JP3811415B2 - 直流モータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾性部材を介してハウジング上にフローティング支持されるブラシ装置を備えた直流モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
直流モータのブラシ装置は、整流子に摺接するブラシと、ブラシを収納保持するブラシボックスと、ブラシボックスを固定する基板等を備えている。直流モータには、ブラシ装置が弾性部材を介してハウジングにフローティング支持されているものがある。ブラシ装置をフローティング支持することにより、モータ駆動時の振動や騒音が低減される。
【0003】
その直流モータにおいて、ブラシ装置の基板には、ブラシに電力を供給するための導電板が設けられており、該導電板の先端部に外部リード線が接続される。また、外部リード線は、その接続部近傍においてゴム製のグロメットを介してハウジングに固定されている。具体的に、従来のグロメットは、ハウジングの開口部に嵌合配置され、同ハウジングの開口部の形状に合わせ、平坦な矩形状に形成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、グロメットの寸法誤差や組み付け誤差等により同グロメットに過剰な嵌合圧縮力が加わる場合、又はグロメットに外力が作用する場合には、グロメットが変形することによって前記外部リード線の位置ずれが生じることがある。その位置ずれが生じることにより、ブラシ装置がその中心位置から偏在し、フローティングの効果(モータの振動及び異音の低減効果)が損なわれてしまう。
【0005】
また、外部リード線の接続部は、ハウジング内(グロメットの内側)に設けられており、ブラシ装置とハウジングの組み付け等を行う前に、外部リード線を接続する必要がある。つまり、ブラシ装置にリード線が接続された状態でモータの組み付けを行う必要があるため、その作業性が悪いといった問題が生じていた。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ブラシ装置の位置ずれを防止することができる直流モータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、ブラシと該ブラシに電力を供給するための導電板を配設した基板がその外周において弾性部材を介してハウジングにフローティング支持されるブラシ装置を備え、前記導電板の一対の接続端子に接続される給電線が保持部材を介して前記ハウジングに固定される直流モータにおいて、記導電板の一対の接続端子前記弾性部材を挟むよう径方向外側に向けて延出するよう形成されるとともに、該弾性部材の設置位置からさらに前記ハウジングの外側に延出するよう形成され前記給電線は、前記ハウジングの外側で前記保持部材により保され、該保持部材は、前記給電線が挿通される貫通孔が形成された基部を備えるゴム製のグロメットと、該グロメットを収納した状態で前記基部を底面側に収納して該グロメットと共に開口側において前記ハウジングに固定されるボックス部を有するカバーとからなる
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の直流モータにおいて、前記グロメットは、前記基部と、該基部の前記貫通孔を挟む位置から延びる壁部とを備える。
【0009】
請求項3に記載の発明は、ブラシと該ブラシに電力を供給するための導電板を配設した基板がその外周において弾性部材を介してハウジングにフローティング支持されるブラシ装置を備え、前記導電板の一対の接続端子に接続される給電線が保持部材を介して前記ハウジングに固定される直流モータにおいて、前記導電板の一対の接続端子は、前記弾性部材を挟むよう径方向外側に向けて延出するよう形成されるとともに、該弾性部材の設置位置からさらに前記ハウジングの外側に延出するよう形成され、前記給電線は、前記ハウジングの外側で前記保持部材により保持され、該保持部材は、前記給電線が挿通される貫通孔が形成された基部と、基部の前記貫通孔を挟む位置から延びる壁部とを備え、該壁部の先端が前記ハウジングの開口部に挿入固定されるゴム製のグロメットであり、前記ハウジングの開口部の側壁に凹部形成され、前記壁部の先端において前記ハウジングに当接する部位に前記ハウジングの凹部に係合するつば部形成された。
【0010】
(作用)
請求項1及び請求項3に記載の発明によれば、給電線を接続する導電板の接続端子がハウジングの外側に延出するよう形成され、給電線がハウジングの外側で保持部材により保持される。このようにすれば、給電線の接続時の誤差や、外力に起因する保持部材の変形等によって給電線の位置ずれが発生する場合にも、その発生部位がフローティング部(弾性部材)から離間しているので、ブラシ装置がその中心位置から偏在するといったことを防止できる。つまり、騒音及び振動を低減するといったフローティングの効果が損なわれることを防止できる。
