JP3811418B2 - 重畳方法及び重畳装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば同軸線路のような伝送線路に、映像信号と、これとは異なる周波数のFM信号とを重畳して伝送する重畳方法及び重畳装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、監視カメラシステムでは、監視カメラによる監視領域の映像信号の他に、監視領域の音声も、監視領域から離れた場所にある監視センターに伝送することがある。例えば監視カメラがマイクロホン内蔵のものである場合、監視カメラ内において、マイクロホンからの音声信号で所定の周波数の搬送波を変調した変調信号と映像信号とを混合して、伝送線路に伝送する。監視カメラがマイクロホンを内蔵していない場合や、監視カメラのマイクロホンでは集音不可能なエリアの音声を集音したい場合や、監視カメラのマイクロホンでは集音効率が悪い場合には、監視カメラとは別個に設けたマイクロホンによって集音し、マイクロホンからの音声信号で搬送波を変調して、変調信号を生成し、この変調信号と、監視カメラからの映像信号とを、重畳装置で混合して、伝送線路を伝送するか、或いは監視カメラからの映像信号の伝送線路とは別個に伝送線路を設け、この別個の伝送線路によって音声信号を伝送する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
重畳装置を用いた場合、監視カメラがマイクロホン内蔵のものであると、監視センター側の受信機を、監視カメラのマイクロホンと別のマイクロホンとで共用するために、両マイクロホンを送信するための搬送波には、同一周波数のものが使用されている。そのため、監視カメラが内蔵するマイクロホンを停止させるのを忘れると、同一チャンネル妨害が発生する。特に搬送波の変調に振幅変調を用いていると、ノイズが発生し、音声品位に欠けるという問題が生じる。また、別の伝送線路を用いた場合には、別の伝送線路の敷設費用が発生し、高コストとなるという問題が生じる。
【0004】
本発明は、低コストで、同一チャンネル妨害が生じない重畳方法及び重畳装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様による重畳方法は、出力手段と、送信手段とを、伝送線路に接続して、離れた位置に伝送するものである。出力手段は、映像信号と、これとは異なる周波数の第1搬送波をデータで周波数変調した第1FM信号とを、出力するもので、例えばマイクロホン内蔵カメラを使用することができる。或いは、マイクロホンを内蔵していないカメラの映像信号と、別のマイクロホンで集音した音声信号で第1搬送波を周波数変調した第1FM信号とを、重畳装置で混合したものを使用できる。送信手段は、第1搬送波と同一周波数の第2搬送波を、前記データとは異なるデータで周波数変調した第2FM信号を送信するものである。第2FM信号は、第1FM信号よりも信号レベルが小さく選択されている。データとしては音声信号を使用することもできるし、或いは監視領域を監視したセンサからのセンサ信号を使用することもできる。重畳手段が、出力手段と、送信手段と、伝送線路とを接続するのに使用される。重畳手段は、第1及び第2の端子を有している。第1及び第2の端子間に、前記映像信号を通過させ、第1及び第2搬送波の周波数を減衰させる第1フィルタ手段が接続されている。第1及び第2搬送波の周波数を通過させる第2フィルタ手段の一方の端部が前記送信手段に接続されている。第2フィルタ手段の他方の端部が第2の端子に接続されている。前記伝送線路に前記映像信号と第2FM信号とを伝送するときには、第1端子を前記出力手段に、第2端子を前記伝送線路に接続する。前記伝送線路に前記映像信号と第1FM信号とを伝送するときには、第1端子を前記伝送線路に、第2端子を前記出力手段に接続する。
【0006】
この重畳方法では、第1端子を前記出力手段に、第2端子を前記伝送線路に接続すると、出力手段からの映像信号と第1FM信号のうち、第1FM信号が減衰され、主に映像信号が第1フィルタ手段を通過し、第2フィルタ手段を通過した減衰を受けていない第2FM信号と混合されて、伝送線路を伝送される。第1フィルタ手段の減衰量は、第1フィルタ手段の一方の端部側に生じる第1FM信号のレベルが、第1フィルタ手段の一方側の端部に生じる第2FM信号のレベルよりも小さくなるように選択することが望ましい。これによって、前記伝送線路に前記映像信号と第2FM信号とを伝送することができる。また、第1端子を伝送線路に、第2端子を出力手段に接続すると、出力手段からの第1FM信号は、第1フィルタ手段によって減衰されるが、第2FM信号よりも第1FM信号の信号レベルが大きいので、第1フィルタ手段の他方側には或るレベルで第1FM信号が生じる。一方、第2FM信号は、第1FM信号よりもレベルが小さく、かつ第1フィルタ手段によって減衰されるので、第1フィルタ手段の他方側には、上記或るレベルよりもかなり小さいレベルで生じる。従って、出力手段及び送信手段から第1及び第2FM信号がそれぞれ出力されていても、第1及び第2端子を入れ替えることによって、伝送線路には信号レベルに大きな相違がある状態で、第1FM信号または第2FM信号が供給される。このように信号レベルに相違があるので、伝送線路に接続されるFM受信手段は、信号レベルの大きい第1または第2FM信号のみを受信する。従って、FM方式の妨害排除能力により同一チャンネル妨害の影響を低減させて、第1及び第2FM信号のうち所望のものを、映像信号と共に1本の伝送線路によって伝送することができる。しかも、第2FM信号専用に伝送線路を設ける必要がない。
【0007】
