JP3809753B2 - 機械装置の解体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、解体装置、特に、ケーシング及びケーシング内に配置される内部部品を有する機械装置を解体するために、内部部品の端部に対応する切断位置でケーシングを切断する解体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷蔵庫やエアコンなどの機械装置の廃棄処理においては、まず、冷凍機本体から圧縮機が取り出されている。そして、取り出された圧縮機は、冷媒や冷凍機油が抜き取られた後、その内部構造如何に関係なく、冷凍破砕やシュレッダー破砕という手段を使って全体が一体として破砕処理されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような破砕処理では、高品位な有価物の回収を行うことが難しくなる。一旦破砕処理を行ってしまうと、鉄、銅、アルミなどの材料の分別回収の純度を上げようとしたときに工程が増加したり手作業が増えたりして、回収コストが高くなってしまうからである。
【0004】
もちろん、機械装置のケーシングをガスバーナや旋盤などの切断手段で切断し、鉄、銅、アルミなどから成る内部部品を人手により解体分離することが考えられる。しかし、ケーシングの内部の構造に対応した適切な切断位置は各機械装置によって異なり、解体分離に必要な工数及びコストは大変な大きなものとなる。
そこで、本願出願人は、特願平11−55441号において、機械装置の内部構造を放射線による1次元信号の変化として検出することによって切断位置を決定する発明を提案している。これによれば、適切にケーシングの切断位置を決定することができるようになり、切断手段を自動制御して機械装置を解体することが可能となる。
【0005】
一方、設備コストを抑えて処理時間を短くしなければ、リサイクルの普及は難しい。したがって、機械装置の内部構造を放射線による1次元信号の変化として検出する方法を採用する場合においても、設備費を抑え、切断位置を検出する時間を短くすることが求められる。また、時間短縮とともに、切断位置の精度の高さも要求される。さらに、強い放射線を使うと遮へい壁等の設備が必要であり、設備が複雑化し、コストも増大する。また、人体への影響も懸念される。このため、弱い放射線を使うことが望ましいが、そのような弱い放射線を使った場合にも切断位置の検出精度と検出タクト(時間)が要求される。
【0006】
本発明の課題は、機械装置の内部部品の端部に対応する位置でケーシングを切断するために機械装置に対する放射線の透過度の変化により切断位置を決定する解体装置であって、コストを抑える等のために微弱な放射線を使用した場合にも検出精度、検出時間を確保することのできる解体装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項に係る解体装置は、ケーシング及びケーシング内に配置される内部部品を有する機械装置を解体するために、内部部品の両端に対応する切断位置でケーシングを切断する解体装置である。この解体装置は、ケーシングを切断する切断手段と、放射線放射検出手段と、移動手段と、制御手段とを備えている。放射線放射検出手段は、放射線を放つ線源と、線源による放射線を検出する検出部とを有している。移動手段は、機械装置が線源と検出部との間を通るように、機械装置と放射線放射検出手段とを相対移動させる。制御手段は、検出部の検出結果から得られる機械装置の各部の放射線透過強度を基にして切断位置を決定し、ケーシングを切断手段に切断させる。また、制御手段は、切断位置を決定するのに、二値化法を用いる。二値化法とは、しきい値に対する放射線透過強度の大小により機械装置の各部を高透過領域と低透過領域とに分け、低透過領域に内部部品があると判断する方法である。機械装置の内部部品は、ケーシング内に配置されるモータの固定子である。そして、しきい値は、機械装置の外形寸法から推定される内部部品の両端間の長さに低透過領域の長さが一致又は近似するように決定される。
【0008】
本請求項の解体装置では、線源から検出部へと放たれている放射線を横切るように機械装置を移動(あるいは相対的に移動)させ、そのときの放射線の遮へい度合い(放射線透過強度)の変化を検出部の検出結果から得て、切断位置を決定してケーシングを切断させている。
そして、ここでは、切断位置の決定において二値化法を用いるとともに、二値化法に必要なしきい値を、低透過領域の長さが内部部品の両端間の長さに一致又は近似するように決めている。
【0009】
放射線透過強度は、内部部品がない領域から内部部品のある領域に入り更に内部部品がない領域に出るときに、高透過度から低透過度になり更に高透過度になる軌跡を描く。このため、内部部品の両端を検出するためには、しきい値を用いて検出点がペアで取得できる二値化法を用いることが望ましい。また、放射線透過強度の絶対レベルが変化しても軌跡の形状の変化は少ないため、最大最小の比率を用いてしきい値を定義すれば、安定した二値化が可能である。
【0010】
そして、このときのしきい値を決めることが重要なポイントとなるが、ここでは、低透過領域の長さが内部部品の両端間の長さに一致又は近似するようにしきい値を決めている。このため単に絶対値あるいは最大最小の差に対する所定比率を使ってしきい値を決定する場合に較べて、内部部品の両端のそれぞれの検出精度が向上する。
さらに、ここでは、ケーシング内に配置されるモータの固定子の長さが機械装置の外形寸法(例えば、径寸法)から推定可能であることを利用して、これと低透過領域との長さが一致又は近似するようにしきい値を決定している。
【0011】
請求項に係る解体装置は、ケーシング及びケーシング内に配置される内部部品を有する機械装置を解体するために、内部部品の端部に対応する切断位置でケーシングを切断する解体装置である。この解体装置は、ケーシングを切断する切断手段と、放射線放射検出手段と、移動手段と、制御手段とを備えている。放射線放射検出手段は、放射線を放つ線源と、線源による放射線を検出する検出部とを有している。移動手段は、機械装置が線源と検出部との間を通るように、機械装置と放射線放射検出手段とを相対移動させる。制御手段は、検出部の検出結果から得られる機械装置の各部の放射線透過強度を基にして切断位置を決定し、ケーシングを切断手段に切断させる。また、制御手段は、切断位置の決定において、変化点抽出法を用いる。変化点抽出法とは、内部部品の有無により放射線透過強度が変化する部分の変化率を直線近似し、その近似直線と放射線透過強度の最小値レベル(あるいは放射線透過強度の最大値レベル)との交点を内部部品の端部と判断する方法である。放射線透過強度の最小値レベルは、内部部品が有るときの放射線透過強度である。また、放射線透過強度の最大値レベルは、内部部品が無いときの放射線透過強度である。
【0012】
本請求項の解体装置では、線源から検出部へと放たれている放射線を横切るように機械装置を移動(あるいは相対的に移動)させ、そのときの放射線の遮へい度合い(放射線透過強度)の変化を検出部の検出結果から得て、切断位置を決定してケーシングを切断させている。
そして、ここでは、切断位置の決定において、変化点抽出法という方法を編み出した。すなわち、放射線透過強度が変化する部分の変化率を直線近似し、その近似直線と放射線透過強度の最小値レベル(あるいは最大値レベル)との交点を内部部品の端部と判断して切断位置を決定している。通常であれば微分法を用いることが考えられるが、微分法では、揺らぎと真の変化との区別がつき難いという問題がある。また、二値化法では、しきい値の微妙な設定によって誤差が生じるという問題がある。そこで、本請求項の発明では、揺らぎの影響を受けにくい変化点抽出法を編み出し、検出精度を確保できるようにした。
【0013】
なお、放射線透過強度の最小値レベルと近似直線との交点を内部部品の端部と判断するか放射線透過強度の最大値レベルと近似直線との交点を内部部品の端部と判断するかについては、機械装置と放射線放射検出手段との相対移動が内部部品のある領域から内部部品のない領域への移動に相当するか内部部品のない領域から内部部品のある領域への移動に相当するかによって、適切な切断位置が求まるように決めればよい。
【0014】
請求項に係る解体装置は、請求項に記載の解体装置であって、制御手段は、変化点抽出法において、放射線透過強度が最小値レベルから最大値レベルまで変化する変化域を見いだし、変化域のうち最大値レベルに近い部分及び最小値レベルに近い部分を排除した上で変化率を直線近似する。
ここでは、揺らぎによる悪影響をより抑制するために、変化域のうち最大値レベルに近い部分及び最小値レベルに近い部分を排除して、残りの変化域のデータを使って変化率を直線近似する方法を採っている。
【0015】
