JPH05223697A - 回転電機のスロットウエッジ緩み点検評価装置 - Google Patents

回転電機のスロットウエッジ緩み点検評価装置

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JPH05223697A
JPH05223697A JP2528092A JP2528092A JPH05223697A JP H05223697 A JPH05223697 A JP H05223697A JP 2528092 A JP2528092 A JP 2528092A JP 2528092 A JP2528092 A JP 2528092A JP H05223697 A JPH05223697 A JP H05223697A
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孝 春田
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孝 柴田
Yasuyoshi Watanabe
靖芳 渡辺
Keiji Suzuki
啓司 鈴木
Yasuaki Kageyama
靖章 景山
Masaru Isaka
優 井坂
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 入力データのばらつきを考慮し、ウエッジ緩
みを客観的に評価できる回転電機のウエッジ緩み点検評
価装置を提供する。 【構成】 打撃手段11で衝撃を与えた際のウエッジの
挙動を示す検出手段12からの電気信号を異なるパラメ
ータの分析手段13,16で分析し,分析した情報を熟
練点検員の判定基準14,17によりファジー推論機構
15,18でそれぞれ評価し、それらの推論結果を総合
評価手段19で合わせて評価する。 【効果】 個人差による入力データのばらつきやスロッ
トと回転軸との位置関係による入力データのばらつきを
補正し、ウエッジ緩みを客観的に評価できる。メンバー
シップ関数の設定時に、従来からの判定基準を盛り込
み、過去の点検結果との比較検討が容易にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転電機のスロットウ
エッジ緩み点検評価装置に係り、特に、ウエッジ打撃手
段を用いた打音判定による点検評価装置の判定手段に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、回転電機を構成する多数の部品
のうち、電気部品は、他の金属性構造部品とは異なり、
電気的絶縁を保ちながら、固く固定する必要がある。電
機子コイルは、鉄心のスロットに挿入され、スロット開
口部付近に設置されたウェッジにより、スロット内に保
持される。ウェッジからコイルに与えられる拘束力が低
下すると、コイル自身が発生する電磁力や機器の振動に
よりコイルが動かされ、鉄心と摺れあう。この摺れあい
により、コイルの絶縁層が摩耗し、最悪の場合は絶縁破
壊を引き起こし、単に機器が停止するのみならず、コイ
ルや鉄心に損傷を与え、その修理に多大の時間と費用を
要することになる。
【0003】図8は、回転電機の一般的なスロット内構
造の一例を示す図である。電機子コイル1および2は、
外表面に絶縁層6を持ち、鉄心3のスロット4に挿入さ
れている。スロット4の開口部付近には、ウエッジ5が
配置されている。スロット4の底と電機子コイル1との
間には、ライナ7aが挿入され、電機子コイル1と2と
の間には、ライナ7bが挿入され、コイル2とウエッジ
5との間には、ライナ7cが挿入されている。ライナ7
cの厚みを調整すると、コイル1および2をスロット内
で適正に拘束できる構造となっている。
【0004】十分な拘束力をもって製作された機器であ
っても、一旦運転されると、スロット4内の各部品の接
触部間のなじみや機器内の温度上昇等により、各部の材
質にはいわゆる枯れという微小な寸法縮小が生ずるの
で、ウエッジ5のコイル1および2に対する拘束力が低
下する。コイル拘束力は、機器の稼働時間に比例して低
下する傾向に有る。コイル拘束力がある限度以下になる
と、コイル1および/または2が自身の電磁力により動
かされてウエッジ5に強く打ち付けられ、ウエッジ5の
摩耗が始まる。ウエッジ5の摩耗が始まると、一段とコ
イル拘束力が低下することになり、コイル1および/ま
たは2は更に大きく動いてウエッジ5の摩耗を促進する
という悪循環が続き、ウエッジ5の摩耗は加速度的に進
行する。
【0005】この現象を未然に防止するため、大型電気
設備においては、ウエッジの緩み点検を定期点検項目の
