JP3809973B2 - 軽合金用射出成形装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも、先端に射出ノズルを有するシリンダバレルと、このシリンダバレル内で回転方向と軸方向とに駆動されるようになっているスクリュウとを備え、射出ノズルの水平方向と、上下方向との位置が駆動手段によって調節されるようになっている軽合金用射出成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金等の低融点金属製品あるいは軽金属製品の製造には、周知のように重力鋳造方法、ダイカスト法等と共に、射出成形方法も適用されている。この射出成形方法の実施に供される軽合金用射出成形機、例えばインラインスクリュウ式射出成形機は、文献名を挙げるまでもなく従来周知で、シリンダバレル、このシリンダバレル内で回転および軸方向に駆動されるようになっているスクリュウ、スクリュウを回転および軸方向に駆動する駆動装置等から構成されている。したがって、スクリュウを駆動装置により回転駆動すると共に、ホッパから軽金属射出材料をシリンダバレルに供給すると、スクリュウの回転による摩擦力、剪断力、外部から加える熱等により混練・溶融されながらシリンダバレルの前方に搬送され、所定量の溶融射出金属材料が蓄積される。
次いで、蓄積された溶融射出金属材料を、射出ユニットを軸方向に駆動して、シリンダバレルの先端部に設けられている射出ノズルを金型にタッチせさ、そしてスクリュウを軸方向に駆動して型締めされた金型のスプルーからランナおよびゲートを通してキャビテイに射出し、冷却固化を待って金型を開くと軽金属成形品を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような射出成形機によると、射出成形方法の特徴を生かして品質の優れた軽金属成形品を樹脂成形品と同様にして得ることができる利点がある。しかしながら、問題点もある。すなわち、シリンダバレルの外周部は、一般にバンドヒータと呼ばれる加熱器により加熱され、このときの加熱温度は射出材料が樹脂のときは150〜300°Cと比較的低い温度に加熱されているので問題は少ない。しかしながら、射出材料が軽金属射出材料のときは600°C程度と高いので、シリンダバレルが熱膨張により歪む、あるいは撓むことがある。特に、ホッパ内に貯蔵されている軽金属射出材料は、大気温度になっているので、これが高温に加熱されているシリンダバレルに供給されると、供給される部分の低温部分と、他の部分の高温部分との間の大きな温度分布差により歪、撓み等の変形は倍加される。この変形により、射出ノズルの位置がずれ、射出ノズルのノズル孔とスプルーとが整合しないようになる。このように整合しない状態で射出すると、高温の溶融軽金属材料が射出ノズルのノズル孔から飛び散り、付近の機器、電装品等に被害を与え、また人身事故にもつながる。このように飛び散ると、飛び散った溶融軽金属材料を取り除く作業も必要となり、飛び散る量が多いと、射出量が不足し、軽金属成形品の品質を落とすことにもなる。
【0004】
また、シリンダバレルが歪を起こしている状態で射出ノズルを金型に無理にタッチさせて成形を続行すると、シリンダバレルの歪がスクリュウにも影響が及び、シリンダバレル内で高速で移動するスクリュウの寿命を著しく短くすることにもなる。
本発明は、上記したような従来の欠点あるいは問題点を解消した軽合金用射出成形装置を提供することを目的とし、具体的にはシリンダバレルが熱膨張等により変形あるいは歪んでも、常に射出ノズルが所定位置すなわち金型のスプルーに自動的に芯合わせされる、軽合金用射出成形装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、シリンダバレルの歪検出手段が適用される。そして、シリンダバレルが歪、撓み等の変形を起こすと、この変形量を歪検出手段が検出し、射出ノズルが金型のスプルーに整合するように、射出ノズルの位置が自動的に調節される。