JP3810916B2 - 光ファイバの保持構造、その製作治具、およびその保持構造の製作方法 - Google Patents

光ファイバの保持構造、その製作治具、およびその保持構造の製作方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長尺の1本の光ファイバを一まとめにして保持するための構造、そのための製作治具、およびその保持構造の製作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光ファイバ増幅器や光ファイバジャイロスコープなどの装置においては、その素子として長尺の光ファイバが用いられる。
【0003】
たとえば、光ファイバ増幅器では、光ファイバのコア中にErなどの希土類元素をドープした増幅用光ファイバを備えており、この増幅用光ファイバの光増幅率は、ドープする元素濃度と光ファイバ長との積である、いわゆる、濃度条長積に依存する。
【0004】
したがって、大きな増幅率を得るために、濃度条長積を大きく設定すればよいが、その場合、ドープする元素濃度を徒に高くすると、ガラス化が阻害されるなどの不都合を生じるので、元素濃度を一定範囲に保ったままで、光ファイバ長がある程度長くなるようにしている。
【0005】
このように、長尺の光ファイバを用いて装置を組み立てる場合、光ファイバを一まとめにして装置内に収納する必要がある。
【0006】
そのため、従来は、長尺の光ファイバをリールに巻き取ったり、あるいは、装置内に光ファイバを引き回して取り付けるなどの処理が行われている。
【0007】
ところが、このようなリールを使用する場合、リールの中心空洞部や鍔の厚みによる死容量が発生し、実装密度が低下する。またリールには高強度の材質を使用しているので可撓性をもたせることができない。
【0008】
また、光ファイバを装置内に引き回す場合には、曲げ損失が増大したり、ばらけたりしないように、光ファイバを適当な曲率を保ちつつ、所定ピッチごとにフック部等に掛止していかねばならず、収納に手間がかかっている。
【0009】
そこで、このような不都合を回避するために、光ファイバを、その周回位置を互いに平面的にずらせた状態で配置するとともに、軟質の樹脂等でシート状に封止して保持するようにした構造が提供されている(特願平6−224908号参照)。
【0010】
この構成にすれば、全体にシート状となっているから薄肉であり、しかも、軟質樹脂を使用しているために可撓性をもち、実装が容易になるといった利点が得られる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光ファイバを、単純に、その周回位置を互いに平面的にずらせた状態で配置するのでは、光ファイバが特に長尺になるほど、その占有面積が大きくなる。このため、ある面積に占有面積の上限を決めると実装密度を高めるのに限界がある。
【0012】
しかも、光ファイバの周回位置を単純に互いに平面的にずらせただけでは、光ファイバの一本同士の局所的な交差が生じてしまい、その交差部分で大きな曲げが発生するため、低損失化を十分に図ることができない。
【0013】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、光ファイバの全体がばらけることなく一体的に取り扱えるだけでなく、長尺であってもその占有面積を少なくでき、しかも、マイクロベンディング等が生じることなく安定した保持ができるようにすることを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するため、次の構成を採る。
【0015】
すなわち、請求項1記載に係る本発明の光ファイバの保持構造では、光ファイバは、一本同士の交差が生じないように、互いに平面的にずらせて周回配置されるとともに、この周回平面と直交する厚み方向に対しては、複数本が同じ位置で積層されており、この状態の光ファイバが、接着剤やフィルム等の固定材料によってシート状に一体的に保持されている。
【0016】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の構成において、光ファイバは、ワッシャ等の固定用部品とともにシート状に一体的に保持されている。
【0017】
請求項3記載の発明では、請求項1または請求項2記載の構成において、光ファイバは、トラック形に配置されている。
【0018】
