JP3809664B2 - エアアシスト電磁式燃料噴射弁 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車等の内燃機関用の燃料噴射装置に用いられる電磁式燃料噴射弁に関し、そのうち特に電磁式燃料噴射弁の計量孔より噴出される燃料に向けて空気を吹きつけ、燃料の微粒化を図ったエアアシスト電磁式燃料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
エアアシスト電磁式燃料噴射弁の従来の第1技術は実開平5−47425号公報に示される。これは、バルブシートの外周にインナーキャップが配置され、さらにインナーキャップの外周にアウターキャップが配置され、アウターキャップに空気導入用のスロットとこのスロットに連なる空気通過用溝を設けたものである。
【0003】
又、エアアシスト電磁式燃料噴射弁の従来の第2技術は実開昭54−169620号公報に示される。これは、バルブシートの外周及びバルブシートの先端部に有底カップ状のキャップを嵌合配置したもので、このキャップの側壁に取入孔を穿設し、キャップの内底部に噴出孔を穿設し、この取入孔と噴出孔とを、側壁に沿って垂直方向に穿設される溝と、内底部に沿って水平方向に穿設される溝とによって連絡したものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の第1技術によると、空気通過用溝は、それぞれ格別に設けたインナーキャップとアウターキャップとによって形成される。これによると、部品点数が増加するとともに組みつけ工数が増加し、安価なエアアシスト電磁式燃料噴射弁を提供できない。又、バルブシートの先端部分の外周にインナーキャップとアウターキャップとを配置することは、バルブシートの先端部分の外形が大径化して好ましいものでない。
【0005】
一方、従来の第2技術によると、空気を供給する溝は、バルブシートと単一のキャップによって形成されることから燃料噴射弁の製造コストを低減することはできる。然しながら、バルブシートの噴孔より噴出される燃料に対して空気は溝を介して直角方向より吹きつけられる。これは、バルブシートの噴孔がバルブシートの底部に直交して垂直方向に穿設され、キャップの噴出孔に開口する溝がバルブシートの底部に沿って水平方向に形成されるからである。以上によると、バルブシートの噴孔から噴出される燃料の噴出方向に対して直角方向から空気が吹きつけられることから、燃料フォームはおおきく広がり、吸気弁に向けて燃料を効果的に指向して供給できない。あるいは吸気管の内壁への燃料付着が多くなることにより、機関性能へ悪影響を及ぼす。例えば付着燃料の応答遅れによる機関加速運転時における混合気の希薄化現象、あるいは機関減速運転時における混合気の過濃化現象である。
【0006】
本発明は、かかる不具合に鑑み成されたもので、噴孔から噴出されて機関に向かう燃料の燃料吐出フォームを最適に制御でき、且つ製造コストが安価で且つ小型化されるエアアシスト電磁式燃料噴射弁を提供することを主目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明になるエアアシスト電磁式燃料噴射弁は、前記目的達成の為に、ハウジング内に配置された電磁コイルへの通電によって可動コアが駆動され、可動コアと一体的に移動する弁体の弁部によりハウジングの先端部に配置されたバルブシートの弁座を開閉制御し、弁座の下流側にある計量孔より燃料を噴射する電磁式燃料噴射弁において、バルブシートは、平坦状に形成される先端面と、先端面の外周より外周筒部に向かう円錐部と弁座に連なり先端面に開口する弁座孔とを備え、計量プレートは、バルブシートの先端面に当接する平板部と、平板部の外周より後端に向かって折り曲げられ、バルブシートの円錐部に当接する環状円錐部と、平板部の先端面から後端面に向かって貫通する計量孔と、環状円錐部の後端から平板部に向かって