すなわち、本発明は上記目的を達成するために、少なくとも、先端に射出ノズルを有するシリンダバレルと、このシリンダバレル内で回転方向と軸方向とに駆動されるようになっているスクリュウとを備え、前記射出ノズルの水平方向と、上下方向との位置が駆動手段によって調節されるようになっている射出成形装置であって、前記駆動手段は、シリンダバレルの先端部あるいは後端部に取り付けられている反射鏡と、この反射鏡にレーザー光線を照射するレーザー発光器と、前記反射鏡と対向して前記シリンダバレルの後端部あるいは先端部に取り付けられているレーザー受光器とからなるシリンダバレルの歪検出手段により検出される信号により、前記射出ノズルの水平方向と上下方向の位置が所定位置になるように制御されるように構成される。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図1により本発明の実施の形態を説明する。図1は本実施の形態に係わる軽合金用射出成形装置の模式的平面図であるが、同図に示されているように、本実施の形態に係わる軽合金用射出成形装置は、射出ベッド上に軸方向に移動自在に設けられている移動架台1、この移動架台1に水平方向と垂直あるいは上下方向とに旋回可能に設けられている旋回架台2、この旋回架台2に取り付けられている射出ユニット4等から構成されている。また、軽合金用射出成形装置は、後述する歪検出装置、制御装置、金型装置等も備えている。
【0007】
移動架台1は、図に示されていない射出ベッドに固定されている油圧ピストン・シリンダユニット10により軸方向に駆動されるようになっている。すなわち、油圧ピストン・シリンダユニット10のシリンダは、射出ベッドに固定され、そしてロッド11の先端部は移動架台1に接続されている。また、シリンダにはピストンの位置を検出する位置検出器12が設けられ、この位置検出器12により検出されるピストンの位置、したがって後述する射出ノズル6の位置は信号ラインaにより制御装置30に入力されるようになっている。
【0008】
旋回架台2は、移動架台1に対して水平方向と上下方向とに旋回あるいは調節されるもので、旋回架台1の、図1において右方の後端部は旋回ピン3により移動架台1に取り付けられている。したがって、旋回架台2は、この旋回ピン3を中心として左右方向に旋回できる。また、旋回ピン3の周りには多少の隙間がある。したがって、旋回架台2の図1において左方の前方端は、上下方向に調節できる。旋回架台2を左右方向に旋回あるいは調節するために、図示の実施の形態では、旋回ピン3よりも左方の位置に調整ナット15が固定されている。そして、この調整ナット15に調整ボルト16が螺合し、調整ボルト16はユニバーサルジョイント17を介して、移動架台1に固定されている第1のモータ21に接続されている。したがって、第1のモータ21が左右方向に回転すると、調整ボルト16も左右方向に回転し、旋回架台2が旋回ピン3を中心として左右方向へ旋回する。これにより、射出ノズル6の左右方向の調節が行われる。なお、第1のモータ21と制御装置30は、信号ラインbにより接続されている。
【0009】
旋回架台2の、図1において左方の前方端部には、この旋回架台2の前方端部を上下方向に駆動するための第2のモータ22が取り付けられている。そして、この第2のモータ22の出力軸に水平方向に延びた1本のウォーム軸23が接続されている。ウォーム軸23には、所定の間隔をおいて2箇所にウォーム24、24が形成され、これらのウォーム24、24は、水平面内で回転するウォームホィール25、25と螺合している。ウォームホィール25、25には、同心的に昇降ネジ26、26が固定されている。これらの昇降ネジ26、26は、旋回架台2に上下方向に貫通して形成されている雌ネジと螺合し、その下端部は移動架台1に接している。したがって、これらの昇降ネジ26、26を左右方向に回転駆動すると、旋回架台2の前方端部が上下方向に駆動調節されることになる。なお、第2のモータ22と制御装置30は、信号ラインcで接続されている。
【0010】
射出ユニット4は、従来周知のように、シリンダバレル5、このシリンダバレル5の前方端に設けられている射出ノズル6、シリンダバレル5内で回転方向と軸方向とに駆動されるようになっているスクリュウ、このスクリュウを回転方向と軸方向とに駆動する駆動装置等から構成されている。そして、射出ノズル6の前方に図示されない固定盤に取り付けられた金型8が設けられ、射出ノズル6のノズル孔7は、この金型8のスプルー9と整合するようになっている。