本発明の第2の態様の重畳装置は、第1端子と第2端子とを有している。第1端子には、映像信号と、これとは異なる周波数の第1搬送波をデータで周波数変調した第1FM信号とが供給される。第2端子は、伝送線路に接続される。第1及び第2の端子間に第1フィルタ手段が接続され、前記映像信号を通過させ、第1及び第2搬送波の周波数を減衰させる。第1及び第2搬送波の周波数を通過させる第2フィルタ手段の一方の端部が第1端子に接続されている。上記第1搬送波と同一周波数の第2搬送波を、前記データとは異なるデータで周波数変調し、第1FM信号よりも信号レベルが小さい第2FM信号を、第2のフィルタ手段の他方の端部と、第2の端子のうち選択されたものに選択手段が接続する。
【0008】
第1の態様では、第1及び第2端子の接続の入れ替えが必要であるが、本態様では、選択手段の操作のみによって、第1または第2FM信号を伝送する状態に切り替えられ、接続の入れ替えが不要になる。
【0009】
本発明の第3態様の重畳装置も、第1及び第2端子を有している。第1端子には、映像信号と、これとは異なる周波数の第1搬送波をデータで周波数変調した第1FM信号とが供給される。第2端子は伝送線路に接続される。前記映像信号を通過させ、第1搬送波の周波数を減衰させる第1及び第2フィルタ手段が設けられている。第2フィルタ手段は、第1フィルタ手段よりも第1及び第2搬送波の周波数の減衰量が少ない。第1及び第2のフィルタ手段の一方の端部に、上記第1搬送波と同一周波数の第2搬送波を、前記データとは異なるデータで周波数変調した第2FM信号を、第2FM信号供給手段が選択的に供給する。第2FM信号は、第1FM信号よりも小さいレベルに設定されている。第1の端子を、第1フィルタ手段の他方の端部と、第2フィルタ手段の一方の端部に第1選択手段が選択的に接続する。第2の端子を、第1のフィルタ手段の一方の端部と、第2のフィルタ手段の他方の端部に第2選択手段が選択的に接続する。第1及び第2選択手段は、第1フィルタ手段が第1及び第2端子間に接続された第1状態と、第2フィルタ手段が第1及び第2端子間に接続された第2状態とのいずれかに接続可能である。第1状態において、第2端子での第2FM信号のレベルが、第1FM信号レベルよりも大きくなるように、第1フィルタ手段の減衰量が設定されている。
【0010】
第3の態様では、第1及び第2選択手段が上記第1状態にあると、第1FM信号が第1フィルタ手段で大きく減衰されて、第2端子に生じる。第2端子には第2FM信号が第2FM信号供給手段から供給される。第2端子において、第2FM信号のレベルが、第1FM信号のレベルよりも大きくなるように、第1フィルタ手段の減衰量が決定されているので、伝送線路に接続されたFM受信手段は、FM方式の妨害排除能力によりレベルの大きい第2FM信号を、同一チャンネル妨害の影響を低減させた状態で受信する。第1及び第2選択手段が、上記第2状態にあると、第1FM信号が第2フィルタ手段を通過して、第1フィルタ手段よりも少ない減衰量で減衰される。一方、第2FM信号供給手段からの第2FM信号は、第2フィルタ手段によって少ない減衰量で減衰されるが、元々、第2FM信号のレベルは小さいので、伝送線路に供給される第2FM信号のレベルは、第1FM信号よりも小さくなる。従って、伝送線路に接続されたFM受信手段は、FM方式の妨害排除能力により、第1FM信号を同一チャンネル妨害の影響を低減させた状態で受信する。このように、第1及び第2FM信号のうち所望のものを、同一チャンネル妨害の影響を低減させて、1本の伝送線路を使用しながら、映像信号と共に伝送することができる。なお、第1の状態における伝送線路での第1FM信号レベルと、第2状態における伝送線路での第2FM信号レベルとが、ほぼ等しくなるように、第1及び第2フィルタ手段の減衰量を定めることが望ましい。
【0011】
第1及び第2選択手段を第1及び第2の状態のうち選択されたものに制御する制御信号を、前記伝送線路を介して第2の端子に供給することができる。この場合、第1及び第2フィルタ手段の一方の端部側から前記制御信号を抽出可能に、前記制御信号の受信手段を設ける。第1及び第2フィルタ手段は、ローパスフィルタに形成される。前記制御信号は、第2フィルタ手段によって減衰されても、前記受信手段によって受信可能な送信レベルで送信されている。
【0012】
制御信号が、伝送線路を介して第2の端子に供給されると、第1状態では、第2選択手段から受信手段に供給される。第2状態では、第2選択手段から第2フィルタ手段によって減衰されて、制御信号が受信手段に供給される。しかし、制御信号は、第2フィルタ手段によって減衰されても、受信手段によって受信可能であるので、受信手段は、第1及び第2選択手段を制御可能である。従って、第1または第2FM信号を伝送線路で伝送する状態に、遠隔地から制御することが可能である。
【0013】
本発明の第4の態様の重畳装置は、入力端子と出力端子とを有している。入力端子には、映像信号と、これとは異なる周波数の第1搬送波をデータで周波数変調した第1FM信号とが供給される。出力端子は、伝送線路に接続される。前記映像信号を通過させ、第1搬送波の周波数を減衰させる第1及び第2フィルタ手段が設けられている。第2フィルタ手段は、第1フィルタ手段よりも、第1及び第2搬送波の周波数の減衰量が少ない。第1及び第2フィルタ手段の一方の端部に、上記第1搬送波と同一周波数の第2搬送波を、前記データとは異なるデータで周波数変調した第2FM信号を、第2FM信号供給手段が選択的に供給する。前記入力端子を、第1フィルタ手段の他方の端部と、第2フィルタ手段の一方の端部に第1選択手段が選択的に接続する。前記映像信号を通過させ、第1搬送波の周波数を減衰させる第3及び第4フィルタ手段が設けられている。第4フィルタ手段は、第3フィルタ手段よりも第1及び第2搬送波の周波数の減衰量が少ない。第3及び第4フィルタ手段の一方の端部に、上記第1搬送波と同一周波数の第3搬送波を、前記データとは異なるデータで周波数変調した第3FM信号を、第3FM信号供給手段が選択的に供給する。第1フィルタ手段の一方の端部と第2フィルタ手段の他方の端部とを、第3フィルタ手段の他方の端部と第4フィルタ手段の一方の端部とに、第2選択手段が選択的に接続する。第3フィルタ手段の一方の端部と、第4フィルタ手段の他方の端部に、第3選択手段が選択的に接続する。