JP3812041B2 - Rc版の鋼構造物への取り付け方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は鉄筋コンクリート版を鋼構造物に取り付ける方法に係り、特にRC版(プレキャスト鉄筋コンクリート版)を鋼製構造物に取り付けて護岸・防波堤などの壁体を構築する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
護岸・防波堤などの壁体を構築するには、従来、図5に示すようにRC版5を支持できるようにH形鋼1を溝部を対向させて垂直に建て込んで鋼構造体を構築し、溝部の間にRC版5を挿入するのが一般的であった。その際、鋼構造体(H形鋼)とRC版との固定のためにRC版と鋼構造物との間隙にセメントモルタルを充填するか、或いはH形鋼溝部とRC版をボルト止めするなどの手段を講じていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記方法によるのでは、モルタルの充填のためには特別の型枠を必要とし、またボルト止めのために相当の工数を必要とするなど、構築のため煩雑な作業を要していた。更に、上記方法によるときは、RC版を挾持する鋼材は外部環境に対して露出しており、特に海洋土木分野の防波堤などに壁体を構築した場合には鋼材に対して厳重な防食対策を必要としていた。
本発明は、このような従来技術の有する問題点を解決しようとするものであって、まず第1にRC版を鋼構造物に取り付ける際、特に煩雑な作業を必要とすることなく、極めて容易、かつ確実にRC版を固定できる方法を提供することを目的とするものである。第2には、海洋土木分野の防波堤などの壁体を構築した段階で既にコンクリートによって防食がなされており、特別な防食対策を必要としない壁体の構築方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題の解決のために、RC版の鋼構造物への取り付け方法を、RC版の挿入部を幅方向に連続して形成するように傾斜させて立設され、かつフランジ部に雌ねじを刻設してなる複数のH形鋼を有する鋼構造体を形成する第1工程と、前記第1工程により立設された鋼構造体のRC版の挿入部に、予め鋼構造物に当接する部位に水膨張性シール材を貼付してなるRC版を挿入して鋼構造物−RC版の複合体を形成する第2工程と、前記第2段階で形成された鋼構造物−RC版の複合体の前面に型枠を設置し、該型枠を前記フランジ部に締結用ボルトを介して連結し、該型枠とRC版及び鋼材によって形成されるグラウト充填空間を形成する第3工程と、前記第3工程で形成されたグラウト充填空間内にグラウトを充填し、固化する第4工程と、前記グラウトの固化後、前記型枠を除去する第5工程と、からなるものとするものである。
【0005】
また、本発明は、前記第3工程における型枠の設置を、弾性変形可能な型枠を用いて構造物−RC版の複合体のH形鋼を挟んで相隣接するRC版の前面を前記H形鋼を含んで覆った後、該型枠に設けたボルト穴からボルトを挿通してH形鋼のフランジ部に設けた雌ねじ部に螺合し、さらにRC版を押圧するようにボルト締めして該型枠とH形鋼及びRC版を一体に固定するようにするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその1実施例に基づき図面を参照して詳細に説明する。図1に示すようにH形鋼1を支柱2と補強部材3とからなる控え4を支えとして鉛直に対して一定の傾きをもって立設する。H形鋼1にはそのフランジ部にあらかじめ後に示す締結ボルト10と螺合する雌ねじ7が刻設されている。H形鋼1の間隔はRC版5のスパンに相当する距離だけおく。H形鋼1のフランジとウェブによって形成される溝は、相互に対抗して向き合い、RC版5の挿入部6を形成する。H形鋼1の傾きは次工程におけるRC版5の挿入が困難にならないように、またRC版5の挿入後、RC版5がH形鋼1のフランジ部に寄りかかり安定してH形鋼1フランジ部に保持される程度でよい。一般には5°〜30°でよい。なお、控え4は、H形鋼1所定位置に所定の傾きをもって立設するために一般に必要であるが、その構造は特に限定されない。このようにして鋼構造体の構築が行われるが、その構築は陸上で行ってもよくまた、海中に控え4を設置した後、これをガイドとしてH形鋼1を打設する方法を採ってもよい。
【0007】
ついで上記により形成された鋼構造体にRC版5を挿入する第2工程が行われる。すなわち図1、図2(b)に示すように傾斜して立接されたH形鋼1のフランジ部(溝状部分)をガイドとしてRC版5を挿入部6にスライドさせて挿入するのである。その際、RC版5には、予め図2(a)に示すように、H形鋼1のフランジ部分に当接する箇所の一部を適当に溝状に切り欠いて水膨張性シール材8を貼付しておく。これによって後のグラウト充填の際、あるいは海中に設置された際、水膨張性シール材8が膨張してRC版5とH形鋼1の隙間を確実に埋め、RC版の固定とH形鋼の防食を完全にするのである。水膨張性シール材の種類、サイズは上記目的を達するものであればよい。
【0008】
上記によって形成された鋼構造体−RC版の複合体を一体に固定し、防食作用を保有させるためにその前面に型枠9を設置し、型枠9と前記複合体Bで形成される空間11にグラウトが充填される。型枠9の設置は、型枠にボルト穴13を設け、このボルト穴13から締結用ボルト10をH形鋼1のフランジ部分に設けた雌ねじ7に螺合し、型枠9と固定することによって行われる。この場合、型枠9の形状、型枠9を前記複合体前面に設置する方法に特に制限はないが、以下のように行うのがよい。
【0009】
まず、型枠9として弾性変形可能なものを用いる。これは後述するようにRC版5をH形鋼フランジ内面に確実に押しつけ、かつグラウトの固化後に型枠9をグラウトから取り外すのを容易にするためである。型枠9の形状はH形鋼1を挟んで相隣接するRC版5に亘り、かつこれらの前面を覆うようになっていればよい。前述したようにRC版5にはボルト穴13が開けられており、締結用ボルト10が挿通されるようになっている。また、型枠5のRC版5への当接部にはシールゴム14などの弾性部材を配しておくのがよい。
