS7に進んで、上記のステップS10で決定された回転数となるように変速動作が実行される。これは、図3に示すハイブリッド車の例では、発電機3の回転数を制御することにより実行される。さらにステップS3に進んで、内燃機関1の低温燃焼が実行される。そして、この場合、モータ2を駆動する必要があるので、ステップS4で肯定的に判断され、前記ステップS11で計算された出力となるようにモータ2の出力が制御される(ステップS12)。
【0033】
すなわち、この場合は、他の動力源であるモータ2が、内燃機関1の出力の一部を代替するように駆動され、その結果、内燃機関1の運転状態が、低温燃焼をおこない得る状態に変更させられる。その後、低温燃焼が可能な運転点となるように回転数が制御され、低温燃焼が実行される。したがって内燃機関1を単独で制御することでは不可能な低温燃焼が、他の動力源を併用することにより可能になり、NOx などの大気汚染物質の内燃機関1での発生量を抑制し、車両全体としての排ガスを良好なものとすることができ、少なくとも排ガスの悪化を防止もしくは抑制することができる。
【0034】
なお、ハイブリッド車に対する出力要求量が大きいために、モータ2を駆動しても内燃機関1の出力を、低温燃焼領域Aに入る程度に下げられない場合には、上記のステップS8で否定的に判断される。その場合、特に制御をおこなうことなく直ちにリターンする。
【0035】
ここで上記の具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、図1に示すステップS1の機能的手段が、この発明の低温燃焼判断手段に相当し、ステップS2およびステップS5の機能的手段が、この発明の出力判断手段に相当し、ステップS9およびステップS11ならびにステップS12の機能的手段が、この発明の出力変更手段に相当し、さらにステップS10およびステップS7の機能的手段が、この発明の回転数制御手段に相当する。
【0036】
なお、この発明は上述した具体例に限定されない。したがってこの発明で対象とするハイブリッド車は、図3に示す構成のもの以外に、例えば図5に示す構成のものであってもよい。この図5に示すハイブリッド車は、内燃機関1の出力側に、トルクコンバータ20を介して無段変速機21を連結し、その無段変速機21の入力側に、他の動力源としてモータ・ジェネレータ22を連結し、そしてその無段変速機21からカウンタギヤ対14および最終軸13ならびにファイナルギヤ対16を介して出力するように構成したものである。他の構成は図3と同様であり、図3と同一の符号を付してある。したがってこの図5に示す構成のハイブリッド車では、内燃機関1を低温燃焼運転するための回転数の制御が、無段変速機21によって実行され、これがこの発明の回転数制御機構に相当することになる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、他の動力源と併せて搭載されている内燃機関を低温燃焼させる要求があった場合、その時点の内燃機関の出力が予め定めてある低温燃焼領域内に入っていないと、換言すればその時点の出力を維持して内燃機関の回転数を変更しても低温燃焼領域に入らなければ、他の動力源が駆動されて内燃機関の出力が低温燃焼領域内に入る出力に変更され、ついで、その変更された出力を維持した状態で、内燃機関の回転数が変更させられ、その運転点が前記低温燃焼領域内の運転点に設定されるから、内燃機関で発生するNOx や煤の量が低減され、車両の全体としての排ガスの悪化を防止することができる。また、内燃機関を単独で制御することによって達成できない低温燃焼を達成できるので、その点でも排ガスの浄化を促進することができる。特に請求項3の発明では、発電機の回転数を変更することにより遊星歯車機構を介して内燃機関の回転数が変更させられ、それに伴って他の動力源からリングギヤにトルクが入力される。
【0038】
また特に、請求項2の発明によれば、変更された内燃機関の出力が、低温燃焼領域に入る最高出力もしくはそれに近い出力に設定されるから、内燃機関の出力を変更する前後での車両全体としての出力を維持するために必要とする他の動力源の出力が小さくてよく、そのためにモータなどの他の動力源を小型化し、それに併せて蓄電装置などの付属機器を小型化し、車載性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の制御装置による制御例を説明するためのフローチャートである。
【図2】 その内燃機関の出力線図を模式的に示す図である。
【図3】 この発明で対象とするハイブリッド車の駆動系統の一例を示す模式図である。
【図4】 その合成機構を構成している遊星歯車機構についての共線図である。
【図5】 この発明で対象とするハイブリッド車の駆動系統の他の例を示す模式図である。
【符号の説明】
1…内燃機関、 2…モータ、 3…発電機、 18,19…電子制御装置、
21…無段変速機、 22…モータ・ジェネレータ。

Claims (3)

  1. 煤の発生量が極大となる不活性ガス吸入量より多く不活性ガスを吸入する低温燃焼の可能な内燃機関と、他の動力源と、前記内燃機関の出力側に連結されかつ内燃機関の回転数を変更する回転数制御機構とを備えたハイブリッド車の制御装置において、
    前記低温燃焼の要求の有無を判断する低温燃焼判断手段と、
    低温燃焼の要求があった際の前記内燃機関の出力がその出力を維持して前記内燃機関の回転数を変更することにより前記低温燃焼領域に入る出力か否かを判断する出力判断手段と、
    内燃機関の回転数を変更しても内燃機関の運転状態が前記低温燃焼領域に入らないことが判断された場合に、前記他の動力源を駆動するとともに前記内燃機関の出力を前記低温燃焼領域に入る出力に変更する出力変更手段と、
    その変更した出力での内燃機関の運転点が前記低温燃焼領域内の運転点となるように前記回転数制御機構によって内燃機関の回転数を変更する回転数制御手段と
    を備えていることを特徴とするハイブリッド車の制御装置。
  2. 前記出力変更手段は、前記内燃機関の出力が、前記低温燃焼領域内に入る出力で最大出力もしくは最大出力に近い出力となるように、前記他の動力源を駆動して前記内燃機関の出力を変更するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車の制御装置。
  3. サンギヤと、そのサンギヤと同心円上に配置されたリングギヤと、これらサンギヤとリングギヤとの間に配置されたピニオンギヤを保持するキャリヤとを有する遊星歯車機構を更に備え、
    前記回転数制御機構は、前記サンギヤに連結された発電機を含み、
    前記キャリヤに前記内燃機関が連結されるとともに、前記リングギヤに前記他の動力源が連結されかつ前記リングギヤが出力部材に連結されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車の制御装置。
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