JP3809968B2 - ダイヤフラム弁 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水等の流体の流路に設置して、アーマチュアでダイヤフラム弁のパイロット・オリフィスを開閉することにより、ダイヤフラム弁を連動させて主弁座孔の開閉を行うパイロット方式の電磁式給水弁に於いて、流体の止水時のダイヤフラム弁から異常音を発生させない改善を施したダイヤフラム弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パイロット方式の電磁式給水弁には、流入口と流入管路、流入室、主弁座、流出管路(主弁座孔)、流出口を有する弁本体に、主弁座孔を閉塞するようにダイヤフラム弁を設置し、弁本体にダイヤフラム弁のダイヤフラムの液密パッキン部を押圧するようにガイドケースを押止め、該ガイドケースの内周には該ダイヤフラム弁のパイロット・オリフィスが閉塞されるように、弾性部材(例えば、シリコンゴム)のアーマチュアシートが固定された磁性部材のアーマチュア(別名プランジャー)と、該アーマチュアを押圧しているコイルスプリングを収納し、該ガイドケースの外周には銅線を円筒状のボビンに巻いて端子片に接続したソレノイドを設置して構成されたものが知られていて、ダイヤフラム弁に於いては、例えば、特公昭54−43209号公報、特開昭60−132186号公報、特開平1−210677号公報等で開示されているものがある。
前記公報等で開示されているダイヤフラム弁は、弾性部材(例えば、シリコンゴム)の軟質ダイヤフラム(以下、単にダイヤフラムという。)に設けられた一個の小穴と一個の中穴に、樹脂成形部材(例えば、ポリアセタール樹脂)の硬質ディスク(以下、単にディスクという。)の片面に設けられた一個の小突起と一個の中突起を嵌挿することにより結合していて、該ダイヤフラム弁の外周部には該小突起が飛び出ていて、流入室と背圧室を貫通するサイド・オリフィスを備え、該ダイヤフラム弁の中央部には該中突起が飛び出ていて、背圧室と背圧室流出口を貫通するパイロット・オリフィスを備えているものであった。
【0003】
さて、このようなパイロット方式の電磁式給水弁の給水(流路開通)動作は次のように行われる。
ソレノイドに電流を流すと、該ソレノイドの内側に設置されたガイドケース内の中央部にアーマチュアが吸引されて、ダイヤフラム弁のパイロット・オリフィスを閉塞していたアーマチュアシートが離れる。すると、流入室の流体はダイヤフラム弁のサイド・オリフィスからガイドケース内(背圧室)に流入し、ダイヤフラム弁のパイロット・オリフィス、背圧室流出口を通り、主弁座孔、流出口に流出する。この通路が開通されると、流入室の流体の圧力でダイヤフラム弁が主弁座から浮遊し、流体の大部分は、流入口、主弁座孔、流出口の主流路を通り流出する。
その時、ダイヤフラム弁を構成しているディスク及びダイヤフラムは、互いに密着結合されている所(小突起付近と中突起付近)以外は、該ダイヤフラムの変形により、該ディスクから多少でも離れていて、流体がその隙間に入り込んでいる。
【0004】
次に、パイロット方式の電磁式給水弁の止水(流路閉塞)動作は次のように行われる。
ソレノイドに電流を流すのを止めると、該ソレノイドの内側に設置されたガイドケース内のアーマチュアを押圧しているコイルスプリングの力により、該アーマチュアに固定されているアーマチュアシートがダイヤフラム弁のパイロット・オリフィスを閉塞する。すると、ダイヤフラム弁のサイド・オリフィスからガイドケース内に流入している流体は行き場を無くして、流体圧の上昇により主弁座から浮遊していたダイヤフラム弁を主弁座に押圧するようになる。そして、主弁座孔がダイヤフラム弁で閉塞されて止水される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、パイロット方式の電磁式給水弁に使用される従来のダイヤフラム弁に於いては、ウォーターハンマー音とは別に、流体の止水時のダイヤフラム弁から異常音が発生するという問題点があった。
