JP3810310B2 - ガスハイドレートの荷役方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガスハイドレートから成るペレット状のガスハイドレートペレットを荷役するガスハイドレートの荷役方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガスハイドレートは、水の分子の作るカゴの中にガスの分子が一つずつ収まっている結晶構造を持っており、例えば、メタンに関しては、圧力3MPa、温度0℃でメタン8分子と水46分子とによってメタンハイドレートを生成し、その容積は、標準状態のメタンガスの1/170に減少すると言われている。
【0003】
このように、ガスハイドレートは、高いガス包蔵性を有しているので、天然ガスハイドレートに関しては、LNG(液化天然ガス)に代わる天然ガスの新しい輸送形態、或いは、貯蔵形態として注目されている。
【0004】
また、高いガス包蔵性を有するガスハイドレートの利用方法として、二酸化炭素の海洋貯留法が考えられる。二酸化炭素に関しては、温度0℃、圧力1.2MPaという比較的低い圧力でハイドレートを形成するため、深海中の高圧環境を利用して二酸化炭素ハイドレートを貯留することで温暖化ガスの低減が期待される。
【0005】
ところで、船舶、車両、或いはコンテナなどの各種の輸送手段を用いてガスハイドレートを輸送する方法として、かき氷、或いは雪のような粉体であるガスハイドレートをペレット化、或いは、スラリー化して輸送することが提案されている。
【0006】
しかし、ガスハイドレートをペレット状に形成したガスハイドレートペレット、或いは、ガスハイドレートをスラリー状にしたガスハイドレートスラリーを荷役する場合には、次のような問題がある。
【0007】
すなわち、ガスハイドレートペレットは、貯蔵時の充填効率、つまり、貯蔵効率が高くなる利点があるが、その反面、荷役時のハンドリング性が必ずしも良くない。また、ガスハイドレートペレットを荷役する時には、水平搬送および垂直搬送が混在することが避けられないため、輸送装置が複雑、かつ、大型化する。更に、ガスハイドレートペレットは、気相中を輸送されるため、輸送時の保冷効果が低下する。
【0008】
一方、ガスハイドレートスラリーを荷役する場合には、通常のスラリー輸送の場合と同様に、ポンプおよび配管を用いて輸送できるため、ガスハイドレートペレットを荷役する場合に比べて輸送が容易である。また、熱容量の大きい液体冷媒(母液)を、予め、冷却しておくことにより、輸送時におけるガスハイドレートの温度上昇を抑制することができる。
【0009】
しかしながら、スラリーのままでは、ペレットに比べて充填効率、つまり、貯蔵効率が低く、貯槽の大型化が避けられない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、このような問題を解消するためになされたものであり、貯留時、或いは輸送時における充填効率(貯蔵効率)の向上を計る一方、荷役時におけるハンドリング性の向上を計るガスハイドレートの荷役方法及び装置を提供することを主な目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明は、次のように構成されている。
【0012】
(1) ガスハイドレートから成るペレット状のガスハイドレートペレットを荷役するに際し、該ガスハイドレートペレットとスラリー母液とを混合させてスラリー状にし、該スラリーを固液分離装置に移送し、しかる後に、該固液分離装置により前記ガスハイドレートペレットを、前記スラリー母液から分離して第2の貯槽に貯留することを特徴とするガスハイドレートの荷役方法。
【0013】
(2) 前記ガスハイドレートペレットと前記スラリー母液とを、ガスハイドレートペレットを貯留している第1の貯槽から前記固液分離装置に至る管内で混合させる(1)記載のガスハイドレートの荷役方法。
【0014】
(3) 前記ガスハイドレートペレットと前記スラリー母液とを、ガスハイドレートペレットを貯留している第1の貯槽から前記固液分離装置に至る経路中に配した混合タンク内で混合させる(1)記載のガスハイドレートの荷役方法。
【0015】
(4) 前記ガスハイドレートペレットと前記スラリー母液とを、前記ガスハイドレートペレットを貯留している第1の貯槽内で混合させる(1)記載のガスハイドレートの荷役方法。
【0016】
(5) 前記第1の貯槽を空にした時、該貯槽をガスハイドレートペレットの貯留に備えて前記スラリー母液により事前に冷却する(2)、(3)又は(4)記載のガスハイドレートの荷役方法。