請求項に係る解体装置は、ケーシング及びケーシング内に配置される内部部品を有する機械装置を解体するために、内部部品の両端に対応する切断位置でケーシングを切断する解体装置である。この解体装置は、ケーシングを切断する切断手段と、放射線放射検出手段と、移動手段と、制御手段とを備えている。放射線放射検出手段は、放射線を放つ線源と、線源による放射線を検出する検出部とを有している。移動手段は、機械装置が線源と検出部との間を通るように、機械装置と放射線放射検出手段とを相対移動させる。制御手段は、検出部の検出結果から得られる機械装置の各部の放射線透過強度を基にして切断位置を決定し、ケーシングを切断手段に切断させる。また、制御手段は、まず粗サーチを行い、次に精サーチを行う。粗サーチでは、機械装置と放射線放射検出手段とを相対移動させながら機械装置の各部の放射線透過強度を検出させて、切断位置のおよその位置が決定される。精サーチでは、粗サーチで決定された切断位置のおよその位置の近傍範囲において、機械装置と放射線放射検出手段とを粗サーチのときよりも低速に相対移動させながら放射線透過強度を検出させて、切断位置の詳細な位置を決定する。
【0016】
本請求項の解体装置では、線源から検出部へと放たれている放射線を横切るように機械装置を移動(あるいは相対的に移動)させ、そのときの放射線の遮へい度合い(放射線透過強度)の変化を検出部の検出結果から得て、切断位置を決定してケーシングを切断させている。
そして、ここでは、切断位置の決定において、まず粗サーチを行い、次に精サーチを行っている。最初から機械装置の全ての部分に精サーチを行うことも考えられるが、精密なサーチの必要性から走査速度を上げることができないため、検出時間が長くなってしまう。一方、粗サーチだけでは切断位置の検出精度を確保できない。そこで、粗サーチにより切断位置のおよその位置を決定し、その位置の近傍範囲に対して精サーチを行って最終的な切断位置を決める方法を採ることにした。これにより、検出精度を確保しつつ、検出時間を短縮することができるようになる。
【0017】
請求項に係る解体装置は、請求項に記載の解体装置であって、粗サーチは二値化法を用いて行われ、精サーチは変化点抽出法を用いて行われる。二値化法とは、しきい値に対する放射線透過強度の大小により機械装置の各部を高透過領域と低透過領域とに分け、低透過領域に内部部品があると判断する方法である。このときのしきい値は、低透過領域の長さが機械装置の所定外形寸法から推定される内部部品の両端間の長さに一致又は近似するように決定される。変化点抽出法とは、内部部品の有無により放射線透過強度が変化する部分の変化率を直線近似し、その近似直線と放射線透過強度の最小値レベル(あるいは放射線透過強度の最大値レベル)との交点を内部部品の端部と判断する方法である。放射線透過強度の最小値レベルとは内部部品が有るときの放射線透過強度であり、放射線透過強度の最大値レベルとは内部部品が無いときの放射線透過強度である。
【0018】
請求項に係る解体装置は、請求項に記載の解体装置であって、精サーチが複数回繰り返される。
精サーチを複数回繰り返すことによって、検出精度をより高めることができる。なお、粗サーチによりサーチ範囲が絞られているため、精サーチを複数回繰り返しても検出時間の増加は最小限に抑えられる。
なお、複数回の精サーチの平均値により検出位置を決めてもよいし、精サーチの結果を次の精サーチに反映させるようにして複数回のうち最後の精サーチの結果により検出位置を決めてもよい。
【0019】
請求項に係る解体装置は、請求項に記載の解体装置であって、2回目以降の精サーチでは、前の精サーチの結果に基づき、機械装置と放射線放射検出手段とを相対移動させる範囲が短くされる。
精サーチの複数化によって生じる検出時間の増加を抑えるために、ここでは、2回目以降の精サーチのサーチ範囲を1回目の精サーチの結果に基づいて短くしている。これにより、各精サーチを全て粗サーチ結果を基にして行わせる場合に較べて、かなり検出時間を削減することができる。
【0020】
請求項に係る解体装置は、請求項に記載の解体装置であって、最初の精サーチでは、機械装置と放射線放射検出手段とを、2回目以降の精サーチに較べて高速で相対移動させる。
1回目の精サーチは2回目以降の精サーチよりもサーチ範囲が長いため、検出時間短縮の観点から、ここでは最初の精サーチのサーチ速度を2回目以降の精サーチよりも速くしている。
【0021】
請求項に係る解体装置は、請求項からのいずれかに記載の解体装置であって、切断位置の詳細な位置の決定は、複数回の精サーチの結果を平均することによって行われる。
【0022】
サーチを複数回繰り返し平均をとれば精度が向上することは周知であると思われるが、解体装置の開発にあたってテストを重ねた結果、変化点抽出法を用いた精サーチを繰り返して各結果を平均化すると精度向上が確認された。さらに、複数回のうち特異な結果について除外するようにすれば、平均化による精度の向上度合いがより高まるようになる。
【0023】
請求項10に係る解体装置は、請求項からのいずれかに記載の解体装置であって、制御手段は、粗サーチ及び精サーチによって内部部品の一端に対応する第1切断位置を決めた後に、機械装置の所定外形寸法から推定される内部部品の両端間の長さ及び第1切断位置を基にして内部部品の他端に対応する第2切断位置を仮定し、その仮定した第2切断位置の近傍範囲に対して精サーチを行うことで第2切断位置を決定する。
【0024】
ここでは、機械装置の所定外形寸法から内部部品の両端間の長さを推定することができる場合に、それを第2切断位置の精サーチのサーチ範囲の決定に利用する。粗サーチでは内部部品の両端のおよその位置が決められるが、精サーチによって内部部品の一端に対応する第1切断位置が決められた後には、粗サーチにより決められた内部部品の他端に対応する仮の第2切断位置よりも第1切断位置と内部部品の推定長さとから決められる仮の第2切断位置のほうが理想の切断位置に近いことがある。このような場合に、本請求項の解体装置のように精サーチのための第2切断位置を仮定するようにすれば、粗サーチのばらつきで不必要に検出時間が延びることを解消することが可能となる。
【0025】
請求項11に係る解体装置は、ケーシング及びケーシング内に配置される内部部品を有する機械装置を解体するために、内部部品の端部に対応する切断位置でケーシングを切断する解体装置である。この解体装置は、ケーシングを切断する切断手段と、放射線放射検出手段と、移動手段と、制御手段とを備えている。放射線放射検出手段は、放射線を放つ線源と、線源による放射線を検出する検出部とを有している。移動手段は、機械装置が線源と検出部との間を通るように、機械装置と放射線放射検出手段とを相対移動させる。制御手段は、検出部の検出結果から得られる機械装置の各部の放射線透過強度を基にして切断位置を決定し、ケーシングを切断手段に切断させる。また、制御手段は、機械装置と放射線放射検出手段とを相対移動させながら機械装置各部の放射線透過強度を検出させて切断位置を決定するサーチを行わせている。このサーチでは、機械装置と放射線放射検出手段とを相対移動させるのに並行させて、検出部から得られる機械装置の各部の放射線透過強度のデータが解析される。そして、その解析結果から切断位置の決定に必要な機械装置の各部の放射線透過強度のデータが取得されると、機械装置と放射線放射検出手段との相対移動及び放射線透過強度の検出が中断される。
【0026】
本請求項の解体装置では、線源から検出部へと放たれている放射線を横切るように機械装置を移動(あるいは相対的に移動)させ、そのときの放射線の遮へい度合い(放射線透過強度)の変化を検出部の検出結果から得て切断位置を決めるサーチを複数回行わせ、複数回のサーチ後に最終的な切断位置を決定してケーシングを切断させている。
【0027】
そして、ここでは、サーチにおいて、機械装置と放射線放射検出手段とを相対移動させるのに並行させて、検出部から得られる機械装置の各部の放射線透過強度のデータが解析される。そして、その解析結果から切断位置の決定に必要な機械装置の各部の放射線透過強度のデータが取得されると、機械装置と放射線放射検出手段との相対移動及び放射線透過強度の検出が中断される。すなわち、切断位置の決定に必要なデータが取得されてしまえば、その後の走査(機械装置と放射線放射検出手段とを相対移動させながら放射線透過強度のデータを取得すること)は不要であるため、走査を中断させて走査時間を削減している。これにより、検出時間の短縮を図ることができる。
【0028】