【0011】
歪検出装置は、シリンダバレル5の前方端に、その反射面がシリンダバレル5の軸に対して45°になるように固定されている反射鏡31と、シリンダバレル5の後端部に固定されて、反射鏡31からのレーザー光線LBを受光するレーザー受光器32と、反射鏡31にレーザー光線LBを45°の角度で照射するレーザー発光器33とから構成されている。レーザー受光器32と制御装置30は信号ラインdにより接続され、この信号ラインdによりレーザー光線LBの位置に関する信号が制御装置30に入力されるようになっている。なお、レーザー発光器33と制御装置30は、ラインeにより接続され、射出ノズル6が金型8に対して所定位置に接近すると、制御装置30からの信号によりレーザー発光器33が発光するようになっている。
【0012】
制御装置30は、射出成形に必要な各種機器を制御すると共に、演算機能も備え、レーザー受光器32で受光されるレーザー光線LBの、基準点からの変化あるいはズレ量に関する信号から、第1、2のモータ21、22の駆動方向と駆動量とを演算する。そして、演算した演算値により第1、2のモータ21、22を制御するようになっている。
【0013】
次に、上記実施の形態の作用について説明する。油圧ピストン・シリンダユニット10に作動油を給排して、移動架台1を軸方向に駆動し、射出ノズル6が金型8にタッチする直前の位置まで近づけ、ノズル孔7が金型8のスプルー9と整合するように旋回架台1を手動的に調節する。これがノズル孔7を金型8のスプルー9に芯合わせするときの基準点となる。また、射出ノズル6が金型8にタッチする直前の位置を位置検出器12により検出し、この位置をレーザー発光器33が発光する位置として、制御装置30に入力し、そして記憶しておく。
【0014】
スクリュウを回転駆動して軽金属射出材料を、従来周知のようにして計量し、そして軸方向に駆動して金型8へ射出する。冷却固化を待って金型8を開いて軽金属成形品を得る。上記のようにして射出成形するとき、射出ノズル6が金型8にタッチする直前の設定位置に達すると、位置検出器12がこれを検知して制御装置30にその信号が入力される。これによりレーザー発光器33が発光する。レーザー光線LBは、反射鏡31に照射され、この反射鏡31で反射されたレーザー光線LBは、レーザー受光器32で受光される。そして信号ラインdにより制御装置30に入力される。制御装置30において、受光したレーザー光線LBの位置と基準点とが比較され、これが一致するように、旋回架台2を駆動する方向と駆動量とが演算される。演算された制御信号は、信号ラインc、bにより第1、2のモータ21、22にそれぞれ印加される。この制御信号により第1、2のモータ21、22は、所定方向に所定量だけ駆動される。これにより旋回架台2、したがってこの旋回架台2に固定されている射出ユニット4の射出ノズル6は、左右上下方向に所定量だけ駆動され、シリンダバレル5が熱膨張等により歪んでも、常にノズル孔6が金型8のスプルー9に芯合わせされる。
【0015】
以上のように、本実施の形態によると、反射鏡31とレーザー受光器32は、シリンダバレル5の両端部に設けられているので、シリンダバレル5の小さな歪量も検出できる効果が得られる。なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な形で実施できる。例えば、図示の反射鏡31の位置にレーザー受光器32を設け、レーザー受光器32の位置に反射鏡31を設けても同様に実施できる。また、反射鏡31の位置に直接レーザー発光器33を設けても同様に実施できることは明らかである。さらには、上記実施の形態では反射鏡31とレーザー受光器32は、シリンダバレル5に取り付けられているが、反射鏡31とレーザー受光器32とレーザー発光器33の少なくとも1個をシリンダバレル5の先端部に取り付け、他を他の固定的な部材に取り付けても実施できることも明らかである。