請求項4記載に係る本発明の光ファイバの保持構造の製作治具は、光ファイバを巻き付けるための2つの巻付用円柱部材が所定寸法だけ離れて配置され、これらの両巻付用円柱部材を上下に挟む状態で一対の整列用側板部材が設けられており、かつ、前記巻付用円柱部材は、その整列用側板部材で挟まれる厚みが光ファイバの積層本数に応じた寸法に設定されている。
【0019】
請求項5記載に係る本発明の光ファイバの保持構造の製作方法では、請求項4記載の製作治具を使用し、この製作治具の一方の巻付用円柱部材に光ファイバの中間部分を引っ掛けた後、両巻付用円柱部材にわたって光ファイバを巻き付け、この状態で前記両整列用側板部材の間に接着剤等の固定材料を充填して光ファイバを固定するようにしている。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1,図2は、それぞれ光ファイバの保持構造を示す斜視図である。
【0021】
図1の光ファイバの保持構造では、長尺の一本の光ファイバ1が、その周回形状がくずれないようにシート状の固定材料2によって一体的に保持されている。
【0022】
この光ファイバ1は、一本同士の交差が生じないように、互いに平面的にずらせてトラック形に周回配置されている。しかも、この光ファイバ1は、その周回平面と直交するシート状の固定材料2の厚み方向に対しては、積層されることなく1層のみとなっている(以下、これを1層巻という)。
【0023】
また、図2の光ファイバの保持構造では、同じく、長尺の一本の光ファイバ1が、その周回形状がくずれないようにシート状の固定材料2によって一体的に保持されている。
【0024】
この光ファイバ1は、一本同士の交差が生じないように、互いに平面的にずらせてトラック形に周回配置されているが、図1の場合と異なり、その周回平面と直交する固定材料2の厚み方向に対しては、2本が同じ位置で積層され2層になっている(以下、これを2層巻という)。
【0025】
なお、図1および図2に示した例では、理解を容易にするために光ファイバ1はわずかな回数しか周回されていない状態を示しているが、実際には、長尺の光ファイバの場合を扱うので、図示の場合よりもはるかに多数回にわたって周回された状態となっている。これは、後述する3層巻以上の場合においても同様である。
【0026】
上記の固定材料2としては、たとえば、シリコン系樹脂が長期間にわたって変質せずに安定している等の利点を有するために適用されるが、ウレンタン系ゴムや、UV樹脂、エポキシ樹脂などを使用することもできる。さらに、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂などを使用することも可能である。
【0027】
図1および図2に示したような光ファイバの保持構造を製作するには、たとえば、図3に示す製作治具を使用する。
【0028】
この製作治具3は、光ファイバ1を巻き付けるための円形をした2つの巻付用円柱部材4a,4bが所定寸法だけ離れて配置され、これらの両巻付用円柱部材4a,4bを上下に挟む状態で楕円形をした一対の整列用側板部材6a,6bが設けられており、一方の整列用側板部材6aと両巻付用円柱部材4a,4bとは一体形成され、また、他方の整列用側板部材6bは、ボルト8等によって巻付用円柱部材4a,4bに固定されるようになっている。
【0029】
さらに、各巻付用円柱部材4a,4bは、上下の整列用側板部材6a,6bで挟まれる厚みTが光ファイバ1の積層本数に応じた寸法に設定され、また、その直径は、光ファイバ1を巻き付けた際に過剰な応力が加わらず、形状保持後の破断寿命に問題が生じない寸法に設定されている。たとえば、被覆外径が250μmの光ファイバ1の場合には、各巻付用円柱部材4a,4bは50mm程度の直径になるように設定される。
【0030】
次に、図1および図2に示した光ファイバの保持構造を得るための製作方法について説明する。
【0031】
図1に示した1層巻の光ファイバの保持構造を得るには、図3に示した製作治具3として、その各巻付用円柱部材4a,4bの厚みTが光ファイバ1の直径に相当する寸法となるように設定されたものを使用する。
【0032】
そして、図4に示すように、光ファイバ1の末端部分P1,P2を揃えて均等に2つに折り返し、その折り返し部分P3を図5(A)に示すように、製作治具3の一方の巻付用円柱部材たとえば4aに引っかける。
【0033】
次に、図5(B)に示すように、折り返しにより生じる2本の光ファイバを共に他方の巻付用円柱部材4bに巻き付ける。