穿設される切欠き溝とを備え、キャップは、計量プレートの環状円錐部に当接する円錐角を有する円錐凹部と、円錐凹部の後端からキャップの後端に向かって開口するバルブシート挿入開口部と、円錐凹部の先端からキャップの先端に向かって開口する流路開口部と、バルブシート挿入開口部の外周から、円錐凹部の後端の近傍のバルブシート挿入開口部内に開口する空気流入開口部とを備え、バルブシートの先端面に、計量プレートの平板部を当接配置し、計量プレートの環状円錐部をバルブシートの円錐部に当接配置するとともに計量プレート、環状円錐部の外周及びバルブシートの外周筒部にキャップを当接配置し、バルブシートの円錐部と、計量プレートの切欠き溝と、キャップの円錐凹部とによって空気通路を形成し、前記空気通路の後端を、キャップの空気流入開口部に開口し、空気通路の先端をキャップの流路開口部に連なる円錐凹部内に開口したことを第1の特徴とする。
【0008】
又、本発明は、ハウジング内に配置された電磁コイルへの通電によって可動コアが駆動され、可動コアと一体的に移動する弁体の弁部によりハウジングの先端部に配置されたバルブシートの弁座を開閉制御し、弁座の下流側にある計量孔より燃料を噴射する電磁式燃料噴射弁において、バルブシートは、平坦状に形成される先端面と、先端面の外周より外周筒部に向かう円錐部と弁座に連なり先端面に開口する弁座孔とを備え、計量プレートは、バルブシートの先端面に当接する平板部と、平板部の外周より後端に向かって折り曲げられ、バルブシートの円錐部に当接する環状円錐部と、平板部の先端面から後端面に向かって貫通する計量孔と、環状円錐部の後端から平板部に向かって穿設される切欠き溝とを備え、キャップは、計量プレートの環状円錐部に当接する円錐面を有するとともにその先端に、中心に向かう平坦状の係止段部を備えた円錐凹部と、円錐凹部の係止段部からキャップの先端に向かって開口する流路開口部と、円錐凹部の係止段部から流路開口部に向かい、係止段部を円錐面に沿って部分的に斜め方向に切欠き形成する切欠き溝と、円錐凹部の後端からキャップの後端に向かって開口するバルブシート挿入開口部と、バルブシート挿入開口部の外周から、円錐凹部の後端の近傍のバルブシート挿入開口部内に開口する空気流入開口部とを備え、バルブシートの先端部に計量プレートを配置するとともに計量プレートの環状円錐部と平板部の先端面とを含むバルブシートの外周筒部にキャップを配置することにより、バルブシートの先端部に、バルブシートの円錐部と、計量プレートの切欠き溝と、キャップの円錐凹部とによって空気通路を形成し、前記空気通路の後端を、キャップの空気流入開口部に連ねて開口し、一方、空気通路の先端を流路開口部に連なるキャップの切欠き溝に開口したことを第2の特徴とする。
【0009】
【作用】
第1の特徴によると、空気通路は、バルブシートの円錐部と、計量プレートの環状円錐部に設けた切欠き溝と、キャップの円錐凹部とによって形成される。キャップの空気流入開口部に流入する空気は、バルブシートのバルブシート挿入開口部から空気通路の後端に流入する。空気通路を通過する空気は空気通路の先端からキャップの流路開口部内へ斜め方向から流入し、計量プレートの計量孔から流路開口部内へ噴出される燃料と衝突して燃料を微粒化させる。
【0010】
第2の特徴によると、空気通路はバルブシートの円錐部と、計量プレートの環状円錐部に設けた切欠き溝と、キャップの円錐凹部とによって形成される。キャップの空気流入開口部に流入する空気は、バルブシートのバルブシート挿入開口部から空気通路の後端に流入する。空気通路を通過する空気は空気通路の先端からキャップの切欠き溝内に流入し、この切欠き溝からキャップの流路開口部内へ空気が斜め方向から流入する。流路開口部内において計量プレートの計量孔から噴出される燃料と切欠き溝から流入する空気とが衝突して燃料を微粒化させる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明になるエアアシスト電磁式燃料噴射弁の第1実施例について説明する。図1は本発明のエアアシスト電磁式燃料噴射弁の縦断面図である。尚、説明を容易にする為に、先端Aとは図において下方をいい、後端Bとは図において上方をいう。