【0016】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、射出ノズルは水平方向と、上下方向との位置が駆動手段によって調節されるようになって、その駆動手段は、シリンダバレルの先端部あるいは後端部に取り付けられている反射鏡と、この反射鏡にレーザー光線を照射するレーザー発光器と、前記反射鏡と対向して前記シリンダバレルの後端部あるいは先端部に取り付けられているレーザー受光器とからなるシリンダバレルの歪検出手段により検出される信号により、前記射出ノズルの水平方向と上下方向の位置が所定位置になるように制御されるので、シリンダバレルが熱膨張等により変形しても、射出ノズルは常に所定位置すなわち金型のスプルーに芯合わせされる、という本発明に特有な効果が得られる。したがって、本発明によると、シリンダバレルが熱膨張等により変形しても、高温の溶融軽金属材料が射出ノズルのノズル孔から飛び散ることも、またスクリュウの寿命を短くするようなこともない。このとき、本発明によると、シリンダバレルの歪検出手段の反射鏡と、レーザー受光器とがシリンダバレルの両端部にそれぞれ取り付けられているので、シリンダバレルの小さな歪量にも確実に対応できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態に係わる軽合金用射出成形装置の模式的平面図である。
【符号の説明】
1 移動架台
2 旋回架台
3 旋回ピン
4 射出ユニット
5 シリンダバレル
6 射出ノズル
21、22 第1、2のモータ(駆動手段)
30 制御装置
31 反射鏡
32 レーザー受光器
33 レーザー発光器
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも、先端に射出ノズルを有するシリンダバレルと、このシリンダバレル内で回転方向と軸方向とに駆動されるようになっているスクリュウとを備え、射出ノズルの水平方向と、上下方向との位置が駆動手段によって調節されるようになっている軽合金用射出成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム合金、マグネシウム合金、亜鉛合金等の低融点金属製品あるいは軽金属製品の製造には、周知のように重力鋳造方法、ダイカスト法等と共に、射出成形方法も適用されている。この射出成形方法の実施に供される軽合金用射出成形機、例えばインラインスクリュウ式射出成形機は、文献名を挙げるまでもなく従来周知で、シリンダバレル、このシリンダバレル内で回転および軸方向に駆動されるようになっているスクリュウ、スクリュウを回転および軸方向に駆動する駆動装置等から構成されている。したがって、スクリュウを駆動装置により回転駆動すると共に、ホッパから軽金属射出材料をシリンダバレルに供給すると、スクリュウの回転による摩擦力、剪断力、外部から加える熱等により混練・溶融されながらシリンダバレルの前方に搬送され、所定量の溶融射出金属材料が蓄積される。
次いで、蓄積された溶融射出金属材料を、射出ユニットを軸方向に駆動して、シリンダバレルの先端部に設けられている射出ノズルを金型にタッチせさ、そしてスクリュウを軸方向に駆動して型締めされた金型のスプルーからランナおよびゲートを通してキャビテイに射出し、冷却固化を待って金型を開くと軽金属成形品を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような射出成形機によると、射出成形方法の特徴を生かして品質の優れた軽金属成形品を樹脂成形品と同様にして得ることができる利点がある。しかしながら、問題点もある。すなわち、シリンダバレルの外周部は、一般にバンドヒータと呼ばれる加熱器により加熱され、このときの加熱温度は射出材料が樹脂のときは150〜300°Cと比較的低い温度に加熱されているので問題は少ない。しかしながら、射出材料が軽金属射出材料のときは600°C程度と高いので、シリンダバレルが熱膨張により歪む、あるいは撓むことがある。特に、ホッパ内に貯蔵されている軽金属射出材料は、大気温度になっているので、これが高温に加熱されているシリンダバレルに供給されると、供給される部分の低温部分と、他の部分の高温部分との間の大きな温度分布差により歪、撓み等の変形は倍加される。この変形により、射出ノズルの位置がずれ、射出ノズルのノズル孔とスプルーとが整合しないようになる。このように整合しない状態で射出すると、高温の溶融軽金属材料が射出ノズルのノズル孔から飛び散り、付近の機器、電装品等に被害を与え、また人身事故にもつながる。このように飛び散ると、飛び散った溶融軽金属材料を取り除く作業も必要となり、飛び散る量が多いと、射出量が不足し、軽金属成形品の品質を落とすことにもなる。