【0034】
以降は、図5(C)に示すように、光ファイバを2つの巻付用円柱部材4a,4bにわたって順次巻き付ける。
【0035】
このようにすると、光ファイバ1は、その巻き始めは八の字状となるが、以降は、渦巻き状に周回されることになる。しかも、その場合、製作治具3の巻付用円柱部材4a,4bの厚みTは光ファイバ1の直径に相当する寸法となっているから、光ファイバ1は、その厚みT方向には互いに積層されず、巻付用円柱部材4a,4bの径方向にのみ重なった状態となる。
【0036】
光ファイバ1の巻き付け作業が終了すると、この状態で両整列用側板部材6a,6bの間に固定材料2を充填した後、この固定材料2を硬化させる。これにより、光ファイバ1が固定材料2でシート状に封止された状態となる。
【0037】
次に、製作治具3のボルト8を緩めて整列用側板部材6bを取り外してから、固定材料2で一体化された光ファイバ1を抜き出す。
【0038】
なお、この取り扱いをより容易とするためには、固定材料2で一体化された光ファイバ1をフィルム等の固定材料によりラミネートを施してもよい。また、巻付用円柱部材4a,4bのあった部分の穴はそのまま空洞にしたままでもよいが、固定材料2をさらに注入してこれを塞ぐなどの補強してもよい。
【0039】
一方、図2に示した2層巻の光ファイバの保持構造を得るには、図3に示した製作治具3として、その各巻付用円柱部材4a,4bの厚みTが光ファイバ1の直径の2倍分(つまり、光ファイバ1を2本積層した長さ)に相当する寸法となるように設定されたものを使用する。
【0040】
そして、同じく図4に示すように、光ファイバ1が均等に2つ折り状態となるように配置して、その折り返し部分P3を図6(A)に示すように、製作治具3の一方の巻付用円柱部材たとえば4aに引っかける。
【0041】
次に、図6(B)に示すように、折り返しにより生じる2本の光ファイバを共に他方の巻付用円柱部材4bに巻き付ける。
【0042】
以降は、図6(C)に示すように、光ファイバを2つの巻付用円柱部材4a,4bにわたって順次巻き付ける。
【0043】
このようにすると、光ファイバ1は、その巻き始めは八の字状となるが、以降は、渦巻き状に周回されることになる。しかも、その場合、製作治具3の巻付用円柱部材4a,4bの厚みTは、光ファイバ1の直径の2倍分に相当する寸法となっているから、光ファイバ1は、巻付用円柱部材4a,4bの厚みT方向に2本分が積層され、かつ、巻付用円柱部材4a,4bの径方向に多重された状態となる。
【0044】
光ファイバ1の巻き付け作業が終了すると、この状態で両整列用側板部材6a,6bの間に固定材料2を充填した後、この固定材料2を硬化させる。これにより、光ファイバ1が固定材料2でシート状に封止された状態となる。
【0045】
次に、製作治具3のボルト8を緩めて整列用側板部材6bを取り外してから、固定材料2で一体化された光ファイバ1を製作治具3から抜き出す。
【0046】
なお、この場合も、取り扱いをより容易とするためには、固定材料2で一体化された光ファイバ1をフィルム等の固定材料によりラミネートを施してもよい。また、巻付用円柱部材4a,4bのあった部分の穴はそのまま空洞にしたままでもよいが、固定材料2をさらに注入してこれを塞ぐなどの補強してもよい。
【0047】
図1および図2に示した光ファイバの保持構造では、光ファイバ1が固定材料2で固定されているから、全体がばらけることなく一体的に取り扱える。このため、装置内への収納を容易に行える。
【0048】
しかも、光ファイバ1は、一本同士の交差が生じないように周回されているから、マイクロベンディングなどを生じることなく安定して保持される。
【0049】
さらに、図2に示したように、光ファイバ1を2層巻の構造にすれば、1層巻の場合に比較して、固定材料2の厚さは幾分厚くなるが、その厚さの増加分は光ファイバ1の直径分程度のわずかな増加であり、それよりも、長尺であってもその占有面積を大幅に小さくできるため、実装密度の向上を一層期待できる。
【0050】
さらにまた、図1および図2に示したように、光ファイバ1をトラック形に配置した場合には、光ファイバ1の引き出し側に直線部分が生じるため、別種の光ファイバを接続する上で有利である。また、ファイバグレーティングの書き込み部の保持にも有利となる。
【0051】
図1ないし図6では、一層巻と2層巻の保持構造を得る場合について説明したが、3層巻以上の保持構造を得ることも可能である。