請求項12に係る解体装置は、ケーシング及びケーシング内に配置される内部部品を有する機械装置を解体するために、内部部品の端部に対応する切断位置でケーシングを切断する解体装置である。この解体装置は、ケーシングを切断する切断手段と、放射線放射検出手段と、移動手段と、制御手段とを備えている。放射線放射検出手段は、放射線を放つ線源と、線源による放射線を検出する検出部とを有している。移動手段は、機械装置が線源と検出部との間を通るように、機械装置と放射線放射検出手段とを相対移動させる。制御手段は、検出部の検出結果から得られる機械装置の各部の放射線透過強度を基にして切断位置を決定し、ケーシングを切断手段に切断させる。また、制御手段は、少なくとも、第1サーチと第2サーチとを行う。第1サーチとは、機械装置と放射線放射検出手段とを相対移動させながら機械装置の各部の放射線透過強度を検出させて、切断位置が存在する範囲を絞り込む制御である。第2サーチとは、第1サーチによって絞り込まれた切断位置が存在する範囲に対して、機械装置と放射線放射検出手段とを相対移動させながら放射線透過強度を検出させて、切断位置を決定する制御である。そして、制御手段は、第1サーチにおいて機械装置と放射線放射検出手段とを相対移動させるのに並行させて検出部から得られる機械装置の各部の放射線透過強度のデータを解析し、切断位置が存在する範囲の絞り込みに必要な放射線透過強度のデータが取得された後に、機械装置に対する放射線放射検出手段の相対位置を第1サーチの初期相対位置に戻しながら切断位置が存在する範囲の絞り込み演算を行い、その演算後に、演算結果を基にした第2サーチの初期相対位置へと機械装置に対する放射線放射検出手段の相対位置を移すように制御を行う。
【0029】
本請求項の解体装置では、線源から検出部へと放たれている放射線を横切るように機械装置を移動(あるいは相対的に移動)させ、そのときの放射線の遮へい度合い(放射線透過強度)の変化を検出部の検出結果から得て、切断位置を決定してケーシングを切断させている。また、切断位置の決定においては、切断位置が存在する範囲を絞り込む第1サーチと、絞り込まれた切断位置が存在する範囲から切断位置を決定する第2サーチとを行っている。
【0030】
そして、ここでは、第1サーチにおいて切断位置が存在する範囲の絞り込みに必要な放射線透過強度のデータが取得された後に、機械装置に対する放射線放射検出手段の相対位置を第1サーチの初期相対位置に戻しながら切断位置が存在する範囲の絞り込み演算を行い、その演算後に、演算結果を基にした第2サーチの初期相対位置へと機械装置に対する放射線放射検出手段の相対位置を移すように制御を行っている。
【0031】
切断位置が存在する範囲を絞り込む演算処理は、すべてのデータが揃ってからでないと開始できない訳ではない。言い換えれば、走査領域の全てを移動し終わった後でなくても、演算処理を始めることは可能である。このため、ここでは、走査と演算とを並行処理することとした。そして、第1サーチにおいて切断位置が存在する範囲の絞り込みに必要なデータが取得された後に、機械装置に対する放射線放射検出手段の相対位置を第1サーチの初期相対位置に仮移動させ、その仮移動の間に絞り込み演算を行わせ、仮移動後に第2サーチの初期相対位置へと正移動させる制御を行っている。このように仮移動を行わせることにより、第1サーチから第2サーチへと移る時間が短縮され、検出時間も短くなる。
【0032】
請求項13に係る解体装置は、外周側固定子、内周側回転子、及びケーシングを有する機械装置を解体するために、外周側固定子の両端に対応する切断位置でケーシングを切断する解体装置である。機械装置の内周側回転子は、外周側固定子の端部よりも外側に端部が位置している。また、ケーシングは、外周側固定子及び内周側回転子を覆っている。この解体装置は、ケーシングを切断する切断手段と、放射線放射検出手段と、移動手段と、制御手段とを備えている。放射線放射検出手段は、放射線を放つ線源と、線源による放射線を検出する検出部とを有している。また、この放射線放射検出手段は、内周側回転子の外面よりも外周側であり外周側固定子の外面よりも内周側である部分を放射線が透過するように、機械装置に対して位置決めされる。移動手段は、機械装置が線源と検出部との間を通るように、機械装置と放射線放射検出手段とを相対移動させる。制御手段は、検出部の検出結果から得られる機械装置の各部の放射線透過強度を基にして切断位置を決定し、ケーシングを切断手段に切断させる。
【0033】
本請求項の解体装置では、線源から検出部へと放たれている放射線を横切るように機械装置を移動(あるいは相対的に移動)させ、そのときの放射線の遮へい度合い(放射線透過強度)の変化を検出部の検出結果から得て、切断位置を決定してケーシングを切断させている。
そして、ここでは、内周側回転子の外面よりも外周側であり外周側固定子の外面よりも内周側である部分を放射線が透過するように、放射線放射検出手段を機械装置に対して位置決めするようにしている。内周側回転子が外周側固定子の端部より外側に長くなっている場合、内周側回転子がある部分に放射線を透過させると検出される切断位置がばらつき、内周側回転子が存在せず外周側固定子が存在する部分に放射線を透過させると切断位置の検出精度が高くなるというテスト結果を得た。これより、本請求項の解体装置では、内周側回転子の外面よりも外周側であり外周側固定子の外面よりも内周側である部分を放射線が透過するように、放射線放射検出手段を機械装置に対して位置決めした。
【0034】
請求項14に係る解体装置は、請求項13に記載の解体装置であって、位置調整手段をさらに備えている。この位置調整手段は、機械装置の所定寸法に基づき、機械装置と放射線放射検出手段との相対移動の方向に交差する方向に放射線放射検出手段を移動させる。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態に係る解体装置について、その開発過程を含めて以下に説明する。
冷凍機などに用いられているコンプレッサ90から高価な金属である銅線を効率よく解体分離するには、図1(a)のように、モータの固定子92の両端部でコンプレッサ胴体(ケーシング)91を切断し、次に銅線92aの片方を切断して(図1(b)参照)、残されたもう一方から銅線92aをチャック装置99で把持して引き抜く方法が最も効率的である。
【0036】
そこで、固定子92の位置を検知する最適な非破壊検査ができる解体装置が必要となる。しかも、この解体装置による非破壊検査は、所定の検出精度を満足しなければならない。
後工程で容易に銅線92aを引き抜くためには、胴体91の切り残しが少ない方が望ましい。胴体91の切り残しが長くなると、銅線92aの切断が完全になされなかったり、引き抜くためのチャックができなかったりして、固定子92と銅線92aとの分離ができなくなる。
ここでは、非破壊検査による固定子92の位置の検出精度を±3mm以下と決めて、開発を行った。
【0037】
<解体装置の位置検出方式>
図2に、本実施形態の解体装置1を示す。この解体装置1は、モータを内包するコンプレッサ90をワークとし、モータ固定子92の両端部でコンプレッサ胴体(ケーシング)91を切断する装置である。
【0038】
解体装置1では、コンプレッサ90の内部の状態を非破壊検査して固定子92の両端部の位置を検出する方式として、γ(ガンマ)線による1次元の放射線方式を採用している。この1次元の放射線方式とは、コバルト、セシウム等の放射線源と検出器で、位置を変えながら透過線量を測定し、胴体91だけの部分とモータ固定子92の存在する部分との差違を検出する方式である。安全上の法規制を受けない微弱な放射能でも、コンプレッサ90を透過する強度があり、コンプレッサ90内にあるモータ固定子92の検出が可能である。
【0039】
これに対し、2次元の放射線方式を採ることも考えられる。X線の透過強度を二次元の濃淡画像として取込み、画像処理によってモータ固定子92の位置を検出する方式である。X線画像を撮像した結果、モータ固定子92を十分に目視確認できる画像であった。このような画像処理装置を用いれば1秒以内で解析が可能と思われるが、X線はその発生装置自体が高額であり、さらに遮へい壁(遮へい壁内部へのワーク搬送機構)が必要であるので、高額で複雑な設備となってしまう。
【0040】
したがって、本解体装置1では、γ線による1次元の放射線方式を採用している。
なお、γ線(放射線)は電磁波の一種であり、強い透過力を持ち、鉄、鉛等の金属を透過する。放射線は人体に影響を与えるため、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和32年法律第167号)の規定に基づき、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行令が制定されている。この法律では、放射性同位元素と定義する放射能の強度を設定しており、ある強度を超えるものについては、遮へい、届出等を義務付けている。放射能の強度が3.7MBqを超えるものは、放射性同位元素として規制対象となる。本解体装置1では、遮へい、届出等の義務が課されないレベルの微弱な自然放射線であるγ線を使用している。具体的には、放射能強度が3.7MBqのコバルトを用いている。放射線は、強度が不安定であり、走査速度に制限がかかり、また通常のデータ解析方法ではモータ固定子92の両端の位置検出ができない。このため、本解体装置1では、後述するような様々な工夫・発明が盛り込まれている。
【0041】
<解体装置の全体構成>
解体装置1は、主として、コンプレッサ90に内包されるモータの固定子92の両端部の位置を検出する切断位置検出機構2と、検出された切断位置でコンプレッサ胴体91を切断する切断機構3と、これらの機構2,3を制御する制御コンピュータ5とから構成されている。
【0042】
