JP3808872B2 - パン用食感改善剤および食パン - Google Patents

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この発明は、パン用食感改善剤および食パンに関する。
一般に、食パンや菓子パンなどのパン類は、その原料の配合がパンの種類によって異なるが、食パンの原料配合の一例としては、下記の表1に示す配合例がある。
Figure 0003808872
配合されたパンの原材料を直捏法によって生地に仕込む場合、まず、練り上げ(混捏)され、第1次醗酵、ガス抜き、次に第2次醗酵を経た後、ケース入れ、または仕上げ(分割、丸め、ねかし、整形、型詰)、焙炉(ホイロ)で焼き上げ、放冷し、型から取り出されてパンの製品となる。
このようなパン類には、需要者の嗜好にあわせた食感や風味を改良するために、ナッツ、ドライフルーツ、煮豆などを添加して仕上げることがある。
例えば、強力小麦粉1800g、砂糖60g、食塩20g、有塩バター150g、ドライイースト30gを原料とし、豆類として予め煮ておいた大豆300g、うずら豆200g、赤えんどう豆300g、黒豆300gを加えて醗酵させて生地を生成し、その後に所定量を分けて焙炉で焼成する抗酸化性の高いパンが知られている(特許文献1参照)。
また、大豆エキスおよびプロテアーゼやアミラーゼなどの酵素ミックスを使用することによって、大豆本来が有するレスチンなどにより乳化作用が発揮されてパンの出来上がりは改良され、口溶けの良いパンに仕上がることが開示されている(特許文献2参照)。
本来、パンの食感を改良するためには小麦の種類や品種に応じて強力粉の異なる特性を利用して、その配合割合を変えて生地を調整する手法がある他、製菓・製パン用の食感改善剤としてグルテン製剤(協和発酵社製:プロビアン)などが周知である。このものは、酵素によってグルテンとレシチンの結合体を形成させたものであり、添加した生地に食感などの改良を図れるものである。
特開平9−9858号公報(段落[0025]) 特開2003−79305号公報(段落[0005])
しかし、上記した従来のパン用食感改善剤は、焼成されたパンの弾力性の向上による食感の改善効果は比較的穏やかなものであり、この発明が所期する独特な弾力性ある食感まで得られるものではなかった。
また、従来のパン製造方法では、黒豆を煮てその全粒を混合しても生地の全体は均質に改善できず、焼成パンの全体に弾力性が高まるような食感の向上はみられなかった。また、品種が黒豆とは異なる丸大豆(黄大豆の他、ミソマメとも称される。以下、同じ。)のエキスを添加してもパン生地の弾力性の改善効果はそれほど大きくなく、この発明で所期した程度には弾力性を高めた食感が得られなかった。
また、黒大豆とは品種が異なる丸大豆には、健康に有用な成分が黒大豆ほど多量に含有されておらず、弾力性の改善の程度も僅かである。例えば丸大豆には、イソフラボンが黒豆の約1/2量しか含まれておらず、アントシアニンも殆ど含有されておらず、またエキスを添加してパン生地を製造した発明では、必須成分として酵素ミックスを配合していることもあり、餅のような弾力性のある食感は望めなかった。
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、パン生地全体に餅のように独特な弾力性のある食感(いわゆるモチモチとした噛み応えのある食感)に改善できるパン用食感改善剤とし、しかも、そのような独特な食感で嗜好性が高い食品となり、また健康的にも好ましいイソフラボンやアントシアニンを多量に含んでいて、健康に有用な食品としても付加価値の高い食パンにすることである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、黒大豆の熱水抽出物を有効成分とするパン用食感改善剤としたのである。
このようなパン用食感改善剤とすることにより、パン生地の一部のみではなくその全体に均一な餅のように独特な弾力性のある食感が得られ、特に日本人等の嗜好に適した食品を製造できる食感改善剤になる。またイソフラボンやアントシアニンを添加できる食感改善剤になる。
また、パンについて前記した同様の課題を解決するために、小麦粉、イースト、砂糖を必須成分とするパン生地材料100重量部に対して、黒大豆の熱水抽出液の濃縮物(比重1.1以上(g/cm3))を5〜20重量部添加し、混練して醗酵させた生地を焼成してなる食パンとしたのである。
上記したように構成されるこの発明に係る食パンは、所定の配合割合で前記食感改善剤を配合することにより、パン生地全体に餅のように独特な弾力性のある食感が確実に得られ、かつ健康的にも好ましいイソフラボンやアントシアニンを多量に含む食パンになる。
この発明は、以上説明したように、黒大豆の熱水抽出物を有効成分とするパン用食感改善剤としたので、パン生地の一部ではなく全体に、特に日本人等の嗜好に適当な餅のような弾力性ある食感を与えられるパン用食感改善剤になり、またそれと共に健康に有用なイソフラボンやアントシアニンを添加できる食感改善剤になる利点がある。
