JP3810334B2 - 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光通信やマイクロ波通信、ミリ波通信等の高い周波数で作動する各種半導体素子を収納する半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光半導体素子を収納するための半導体素子収納用パッケージ(以下、半導体パッケージともいう)を図3,図4に示す。これらの図において、101は基体、102は枠体、104は半導体素子、107は入出力端子、108はシールリングである。これら基体101、枠体102、蓋体103、入出力端子107、シールリング108とで、半導体素子104を半導体パッケージ内に収容する容器が主に構成される。
【0003】
基体101は、その上側主面の中央部に半導体素子104を載置する載置部101aを有し、載置部101aには半導体素子104がペルチェ素子等の基台105を介して金(Au)−シリコン(Si)ロウ材等の接着剤により接着固定されるものであり、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金や銅(Cu)−タングステン(W)合金等の金属から成る。
【0004】
枠体102は、基体101の上側主面の外周部に載置部101aを囲繞するように、銀ロウ等のロウ材のプリフォームを介して接合され、側部の上面に入出力端子107を嵌着するための切欠き部から成る取付部102aが形成されたものであり、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属から成る。
【0005】
入出力端子107は、アルミナ(Al2O3),窒化アルミニウム(AlN),ムライト(3Al2O3・2SiO2)等のセラミックスから成り、枠体102の内外に突出する平板部107aと枠体102に嵌着される立壁部107bとを有しており、半導体パッケージの内外を導出するようにモリブデン(Mo)−マンガン(Mn),タングステン(W)等から成る金属ペーストを焼結したメタライズ配線層112が平板部107aの上面に被着されて半導体素子104と外部電気回路基板とを電気的に接続する。また、入出力端子107は、枠体102の取付部102aに銀ロウ等のロウ材で嵌着される。
【0006】
リード端子116は、入出力端子107のメタライズ配線層112に銀ロウ等のロウ材を介して接合され、外部電気回路と入出力端子107との高周波信号の入出力を行うものであり、Fe−Ni−Co合金等の金属から成る。
【0007】
シールリング108は、枠体102の上面に銀ロウ等のロウ材のプリフォームを介して接合され、枠体102とともに入出力端子107を上方より挟持するものであり、上面に蓋体103をシーム溶接等により接合するための接合媒体として機能する。シールリング108と枠体102とを接合するためのロウ材のプリフォームは、ロウ材が溶融した際に毛細管現象によって、取付部102aの内周側面と入出力端子107との間に流れ込むことによって、入出力端子107が取付部102aに銀ロウ等のロウ材で嵌着接合される。
【0008】
光ファイバ固定部材(以下、固定部材ともいう)109は、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属から成り、例えばFe−Ni合金のインゴットをプレス加工により所定の筒状に成形することによって製作される。また、固定部材109は、光ファイバ110を挿通可能な貫通孔を有する筒体であり、枠体2内側の端部(載置部101a側の端部)がサファイアやガラス等の透光性材料から成る窓部材111で塞がれており、枠体2外側の端部の開口から光ファイバ110の一端が挿通固定される。
【0009】
光ファイバ110は、その端部に金属製フランジ110aをYAGレーザ溶接法等によって固定部材109に溶接することにより枠体102に固定され、これにより光ファイバ110を介して内部に収容する半導体素子104と外部との光信号の授受が可能となる。
【0010】
また、メタライズ配線層112の枠体102外側の部位には、外部電気回路との高周波信号の入出力を行うために、Fe−Ni−Co合金等の金属から成るリード端子116が銀ロウ等のロウ材で接合されるとともに、メタライズ配線層112の枠体102内側の部位には、半導体素子104と電気的に接続するためのボンディングワイヤー114が接合される。
【0011】