切断位置検出機構2と切断機構3とは、制御系及び搬送系を共用しており、設備コストや占有スペースの低減が図られている。
(切断位置検出機構)
切断位置検出機構2は、主として、放射線を放つ線源21と、線源側コリメータ22と、放射線を検出する検出器(検出部)23と、検出器側コリメータ24と、コンプレッサ90を移動させる駆動チャック11及び従動チャック12とから構成されている。
【0043】
線源21は、γ線を放射するコバルトである。この線源21は、線源側コリメータ22の中に配置される。
線源側コリメータ22は、鉛等の金属から成るもので、γ線の指向性を高める働きを果たす。線源側コリメータ22には、図3に示すような照射孔22aが形成されている。そして、この照射孔22aの奥に線源21が配置される。照射孔22aの形状は、図3(b)に示すように、鉛直方向に長い。言い換えれば、照射孔22aは、Y軸(図2に示す互いに直交するX軸及びZ軸に直交する軸)方向に長い。この照射孔22aの形状に関する開発過程における検討については、「コリメータの孔形状の検討」として後述する。
【0044】
検出器23は、放射線を受けると光電子を放出する検出ヘッド23aと、光電子を増幅する光電子増倍管を含み放射線量をパルス信号に変換する検出プローブ23bと、出力パルス信号を増幅する検出器アンプ23c(図6参照)とから構成されている。この検出器23の出力は、制御盤51内のAD変換ユニット52で数値化された後、制御コンピュータ5内で演算・解析処理される。
【0045】
図4に示すように、検出器23の検出ヘッド23aは、検出器側コリメータ24の中に配置されている。検出器側コリメータ24も、線源側コリメータ22と同様に、鉛等の金属から成り、γ線の指向性を高める働きを果たす。検出器側コリメータ24に設けられている検出孔24aの形状は、図4(a)に示すように、鉛直方向に長い。言い換えれば、検出孔24aは、Y軸方向に長い。この検出孔24aの形状に関する開発過程における検討については、「コリメータの孔形状の検討」として後述する。
【0046】
また、検出器側コリメータ24は、図4に示すように、アクリル製カバー28とOリング29とによって切断時の切削液を防滴する構造となっている。
なお、線源21を内包する線源側コリメータ22及び検出器23と一体化されている検出器側コリメータ24は、図5に示すように、スペーサ15a,16aを介して支持台15,16に固定されている。線源21から検出器23に照射される放射線の通る高さ位置については、「走査高さの検討」として後述する。
【0047】
駆動チャック11及び従動チャック12は、図2に示すようにX軸テーブル10上に載っており、ワークであるコンプレッサ90の前後部を外側から把持した状態で、X軸方向に移動させたり、X軸に沿った回転軸を中心に回転させたりする。これらの駆動チャック11及び従動チャック12をX軸方向に移動させるためのチャック移動用モータ13は、図6に示すように、制御コンピュータ5からの指令により作動する。また、駆動チャック11及び従動チャック12を回転させるチャック回転用モータ14も、図6に示すように、制御コンピュータ5からの指令により作動する。
【0048】
(切断機構)
切断機構3は、切断位置検出機構2と共有する駆動チャック11及び従動チャック12と、カッター31と、カッター31をコンプレッサ90側に移動させるカッター移動用モータ32と、カッター31を回転させるカッター回転用モータ33とを備えている。カッター31は、Z軸テーブル30上に載っており、Z軸方向に移動可能である。
【0049】
切断機構3は、制御コンピュータ5からの指令に従い、チャック移動用モータ13によってコンプレッサ90の検出された切断位置をカッター31がある位置へと移動させ、カッター移動用モータ32によってZ軸方向にカッター31を移動させてカッター31を胴体91に当て、チャック11,12を回転させながらカッター回転用モータ33を作動させて胴体91を切断する。なお、切断時には、図示しない切削液供給装置から切断部分に切削液がかけられる。
【0050】
(制御システム)
図6に、本解体装置1の制御システム構成の概略を示す。制御コンピュータ5は、検出器アンプ23cやAD変換ユニット52などとともに制御盤51の中に配置されており、切断位置検出機構2及び切断機構3の制御を司る。
この制御コンピュータ5は、チャック11,12やカッター31を動かす各モータ13,14,32,33を制御する。また、制御コンピュータ5は、AD変換ユニット52から送られてくるγ線の線量を受け、内蔵するプログラムによってγ線透過強度の波形を解析して、コンプレッサ90内にあるモータ固定子92の位置を検出する。
【0051】
<γ線透過強度データの解析方法>
次に、γ線の測定値を基にして固定子92の両端位置を検出する方法について、開発時の検討事項を含めた形で説明を行う。
(γ線の特性の把握)
放射線は不安定に放出されており、例えば数ms毎のように微小時間間隔で測定を行う場合には、測定値が振れてしまう可能性がある。すなわち、測定値に揺らぎが現れる可能性が高い。そこで、一般に、センサーアンプ内で時定数と呼ばれる平均化処理する時間を設定することで安定した測定を実現しようとしている。
【0052】
しかし、この時定数が長いと応答性が落ちるため、ここでは使用したセンサーアンプの最短設定値である1秒を時定数として用いることにした。こうすることにより、揺らぎの平均的なレベルに着眼することで、強度差が明確に出力されるようになった。
また、ここでは、揺らぎの影響を抑えるために、移動平均によるフィルタリングを行って信号改善を図る方策を採った。
なお、測定値の絶対量に重要な意味はないので、本実施形態の記載においては、AD変換値をγ線強度と考え、γ線強度指数として表現する。
【0053】
(位置検出アルゴリズムの最適化)
コンプレッサ90の構造上、モータ固定子92の位置でγ線強度が最も低下することは明らかであるが、波形データから自動的に固定子92の両端部を認識するためには専用のアルゴリズムが必要となる。
【0054】
コンプレッサ90は、機種によって直径が異なるため、透過強度にも差が生じる。このため、絶対値での判断は、誤認識(誤検出)の可能性がある。また、放射能強度は日々劣化しており、半減期(例えば、コバルト60では5.27年)で強度が半分になってしまう。したがって、信号の絶対値に左右されず、且つ、高速な解析手法が必要となる。
固定子92全体がどのあたりに位置するかを検出には二値化法が最適であるが、固定子92の端の位置がしきい値の設定によって変動するという問題点があるため、本解体装置1の検出アルゴリズムを決めるに際して、変化点抽出法を合わせて検討した。
【0055】
(1)二値化法
信号をしきい値と大小比較して二つの値に分けることを二値化といい、その連続領域の長さを解析する方法を二値化法という。
【0056】
二値化法は、データの中から連続する同じ強度レベルの領域を検出するのに適しているが、信号レベルの差やしきい値をどのように設定するかで、検出精度が影響を受けるという特性がある。
本解体装置1では、図7に示すように、二値化後の0領域C−Dが、γ線強度の低い固定子92に相当し、その両端位置C,Dが固定子92の端の位置となる。
【0057】
しかしながら、放射能強度は日々減衰するものであり、コンプレッサ90の径よっても透過線量が異なるため、信号レベルの変動は避けられない。したがって、しきい値を固定値にしてしまうと、正しく二値化できない可能性が高い。
そこで、本解体装置1においては、図8に示すように、信号の最大値と最小値との差のT%の値をしきい値とする方法を採用することとした。信号の絶対レベルが変化しても、形状の変化は少ないため、大小の比率を用いれば安定した二値化が可能である。
しかし、γ線強度は揺らいでいるので、最大・最小値が変動すると、しきい値の絶対レベルが変化する。これを防ぎ、しきい値が変化しても固定子92の位置を安定して検出するために、次の(a)〜(c)の3つの条件を設定した。
【0058】
(a)強度の上限値を設定
最大値の上限を決め、強度が高い領域での揺らぎによるしきい値の変動を低減した。各種のコンプレッサで波形を観察した結果から、揺らぎを含まない平均的なレベルである値を上限値に決めた。
【0059】
(b)最長の検出領域を固定子92の存在する範囲として選択
しきい値によっては、固定子92以外の場所が二値化領域として検出されるが、コンプレッサ90の構造上、固定子92部が最も長い領域となるので、検出領域の中で最長のものを抽出することとした。
(c)検出領域長さの最小値を設定
固定子92部は連続した二値化領域として検出されるべきであるが、しきい値が低いと揺らぎのために分断され、固定子92の両端を検出できない可能性がある。そこで、検出領域の長さに最小限度を設定し、規定長に達しない場合は異常と判断し、しきい値を自動的に上げてリトライする対策をとった。最小値として、最初は、最も短い固定子長のコンプレッサ90に対応できるように、最小の固定子長さを基準とし、その60%以上と設定した。しかし、後述する「最適しきい値の検討」の結果、最終的には、しきい値20%から開始して、コンプレッサ90の半径の100%を超える長さの領域が出現するまで、しきい値を上げていく方法を採ることとした。
