JP3808687B2 - 印字装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、たとえば連続紙を全体的に一定方向に沿って搬送しつつ、その連続紙に対して1行ごとに印字を施す印字装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、ミシン目で繋がれた伝票や帳票などの連続紙を用いた印字装置には、連続紙を高速に搬送しながらドットインパクト方式で1行ごとにまとめて印字を行う、いわゆるライン印字方式のものがある。このような印字装置には、連続紙の搬送経路途中に印字ユニットやインクリボン、さらにはプラテンローラなどが印字部として設けられている。また、印字位置精度を良好とするために、連続紙の幅方向に渡る両側には、多数の送り穴が一定間隔に設けられており、印字部近傍の上流側には、これらの送り穴にかみ合いつつ連続紙を印字部へと送るトラクタが設けられている。一方、印字部近傍の下流側には、トラクタの送り動作に連動して連続紙をさらに下流側へと送るための搬送ローラが設けらている。
【0003】
つまり、印字部付近の連続紙は、主としてトラクタの送り動作により上流側から下流側へと一定方向に搬送されつつ印字部を通過していく。このとき、印字部において連続紙が弛んだ状態で印字されると、良好な印字品質が得られない。そのため、下流側の搬送ローラによる送り動作は、上流側のトラクタよりも若干速くされ、印字部付近の連続紙は、トラクタにより拘束されつつある程度の張力によって張られた状態で搬送されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、印字開始当初において、連続紙の先端部が印字部に位置する際には、下流側の搬送ローラにその先端部が達しない状態とされる。つまり、連続紙の先端部は、自由端とされることから弛んだ状態となりやすく、そうした状態で先端部付近に印字を施すと、印字位置精度が悪くなってしまう。また、伝票や帳票などの連続紙は、複数枚が重ねて綴じられていたり、糊付けされていたり、ミシン目で折り曲げられているため、先端部における摩擦負荷の変動により弛みが発生しやすく、印字位置精度に悪影響を及ぼすおそれがあった。
【0005】
一方、印字終了間際において、連続紙の後端部が印字部に位置する際には、上流側のトラクタをその後端部が既に通過した状態とされる。つまり、連続紙の後端部は、もはや上流側のトラクタに拘束されることなく、そのトラクタよりも速い送り動作を行う搬送ローラに従って変移するので、1行ごとの印字間隔が間延びした状態となって印字位置精度が変化するという難点があった。
【0006】
そのため、従来においては、連続紙の先端部や後端部に対する印字を避けるべく、一旦上流側のトラクタから下流側の搬送ローラまで連続紙を張り渡す状態とし、そうして準備した後、連続紙の搬送を開始して1行ごとに印字を行うものとしている。要するに、連続紙の先頭ページおよび最終ページは、印字を施さない領域として利用されないので、その分無駄が生じてランニングコストが上昇するという問題があった。
【0007】
【発明の開示】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、連続紙の先端部付近あるいは後端部付近に対しても、印字位置精度を良好に保ちながら印字を施すことができ、連続紙を用いて印字する場合のランニングコストを抑えることができる印字装置を提供することを、その課題とする。
【0008】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
すなわち、本願発明によれば、連続紙が通過する印字部の連続紙搬送方向の上流側および下流側にそれぞれ上記連続紙を搬送する搬送手段を有する印字装置であって、上記上流側の搬送手段を順方向に送り動作させることにより、上記連続紙の印字位置が上記印字に対向する位置まで上記連続紙を前進させて一旦停止させる第1の前進動作制御手段と、上記上流側および下流側の搬送手段を順方向に送り動作させることにより、上記連続紙の先端部が上記下流側の搬送手段によって搬送される位置まで上記連続紙を前進させる第2の前進動作制御手段と、上記上流側の搬送手段を逆方向に送り動作させることにより、上記第2の前進動作制御手段によって前進させられた上記連続紙を、その印字位置が上記印字部に対向する位置まで後退させて一旦停止させる後退動作制御手段と、上記第1の前進動作制御手段又は上記後退動作制御手段によって一旦停止された上記連続紙に上記印字部により印字を行わせる印字動作制御手段と、上記連続紙における印字位置が上記印字部に対向した状態で上記連続紙の先端が上記下流側の搬送手段に達しない印字開始当初において、上記第1の前進動作制御手段と上記印字動作制御手段とを動作させて上記連続紙の先端部の印字を行わせた後、上記第2の前進動作制御手段及び上記後退動作制御手段と上記印字動作制御手段とを動作させて上記連続紙の先端部以降の印字を行わせる制御手段とを備えた印字装置が提供される。
