JP3809289B2 - 太陽電池モジュール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の屋根に配置される太陽電池モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
屋根に太陽電池を設置する場合、金属屋根材の設置と太陽電池の設置とを別個に行なうと、金属屋根材を設置した後に太陽電池を設置しなければならず、金属屋根材及び太陽電池の設置作業が非常に面倒になる。また、設置した金属屋根材から太陽電池が浮いた状態になり、太陽電池は金属屋根材に比べて風雨等の影響を受け易くなるし、浮いた状態の太陽電池があるために屋根全体の外観上の体裁も悪くなるという問題も生じる。
【0003】
そこで、屋根に太陽電池を設置する場合、太陽電池を金属屋根材の上面に添って配置した太陽電池モジュールを構成し、この太陽電池モジュールを建物の野地板上に配置するようにすることが考えられる。この場合、金属屋根材と共に太陽電池を簡単に設置でき、しかも太陽電池が金属屋根材の上面に添うため、太陽電池によって屋根全体の外観上の体裁も悪くならない。
しかし、太陽電池の下面には、下方突出した端子ボックスがあるため、太陽電池を金属屋根材の上面に添って配置するには、金属屋根材に端子ボックスを挿通するたの挿通窓を金属屋根材に設ける必要があり、このため金属屋根材に設けた挿通窓から金属屋根材の下面側に雨水が漏水し、防水上の問題が生じることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑み、漏水のおそれのない太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、端子ボックス53が下方突設された太陽電池4を、金属屋根材2の上面に添って配置するようにした太陽電池モジュールにおいて、
金属屋根材2に、端子ボックス53を収納する収納凹部12が設けられている点にある。
従って、金属屋根材2に収納凹部12があるため、太陽電池4の端子ボックス53を収納凹部12に収納することにより、金属屋根材2に端子ボックス挿入窓を形成することなく、太陽電池4を金属屋根材2の上面に添って配置することができて、端子ボックス挿入窓が不要になり、このため従来のように端子ボックス挿入窓から雨水が漏水するようなことがなくなる。
【0006】
また、本発明の技術的手段は、端子ボックス53が下方突設された太陽電池4を、金属屋根材2の上面に添って配置するようにした太陽電池モジュールにおいて、
金属屋根材2に、端子ボックス53を挿通する開口部81が設けられ、端子ボックス53を収納する収納凹部12が金属屋根材2とは別体に構成されて、前記開口部81を塞ぐように金属屋根材2に取り付けられている点にある。
従って、金属屋根材2に収納凹部12があるため、太陽電池4の端子ボックス53を収納凹部12に収納することにより、太陽電池4を金属屋根材2の上面に添って配置することができる。また、金属屋根材2に端子ボックス53を挿通する開口部81が設けられているにも拘わらず、端子ボックス53を収納する収納凹部12で開口部81を塞ぐことができ、このため端子ボックス53を挿通する開口部81等から雨水が漏水するようなことがなくなり、確実な防水をすることができる。
【0007】
また、本発明の技術的手段は、前記収納凹部12は、底壁14を備えると共に、底壁14の軒側端部から金属屋根材2の屋根材本体11に向けて傾斜した軒側傾斜壁15bを備え、金属屋根材2を野地板9上に配置したとき、収納凹部12の底壁14が軒側下がりに傾斜すると共に軒側傾斜壁15bが略水平状態又はやや軒側下がりに傾斜するように構成されている点にある。
従って、収納凹部12に雨水が侵入しても、その侵入した雨水は底壁14から軒側傾斜壁15b側に流れて、端子ボックス53が雨水によって濡れる恐れが非常に少なくなり、端子ボックス53の防水をより確実なものになし得る。
【0008】
また、本発明の技術的手段は、前記軒側傾斜壁15bの軒側端部に、水抜き孔88が設けられている点にある。