【0060】
(2)粗サーチと精サーチ
本解体装置1では、検出器23が1点のγ線強度だけを測定するものであるため、コンプレッサ90をX軸方向に移動させながら測定を行う。しかし、移動速度を上げていくと、移動速度に応じてコンプレッサ90の位置に対するγ線強度測定波形に遅れが生じ、構造物形状に従った波形にならなくなってしまう。そこで移動速度を変えてγ線強度の応答性をテストした。
【0061】
このテスト結果から、二値化法で目標精度を達成する走査速度は1〜3mm/sであることが判った。しかし、このような低速でコンプレッサ90の全長を走査したのでは、検出時間が長くなってしまう。例えば、300mmのコンプレッサ90を2mm/sの走査速度で走査する場合、150秒もの時間がかかってしまう。そして、検出精度向上のために走査を繰り返す場合には、さらに時間がかかることになる(例えば、3回繰り返せば450秒かかる)。一方、二値化に十分な波形が得られるのは、走査速度20mm/sが限界であった。
【0062】
したがって、目標精度と時間短縮の両方を満足するためには、高速で広い範囲を粗い精度で探す粗サーチと、低速で狭い範囲を正確に探す精サーチとの2段階の位置検出を行う必要があることが判明した。
そこで、粗サーチには二値化法を使用し、精サーチには後述する変化点抽出法を使用することとした。二値化法では、しきい値による検出誤差が大きく、精度の確保が難しいからである。すなわち、検出誤差を最小にするしきい値の特定が困難であるため、精サーチには二値化法を使用しないこととした。
【0063】
(3)精サーチ領域
精サーチで使用する変化点抽出法について説明する前に、精サーチ領域についての説明を行う。
テスト結果における粗サーチでのばらつき3σ(約20mm)と平均値のずれ(約5mm)とを考慮すると、粗サーチの検出位置に対して±25mmの領域を走査すれば、必ず固定子92の端部の信号波形が得られることになる。このため、精サーチについては、走査領域50mm、走査速度3mm/sを基準として開発を進めた。
【0064】
この場合、3mm/sの精サーチだけなら300mmの走査で100秒かかるのに対し、粗サーチ20mm/sによる300mmの走査15秒と精サーチ3mm/sによる100mm(左右2箇所の合計)の走査33秒とを加算しても48秒で済む。すなわち、この段階において、粗サーチと精サーチとを用いる方法では、精サーチだけを用いる方法に較べて検出時間が約半分に短縮されることが予想される。
【0065】
(4)変化点抽出法
図9に示すように、信号波形が固定子92の端部を包含する場合、固定子92の領域から胴体91の領域(内部に固定子92が存在しない領域)に移行する時にγ線強度が増大する。γ線強度の変化は、γ線の断面積の変化と等価と考えられるので、変化部分の近似直線と、固定子92の領域における強度レベルとの交点位置を固定子92の端部の位置として算出する。
【0066】
この方式を、ここでは変化点抽出法と呼ぶことにする。
算出された交点の位置は、図10に示すように、γ線線束がすべて固定子92で遮断される限界の位置となる。γ線の位置は、検出器側コリメータ24の検出孔24aの中心を基準として機械的な位置を決定するため、算出された交点位置から検出孔24a幅の半分だけ固定子92の外側方向に補正する。
【0067】
そして、まず、変化部のn個のデータ(位置X,γ線強度Y)を最小2乗法を用いて、近似直線を求める。次に、固定子92の領域のγ線強度Ypと近似直線との交点位置Xpを算出する。最後に、交点位置Xpに、走査速度の補正値及び検出孔24a幅の補正値を加算する。
この変化点抽出法では、変化部の選定方法が重要である。信号は揺らいでいるので、直線近似する領域が揺らぎ部を含んだ場合、直線近似の精度が落ちてしまう。
【0068】
そこで、以下に示す手順(図11参照)で、交点を求める。
(手順1)40%探索
固定子92の領域から外側に向かって走査し、強度が最大と最小の差の40%まで上昇した地点、つまり、固定子92の領域から固定子92のない領域へ移行する中間の位置を探索する。この位置は、揺らぎの影響を受けない強度でなければならない。強度の高い固定子92のない領域の方が揺らぎが大きいので、揺らぎを除いた強度差の中央値は、最大と最小の差50%よりも低いレベルに位置する。また、固定子92の領域の揺らぎ量よりも十分に大きい値である必要があり、これらの条件を満たす値として、40%を設定した。
【0069】
(手順2)20%探索
手順1で検出した40%の位置から、直前に現れた20%の地点まで逆戻りする。揺らぎの影響で20%を超える強度が出現する場合があるので、最後に現れた20%地点を変化開始点として、揺らぎ部を排除する。
(手順3)80%探索
手順1の40%地点から走査方向に80%地点が現れるまで検索し、変化終了点とする。ただし、80%に到達する以前に強度が低下した場合には、その地点を変化終了点と見なす。
【0070】
(手順4)直線近似
手順2及び手順3で求めた変化部のデータを直線近似する。変化部を20〜80%とすることで、変化の開始部、終了部の揺らぎの影響を受け易い領域を除去して、直線近似の精度を向上している。
(手順5)交点算出
走査領域の最小値を固定子92のレベルと仮定して、交点を計算する。揺らぎの影響により最小値が小さくなった場合には、固定子92内側方向に算出値がずれることになるが、計測誤差として扱うことにする。
【0071】
上記のような手順により求めた交点位置が固定子92の端部の位置であるが、その位置精度を確認した。走査速度3mmで、20回測定し、検出位置と固定子92の実際の端部位置との差について、平均値及びばらつき3σ(標準偏差σの3倍)を求めた。
その結果、平均値は±2mm以内に収まっており固定子92の端部近傍を検出できていると言えるが、ばらつき3σが目標の3mmを超えてしまう結果(4〜5mm)となった。
【0072】
しかし、ばらつきを減らす工夫をすれば、目標精度を満足させることも可能であるとの知見を得た。
(5)高精度化の取組み
上記の結果を踏まえ、位置検出精度を向上するために、以下の2つの対策を行うこととした。
【0073】
(対策1)精サーチを複数回の平均とし、ばらつきを抑える
精サーチを複数回の平均としたときのテスト結果(検出精度)を、表1に示す。
【0074】
【表1】
Figure 0003809753
このテストでは、走査速度を3〜5mm/sに設定し、走査速度の高速化も検討した。ここでは、走査速度によらず、測定回数を増やすとばらつき3σが減少しているが、繰返し回数3回でばらつき3σが3mm以下になったのは、走査速度3mm/sの場合のみであった。検出時間を考慮すると、これ以上走査回数を増やすことは難しく、走査速度を上げることも困難である。
【0075】
したがって、仮の結論として、繰返し回数を3回、走査速度を3mm/sとすることにした。
なお、複数回の平均をとるときに、他のデータと異常に離れたデータが存在する場合には、特異データとして排除するとか、中央値(メディアン)をとるとかの統計的手法を用いれば、さらなるばらつき低減の可能性がある。
【0076】
(対策2)検出位置を補正し、絶対精度を向上させる
精サーチのテスト結果を分析したところ、誤差が偏っていることが判明したので、誤差要因を分析し、補正する手段を検討した。
テスト結果では、大型のコンプレッサ4種類では2mm前後、小型のコンプレッサ6種類では3mm前後と、小型の方が検出位置の誤差が大きくなった。また、小型のコンプレッサの検出位置のずれは、固定子92の内側方向に偏った結果となった。なお、走査は、上述の通り固定子92の内から外へと行っている。
【0077】
このように、ばらつきがコンプレッサの大きさ(径)によって異なったり、誤差が一方向(固定子内側方向)に偏ったりしていることから、誤差の原因はコンプレッサ90の形状にあると考えられる。考察した結果、検出誤差要因として、固定子92の領域におけるレベルを最小値として(揺らぎ量は無視)交点計算を行っている点と、交点位置からγ線幅(検出孔24aの幅)の2分の1を補正している点があると考えられた。
【0078】
まず、固定子92の領域におけるレベルを最小値として交点計算を行っている点であるが、変化点抽出法において近似直線と固定子92の領域でのレベルとの交点を求める際に最小値を固定子92の領域でのレベルと定義すると、揺らぎにより発生した最小値が平均的な固定子レベルより低いほど交点位置が内側に算出される結果となる。そして、小型のコンプレッサでは、固定子92の領域におけるの揺らぎ幅が大きくなるため、誤差につながった可能性が高いと考えられる。
【0079】
次に、交点からのγ線幅補正量(線幅の2分の1)は、放射線の回折現象(波動が障害物の影の部分に回り込んで伝わる現象)を考慮しないで、幾何学的に設定したものである。回折現象は障害物が小さい方が起こりやすいので、小型のコンプレッサの場合は、これが影響した可能性がある。