【0012】
1は、後端B側に底部1Aを有し、先端1Bが開口する磁性材料によって有底筒状に形成されたハウジングであり、底部1Aの中心から固定コアとしての第1筒部1Cが先端A側に向かって突出するとともに底部1Aの中心から流路部材としての第2筒部1Dが後端B側に向かって突出する。第2筒部1Dの後端1Eから第1筒部1Cの先端1Fに向けて流路1Gが貫通して穿設される。第1筒部1C内の流路1Gにはインナーカラー2が挿入配置され、第2筒部1D内の流路1Gにはストレーナ3が配置される。流路1Gにあっては先端A側にインナーカラー2が配置され、後端B側にストレーナ3が配置される。
【0013】
4は、絶縁材料によって形成されたコイルボビンであり、その周囲に電磁コイル5が巻回され、その後端の鍔部より後端B側に向かってコイル5に接続されたターミナル6が突出する。7は磁性材料によって形成され、磁極片をなすドーナツ状のセットカラーである。8は、後述するニードル弁の小径部に挿入されるバルブストッパーであり外周から中心に向かって前記小径部の直径よりやや大径を有する長溝8Aが穿設される。
【0014】
9は円筒状をなすバルブシートであり、その先端面9Aは平坦状をなし、先端面9Aの外周9Bから円筒状の外周筒部9Cに向けて円錐部9Dが形成される。
この円錐部9Dは後端B側に向かうにつれてその直径が増加する。内方の先端近傍には弁座9Eが形成され、弁座9Eより先端A側に向けて弁座孔9Fが連設され、弁座9Eより後端9Gに向けてガイド孔9Hが形成される。弁座孔9Fはバルブシート9の先端面9Aに開口する。又、ガイド孔9H、弁座9E、弁座孔9Fは同芯に形成される。尚、バルブシート9の後端9G部分の外周は外周筒部9Cより拡大された鍔部をなす。
【0015】
10は、バルブシート9内に移動自在に配置される弁体である。弁体10は、弁座9Eを開閉する弁部10Aと、弁部10Aより後端B側にあって、ガイド孔9Hの横断面と同一形状をなすとともに外周に複数の切欠き面が形成され、ガイド孔9H内に移動自在に配置されるガイド部10Bと、ガイド部10Bより後端B側に形成される係止鍔部10Cと、更に後端B側に形成される嵌合突部10Dと、嵌合突部10Dと係止鍔部10Cとの間に形成される小径部10Eとにより形成される。
【0016】
そして、前記弁体10の嵌合突部10Dには、円柱状をなす可動コア11が一体的に嵌合配置される。
【0017】
12は薄板状の部材によって形成される計量プレートであり、図2、図3によって説明する。図2は計量プレートの下部平面図、図3は図2のC−C線における縦断面図である。12Aは、バルブシート9の先端面9Aに当接する平板部であり、平板部12Aの外周12Bより後端B側に向かって折り曲げられて、環状円錐部12Cが形成される。この環状円錐部12Cは、バルブシート9の円錐部9Dに当接する円錐角を有するとともに環状円錐部12Cの後端12Dは、平板部12Aより後端B側に位置する。いいかえると、この計量プレート12は有底円錐カップ状をなす。12Eは、平板部12Aの先端面12Fから後端面12Gに向けて貫通して穿設された計量孔である。本例では計量孔12Eを、計量プレート12の中心に対して対称に2個穿設したが、その数、位置は適宜選定されればよいものである。12Hは、環状円錐部12Cの後端12Dから平板部12Aに向け、その円周方向において部分的に切欠き形成された切欠き溝である。この切欠き溝12Hは、溝幅Eを有し、平板部12Aの外周12Bより中心方向に切欠き形成される。本例では、計量孔12E、12Eの中心を通る線上に切欠き溝12Hを2個対向して形成したがその数、位置は適宜選定されればよいものである。このように計量プレート12に計量孔12Eと切欠き溝12Hとが形成された状態において、計量孔12Eと切欠き溝12Hとの位置関係は一定状態にある。