本発明者が原因究明したところによると、前記流路開通動作時にディスク及びダイヤフラムの隙間に入り込んだ流体が、前記流路閉塞動作時に該隙間から流出しなかった場合、流入室内の流体圧の上昇(ウォーターハンマーの原因となる。)により該ダイヤフラム弁を主弁座から浮遊させようと外力が働くと、強制的に該隙間から流出させられる為に、ダイヤフラムが波打って異常音(例えば、キュッ。)を発生させている。
【0006】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、流体の止水時のダイヤフラム弁から異常音を発生させない改善を施したダイヤフラム弁を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のダイヤフラム弁は、パイロット方式の電磁式給水弁の主弁座孔を開閉するダイヤフラム弁であって、該ダイヤフラム弁はダイヤフラムに設けられた二個の小穴と一個の中穴に、ディスクの片面に設けられた二個の小突起と一個の中突起を嵌挿することにより結合していて、該ダイヤフラム弁の外周部には二個の該小突起が飛び出ていて、少なくても一つの該小突起には流入室と背圧室を貫通するサイド・オリフィスを備え、該ダイヤフラム弁の中央部には一個の該中突起が飛び出ていて、背圧室と背圧室流出口を貫通するパイロット・オリフィスを備えているものに於いて、該ディスクに設けられた小突起と中突起と小突起を一直線で結ぶ仮定X軸を基準にして、中突起を原点Oとして略直交する仮定Y軸上に一個又は複数個、及び/又はその周辺に一個又は複数個のジェット・オリフィスを設けたものである。
又は、前記ディスクに、前記ジェット・オリフィスの代わりに、前記仮定Y軸上に一本又は複数本、及び/又はその周辺に一本又は複数本の凹溝流路を設けたものである。
或いは、前ディスクに、前記ジェット・オリフィスを一個又は複数個、及び/又はその周辺に一個又は複数個と、前記凹溝流路を一本又は複数本、及び/又はその周辺に一本又は複数本を設けたものである。
【0008】
この構造のダイヤフラム弁に於いては、前記流路開通動作時にディスク及びダイヤフラムの隙間に入り込んだ流体は、前記流路閉塞動作時に前記ジェット・オリフィス、又は前記凹溝流路、或いは前記ジェット・オリフィスと前記凹溝流路の両方から緩やかに流出するので、流入室内の流体圧の上昇によりダイヤフラム弁を主弁座から浮遊させようと外力が働いた場合でも、該隙間から流出する流体がほとんど無いので、ダイヤフラムの波打現象が低減して異常音が発生しなくなった。
【0009】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明のダイヤフラム弁20を搭載するパイロット方式の電磁式給水弁10の縦断面図である。
流入口11と、流入管路12と、流入室13と、流出管路14端面(主弁座孔18)に設けられた主弁座15と、流出口16とを有する弁本体17に、主弁座孔18を閉塞するように、流入する流体圧で変位可能なダイヤフラム弁20を設置し、弁本体17にダイヤフラム弁20のダイヤフラム30の液密パッキン部33を押圧するようにガイドケース40を押止め、該ガイドケース40の内周には、該ダイヤフラム弁20のパイロット・オリフィス27を閉塞するようにアーマチュアシート41が固定されたアーマチュア42と、該アーマチュア42を押圧しているコイルスプリング43を収納し、該ガイドケース40の外周には、マグネット・ワイヤーと呼ばれる銅線44を円筒状のボビン45に巻いて端子片46に接続したソレノイド47を設置したものである。
【0010】
図2は本発明のダイヤフラム弁20の断面図であり、図3は本発明のダイヤフラム弁20のダイヤフラム30の斜視図である。