以上のようなテスト結果及び推察から、本解体装置1では、所定半径以下の小さなコンプレッサに対しては、交点の位置から所定寸法だけ外側の位置を検出位置とすることとした。
【0080】
(6)高速化の取組み
上記(5)に記載した高精度化の対策によって精度の確保には目処が付いたが、精サーチを複数回行うことにしたため、検出時間は140秒に増加してしまった。そこで、精度を落とすことなく、検出時間を短縮する方法を検討した。
そして、表2に示すa〜fの対策を行った結果、検出時間を60秒以下に短縮することができた。粗サーチによる絞り込みをしないで複数回の測定を行う方法に較べると、著しく検出時間を短縮できたことになる。
【0081】
【表2】
Figure 0003809753
以下、各対策について説明する。
(対策a)移動速度・走査距離の変更
複数回の精サーチのうち、2回目以降の精サーチは、前回の精サーチによって±3mm程度の精度で固定子92の端部位置が検出できている。したがって、前検出位置近傍の±10mmの領域を走査すれば、十分に固定子92の端部位置を検出できることがわかる。このような考察から、2回目以降の精サーチ領域を50mmから20mmに変更することで、検出時間を約40秒短縮することができた。
【0082】
(対策b)走査中の演算
演算処理は、すべてのデータが揃ってからでないと開始できない訳ではない。言い換えれば、走査領域の全てを移動し終わった後でなくても、演算処理を始めることは可能である。このため、走査と演算とを並行処理することとした。
制御コンピュータ5は、X軸位置情報とγ線強度指数とを内蔵するデータメモリに格納している途中でも、タイミングを取れば走査と並行してデータを読み出すことが可能である。制御コンピュータ5は、“どこまで書込み完了”という情報をもとに、書込み済のデータを読み出せばよい。
このように、制御コンピュータ5に走査中の演算をさせることによって、すなわちフィルタリングや最大最小値の検出を走査と並行に処理することによって、演算時間を短縮することができた。
【0083】
(対策c)精サーチ走査の途中中断
精サーチの走査領域を1回目が50mm、以降2回目及び3回目が20mmと設定する場合、走査距離の合計は180mm(左右2箇所それぞれ50+20+20)であり、精サーチだけで60秒の走査時間が必要となる。
【0084】
γ線が固定子92の領域を外れ、γ線透過度(γ線強度指数)が十分に上昇した後の測定データは、位置検出の演算には不要である。したがって、走査途中に信号の変化完了を認識して走査を中断すれば、走査時間を削減することが期待できる。
また、変化部の直線近似は、変化領域全てのデータを使用しなくても十分に行うことができる。したがって、あるレベル以上のγ線強度に到達した時点で変化部終了と判断し、走査を中断することとした。具体的には、テストにおけるγ線強度の波形の変化を観察した結果から、γ線強度指数が変化域上限値を超えたとき、あるいは最小値との差が所定値以上となり且つ減少に転じたときに、走査を中断させることにした。
この対策によって、精サーチ走査距離が減少し、約20秒の時間短縮ができるようになった。
【0085】
(対策d)γ線安定待ち時間の短縮
本解体装置1においては、検出器23による放射線の量をカウントするときの時定数が、センサーアンプの最短設定値である1秒に設定されている。この時定数は、γ線の不安定さを吸収するために設定されているものである。このため、γ線強度が変っても、過去1秒間の平均強度が出力される。したがって、実際にカウントされる放射線の量(出力)が変化するまでに、1秒を要する。
【0086】
ところで、走査完了位置(固定子92の領域から外れておりγ線強度が高くなった状態)から次の走査開始位置への移動は1秒以内に完了するので、到着した時点でγ線強度は下がりきっていない。このため、これまでは、時定数1秒の倍の2秒の待ち時間を設定していた。しかし、精サーチを3回も行うようになると、これも検出時間に影響する。
【0087】
そこで、待ち時間をゼロにしたところ、検出ができなくなる現象が現れてしまった。変化点抽出法の原理上、変化領域を特定するために最大最小の強度差40%の地点を探す必要があるが、図12に示すように40%を超えるレベルの高い状態が最初に現れると、変化開始位置(20%地点)を特定できず、解析処理が続行できない。
【0088】
これを改善するために、本解体装置1では、40%地点を探し始める位置を、走査開始位置ではなく、最小値が出現した地点とするように変更することにした。このようにすれば、図12に示すように高いレベルから走査が始まったとしても、固定子92の領域を通るときに1度はγ線強度のレベルが低下するため、最小点が必ず現れる。しかしながら、本来の固定子92の領域のγ線透過レベルまで強度が下がりきらないことも想定されるため、最低限の待ち時間は確保したい。
【0089】
このような考察及びテスト結果から、今までの移動方式(図3(a)に示す方式)を見直して、図13(b)に示す方式に変更することにした。
この方式では、走査完了位置X2に到着後、その始点X1に戻る(仮移動)指令を出し、同時に解析を開始する。始点X1に到着後0.5秒の安定待ち時間を確保する。そして、安定待ちと解析の両方が完了してから、次の走査開始位置X3へ移動(正移動)し、次走査を開始する。
【0090】
仮移動をするのは、解析完了前であるので、次の開始位置X3が確定しておらず、確実に固定子92の領域に位置する場所が走査開始点X1しか存在しないからである。少しでも早く固定子92の領域に移動すれば、それだけ安定待ち時間を長く確保できる。また、正移動は固定子92の領域内での移動であり、この時間も安定待ち時間として考えられる。
【0091】
この結果として、1秒近い安定待ち時間を確保したままで、合計約9秒の時間短縮ができた。
なお、より応答性のよいセンサーを使用する場合には時定数が小さくなって短縮時間は少なくなるが、以上の工程は、測定開始条件をより短時間で共通にする効果があることに変わりない。
【0092】
(対策e)精サーチ空走距離の短縮
低速で走査する精サーチでは空走距離(γ線強度が増加し始めるまでの走査距離)が検出時間に大きく影響するので、粗サーチの検出精度を向上させて空走距離を縮める検討を行った。
低いしきい値で二値化すると固定子92の端部の内側を検出(固定子92の長さを実際よりも短く検出)するので、精サーチにおいて固定子92の端部までの距離が増えることになる。そこで、テスト結果から粗サーチのしきい値を最適化し、検出時間の短縮を図った。
【0093】
(対策f)精サーチの高速化
表3に、精サーチ速度を上げたときの精度試験結果を示す。
【0094】
【表3】
Figure 0003809753
3回の精サーチすべての速度を上げたのでは精度が落ちるので、走査距離の長い1回目を高速(5mm/s)にして走査時間を短縮することにした。
さらに、2回目の速度を4mm/sとしても精度が低下することなく、且つ、約4秒の時間短縮ができることが確認できた。
【0095】
この結果より、3回の精サーチ走査速度を、5mm/s、4mm/s、3mm/sに設定することとした。
(7)精度・検出時間の検証
以上のような高精度・高速化の対策すべてを盛り込んだ方法で、γ線の測定値を基にした固定子92の両端位置の検出精度及び検出時間の最終確認を行った結果を、表4に示す。
【0096】
【表4】
Figure 0003809753
この最終テストでは、コンプレッサ胴体91にのぞき窓をあけ、固定子92の端部を目視できる状態にして、1機種1台で20回繰り返し測定した。そして、ばらつき3σ(標準偏差σの3倍:正規分布とすれば99.7%の信頼性有り)を検出能力として評価した。走査高さは、コンプレッサ90の中心からの距離を示している。
この表4に示すように、すべてのワーク(コンプレッサ)で固定子92の両端位置を±3mm以内の精度で、60秒以内に検出することができた。
【0097】
<各詳細項目の検討について>
(A)コリメータの孔形状の検討
位置検出の分解能は、γ線線束の大きさと指向性に左右されるので、コリメータ22,24の孔22a,24aの形状について検討した。図14に示すように、障害物がγ線を遮るときの検出強度は、全閉状態Aと、全開状態Cと、その中間の状態Bとがある。γ線幅が小さいと、B領域が狭くなり、検出分解能が向上する。ただし、γ線幅が小さ過ぎると、絶対的な線量が不足して計測不能になってしまうので、最適な形状を決定する必要がある。
【0098】
そこで、本解体装置1の開発にあたっては、以下のような考察を行った。検出強度は、検知部に到達するγ線の総量であるので、γ線密度を均一と考えると、γ線が当たる検知部の面積に比例する。したがって、まず、障害物の位置に応じて面積が一様に変化しない円形よりも、一様に変化する方形のほうが孔形状として好ましいと考えた。次に、形状を小さくした方が位置の変化に対する面積の変化量が大きくなるので分解能がよくなるが、絶対線量が少なくなると透過力が弱まり検出能力が低下することから、孔22a,24aの形状を図3及び図4に示すような縦長の長方形にして、同じ幅でも長さの分だけ絶対面積を増やすこととした。