第1乃至第3の選択手段は、第1選択手段が入力端子を第1フィルタ手段の他方の端部に接続し、第2選択手段が第1フィルタ手段の一方の端部と第2フィルタ手段の他方の端部とを、第4フィルタ手段の一方の端部に接続し、第3選択手段が第4フィルタ手段の他方の端部を前記出力端子に接続する第1状態と、第1選択手段が入力端子を第2フィルタ手段の一方の端部に接続し、第2選択手段が第1フィルタ手段の一方の端部と第2フィルタ手段の他方の端部とを第4フィルタ手段の一方の端部に接続し、第3選択手段が第4フィルタ手段の他方の端部を出力端子に接続する第2状態と、第1選択手段が、前記入力端子を第1フィルタ手段の他方の端部に接続し、第2選択手段が、第1フィルタ手段の一方の端部と第2フィルタ手段の他方の端部とを第3フィルタ手段の他方の端部に接続し、第3選択手段が、第3フィルタ手段の一方の端部を出力端子に接続する第3状態とに、切換可能であり、第1FM信号から第3FM信号に向かうに従って、信号レベルが小さく設定されている。
【0014】
第4の態様の重畳装置によれば、第1状態では、第1FM信号は、信号レベルは最も大きいが、第1フィルタ手段及び第4フィルタ手段によって大きく減衰される。第2FM信号は、第4のフィルタ手段によってやや減衰される。第4フィルタ手段の出力側での第2FM信号のレベルは、第1FM信号のレベルよりも大きくなるように、第1及び第4フィルタ手段の減衰量は定められる。第3FM信号は、第4のフィルタ手段によって減衰されるが、元々第2FM信号よりも信号レベルが小さいので、第4フィルタ手段の出力側での第3FM信号のレベルは、第2FM信号よりも小さい。従って、第1状態では、第2FM信号が、伝送線路に接続されたFM受信手段によって、同一チャンネル妨害の影響のないレベルで受信できる。第2状態では、第1FM信号は、第2フィルタ手段によって第1フィルタ手段よりも少ない減衰量で減衰され、更に第4フィルタ手段によって少ない減衰量で減衰される。第2FM信号は、第1FM信号よりも信号レベルが小さいので、第1FM信号と同じに第2フィルタ手段、第4フィルタ手段によって減衰された後の出力レベルは、第1FM信号よりも小さい。また、第3FM信号は、第2FM信号よりもレベルが小さいので、第4フィルタ手段によって減衰されただけで、第2FM信号よりもレベルが小さくなる。従って、伝送線路には、第1FM信号が最も大きなレベルで供給され、伝送線路に接続されたFM受信手段は、FM方式の妨害排除能力により、同一チャンネル妨害の影響を低減させて、第1FM信号を受信する。第3の状態では、第1FM信号は、共に減衰量が大きい第1フィルタ手段および第3フィルタ手段によって減衰され、伝送線路に供給される。第1FM信号よりも信号レベルが小さい第2FM信号は、第3フィルタ手段によって大きく減衰されて、伝送線路に供給される。第3FM信号は、最も信号レベルが小さいが、減衰を受けることなく、伝送線路に供給される。従って、伝送線路では、第3FM信号のレベルが第1及び第2FM信号よりも大きく、伝送線路に接続されたFM受信手段は、FM方式の妨害排除能力により、第3FM信号を同一チャンネル妨害の影響が低減された状態で受信できる。このように、第1乃至第3FM信号のうち、所望のものを、同一チャンネル妨害の影響を低減させた状態で、映像信号と共に1つの伝送線路を使用しながら、伝送することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態は、図1(a)、(b)に示すように、マイクロホン内蔵カメラ2を有している。このカメラ2は、予め定められた監視領域を撮像した映像信号、例えばバースバンド撮像信号を出力する。このバースバンド撮像信号は、直流から6MHzまでの周波数帯を有するものである。このカメラ2には、マイクロホン(図示せず)が内蔵されており、監視領域において音声信号を集音する。この音声信号で、所定の周波数、例えばベースバンド撮像信号の最高周波数よりも高く、比較的近い周波数、例えば10MHzの搬送波を周波数変調した第1FM信号も出力する。このベースバンド撮像信号と第1FM信号とは、混合されて、カメラ2から出力される。なお、カメラ2は、通常、マイクロホンのオン・オフスイッチを備えているが、このスイッチがオフにされた場合、搬送波そのものを停止するもの、音声信号による変調だけを停止して搬送波の送信を継続するものもののいずれであってもよい。また、オン・オフスイッチを備えてなく、継続して第1FM信号を送信するものであってもよい。
【0016】
カメラ2のマイクロホンによる集音では、集音効率が悪い場合、或いはカメラ2のマイクロホンでは集音できない領域で集音を行いたい場合、マイクロホン4が、カメラ2のマイクロホンとは別個に設けられる。このマイクロホン4からの音声信号が、送信手段、例えばFM送信部6に供給される。FM送信部6は、カメラ2が音声信号の伝送に使用しているのと同じ周波数の搬送波を、マイクロホン4からの音声信号で周波数変調して、第2FM信号を生成する。
【0017】
カメラ2からの映像信号と第1または第2FM信号とを、伝送線路、たとえば同軸線路7に供給して、離れた位置にある監視センターに伝送するために、重畳装置8が使用されている。
【0018】
重畳装置8は、第1フィルタ手段、例えばローパスフィルタ10を有している。このローパスフィルタ10は、図2に示すように、ベースバンド撮像信号を完全に通過させるようにカットオフ周波数が約7乃至8MHzに設定されており、さらに、第1及び第2FM信号の搬送波(10MHz)を充分に減衰することができるように、高次、例えば5次や7次のローパスフィルタに構成されている。或いは、3次程度のローパスフィルタに、10MHzをトラップ周波数とするトラップフィルタを付加して、やはり第1及び第2FM信号を十分に減衰できるように構成されている。例えば10MHzにおける減衰量が40dBに設定されている。このローパスフィルタは、第1端子12と第2端子14との間に接続されている。
【0019】