一つとして実施し、ウエッジにコイル拘束力を維持させ
るように努めている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ウエッジ緩み点検の方
法としては、小型ハンマーによる打音判定が一般的であ
る。ウエッジ緩み点検に用いる打音判定とは、小型のハ
ンマーでウエッジ表面を軽く叩き、音を聴いて、ウエッ
ジの緩み具合を評価する方法である。評価は、「緩み無
し」の「二重○」から「緩み大」の「×」まで、例えば
二重○,○,△,×の4段階で行なう。判定の精度を維
持するには、一般に、限られた点検員にのみ作業をさせ
る。これら点検員は、熟練者ではあるが、作業場所の騒
音の程度や自身の体調によっては、必ずしも一定の判断
基準で評価できるとは限らない。
【0007】また、点検員間の個人差もあり、「緩み無
し」と「やや緩み有り」の中間のようなウエッジをどち
らの等級に判定するかにより、総合評価が異なるという
可能性も有った。
【0008】このような不具合を解消するには、作業を
機械化することが望ましく、何種類かの点検装置が市販
されている。これらの点検装置の多くは、ウエッジ緩み
検出部と判定部とからなり、ウエッジにばね力等を利用
して打撃を与え、発生する振動の波形,振動数,加速
度,打ち付けた物体の初速と跳ね返り速度との差等を検
出し、ウエッジの緩みを評価する。
【0009】しかし、これらの点検装置においても、ウ
エッジに検出部を押し当てる強さや押し当てる場所等に
より判定が変動する。すなわち、機械化してもなお、人
為的要因により、評価が一定しないという問題が有っ
た。
【0010】また、図9に示すように、タービン発電機
に代表される横軸型回転電機においては、コイル拘束力
が同じ程度に低下したスロット4が、回転軸の真下と真
上にある場合、真下のスロット4Aでは、コイル1,2
の質量がスロット4aの底に掛かるのに対し、真上のス
ロット4bでは、コイル1,2の質量がウエッジ5に掛
かり、打撃時にウエッジ5が動きにいくので、下のスロ
ット4aよりも見かけ上の緩みが少ないという評価にな
る。これでは、現実のスロットウエッジの緩みを忠実に
評価していないことになる。このように、入力情報を単
純かつ機械的に取り込むと、評価が不正確になる欠点が
有った。
【0011】本発明の目的は、入力データのばらつきを
考慮しウエッジ緩みを適正に評価できる回転電機のウエ
ッジ緩み点検評価装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、ウエッジ緩
み点検評価装置に、打撃によるウエッジの挙動を示す電
気信号を取り込み、その信号に基づいて分析した二つ以
上の異なる観点からの情報すなわち二つ以上の異なるパ
ラメータで表現された情報を熟練点検員の感覚で評価す
る少なくとも一つのファジー推論機構を付加し、それら
の推論結果を合わせて総合評価することにより達成され
る。
【0013】すなわち、本発明は、上記目的を達成する
ために、鉄心のスロット内に挿入した電機子コイルをス
ロット開口部付近に設置したウェッジにより固定的に保
持する回転電機の前記スロットウエッジの緩みを点検評
価する装置において、ウエッジに所定の衝撃を与えるウ
エッジ加振手段とウエッジの振動等を検出する検出手段
とからなるウエッジ緩み検出部と、検出手段からの検出
信号を少なくとも二つのパラメータにより分析する複数
の分析手段と複数の分析結果をそれぞれのパラメータの
判定基準と比較しスロットウエッジのゆるみの程度をそ
れぞれ判定する複数の判定手段と複数の判定結果を統合
し前記スロットウエッジのゆるみの程度を総合的に評価
する手段とからなるウエッジ緩み判定部とを含む回転電
機のスロットウエッジ緩み点検評価装置を提案するもの
である。。
【0014】前記ウエッジ緩み判定部の判定手段の少な
くとも一つは、ファジー推論手段とし、ファジー推論手
段のパラメータを、振動波形の時間的変化,振動波形の
周波数成分,振動波形の時間的変化および周波数成分の
いずれかとする。
【0015】前記ファジー推論手段のパラメータとして
は、さらに、振動波形の周期,振動波形の減衰時間,衝
撃を受けた被測定物の加速度,所定速度で被測定物に向
けて発射される前記加振手段の物体の初速と反射速度と
の差等を単独でまたは組み合わせて採用してもよい。
【0016】
【作用】本発明においては、検出部からのウエッジ挙動
を示す電気信号を判定部に送り込み、少なくとも二つの
パラメータ例えば時間的領域と周波数領域で分析し、時
間的推移および周波数成分を得る。次に、予め特徴点を
設定した第一の判定機構にそれらの時間的推移および周