ディスク21には、表面側22の外周位置に二個の小突起23と中心部に背圧室流出口28を有する一個の中突起25、裏面側26の中心部にパイロット・オリフィス(貫通孔)27を設け、少なくても該小突起23の一個にはサイド・オリフィス(貫通孔)24を設け、液密パッキン部33を有するダイヤフラム30には外周位置に二個の小穴31と中心部に一個の中穴32を設け、該ディスク21及び該ダイヤフラム30が互いに密着結合するように、該小突起23を該小穴31に、並びに該中突起25を該中穴32に嵌挿することにより結合させた。
【0011】
図4は、本発明の第1実施例であるダイヤフラム弁20のディスク21の斜視図であり、詳しくは、ジェット・オリフィス(貫通孔)50を一個又は複数個、及び/又はその周辺に一個又は複数個を設けたときの一例を図4の(a),(b),(c),(d)として示したものである。
即ち、ダイヤフラム弁20のディスク21に、サイド・オリフィス24を有する小突起23と中突起25と小突起23を一直線で結ぶ仮定X軸を基準として、中突起25の中心を原点Oとして略直交(90度が望ましいが、70度から110度の位置でもよい。)する仮定Y軸上に一個又は複数個、及び/又はその周辺に一個又は複数個のジェット・オリフィス50を設けたものである。
【0012】
本発明においては、このジェット・オリフィス50の孔径をφ0.8からφ1.2の間で実施した。あまり大きくすると、流体が緩やかに流出するようなダンパー効果が得られにくくなるが、ダンパー効果が得られれば特に孔径にはこだわらない。
又、あまり小さくすると、ジェット・オリフィス50が塵埃で目詰まりする恐れがあるので、ジェット・オリフィス50を数個しか設けない場合の孔径はφ0.6からφ0.7ぐらいが下限であるが、例えば8個とか12個のジェット・オリフィス50を設ければ、前述の孔径か又はそれ以下の孔径でも、塵埃で目詰まりする恐れがあっても効果の信頼性が確保できる可能性もある。
【0013】
図5は、本発明の第2実施例であるダイヤフラム弁20のディスク21の斜視図であり、詳しくは、ジェット・オリフィス50の代わりに、凹溝流路51を一本又は複数本、及び/又はその周辺に一本又は複数本を設けたときの一例を図5の(a),(b),(c),(d)として示したものである。
【0014】
本発明においては、この凹溝流路51の溝幅を0.8mmから1.2mmの間で、溝深さを0.1mmから0.3mmの間で実施したが、前記のダンパー効果が得られれば特に寸法にはこだわらない。
前述のように、溝幅をあまり狭くすると、塵埃で目詰まりする恐れがあるので、多少凹溝流路51の配置本数を増やす必要があると予想される。
【0015】
図6は、本発明の第3実施例であるダイヤフラム弁20のディスク21の斜視図であり、詳しくは、ジェット・オリフィス50を一個又は複数個、及び/又はその周辺に一個又は複数個と、凹溝流路51を一本又は複数本、及び/又はその周辺に一本又は複数本を配置したときの一例を図6の(a),(b),(c),(d)として示したものである。
【0016】
使用するパイロット方式の電磁式給水弁の形状や構造により、ジェット・オリフィス50と、凹溝流路51を任意に組合わせれば、流体の止水時のダイヤフラム弁から異常音が発生しない効果を奏する。
【0017】
以上、本発明の好適な実施の形態について種々の組合せ等を述べてきたが、本発明は上述する実施の形態に限定されるものでなく、発明の精神を逸脱しない範囲で多くの組合せ、改変等を施し得るのはもちろんである。
【0018】
【発明の効果】
本発明のダイヤフラム弁に於いては、パイロット方式の電磁式給水弁の前記流路開通動作時にディスク及びダイヤフラムの隙間に入り込んだ流体は、パイロット方式の電磁式給水弁の前記流路閉塞動作時に前記ジェット・オリフィス、又は前記凹溝流路、或いは前記ジェット・オリフィスと前記凹溝流路の両方から緩やかに流出するので、流入室内の流体圧の上昇によりダイヤフラム弁を主弁座から浮遊させようと外力が働いた場合でも、該隙間から流出する流体がほとんど無いので、ダイヤフラムの波打現象が低減して異常音が発生しない効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイヤフラム弁を搭載するパイロット方式の電磁式給水弁の断面図である。