【0099】
上記のようなことから、本解体装置1では、コリメータ22,24の開口部形状(孔22a,24aの形状)を、線源側、検出器側ともに、コンプレッサ90の移動方向(X軸方向)に直交する方向(鉛直方向)に長いスリットのような形状とすることにした。
(B)走査高さの検討
図5に示すように、コンプレッサ90の構造上、走査する高さ位置によって内部構造物(固定子92や回転子93、クランク軸94など)が占める金属量が異なり、γ線の透過量の差となって表れる恐れがある。すなわち、固定子92以外の部品を透過した場合、検出位置に影響がでる可能性がある。
【0100】
そこで、幾つかの代表的なコンプレッサ機種において、走査高さを変えて位置検出を行い、検出精度及び検出時間の双方から、最適な走査高さを決定した。
その結果、いずれのコンプレッサ90においても、中心部よりも外周に近い位置を走査した方が精度も検出時間も良い結果となった。特に、回転子93が固定子92の端部より外側に長くなっているコンプレッサ90の場合、中心部近くを走査した場合には、固定子92の端部を検出したり回転子93の端部を検出したりして、検出位置のばらつきが大きい結果となった。一方、外周に近い位置、すなわち、回転子93が存在せず固定子92が存在する高さを走査した場合には、検出位置が安定した。
【0101】
したがって、本解体装置1では、線源21及び検出器23の高さを、図5に示すように、内周側の回転子93の外面よりも外周側であり外周側の固定子92の外面よりも内周側である部分を放射線(図5の白抜き矢印A参照)が透過するように設定することとした。
但し、径の違うコンプレッサを処理する毎に段取り替えを行ったのでは工数が増えるので、所定範囲の径を持ったコンプレッサに共通の走査高さを設定することとし、段取り替えの回数の低減を図っている(表4参照)。
【0102】
(C)最適しきい値の検討
検出長さが固定子92長さと同等になるしきい値を設定すればよいのだが、事前には固定子92の長さが分からないので、ワークであるコンプレッサ90の半径寸法を利用することとした。一般的なコンプレッサ90では、固定子92の長さはコンプレッサ90の半径に対し−10mm〜+30mm程度であり、この半径寸法を固定子92の長さと考えても問題ないと判断した。
【0103】
そこで、まず、しきい値20%から開始して、コンプレッサ90の半径の100%を超える長さの領域が出現するまで、しきい値を10%ずつ上げていく。しかし、10%のしきい値差で検出領域が極端に長くなる場合(波形の傾きが水平に近くなる場合)には、精サーチ開始位置が固定子92の外側になってしまう可能性があるので、検出領域の長さをコンプレッサ90の半径の120%以下に制限し、超えたときには5%ずつしきい値を下げる対策を加えた。
【0104】
しきい値の変化幅を、さらに細かくすれば精度が向上すると思われるが、解析の回数が増えて時間増となるので、10%きざみとした。
[他の実施形態]
上記実施形態では、走査高さを替えるために段取り替えを行うことにしているが、ワークであるコンプレッサ90の外径をセンサー等により測定し、その測定値を基に、駆動手段によって自動的に切断位置検出機構2の線源21や検出器23の高さ位置を変えるようにしてもよい。なお、自動化に際しては、使い勝手と設備費用とを考慮する必要がある。
【0105】
また、上記実施形態では固定子92の両端位置を検出後に両位置での切断を行うことを前提にしているが、一方を検出後に即座に切断に移り、その切断中に他方の位置検出を行わせることも考えられる。この場合には、20秒程度の時間短縮を見込むことができる。但し、カッター31と切断位置検出機構2との干渉を考慮すると、設備が多少複雑になり、設備費用も上がる。
【0106】
さらに、固定子92の長さがコンプレッサ90の半径から推定できることから、右側の精サーチ開始位置をコンプレッサ90の半径情報から決定する方式(例えば、左側検出位置+半径−10mmと決める方式)を採用することも可能である。この場合には、粗サーチ及び精サーチによって固定子92の一端に対応する第1切断位置を決めた後に、推定の固定子92の長さ及び第1切断位置を基にして固定子92の他端に対応する第2切断位置を仮定し、その仮定した第2切断位置の近傍範囲に対して精サーチを行うことで第2切断位置を決定すればよい。
【0107】
なお、上記実施形態では解体装置1の処理対象としてコンプレッサ90を挙げているが、固定子を内包するモータや、放射線透過強度を低下させる内部部品を内包した他の機械装置を対象とする解体装置にも本発明を適用することが可能である。
【0108】
【発明の効果】
本発明では、放射線の透過度の変化から機械装置内の内部部品の端部を検出するにあたり、検出孔や照射孔の形状の工夫、二値化法及び変化点抽出法の工夫、粗サーチと精サーチとの組合せ、走査の途中中断による時間短縮の工夫、仮移動によるサーチ間の時間短縮の工夫、機械装置に対して放射線を透過させる高さに関する工夫などを凝らすことによって、低コストで高精度・高速の設備が実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る解体装置の解体対象であるコンプレッサの解体工程全体説明図。
【図2】 解体装置の概略平面図。
【図3】 (a)線源及び線源側コリメータの断面図。
(b)線源側コリメータの正面図。
【図4】 (a)検出器側コリメータの正面図。
(b)検出器の一部及び検出器側コリメータの断面図。
【図5】 コンプレッサに対する線源及び検出器の相対位置図。
【図6】 解体装置の制御システムの概略図。
【図7】 二値化法の説明補助図。
【図8】 しきい値の決定方法を表す図。
【図9】 変化点抽出法の説明補助図。
【図10】 変化点抽出法の検出位置を表す図。
【図11】 変化点抽出法の手順を表す図。
【図12】 変化点抽出法の一改善対策を示す図。
【図13】 移動方式の見直しを表す図。
【図14】 放射線幅と分解能とを表す図。
【符号の説明】
1 解体装置
5 制御コンピュータ
13 チャック移動用モータ
21 線源
22a 照射孔
23 検出器
24a 検出孔
31 カッター
90 コンプレッサ
91 ケーシング
92 固定子
93 回転子

Claims (14)

  1. ケーシング(91)及び前記ケーシング(91)内に配置される内部部品(92)を有する機械装置(90)を解体するために、前記内部部品(92)の両端に対応する切断位置で前記ケーシング(91)を切断する解体装置であって、
    前記ケーシング(91)を切断する切断手段(31)と、
    放射線を放つ線源(21)と、前記線源(21)による放射線を検出する検出部(23)とを有する放射線放射検出手段と、
    前記機械装置(90)が前記線源(21)と前記検出部(23)との間を通るように前記機械装置(90)と前記放射線放射検出手段とを相対移動させる移動手段(13)と、
    前記検出部(23)の検出結果から得られる前記機械装置(90)の各部の放射線透過強度を基にして前記切断位置を決定し、前記ケーシング(91)を前記切断手段(31)に切断させる制御手段(5)と、
    を備え、
    前記制御手段(5)は、しきい値に対する前記放射線透過強度の大小により前記機械装置(90)の各部を高透過領域と低透過領域とに分け前記低透過領域に前記内部部品(92)があると判断する二値化法を用い、
    前記機械装置(90)の内部部品(92)は、前記ケーシング(91)内に配置されるモータの固定子(92)であって、
    前記しきい値は、前記機械装置(90)の外形寸法から推定される前記内部部品(92)の両端間の長さに前記低透過領域の長さが一致又は近似するように決定される、
    解体装置。
  2. ケーシング(91)及び前記ケーシング(91)内に配置される内部部品(92)を有する機械装置(90)を解体するために、前記内部部品(92)の端部に対応する切断位置で前記ケーシング(91)を切断する解体装置であって、
    前記ケーシング(91)を切断する切断手段(31)と、
    放射線を放つ線源(21)と、前記線源(21)による放射線を検出する検出部(23)とを有する放射線放射検出手段と、
    前記機械装置(90)が前記線源(21)と前記検出部(23)との間を通るように前記機械装置(90)と前記放射線放射検出手段とを相対移動させる移動手段(13)と、
    前記検出部(23)の検出結果から得られる前記機械装置(90)の各部の放射線透過強度を基にして前記切断位置を決定し、前記ケーシング(91)を前記切断手段(31)に切断させる制御手段(5)と、
    を備え、
    前記制御手段(5)は、前記切断位置の決定において、前記内部部品(92)の有無により前記放射線透過強度が変化する部分の変化率を直線近似し、その近似直線と前記内部部品(92)が有るときの前記放射線透過強度の最小値レベルあるいは前記内部部品(92)が無いときの前記放射線透過強度の最大値レベルとの交点を前記内部部品(92)の端部と判断する変化点抽出法を用いる、