重畳装置8は、更に第2のフィルタ手段、たとえばハイパスフィルタ16を有している。このハイパスフィルタ16は、10MHzの第1及び第2FM信号を完全に通過させることができるように、カットオフ周波数をやはり約7MHzまたは8MHzに設定されている。このハイパスフィルタ16は、その入力側が送信部6に接続されており、出力側が第2端子14に接続されている。
【0020】
この重畳装置8を使用して、カメラ2からの撮像信号と、送信部6からの第2FM信号とを重畳して、同軸線路7に供給する場合、図1(a)に示すように接続する。即ち、カメラ2を第1端子12に接続し、第2端子14を同軸線路7に接続する。このように接続すると、例えばカメラ2からの第1FM信号の出力レベルが0dBmで、送信部6からの第2FM信号の出力レベルが−20dBmであり、即ち、第2FM信号の出力レベルが第1FM信号の出力レベルよりも小さく、ローパスフィルタ10において、10MHzでの減衰量が−40dBとあるとすると、カメラ2からの第1FM信号は、ローパスフィルタ10において減衰されて、第2端子14において−40dBmとなる。一方、送信部6からの第2FM信号は、ハイパスフィルタ16において減衰を受けないので、第2端子14での出力レベルは−20dBmとなる。即ち、第2端子14では、第2FM信号の出力レベルが、第1FM信号よりも大きくなり、第2FM信号を希望波、第1FM信号を不所望波とすると、D/U比が20dB確保できる。D/U比が20dBであり、第1及び第2FM信号における周波数偏移が±75kHzとすると、同軸線路7に接続されているFM受信機(図示せず)では、第1及び第2FM信号の周波数である10MHzを受信した場合、S/N比を50dB確保し、希望波である第2FM信号を同一チャンネル妨害の影響が提言された状態で受信することができる。従って、カメラ2から継続して第1FM信号の送信が行われていても、または搬送波の送信が継続されていても、マイクロホン4からの音声信号を監視センターにおいて良好に受信することができる。
【0021】
また、カメラ2からの第1FM信号を監視センターに伝送したい場合、図1(b)に示すように、カメラ2を第2端子14に接続し、第1端子12を同軸線路7に接続する。このように接続すると、上記と同様に、第1FM信号の出力レベルを0dBmで、第2FM信号の出力レベルが−20dBmで、ローパスフィルタ10の10MHzでの減衰量が−40dBとあるとすると、カメラ2からの第1FM信号は、ローパスフィルタ10において減衰されて、第2端子14において−40dBmとなる。一方、送信部6からの第2FM信号は、ハイパスフィルタ16を経てローパスフィルタ10に供給され、ここで−40dBの減衰を受け、第2端子14での出力レベルは−60dBmとなる。即ち、第2端子14では、第1FM信号の出力レベルが、第2FM信号よりも大きくなり、第1FM信号を希望波、第2FM信号を不所望波とすると、D/U比が20dB確保できる。この場合も、S/N比が50dB確保した状態で、希望波である第2FM信号のみを同一チャンネル妨害を受けることなく、受信することができる。
【0022】
このように、重畳装置8の第1及び第2端子10、12のカメラ2及び同軸線路7への接続を入れ替えることによって、ベースバンド撮像信号の伝送には、なんら影響を与えることなく、第1及び第2FM信号のうち所望のものを、同一チャンネル妨害を受けることなく、監視センターに、1本の同軸線路7によって伝送することができる。
【0023】
第2の実施の形態を図3に示す。第1の実施の形態では、第1及び第2FM信号のいずれを伝送するかを選択するためには、重畳装置8の第1及び第2端子12、14の接続を入れ替えなければならず、その作業が面倒で、作業効率が悪い。第2の実施の形態は、この点を改善したもので、図3に示すように、ハイパスフィルタ16の入力側と、第1端子12とに、それぞれ接続された接点18a、18bを有する選択手段、例えば切換スイッチ18が設けられている。この切換スイッチ18は、接点18a、18bの一方に選択的に接続され、送信部6に接続されている接触子18cを有している。切換スイッチ18としては、メカニカルスイッチまたは高周波メカニカルリレーを使用することができる。
【0024】
この場合、第2端子14がカメラ2に接続され、第1端子12が同軸線路7に接続され、その接続の入れ替えは行われない。そして、カメラ2、送信部6の送信レベル、ローパスフィルタ10の減衰量がそれぞれ第1の実施の形態と同様であるとすると、接触子18cが接点18bに接続された状態では、第1端子12における第2FM信号の出力レベルが第1FM信号の出力レベルよりも大きくなる。接触子18cが接点18aに接続された状態では、第1端子12における第1FM信号の出力レベルが第2FM信号の出力レベルよりも大きくなる。このように、切換スイッチ18の切換という簡単な操作だけで、第1及び第2FM信号のうち所望のものを、監視センターにおいて受信可能となる。
【0025】
図4(a)に第3の実施の形態を示す。第1及び第2の実施の形態では、第1FM信号の同軸線路7における出力レベルは−40dBmと、第2FM信号の同軸線路7における出力−20dBmよりも低下している。そのため、カメラ2の性能や、同軸線路7の長さによっては、S/N比が劣化し、ノイズ等が発生する可能性がある。第3の実施の形態は、この点を改善したものである。
【0026】
即ち、重畳装置8bは、ローパスフィルタ10a、10bを有している。これらローパスフィルタ10a、10bは、第1及び第2FM信号の搬送波の周波数(10MHz)における減衰量が異なる以外、同様に構成されている。即ち、ローパスフィルタ10aの減衰量は−60dBに、ローパスフィルタ10bの減衰量は−30dBに設定され、ローパスフィルタ10aの方がローパスフィルタ10bよりも大きな減衰量を持っている。
【0027】
2つのハイパスフィルタ16a、16bが設けられ、ハイパスフィルタ16aの出力側は、ローパスフィルタ10aの出力側に接続され、ハイパスフィルタ16bの出力側は、ローパスフィルタ16bの入力側に接続されている。即ち、ハイパスフィルタ16a、16bは、ローパスフィルタ10a、10bの一方の端部に接続されている。ハイパスフィルタ16a、16bの入力側は、切換スイッチ18を介して送信部6に接続されている。