【0017】
(6) 前記第1の貯槽が陸上のタンク又は船舶の船倉である(2)、(3)、(4)又は(5)記載のガスハイドレートの荷役方法。
【0018】
(7) 前記第2の貯槽が船舶の船倉又は陸上のタンクである(1)記載のガスハイドレートの荷役方法。
【0019】
(8) ガスハイドレートから成るペレット状のガスハイドレートペレットを荷役する荷役装置において、前記ガスハイドレートペレットを貯留する第1の貯槽と、該第1の貯槽から取り出したガスハイドレートペレットとスラリー母液とを混合してスラリー状にするスラリー製造装置と、該スラリー製造装置で製造されたスラリーを移送するスラリー移送手段と、該スラリー移送手段によって移送されたスラリーをスラリー母液とガスハイドレートペレットとに分離する固液分離装置と、該固液分離装置で分離されたガスハイドレートペレットを貯留する第2の貯槽とから成るガスハイドレートの荷役装置。
【0020】
(9) 前記ガスハイドレートペレットと前記スラリー母液とを、ガスハイドレートペレットを貯留している第1の貯槽から前記固液分離装置に至る管内で混合させる(8)記載のガスハイドレートの荷役装置。
【0021】
(10) 前記ガスハイドレートペレットと前記スラリー母液とを、ガスハイドレートペレットを貯留している第1の貯槽から前記固液分離装置に至る経路中に配した混合タンク内で混合させる(8)記載のガスハイドレートの荷役装置。
【0022】
(11) 前記ガスハイドレートペレットと前記スラリー母液とを、前記ガスハイドレートペレットを貯留している第1の貯槽内で混合させる(8)記載のガスハイドレートの荷役装置。
【0023】
(12) 前記第1の貯槽が陸上のタンク又は船舶の船倉である(9)、(10)又は(11)記載のガスハイドレートの荷役装置。
【0024】
(13) 前記第2の貯槽が船舶の船倉又は陸上のタンクである(8)記載のガスハイドレートの荷役装置。
【0025】
ここで、ガスハイドレートを構成するガスとしては、例えば、アルゴン、クリプトン、窒素、酸素、メタン、キセノン、硫化水素、炭酸ガス、エタン、プロパンなどが知られている。
【0026】
また、スラリー母液としては、冷却時、或いは荷役時の温度で液体であれば、貯留時に揮発して気体となる物質でも安全性に問題がなければ適用可能である。
【0027】
例えば、天然ガスハイドレートのスラリー母液としては、沸点がメタンより高く、かつ、常温又は常温以下の温度で液体である炭化水素、換言すれば、マイナス20±10℃〜プラス0±10℃で液体で、かつ、0±10℃以上でガスである炭化水素(例えば、ブタン、イソブタン、ネオペンタン)などの1種又は混合物、或いは天然ガス、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、メタンチオール、エタンチオール、クロロエタン、アミン類など、高度な固液分離装置が不要で、かつ、ペレットに付着あるいは残留しても最終的に燃料としてそのまま利用できるものが好ましい。
【0028】
また、ガスハイドレートペレットの寸法は、配管輸送が可能であり、かつ、スラリー母液から分離し易い大きさ、例えば、5〜50mm程度の粒径を持つものが好ましい。
【0029】
また、ガスハイドレートペレットの形状としては、球形状のものが最も好ましいが、例えば、円筒状、カプセル状など充填効率(貯蔵効率)の高いものであれば、如何なる形状のものでもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明するが、この実施の形態では、ガスハイドレートとして天然ガスハイドレートを用い、液体冷媒(母液)として液体プロパンを用いた場合を例に採る。
(イ)第1の実施形態
図1は、本発明に係るガスハイドレートの荷役方法の実施に適用する荷役装置に概略図であり、荷役装置1には、第1の荷役装置10aおよび第2の荷役装置10bがある。
【0031】
第1の荷役装置10aは、ガスハイドレートペレット(以下、GHペレットという)bを貯留する1次ペレット貯槽(第1の貯槽)11、GHペレットbを過冷却する冷却ライン12およびGHペレットbを荷役する荷役ライン13で構成されている。
【0032】
GHペレットbは、ガスハイドレートをペレット製造装置3によって、例えば、球形状に成形されたものであり、コンベア14に乗って直接接触型の過冷却器15を通過する間に、例えば、マイナス10℃〜マイナス50℃に過冷却された後、1次ペレット貯槽11に貯留される。1次ペレット貯槽11内のGHペレットbは、マイナス10℃〜マイナス50℃に過冷却されているので、ガスハイドレートの自己保存効果により大気圧下における貯蔵が可能である。