    解体装置。
  3. 前記制御手段(5)は、前記変化点抽出法において、前記放射線透過強度が前記最小値レベルから前記最大値レベルまで変化する変化域を見いだし、前記変化域のうち前記最大値レベルに近い部分及び前記最小値レベルに近い部分を排除した上で変化率を直線近似する、請求項に記載の解体装置。
  4. ケーシング(91)及び前記ケーシング(91)内に配置される内部部品(92)を有する機械装置(90)を解体するために、前記内部部品(92)の両端に対応する切断位置で前記ケーシング(91)を切断する解体装置であって、
    前記ケーシング(91)を切断する切断手段(31)と、
    放射線を放つ線源(21)と、前記線源(21)による放射線を検出する検出部(23)とを有する放射線放射検出手段と、
    前記機械装置(90)が前記線源(21)と前記検出部(23)との間を通るように前記機械装置(90)と前記放射線放射検出手段とを相対移動させる移動手段(13)と、
    前記検出部(23)の検出結果から得られる前記機械装置(90)の各部の放射線透過強度を基にして前記切断位置を決定し、前記ケーシング(91)を前記切断手段(31)に切断させる制御手段(5)と、
    を備え、
    前記制御手段(5)は、まず、前記機械装置(90)と前記放射線放射検出手段とを相対移動させながら前記機械装置(90)の各部の放射線透過強度を検出させて前記切断位置のおよその位置を決定する粗サーチを行い、次に、前記機械装置(90)と前記放射線放射検出手段とを前記およその位置の近傍範囲において前記粗サーチのときよりも低速に相対移動させながら放射線透過強度を検出させて前記切断位置の詳細な位置を決定する精サーチを行う、
    解体装置。
  5. 前記粗サーチは、しきい値に対する前記放射線透過強度の大小により前記機械装置(90)の各部を高透過領域と低透過領域とに分け前記低透過領域に前記内部部品(92)があると判断する二値化法を用いて行われ、
    前記しきい値は、前記低透過領域の長さが前記機械装置(90)の所定外形寸法から推定される前記内部部品(92)の両端間の長さに一致又は近似するように決定され、
    前記精サーチは、前記内部部品(92)の有無により前記放射線透過強度が変化する部分の変化率を直線近似し、その近似直線と前記内部部品(92)が有るときの前記放射線透過強度の最小値レベルあるいは前記内部部品(92)が無いときの前記放射線透過強度の最大値レベルとの交点を前記内部部品(92)の端部と判断する変化点抽出法を用いて行われる、
    請求項に記載の解体装置。
  6. 前記精サーチが複数回繰り返される、請求項に記載の解体装置。
  7. 2回目以降の精サーチでは、前の精サーチの結果に基づき、前記機械装置(90)と前記放射線放射検出手段とを相対移動させる範囲が短くされる、請求項に記載の解体装置。
  8. 最初の精サーチでは、2回目以降の精サーチに較べて高速で前記機械装置(90)と前記放射線放射検出手段とを相対移動させる、請求項に記載の解体装置。
  9. 前記切断位置の詳細な位置の決定は、複数回の精サーチの結果を平均することによって行われる、請求項からのいずれかに記載の解体装置。
  10. 前記制御手段(5)は、前記粗サーチ及び前記精サーチによって前記内部部品(92)の一端に対応する第1切断位置を決めた後に、前記機械装置(90)の所定外形寸法から推定される前記内部部品(92)の両端間の長さ及び前記第1切断位置を基にして前記内部部品(92)の他端に対応する第2切断位置を仮定し、その仮定した前記第2切断位置の近傍範囲に対して前記精サーチを行うことで前記第2切断位置を決定する、請求項からのいずれかに記載の解体装置。
  11. ケーシング(91)及び前記ケーシング(91)内に配置される内部部品(92)を有する機械装置(90)を解体するために、前記内部部品(92)の端部に対応する切断位置で前記ケーシング(91)を切断する解体装置であって、
    前記ケーシング(91)を切断する切断手段(31)と、
    放射線を放つ線源(21)と、前記線源(21)による放射線を検出する検出部(23)とを有する放射線放射検出手段と、
    前記機械装置(90)が前記線源(21)と前記検出部(23)との間を通るように前記機械装置(90)と前記放射線放射検出手段とを相対移動させる移動手段(13)と、
    前記検出部(23)の検出結果から得られる前記機械装置(90)の各部の放射線透過強度を基にして前記切断位置を決定し、前記ケーシング(91)を前記切断手段(31)に切断させる制御手段(5)と、
    を備え、
    前記制御手段(5)は、前記機械装置(90)と前記放射線放射検出手段とを相対移動させながら前記機械装置(90)の各部の放射線透過強度を検出させて前記切断位置を決定するサーチを行わせており、前記サーチにおいて前記機械装置(90)と前記放射線放射検出手段とを相対移動させるのに並行させて前記検出部(23)から得られる前記機械装置(90)の各部の放射線透過強度のデータを解析し、その解析結果から前記切断位置の決定に必要な前記機械装置(90)の各部の放射線透過強度のデータが取得されると、前記機械装置(90)と前記放射線放射検出手段との相対移動及び前記放射線透過強度の検出を中断する、
    解体装置。
  12. ケーシング(91)及び前記ケーシング(91)内に配置される内部部品(92)を有する機械装置(90)を解体するために、前記内部部品(92)の端部に対応する切断位置で前記ケーシング(91)を切断する解体装置であって、
    前記ケーシング(91)を切断する切断手段(31)と、
    放射線を放つ線源(21)と、前記線源(21)による放射線を検出する検出部(23)とを有する放射線放射検出手段と、
    前記機械装置(90)が前記線源(21)と前記検出部(23)との間を通るように前記機械装置(90)と前記放射線放射検出手段とを相対移動させる移動手段(13)と、
    前記検出部(23)の検出結果から得られる前記機械装置(90)の各部の放射線透過強度を基にして前記切断位置を決定し、前記ケーシング(91)を前記切断手段(31)に切断させる制御手段(5)と、
    を備え、
    前記制御手段(5)は、少なくとも、前記機械装置(90)と前記放射線放射検出手段とを相対移動させながら前記機械装置(90)の各部の放射線透過強度を検出させて前記切断位置が存在する範囲を絞り込む第1サーチと、前記第1サーチによって絞り込まれた前記切断位置が存在する範囲に対して前記機械装置(90)と前記放射線放射検出手段とを相対移動させながら放射線透過強度を検出させて前記切断位置を決定する第2サーチとを行い、
    前記制御手段(5)は、前記第1サーチにおいて前記機械装置(90)と前記放射線放射検出手段とを相対移動させるのに並行させて前記検出部(23)から得られる前記機械装置(90)の各部の放射線透過強度のデータを解析し、前記切断位置が存在する範囲の絞り込みに必要な前記放射線透過強度のデータが取得された後に、前記機械装置(90)に対する前記放射線放射検出手段の相対位置を前記第1サーチの初期相対位置に戻しながら前記切断位置が存在する範囲の絞り込み演算を行い、その演算後に演算結果を基にした前記第2サーチの初期相対位置へと前記機械装置(90)に対する前記放射線放射検出手段の相対位置を移す、
    解体装置。
  13. 外周側固定子(92)と、前記外周側固定子(92)の端部よりも外側に端部が位置する内周側回転子(93)と、前記外周側固定子(92)及び前記内周側回転子(93)を覆うケーシング(91)とを有する機械装置(90)を解体するために、前記外周側固定子(92)の両端に対応する切断位置で前記ケーシング(91)を切断する解体装置であって、
    前記ケーシング(91)を切断する切断手段(31)と、
    放射線を放つ線源(21)と、前記線源(21)による放射線を検出する検出部(23)とを有する放射線放射検出手段と、
    前記機械装置(90)が前記線源(21)と前記検出部(23)との間を通るように前記機械装置(90)と前記放射線放射検出手段とを相対移動させる移動手段(13)と、
    前記検出部(23)の検出結果から得られる前記機械装置(90)の各部の放射線透過強度を基にして前記切断位置を決定し、前記ケーシング(91)を前記切断手段(31)に切断させる制御手段(5)と、
    を備え、
    前記放射線放射検出手段は、前記内周側回転子(93)の外面よりも外周側であり前記外周側固定子(92)の外面よりも内周側である部分を放射線が透過するように、前記機械装置(90)に対して位置決めされる、解体装置。
  14. 前記機械装置(90)の所定寸法に基づき、前記機械装置(90)と前記放射線放射検出手段との相対移動の方向に交差する方向に前記放射線放射検出手段を移動させる位置調整手段をさらに備えた、請求項13に記載の解体装置。
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