そして、基体101の載置部101aに半導体素子104が基台105を介して接着固定され、半導体素子104の電極をボンディングワイヤー114を介してメタライズ配線層112に接続させる。次に、枠体102の上面に蓋体103を接合させ、基体101と枠体102と入出力端子107とシールリング108と蓋体103とから成る容器内部に、半導体素子104および基台105を気密に収容する。最後に、枠体102に設けられた固定部材109に光ファイバ110の一端を挿通させるとともに、これを半田等の接着剤やレーザ溶接によって接合させ、光ファイバ110を枠体102に固定することによって最終製品としての半導体装置となる。そして、光ファイバ110を介して内部に収容する半導体素子104と外部との光信号の授受が可能となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の半導体パッケージにおいて、内部に収容する素子や部品を増加させ、多くの機能を有する集積化した半導体装置を形成するために、入出力端子107の平板部107a上面の高さをそのままとして枠体102の高さを高くして内部の容積を大きくする場合、入出力端子107の立壁部107bの高さを高くして、取付部102aを立壁部107bの大きさに合わせて大きくする必要があった。そして、立壁部107bを高くすると、立壁部107bと枠体102との熱膨張差が大きくなり、立壁部107bにクラック等の破損が発生して、半導体パッケージ内部を気密に保持できなくなる場合があった。そこで、立壁部107bに破損が生ずるのを防止するために立壁部107bを厚くすることも考えられるが、この場合半導体パッケージ内部の容積が小さくなるという問題があった。
【0013】
また、立壁部107bを高くすると、入出力端子107外周の長さが長くなり、毛細管現象によりロウ材を取付部102aの内周側面と入出力端子107との間に入出力端子107全周にわたって流し込むことが困難になり、取付部102aの内周側面と入出力端子107との間に隙間ができて、半導体パッケージ内部を気密に保持できなくなるという問題点があった。
【0014】
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、内部の容積を大きくできるとともに内部の気密性が良好な半導体パッケージを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上側主面に半導体素子が載置される載置部を有する基体と、該基体の前記上側主面に前記載置部を囲繞するように取着され、上面側に切欠き部が形成された金属製の枠体と、上面の一辺側から対向する他辺側にかけて形成された複数のメタライズ配線層を有する誘電体から成る平板部および該平板部の上面に前記複数のメタライズ配線層の一部を間に挟んで接合された誘電体から成る立壁部から構成されるとともに前記切欠き部内の下側に嵌着された入出力端子と、前記枠体の上面と上面が略面一となるように前記切欠き部内の上側の前記入出力端子上に嵌着された、中央部が上下にわたって前記枠体よりも薄い金属壁と、前記枠体および前記金属壁の上面に接合された金属製のシールリングとを具備したことを特徴とする。
【0016】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上記の構成により、入出力端子の平板部の上面の高さをそのままとし枠体を高くして内部の容積を大きくする際に、立壁部とシールリングとの間に少なくとも中央部が枠体よりも薄い金属壁が設けられることによって、入出力端子の立壁部を高くする必要がなくなり、立壁部にクラック等の破損が発生するのを防止して、半導体素子収納用パッケージ内部を気密に保持できる。また、金属壁の中央部が上下にわたって枠体よりも薄く、かつシールリングの幅が枠体の厚さと同程度であることから、金属壁の中央部の厚さは枠体およびシールリングよりも薄いことになり、その結果、枠体とシールリングの間に設けたロウ材が金属壁の中央部の内面または外面を流れ、ロウ材を立壁部上面にすみやかに流し込むことができる。また、金属壁と立壁部上面との接合部に良好なロウ材のメニスカスを形成することができ、入出力端子の接合を強固にすることができ、半導体素子収納用パッケージの気密信頼性を高めることができる。
【0017】
本発明の半導体素子収納用パッケージにおいて、好ましくは、前記金属壁は、前記立壁部の両端部に位置する部位に上下にわたって前記枠体と略同じ厚さの厚肉部が形成されていることを特徴とする。
【0018】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上記の構成により、金属壁を切欠き部に嵌着し接合する際に位置合わせが容易になり、また、枠体と金属壁との隙間の枠体の厚さ方向の長さが長くなるため、毛細管現象によってロウ材をより良好に流し込むことができる。従って、枠体と金属壁、入出力端子と枠体とを、より強固に接合できる。
【0019】
本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置されるとともに前記入出力端子に電気的に接続された半導体素子と、前記枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことを特徴とする。
【0020】