【0010】
このような印字装置によれば、印字開始当初において、連続紙の先端部が下流側の搬送手段に達しない状態とされるが、この連続紙は、一旦上流側から下流側の搬送手段まで張り渡された状態とされ、その後、逆方向に後退することで弛みのない姿勢とされる。このような動作を繰り返しながら先端部付近には、1行ずつ印字が施される。したがって、印字直前の先端部付近は、弛みのない状態とされるので、先端部付近から印字を続けて行い、その先端部が完全に下流側の搬送手段を通過してしまった通常の状態でも、印字位置精度が変わりなく一定の精度を保ちながら印字を続けることができる。これにより、連続紙の先頭ページを無駄にすることなく用いることができ、連続紙の印字に際してランニングコストを抑えることができる。
【0013】
上記印字装置の好ましい実施の形態によれば、上記印字部には、上記連続紙の表面に向けてインクリボンを打ち付けるための印字手段と、この印字手段に対向位置して上記連続紙を裏面側から支持するプラテンローラと、このプラテンローラと上記印字手段との間を通過する上記連続紙の一部を、上記プラテンローラに対して付勢するリボンセパレータとが設けられている構成とすることができる。
【0014】
このような構成によれば、印字部における連続紙は、リボンセパレータにより付勢力をもってプラテンローラに押し当てられつつ搬送されるので、連続紙の先端部付近や後端部付近が印字手段の直下に位置する状態でも、連続紙が弛むことなく適正な姿勢に保たれ、印字位置精度を良好としながら先端部付近や後端部付近に対して印字を施すことができる。
【0015】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う発明の実施の形態の説明によって、より明らかになるであろう。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0017】
図1は、本願発明に係る印字装置の一実施形態として、その要部を示した概略斜視図、図2は、印字装置の要部を模式的に示した図である。なお、本願発明は、連続紙の搬送制御に特徴を有するものであって、基本的構成は従来とほぼ同様であることから、各図において一部の部材を適宜省略する。
【0018】
図1および図2に示すように、印字装置の印字部周辺には、インクリボン1、印字ユニット(印字手段)2、プラテンローラ3、リボンセパレータ4、連続紙5、連続紙5を搬送するための一対のトラクタ(上流側の搬送手段)6,6、および一対の搬送ローラ(下流側の搬送手段)7,7、先端検出センサ8、後端検出センサ9、ならびに連続紙5を搬送経路に沿って案内するための複数のガイド板10…などが備えられる。これらのうち、インクリボン1、印字ユニット2、およびプラテンローラ3を配置した箇所が印字部とされる。なお、これらの図に示さないが、印字装置には、各種の動作を制御するためのマイクロコンピュータが内蔵されている。このマイクロコンピュータは、後述するように、印字開始当初の前進動作、後退動作、および印字動作を制御するための制御手段として機能する一方、印字終了間際に連続紙5の後端部が上流側のトラクタ6を通過する直前直後の動作を制御するための制御手段として機能する。
【0019】
インクリボン1は、無端環状としたものであって、連続紙5の搬送方向Fにほぼ直交する方向に沿って走行可能とされ、図1によく示すように、印字ユニット2と連続紙5との間に引き通されている。また、インクリボン1は、片面にインクを染み込ませたものであって、インクの染み込んだ面を連続紙5側に向けて印字ユニット2により打撃される。これにより、インクリボン1が連続紙5に対して強く押し当てられ、連続紙5の表面にインクが転写して印字が施される。このようなインクリボン1の走行動作は、マイクロコンピュータが走行機構(図示省略)を制御することにより行われる。
【0020】