【0018】
13は、キャップであり、以下に説明する。図4はキャップの縦断面図、図5は図4の上部平面図、図6は図4のD−D線における縦断面図である。13Aは、計量プレート12の環状円錐部12Cに当接する円錐角を有する円錐凹部であり、円錐凹部13Aの後端13Bからキャップ13の後端13Cに向けて、バルブシート9の外周筒部9Cを挿入する為のバルブシート挿入開口部13Dが開口して形成される。一方、円錐凹部13Aの先端13Eからキャップ13の先端13Fに向けて流路開口部13Gが開口して形成される。すなわち、キャップ13には、その後端13Cから先端13Fに向けてバルブシート挿入開口部13D、円錐凹部13A、流路開口部13Gが同芯に連設される。又、バルブシート挿入開口部13Dの外周13Jからバルブシート挿入開口部13D内に向けて空気流入開口部13Kが貫通して穿設される。この空気流入開口部13Kは、円錐凹部13Aの後端13B近傍のバルブシート挿入開口部13Dに開口する。本例において、空気流入開口部13Kは、キャップの13の中心に対して対称に2個穿設したが、その位置、数は適宜選定されればよい。
【0019】
そして、エアアシスト電磁式燃料噴射弁は以下の如く組みつけられる。ハウジング1の先端1Bの開口から底部1Aに向けてコイルボビン4を挿入配置し、このときターミナル6は底部1Aに穿設せる孔を介して後端B側に突出する。次いで、コイルボビン4の先端にセットカラー7を配置する。
【0020】
バルブシート9のガイド孔9H内には、弁体10のガイド部10Bが摺動自在に配置され、可動コア11と係止鍔部10Cとの間の小径部10Eに向けてバルブストッパー8の長溝8Aが挿入配置される。
【0021】
又、バルブシート9の先端部には計量プレート12が固定配置される。すなわち、バルブシート9の先端面9Aに計量プレート12の平板部12Aの後端面12Gが当接して配置され、バルブシート9の円錐部9Dに計量プレート12の環状円錐部12Cが当接して配置される。これによると、計量プレート12の計量孔12Eは、バルブシート9の弁座孔9Fに臨んで開口し、計量プレート12の切欠き溝12Hは、バルブシート9の円錐部9Dと、バルブシート9の先端面9Bの外周9Bより少し内方の先端面9A上に臨んで配置される。
【0022】
このように、先端部に計量プレート12が配置されるとともに、内方に弁体10を備えたバルブシート9がセットカラー7の先端面上に配置される。このとき、可動コア11の後端と、インナーカラー2の先端との間には、スプリング14が縮設される。又、可動コア11の後端は、第1筒部1Cの先端1Fに対向して配置され、係止鍔部10Cの後端は、バルブストッパー8の先端に対向して配置される。
【0023】
そして、計量プレート12の環状円錐部12Cを含むバルブシート9の外周筒部9Cにキャップ13を挿入配置する。すなわち、キャップ13の円錐凹部13Aを計量プレート12の環状円錐部12Cに当接し、キャップ13のバルブシート挿入開口部13D内にバルブシート9の外周筒部9Cを挿入配置する。
【0024】
このとき、キャップ13の空気流入開口部13Kは、計量プレート12の切欠き溝12Hに臨んで配置される。
【0025】
以上によると、ハウジング1内の中間部に設けた係止段部1J上に、セットカラー7、バルブストッパー8、弁体10と計量プレート12を備えたバルブシート9、キャップ13が積層されて配置される。このとき、バルブシート9の後端9Gを含む鍔部及びキャップ13の後端13Cは、ハウジング1の先端1Bより後端B側であってハウジング1内に配置される。そして、かかる状態において、ハウジング1の先端1Bを、キャップ13の後端13Cの外周上に向けて内方へカシメることによってその組みつけが完了する。
【0026】