従って、侵入した雨水を水抜き孔88を通して、下段の太陽電池モジュール1金属屋根材2の横樋18にスムーズに排出することができる。
また、本発明の技術的手段は、金属屋根材2の軒側端部に、下方に折曲された係止片21と、係止片21の下端から棟側に折り返された折り返し片22とが設けられ、金属屋根材2の前記開口部81の棟側開口縁に、取付片82が設けられ、前記金属屋根材2とは別体に構成した収納凹部12に、屋根材本体11の軒側の下面に沿う軒側接当部84bと、該軒側接当部84bの軒側端部から下方に折曲した係合片87とが設けられ、収納凹部12の棟側を金属屋根材2の取付片82に締結具89により締結すると共に、前記軒側接当部84bを屋根材本体11の軒側の下面に沿わせかつ係合片87を前記係止片21の内面に沿わせるように、収納凹部12の軒側を金属屋根材2の軒側に嵌合することにより、前記金属屋根材2とは別体に構成した収納凹部12が、金属屋根材2に固着されている点にある。
【0009】
従って、金属屋根材2とは別体に構成した収納凹部12を、金属屋根材2の開口部81を塞ぐように簡単かつ確実に取り付けることができる。
また、本発明の技術的手段は、端子ボックス53が下方突設された太陽電池4を、金属屋根材2の上面に添って配置するようにした太陽電池モジュールにおいて、
金属屋根材2に端子ボックス53を挿通する挿通窓71が設けられ、金属屋根材2の挿通窓71の棟側に水抜き孔72が設けられ、金属屋根材2の下方に、水切り72が、端子ボックス53を収納すると共に挿通窓71及び水抜き孔72の下方に位置するように設けられている点にある。
【0010】
従って、金属屋根材2に水抜き孔72があるため、太陽電池4と金属屋根材2との間に雨水が侵入しても、挿通窓71又は端子ボックス53に達する前に水抜き孔72から金属屋根材2の下方に流れて、水切り73により受けることができる。このため、挿入窓71から雨水が漏水するようなことがなくなり、確実な防水をすることができる。
また、本発明の技術的手段は、端子ボックス53が下方突設された太陽電池4を、金属屋根材2の上面に添って配置するようにした太陽電池モジュールにおいて、
金属屋根材2に、端子ボックス53を挿通する挿通窓71が設けられ、金属屋根材2の挿通窓71の開口縁部に、防水シール75が、挿通窓71の開口縁部と太陽電池4の下面との間を塞ぐように設けられている点にある。
【0011】
従って、太陽電池4と金属屋根材2との間に雨水が侵入しても、防水シール75によって挿通窓71から雨水が漏水しないように確実に防水をすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3において、1は太陽電池モジュールで、金属屋根材2とベース3と太陽電池4と左右一対の吊り子5と左右一対の支持板6と縦樋7と左右一対のストッパー8とを備える。
この太陽電池モジュール1(金属屋根材2)は、図5に示すように野地板9上に多数配置され、例えば上段(棟側)の太陽電池モジュール1(金属屋根材2)と下段(軒側)の太陽電池モジュール1(金属屋根材2)とは左右方向に1/2モジュールずらされ、多数の太陽電池モジュール1(金属屋根材2)は千鳥状に配置される。なお、太陽電池モジュール1の配置は千鳥状に限らず、ストレートの配置であってもよい。
【0013】
各金属屋根材2は平坦状の屋根材本体11を備え、屋根材本体11の中央部に長方形状の収納凹部12が設けられている。各金属屋根材2の左右両端に、屋根材本体11から下方に折曲した折曲縁部13が設けられている。
金属屋根材2の収納凹部12は、図1に示すように底壁14と屋根材本体11から底壁14に向けて下降傾斜した傾斜壁15とを備え、傾斜壁15は、棟側傾斜壁と軒側傾斜壁15bと一対の左右傾斜壁とを矩形状に有し、軒側傾斜壁15bは、底壁14の軒側に底壁14から軒側に向けて前上がりに緩やかに傾斜しており、図1に示すように金属屋根材2を野地板9上に配置したとき、収納凹部12の底壁14が軒側下がりに傾斜すると共に軒側傾斜壁15bが略水平状態又はやや軒側下がりに傾斜するようになっている。軒側傾斜壁15bにバーリング加工による通孔19が設けられ、通孔19の開口縁部には上方突出した筒状突起19aが設けられている。