波数成分を入力して判定し、さらに、それら複数の判定
値を照合し評価する第二の判定機構に合わせて送り込み
判定し、最終評価を出す。個別の判定機構の少なくとも
一つは、ファジー推論機構とする。この推論機構には、
従来の点検員の判定感覚に基づいてメンバーシップ関数
を設定しておく。このメンバーシップ関数を用いれば、
検出部をウエッジに押し当てる強さ加減や押し当てる場
所の差異等の人的要因による入力データのばらつきの影
響による評価の誤りを排除し、しかも回転軸に対するス
ロットの位置関係の影響等による評価の誤り等も排除
し、適正に評価できる回転電機のスロットウエッジ緩み
点検評価装置が得られる。
【0017】
【実施例】次に、図1〜図7を参照して、本発明による
回転電機のスロットウエッジ緩み点検評価装置の一実施
例を説明する。
【0018】図1は、本発明による回転電機のスロット
ウエッジ緩み点検評価装置の一実施例の構成を示すブロ
ック図である。本実施例の点検評価装置は、ウエッジ緩
み検出部8と、ウエッジ緩み判定部9と、記憶部10と
からなる。
【0019】ウエッジ緩み検出部8は、図8または図9
のウエッジ5に電磁力により打撃を与えるウエッジ打撃
手段11と、ウエッジ表面の振動を検出するウエッジ表
面振動検出手段12とを含んでいる。判定部9は、検出
部8からの振動波形を異なるパラメータすなわち例えば
時間領域と周波数領域とそれぞれ分析する分析手段1
3,16と、分析結果の周期と周波数とをそれぞれ予め
設定された判定基準と照合する「条件部」すなわち判定
基準14,17と、照合結果によりウエッジの緩みを判
定する「結論部」すなわち判定手段15,18と、判定
結果を合わせてウエッジ緩みの有無を総合評価する総合
評価手段19とを含んでおり、二つのメンバーシップ関
数を持ったファジー推論機構となっている。記憶部10
は、データを格納記憶するメモリ20を含んでいる。
【0020】このように構成した本実施例のスロットウ
エッジ緩み点検評価装置において、ウエッジ緩み検出部
8は、あるウエッジ5に打撃を与え、その振動情報をウ
エッジ緩み判定部9に伝える。ウエッジ緩み判定部9の
うち振動波形時間領域分析手段13は、ウエッジ緩み検
出部8が検出したウエッジ5の振動情報から、振動波形
の時間的推移を分析して波形の周期を取り出す。周期判
定基準14は、取り出された周期を予め設定された判定
基準と照合する。判定手段15は、周期をパラメータと
してウエッジ5の緩みを判定する。一方、振動波形周波
数領域分析手段16は、ウエッジ緩み検出部8が検出し
たウエッジ5の振動情報から、振動波形の周波数領域を
分析して周波数成分を取り出す。周波数判定基準17
は、取り出された周波数成分を予め設定された判定基準
と照合する。判定手段18は、周波数をパラメータとし
てウエッジ5の緩みを判定する。総合評価手段19は、
二つの判定値からウエッジの緩み度を総合評価し、メモ
リ20に記憶させる。なお、メモリ20については、基
準位置例えば真上から時計方向に角度何度の位置を一番
スロットとするか,スロット数はいくつか,1スロット
には何本のウエッジが組み込まれているかというような
初期設定を予め行ない、各位置のウエッジ緩み評価値を
マトリクス状に整理して記憶させることが望ましい。
【0021】回転機器の全ウエッジ5の緩み評価を終了
し、それらの評価値をメモリ20に整理して格納した
ら、それを読み出し、設定された管理値に基づき、ウエ
ッジ固さを調整する作業が必要か否かおよびどのスロッ
トで固さ調整作業が必要か等を判定し、出力手段21に
より表示またはプリントアウトする。
【0022】分析値と基準値とを照合する周期判定基準
14および周波数判定基準17は、後述のファジー推論
機構により、入力データのあいまいさを処理する。
【0023】ここで、ウエッジの緩み具合と振動との関
係について説明する。打音判定法によりウエッジの緩み
具合を評価する場合、「緩み無し」の「二重○」から
「緩み大」の「×」までを二重○,○,△,×の4等級
に区分すると、検出される音が、「二重○」ではカンカ
ンという金属音に近いのに対し、緩みが大きくなるに連
れて低くなり、「×」ではボコボコという鈍い濁った音
にまで変化する。
【0024】図2は、ウエッジ5に表面振動検出素子1
2を取付け、振動波の時間的推移を測定した結果を示す
図である。この結果から、「二重○」の波形は、周期が
短く、緩みが大きい「×」の方に移行するに従って周期
が長くなり、振動している時間も長いことが分かった。
そこで、振動波形の周期または打撃後振動が消滅するま
での時間に着目して、緩みを判定することが考えられ
