JP3696817B2 - 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光半導体素子を収納するための光半導体素子収納用パッケージに関し、特に枠体に設けられる入出力端子を改良したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マイクロ波帯やミリ波帯等の高周波信号を用いる半導体レーザ(LD),フォトダイオード(PD)等の光半導体素子を収納するための光半導体素子収納用パッケージ(以下、光半導体パッケージという)を図3に示す。同図において、101は基体、102は枠体、103は入出力端子、105は光半導体素子を示す。これら基体101、枠体102、入出力端子103、蓋体(図示せず)とで、光半導体素子105を光半導体パッケージ内に収容する容器が基本的に構成される。
【0003】
基体101は、上側主面に光半導体素子105を載置する載置部101aを有し、載置部101aには光半導体素子105が金(Au)−シリコン(Si)ロウ材等の接着剤により接着固定されるものであり、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金や銅(Cu)−タングステン(W)合金等の金属材料から成る。
【0004】
枠体102は、基体101の上側主面に載置部101aを囲繞するように銀ロウ等のロウ材で接合され、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属材料から成る。
【0005】
枠体102の一側部には複数の貫通孔が形成され、図4に示すように、その貫通孔よりも小さい開口形状の貫通穴106が複数同じ配置で両主面間を貫通するように形成されたセラミックスから成る平板部103aおよび複数の貫通穴106にそれぞれ挿着されたリード端子104から成る入出力端子103が、複数の貫通孔にリード端子104がそれぞれ挿入されるとともに一主面が枠体の側部の外面にロウ付されて接合される。なお、図4(a)は入出力端子103の正面図、(b)は(a)のB方向からみた側面図である。
【0006】
この入出力端子103は、アルミナ(Al2O3),窒化アルミニウム(AlN),ムライト(3Al2O3・2SiO2)等のセラミックスから成る平板部103aおよびリード端子104から構成され、平板部103aにはリード端子104を挿着するための複数の貫通穴106が形成されている。また、枠体102に接合する側の主面にはモリブデン(Mo)−マンガン(Mn),W等から成る金属ペーストを焼結したメタライズ層が形成され、枠体102に銀ロウ等のロウ材で接合される。
【0007】
リード端子104は、入出力端子103の貫通穴106に銀ロウ等のロウ材を介して接合され、外部電気回路と光半導体素子105との高周波信号の入出力を行うものであり、Fe−Ni−Co合金等の金属材料から成る。
【0008】
枠体102の他の側部にはさらに貫通孔が形成され、その貫通孔に筒状の光ファイバ固定部材108が嵌着されている。この光ファイバ固定部材108は、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属から成り、例えばFe−Ni合金のインゴット(塊)をプレス加工により所定の筒状に製作される。光ファイバ固定部材108は、光ファイバ(図示せず)を挿通可能な貫通孔を有する筒体であり、枠体102内側の端部がサファイアやガラス等の透光性材料から成る窓部材で塞がれており、外側端部から光ファイバの一端が挿通固定される。また、光ファイバはその先端部に金属製フランジが設けられており、金属製フランジを光ファイバ固定部材108の外側端部にYAGレーザ溶接法等で溶接することにより枠体102に固定される。これにより、光ファイバを介して内部に収容する光半導体素子105と外部との光信号の授受が可能となる。
【0009】
また、リード端子104の枠体102外側の部位は、外部電気回路との高周波信号の入出力を行う機能を有し、外部装置にそのままロウ付等で接合される。リード端子104の枠体102内側の部位には、光半導体素子105と電気的に接続するためのボンディングワイヤが接合される。
【0010】