【0052】
まず、3層巻の光ファイバの保持構造を得るには、たとえば、図7に示すように、連続した1本の光ファイバ1について、部分的に2層巻の部分L2(図2と同じ構造の部分)と、1層巻の部分L1(図1と同じ構造の部分)とをそれぞれ製作した上で、これらの各部分L1,L2を重ね合わせて3層巻の保持構造とする。
【0053】
ただし、その場合、2層巻の部分L2と1層巻の部分L1との間を結ぶ箇所で光ファイバに捩れが発生しないように、たとえば、2層巻の部分L2が反時計方向に周回されているならば、1層巻の部分L1は時計方向に周回されているようにする。
【0054】
具体的には、図8に示すように、光ファイバ1をループ状に配置する。その場合、光ファイバ1の一方の末端部分P1から一方の折り返し部分P3を経て両末端部分P1,P2に対向した符号P5で示す箇所に至るまでの長さが光ファイバ1の全長の2/3を占め、また、他方の末端部分P2から他方の折り返し部分P4を経てP5で示す箇所に至るまでの長さが光ファイバ1の全長の1/3を占めるように設定する。
【0055】
そして、図8のP1〜P5までの部分については、その折り返し部分P3を製作治具3の巻付用円柱部材4aに引っかけた後、図6に示したのと同じ要領でもって、巻付用円柱部材4a,4bに対して反時計方向に周回するように巻き付けて2層巻の部分L2を製作する。
【0056】
引き続いて、図8のP2〜P5までの部分については、その折り返し部分P4を製作治具3の巻付用円柱部材4aに引っかけた後、図5に示したのと同じ要領でもって、巻付用円柱部材4a,4bに対して時計方向に周回するように巻き付けて1層巻の部分L1(図1参照)を製作する。
【0057】
そして、これらの各部分L1,L2を連結している余長部分(P5を含む前後の部分)を円弧状に曲げて両者L1,L2を重ね合わせた後、固定部材2を用いて両部分L1,L2を一体化すれば、3層巻の保持構造が得られる。
【0058】
なお、上記の場合と逆に、1層巻の部分L1を先に製作した後、次に2層巻の部分L2を製作してもよいのは勿論である。
【0059】
図7および図8に示した例では、1層巻の部分L1と2層巻の部分L2とを重ね合わせて3層巻の保持構造としたが、図9あるいは図11に示すように、1層巻の部分をL11,L12,L13の3箇所製作し、これを重ね合わせて3層巻の保持構造とすることも可能である。
【0060】
具体的には、図9に示す場合には、1層巻の各部分L11,L12,L13を次のように製作する。
【0061】
図10に示すように、光ファイバ1の一方の末端部分P1から全長の1/3の部分について、折り返し部分P3を中心に1層巻を行う。次に、その巻端P6から全長の1/3の部分について、折り返し部分P4を中心に1層巻を行う。最後にその巻端P7から他方の末端部分P2の部分について、折り返し部分P5を中心に1層巻を行う。
【0062】
これらの各1層巻の方法は、図5に示したのと同じ要領でもって行うことができるが、各1層巻の部分L11,L12,L13の間を結ぶ余長部分で光ファイバに捩れが発生しないように、たとえば、最初の1層巻の部分L11が時計方向に周回されているならば、次の1層巻の部分L12は反時計方向に、さらに最終の1層巻の部分L13は時計方向に周回されているように、周回方向を交互に逆転させる。
【0063】
また、図11に示す場合には、1層巻の各部分L11,L12,L13を次のように製作する。
【0064】
図12に示すように、光ファイバ1の2つ折り状態となるように配置して、各末端部分P1,P2から折り返し部分P3までを3等分した位置M1,M2に、たとえば目印をつけておく。
【0065】
そして、まず、折り返し部分P3を中心にしてM1の位置に向けて、図5に示したのと同じ要領でもって1層巻を行う。
【0066】
引き続いて、M2の位置からM1の位置に向けて1層巻を行う。その場合、図5(A)のように巻き付けを開始せず、図13に示すように、当初から2つの巻付用円柱部材4a,4bにわたって光ファイバ1を巻き付けるようにする。しかも、他の1層巻となる光ファイバの部分L11が巻き付け作業のじゃまにならないように、図13に示すように、製作治具3の整列用側板部材6aに切り欠き10を設けておき、この切り欠き10を通して1層巻の部分L11に連なる光ファイバを逃がしておくようにすると都合がよい。
【0067】
さらに、M2の位置から両末端部分P1,P2の位置に向けて1層巻を行う。その場合は、図13に示したのと同じ要領で行う。