【0004】
また、シリンダバレルが歪を起こしている状態で射出ノズルを金型に無理にタッチさせて成形を続行すると、シリンダバレルの歪がスクリュウにも影響が及び、シリンダバレル内で高速で移動するスクリュウの寿命を著しく短くすることにもなる。
本発明は、上記したような従来の欠点あるいは問題点を解消した軽合金用射出成形装置を提供することを目的とし、具体的にはシリンダバレルが熱膨張等により変形あるいは歪んでも、常に射出ノズルが所定位置すなわち金型のスプルーに自動的に芯合わせされる、軽合金用射出成形装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、シリンダバレルの歪検出手段が適用される。そして、シリンダバレルが歪、撓み等の変形を起こすと、この変形量を歪検出手段が検出し、射出ノズルが金型のスプルーに整合するように、射出ノズルの位置が自動的に調節される。すなわち、本発明は上記目的を達成するために、少なくとも、先端に射出ノズルを有するシリンダバレルと、このシリンダバレル内で回転方向と軸方向とに駆動されるようになっているスクリュウとを備え、前記射出ノズルの水平方向と、上下方向との位置が駆動手段によって調節されるようになっている射出成形装置であって、前記駆動手段は、シリンダバレルの先端部あるいは後端部に取り付けられている反射鏡と、この反射鏡にレーザー光線を照射するレーザー発光器と、前記反射鏡と対向して前記シリンダバレルの後端部あるいは先端部に取り付けられているレーザー受光器とからなるシリンダバレルの歪検出手段により検出される信号により、前記射出ノズルの水平方向と上下方向の位置が所定位置になるように制御されるように構成される。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図1により本発明の実施の形態を説明する。図1は本実施の形態に係わる軽合金用射出成形装置の模式的平面図であるが、同図に示されているように、本実施の形態に係わる軽合金用射出成形装置は、射出ベッド上に軸方向に移動自在に設けられている移動架台1、この移動架台1に水平方向と垂直あるいは上下方向とに旋回可能に設けられている旋回架台2、この旋回架台2に取り付けられている射出ユニット4等から構成されている。また、軽合金用射出成形装置は、後述する歪検出装置、制御装置、金型装置等も備えている。
【0007】
移動架台1は、図に示されていない射出ベッドに固定されている油圧ピストン・シリンダユニット10により軸方向に駆動されるようになっている。すなわち、油圧ピストン・シリンダユニット10のシリンダは、射出ベッドに固定され、そしてロッド11の先端部は移動架台1に接続されている。また、シリンダにはピストンの位置を検出する位置検出器12が設けられ、この位置検出器12により検出されるピストンの位置、したがって後述する射出ノズル6の位置は信号ラインaにより制御装置30に入力されるようになっている。
【0008】
旋回架台2は、移動架台1に対して水平方向と上下方向とに旋回あるいは調節されるもので、旋回架台1の、図1において右方の後端部は旋回ピン3により移動架台1に取り付けられている。したがって、旋回架台2は、この旋回ピン3を中心として左右方向に旋回できる。また、旋回ピン3の周りには多少の隙間がある。したがって、旋回架台2の図1において左方の前方端は、上下方向に調節できる。旋回架台2を左右方向に旋回あるいは調節するために、図示の実施の形態では、旋回ピン3よりも左方の位置に調整ナット15が固定されている。そして、この調整ナット15に調整ボルト16が螺合し、調整ボルト16はユニバーサルジョイント17を介して、移動架台1に固定されている第1のモータ21に接続されている。したがって、第1のモータ21が左右方向に回転すると、調整ボルト16も左右方向に回転し、旋回架台2が旋回ピン3を中心として左右方向へ旋回する。これにより、射出ノズル6の左右方向の調節が行われる。なお、第1のモータ21と制御装置30は、信号ラインbにより接続されている。