そして、基体101の載置部101aに光半導体素子105を接着固定し、光半導体素子105の電極をボンディングワイヤを介してリード端子104に接続する。次に、枠体102の上面に蓋体を接合し、基体101と枠体102と入出力端子103と蓋体とから成る容器内部に、光半導体素子105を気密に収容する。最後に、枠体102の光ファイバ固定部材108に光ファイバの一端を挿通させるとともに、これを半田等の接着剤やレーザ溶接によって接合し、光ファイバを枠体102に固定することによって、最終製品としての光半導体装置となる。そして、光ファイバを介して内部に収容する光半導体素素子105と外部との光信号の授受が可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の半導体パッケージは、枠体102に入出力端子103の平板部103aをロウ付けした際に平板部103aの接合面の端に隙間が発生し、光半導体素子105の気密性が劣化するという問題点があった。これは、平板部103aがセラミックスから成るため殆どの場合反りが生じており、平板部103aが枠体102の側部と完全に密着することが困難であることに原因がある。
【0012】
即ち、図6に示すように、平板部103aの凸となっている側の主面を枠体102に接合しているため、その主面全面にロウ付用のメタライズ層を形成していても、主面の端に隙間が生じているため、主面の端のメタライズ層にはロウ材が流れ出てこなくなる。その結果、平板部103aの接合される主面の端にロウ材の隙間110が発生し、その隙間110によって接合強度が低下するとともに気密性が劣化していた。
【0013】
また、このような従来の構成では、入出力端子103のリード端子104が傾いて、光半導体素子105の電極とリード端子104がボンディングワイヤで接続されるべき所定の位置からずれ易くなり、光半導体素子105と入出力端子103との電気的接続を行うためのボンディングワイヤの長さが長くなる部位が生じる。このため、その部位におけるインピーダンスが大きくなる。その結果、光半導体素子105と入出力端子103との高周波信号の伝送特性が損なわれるという問題点を有していた。
【0014】
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、枠体と入出力端子との間の隙間の発生を抑えて光半導体素子の気密性および高周波信号の伝送特性を良好なものとすることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体パッケージは、上側主面に光半導体素子が載置される載置部を有する略四角形の基体と、前記上側主面に前記載置部を囲繞するように取着され、側部に複数の貫通孔が形成された平面視形状が略四角形の金属製の枠体と、前記貫通孔よりも小さい開口形状の複数の貫通穴が前記貫通孔と同じ配置で両主面間を貫通するように形成されたセラミックスから成る平板部および前記複数の貫通穴にそれぞれ挿着された複数のリード端子から成り、前記複数の貫通孔に前記複数のリード端子がそれぞれ挿入されるとともに前記平板部の一主面が前記側部の外面にロウ付された入出力端子とを具備した光半導体素子収納用パッケージにおいて、前記平板部はその一主面と端面との間の稜部が全周にわたって平面的に面取りされており、かつ前記一主面の面取り部以外の部位にメタライズ層が形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記の構成により、平板部の面取り部には接合用のメタライズ層が形成されていないため、ロウ材が平板部の端の面取り部にはみ出してくることがなく、平板部の端にロウ材の隙間が形成されない。従って、枠体と入出力端子とを隙間をなくして強固に接合することができる。その結果、光半導体素子の気密性を良好なものとすることができる。また、入出力端子のリード端子が傾くことが抑えられるため、リード端子先端部は光半導体素子の電極に対して常に接続されるべき所定位置にあることになる。そのため、それらを電気的に接続するボンディングワイヤの長さを極端に長くしなければならない部位を発生させることがなくなる。従って、ボンディングワイヤの長さをいずれの部位においても常に所定の長さとでき、インピーダンスが常に一定となる。従って、光半導体素子と入出力端子との間での高周波信号の伝送特性が常に良好となる。
【0017】
本発明において、好ましくは、前記面取り部は、前記平板部の一主面から連続する傾斜面となっている第一平面と、前記平板部の端面に略垂直な第二平面とから成っていることを特徴とする。
【0018】
本発明は、上記の構成により、平板部の強度が向上し、平板部をプレス成形法で成形する際に欠けの発生を防止することができる。
【0019】
また本発明において、好ましくは、前記枠体は鉄−ニッケル−コバルト合金から成り、前記平板部は酸化アルミニウム質焼結体から成ることを特徴とする。
【0020】