【0068】
なお、この場合も各1層巻の部分L11,L12,L13の間を結ぶ余長部分で光ファイバ1に捩れが発生しないように、各1層巻の部分L11,L12,L13ごとに周回方向を交互に逆転させる。
【0069】
次に、4層巻の保持構造を得る場合について説明する。
【0070】
この4層巻の光ファイバの保持構造を得るには、図14に示すように、連続した1本の光ファイバ1について、部分的に2層巻の部分L21,L22(図2と同じ構造の部分)を2つ製作した上で、これらの各部分L21,L22を重ね合わせて4層巻の保持構造とする。
【0071】
具体的には、図15に示すように、光ファイバ1をループ状に配置する。その場合、光ファイバ1の一方の末端部分P1から一方の折り返し部分P3を経て両末端部分P1,P2に対向した符号P5で示す箇所に至るまでの長さと、他方の末端部分P2から他方の折り返し部分P4を経てP5で示す箇所に至るまでの長さが共に同じになるように、つまりP5の位置の前後で光ファイバ1の長さが2等分されるように設定する。
【0072】
そして、図8のP1〜P5までの部分、およびP2〜P5までの部分のそれぞれについて、P3,P4を中心にして、図6に示したのと同じ要領でもって巻き付けて2層巻の部分L21,L22を製作する。
【0073】
ただし、その場合も、2層巻の各部分L21,L22の間を結ぶ箇所で光ファイバに捩れが発生しないように、たとえば、一方の2層巻の部分L21が時計方向に周回されているならば、他方の2層巻の部分L22は反時計方向に周回されているようにする。
【0074】
そして、これらの各部分L21,L22を連結している余長部分(P5を含む前後の部分)を円弧状に曲げて両者L21,L22を重ね合わせた後、固定部材2を用いて両部分L21,L22を一体化すれば、4層巻の保持構造が得られる。
【0075】
これまでは4層巻までの保持構造について説明したが、5層巻以上の保持構造についても、同様にして製作することができる。すなわち、偶数層巻の場合には、4層巻の場合の応用で、2層巻の部分を積み重ねて製作することができる。また、奇数巻の場合は、偶数層巻の最終層に1層巻を重ねることで製作することができる。
【0076】
さらに、図1ないし図15に示した保持構造では、渦巻き状に周回された光ファイバ1の末端部分P1,P2が、その周回部分の外方端側から引き出されるようになっているが、これとは逆に、その末端部分P1,P2が、その周回部分の内方端側から引き出されるような構造とすることもできる。
【0077】
たとえば、図1、図2、図11に示したように、末端部分P1,P2が固定部材2から2本並列して外部に引き出される構成となる場合には、その外部に引き出される末端部分P1,P2について所定の余長を確保しておき、その末端部分P1,P2を図16に示すように巻き付けて同じく固定部材で固定した後、これを既に形成されている保持構造に付け足すようにすればよい。
【0078】
また、図7、図9、図14に示したように、末端部分P1,P2が固定部材2から1本ずつ外部に引き出される構成となる場合には、その外部に引き出される末端部分P1,P2についてそれぞれ所定の余長を確保しておき、その末端部分P1,P2を図17(a),(b)に示すように巻き付けて同じく固定部材で固定した後、これを既に形成されている保持構造に付け足すようにすればよい。
【0079】
図16、および図17に示したように、光ファイバ1の末端部分P1,P2が、その周回部分の内方端側から引き出される構成の場合には、引き出し方向の自由度が大きいので、光ファイバ1に大きな曲げを生じさせることなく外部接続が可能となるなどの利点が生じる。
【0080】
さらに、固定材料2を用いて光ファイバ1を固定する際には、ワッシャ等の固定用部品を光ファイバ1とともに配置して固定材料2で一体的に固定することにより、事前に固定部を有した保持構造が得られるため、装置等への取り付けが容易となる。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、次の効果を奏する。
【0082】
(1) 光ファイバは、全体にシート状となっているから、薄肉であり、しかも全体がばらけることなく一体的に取り扱え、装置内に容易に配置することができる。
【0083】
(2) しかも、光ファイバは、一本同士の交差が生じないように周回されているから、マイクロベンディングなどを生じることなく安定して保持される。
【0084】