【0009】
旋回架台2の、図1において左方の前方端部には、この旋回架台2の前方端部を上下方向に駆動するための第2のモータ22が取り付けられている。そして、この第2のモータ22の出力軸に水平方向に延びた1本のウォーム軸23が接続されている。ウォーム軸23には、所定の間隔をおいて2箇所にウォーム24、24が形成され、これらのウォーム24、24は、水平面内で回転するウォームホィール25、25と螺合している。ウォームホィール25、25には、同心的に昇降ネジ26、26が固定されている。これらの昇降ネジ26、26は、旋回架台2に上下方向に貫通して形成されている雌ネジと螺合し、その下端部は移動架台1に接している。したがって、これらの昇降ネジ26、26を左右方向に回転駆動すると、旋回架台2の前方端部が上下方向に駆動調節されることになる。なお、第2のモータ22と制御装置30は、信号ラインcで接続されている。
【0010】
射出ユニット4は、従来周知のように、シリンダバレル5、このシリンダバレル5の前方端に設けられている射出ノズル6、シリンダバレル5内で回転方向と軸方向とに駆動されるようになっているスクリュウ、このスクリュウを回転方向と軸方向とに駆動する駆動装置等から構成されている。そして、射出ノズル6の前方に図示されない固定盤に取り付けられた金型8が設けられ、射出ノズル6のノズル孔7は、この金型8のスプルー9と整合するようになっている。
【0011】
歪検出装置は、シリンダバレル5の前方端に、その反射面がシリンダバレル5の軸に対して45°になるように固定されている反射鏡31と、シリンダバレル5の後端部に固定されて、反射鏡31からのレーザー光線LBを受光するレーザー受光器32と、反射鏡31にレーザー光線LBを45°の角度で照射するレーザー発光器33とから構成されている。レーザー受光器32と制御装置30は信号ラインdにより接続され、この信号ラインdによりレーザー光線LBの位置に関する信号が制御装置30に入力されるようになっている。なお、レーザー発光器33と制御装置30は、ラインeにより接続され、射出ノズル6が金型8に対して所定位置に接近すると、制御装置30からの信号によりレーザー発光器33が発光するようになっている。
【0012】
制御装置30は、射出成形に必要な各種機器を制御すると共に、演算機能も備え、レーザー受光器32で受光されるレーザー光線LBの、基準点からの変化あるいはズレ量に関する信号から、第1、2のモータ21、22の駆動方向と駆動量とを演算する。そして、演算した演算値により第1、2のモータ21、22を制御するようになっている。
【0013】
次に、上記実施の形態の作用について説明する。油圧ピストン・シリンダユニット10に作動油を給排して、移動架台1を軸方向に駆動し、射出ノズル6が金型8にタッチする直前の位置まで近づけ、ノズル孔7が金型8のスプルー9と整合するように旋回架台1を手動的に調節する。これがノズル孔7を金型8のスプルー9に芯合わせするときの基準点となる。また、射出ノズル6が金型8にタッチする直前の位置を位置検出器12により検出し、この位置をレーザー発光器33が発光する位置として、制御装置30に入力し、そして記憶しておく。
【0014】
スクリュウを回転駆動して軽金属射出材料を、従来周知のようにして計量し、そして軸方向に駆動して金型8へ射出する。冷却固化を待って金型8を開いて軽金属成形品を得る。上記のようにして射出成形するとき、射出ノズル6が金型8にタッチする直前の設定位置に達すると、位置検出器12がこれを検知して制御装置30にその信号が入力される。これによりレーザー発光器33が発光する。レーザー光線LBは、反射鏡31に照射され、この反射鏡31で反射されたレーザー光線LBは、レーザー受光器32で受光される。そして信号ラインdにより制御装置30に入力される。制御装置30において、受光したレーザー光線LBの位置と基準点とが比較され、これが一致するように、旋回架台2を駆動する方向と駆動量とが演算される。演算された制御信号は、信号ラインc、bにより第1、2のモータ21、22にそれぞれ印加される。この制御信号により第1、2のモータ21、22は、所定方向に所定量だけ駆動される。これにより旋回架台2、したがってこの旋回架台2に固定されている射出ユニット4の射出ノズル6は、左右上下方向に所定量だけ駆動され、シリンダバレル5が熱膨張等により歪んでも、常にノズル孔6が金型8のスプルー9に芯合わせされる。