尚、電磁コイル5への非通電時において、可動コア11の後端と第1筒部1Cの先端1Fとの間、及び係止鍔部10Cの後端とバルブストッパー8の先端との間には、微少なる間隙(作動ストロークに相当する)が存在するが図示されていない。
【0027】
そして、かかる組みつけ完了時において、バルブシート9の円錐部9Dと、計量プレート12の切欠き溝12Hと、キャップ13の円錐凹部13Aとによって空気通路15が形成される。そして、この空気通路15の後端15Aは、キャップ13の空気流入開口部13Kに連絡され、空気通路15の先端15Bは、キャップ13の円錐凹部13Aを介して流路開口部13Gに連絡される。又、計量プレート12の計量孔12Eの燃料流出側の開口は、キャップ13の円錐凹部13Aに臨んで開口する。尚、図1のX−X線における弁体、計量プレート、キャップを含むバルブシートの縦断面図が図7に示される。
【0028】
次にその作用について説明する。電磁コイル5に通電されると、可動コア11はスプリング14のバネ力に抗して第1筒部1Cの先端1Fに向けて吸引され、弁体10の係止鍔部10Cの後端が、バルブストッパー8の先端に当接する迄移動し、これによって弁体10の弁部10Aがバルブシート9の弁座9Eを開放する。これによると、流路1G内へ図示せぬ燃料ポンプによって給送される燃料は、可動コア11、小径部10E、係止鍔部10C、ガイド部10Bの外周を通って弁座9Eに達する。そして、弁座9Eに達した燃料は、弁座9Eが開放されたことによって、弁座孔9F内に流入し、計量プレート12の計量孔12Eによってその量が制御され、キャップ13の円錐凹部13Aを介してキャップ13の流路開口部13G内へ噴出される。
【0029】
一方、前記燃料の噴出に合わせ、キャップ13の空気流入開口部13Kには空気が供給される。この空気は、空気通路15の後端5Aから空気流路15内へ流入し、空気通路15の先端15Bからキャップ13の円錐凹部13Aを介してキャップ13の流路開口部13G内へ流出する。
【0030】
以上によると、計量孔12Eから噴出される燃料に対して空気通路15を介して空気を衝突させたので、燃料を微粒化できるとともに最適な燃料吐出フォームを得ることができる。ここで特徴的なことは、(1)バルブシート9の円錐部9Dと、計量プレート12の切欠き溝12Hと、キャップ13の円錐凹部13Aとによって円錐凹部13Aに沿う空気通路15が形成されること。(2)空気通路15の通路幅は計量プレート12の切欠き溝12Hの溝幅E(図2に示される)によって画定されていること。(3)空気通路15の後端15Bが流路開口部13Gに連なるキャップ13の円錐凹部13Aに連設されること。(4)空気通路15を形成する切欠き溝12Hが計量孔12Eの定められた位置に予め形成され、この位置関係がくずれないこと。である。
【0031】
以上によると、空気通路15内を流れる空気は、切欠き溝12Hの溝幅Eによってその通路幅が画定されるとともに、バルブシート9の長手方向軸心線X−Xに対してY方向に傾斜して流下する。そして、空気通路15の先端15Bから円錐凹部13A内に流出する空気は、予め空気通路15内において、空気通路15を形成する円錐凹部13Aの円錐面に沿うY方向の傾斜流れに整流され、このY方向に傾斜する空気流れが慣性力をもって空気通路15の先端15Bからキャップ13の円錐凹部13A内に流入する。以上によると、空気通路15及び空気通路15の先端15Bからキャップ13の円錐凹部13A内に流れ込む空気流れはY方向に傾斜した慣性力を有する流れとなるので、計量孔12Eから噴出する燃料に対し、計量孔12Eから比較的離れた先端A側であって、しかも計量孔12Eに対して定められた円周方向の位置においてY方向の斜めから衝突する。従って、燃料吐出フォームは大きく広がることがなく適正な燃料吐出フォームに形成することができ、これによって機関の所望の位置を指向して適確に燃料を供給でき、機関の運転性を向上できるものである。
【0032】