(3) さらに、光ファイバを複数層巻の構造にすれば、1層巻の場合に比較して、固定材料の厚さは幾分厚くなるが、その厚さの増加分はわずかであり、それよりも、長尺であってもその占有面積を大幅に小さくできるため、実装密度の向上を図ることができる。
【0085】
(4) 光ファイバをトラック形に配置した場合には、光ファイバの引き出し側に直線部分が生じるため、別種の光ファイバを接続する上で有利である。また、ファイバグレーティングの書き込み部の保持にも有利となる。
【0086】
(5) 光ファイバを固定部材を用いて固定する際には、ワッシャ等の固定用部品も同時に光ファイバとともに一体化して配置しておけば、事前に固定部を有した保持構造が得られるため、装置等への取り付けが容易となる。
【0087】
(6) また、本発明の製作治具を使用することで、極めて容易にかつ工数が少なくて保持構造を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバを一層巻して保持した構造を示す斜視図。
【図2】光ファイバを2層巻して保持した構造を示す斜視図。
【図3】光ファイバの保持構造を得るために使用する製作治具の斜視図。
【図4】図1および図2に示した光ファイバの保持構造を得るための製作方法の説明図。
【図5】光ファイバを1層巻する場合の具体的な手順を示す説明図。
【図6】光ファイバを2層巻する場合の具体的な手順を示す説明図。
【図7】光ファイバを3層巻して保持した構造を得るための途中工程の説明図。
【図8】図7に示した光ファイバの保持構造を得るための製作方法の説明図。
【図9】光ファイバを他の製作方法で3層巻して保持した構造を得るための途中工程の説明図。
【図10】図9に示した光ファイバの保持構造を得るための製作方法の説明図。
【図11】光ファイバをさらに他の製作方法で3層巻して保持した構造を得るための途中工程の説明図。
【図12】図11に示した光ファイバの保持構造を得るための製作方法の説明図。
【図13】図11に示した光ファイバの保持構造を得る途中での製作方法の説明図。
【図14】光ファイバを4層巻して保持した構造を得るための途中工程の説明図。
【図15】図14に示した光ファイバの保持構造を得るための製作方法の説明図。
【図16】光ファイバの末端部分を周回部分の内方端側から引き出す構成とする場合の説明図。
【図17】光ファイバの末端部分を周回部分の内方端側から引き出す構成とする場合の説明図。
【符号の説明】
1…光ファイバ、2…固定部材、3…製作治具、4a,4b…巻付用円柱部材、6a,6b…整列用側板部材。

Claims (5)

  1. 長尺の1本の光ファイバを一まとめにして固定保持するための構造でっあって、
    前記光ファイバは、一本同士の交差が生じないように、互いに平面的にずらせて周回配置されるとともに、この周回平面と直交する厚み方向に対しては、複数本が同じ位置で積層されており、
    この状態の光ファイバが、接着剤やフィルム等の固定材料によってシート状に一体的に保持されていることを特徴とする光ファイバの保持構造。
  2. 請求項1記載の光ファイバの保持構造において、
    前記光ファイバは、ワッシャ等の固定用部品とともにシート状に一体的に保持されていることを特徴とする光ファイバの保持構造。
  3. 請求項1または請求項2記載の光ファイバの保持構造において、
    前記光ファイバは、トラック形に配置されていることを特徴とする光ファイバの保持構造。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光ファイバの保持構造の製作に使用するめの治具であって、
    光ファイバを巻き付けるための2つの巻付用円柱部材が所定寸法だけ離れて配置され、これらの両巻付用円柱部材を上下に挟む状態で一対の整列用側板部材が設けられており、かつ、前記巻付用円柱部材は、その整列用側板部材で挟まれる厚みが光ファイバの積層本数に応じた寸法に設定されていることを特徴とする製作治具。
  5. 請求項4記載の製作治具を使用し、この製作治具の一方の巻付用円柱部材に光ファイバの中間部分を引っ掛けた後、両巻付用円柱部材にわたって光ファイバを巻き付け、この状態で前記両整列用側板部材の間に接着剤等の固定材料を充填して光ファイバを固定することを特徴とする光ファイバの保持構造の製作方法。
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