本発明は、上記の構成により、枠体の熱膨張係数が10〜11ppm/℃(×10-6/℃)となり、平板部の熱膨張係数が7〜8ppm/℃となって、これらの熱膨張係数が近似しているので、これらを接合する際に熱膨張係数差により発生する応力をより小さくして確実にクラックや割れの発生を防止できる。
【0021】
本発明の光半導体装置は、本発明の光半導体パッケージと、前記載置部に載置固定されるとともに前記入出力端子に電気的に接続された光半導体素子と、前記枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことを特徴とする。
【0022】
本発明は、上記の構成により、上記本発明の光半導体パッケージを用いた信頼性の高い光半導体装置を提供できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体パッケージについて以下に詳細に説明する。図1は本発明の半導体パッケージについて実施の形態の例を示す上面図であり、図2は図1の半導体パッケージの入出力端子であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA方向からみた側面図、(c)は(b)の面取り部(C面部)の拡大図である。
【0024】
本発明の基体1は、その上側主面に半導体レーザ(LD),フォトダイオード(PD)等の光半導体素子5が載置される載置部1aを有し、略四角形の形状である。この基体1は、Fe−Ni−Co合金,Cu−W等の金属材料、酸化アルミニウム質焼結体,窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体等の焼結体(セラミックス)から成る。金属材料から成る場合、例えば、Fe−Ni−Co合金のインゴット(塊)に圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定の形状に製作される。一方、セラミックスから成る場合、その原料粉末に適当な有機バインダや溶剤等を添加混合しペースト状と成し、このペーストをドクターブレード法やカレンダーロール法によってセラミックグリーンシートと成し、しかる後、セラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施し、これを複数枚積層し焼成することによって作製される。
【0025】
なお、基体1が金属材料から成る場合、その表面に耐蝕性に優れかつロウ材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層と厚さ0.5〜5μmのAu層をメッキ法により順次被着しておくのがよく、基体1が酸化腐蝕するのを有効に防止できるとともに、基体1の上側主面の載置部1aに光半導体素子5を強固に接着固定することができる。一方、基体1がセラミックスから成る場合、光半導体素子5を載置する載置部1aに耐蝕性に優れかつロウ材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層と厚さ0.5〜5μmのAu層をメッキ法により順次被着しておくのがよく、基体1の上側主面の載置部1aに光半導体素子5を強固に接着固定することができる。
【0026】
枠体2は、基体1の上側主面に載置部1aを囲繞するように取着され、側部に複数の貫通孔2aが形成された平面視形状が略四角形のものである。この枠体2は好ましくはFe−Ni−Co合金から成り、Fe−Ni−Co合金のインゴットをプレス加工により所定の枠状となすことによって製作される。また、枠体2の他の側部にはさらに他の貫通孔2bが形成され、内部に収容する光半導体素子5との間で光信号を授受するための光ファイバが挿通固定される筒状の光ファイバ固定部材8が貫通孔2bに嵌着され、銀ロウ等のロウ材を介して接合される。
【0027】
本発明の入出力端子3は、枠体2の貫通孔2aよりも小さい開口形状の複数の貫通穴6が貫通孔2aと同じ配置で両主面間を貫通するように形成されたセラミックスから成る平板部3aおよび複数の貫通穴6にそれぞれ挿着された複数のリード端子4から成り、複数の貫通孔2aに複数のリード端子4がそれぞれ挿入されるとともに平板部3aの一主面が枠体2側部の外面にロウ付されており、平板部3aはその一主面と端面との間の稜部が全周にわたって平面的に面取りされており、かつ一主面の面取り部以外の部位にメタライズ層が形成されている。
【0028】