【0028】
ローパスフィルタ10aの入力側、即ち他方の端部と、ローパスフィルタ10bの入力側、即ち一方の端部とは、選択手段、例えば切換スイッチ20の接点20a、20bに接続されている。切換スイッチ20の接触子20cは、カメラ2の出力側(これから第1FM信号とバースバンド撮像信号との混合信号が出力される)に接続されている。
【0029】
ローパスフィルタ10aの出力側、即ち一方の端部と、ローパスフィルタ10bの出力側、即ち他方の端部とは、選択手段、例えば切換スイッチ22の接点22a、22bに接続され、その接触子22cは、同軸線路に接続されている。
【0030】
これら切換スイッチ18、20、22は、例えば連動スイッチに構成することができ、例えば切換スイッチ20の接触子20cが接点20a、切換スイッチ22の接触子22cが接点22a、切換スイッチ18の接触子18cが接点18aに接続された第1の状態と、切換スイッチ20の接触子20cが接点20b、切換スイッチ22の接触子22cが接点22b、切換スイッチ18の接触子18cが接点18bに接続された第2の状態とに、切り換えられる。
【0031】
第1の状態では、カメラ2からの映像信号と第1FM信号とは、ローパスフィルタ10aを通過し、第1FM信号は大きく、−60dB減衰される。従って、第1FM信号の信号レベルが10dBmであると、同軸線路7には、−50dBmとして出力される。このとき、送信部6からの第2FM信号の信号レベルを−20dBmとすると、ハイパスフィルタ16aを介して接点22aに供給されるので、なんら減衰を受けず、第2FM信号は同軸線路7に−20dBmとして出力される。従って、希望波を第2FM信号、妨害波を第1FM信号とすると、D/U比を−30dB確保することができる。よって、カメラ2から継続して第1FM信号の送信が行われていても、または搬送波の送信が継続されていても、監視センターにおいて、第2FM信号を同一チャンネル妨害の影響を低減させて、良好に受信することができる。
【0032】
第2の状態では、カメラ2からの映像信号と第1FM信号とは、ローパスフィルタ10bを通過し、第1FM信号は、−30dB減衰される。従って、同軸線路7における第1FM信号の信号レベルは−20dBmとなる。このとき、送信部6からの信号レベルが−20dBmである第2FM信号は、ハイパスフィルタ16bを介してローパスフィルタ10bに供給され、−30dB減衰され、−50dBmとなる。この−50dBmの第2FM信号が同軸線路7出力される。従って、希望波を第1FM信号、妨害波を第2FM信号とすると、D/U比が−30dB確保することができる。よって、第1FM信号を監視センターにおいて、同一チャンネル妨害を受けることなく、受信できる。しかも、第1FM信号の出力レベルは、−20dBmと第1及び第2の実施の形態の場合よりも大きなレベルであり、第2FM信号とも同じレベルとなっている。従って、実用上、同軸線路7の長さが長いような場合でも、実用上ノイズ等は充分に無視できる。
【0033】
なお、切換スイッチ18、20、22としては、メカニカルスイッチまたは高周波メカニカルスイッチを使用することができる。
【0034】
この実施の形態では、2つのハイパスフィルタ16a、16bを使用しているが、例えば図4(b)に示すように、切換スイッチ18をローパスフィルタ10aの出力側とローパスフィルタ10bの入力側とに、1つのハイパスフィルタ16の出力側を切換接続するように構成すれば、ハイパスフィルタ16を1つだけ設ければよい。
【0035】
図5に第5の実施形態を示す。第4の実施の形態では、重畳装置8bにおいて、切換スイッチ18、20、22の切換操作を行わなければならず、切換を行うたびに、離れた位置にある監視センターから切換操作のために人を派遣しなければならず、作業効率が必ずしもよくない。この点を改善したのが、第5の実施の形態である。
【0036】
第5の実施の形態では、監視センターには、同軸線路7を伝送されたベースバンド撮像信号を処理する映像信号処理部24と、第1または第2FM信号を受信復調するFM受信部26とが設けられている。同軸線路7を伝送されたベースバンド撮像信号と、第1または第2FM信号とを分波するために、分波器28が設けられている。
【0037】
この分波器28は、ローパスフィルタ10aまたは10bと同様に構成されたローパスフィルタ30を有している。このローパスフィルタ30は、同軸線路7を伝送されているベースバンド撮像信号と第1または第2FM信号とから、ベースバンド撮像信号を分離して、映像信号処理部24に供給する。分波器28には、ハイパスフィルタ16a、16bと同様なハイパスフィルタ32も設けられている。このハイパスフィルタ32は、同軸線路7を伝送されているベースバンド撮像信号と第1または第2FM信号とから、第1または第2FM信号を分離して、FM受信部26に供給する。このようにローパスフィルタ30、ハイパスフィルタ32によって構成された分波器28を使用しているので、ベースバンド撮像信号と第1または第2FM信号とを充分に分離することができ、第1または第2FM信号のS/N比が向上する。
【0038】
この監視センターに、切換スイッチ18、20、22を遠隔制御するためのデータ送信部34が設けられている。データ送信部34は、ベースバンド撮像信号及び第1または第2FM信号に影響を与えず、重畳装置8bのローパスフィルタ10a、10bによって大きく減衰されず、且つできる限り低い周波数、例えば20MHzの搬送波を、制御データによって変調した、制御信号を送信する。この変調方式は、公知の種々のものを使用することができる。制御データは、例えば切換スイッチ18、20、22を第1の状態に切換えることを指示する第1切換指令、または切換スイッチ18、20、22を第2の状態に切換えることを指示する第2切換指令のいずれかが、状況に応じて使用される。データ送信部34からの制御信号は、分配器36、ハイパスフィルタ32を介して同軸線路7に供給される。なお、同軸線路7を伝送された第1または第2FM信号は、ハイパスフィルタ32、分配器36を介してFM受信部26に供給される。