【0011】
また、導電板の接続端子がハウジングの外側に延出しているので、直流モータの最終組み付け時に、給電線の接続を行うことができる。つまり、給電線を接続した状態でブラシ装置やハウジング等の組み付けを行う必要がなく、モータの組み付けを容易に行うことができる。
【0012】
請求項に記載の発明によれば、給電線を挿通して保持するグロメットがカバーに収納され、該カバーがハウジングに固定される。このようにすれば、保持部材としてのグロメットとカバーとにより、フローティング部(弾性部材)から離間した位置で給電線を保持できる。従って、グロメットの変形によるリード線の位置ずれを防止できるので、ブラシ装置がその中心位置から偏在することを確実に防止できる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、グロメットは、給電線を挿通して保持する基部と、その基部から延びる壁部とを有する。また、ハウジングにおける開口部の側壁に凹部が形成され、グロメットの壁部の先端につば部が形成される。そして、グロメットにおける壁部の先端がハウジングの開口部に挿入され、つば部がハウジングの凹部に係合することにより、同グロメットがハウジングに固定される。このようにすれば、保持部材としてのグロメットにより、フローティング部(弾性部材)から離間した位置で給電線を保持できる。従って、グロメットの変形によるリード線の位置ずれを防止できるので、ブラシ装置がその中心位置から偏在することを確実に防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図7に従って説明する。
図1は、本実施形態における直流モータの概略構成を示す断面図であり、図2は、グロメット、外部リード線等を外した状態の直流モータの要部平面図である。なお、本実施形態における直流モータは、例えば、電動パワーステアリング装置における駆動源として使用され、自動車の車室内に組み付けられる。
【0015】
詳述すると、図1に示すように、本実施形態の直流モータ10は、有底筒状のヨーク11と、ハウジング12と、そのヨーク11及びハウジング12とで囲まれた空間内に収容された電機子13とを備えている。
【0016】
ヨーク11の内周面にはマグネットホルダ14が嵌入され、該マグネットホルダ14には複数(4つ)のマグネットMが保持されている。それらのマグネットMの内側には、電機子13が回転可能に支持されている。すなわち、電機子13には回転軸15が備えられ、その回転軸15の両端がヨーク11及びハウジング12にそれぞれ設けられた軸受16,17を介して回転可能に支持されている。また、回転軸15の下端にはコンミテータ(整流子)18が一体回転可能に設けられ、ハウジング12においてコンミテータ18と隣接した位置にはブラシ装置19が配設されている。
【0017】
マグネットホルダ14は、絶縁材(樹脂)からなり、図3に示すように、2つのリング部材14a,14bと、該2つのリング部材14a,14bを連結する4つの連結支柱14cとを備えている。リング部材14a,14bは、その外径が前記ヨーク11の筒部11a内径とほぼ同じに形成されている。前記4つの連結支柱14cはリング部材14a,14bの円周上に等角度間隔に配置されるよう該リング部材14a,14bと一体に形成されている。本実施形態では、隣接する両連結支柱14c間に形成された空間を、それぞれ前記マグネットMを嵌合保持するための嵌合保持部14dとしている。つまり、マグネットホルダ14には4つの嵌合保持部14dが形成され、各嵌合保持部14dにはそれぞれ横断面扇形状に形成されたマグネットMが嵌合保持されている。
【0018】
マグネットホルダ14の一方のリング部材14bには、軸方向に沿って外方(図1及び図3では下方)へ伸びる嵌合凸部20〜22が設けられている。嵌合凸部20〜22は、それぞれ横断面扇形状に形成された延出部20a〜22aと、該延出部20a〜22aの先端面から横断面円形状に突設された小径の突起20b〜22bとを備えている。嵌合凸部20〜22は、リング部材14bの円周上にほぼ等角度間隔にて設けられている。そして、図1に示すように、マグネットホルダ14がヨーク11の筒内に嵌入された状態では、それら嵌合凸部20〜22の一部分がヨーク11の開口部から外方(下方)へ突出している。
【0019】
図1及び図2に示すように、ブラシ装置19は、コンミテータ18に摺接する複数(4つ)のブラシ23(23a〜23d)と、各ブラシ23を収容保持するブラシボックス24と、各ブラシボックス24を固定する基板25とを備えている。
【0020】
基板25は、絶縁材(樹脂等)にて形成され、中央に電機子貫挿孔25aが設けられ、該貫挿孔25aの中心に対して同じ半径を有する円周上にほぼ等角度間隔にて複数(3つ)の係合凹部25bが設けられている。各係合凹部25bは、軸方向から見て径方向内側に略半円形状に凹設されており、各係合凹部25bには、弾性部材としての弾性ゴム28がそれぞれ係合されている。この弾性ゴム28には、嵌合孔28aが形成されており、マグネットホルダ14から伸びる嵌合凸部20〜22の各突起20b〜22bが弾性ゴム28の嵌合孔28aに嵌挿されている。これにより、マグネットホルダ14の嵌合凸部20〜22とハウジング12とで弾性ゴム28が挟持され、同弾性ゴム28を介して基板25(ブラシ装置19)がハウジング12上にフローティング支持される。