【0033】
冷却ライン12は、直接接触型の過冷却器15、第1循環ポンプ16、第1冷媒貯槽17、第2循環ポンプ18、第1熱交換器19、第1バルブ20および第1循環配管21により構成され、第1熱交換器19によって、例えば、マイナス50℃に冷却されたスラリー母液dは、直接接触型の過冷却器15に設けたノズル22からコンベア14に乗って移送中のGHペレットbに向けて噴射され、GHペレットbをマイナス10℃〜マイナス50℃に過冷却する。この時、第1バルブ20は「開」、第2バルブ23は「閉」になっている。なお、符号24は、過冷却器本体を示している。
【0034】
一方、荷役ライン13は、第1冷媒貯槽17、第2循環ポンプ18、第1熱交換器19、第2バルブ23、第1固液分離装置25および第2循環配管26により構成されており、第1冷媒貯槽17に貯留されたスラリー母液dは、第1熱交換器19を通過する間に、例えば、マイナス50℃に冷却される。
【0035】
次に、1次ペレット貯槽(第1の貯槽)11内のGHペレットbを船舶31の船倉(第2の貯槽)29に荷役する場合について説明する。
【0036】
図2に示すように、第1、第2バルブ20及び23を切り換え、第1バルブ20を「閉」、第2バルブ23を「開」とした後、第2循環ポンプ18を始動し、第2循環配管26に第1冷媒貯槽17内のスラリー母液dを循環させる。その際、スラリー母液dは、第1熱交換器19によって、例えば、マイナス50℃に冷却される。
【0037】
しかる後に、1次ペレット貯槽11のバルブ27を開いて1次ペレット貯槽11内のGHペレットbを第2循環配管26に送出すると、GHペレットbは、第2循環配管26内を循環しているマイナス50℃のスラリー母液dと混合してスラリー状になるとともに、マイナス50℃のスラリー母液dによってマイナス10℃〜マイナス50℃に過冷却されながら第1固液分離装置25に輸送される。上記バルブ27の開度は、所定のスラリー濃度になるように調整される。
【0038】
第1固液分離装置25に輸送されたGHペレットbは、スラリー母液dから分離され、第1固液分離装置25に設けられているダクト28を通って船舶31の船倉(第2の貯槽)29内に積み込まれる。船倉29(第2の貯槽)内のGHペレットbは、マイナス10℃〜マイナス50℃に過冷却されているので、ガスハイドレートの自己保存効果により大気圧下における貯蔵が可能である。
【0039】
一方、第1固液分離装置25で分離されたスラリー母液dは、第1冷媒貯槽17に戻される。GHペレットbとスラリー母液dの分離には、例えば、金網30などが用いられる。符号50は、スラリー母液補充ラインを示している。
【0040】
図1に示すように、船倉29を備えた船舶31は、船倉29内を所定温度に冷却する冷却設備32、および第2の荷役装置10bにおける循環配管41の一部を備えている。
【0041】
第2の荷役装置10bは、第2冷媒貯槽42、第3循環ポンプ43、第2熱交換器44、第2固液分離装置45及び第3循環配管41により構成されており、第2冷媒貯槽42に貯留されたスラリー母液dは、第2熱交換器44を通過する間に、例えば、マイナス50℃に冷却される。
【0042】
次に、船倉29内のGHペレットbを陸上の貯槽48に荷役する場合について説明する。この場合には、船倉29を第1の貯槽と見做し、陸上の貯槽48を第2の貯槽と見做すものとする。
【0043】
図3に示すように、陸側の第3循環配管41aと、船舶側の第3循環配管41bとを接続させた後、第3循環ポンプ43を駆動すると、第2冷媒貯槽42内のスラリー母液dが第3循環配管41内を循環する。その際、スラリー母液dは、第2熱交換器44によって、例えば、マイナス50℃に冷却される。
【0044】
しかる後に、船倉(第1の貯槽)29のバルブ46を開けて船倉29内のGHペレットbを第3循環配管41に送出すると、GHペレットbは、第3循環配管41内を循環しているマイナス50℃のスラリー母液dと混合してスラリー状になるとともに、マイナス50℃のスラリー母液dによってマイナス10℃〜マイナス50℃に過冷却されながら第2固液分離装置45に輸送される。上記バルブ46の開度は、所定のスラリー濃度になるように調整される。
【0045】
第2固液分離装置45に輸送されたGHペレットbは、スラリー母液dから分離され、ダクト47を通って陸上の貯槽(第2の貯槽)48に荷揚げされる。陸上の貯槽(第2の貯槽)48内のGHペレットbは、マイナス10℃〜マイナス50℃に過冷却されているので、ガスハイドレートの自己保存効果により大気圧下における貯蔵が可能である。