【0039】
一方、重畳装置8cは、第4の実施の形態の重畳装置8bと同様に構成されているが、更に、切換スイッチ18の接触子18cは、直接に送信部6に接続されず、分配器38を介して送信部6と制御部40とに接続されている。制御部40は、同軸線路7を送信された制御信号を受信して、第1または第2切換指令を復調する。制御部40は、復調された第1または第2切換指令に応じて、切換スイッチ18、20、22を切換える。このため、切換スイッチ18、20、22には、高周波メカニカルリレーを使用している。
【0040】
なお、切換スイッチ22の接触子22cが接点22aに接続している状態(第1の状態)において、制御信号が伝送された場合、制御信号は、フィルタとしては、ハイパスフィルタ16aを通過するのみであるので、大きく減衰されることはない。しかし、切換スイッチ22の接触子22cが接点22bに接続している状態(第2の状態)において、制御信号が伝送された場合、制御信号は、フィルタとしてローパスフィルタ10bを通過してから、ハイパスフィルタ16bを通過する。そのため、ローパスフィルタ10bによって減衰を受ける。このローパスフィルタ10bによる制御信号に対する減衰量は約20乃至30dBであるので、データ送信部34からの制御信号の送信レベルを10dBm程度に設定すれば、S/N比を劣化させることなく、制御部40において制御信号を受信することが可能である。
【0041】
この実施の形態では、制御信号を監視センターから伝送することによって、各切換スイッチ18、20、22を遠隔制御することができるので、遠隔地である監視センターから効率よく、各切換スイッチ18、20、22を切換えることができる。なお、この実施の形態では、第1切換指令及び第2切換指令をデータ送信部34から伝送するように構成したが、制御部40は、制御信号を受信していない状態では、第1または第2の接続状態になるように切換スイッチ18、20、22を切換えておき、制御信号を受信している期間中、第2または第1の接続状態になるように、切換スイッチ18、20、22を切換えるように構成してもよい。この場合には、データ送信部34は、搬送波を送信するだけでよく、変調部を設ける必要がない。
【0042】
第6の実施の形態を図6、図7に示す。上記の各実施の形態では、マイクロホン内蔵カメラ2のマイクロホンと、重畳装置8、8bまたは8cに設けたマイクロホン4との2本のマイクロホンからの音声信号を切換えて、監視センターに送信するように構成している。即ち、使用可能なマイクロホンは2本だけである。この点を改善したのが、第6の実施の形態である。
【0043】
第6の実施の形態では、マイクロホン内蔵カメラ2のマイクロホン、重畳装置8bに接続されたマイクロホン4、重畳装置108bに接続されたマイクロホン104からの音声信号のうち1つを監視センターに送信することができる。
【0044】
重畳装置8bは、第3の実施の形態で示した重畳装置8bと同一の構成であるので、詳細な説明は省略する。重畳装置8bに重畳装置108bが縦続接続されている。重畳装置108bも、構成は重畳装置8bとほぼ同一である。従って、重畳装置8bの構成に対応する重畳装置108bの構成には、重畳装置8bの構成の符号に100を加算した値の符号を付して、説明を省略する。但し、切換スイッチ20に相当するものは設けられていない。なお、送信部106も、送信部6と同様に10MHzの搬送波をマイクロホン106からの音声信号で周波数変調したFM信号を発生するが、これを第3FM信号と称する。
【0045】
重畳装置8b、108bにおいて、相違するのは、ローパスフィルタ10a、10b、110a、110bの10MHzにおける減衰量である。即ち、重畳装置8bのローパスフィルタ10aの減衰量は−60dBに、ローパスフィルタ10bの減衰量は−30dBに設定されているのに対し、重畳装置108bのローパスフィルタ110aの減衰量は−40dBに、ローパスフィルタ110bの減衰量は−10dBに設定されている。同一の重畳装置において使用されているローパスフィルタ10aと10bまたは110aと110bとを比較すると、ローパスフィルタ10a、110aの方が、ローパスフィルタ10b、110bよりも大きい減衰量を持っている。但し、重畳装置8b、108bにおいて互いに対応するローパスフィルタ、例えばローパスフィルタ10aと110aとを比較すると、ローパスフィルタ10aの方が減衰量が大きく、同様に対応するローパスフィルタ10bと110bとでは、ローパスフィルタ10bの方が減衰量が大きい。
【0046】
更にカメラ2から送信される第1FM信号、送信部6からの第2FM信号、送信部106からの第3FM信号では、第1FM信号の送信レベルが最も大きく、第2FM信号、第3FM信号の順に送信レベルが小さく設定されている。例えば、第1FM信号は10dBm、第2FM信号は−20dBm、第3FM信号は−50dBmまたは−30dBmに設定されている。
【0047】
重畳装置8bの第2FM信号を監視センターに伝送する場合、切換スイッチ20の接触子20cが接点20aに接触し、切換スイッチ22の接触子22cが接点22bに接触し、切換スイッチ122の接触子122cが接点122bに接触する。このとき、切換スイッチ18の接触子18cは接点18aに接触する、切換スイッチ118の接触子118cは接点118a、118bのいずれに接触していてもよいが、接点118bに接触していると仮定する。この場合、図7(a)に示すようにフィルタ10a、110b、16a、116aが接続される。カメラ2からの10dBmの第1FM信号はローパスフィルタ10aで−60dBの減衰を受け、ローパスフィルタ110bで−10dBの減衰を受け、同軸線路7では−60dBmとなる。ハイパスパスフィルタ16aを通過した送信部6からの−20dBmの第2FM信号はローパスフィルタ110bで−10dBの減衰を受け、同軸線路7では−30dBmとなる。ハイパスフィルタ116bを通過した送信部106からの−50dBmの第3FM信号はローパスフィルタ110bで−10dBの減衰を受け、同軸線路7では−60dBmとなる。従って、第2FM信号の信号レベルが最も大きく、監視センターに設けられたFM受信機では、第2FM信号が、同一チャンネル妨害の影響を低減させた状態で、良好に受信される。