本発明の半導体装置は、上記の構成により、上記本発明の半導体素子収納用パッケージを用いた信頼性の高いものとなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体素子収納用パッケージについて以下に詳細に説明する。図1は本発明の半導体パッケージについて実施の形態の例を示す断面図であり、図2(a),(b)は本発明の半導体パッケージの平面図である。図1において、1は基体、2は枠体、6は金属壁、7は入出力端子、8はシールリングであり、これらで半導体素子4を内部に収容するための容器が主に構成される。
【0022】
本発明の半導体パッケージは、上側主面に半導体素子4が載置される載置部1aを有する基体1と、基体1の上側主面に載置部1aを囲繞するように取着され、上面側に切欠き部2aが形成された金属製の枠体2と、上面の一辺側から対向する他辺側にかけて形成された複数のメタライズ配線層12を有する誘電体から成る平板部7aおよび平板部7aの上面に複数のメタライズ配線層12の一部を間に挟んで接合された誘電体から成る立壁部7bから構成されるとともに切欠き部2a内の下側に嵌着された入出力端子7と、枠体2の上面と上面が略面一となるように切欠き部2a内の上側の入出力端子7上に嵌着された、中央部が上下にわたって枠体2よりも薄い金属壁6と、枠体2および金属壁6の上面に接合された金属製のシールリング8とを具備した構成である。
【0023】
本発明の基体1は、その上側主面に半導体レーザ(LD),フォトダイオード(PD),IC,LSI等の半導体素子4がペルチェ素子,絶縁基板等の基台5を間に介して載置するための載置部1aを有している。この基体1は、Fe−Ni−Co合金やCu−W等の金属、またはAl2O3,AlN,3Al2O3・2SiO2等のセラミックスから成る。金属から成る場合、例えばFe−Ni−Co合金のインゴット(塊)に圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定形状に製作される。一方、セラミックスから成る場合、その原料粉末に適当な有機バインダや溶剤等を添加混合しペースト状と成し、このペーストをドクターブレード法やカレンダーロール法によってセラミックグリーンシートと成し、しかる後、セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施し、これを複数枚積層し焼成することによって作製される。
【0024】
なお、基体1が金属からなる場合、その表面に耐蝕性に優れかつロウ材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層と厚さ0.5〜5μmのAu層を順次メッキ法により被着させておくのがよく、基体1が酸化腐蝕するのを有効に防止できるとともに、基体1の上側主面の載置部1aに半導体素子4を基台5を間に介して強固に接着固定させることができる。
【0025】
一方、基体1がセラミックスから成る場合、半導体素子4を基台5を間に介して載置する載置部1aに耐蝕性に優れかつロウ材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層と厚さ0.5〜5μmのAu層を順次メッキ法により被着させておくのがよく、基体1上面の載置部1aに半導体素子4を基台5を間に介して強固に接着固定させることができる。
【0026】
枠体2は、基体1の上側主面に載置部1aを囲繞するように取着され、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属から成る。例えば、Fe−Ni−Co合金のインゴットをプレス加工により所定の枠状となすことによって製作される。また、枠体2には、内部に収容する半導体素子4との間で光信号を授受するための光ファイバ10が挿通固定される光ファイバ固定部材9が枠体2を貫通して銀ロウ等のロウ材を介して接合されている。
【0027】
入出力端子7は、基体1,枠体2に熱膨張係数が近似するアルミナセラミックス等のセラミックスから成り、枠体2の内外に突出する平板部7aと枠体2に嵌着される立壁部7bとを有しており、半導体パッケージの内外を導出するようにMo−Mn,W等から成る金属ペーストを焼結したメタライズ配線層12が平板部7a上面に被着されて、半導体素子4と外部電気回路基板とを電気的に接続する。この入出力端子7は、枠体2上面側に形成された切欠き部2a内の下側に嵌めこまれ、入出力端子7の立壁部7bとシールリング8との間に枠体2およびシールリング8よりも薄いFe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等からなる金属壁6が嵌めこまれて、金属壁6とともに切欠き部2aに銀ロウ等のロウ材を介して嵌着される。
【0028】
この構成により、金属壁6が接合されることによって、入出力端子7の立壁部7bの高さを高くせずとも入出力端子7を切欠き部2aに嵌着させることができ、立壁部7bにクラック等の破損が発生するのを防止して、半導体パッケージ内部を気密に保持できる。また、金属壁6が枠体2とシールリング8よりも薄いことにより、枠体2とシールリング8の間に設けたロウ材が金属壁6の中央部の内面または外面を流れ、ロウ材を立壁部7b上面にすみやかに流し込むことができ、入出力端子7と金属壁6とを強固に接合できる。