【図2】本発明のダイヤフラム弁の断面図である。
【図3】本発明のダイヤフラム弁のダイヤフラムの斜視図である。
【図4】本発明の第1実施例であるダイヤフラム弁のディスクの斜視図である。
【図5】本発明の第2実施例であるダイヤフラム弁のディスクの斜視図である。
【図6】本発明の第3実施例であるダイヤフラム弁のディスクの斜視図である。
【図7】図4(c)のダイヤフラム弁のディスクの斜視図である。
【符号の説明】
10…電磁式給水弁、11…流入口、12…流入管路、13…流入室、14…流出管路、15…主弁座、16…流出口、17…弁本体、18…主弁座孔、20…ダイヤフラム弁、21…ディスク、22…ディスクの表面側、23…小突起、24…サイド・オリフィス、25…中突起、26…ディスクの裏面側、27…パイロット・オリフィス、28…背圧室流出口、30…ダイヤフラム、31…小穴、32…中穴、33…液密パッキン部、40…ガイドケース、41…アーマチュアシート、42…アーマチュア、43…コイルスプリング、44…銅線、45…円筒状のボビン、46…端子片、47…ソレノイド、50…ジェット・オリフィス、51…凹溝流路
【発明の属する技術分野】
本発明は、水等の流体の流路に設置して、アーマチュアでダイヤフラム弁のパイロット・オリフィスを開閉することにより、ダイヤフラム弁を連動させて主弁座孔の開閉を行うパイロット方式の電磁式給水弁に於いて、流体の止水時のダイヤフラム弁から異常音を発生させない改善を施したダイヤフラム弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パイロット方式の電磁式給水弁には、流入口と流入管路、流入室、主弁座、流出管路(主弁座孔)、流出口を有する弁本体に、主弁座孔を閉塞するようにダイヤフラム弁を設置し、弁本体にダイヤフラム弁のダイヤフラムの液密パッキン部を押圧するようにガイドケースを押止め、該ガイドケースの内周には該ダイヤフラム弁のパイロット・オリフィスが閉塞されるように、弾性部材(例えば、シリコンゴム)のアーマチュアシートが固定された磁性部材のアーマチュア(別名プランジャー)と、該アーマチュアを押圧しているコイルスプリングを収納し、該ガイドケースの外周には銅線を円筒状のボビンに巻いて端子片に接続したソレノイドを設置して構成されたものが知られていて、ダイヤフラム弁に於いては、例えば、特公昭54−43209号公報、特開昭60−132186号公報、特開平1−210677号公報等で開示されているものがある。
前記公報等で開示されているダイヤフラム弁は、弾性部材(例えば、シリコンゴム)の軟質ダイヤフラム(以下、単にダイヤフラムという。)に設けられた一個の小穴と一個の中穴に、樹脂成形部材(例えば、ポリアセタール樹脂)の硬質ディスク(以下、単にディスクという。)の片面に設けられた一個の小突起と一個の中突起を嵌挿することにより結合していて、該ダイヤフラム弁の外周部には該小突起が飛び出ていて、流入室と背圧室を貫通するサイド・オリフィスを備え、該ダイヤフラム弁の中央部には該中突起が飛び出ていて、背圧室と背圧室流出口を貫通するパイロット・オリフィスを備えているものであった。
【0003】
さて、このようなパイロット方式の電磁式給水弁の給水(流路開通)動作は次のように行われる。
ソレノイドに電流を流すと、該ソレノイドの内側に設置されたガイドケース内の中央部にアーマチュアが吸引されて、ダイヤフラム弁のパイロット・オリフィスを閉塞していたアーマチュアシートが離れる。すると、流入室の流体はダイヤフラム弁のサイド・オリフィスからガイドケース内(背圧室)に流入し、ダイヤフラム弁のパイロット・オリフィス、背圧室流出口を通り、主弁座孔、流出口に流出する。この通路が開通されると、流入室の流体の圧力でダイヤフラム弁が主弁座から浮遊し、流体の大部分は、流入口、主弁座孔、流出口の主流路を通り流出する。