又、空気通路15は、バルブシート9の円錐部9Dと計量プレート12の切欠き溝12Hとキャップ13とにより構成され、その内、バルブシート9及び計量プレート12は電磁式燃料噴射弁においてもともと備えられるもので、新たに付加される部品はキャップ13のみである。以上によると、部品点数の増加、組みつけ工数の増加は極力抑止されるもので、その製造コストの上昇をわずかな範囲に抑えることができる。
【0033】
又、空気通路15を構成する計量キャップは例えば0.5mm程度の薄肉状であることからバルブシート9の先端部分の外径が大型化することが抑止され、機関への搭載の自由度が阻害されることはない。
【0034】
次に、本発明になるエアアシスト電磁式燃料噴射弁の第2の実施例について説明する。図1の第1の実施例とは、キャップが異なるもので、相違する構造についてのみ説明し、同一構造は同一符号を使用して説明を省略する。図9はキャップの縦断面図、図10は図9の上部平面図、図11は図9のF−F線における縦断面図である。13Lは、計量プレート12の環状円錐部12Cに当接する円錐面13Mを有する円錐凹部であり、円錐凹部13Lの後端13Nよりキャップ13の後端13Cに向かってバルブシート挿入開口部13Dが開口して穿設される。
【0035】
又、円錐凹部13Lの先端13Pより中心に向かって平坦状の係止段部13Qが形成され、この係止段部13Qの中心にはキャップ13の先端13Fに向かって流路開口部13Rが開口して穿設される。又、バルブシート挿入開口部13Dの外周13Jから、円錐凹部13Lの後端13Nの近傍のバルブシート挿入開口部13D内に向けて空気流入開口部13Kが穿設される。
【0036】
そして、係止段部13Qには、切欠き溝13Sが切欠き形成される。この切欠き溝13Sは係止段部13Qから流路開口部13Rに向かって穿設されるとともに円錐凹部13Lの円錐面13Mに沿う傾斜面13Tを有し、かつこの切欠き溝13Sの溝幅Gは、計量プレート12の切欠き溝12Hの溝幅Eと略同等にするのが好ましい。本例によると、係止段部13Qに切欠き溝13Sは対向して穿設された。
【0037】
そして、前記第1の実施例と同様にキャップ13は、計量プレートの環状円錐部12C、平板部12Aの先端面12Fを含むバルブシート9の外周筒部9Cに挿入配置される。すなわち、キャップ13の円錐凹部13Lを計量プレート12の環状円錐部12Cに当接し、キャップ13の係止段部13Qを計量プレート12の平板部12Aの先端面12Fに当接し、キャップ13のバルブシート挿入開口部13D内にバルブシート9の外周筒部9Cを挿入配置する。
【0038】
この状態は、図8に示されるもので、バルブシート9の円錐部9Dと、計量プレート12の切欠き溝12Hと、キャップ13の円錐凹部13Lとによって空気通路15が形成される。そして、この空気通路15の後端15Aは、キャップ13の空気流入開口部13Kに連絡され、空気通路15の先端15Bは、キャップ13の切欠き溝13Sを介して流路開口部13Rに連絡される。又、計量プレート12の計量孔12Eの燃料流出側の開口は、キャップ13の流路開口部13Rに臨んで開口する。尚、図8のX−Xにおける弁体、計量プレート、キャップを含むバルブシートの縦断面が図12に示される。
【0039】
かかる第2の実施例によると、キャップ13の空気流入開口部13Kを介して空気通路15内を流れる空気は、計量プレート12の切欠き溝12Hの溝幅Eによってその幅が画定され、又空気通路15の後端15Bからキャップ13の切欠き溝13S内を流れる空気は、キャップ13の切欠き溝13Sの溝幅Gによって画定される。更に又、空気通路15及びキャップ13の切欠き溝13S内を流れる空気は、円錐凹部13Lの円錐面13Mに沿うとともに円錐面13Mに沿う切欠き溝13Sの傾斜面13Tに沿って、斜め方向Yより流路開口部13R内に向かって流れる。
【0040】