【0014】
各金属屋根材2の棟側端部に、屋根材本体11から上側にコの字状又はU字状に折り返された水返し16が設けられ、水返し16の上側平坦部が棟側重合片17とされている。また、各金属屋根材2の棟側端部に、水返し16から棟側に断面U字状に延長した横樋18が設けられている。
金属屋根材2の軒側端部に、係止片21と折り返し片22と軒側重合片23とが設けられている。係止片21は屋根材本体11の軒側端部から下方に折曲され、折り返し片22は係止片21の下端から棟側に折り返され、軒側重合片23は、折り返し片22の先端側から下側に折り返して形成されている。従って、折り返し片22は、下側に折り返して棟側に突出するように設けられ、軒側重合片23は棟側に突出しかつ軒側重合片23の上方が折り返し片22で覆われている。
【0015】
なお、左右に隣合う金属屋根材2の折曲縁部13同士は適当な接続手段によって互いに密着して接続される。
前記ベース3は金属屋根材2の踏み強度や断熱性を保つためのもので、発砲樹脂等で構成され、各金属屋根材2の下方に配置されている。
ベース3は軒側端部から棟側端部に向けて序々に肉厚が薄くなる楔形に形成されている。ベース3の左右方向中央部に、金属屋根材2の収納凹部12に対応して嵌合凹部27が設けられている。ベース3上面の左右方向の一端部に樋収納凹部30が水流れ方向に形成されている。
【0016】
吊り子5は、各ベース3の軒側端部に左右一対ずつ設けられている。各吊り子5は、野地板9に固定するための固定部35と、ベース3の下面に配置される固着部36と、固定部35から立ち上がった前立ち上がり部37と、固着部36から立ち上がった後立ち上がり部38と、前立ち上がり部37と後立ち上がり部38との間の受け部39とを有し、受け部39にネジ孔40が左右一対設けられている。
支持板6は、各ベース3の上面に左右一対ずつ設けられている。各支持板6は、支持板6の棟側端部に、下側にLの字状に折れ曲がった係合片43と、上側にL字状に切り起こし形成した係止片44とが設けられ、支持板6の軒側端部に、下方に折れ曲がった折曲片45が設けられ、この折曲片45にネジ孔46が設けられ、支持板6の軒側中途部に取付孔47が前記ネジ孔40に対応して左右一対設けられている。
【0017】
左右一対の支持板6は、ベース3の上面に添うように配置されると共に、各支持板6の軒側中途部が吊り子5の受け部39上に配置され、ネジ孔40に螺合する止めネジ50により左右一対の支持板6の軒側中途部が左右一対の吊り子5に対して夫々締め付け固定され、これにより左右一対の支持板6と左右一対の吊り子5との間でベース3を挟持し、ベース3、左右一対の支持板6及び左右一対の吊り子5が一体となるように組み立てられている。
太陽電池4は、ガラス51の下面に太陽電池セル52を接着してなり、太陽電池4の下面中央部に端子ボックス53が下方突出されている。
【0018】
なお、金属屋根材2に太陽電池4を設けない場合は、金属屋根材2には収納凹部12は不要となり、金属屋根材2の収納凹部12は省略される。また、ベース3の嵌合凹部27も省略してもよい。
太陽電池4の端子ボックス53が金属屋根材2の収納凹部12に収納されて、収納凹部12はベース23の嵌合凹部27に嵌合され、この状態で太陽電池4は金属屋根材2の屋根材本体11の上面に夫々載置されて、屋根材本体11の上面に図1に示す接着剤28により接着されている。太陽電池4の端子ボックス53から突出した一対のリード線55が収納凹部12の通孔19から金属屋根材2の下面側に引き出されている。一対のリード線55の先端に防水コネクタ55aが設けられており、通孔19はこの防水コネクタ55aを挿通できるように直径20mm程度の大きさに形成されている。この筒状突起19aの高さは4mm程度であり、仮に収納凹部12に雨水が侵入することがあっても、雨水を筒状突起19aで堰き止めることにより、通孔19から金属屋根材2の下面側には雨水が侵入しないようになっている。
【0019】