その時、ダイヤフラム弁を構成しているディスク及びダイヤフラムは、互いに密着結合されている所(小突起付近と中突起付近)以外は、該ダイヤフラムの変形により、該ディスクから多少でも離れていて、流体がその隙間に入り込んでいる。
【0004】
次に、パイロット方式の電磁式給水弁の止水(流路閉塞)動作は次のように行われる。
ソレノイドに電流を流すのを止めると、該ソレノイドの内側に設置されたガイドケース内のアーマチュアを押圧しているコイルスプリングの力により、該アーマチュアに固定されているアーマチュアシートがダイヤフラム弁のパイロット・オリフィスを閉塞する。すると、ダイヤフラム弁のサイド・オリフィスからガイドケース内に流入している流体は行き場を無くして、流体圧の上昇により主弁座から浮遊していたダイヤフラム弁を主弁座に押圧するようになる。そして、主弁座孔がダイヤフラム弁で閉塞されて止水される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、パイロット方式の電磁式給水弁に使用される従来のダイヤフラム弁に於いては、ウォーターハンマー音とは別に、流体の止水時のダイヤフラム弁から異常音が発生するという問題点があった。
本発明者が原因究明したところによると、前記流路開通動作時にディスク及びダイヤフラムの隙間に入り込んだ流体が、前記流路閉塞動作時に該隙間から流出しなかった場合、流入室内の流体圧の上昇(ウォーターハンマーの原因となる。)により該ダイヤフラム弁を主弁座から浮遊させようと外力が働くと、強制的に該隙間から流出させられる為に、ダイヤフラムが波打って異常音(例えば、キュッ。)を発生させている。
【0006】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、流体の止水時のダイヤフラム弁から異常音を発生させない改善を施したダイヤフラム弁を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のダイヤフラム弁は、パイロット方式の電磁式給水弁の主弁座孔を開閉するダイヤフラム弁であって、該ダイヤフラム弁はダイヤフラムに設けられた二個の小穴と一個の中穴に、ディスクの片面に設けられた二個の小突起と一個の中突起を嵌挿することにより結合していて、該ダイヤフラム弁の外周部には二個の該小突起が飛び出ていて、少なくても一つの該小突起には流入室と背圧室を貫通するサイド・オリフィスを備え、該ダイヤフラム弁の中央部には一個の該中突起が飛び出ていて、背圧室と背圧室流出口を貫通するパイロット・オリフィスを備えているものに於いて、該ディスクに設けられた小突起と中突起と小突起を一直線で結ぶ仮定X軸を基準にして、中突起を原点Oとして略直交する仮定Y軸上に一個又は複数個、及び/又はその周辺に一個又は複数個のジェット・オリフィスを設けたものである。
又は、前記ディスクに、前記ジェット・オリフィスの代わりに、前記仮定Y軸上に一本又は複数本、及び/又はその周辺に一本又は複数本の凹溝流路を設けたものである。
或いは、前ディスクに、前記ジェット・オリフィスを一個又は複数個、及び/又はその周辺に一個又は複数個と、前記凹溝流路を一本又は複数本、及び/又はその周辺に一本又は複数本を設けたものである。
【0008】
この構造のダイヤフラム弁に於いては、前記流路開通動作時にディスク及びダイヤフラムの隙間に入り込んだ流体は、前記流路閉塞動作時に前記ジェット・オリフィス、又は前記凹溝流路、或いは前記ジェット・オリフィスと前記凹溝流路の両方から緩やかに流出するので、流入室内の流体圧の上昇によりダイヤフラム弁を主弁座から浮遊させようと外力が働いた場合でも、該隙間から流出する流体がほとんど無いので、ダイヤフラムの波打現象が低減して異常音が発生しなくなった。
【0009】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明のダイヤフラム弁20を搭載するパイロット方式の電磁式給水弁10の縦断面図である。