【0021】
図2に示すように、ブラシ装置19における基板25には、ブラシボックス24が等間隔で4ヶ所配置されており、4個(2対)のブラシ23a〜23dがコンミテータ18に摺接するようコイルスプリング26によって付勢されている。各ブラシ23a〜23dにはピッグテール27a〜27dが埋設固定されている。
【0022】
また、ブラシ装置19の基板25には、ピッグテール27a〜27dを介して各ブラシ23a〜23dに直流電源を供給する一対の導電板31,32が設けられている。各導電板31,32は、基板25においてブラシ固定面の裏面側(図2における紙面奥側)に配設されている。導電板31,32には、複数の固定爪33が設けられ、各固定爪33は、基板25を貫通し同基板25を挟み込むよう折り曲げられている。この各固定爪33により、導電板31,32が基板25に固定される。また、基板25の外周縁に切り欠き部34が形成されている。そして、前記導電板31,32には、その切り欠き部34から基板表面側に突出するターミナル35a〜35dが設けられており、同ターミナル35a〜35dにピッグテール27a〜27dの端部が接続されている。
【0023】
本実施形態では、一方の導電板31が、対向配置されているブラシ23a,23cに接続され、他方の導電板32が、対向配置されているブラシ23b,23dに接続されている。また、導電板31,32における一方の端部は基板25から突出し、それら端部は前記弾性ゴム28を挟んで対向する位置にて径方向外側に伸び、さらに、ハウジング12に形成された開口部12aから外部に延出している。本実施形態では、各導電板31,32において、ハウジング12の外部に突出する先端部31a,32aが接続端子に相当する。つまり、導電板31,32の先端部31a,32aには、給電線としての外部リード線41,42が溶接され、外部リード線41,42と導電板31,32が電気的に接続される。
【0024】
外部リード線41,42は、図示しない直流電源の+極、−極に接続されており、その外部リード線41,42、導電板31,32、ピッグテール27a〜27dを介してブラシ23a〜23dに直流電流が供給され、直流モータ10が駆動される。
【0025】
外部リード線41,42は、保持部材としてのゴム製のグロメット43及び鉄製のカバー44により保持されている。具体的に、本実施形態では、グロメット43がカバー44に収納され、同カバー44がグロメット43と共にハウジング12に固定されている。このように、外部リード線41,42が保持されることで、外部リード線41,42と導電板31,32との接続部の損傷が防止される。
【0026】
図4には、図1における径方向内側から見たグロメット43の正面図を示し、図5には、同グロメット43の断面図を示す。また、図6には、図1における径方向内側から見たカバー44の正面図を示し、図7には、同カバー44の断面図を示す。
【0027】
図4及び図5に示すように、グロメット43は、基部43aと、その基部43aの中央及び両端から垂直に延びる壁部43b,43c,43dとを備え、断面E字状となるよう形成されている。グロメット43の基部43aにおいて、各壁部43b〜43dに挟まれる位置には基部43aの厚さ方向に貫通する貫通孔43eが形成されている。つまり、グロメット43の基部43aには2つの貫通孔43eが形成されている。貫通孔43eの内径は、外部リード線41,42の外径とほぼ同じ寸法であり、基部43aにおける各貫通孔43eに1対の外部リード線41,42が挿通される。また、図5に示すように、グロメット43の基部43aは、前記壁部43bの形成面の裏面側において貫通孔43eの周縁部43fが他の部位よりも若干突出している。
【0028】
図6及び図7に示すように、カバー44は、前記グロメット43を収納するためのボックス部44aと、同ボックス部44aの開口側においてカバー44の長手方向(図の左右方向)に延びるフランジ部44bとを有する。フランジ部44bには、ネジ孔44cが形成されており、そのネジ孔44cによりカバー44がハウジング12にネジ止めされる。また、ボックス部44aの底面には貫通孔44dが形成されており、同貫通孔44dに前記グロメット43における貫通孔43eの周縁部43fが嵌め込まれる。
【0029】
本実施形態の直流モータ10では、外部リード線41,42の接続は、最終組付け工程で行われる。すなわち、マグネットMを保持したマグネットホルダ14や電機子13等の各部品をヨーク11内に収納し、さらに、弾性ゴム28を介してブラシ装置19をハウジング12上にフローティング支持した状態で、ヨーク11とハウジング12とを組み付ける。