金属屋根材2の軒側端部に、金属屋根材2に対して太陽電池4の軒側への移動を規制するストッパ−8が左右一対設けられている。前記太陽電池4の棟側端部は金属屋根材2の屋根材本体11と前記棟側重合片17との間で嵌合保持され、太陽電池4の軒側端部は、前記ストッパー8と屋根材本体11との間で嵌合保持されている。
前記ストッパー8は、図3に示すように取付孔を有する取付部59と押さえ部60とを有し、ネジ孔46に螺合する止めネジ54によって金属屋根材2の係止片21と共に支持板6の折曲片45に締め付け固定され、これにより金属屋根材2の軒側端部が支持板6に固定されている。また、吊り子5の受け部39上に支持板6を介して金属屋根材2の軒側端部が載せられ、これにより吊り子5で金属屋根材2の軒側端部を野地板9から浮かせて、金属屋根材2を野地板9上に配置する際に、上段の金属屋根材2の軒側端部を持ち上げることなく、該上段の金属屋根材2の軒側端部の下に、下段側の金属屋根材2の棟側端部が挿入できるようになっている。金属屋根材2の棟側端部は、横樋18が係止片44に係合されて、係止片44により金属屋根材2の棟側端部が支持板6乃至ベース3から上方に浮かないように規制されている。
【0020】
縦樋7は、ベース23の樋収納凹部30に嵌合保持され、両面接着テープ等により樋収納凹部30の底面に接着固定されている。ベース3の樋収納凹部30は金属屋根材2の左右方向外端よりも左右方向外方に突出され、縦樋7の左右方向の外端部は金属屋根材2の左右方向外端よりも左右方向外方に突出されて、左右に隣合う太陽電池モジュール1の金属屋根材2の対向端部の下方に位置し、縦樋7が左右に隣合う金属屋根材2の対向端部間に股がるようになっている。また、左右に隣合う金属屋根材2の折曲縁部13が上側から縦樋7内に挿入されている。
【0021】
図3に示すように上段の太陽電池モジュール1の軒側端部の下方に、下段の太陽電池モジュール1の棟側端部が挿入され、これにより下段の太陽電池モジュール1の支持板6の係合片43及び係止片44が上段の太陽電池モジュール1の吊り子5の前立ち上がり部37に接当され、上段の金属屋根材2の軒側重合片23と下段の金属屋根材2の棟側重合片17とが、軒側重合片23を上にし棟側重合片17を下にして上下に重合されている。
重合された上段の金属屋根材2の軒側重合片23と下段の金属屋根材2の棟側重合片17とは結合部材61によって上下に挟持されると共に、重合された軒側重合片23と棟側重合片17との先端間が軒側から塞がれている。
【0022】
そして、上段の金属屋根材2の折り返し片22が、上段の金属屋根材2の軒側重合片23と下段の金属屋根材2の棟側重合片17との重合部分を結合部材61を含めて、上方から覆っている。
上記実施の形態によれば、太陽電池モジュール1を設置する場合、作業者は棟側を向いた状態で、野地板9上に太陽電池モジュール1(金属屋根材2)を棟側から順次配置し、吊り子5の固定部35の取付孔を利用して、釘66で吊り子5の固定部35を野地板9及び垂木67に固定する。
【0023】
そして、金属屋根材2に収納凹部12があるため、太陽電池4の端子ボックス53を収納凹部12に収納することにより、金属屋根材2に端子ボックス挿入窓を形成することなく、太陽電池4を金属屋根材2の上面に添って配置することができて、端子ボックス挿入窓が不要になり、このため端子ボックス挿入窓から雨水が漏水するようなことがなくなり、確実な防水をすることができる。
しかも、金属屋根材2を野地板9上に配置したとき、収納凹部12の底壁14が軒側下がりに傾斜すると共に、軒側傾斜壁15bが略水平状態又はやや軒側下がりに傾斜するようになっているので、収納凹部12に雨水が侵入しても、その侵入した雨水は底壁14から軒側傾斜壁15b側に流れるため、端子ボックス53が雨水によって濡れる恐れが非常に少なくなる。また、軒側傾斜壁15bに設けた通孔19の開口縁部には上方突出した筒状突起19aが設けられているので、収納凹部12に侵入した雨水を筒状突起19aで堰き止めることにより、通孔19から金属屋根材2の下面側に雨水が不測に侵入しなくなるし、通孔19から端子ボックス53から突出したリード線55にも流れなくなり、リード線55の防水をより確実なものになし得る。