流入口11と、流入管路12と、流入室13と、流出管路14端面(主弁座孔18)に設けられた主弁座15と、流出口16とを有する弁本体17に、主弁座孔18を閉塞するように、流入する流体圧で変位可能なダイヤフラム弁20を設置し、弁本体17にダイヤフラム弁20のダイヤフラム30の液密パッキン部33を押圧するようにガイドケース40を押止め、該ガイドケース40の内周には、該ダイヤフラム弁20のパイロット・オリフィス27を閉塞するようにアーマチュアシート41が固定されたアーマチュア42と、該アーマチュア42を押圧しているコイルスプリング43を収納し、該ガイドケース40の外周には、マグネット・ワイヤーと呼ばれる銅線44を円筒状のボビン45に巻いて端子片46に接続したソレノイド47を設置したものである。
【0010】
図2は本発明のダイヤフラム弁20の断面図であり、図3は本発明のダイヤフラム弁20のダイヤフラム30の斜視図である。
ディスク21には、表面側22の外周位置に二個の小突起23と中心部に背圧室流出口28を有する一個の中突起25、裏面側26の中心部にパイロット・オリフィス(貫通孔)27を設け、少なくても該小突起23の一個にはサイド・オリフィス(貫通孔)24を設け、液密パッキン部33を有するダイヤフラム30には外周位置に二個の小穴31と中心部に一個の中穴32を設け、該ディスク21及び該ダイヤフラム30が互いに密着結合するように、該小突起23を該小穴31に、並びに該中突起25を該中穴32に嵌挿することにより結合させた。
【0011】
図4は、本発明の第1実施例であるダイヤフラム弁20のディスク21の斜視図であり、詳しくは、ジェット・オリフィス(貫通孔)50を一個又は複数個、及び/又はその周辺に一個又は複数個を設けたときの一例を図4の(a),(b),(c),(d)として示したものである。
即ち、ダイヤフラム弁20のディスク21に、サイド・オリフィス24を有する小突起23と中突起25と小突起23を一直線で結ぶ仮定X軸を基準として、中突起25の中心を原点Oとして略直交(90度が望ましいが、70度から110度の位置でもよい。)する仮定Y軸上に一個又は複数個、及び/又はその周辺に一個又は複数個のジェット・オリフィス50を設けたものである。
【0012】
本発明においては、このジェット・オリフィス50の孔径をφ0.8からφ1.2の間で実施した。あまり大きくすると、流体が緩やかに流出するようなダンパー効果が得られにくくなるが、ダンパー効果が得られれば特に孔径にはこだわらない。
又、あまり小さくすると、ジェット・オリフィス50が塵埃で目詰まりする恐れがあるので、ジェット・オリフィス50を数個しか設けない場合の孔径はφ0.6からφ0.7ぐらいが下限であるが、例えば8個とか12個のジェット・オリフィス50を設ければ、前述の孔径か又はそれ以下の孔径でも、塵埃で目詰まりする恐れがあっても効果の信頼性が確保できる可能性もある。
【0013】
図5は、本発明の第2実施例であるダイヤフラム弁20のディスク21の斜視図であり、詳しくは、ジェット・オリフィス50の代わりに、凹溝流路51を一本又は複数本、及び/又はその周辺に一本又は複数本を設けたときの一例を図5の(a),(b),(c),(d)として示したものである。
【0014】
本発明においては、この凹溝流路51の溝幅を0.8mmから1.2mmの間で、溝深さを0.1mmから0.3mmの間で実施したが、前記のダンパー効果が得られれば特に寸法にはこだわらない。
前述のように、溝幅をあまり狭くすると、塵埃で目詰まりする恐れがあるので、多少凹溝流路51の配置本数を増やす必要があると予想される。
【0015】
図6は、本発明の第3実施例であるダイヤフラム弁20のディスク21の斜視図であり、詳しくは、ジェット・オリフィス50を一個又は複数個、及び/又はその周辺に一個又は複数個と、凹溝流路51を一本又は複数本、及び/又はその周辺に一本又は複数本を配置したときの一例を図6の(a),(b),(c),(d)として示したものである。