以上によると、流路開口部13Rに向かう空気は、空気通路15内において予め円錐凹部13Lの円錐面13Mに沿う流れに整流され、さらに空気通路15の先端15Bからキャップ13の切欠き溝13S内に流入する空気は、切欠き溝13Sによってその溝幅Gが画定され、且つ切欠き溝13Sの傾斜面13Tに沿って斜め方向Yに流れるので、計量孔12Eから確実に離れ、しかもキャップ13の切欠き溝13Sによって定められた円周方向の位置において、斜め方向Yからより一層正確に指向性が高められた空気を燃料に向けて衝突させることができる。従って、燃料吐出フォームは第1の実施例に比較して更に適正に形成することができて機関性能を更に向上することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上の如く、バルブシートの先端部に、バルブシートの円錐部と、計量プレートの切欠き溝と、キャップの円錐凹部とによって空気通路を形成し、前記空気通路の後端を、キャップの空気流入開口部に連ねて開口し、空気通路の先端をキャップの流路開口部に連なる円錐凹部内に開口したことによって、計量孔から比較的に離れ、しかも定められた円周方向の位置において、斜め方向から空気を燃料に向けて衝突させることができ、これによって微粒化された適正な燃料吐出フォームを形成できて、機関の性能向上を達成できた。又、部品点数、組みつけ工数の増加を極力抑止できて製造コストの上昇を効果的に抑止できた。更には、空気通路を構成する計量プレートが薄肉状であるので、バルブシートの先端部分の外径が大型化することが抑止された。
【0042】
又、バルブシートの先端部に、バルブシートの円錐部と、計量プレートの切欠き溝と、キャップの円錐凹部とによって空気通路を形成し、前記空気通路の後端を、キャップの空気流入開口部に連ねて開口し、一方、空気通路の先端をキャップの流路開口部に連なるキャップの切欠き溝に開口したことによると、計量孔から離れ、しかもキャップの切欠き溝によって定められた円周方向の位置において、斜め方向からより一層正確に指向性を高められた空気を燃料に向けて衝突させることができるので、更に燃料吐出フォームを適正に形成できて機関性能を更に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のエアアシスト電磁式燃料噴射弁の第1実施例を示す縦断面図。
【図2】 計量プレートの下部平面図。
【図3】 図2のC−C線における縦断面図。
【図4】 キャップの縦断面図。
【図5】 図4の上部平面図。
【図6】 図4のD−D線における縦断面図。
【図7】 図1のX−X線における要部縦断面図。
【図8】 本発明のエアアシスト電磁式燃料噴射弁の第2実施例を示す縦断面図。
【図9】 図8において用いられるキャップの縦断面図。
【図10】 図9の上部平面図。
【図11】 図9のF−F線における縦断面図。
【図12】 図8のX−X線における要部縦断面図。
【符号の説明】
9 バルブシート
9A 先端面
9B 先端面の外周
9C 外周筒部
9D 円錐部
9E 弁座
9F 弁座孔
12 計量プレート
12A 平板部
12B 平板部の外周
12C 環状円錐部
12E 計量孔
12H 切欠き溝
13 キャップ
13A 円錐凹部
13D バルブシート挿入開口部
13G 流路開口部
13K 空気流入開口部
15 空気通路
13M 円錐面
13L 円錐凹部
13Q 係止段部
13R 流路開口部
13S 切欠き溝
Claims (2)