【0030】
この組み付け後においては、図2に示すように、導電板31,32の先端部31a,32aがハウジング12の開口部12aから延出している。そして、カバー44及びグロメット43の貫通孔43e,44dに外部リード線41,42を通した後、その外部リード線41,42の先端を導電板31,32の先端部31a,32aにスポット溶接等により接続する。なおこのとき、溶接の邪魔にならないようグロメット43を外部リード線41,42の先端よりも内側(反モータ側)に配置させておくとよい。
【0031】
外部リード線41,42の接続後、グロメット43の壁部43b,43dがハウジング側面に接触する位置までグロメット43を移動させ、同グロメット43にカバー44を被せた後、同カバー44をハウジング12にネジ止めする。これにより、直流モータ10への外部リード線41,42の接続が完了する。
【0032】
以上詳述したように本実施の形態は、以下の特徴を有する。
(1)導電板31,32における先端部(接続端子)31a,32aをハウジング12の外側に延出するよう形成し、ハウジング12の外側でグロメット43及びカバー44により外部リード線41,42を保持するようにした。この場合、リード線41,42を保持するグロメット43がフローティング部(弾性ゴム28)から離間する。従って、外部リード線41の接続時の誤差や外力に起因するグロメット43の変形等によって外部リード線41の位置ずれが発生する場合にも、ブラシ装置19がその中心位置から偏在してしまうことを防止できる。その結果、騒音及び振動を低減するといったフローティングの効果が損なわれることを防止できる。
【0033】
(2)導電板31,32の先端部31a,32aがハウジング12の外側に延出しているので、直流モータ10の最終組み付け時に、外部リード線41,42の接続を行うことができる。従って、外部リード線41,42を接続した状態でブラシ装置19やハウジング12等の組み付けを行う必要がなく、モータ10の組み付けを容易に行うことができ、製造コストを低減できる。
【0034】
(3)カバー44内にグロメット43が収納されるので、過剰な圧縮力作用し、グロメット43が変形するといったことを防止できる。従って、グロメット43の変形による外部リード線41,42の位置ズレを防止できるので、ブラシ装置19がその中心位置から偏在することを確実に防止できる。
【0035】
(4)本実施形態のように、車室内に設けられるパワーステアリング用の直流モータ10に適用すると、車室内の騒音を抑制することができ、実用上好ましいものとなる。
【0036】
なお、上記以外に次の形態にて具体化できる。
○上記実施形態におけるグロメット43に代えて、図8及び図9に示すようなグロメット46を用いてもよい。なお、図9は、図8のA−A線におけるグロメット46の断面図である。
【0037】
図8及び図9に示すように、保持部材としてのグロメット46には、前記グロメット43と同様に、基部46aと、その基部46aの中央及び両端から垂直に延びる壁部46b〜46dが設けられている。また、基部46aの各壁部46b〜46dに挟まれる位置に、外部リード線41,42を保持するための貫通孔46eが形成されている。さらに、グロメット46には、壁部46b〜46dの軸方向(図9の上下方向)の両端に、該壁部46b〜46dと一体的に連結する蓋部46f及び底部46gが設けられている。そして、これら壁部46b〜46d、蓋部46f及び底部46gに囲まれる空間に、外部リード線41,42を接続した導電板31,32の先端部31a,32aが配置される。同グロメット46も、前記グロメット43と同様に、軸方向(図9の上下方向)と直交する断面形状はE字状となっている。
【0038】
また、図9に示すように、グロメット46における両端の壁部46b,46dは、中央の壁部46cよりも長く、該両端の壁部46b,46dの先端がハウジング12の開口部12aに挿入される。そして、壁部46b,46dの先端がハウジング12の開口部12aに当接することにより、グロメット46が周方向及び軸方向に移動しないように固定される。さらに、ハウジング12の開口部12aの側壁には凹部12bが形成され、壁部46b,46dの先端において、開口部12aの側壁に当接する部位には、ハウジング12の凹部12bに係合するつば部46hが形成されている。同つば部46hがハウジング12の凹部12bに係合することにより、グロメット46が径方向に移動しないように固定される。
【0039】
このように、保持部材としてグロメット46を用いる場合でも、ハウジング12の外側で外部リード線41,42が保持されるので、上記実施形態と同様に、ブラシ装置19の位置ずれを防止することができる。また、上記実施形態のようにカバー44を用いることなく、ハウジング12へのグロメット46の固定が可能となる。
【0040】
○上記実施形態では、基板25の裏面に導電板31,32を固定していたが、これに限るものではなく、基板25にインサート成形により導電板31,32を設けるようにしてもよい。