【0016】
使用するパイロット方式の電磁式給水弁の形状や構造により、ジェット・オリフィス50と、凹溝流路51を任意に組合わせれば、流体の止水時のダイヤフラム弁から異常音が発生しない効果を奏する。
【0017】
以上、本発明の好適な実施の形態について種々の組合せ等を述べてきたが、本発明は上述する実施の形態に限定されるものでなく、発明の精神を逸脱しない範囲で多くの組合せ、改変等を施し得るのはもちろんである。
【0018】
【発明の効果】
本発明のダイヤフラム弁に於いては、パイロット方式の電磁式給水弁の前記流路開通動作時にディスク及びダイヤフラムの隙間に入り込んだ流体は、パイロット方式の電磁式給水弁の前記流路閉塞動作時に前記ジェット・オリフィス、又は前記凹溝流路、或いは前記ジェット・オリフィスと前記凹溝流路の両方から緩やかに流出するので、流入室内の流体圧の上昇によりダイヤフラム弁を主弁座から浮遊させようと外力が働いた場合でも、該隙間から流出する流体がほとんど無いので、ダイヤフラムの波打現象が低減して異常音が発生しない効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイヤフラム弁を搭載するパイロット方式の電磁式給水弁の断面図である。
【図2】本発明のダイヤフラム弁の断面図である。
【図3】本発明のダイヤフラム弁のダイヤフラムの斜視図である。
【図4】本発明の第1実施例であるダイヤフラム弁のディスクの斜視図である。
【図5】本発明の第2実施例であるダイヤフラム弁のディスクの斜視図である。
【図6】本発明の第3実施例であるダイヤフラム弁のディスクの斜視図である。
【図7】図4(c)のダイヤフラム弁のディスクの斜視図である。
【符号の説明】
10…電磁式給水弁、11…流入口、12…流入管路、13…流入室、14…流出管路、15…主弁座、16…流出口、17…弁本体、18…主弁座孔、20…ダイヤフラム弁、21…ディスク、22…ディスクの表面側、23…小突起、24…サイド・オリフィス、25…中突起、26…ディスクの裏面側、27…パイロット・オリフィス、28…背圧室流出口、30…ダイヤフラム、31…小穴、32…中穴、33…液密パッキン部、40…ガイドケース、41…アーマチュアシート、42…アーマチュア、43…コイルスプリング、44…銅線、45…円筒状のボビン、46…端子片、47…ソレノイド、50…ジェット・オリフィス、51…凹溝流路
Claims (3)
- パイロット方式の電磁式給水弁の主弁座孔を開閉するダイヤフラム弁であって、該ダイヤフラム弁は弾性部材の軟質ダイヤフラムに設けられた二個の小穴と一個の中穴に、樹脂成形部材の硬質ディスクの片面に設けられた二個の小突起と一個の中突起を嵌挿することにより結合していて、該ダイヤフラム弁の外周部には二個の該小突起が飛び出ていて、少なくても一つの該小突起には流入室と背圧室を貫通するサイド・オリフィスを備え、該ダイヤフラム弁の中央部には一個の該中突起が飛び出ていて、背圧室と背圧室流出口を貫通するパイロット・オリフィスを備えているものに於いて、該ディスクに設けられた小突起と中突起と小突起を一直線で結ぶ仮定X軸を基準にして、中突起を原点Oとして略直交する仮定Y軸上に一個又は複数個、及び/又はその周辺に一個又は複数個のジェット・オリフィスを設けたことを特徴とするダイヤフラム弁。
- 前記ディスクに、請求項1記載のジェット・オリフィスの代わりに、前記仮定Y軸上に一本又は複数本、及び/又はその周辺に一本又は複数本の凹溝流路を設けたことを特徴とするダイヤフラム弁。
- 前記ディスクに、請求項1記載のジェット・オリフィスを一個又は複数個、及び/又はその周辺に一個又は複数個と、請求項2記載の凹溝流路を一本又は複数本、及び/又はその周辺に一本又は複数本を設けたことを特徴とするダイヤフラム弁。
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