【0024】
なお、前記実施の形態の場合、後述する図6〜図8の実施の形態の場合と同様に、収納凹部12の軒側傾斜壁15bの軒側端部に、水抜き孔88を設けるようにしてもよい。
図6〜図8は他の実施の形態を示し、金属屋根材2の屋根材本体11に、端子ボックス53を挿通する開口部81が設けられ、端子ボックス53を収納する収納凹部12が金属屋根材2とは別体に構成され、収納凹部12が、前記開口部81を塞ぐように金属屋根材2に取り付けられている。
【0025】
金属屋根材2の軒側端部に、前記実施の形態の場合と同様に屋根材本体11から下方に折曲された係止片21と、係止片21の下端から棟側に折り返された折り返し片22と、折り返し片22の先端側から下側に折り返された軒側重合片23とが設けられている。また、金属屋根材2の前記開口部81の棟側開口縁に、下方に傾斜突出した取付片82が設けられている。
前記金属屋根材2とは別体に構成した収納凹部12は、金属屋根材2の前記開口部81の開口縁部の下面に接当される接当部84と、該接当部84から下方に傾斜した傾斜壁15と、金属屋根材2の屋根材本体11に略平行な底壁14とを備え、接当部84の軒側端部に、下方に折曲した係合片87が設けられている。
【0026】
接当部84は、棟側接当部84aと軒側接当部84bと一対の左右接当部84cとを矩形状に有し、傾斜壁15は、棟側傾斜壁15aと軒側傾斜壁15bと一対の左右傾斜壁15cとを矩形状に有している。軒側傾斜壁15bは、底壁14の軒側端部から金属屋根材2の屋根材本体11に向けて緩やかに傾斜し、該軒側傾斜壁15bに、前記実施の形態の場合と同様に、バーリング加工による通孔19が設けられ、通孔19の開口縁部には上方突出した筒状突起19aが設けられている。また、軒側傾斜壁15bの軒側端部に、水抜き孔88が設けられている。この水抜き孔88は、図示省略しているが、例えば下段の太陽電池モジュール1(金属屋根材2)の横樋18の上方に位置しており、収納凹部12に雨水が侵入した場合、この侵入した雨水を水抜き孔88を通して下段の太陽電池モジュール1(金属屋根材2)の横樋18にスムーズに排出できるようになっている。
【0027】
前記軒側接当部84bは、金属屋根材2の前記開口部81の軒側開口縁部から屋根材本体11の軒側端部に亘る下面に沿い、係合片87が金属屋根材2の前記係止片21の内面に沿っており、収納凹部12の軒側傾斜壁15bが金属屋根材2の取付片にビス等の締結具89により締結されると共に、軒側接当部84bを屋根材本体11の軒側の下面に沿わせかつ係合片87を金属屋根材2の係止片21の内面に沿わせるように、収納凹部12の軒側を金属屋根材2の軒側に嵌合させることにより、前記金属屋根材2とは別体に構成した収納凹部12が、金属屋根材2に着脱自在に固着されている。
【0028】
そして、金属屋根材2を野地板9上に配置したとき、収納凹部12の底壁14が軒側下がりに傾斜すると共に軒側傾斜壁15bが略水平状態又はやや軒側下がりに傾斜するようになっている。
その他の点は前記実施の形態の場合と同様の構成である。
上記実施の形態によれば、金属屋根材2の屋根材本体11に、端子ボックス53を挿通する開口部81が設けられ、端子ボックス53を収納する収納凹部12が金属屋根材2とは別体に構成され、収納凹部12が、前記開口部81を塞ぐように金属屋根材2に取り付けられているため、太陽電池4の端子ボックス53を収納凹部12に収納することにより、太陽電池4を金属屋根材2の上面に添って配置することができる。また、金属屋根材2に端子ボックス53を挿通する開口部81が設けられているにも拘わらず、端子ボックス53を収納する収納凹部12で開口部81を塞ぐことができ、このため端子ボックス53を挿通する開口部81等から雨水が漏水するようなことがなくなり、確実な防水をすることができる。
【0029】
しかも、金属屋根材2を野地板9上に配置したとき、収納凹部12の底壁14が軒側下がりに傾斜すると共に傾斜壁15が略水平状態又はやや軒側下がりに傾斜するようになっているので、収納凹部12に雨水が侵入しても、その侵入した雨水は底壁14から軒側傾斜壁15b側に流れて、端子ボックス53が雨水によって濡れる恐れが非常に少なくなるし、侵入した雨水を水抜き孔88を通して、下段の太陽電池モジュール1(金属屋根材2)の横樋18にスムーズに排出することもできる。