【0048】
カメラ2の第1FM信号を監視センターに伝送する場合、切換スイッチ20の接触子20cが接点20bに接触し、切換スイッチ22の接触子22cが接点22bに接触し、切換スイッチ122の接触子122cが接点122bに接触する。このとき、切換スイッチ18の接触子18cは接点18bに接触する、切換スイッチ118の接触子118cは接点118a、118bのいずれに接触していてもよいが、接点118bに接触していると仮定する。この場合、図7(b)に示すようにフィルタ10b、110b、16b、116bが接続される。カメラ2からの10dBmの第1FM信号はローパスフィルタ10bで−30dBの減衰を受け、ローパスフィルタ110bで−10dBの減衰を受け、同軸線路7では−30dBmとなる。ハイパスパスフィルタ16aを通過した送信部6からの−20dBmの第2FM信号はローパスフィルタ110bで−30dBの減衰を受け、同軸線路7では−50dBmとなる。ハイパスフィルタ116bを通過した送信部106からの−50dBmの第3FM信号はローパスフィルタ110bで−10dBの減衰を受け、同軸線路7では−60dBmとなる。従って、第1FM信号の信号レベルが最も大きく、監視センターの設けられたFM受信機では、第1FM信号が、同一チャンネル妨害の影響を低減させて、良好に受信される。
【0049】
重畳装置108bの第3FM信号を監視センターに伝送する場合、切換スイッチ20の接触子20cが接点20aに接触し、切換スイッチ22の接触子22cが接点22aに接触し、切換スイッチ122の接触子122cが接点122aに接触する。このとき、切換スイッチ18の接触子18cは接点18aに接触する、切換スイッチ118の接触子118cは接点118aに接触する。この場合、図7(c)に示すようにフィルタ10a、110a、16a、116aが接続される。カメラ2からの10dBmの第1FM信号はローパスフィルタ10aで−60dBの減衰を受け、ローパスフィルタ110aで−40dBの減衰を受け、同軸線路7では−90dBmとなる。ハイパスパスフィルタ16aを通過した送信部6からの−20dBmの第2FM信号はローパスフィルタ110aで−40dBの減衰を受け、同軸線路7では−60dBmとなる。ハイパスフィルタ116bを通過した送信部106から−30dBmの第3FM信号は、このとき−30dBmに設定され、フィルタによる減衰を受けないので、同軸線路7では−30dBmとなる。従って、第3FM信号の信号レベルが最も大きく、監視センターの設けられたFM受信機では、第3FM信号が、同一チャンネル妨害の影響を低減されて、良好に受信される。
【0050】
第5の実施の形態では、3波のFM信号のうち1つを選択して、伝送する場合を示したが、重畳装置の台数を増加させ、これら重畳装置内のローパスフィルタの減衰量を適切に設定し、かつFM信号の送信レベルを適切に設定することによって、より多くのFM信号のうち選択した1つを伝送することもできる。
【0051】
上記の各実施の形態では、カメラ2は内蔵マイクロホンを備えたものとしたが、これに限ったものではなく、カメラにはマイクロホンを内蔵していないものを使用することもできる。この場合、別途に設けたマイクロホンの音声信号で搬送波を周波数変調した第1FM信号と、マイクロホンを内蔵していないカメラからのベースバンド撮像信号とを、別の重畳装置によって重畳したものを使用する。上記の各実施の形態では、カメラ2からはベースバンド撮像信号を出力したが、このベースバンド撮像信号で搬送波を変調した映像信号を出力するように構成してもよい。この場合、第1乃至第3FM信号は、この映像信号と周波数が重複しないように周波数を設定する。また、上記の各実施の形態では、ベースバンド撮像信号とFM信号とを重畳して、同軸線路を伝送したが、これに加えて、カメラ2用の直流電源を同軸線路に重畳することもできる。また、上記の各実施の形態では、第1乃至第3FM信号は、音声信号によって変調されたものとしたが、他にセンサ等からの検出信号によって変調されたものとすることもできる。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、同一チャンネル妨害の影響を低減させて、複数のデータのうち所望のものを、1本の伝送線路によって映像信号と共に伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のブロック図である。
【図2】図1の実施の形態において使用するローパスフィルタの周波数特性図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態のブロック図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態及びその変形例のブロック図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態のブロック図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態のブロック図である。
【図7】第5の実施の形態における接続状態の変化を示すブロック図である。
【符号の説明】
2 カメラ(出力手段)
4 マイクロホン
6 送信部(送信手段)
7 同軸線路(伝送線路)
8 8a、8b、8c 108b 重畳装置(重畳手段)
Claims (5)
- 映像信号と、これとは異なる周波数の第1搬送波をデータで周波数変調した第1FM信号とを、出力する出力手段と、