また、この発明の食パンは、黒大豆の熱水抽出液の濃縮物を所定量配合することにより、パン生地全体に餅のような独特な弾力性のある食感を確実に得られるものになり、かつ健康的にも好ましいイソフラボンやアントシアニンを多量に含む食パンになる利点がある。
この発明に用いる黒大豆は、マメ科の一年生作物である大豆(Glycine max(L.) Merr)のうち、種子の皮の黒い一品種をいう。
このように黒大豆は、系統学的な分類では大豆の一品種であるが、黄大豆とは含有されている成分が異なり、体に有用なポリフェノールのうち、黄大豆には殆ど含まれていないアントシアニンを多量に含み、また植物エストロゲンであるイソフラボンも黄大豆の2倍程度も多量に含んでいる特異な品種である。
因みに、アントシアニンは、優れた抗酸化作用を有するポリフェノールであり、体内で活性酸素発生を抑制する作用があり、また黒豆には、コレステロールをさげるグリシニン、リノール酸、レシチン、リグニンや中性脂肪を下げるリノレン酸などの不飽和脂肪酸が含まれ、他にも血管を広げるビタミンEや塩分をだし血圧を下げるカリウム、血液をサラサラにする植物エストロゲンのゲニスチンやダイズイン、大豆サポニン、クリサンテミンなど数多くの成分を含む。
前記したうち、大豆サポニンは、配糖体の一種であり、過酸化脂質の増加を防ぎ、脂質の代謝を促進して高脂血症を予防し、高血圧症、動脈硬化症、肝臓障害の改善に有効な成分である。
このような多くの有用成分を含有する黒大豆の熱水抽出物は、大気圧の雰囲気で加熱して沸騰状態にして比重1.1(g/cm3)以上、好ましくは1.1〜1.3(g/cm3)に煮詰めたものを用いて好ましい結果を得ている。すなわち、具体的な加熱温度と加熱時間の例としては、90℃以上(100℃以下)に加熱されて以後2時間以上が好ましい加熱条件である。
パン用食感改善剤は、上記のようにして得られる黒大豆の熱水抽出物(比重1.1以上)をそのまま原液として用いるか、またはパンに所望される食感を調節するために、適宜に希釈して有効性を調整して用いるものである。
すなわち、食パンなどのパンを製造する場合に、先ず、小麦粉とイーストを必須成分とするパン生地材料100重量部に対して、黒大豆の熱水抽出液の濃縮物(比重1.1(g/cm3)以上、好ましくは1.1〜1.3(g/cm3))を5〜20重量部添加することが好ましい。パン生地材料は、小麦粉、イースト、砂糖を必須成分とするものであってもよく、適宜に水、牛乳などを添加することもできる。
そして、混練して醗酵させた生地を焼成し、例えば食パンを製造する。焼成前の生地醗酵時間は、40分程度が好ましく、その後の二次醗酵では、40℃で湿度75%で60分程度行なうことが好ましい。
焼成は、特に温度や時間を限定するものではなく、例えば200℃で40分程度焼くことが好ましい。
[黒大豆の熱水抽出物の製造]
150kgの黒大豆に水を加えて沸騰させ、その後90℃で20時間加熱し、濾過して皮などを除いた後、真空ニーダーを用いて1460kgの煮汁(76℃)を真空濃縮して比重1.11(g/cm3)で約10倍に濃縮された144kgの黒大豆の熱水抽出物を得た。
[食パンの製造(実施例2と比較例1)]
実施例2では実施例1で得られた黒大豆の熱水抽出物(以下、濃縮黒豆エキスと称する。)を用い、比較例1ではそれを配合せずに、以下の表2に示す配合割合(重量部)で原料を混捏して生地を製造した。
Figure 0003808872
生地は、練り上げた後、40分放置してねかせ、180gに分割し、さらに20分ねかし、ケースに入れて40℃で湿度75%の焙炉(ホイロ)に1時間入れ、200℃で40分焼成して食パンを製造した。
得られた食パンを以下の方法で官能検査をした。すなわち、臭覚および味覚共に正常な成人女性12名のパネリストで試食し、下記の表3に示す基準で評価した。
Figure 0003808872
この官能検査の結果を上記の評価基準により採点すると、比較例1を0点として、実施例2の評価は、平均で2.08であった。これにより、実施例2の食パンの粘りがある食感で評価される弾力性は、通常の食パンに比べて強く、パネリストの感想を総合的に判断するとモチモチとした独特な弾力性のある食感が得られていることがわかった。

Claims (2)

  1. 小麦粉、イースト、砂糖を必須成分とするパン生地材料100重量部に対して、黒大豆の熱水抽出液の濃縮物(比重1.1以上(g/cm3))を5〜20重量部添加し、混練して醗酵させた生地を焼成してなる食パン。
  2. 小麦粉、イースト、砂糖を必須成分とするパン生地材料100重量部に対して、黒大豆の熱水抽出液の濃縮物(比重1.1〜1.3(g/cm3))を5〜20重量部添加し、混練して醗酵させた生地を焼成してなる食パン。
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