【0029】
また図1,図2に示すように、好ましくは、金属壁6は立壁部7bの両端部に位置する部位に上下にわたって枠体2の側部と略同じ厚さの厚肉部6aが形成されていることにより、金属壁6を枠体2に嵌めこんで接合する際に枠体2に対する金属壁6の位置合わせが容易になるとともに、枠体2と金属壁6との接合部にロウ材の毛細管現象によってロウ材を流れ込ませることが容易になり、その結果、枠体2と金属壁6、入出力端子7と枠体2とを、強固に接合することができる。
【0030】
金属壁6の厚みは枠体2の厚みの1/2〜3/4であることがよく、この場合金属壁6を介して入出力端子7とシールリング8を接合する際に、シールリング8の幅より薄くなった金属壁6の側面にロウ材が流れ込み、金属壁6と立壁部7bの上面との接合部に良好なロウ材のメニスカスを形成することができる。その結果、入出力端子7の接合を強固なものとすることができ、半導体パッケージの気密信頼性を高めることができる。
【0031】
金属壁6の厚みが枠体2の厚みの1/2未満になると、金属壁6自体が薄くなりすぎるため、金属壁6の強度低下につながってしまう。また、3/4より厚くなると、金属壁6の中央部の内面または外面においてロウ材が流れにくくなって、金属壁6と入出力端子7とを接合するためのロウ材が不足し、金属壁6と立壁部7bの上面との接合部に良好なメニスカスを形成できなくなり、金属壁6と立壁部7bの上面との接合部において気密信頼性が低下する傾向がある。
【0032】
また、金属壁6の両端部に形成された厚肉部6aは、0.3mm〜金属壁6の長さの1/2であるのがよい。0.3mm未満では、金属加工により厚肉部を形成するのが困難となる。金属壁6の長さの1/2を超えると、金属壁6で枠体2よりも薄くなっている部分が少なくなり、金属壁6から立壁部7bの上面に流れるロウ材が少なくなってしまい、金属壁6と立壁部7bとを接合するためのロウ材が不足する。
【0033】
また金属壁6は、図2(b)に示すように、厚肉部6aよりもさらに両端側を延長させた、厚肉部6a以外の部位と同じ厚さの延長部を有することが好ましい。この場合、半導体素子収納用パッケージの気密信頼性が向上するという効果がある。またこの場合、切欠き部2aの上側に金属壁6の両端の延長部が嵌合するように段差が形成される。
【0034】
なお、金属壁6は厚肉部6aが形成されていなくてもよく、全体が枠体2よりも薄くなっていてもよい。
【0035】
固定部材9は、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属から成り、例えばFe−Ni合金のインゴットをプレス加工により所定の筒状に製作される。この固定部材9は、光ファイバ10を挿通可能な貫通孔を有する筒体であり、枠体2内側の端部がサファイアやガラス等の透光性材料から成る窓部材11で塞がれており、枠体2外側の端部から光ファイバ10の一端が挿通固定される。
【0036】
光ファイバ10は、その端部に金属製フランジ10aを例えばレーザ溶接法を採用して固定部材9に溶接することにより枠体2に固定され、これにより光ファイバ10を介して内部に収容する半導体素子4と外部との光信号の授受が可能となる。
【0037】
リード端子16は、入出力端子7のメタライズ配線層12の枠体2外側に銀ロウ等のロウ材を介して接合され、外部電気回路と入出力端子7との高周波信号の入出力を行うものであり、Fe−Ni−Co合金等の金属から成る。その金属のインゴットを従来周知の圧延加工法、打ち抜き加工法、エッチング加工法等の金属加工法によって、所定の棒状となるように製作される。
【0038】
シールリング8は、枠体2の上面に銀ロウ等のロウ材で接合され、入出力端子7を枠体2とともに挟持し、上面に蓋体3をシーム溶接等により接合するための接合媒体として機能し、Fe−Ni−Co合金等の金属から成る。
【0039】
また、メタライズ配線層12には、外部電気回路との高周波信号の入出力を行うために、導電性を有するFe−Ni−Co合金等の金属から成るリード端子16が銀ロウ等のロウ材で接合されるとともに、枠体2内側において半導体素子4と電気的に接続するためのボンディングワイヤー14が接合される。
【0040】
そして、基体1の載置部1aに半導体素子4を基台5を間に介して接着固定させ、半導体素子4の電極をボンディングワイヤー14を介してメタライズ配線層12に接続させ、次に枠体2の上面に蓋体3を接合させ、基体1と枠体2と入出力端子7とシールリング8と蓋体3とから成る容器内部に半導体素子4を気密に収容し、最後に枠体2に設けられた固定部材9に光ファイバ10の一端を挿通させるとともにこれを半田等の接着剤やレーザ溶接によって接合させ、光ファイバ10を枠体2に固定することによって、最終製品としての半導体装置となる。そして、光ファイバ10を介して内部に収容する半導体素子4と外部との光信号の授受、送受が可能となる。