- ハウジング内に配置された電磁コイルへの通電によって可動コアが駆動され、可動コアと一体的に移動する弁体の弁部によりハウジングの先端部に配置されたバルブシートの弁座を開閉制御し、弁座の下流側にある計量孔より燃料を噴射する電磁式燃料噴射弁において、バルブシート9は、平坦状に形成される先端面9Aと、先端面9Aの外周9Bより外周筒部9Cに向かう円錐部9Dと弁座9Eに連なり先端面9Aに開口する弁座孔9Fとを備え、計量プレート12は、バルブシート9の先端面9Aに当接する平板部12Aと、平板部12Aの外周12Bより後端Bに向かって折り曲げられ、バルブシートの円錐部9Dに当接する環状円錐部12Cと、平板部12Aの先端面12Fから後端面12Gに向かって貫通する計量孔12Eと、環状円錐部12Cの後端12Dから平板部12Aに向かって穿設される切欠き溝12Hとを備え、キャップ13は、計量プレート12の環状円錐部12Cに当接する円錐角を有する円錐凹部13Aと、円錐凹部13Aの後端13Bからキャップ13の後端13Cに向かって開口するバルブシート挿入開口部13Dと、円錐凹部13Aの先端13Eからキャップ13の先端13Fに向かって開口する流路開口部13Gと、バルブシート挿入開口部13Dの外周13Jから、円錐凹部13Aの後端13Bの近傍のバルブシート挿入開口部13D内に開口する空気流入開口部13Kとを備え、バルブシート9の先端面9Aに、計量プレート12の平板部12Aを当接配置し、計量プレート12の環状円錐部12Cをバルブシート9の円錐部9Dに当接配置するとともに計量プレート12、環状円錐部12Cの外周及びバルブシート9の外周筒部9Cにキャップ13を当接配置し、バルブシート9の円錐部9Dと、計量プレート12の切欠き溝12Hと、キャップ13の円錐凹部13Aとによって空気通路15を形成し、前記空気通路の後端15Aを、キャップ13の空気流入開口部13Kに開口し、空気通路15の先端15Bをキャップ13の流路開口部13Gに連なる円錐凹部13A内に開口したことを特徴とするエアアシスト電磁式燃料噴射弁。
- ハウジング内に配置された電磁コイルへの通電によって可動コアが駆動され、可動コアと一体的に移動する弁体の弁部によりハウジングの先端部に配置されたバルブシートの弁座を開閉制御し、弁座の下流側にある計量孔より燃料を噴射する電磁式燃料噴射弁において、バルブシート9は、平坦状に形成される先端面9Aと、先端面9Aの外周9Bより外周筒部9Cに向かう円錐部9Dと弁座9Eに連なり先端面9Aに開口する弁座孔9Fとを備え、計量プレート12は、バルブシート9の先端面9Aに当接する平板部12Aと、平板部12Aの外周12Bより後端Bに向かって折り曲げられ、バルブシートの円錐部9Dに当接する環状円錐部12Cと、平板部12Aの先端面12Fから後端面12Gに向かって貫通する計量孔12Eと、環状円錐部12Cの後端12Dから平板部12Aに向かって穿設される切欠き溝12Hとを備え、キャップ13は、計量プレート12の環状円錐部12Cに当接する円錐面13Mを有するとともにその先端に、中心に向かう平坦状の係止段部13Qを備えた円錐凹部13Lと、円錐凹部13Lの係止段部13Qからキャップ13の先端13Fに向かって開口する流路開口部13Rと、円錐凹部13Lの係止段部13Qから流路開口部13Rに向かい、係止段部13Qを円錐面13Mに沿って部分的に斜め方向に切欠き形成する切欠き溝13Sと、円錐凹部13Lの後端13Nからキャップ13の後端13Cに向かって開口するバルブシート挿入開口部13Dと、バルブシート挿入開口部13Dの外周13Jから、円錐凹部13Lの後端13Nの近傍のバルブシート挿入開口部13D内に開口する空気流入開口部13Kとを備え、バルブシート9の先端部に計量プレート12を配置するとともに計量プレート12の環状円錐部12Cと平板部12Aの先端面12Fとを含むバルブシート9の外周筒部9Cにキャップ13を配置することにより、バルブシート9の先端部に、バルブシート9の円錐部9Dと、計量プレート12の切欠き溝12Hと、キャップ13の円錐凹部13Lとによって空気通路15を形成し、前記空気通路15の後端15Aを、キャップ13の空気流入開口部13Kに連ねて開口し、一方、空気通路15の先端15Bを流路開口部13Rに連なるキャップ13の切欠き溝13Sに開口したことを特徴とするエアアシスト電磁式燃料噴射弁。
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