【0010】
上記型枠5のボルト穴13から締結用ボルト19を挿通してH形鋼1のフランジに設けた雌ねじ7に螺合し、型枠9と鋼構造体−RC版の複合体の連結を行なう。本発明においてはさらにボルト締めを続行し、ボルト10の先端をRC版5にまで達せしめる。これにより、RC版5はボルト10により押圧されて図3に示すようにH形鋼のフランジ面内面に強く押しつけられる。しかし、型枠9の有するばねの作用によりその圧力は適当な範囲に収められ、RC版5を破壊に至らせることはない。
【0011】
上記第3工程によって、鋼構造体−RC版の複合体と型枠9が一体に固定され、同時に型枠9とRC版5及びH形鋼によって囲まれるグラウト充填空間11が形成される。このグラウト充填空間11に適当なグラウト材を充填・固化し、これによってH形鋼1、RC版5からなる複合体全体が強固に一体化され、またH形鋼の前面がグラウト材で覆われ、海水等外部環境と遮断され、防食機能を持つことになる。
【0012】
グラウト材が十分固化すれば、型枠9が取り外され、図4に示すように壁体が完成する。本発明の場合には締結用ボルト10を外せば、型枠9の有する弾性ばねの作用により容易にその取り外しを行うことができる。締結ボルト10を撤去した後に生ずるボルト穴は必要に応じモルタルなどで埋めればよい。
【0013】
以上、本発明にかかるRC版の鋼構造体への取り付け方法について説明したが、実施に当たっては、その全工程を陸上で行い、完成した組立体を海中の所定箇所に設置する方法によればよい。しかし、第1工程ないし第3工程のいずれかの工程後、中間組立体を海中所定の場所に設置し、その後の第4、第5工程を海中で行うようにしてもよい。
【0014】
【発明の効果】
本発明により、鋼構造体とRC版の固定が容易かつ確実に行われるようになり、いわゆるRC版のガタツキが完全に解消された。さらに、鋼構造体においてRC版を支持するH形鋼部分がグラウト材によって完全に覆われ、手間のかかる防食工事を改めて行う必要がなくなった。特に、RC版のガタツキがなくなったことは、比較的脆いRC版を安全確実に鋼構造体に挿入できることになり、また、グラウトも固化時に動揺が生じないので強度の高く欠陥のないグラウチング層を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する鋼構造体の全体斜視図である。
【図2】本発明に使用するH形鋼とRC版の関係を示す部分断面図である。(a)は横断面図であり、(b)は縦断面図である。
【図3】本発明における鋼構造体−RC版への型枠の設置状態を示す断面図である。
【図4】本発明により構築された壁体の部分横断断面図である。
【図5】従来法によるH形鋼へのRC版の取り付け状況を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 H形鋼
2 支柱
3 補強材
4 控え
5 RC版
6 RC版挿入部
7 雌ねじ
8 水膨張性シール材
9 型枠
10 ボルト
11 グラウト充填空間
12 グラウト
13 ボルト穴
14シールゴム
Claims (2)
- RC版の挿入部を幅方向に連続して形成するように傾斜させて立設され、かつフランジ部に雌ねじを刻設してなる複数のH形鋼を有する鋼構造体を形成する第1工程と、
前記第1工程により形成された鋼構造体のRC版の挿入部に、予め鋼構造物に当接する部位に水膨張性シール材を貼付してなるRC版を挿入して鋼構造物−RC版の複合体を形成する第2工程と、
前記第2工程で形成された鋼構造物−RC版の複合体の前面に型枠を設置し、該型枠を前記フランジ部に締結用ボルトを介して連結し、該型枠とRC版及びH形鋼によって囲まれるグラウト充填空間を形成する第3工程と、
前記第3工程で形成されたグラウト充填空間内にグラウトを充填し、固化する第4工程と、
前記グラウトの固化後、前記型枠を除去する第5工程と、からなるRC版の鋼製構造物への取り付け方法。 - 弾性変形可能な型枠を構造物−RC版の複合体のH形鋼を挟んで相隣接するRC版の前面を前記H形鋼を含んで覆った後、該型枠に設けたボルト穴からボルトを挿通してH形鋼のフランジ部に設けた雌ねじに螺合し、さらにRC版を押圧するようにボルト締めして該型枠とH形鋼及びRC版を一体に固定する工程からなる第3工程を有する請求項1記載のRC版の鋼製構造物への取り付け方法。
Priority Applications (1)
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JP04978197A JP3812041B2 (ja) | 1997-02-18 | 1997-02-18 | Rc版の鋼構造物への取り付け方法 |
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JP04978197A JP3812041B2 (ja) | 1997-02-18 | 1997-02-18 | Rc版の鋼構造物への取り付け方法 |
Publications (2)
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JPH10231511A JPH10231511A (ja) | 1998-09-02 |
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ID=12840716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP04978197A Expired - Lifetime JP3812041B2 (ja) | 1997-02-18 | 1997-02-18 | Rc版の鋼構造物への取り付け方法 |
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- 1997-02-18 JP JP04978197A patent/JP3812041B2/ja not_active Expired - Lifetime
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