【0041】
○上記実施形態では、マグネットホルダ14の嵌合凸部20〜22とハウジング12とで弾性ゴム28を挟持し、同弾性ゴム28を介して基板25(ブラシ装置19)をハウジング12上にフローティング支持するものであったが、これに限るものではない。弾性ゴム28の嵌合孔28aにネジを挿入し、同ネジをハウジング12に螺合することで、ブラシ装置のフローティング支持を実現した直流モータに具体化してもよい。
【0042】
○上記実施形態では、3つの弾性ゴム28によりブラシ装置19を3箇所でフローティング支持するものであったが、これ以外に、2箇所または4個所以上でフローティング支持するものに具体化してもよい。
【0043】
○上記実施形態では、パワーステアリング装置の駆動源として用いられる直流モータ10に具体化したがそれ以外の直流モータに具体化してもよい。
上記実施形態から把握できる技術思想を記載する。
【0044】
(イ)前記グロメットは、基部と、その基部の中央及び両端から延びる壁部とにより断面E字状に形成され、前記基部において各壁部に挟まれる位置にはその基部の厚さ方向に貫通する貫通孔が形成され、同貫通孔に給電線が挿通される。
【0045】
(ロ)前記グロメットは、前記給電線を挿通して保持する基部と、その基部から延びる壁部とからなり、該壁部の先端がハウジングの外側に当接するよう固定される。
【0046】
(ハ)前記基板から延びる一対の前記接続端子が、前記弾性部材を挟んで対向する位置に配置される。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、フローティング支持されるブラシ装置の位置ずれを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の直流モータの断面図。
【図2】 グロメット、外部リード線等を外した状態の直流モータの要部平面図。
【図3】 マグネットホルダとヨークの要部分解斜視図。
【図4】 グロメットの正面図。
【図5】 グロメットの断面図。
【図6】 カバーの正面図。
【図7】 カバーの断面図。
【図8】 別例のグロメットを装着した直流モータの要部平面図。
【図9】 図8のA−A線におけるグロメットの断面図。
【符号の説明】
10…直流モータ、12…ハウジング、12b…凹部、19…ブラシ装置、23…ブラシ、25…基板、28…弾性部材としての弾性ゴム、31,32…導電板、31a,32a…接続端子としての先端部、41,42…給電線としての外部リード線、43…グロメット、43a…基部、43b,43c,43d…壁部、44…カバー、46…グロメット、46a…基部、46b,46c,46d…壁部、46f…つば部。

Claims (3)

  1. ブラシと該ブラシに電力を供給するための導電板を配設した基板がその外周において弾性部材を介してハウジングにフローティング支持されるブラシ装置を備え、前記導電板の一対の接続端子に接続される給電線が保持部材を介して前記ハウジングに固定される直流モータにおいて、
    記導電板の一対の接続端子前記弾性部材を挟むよう径方向外側に向けて延出するよう形成されるとともに、該弾性部材の設置位置からさらに前記ハウジングの外側に延出するよう形成され
    前記給電線は、前記ハウジングの外側で前記保持部材により保され、該保持部材は、前記給電線が挿通される貫通孔が形成された基部を備えるゴム製のグロメットと、該グロメットを収納した状態で前記基部を底面側に収納して該グロメットと共に開口側において前記ハウジングに固定されるボックス部を有するカバーとからなることを特徴とする直流モータ。
  2. 請求項1に記載の直流モータにおいて、
    前記グロメットは、前記基部と、該基部の前記貫通孔を挟む位置から延びる壁部とを備えることを特徴とする直流モータ。
  3. ブラシと該ブラシに電力を供給するための導電板を配設した基板がその外周において弾性部材を介してハウジングにフローティング支持されるブラシ装置を備え、前記導電板の一対の接続端子に接続される給電線が保持部材を介して前記ハウジングに固定される直流モータにおいて、
    前記導電板の一対の接続端子は、前記弾性部材を挟むよう径方向外側に向けて延出するよう形成されるとともに、該弾性部材の設置位置からさらに前記ハウジングの外側に延出するよう形成され、
    前記給電線は、前記ハウジングの外側で前記保持部材により保持され、該保持部材は、前記給電線が挿通される貫通孔が形成された基部と、基部の前記貫通孔を挟む位置から延びる壁部とを備え、該壁部の先端が前記ハウジングの開口部に挿入固定されるゴム製のグロメットであり、
    前記ハウジングの開口部の側壁に凹部形成され
    前記壁部の先端において前記ハウジングに当接する部位に前記ハウジングの凹部に係合するつば部形成されたことを特徴とする直流モータ。
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