【0030】
図9は他の実施の形態を示し、金属屋根材2の左右方向の中央部に、端子ボックス53を収納する収納凹部12を、水流れ方向に全長に亘って形成したものであり、図示省略しているが、収納凹部12の軒側端部は下段の太陽電池4又は金属屋根材2上に開放されている。
従って、この場合も、金属屋根材2に収納凹部12があるため、太陽電池4の端子ボックス53を収納凹部12に収納することにより、金属屋根材2に端子ボックス挿入窓を形成することなく、太陽電池4を金属屋根材2の上面に添って配置することができて、端子ボックス挿入窓が不要になり、このため端子ボックス挿入窓から雨水が漏水するようなことがなくなり、より確実な防水をすることができる。また、仮に金属屋根材2の収納凹部12に雨水が侵入した場合には、侵入した雨水は収納凹部12を軒側に向けて流れ、下段の太陽電池4又は金属屋根材2上に排水される。
【0031】
図10は他の実施の形態を示し、金属屋根材2前後方向の中央部に、端子ボックス53を収納する収納凹部12を、左右方向に全長に亘って形成したものであり、図示省略しているが、収納凹部12の左右方向両端は図2に示す前記縦樋7に連通されている。
従って、この場合も、金属屋根材2に収納凹部があるため、太陽電池4の端子ボックス53を収納凹部12に収納するこにより、金属屋根材2に端子ボックス挿入窓を形成することなく、太陽電池4を金属屋根材2の上面にに添って配置することができて、端子ボックス挿入窓が不要になり、このため端子ボックス挿入窓から雨水が漏水するようなことがなくなり、より確実な防水をすることができる。また、金属屋根材2の収納凹部12に仮に雨水が侵入した場合には、侵入した雨水は縦樋7に排水される。
【0032】
図11〜図13は他の実施の形態を示し、金属屋根材2の中央部に、端子ボックス53を挿通する挿通窓71が設けられると共に、該挿通窓71の棟側に水抜き孔72が設けられ、金属屋根材2の下方に、水切り73が設けられている。水切り72は挿通窓71及び水抜き孔72の下方に位置し、水切り17に、挿通窓71から下方突出した端子ボックス53を収納しており、挿通窓71及び水抜き孔72から漏水した雨水を水切り73で受けて、下段の太陽電池モジュール1の金属屋根材2上に排水するようになっている。
【0033】
図14及び図15は他の実施の形態を示し、金属屋根材2の中央部に、端子ボックス53を挿通する挿通窓71が設けられ、金属屋根材2の挿通窓71の開口縁部に、円弧状の保持部76が設けられ、この保持部76にOリングにより構成した防水シール75が嵌合保持され、防水シール75は挿通窓71の開口縁部の全長に亘って設けられ、防水シール75は太陽電池4の下面に密着されて、金属屋根材2の挿通窓71の開口縁部と太陽電池4の下面との間を塞いでいる。この場合、防水シール75により金属屋根材2の挿通窓71の開口縁部と太陽電池4の下面との間を塞いで、雨水が挿通窓から金属屋根材2の下面側に漏れるのを防止する。
【0034】
図16は他の実施形態を示し、金属屋根材2に、端子ボックス53を挿通する挿通窓71が設けられ、金属屋根材2の挿通窓71の開口縁部に、防水シール75が、金属屋根材2の挿通窓71の開口縁部と太陽電池4の下面との間を塞ぐように設けられている。この場合、防水シール75により金属屋根材2の挿通窓71の開口縁部と太陽電池4の下面との間を塞いで、雨水が挿通窓71から金属屋根材2の下面側に漏れるのを防止する。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、端子ボックス挿入窓から雨水が漏水するようなことがなくなり、漏水のおそれのない太陽電池モジュールを提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す金属屋根材部分の側面断面図である。
【図2】同分解斜視図である。
【図3】同側面断面図である。