【0046】
一方、第2固液分離装置45で分離されたスラリー母液dは、第2冷媒貯槽42に戻される。また、GHペレットbとスラリー母液dとの分離には、例えば、金網49などが用いられる。符号51は、スラリー母液補充ラインを示している。
【0047】
以上の説明では、一次ペレット貯槽11から第1固液分離装置25に至る配管26、あるいは船倉31から第1固液分離装置45に至る配管41内でGHペレットbとスラリー母液dとを混合させる場合について説明したが、一次ペレット貯槽11、あるいは船倉31内でGHペレットbとスラリー母液dとを混合させても差し支えない。
(ロ)第2の実施形態
図4は、GHペレットbの荷役に際して、GHペレットbとスラリー母液dとをスラリータンクで混合させる方式を採用した荷役装置の概略図である。
【0048】
図4に示すように、荷役装置10cは、第1の貯槽としての貯蔵タンク61を有し、その中に、例えば、球形状に成形されたGHペレットbが貯蔵されている。陸上に設置されている貯蔵タンク(第1の貯槽)61および後で説明する船舶の船倉(第2の貯槽)63のような大型タンクは、圧力容器にすると経済的でないため、内圧がほぼ大気圧に保持されている。また、GHペレットbの分解を抑制するため、荷役プラント全体は、低温、例えば、マイナス15℃に保持されている。
【0049】
貯蔵タンク61に貯蔵されているGHペレットbは、貯蔵タンク61の下部に設けられている定量供給バルブ64、ベルトコンベヤ65を経てスラリータンク66に供給される。
【0050】
一方、冷媒タンク67に貯蔵されているスラリー母液dは、ポンプ69によってスラリータンク66に供給される。スラリータンク66に供給されたGHペレットbとスラリー母液dとは、スラリータンク66に備えられた攪拌機71によって攪拌され、スラリー状になる。スラリー母液dは、チラー70により、常時、マイナス15℃に冷却されている。
【0051】
スラリータンク66内のスラリーは、ポンプ72によって汲みあげられ、配管81を通って固液分離器73に輸送される。固液分離器73は、スラリーを形成しているGHペレットbとスラリー母液dとを分離し、GHペレットbは、船舶の船倉(第2の貯槽)63に貯蔵され、スラリー母液dは、ポンプ68によって冷媒タンク67に戻され、再使用される。
【0052】
船舶の船倉63に貯蔵されたGHペレットbには、固液分離器73の性能、およびペレットの粒径にも因るが、数パーセントのスラリー母液dが付着している。GHペレットbに付着したスラリー母液dが滴下する場合は、船倉63の下部に、タンク74及びポンプ75により構成された回収装置78を設置し、回収したスラリー母液dを冷媒タンク67に戻して再使用する。
【0053】
船舶の船倉63に貯蔵されたGHペレットbは、最終的に、ガス化プラント76に荷揚げされて加温されてガス化された後、気液分離装置77により、例えば、天然ガスと水に分離され、天然ガスは、燃料などに利用される。
【0054】
なお、図4中、82は、固液分離器73で分離されたスラリー母液dをタンク67に戻す配管、83は、回収装置のポンプ75と配管82とを連通させる配管であり、配管83の途中には、貯蔵タンク61と船舶の船倉63とを接続及び分離する継手84が設けられている。
【0055】
この実施形態では、符号61が陸上の貯蔵タンク、符号63が船舶の船倉の場合について説明したが、これに限らず、例えば、符号61を船舶の船倉、符号63を陸上の貯蔵タンクと見做すこともできる。
【0056】
上記のように、この発明は、貯蔵時、或いは船舶などの輸送手段による輸送時には、ガスハイドレートをペレットのまま貯留するので、充填効率(貯蔵効率)の向上を計ることが可能となる。
【0057】
また、荷役時には、GHペレットbとスラリー母液dとを混合してスラリー状にして配管輸送するので、ペレットの状態で搬送する場合に比べてハンドリング性が向上する。
【0058】
従って、第1,第2の貯槽間の輸送設備は、ポンプと配管とが主な設備となるシンプルな構造のため、簡略化、小型化が可能となる。また、諸設備の配置の自由度が高いため、船舶、車両、コンテナなどに設置する場合でも空間を有効に利用することができる。また、スラリー母液によっては固液分離装置も簡易なもので十分である。
【0059】
【発明の効果】
上記のように、本発明によれば、次のような優れた効果が得られる。
【0060】
(イ) パイプライン輸送となるので、GHペレットの輸送が容易になる。
【0061】
(ロ) GHペレット輸送装置は、密閉式の構造にする必要があるが、パイプラインであるので、必然的に密閉構造となる。
【0062】