上記のように平板部3aの貫通穴6が枠体2の貫通孔2aよりも小さい開口形状であることから、リード端子4が貫通孔2aの内面に接触せずショートすることがない。また、リード端子4の貫通穴6への固定を確実にするために、リード端子4の途中に鍔部を設け、その鍔部を貫通穴6の平板部3aの非接合面側の開口の周囲にロウ付けしてもよい。その場合、貫通穴6の平板部3aの非接合面側の開口の周囲に、鍔部と略同形のメタライズ層を形成しておけばよい。
【0029】
入出力端子3の平板部3aは、好ましくは酸化アルミニウム質焼結体から成り、図2に示すようにリード端子4を挿入するための貫通穴6を有している。また、枠体2に接合する側の主面(接合面)にはMo−Mn,W等から成る金属ペーストを焼結したメタライズ層が形成され、枠体2の外面に銀ロウ等のロウ材で接合される。入出力端子3の長さは、光半導体素子5の仕様および寸法に応じて適宜設定されるが、具体的には18〜30mm程度である。
【0030】
枠体2が好ましくはFe−Ni−Co合金から成り、入出力端子3の平板部3aが好ましくは酸化アルミニウム質焼結体から成ることにより、枠体の熱膨張係数が10〜11ppm/℃となり、平板部の熱膨張係数が7〜8ppm/℃となって、これらの熱膨張係数が近似しているので、これらを接合する際に熱膨張係数差により発生する応力をより小さくして確実にクラックや割れの発生を防止できる。
【0031】
図2の(b)、(c)に示すように、平板部3aの枠体2に接合される側の主面の端に、C面部7をバレル研磨等の研磨加工により全周にわたって形成する。C面部7にはロウ材が回り込まないようにメタライズ層は形成せず、枠体2に接合する主面にのみメタライズ層を形成する。これにより、C面部7が形成された平板部3aを枠体2にロウ付する際に、C面部7にロウ材がはみ出してくることがなくなり、平板部の端にロウ材の流れ出しによる隙間が形成されない。従って、枠体と入出力端子とを隙間をなくして強固に接合することができる。即ち、C面部7が隙間の発生を抑える機能を有することになり、その結果、光半導体素子5の気密性を良好にすることができる。
【0032】
具体的には、図7に示すように、平板部3aはほとんどの場合反っており、その凸となっている側の主面を枠体2に接合しており、C面部7以外の主面にロウ付用のメタライズ層3bを形成する。これにより、ロウ材3cはC面部7に流れ出ることはなく、平板部3aの接合される主面の端にロウ材3cの隙間が発生することはない。
【0033】
また、リード端子4が傾かないため、リード端子4の先端部が光半導体素子5の電極に対して、常に接続されるべき所定位置にあることになる。そのため、それらを電気的に接続するボンディングワイヤの長さを極端に長くしなければならない部位を発生させることがなくなる。従って、ボンディングワイヤの長さをいずれの部位においても常に一定とでき、インピーダンスが常に一定となる。そのため、光半導体素子5と入出力端子3との間で高周波信号の伝送特性が常に良好となる。
【0034】
また、図2(c)に示すようにC面部7は、平板部3aの接合される一主面(接合面)から連続する傾斜面となっている第一平面7aと、平板部3aの端面に略垂直な第二平面7bとから成っていることが好ましい。第二平面7bを設けることによって平板部3aの強度が向上し、平板部3aをプレス成形法で成形する際に欠けの発生を防止することができる。
【0035】
第二平面7bの幅Xは0.02mm以上とするのが好ましい。0.02mm未満の場合、バレル研磨等による加工が困難になるとともに、平板部3aをプレス成形法で成形する際に欠けが発生し易くなる。第二平面7bの幅Xと第一平面7aの幅Yの比X/Yは0.2〜0.6とするのが好ましい。0.2未満の場合、枠体2と平板部3a間に隙間ができて接合強度が低下し、光半導体素子5の気密性が劣化し易くなる。0.6を超えると、平板部3aの枠体2との接合面積が減少して光半導体素子5の気密性が劣化し易くなる。
【0036】
また、図5に示すように、平板部3aの幅Cに対するX+Yの比(X+Y)/Cは0.02〜0.15が好ましく、平板部3aの厚さDに対するC面部7の厚さ方向の幅Y1の比Y1/Dは0.1〜0.3であることが好ましい。(X+Y)/Cが0.02未満でありかつY1/Dが0.1未満の場合、枠体2に平板部3aをロウ付した際に発生する応力を緩和するのが困難になり、平板部3aにクラックや割れが発生し易くなる。(X+Y)/Cが0.15を超えかつY1/Dが0.3を超える場合、平板部3aの枠体2に対する接合面積が減少し剥がれが発生し易くなる。
【0037】
C面部7と平板部3aの接合面とのなす角度は20〜80°程度が好ましい。20°未満では、枠体2に入出力端子3の平板部3aを接合する際に発生する応力を十分に緩和することが困難になり、平板部3aにクラックや割れが発生しやすくなる。80°を超えると、平板部3aをプレス成形法で成形する際にC面部7付近に欠けが発生し易くなる。