る。
【0025】しかし、振動時間をパラメータとする場
合、同じ緩み具合のスロットを横軸回転電機における真
上と真下のスロット位置に模擬して測定すると、コイル
質量のウエッジへの加わり方に相違があるため、真上の
スロットの方が振動時間が短くなる不具合があることが
分かった。また、振動消滅時点の判別も難しい。
【0026】振動波形の周期をパラメータとする場合、
波形の周期は、図3のT0のように、例えば第1波と第
2波とが基準線と交差する点間の時間として検出できる
が、そのためには波形が明確であることが必要である。
例えば図2の「○」,「△」判定の波形が比較的明瞭で
あるのに対し、「二重○」,「×」判定の波形は、ウエ
ッジ以外の要因による成分が入って乱れている。その原
因は、「二重○」の場合は、ウエッジとスロット内構成
部品との結合度が高いため、ウエッジに与えた衝撃波が
スロットの底に向けて伝播する際に、各部品の境界で発
生する反射波が検出素子まで到達することと考えられ、
「×」場合は、ウエッジが緩み過ぎ、打撃によりウエッ
ジと鉄心またはライナとが複数個所でぶつかりあい、衝
撃波が発生することと考えられる。このように、周期を
パラメータとして判定する場合は、打音判定では明らか
に異なる「二重○」と「×」とが、混同される恐れがあ
った。
【0027】図4は、検出した振動波形を周波数領域で
分析した例を示す図である。この結果から、5kHz以
下の低い領域に発生する周波数のピーク値が、ウエッジ
緩みに応じてより低い方に移行することが分かった。た
だし、「×」のウエッジの場合は、低周波領域でのピー
クが多数発生し、どれを真のピークとするか選定が難し
い。その原因としては、前述と同様、ウエッジと鉄心ま
たはライナとのぶつかり合いによる衝撃波が考えられ
る。しかも、周波数成分のピーク値は、材料や部品構成
または機器体格などにより変動するため、周波数のみで
ウエッジ緩みの判定とすることは、評価を誤る恐れがあ
る。
【0028】このように、ウエッジ打撃による振動波を
周期または周波数成分の単独のパラメータのみで判定す
る方法では、正確な緩み評価が得られない場合がある。
これに対処するために、本実施例においては、二つの判
定値を重ね合わせ、「緩み無し」すなわち「二重○」か
ら「緩み大」すなわち「×」までを総合的に評価するよ
うにした。
【0029】横軸回転電機の真上のスロットにおけるウ
エッジには、コイル質量が加わるので、真下のスロット
と比較すると、振動波形の周期が短く緩みが少ないと判
定される。しかし、周波数領域で判定すると、低周波領
域へのピーク移行がみられ、緩みが大きいとの判定がで
ることから、二つの判定値を重ね合わせれば、正しい評
価が出せることになる。
【0030】ところで、ウエッジの緩みが連続的に増加
していくことを考えると、どの範囲までを「二重○」ま
たは「○」とするか、数値で区分することは難しい。各
個別の判定および複数の判定値による総合評価の手段と
して、ファジー推論法を用いることにする。
【0031】図5は、ウエッジ緩み判定部9の中のファ
ジー推論機構を示す図である。時間領域で分析する場
合、データが入力される「条件部」の判定基準14とな
るメンバーシップ関数は、ウエッジ緩み検出部8から伝
えられたウエッジ5の振動周期を横軸とし、適合度すな
わち満足度合いを縦軸とし、従来のハンマー打音判定の
二重○,○,△,×に対応するように、四種類の区分と
してある。緩みの無い二重○は、0ghbで囲まれた区
域で定義されている。同様に、○は、aijdの区域で
定義され、△は、cklfの区域で定義され、×は、e
mnの区域で定義されている。このうち、区域0hg
a,区域bijcに相当する範囲の振動情報を持つウエ
ッジは、全ての点検員がそれぞれ二重○,○と明確に評
価する確定された範囲であるのに対し、区域ahib,
区域cjkdの範囲は、点検員の評価が分かれる不確定
な範囲であることを示している。
【0032】「結論部」の判定基準17となるメンバー
シップ関数は、緩み度を横軸とし、適合度を縦軸とし、
「条件部」14と同様に、評価の確定した範囲と評価の
分かれる不確定部の範囲とを定義している。
【0033】このようなウエッジ緩み判定部9の「条件
部」14に、ウエッジ緩み検出部8からウェッジ5の振
動周期T1が入力されると、ウエッジ緩み○のx点およ
び△のy点で交差することになる。「条件部」14のx
およびy点の適合度をそのまま「結論部」17側に写
し、対応するメンバーシップ関数の緩み区分○の上辺を
x´とし、△の上辺をy´として、台形pqrsとtu
vwとが作られる。この二つの台形の合成された図形p