【図4】同構成部材の位置関係を示す平面図である。
【図5】同野地板上に配置した太陽電池モジュールの配置状態を示す平面図である。
【図6】他の実施形態を示す金属屋根材部分の側面断面図である。
【図7】同金属屋根材の開口部部分の平面図である。
【図8】同収納凹部の平面図である。
【図9】他の実施形態を示す分解斜視図である。
【図10】他の実施形態を示す斜視図である。
【図11】他の実施形態を示す斜視図である。
【図12】同側面断面図である。
【図13】同水切り及び端子ボックスの斜視図である。
【図14】他の実施形態を示す斜視図である。
【図15】同側面断面図である。
【図16】他の実施形態を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 太陽電池モジュール
2 金属屋根材
4 太陽電池
12 収納凹部
53 端子ボックス
71 挿通窓
72 水抜き孔
73 水切り
75 防水シール
81 開口部
82 取付片
84b 軒側接当部
85b 軒側傾斜壁
87 係合片
88 水抜き孔
89 締結具
Claims (4)
- 端子ボックス(53)が下方突設された太陽電池(4)を、金属屋根材(2)の上面に添って配置するようにした太陽電池モジュールにおいて、金属屋根材(2)に、端子ボックス(53)を収納する収納凹部(12)が設けられ、
前記収納凹部(12)は、底壁(14)を備えると共に、底壁(14)の軒側端部から金属屋根材(2)の屋根材本体(11)に向けて傾斜した軒側傾斜壁(15b)を備え、金属屋根材(2)を野地板(9)上に配置したとき、収納凹部(12)の底壁(14)が軒側下がりに傾斜すると共に軒側傾斜壁(15b)が略水平状態又はやや軒側下がりに傾斜するように構成されていることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 端子ボックス(53)が下方突設された太陽電池(4)を、金属屋根材(2)の上面に添って配置するようにした太陽電池モジュールにおいて、金属屋根材(2)に、端子ボックス(53)を挿通する開口部(81)が設けられ、端子ボックス(53)を収納する収納凹部(12)が金属屋根材(2)とは別体に構成されて、前記開口部(81)を塞ぐように金属屋根材(2)に取り付けられ、
前記収納凹部(12)は、底壁(14)を備えると共に、底壁(14)の軒側端部から金属屋根材(2)の屋根材本体(11)に向けて傾斜した軒側傾斜壁(15b)を備え、金属屋根材(2)を野地板(9)上に配置したとき、収納凹部(12)の底壁(14)が軒側下がりに傾斜すると共に軒側傾斜壁(15b)が略水平状態又はやや軒側下がりに傾斜するように構成されていることを特徴とする太陽電池モジュール。 - 前記軒側傾斜壁(15b)の軒側端部に、水抜き孔(88)が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
- 金属屋根材(2)の軒側端部に、下方に折曲された係止片(21)と、係止片(21)の下端から棟側に折り返された折り返し片(22)とが設けられ、金属屋根材(2)の前記開口部(81)の棟側開口縁に、取付片(82)が設けられ、前記金属屋根材(2)とは別体に構成した収納凹部(12)に、屋根材本体(11)の軒側の下面に沿う軒側接当部(84b)と、該軒側接当部(84b)の軒側端部から下方に折曲した係合片(87)とが設けられ、収納凹部(12)の棟側を金属屋根材(2)の取付片(82)に締結具(89)により締結すると共に、前記軒側接当部(84b)を屋根材本体(11)の軒側の下面に沿わせかつ係合片(87)を前記係止片(21)の内面に沿わせるように、収納凹部(12)の軒側を金属屋根材(2)の軒側に嵌合することにより、前記金属屋根材(2)とは別体に構成した収納凹部(12)が、金属屋根材(2)に固着されていることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池モジュール。
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