上記第1搬送波と同一周波数の第2搬送波を、前記データとは異なるデータで周波数変調した第2FM信号を、第1FM信号よりも低い信号レベルで送信する送信手段とを、
重畳手段によって伝送線路に接続して、離れた位置に前記映像信号と、第1または第2FM信号とを伝送する方法において、
前記重畳手段は、第1及び第2の端子を有し、第1及び第2の端子間に、前記映像信号を通過させ、第1及び第2搬送波の周波数を減衰させる第1フィルタ手段を接続し、第1及び第2搬送波の周波数を通過させる第2フィルタ手段の一方の端部が前記送信手段に接続され、他方の端部が第2の端子に接続され、
前記伝送線路に前記映像信号と第2FM信号とを伝送するときには、第1端子を前記出力手段に、第2端子を前記伝送線路に接続し、前記伝送線路に前記映像信号と第1FM信号とを伝送するときには、第1端子を前記伝送線路に、第2端子を前記出力手段に接続する重畳方法。 - 映像信号と、これとは異なる周波数の第1搬送波をデータで周波数変調した第1FM信号とが供給される第1端子と、
伝送線路に接続される第2端子と、
第1及び第2の端子間に接続され、前記映像信号を通過させ、第1及び第2搬送波の周波数を減衰させる第1フィルタ手段と、
第1及び第2搬送波の周波数を通過させ、一方の端部が第1端子に接続された第2フィルタ手段と、
上記第1搬送波と同一周波数の第2搬送波を、前記データとは異なるデータで周波数変調し、第1FMよりも信号レベルが小さい第2FM信号を、第2のフィルタ手段の他方の端部と、第2の端子のうち選択されたものに接続する選択手段とを、
具備する重畳装置。 - 映像信号と、これとは異なる周波数の第1搬送波をデータで周波数変調した第1FM信号とが供給される第1端子と、
伝送線路に接続される第2端子と、
前記映像信号を通過させ、第1搬送波の周波数を減衰させる第1フィルタ手段と、
前記映像信号を通過させ、第1搬送波の周波数を減衰させ、第1フィルタ手段よりも第1及び第2搬送波の周波数の減衰量が少ない第2フィルタ手段と、
第1及び第2のフィルタ手段の一方の端部に、上記第1搬送波と同一周波数の第2搬送波を、前記データとは異なるデータで周波数変調した第2FM信号を、選択的に供給する第2FM信号供給手段と、
第1の端子を、第1フィルタ手段の他方の端部と、第2フィルタ手段の一方の端部に選択的に接続する第1選択手段と、
第2の端子を、第1のフィルタ手段の一方の端部と、第2のフィルタ手段の他方の端部に選択的に接続する第2選択手段とを、
具備し、
第1及び第2選択手段は、第1フィルタ手段が第1及び第2端子間に接続された第1状態と、第2フィルタ手段が第1及び第2端子間に接続された第2状態とのいずれかに接続可能で、
第1状態において、第2端子での第2FM信号のレベルが、第1FM信号レベルよりも大きくなるように、第1フィルタ手段の減衰量が設定されている重畳装置。 - 請求項3記載の重畳装置において、第1及び第2選択手段を第1及び第2の状態のうち選択されたものに制御する制御信号を、前記伝送線路を介して第2の端子に供給し、第1及び第2フィルタ手段の一方の端部側から前記制御信号を抽出可能に、前記制御信号の受信手段を設け、第1及び第2フィルタ手段は、ローパスフィルタに形成され、前記制御信号は、第2フィルタ手段によって減衰されても、前記受信手段によって受信可能な送信レベルで送信されている重畳装置。
- 映像信号と、これとは異なる周波数の第1搬送波をデータで周波数変調した第1FM信号とが供給される入力端子と、
伝送線路に接続される出力端子と、
前記映像信号を通過させ、第1搬送波の周波数を減衰させる第1フィルタ手段と、
前記映像信号を通過させ、第1搬送波の周波数を減衰させ、第1フィルタ手段よりも第1及び第2搬送波の周波数の減衰量が少ない第2フィルタ手段と、
第1及び第2のフィルタ手段の一方の端部に、上記第1搬送波と同一周波数の第2搬送波を、前記データとは異なるデータで周波数変調した第2FM信号を、選択的に供給する第2FM信号供給手段と、
前記入力端子を、第1フィルタ手段の他方の端部と、第2フィルタ手段の一方の端部に選択的に接続する第1選択手段と、
前記映像信号を通過させ、第1搬送波の周波数を減衰させる第3フィルタ手段と、
前記映像信号を通過させ、第1搬送波の周波数を減衰させ、第3フィルタ手段よりも第1及び第2搬送波の周波数の減衰量が少ない第4フィルタ手段と、
第3及び第4フィルタ手段の一方の端部に、上記第1搬送波と同一周波数の第3搬送波を、前記各データとは異なるデータで周波数変調した第3FM信号を、選択的に供給する第3FM信号供給手段と、
第1フィルタ手段の一方の端部及び第2フィルタ手段の他方の端部を、第3フィルタ手段の他方の端部と第4フィルタ手段の一方の端部とに、選択的に接続する第2選択手段と、
前記出力端子を、第3フィルタ手段の一方の端部と、第4フィルタ手段の他方の端部に、選択的に接続する第3選択手段とを、
具備し、
第1乃至第3の選択手段は、第1選択手段が前記入力端子を第1フィルタ手段の他方の端部に接続し、第2選択手段が第1フィルタ手段の一方の端部と第2フィルタ手段の他方の端部とを、第4フィルタ手段の一方の端部に接続し、第3選択手段が第4フィルタ手段の他方の端部を前記出力端子に接続する第1状態と、第1選択手段が入力端子を第2フィルタ手段の一方の端部に接続し、第2選択手段が第1フィルタ手段の一方の端部と第2フィルタ手段の他方の端部とを第4フィルタ手段の一方の端部に接続し、第3選択手段が第4フィルタ手段の他方の端部を出力端子に接続する第2状態と、第1選択手段が、前記入力端子を第1フィルタ手段の他方の側に接続し、第2選択手段が、第1フィルタ手段の一方の端部と第2フィルタ手段の他方の端部とを第3フィルタ手段の他方の端部に接続し、第3選択手段が、第3フィルタ手段の一方の端部を出力端子に接続する第3状態とに、切換可能であり、
第1FM信号から第3FM信号に向かうに従って、信号レベルが小さく設定されている重畳装置。
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