qrzuvwが、周期判定手段15において、振動波形
の周期から判断したウエッジ緩みの評価結果である。緩
み度は、一旦記憶部10に蓄えられた後、例えばスロッ
トごとまたは機器一台分の平均値のような任意の様式で
出力できる。
【0034】振動波形を周波数領域で分析する場合も、
同様に、図6に示すように、低周波領域におけるピーク
値の周波数F1が入力されると、図形p´q´r´z´
u´v´w´が、周波数判定手段18において、振動波
形の周波数から判断したウエッジ緩みの評価結果として
得られる。
【0035】総合評価手段19においては、図7に示す
ように、評価結果の二つの図形を合成し、得られた図形
pqrzu´v´wの重心位置を算出し、重心に対応す
る緩み度Nが得られる。この緩み度Nは、記憶部10の
メモリ20に例えばマトリクス状に整理して格納され
る。
【0036】メンバーシップ関数の設定に当たっては、
まず、いろいろな固さにウエッジ5を挿入したスロット
モデルを作り、複数の点検員に従来通りの打音判定で、
各ウエッジ5の評価を依頼する。次に、同じウエッジ5
に振動検出素子12を取付けて、ウエッジ打撃手段11
で打った時の振動波形からその周期と周波数とを測定
し、先の点検員によるウエッジ緩み評価と突き合わせ、
各等級の範囲を決める。この時、全員が同一の評価をし
た範囲を「適合度1.0」とし、評価が分かれた範囲を
「適合度0.0」と設定すると、点検員の判定基準のば
らつきをメンバーシップ関数に組み込めることになる。
また、緩み検出部8をウエッジに押し当てる強さ加減や
押し当てる位置の相違による入力データの差異も、同様
に、実測により変動範囲を把握し、「適合度0」の領域
を設定すると、個人差による入力データのばらつきがあ
ったとしても、緩み評価に対する影響を小さくできる。
【0037】以上、本発明による回転電機のスロットウ
エッジ緩み点検評価装置の一実施例を説明したが、入力
データとしては、振動波形に限らず、振動波形の振動
数,振動波形の減衰時間,被測定物に向けて発射された
物体の初速度と反射速度との差,衝撃を受けた被測定物
の加速度,光弾性効果を利用して被測定物から得られた
光学的な物理量等でも、ウエッジの状態を検知できるの
であればよい。評価する項目も振動波形の周期と周波数
に限らず、それとは異なる組合せでも、三つ以上の評価
項目の組み合わせでもよい。
【0038】なお、入力データとしては、振動波形に限
らず、ウエッジの状態を検知できれば、振動数,加速
度,光学的な情報等でもよく、メンバーシップ関数の要
素としても種々のものが考えられる。
【0039】本実施例によれば、従来は点検員の判断の
裁量範囲が広く統一した評価が出にくかったウエッジ緩
み評価が、客観的な評価として得られる効果がある。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、ファジー推論機構を用
いることにより、個人差による入力データのばらつきや
スロットと回転軸との位置関係による入力データのばら
つきを補正し、ウエッジ緩みを客観的に評価できる。
【0041】また、メンバーシップ関数の設定時に、従
来から用いている判定基準を盛り込み、過去の点検結果
との比較検討も容易にできるので、メンバーシップ関数
を修正して正確に設定可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回転電機のスロットウエッジ緩み
点検評価装置の一実施例の構成を示す図である。
【図2】ウエッジの振動波形の時間的推移とその評価の
例を示す図である。
【図3】ウエッジの振動波形の時間領域分析と周期検出
方法を示す図である。
【図4】振動波形の周波数領域分析結果とその評価の例
を示す図である。
【図5】本発明によるファジー推論に用いるメンバーシ
ップ関数の設定の一例を示す図である。
【図6】本発明によるファジー推論に用いるメンバーシ
ップ関数の設定の他の例を示す図である。
【図7】ファジー推論による二つの判定結果の合成方法
を示す図である。
【図8】回転電機の一般的なスロット内構造の一例を示
す図である。
【図9】横軸形回転電機のスロット内構造の一例を示す
図である。
【符号の説明】