【0041】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
【0042】
【発明の効果】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上側主面に半導体素子が載置される載置部を有する基体と、基体の上側主面に載置部を囲繞するように取着され、上面側に切欠き部が形成された金属製の枠体と、上面の一辺側から対向する他辺側にかけて形成された複数のメタライズ配線層を有する誘電体から成る平板部および平板部の上面に複数のメタライズ配線層の一部を間に挟んで接合された誘電体から成る立壁部から構成されるとともに切欠き部内の下側に嵌着された入出力端子と、枠体の上面と上面が略面一となるように切欠き部内の上側の入出力端子上に嵌着された、中央部が上下にわたって枠体よりも薄い金属壁と、枠体および金属壁の上面に接合された金属製のシールリングとを具備したことにより、入出力端子の平板部の上面の高さをそのままとし枠体を高くして内部の容積を大きくする際に、立壁部とシールリングとの間に枠体よりも少なくとも中央部が上下にわたって薄い金属壁が設けられることによって、入出力端子の立壁部を高くする必要がなくなり、立壁部にクラック等の破損が発生するのを防止して、半導体素子収納用パッケージ内部を気密に保持できる。また、金属壁が枠体よりも薄く、かつシールリングの幅が枠体の厚さと同程度であることから、金属壁の中央部の厚さは枠体およびシールリングよりも薄いことになり、その結果、枠体とシールリングの間に設けたロウ材が金属壁の中央部の内面または外面を流れ、ロウ材を立壁部上面にすみやかに流し込むことができる。また、金属壁と立壁部上面との接合部に良好なロウ材のメニスカスを形成することができ、入出力端子の接合を強固にすることができ、半導体素子収納用パッケージの気密信頼性を高めることができる。
【0043】
本発明の半導体素子収納用パッケージは、好ましくは金属壁は立壁部の両端部に位置する部位に上下にわたって枠体と略同じ厚さの厚肉部が形成されていることにより、金属壁を切欠き部に嵌着し接合する際に位置合わせが容易になり、また、枠体と金属壁との隙間の枠体の厚さ方向の長さが長くなるため、毛細管現象によってロウ材をより良好に流し込むことができる。従って、枠体と金属壁、入出力端子と枠体とを、より強固に接合できる。
【0044】
本発明の半導体装置は、上記本発明の半導体素子収納用パッケージと、載置部に載置されるとともに入出力端子に電気的に接続された半導体素子と、枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことにより、上記本発明の半導体素子収納用パッケージを用いた信頼性の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体素子収納用パッケージについて実施の形態の例を示す断面図である。
【図2】(a)は図1の半導体素子収納用パッケージの平面図、(b)は本発明の半導体素子収納用パッケージの実施の形態の他の例を示す平面図である。
【図3】従来の半導体素子収納用パッケージの断面図である。
【図4】図3の半導体素子収納用パッケージの斜視図である。
【符号の説明】
1:基体
1a:載置部
2:枠体
2a:切欠き部
4:半導体素子
6:金属壁
6a:厚肉部
7:入出力端子
7a:平板部
7b:立壁部
8:シールリング
12:メタライズ配線層
Claims (3)
- 上側主面に半導体素子が載置される載置部を有する基体と、該基体の前記上側主面に前記載置部を囲繞するように取着され、上面側に切欠き部が形成された金属製の枠体と、上面の一辺側から対向する他辺側にかけて形成された複数のメタライズ配線層を有する誘電体から成る平板部および該平板部の上面に前記複数のメタライズ配線層の一部を間に挟んで接合された誘電体から成る立壁部から構成されるとともに前記切欠き部内の下側に嵌着された入出力端子と、前記枠体の上面と上面が略面一となるように前記切欠き部内の上側の前記入出力端子上に嵌着された、中央部が上下にわたって前記枠体よりも薄い金属壁と、前記枠体および前記金属壁の上面に接合された金属製のシールリングとを具備したことを特徴とする半導体素子収納用パッケージ。
- 前記金属壁は、前記立壁部の両端部に位置する部位に上下にわたって前記枠体と略同じ厚さの厚肉部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体素子収納用パッケージ。
- 請求項1または請求項2記載の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置されるとともに前記入出力端子に電気的に接続された半導体素子と、前記枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことを特徴とする半導体装置。
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