【0038】
リード端子4は、入出力端子3の貫通穴6に銀ロウ等のロウ材を介して接合され、外部電気回路と光半導体素子5との高周波信号の入出力を行うものであり、Fe−Ni−Co合金等の金属材料から成る。
【0039】
光ファイバ固定部材8は、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属から成り、例えばFe−Ni合金のインゴット(塊)をプレス加工により所定の筒状に製作される。この光ファイバ固定部材8は、光ファイバ(図示せず)を挿通可能な貫通孔を有する筒体であり、枠体2内側の端部がサファイアやガラス等の透光性材料から成る窓部材で塞がれており、外側端部から光ファイバの一端が挿通固定される。また、光ファイバは、その先端部に金属製フランジが設けられており、その金属製フランジをYAGレーザ溶接法等で光ファイバ固定部材8の外側端部に溶接することにより枠体2に固定される。これにより、光ファイバを介して内部に収容する光半導体素子5と外部との光信号の授受が可能となる。
【0040】
また、リード端子4の枠体2外側の部位は、外部電気回路との高周波信号の入出力を行う機能を有し、外部装置にそのままロウ付等で接合される。リード端子4の枠体2内側の部位には、光半導体素子5と電気的に接続するためのボンディングワイヤが接合される。
【0041】
そして、基体1の載置部1aに光半導体素子5が接着固定され、光半導体素子5の電極をボンディングワイヤを介してリード端子4に接続する。次に、枠体2の上面に蓋体を接合し、基体1と枠体2と入出力端子3と蓋体とから成る容器内部に、光半導体素子5を気密に収容する。最後に、枠体2の光ファイバ固定部材8に光ファイバの一端を挿通させるとともに、これを半田等の接着剤やレーザ溶接によって接合し、光ファイバを枠体2に固定することによって、最終製品としての光半導体装置となる。そして、光ファイバを介して内部に収容する光半導体素素子5と外部との光信号の授受が可能となる。
【0042】
かくして、本発明は、入出力端子の平板部はその一主面と端面との間の稜部が全周にわたって平面的に面取りされており、かつ一主面の面取り部以外の部位にメタライズ層が形成されていることにより、枠体と入出力端子の平板部との間に隙間が生じるのを抑えることができ、枠体と入出力端子を強固に接合することができる。その結果、半導体素子の気密性を良好なものとすることができる。また、リード端子が傾かないため、リード端子先端部は光半導体素子の電極に対して、常に接続されるべき所定位置にあることになる。そのため、それらを電気的に接続するボンディングワイヤの長さを極端に長くしなければならない部位を発生させることがなくなる。従って、ボンディングワイヤの長さをいずれの部位においても常に一定とでき、インピーダンスが常に一定となる。そのため、光半導体素子と入出力端子との間で高周波信号の伝送特性が常に良好となる。
【0043】
本発明の光半導体装置は、本発明の光半導体パッケージと、載置部に載置固定されるとともに入出力端子に電気的に接続された光半導体素子と、枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことにより、本発明の光半導体パッケージを用いた信頼性の高い光半導体装置を提供できる。
【0044】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、枠体に形成された複数の貫通孔よりも小さい開口形状の複数の貫通穴が貫通孔と同じ配置で両主面間を貫通するように形成されたセラミックスから成る平板部および複数の貫通穴にそれぞれ挿着された複数のリード端子から成り、複数の貫通孔に複数のリード端子がそれぞれ挿入されるとともに平板部の一主面が枠体側部の外面にロウ付された入出力端子を具備し、平板部はその一主面と端面との間の稜部が全周にわたって平面的に面取りされており、かつ一主面の面取り部以外の部位にメタライズ層が形成されていることにより、ロウ材が平板部の端の面取り部にはみ出してくることがなくなり、平板部の端にロウ材の流れ出しによる隙間が形成されない。従って、枠体と入出力端子とを隙間をなくして強固に接合することができる。その結果、光半導体素子の気密性を良好なものとすることができる。また、入出力端子のリード端子が傾くことが抑えられるため、リード端子先端部は光半導体素子の電極に対して常に接続されるべき所定位置にあることになる。そのため、それらを電気的に接続するボンディングワイヤの長さを極端に長くしなければならない部位を発生させることがなくなる。従って、ボンディングワイヤの長さをいずれの部位においても常に所定の長さとでき、インピーダンスが常に一定となる。従って、光半導体素子と入出力端子との間での高周波信号の伝送特性が常に良好となる。