1 電機子コイル 2 電機子コイル 3 鉄心 4 スロット 5 ウエッジ 6 絶縁層 7a ライナ 7b ライナ 7c ライナ 8 ウエッジ緩み検出部 9 ウエッジ緩み判定部 10 記憶部 11 ウエッジ打撃手段 12 ウエッジ表面振動検出手段 13 振動波形の時間領域分析手段 14 周期判定基準 15 周期判定手段 16 振動波形の周波数領域分析手段 17 周波数判定基準 18 周波数判定手段 19 総合評価手段 20 メモリ 21 出力手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 啓司 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 景山 靖章 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 井坂 優 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 日立ニ ュークリアエンジニアリング株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄心のスロット内に挿入した電機子コイ
    ルをスロット開口部付近に設置したウェッジにより固定
    的に保持する回転電機の前記スロットウエッジの緩みを
    点検評価する装置において、 前記ウエッジに所定の衝撃を与えるウエッジ加振手段
    と、前記ウエッジの振動等を検出する検出手段とからな
    るウエッジ緩み検出部と、 前記検出手段からの検出信号を少なくとも二つのパラメ
    ータにより分析する複数の分析手段と、前記複数の分析
    結果をそれぞれのパラメータの判定基準と比較し前記ス
    ロットウエッジのゆるみの程度をそれぞれ判定する複数
    の判定手段と、前記複数の判定結果を統合し前記スロッ
    トウエッジのゆるみの程度を総合的に評価する手段とか
    らなるウエッジ緩み判定部とを含むことを特徴とする回
    転電機のスロットウエッジ緩み点検評価装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の回転電機のスロットウ
    エッジ緩み点検評価装置において、 前記ウエッジ緩み判定部の判定手段の少なくとも一つ
    が、ファジー推論手段であることを特徴とする回転電機
    のスロットウエッジ緩み点検評価装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の回転電機のスロットウ
    エッジ緩み点検評価装置において、 前記ファジー推論手段のパラメータの一つが、振動波形
    の時間的変化であることを特徴とする回転電機のスロッ
    トウエッジ緩み点検評価装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の回転電機のスロット
    ウエッジ緩み点検評価装置において、 前記ファジー推論手段のパラメータの一つが、振動波形
    の周波数成分であることを特徴とする回転電機のスロッ
    トウエッジ緩み点検評価装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の回転電機のスロット
    ウエッジ緩み点検評価装置において、 前記ファジー推論手段のパラメータの二つが、振動波形
    の時間的変化と周波数成分とであることを特徴とする回
    転電機のスロットウエッジ緩み点検評価装置。
  6. 【請求項6】 請求項2ないし5のいずれか一項に記
    載の回転電機のスロットウエッジ緩み点検評価装置にお
    いて、 前記ファジー推論手段のパラメータの一つが、振動波形
    の周期であることを特徴とする回転電機のスロットウエ
    ッジ緩み点検評価装置。
  7. 【請求項7】 請求項2ないし6のいずれか一項に記載
    の回転電機のスロットウエッジ緩み点検評価装置におい
    て、 前記ファジー推論手段のパラメータの一つが、振動波形
    の減衰時間であることを特徴とする回転電機のスロット
    ウエッジ緩み点検評価装置。
  8. 【請求項8】 請求項2ないし7のいずれか一項に記載
    の回転電機のスロットウエッジ緩み点検評価装置におい
    て、 前記ファジー推論手段のパラメータの一つが、衝撃を受
    けた被測定物の加速度であることを特徴とする回転電機
    のスロットウエッジ緩み点検評価装置。
  9. 【請求項9】 請求項2ないし7のいずれか一項に記載
    の回転電機のスロットウエッジ緩み点検評価装置におい
    て、 前記ファジー推論手段のパラメータの一つが、所定速度
    で被測定物に向けて発射される前記加振手段の物体の初
    速と反射速度との差であることを特徴とする回転電機の
    スロットウエッジ緩み点検評価装置。
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