【0015】
以上のように、本実施の形態によると、反射鏡31とレーザー受光器32は、シリンダバレル5の両端部に設けられているので、シリンダバレル5の小さな歪量も検出できる効果が得られる。なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な形で実施できる。例えば、図示の反射鏡31の位置にレーザー受光器32を設け、レーザー受光器32の位置に反射鏡31を設けても同様に実施できる。また、反射鏡31の位置に直接レーザー発光器33を設けても同様に実施できることは明らかである。さらには、上記実施の形態では反射鏡31とレーザー受光器32は、シリンダバレル5に取り付けられているが、反射鏡31とレーザー受光器32とレーザー発光器33の少なくとも1個をシリンダバレル5の先端部に取り付け、他を他の固定的な部材に取り付けても実施できることも明らかである。
【0016】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、射出ノズルは水平方向と、上下方向との位置が駆動手段によって調節されるようになって、その駆動手段は、シリンダバレルの先端部あるいは後端部に取り付けられている反射鏡と、この反射鏡にレーザー光線を照射するレーザー発光器と、前記反射鏡と対向して前記シリンダバレルの後端部あるいは先端部に取り付けられているレーザー受光器とからなるシリンダバレルの歪検出手段により検出される信号により、前記射出ノズルの水平方向と上下方向の位置が所定位置になるように制御されるので、シリンダバレルが熱膨張等により変形しても、射出ノズルは常に所定位置すなわち金型のスプルーに芯合わせされる、という本発明に特有な効果が得られる。したがって、本発明によると、シリンダバレルが熱膨張等により変形しても、高温の溶融軽金属材料が射出ノズルのノズル孔から飛び散ることも、またスクリュウの寿命を短くするようなこともない。このとき、本発明によると、シリンダバレルの歪検出手段の反射鏡と、レーザー受光器とがシリンダバレルの両端部にそれぞれ取り付けられているので、シリンダバレルの小さな歪量にも確実に対応できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態に係わる軽合金用射出成形装置の模式的平面図である。
【符号の説明】
1 移動架台
2 旋回架台
3 旋回ピン
4 射出ユニット
5 シリンダバレル
6 射出ノズル
21、22 第1、2のモータ(駆動手段)
30 制御装置
31 反射鏡
32 レーザー受光器
33 レーザー発光器
Claims (1)
- 少なくとも、先端に射出ノズル(6)を有するシリンダバレル(5)と、このシリンダバレル(5)内で回転方向と軸方向とに駆動されるようになっているスクリュウとを備え、前記射出ノズル(6)の水平方向と、上下方向との位置が駆動手段(21、22)によって調節されるようになっている射出成形装置であって、
前記駆動手段(21、22)は、シリンダバレル(5)の先端部あるいは後端部に取り付けられている反射鏡(31)と、この反射鏡(31)にレーザー光線(LB)を照射するレーザー発光器(33)と、前記反射鏡(31)と対向して前記シリンダバレル(5)の後端部あるいは先端部に取り付けられているレーザー受光器(32)とからなるシリンダバレル(5)の歪検出手段により検出される信号により、前記射出ノズル(6)の水平方向と上下方向の位置が所定位置になるように制御されることを特徴とする軽合金用射出成形装置。
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