【0046】
本発明は、好ましくは面取り部は平板部の一主面から連続する傾斜面となっている第一平面と平板部の端面に略垂直な第二平面とから成っていることにより、平板部の強度が向上し、平板部をプレス成形法で成形する際に欠けの発生を防止することができる。
【0047】
本発明は、好ましくは枠体は鉄−ニッケル−コバルト合金から成り、平板部は酸化アルミニウム質焼結体から成ることにより、枠体と平板部の熱膨張係数が近似し、これらを接合する際に熱膨張係数差により発生する応力をより小さくして確実にクラックや割れの発生を防止できる。
【0048】
本発明の光半導体装置は、本発明の光半導体パッケージと、載置部に載置固定されるとともに入出力端子に電気的に接続された光半導体素子と、枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことにより、上記本発明の光半導体パッケージを用いた信頼性の高い光半導体装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体パッケージについて実施の形態の例を示す平面図である。
【図2】図1の半導体パッケージの入出力端子であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA方向からみた側面図、(c)は(b)のC面部の拡大図である。
【図3】従来の半導体パッケージの平面図である。
【図4】図3の半導体パッケージの入出力端子であり、(a)は正面図、(b)は(a)のB方向からみた側面図である。
【図5】本発明の半導体パッケージにおける入出力端子の平板部の側面図である。
【図6】従来の半導体パッケージにおける入出力端子の平板部の側面図である。
【図7】本発明の半導体パッケージにおける入出力端子の平板部の側面図である。
【符号の説明】
1:基体
1a:載置部
2:枠体
3:入出力端子
4:リード端子
5:光半導体素子
6:貫通穴
7:C面部
Claims (4)
- 上側主面に光半導体素子が載置される載置部を有する略四角形の基体と、前記上側主面に前記載置部を囲繞するように取着され、側部に複数の貫通孔が形成された平面視形状が略四角形の金属製の枠体と、前記貫通孔よりも小さい開口形状の複数の貫通穴が前記貫通孔と同じ配置で両主面間を貫通するように形成されたセラミックスから成る平板部および前記複数の貫通穴にそれぞれ挿着された複数のリード端子から成り、前記複数の貫通孔に前記複数のリード端子がそれぞれ挿入されるとともに前記平板部の一主面が前記側部の外面にロウ付された入出力端子とを具備した光半導体素子収納用パッケージにおいて、前記平板部は、前記一主面と端面との間の稜部が全周にわたって平面的に面取りされており、かつ前記一主面の面取り部以外の部位にメタライズ層が形成されていることを特徴とする光半導体素子収納用パッケージ。
- 前記面取り部は、前記平板部の一主面から連続する傾斜面となっている第一平面と、前記平板部の端面に略垂直な第二平面とから成っていることを特徴とする請求項1記載の光半導体素子収納用パッケージ。
- 前記枠体は鉄−ニッケル−コバルト合金から成り、前記平板部は酸化アルミニウム質焼結体から成ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光半導体素子収納用パッケージ。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の光半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置固定されるとともに前記入出力端子に電気的に接続された光半導体素子と、前記枠体の上面に接合された蓋体とを具備したことを特徴とする光半導体装置。
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---|---|---|---|
JP2001258372A JP3696817B2 (ja) | 2001-08-28 | 2001-08-28 | 光半導体素子収納用パッケージおよび光半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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