(ハ) 特に、船舶などにおいて、ベルトコンベヤ方式などの輸送方法では、装置の占める空間が大きくなるので、結果的に船舶が大型となるが、パイプラインとなるので、船舶を小型化できる。
【0063】
(ニ) 特に、船舶などにおいて、陸上施設と船舶の相対位置が、それらを結ぶ接続継手が簡単で、かつ、小型になる。
【0064】
(ホ) スラリー分離装置(固液分離装置)で分離されたGHペレットには、必ずスラリー母液が付着するが、例えば、付着したスラリー母液が常圧・常温で気体であり、しかも、炭化水素である場合には、燃料として供することができるので、スラリー分離装置を振動篩などの簡単な装置とすることができる。
【0065】
(へ) タンクが空になった場合などにおいて、GHペレットを、再度、貯蔵する場合、タンクは、貯蔵温度(例えば、マイナス15℃)にするべきであるが、これらのタンクなどにスラリー母液を循環させることによって効率的に冷却が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスハイドレートの荷役方法を実施する荷役装置の概略図である。
【図2】積荷方法の説明図である。
【図3】荷揚げ方法の説明図である。
【図4】本発明に係るガスハイドレートの荷役方法を実施する他の荷役装置の概略図である。
【符号の説明】
11,31,61 第1の貯槽
25,45,73 固液分離装置
31,48,63 第2の貯槽
b ガスハイドレートペレット
d スラリー母液
Claims (13)
- ガスハイドレートから成るペレット状のガスハイドレートペレットを荷役するに際し、該ガスハイドレートペレットとスラリー母液とを混合させてスラリー状にし、該スラリーを固液分離装置に移送し、しかる後に、該固液分離装置により前記ガスハイドレートペレットを、前記スラリー母液から分離して第2の貯槽に貯留することを特徴とするガスハイドレートの荷役方法。
- 前記ガスハイドレートペレットと前記スラリー母液とを、ガスハイドレートペレットを貯留している第1の貯槽から前記固液分離装置に至る管内で混合させる請求項1記載のガスハイドレートの荷役方法。
- 前記ガスハイドレートペレットと前記スラリー母液とを、ガスハイドレートペレットを貯留している第1の貯槽から前記固液分離装置に至る経路中に配した混合タンク内で混合させる請求項1記載のガスハイドレートの荷役方法。
- 前記ガスハイドレートペレットと前記スラリー母液とを、前記ガスハイドレートペレットを貯留している第1の貯槽内で混合させる請求項1記載のガスハイドレートの荷役方法。
- 前記第1の貯槽を空にした時、該貯槽をガスハイドレートペレットの貯留に備えて前記スラリー母液により事前に冷却する請求項2、3又は4記載のガスハイドレートの荷役方法。
- 前記第1の貯槽が陸上のタンク又は船舶の船倉である請求項2、3、4又は5記載のガスハイドレートの荷役方法。
- 前記第2の貯槽が船舶の船倉又は陸上のタンクである請求項1記載のガスハイドレートの荷役方法。
- ガスハイドレートから成るペレット状のガスハイドレートペレットを荷役する荷役装置において、前記ガスハイドレートペレットを貯留する第1の貯槽と、該第1の貯槽から取り出したガスハイドレートペレットとスラリー母液とを混合してスラリー状にするスラリー製造装置と、該スラリー製造装置で製造されたスラリーを移送するスラリー移送手段と、該スラリー移送手段によって移送されたスラリーをスラリー母液とガスハイドレートペレットとに分離する固液分離装置と、該固液分離装置で分離されたガスハイドレートペレットを貯留する第2の貯槽とから成るガスハイドレートの荷役装置。
- 前記ガスハイドレートペレットと前記スラリー母液とを、ガスハイドレートペレットを貯留している第1の貯槽から前記固液分離装置に至る管内で混合させる請求項8記載のガスハイドレートの荷役装置。
- 前記ガスハイドレートペレットと前記スラリー母液とを、ガスハイドレートペレットを貯留している第1の貯槽から前記固液分離装置に至る経路中に配した混合タンク内で混合させる請求項8記載のガスハイドレートの荷役装置。
- 前記ガスハイドレートペレットと前記スラリー母液とを、前記ガスハイドレートペレットを貯留している第1の貯槽内で混合させる請求項8記載のガスハイドレートの荷役装置。
- 前記第1の貯槽が陸上のタンク又は船舶の船倉である請求項9、10又は11記載のガスハイドレートの荷役装置。
- 前記第2の貯槽が船舶の船倉又は陸上のタンクである請求項8記載のガスハイドレートの荷役装置。
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