印字ユニット2は、ハンマバンクとも言われ、インクリボン1と対面する側に多数の印字ヘッド(図示省略)を一定間隔に搭載したものである。1つの印字ヘッドには、たとえば24本のニードルピンが千鳥配列状に設けられている。これらの各ニードルピンがインクリボン1を直接打撃することで連続紙5に対して印字が施される。このような印字ユニット2は、リニアモータなどからなるシャトル機構(図示略)に連動し、連続紙5の搬送方向Fとほぼ直交する方向に沿って周期的に往復移動する。その往復移動中には、印字ヘッドからニードルピンが打ち出され、これにより連続紙5に対して印字が行われる。このような印字ユニット2の印字動作は、マイクロコンピュータがシャトル機構や印字ヘッドを制御することにより行われる。
【0021】
プラテンローラ3は、印字ユニット2に対向位置して連続紙5の裏面側に接するように配置されている。つまり、連続紙5は、プラテンローラ3と印字ユニット2との間を通過するものとされる。このような位置関係の上で連続紙5の表面に打ち付けられるインクリボン1は、連続紙5に対して一瞬密着した状態となるが、そのような密着性がリボンセパレータ4により除去される。リボンセパレータ4は、印字ユニット2に一体となって印字ヘッドの邪魔とならない位置に取り付けられている。また、リボンセパレータ4は、取り付け箇所を支点として弾性的に変位可能であり、その先端が連続紙5の両側付近に軽く触れる状態とされる。したがって、リボンセパレータ4は、連続紙5をプラテンローラ3に対して極めて軽度に付勢するが、連続紙5の搬送を妨げる程の付勢力を与えるものではない。
【0022】
連続紙5は、伝票や帳票などをミシン目で連続して繋いだものであって、幅方向に渡る両側には、一定間隔で延々と送り穴50が開けられている。送り穴50には、後述するトラクタ6の突起6aがかみ合わされる。このような連続紙5は、印字ユニット2などが位置する印字部を基準として見た場合、トラクタ6の配置側を上流とする一方、後述する搬送ローラ7の配置側を下流として、原則的に上流から下流の搬送方向Fに向けて搬送される。
【0023】
トラクタ6は、上記送り穴50と一致する間隔をもって複数並べた突起6aを図示しないステッピングモータなどを介して回転させ、連続紙5を拘束しつつ紙送りするものである。このトラクタ6によれば、連続紙5が印字ユニット2などに対してずれることなく、正確に一定の改行間隔ごとに搬送される。また、トラクタ6は、突起6aを一定方向に送り移動させることで連続紙5を搬送方向Fに沿って前進させるのみならず、突起6aを逆方向に反転移動させることも可能とされ、連続紙5を搬送方向Fに沿って後退させることもできる。このようなトラクタ6の反転動作は、印字開始当初において、連続紙5の先端部付近が印字部に達した状態で、しかもその先端部が下流側の搬送ローラ7に達しない状態で印字を施す際に一時的に行われる。なお、トラクタ6の動作は、マイクロコンピュータにより制御されるが、その詳細な動作説明については後述する。
【0024】
搬送ローラ7は、所定のピンチ圧によって複数のゴムローラ7aが密接しながら回転するように構成されたものであって、相対するゴムローラ7aの間に連続紙5を挟みつつ紙送りするものである。この搬送ローラ7は、通常、上記トラクタ6の紙送り動作に連動するとともに、それよりも若干速い紙送り速度をもって回転するものとされる。これにより、トラクタ6から搬送ローラ7に渡る連続紙5は、ある程度の張力により引っ張られた状態で搬送される。その一方、印字終了間際においては、連続紙5の後端部がトラクタ6を完全に通過してしまい、もはや拘束されない状態となるが、そうすると、搬送ローラ7の紙送り速度がそれまでより若干緩和され、減速するように切り替えられる。要するに、連続紙5の後端部付近が印字部に達した状態で、しかもその後端部が上流側のトラクタ6からはずれて完全に通過した状態では、搬送ローラ7の紙送り速度がトラクタ6の紙送り速度と等しくなるように制御される。その結果、後端部がトラクタ6から離れる直前直後にわたっても、連続紙5の搬送速度が変化することなく一定不変とされ、後端部付近に対してそのまま印字を施すことができる。なお、搬送ローラ7の動作は、マイクロコンピュータにより制御されるが、その詳細な動作説明については後述する。
【0025】
先端検出センサ8および後端検出センサ9は、たとえばフォトカプラなどからなるものであって、先端検出センサ8は、下流側の搬送ローラ7の近傍でそれよりさらに下流側に位置する一方、後端検出センサ9は、上流側のトラクタ6の近傍でそれよりさらに上流側に配置される。先端検出センサ8により連続紙5の先端部が検出されると、それに応じた先端検出信号がマイクロコンピュータに通知され、この先端部が下流側の搬送ローラ7を完全に通過した状態であることが認識される。一方、後端検出センサ9により連続紙5の後端部が検出されると、それに応じた後端検出信号がマイクロコンピュータに通知され、この後端部が上流側のトラクタ6を離れる状態が近いことが認識される。このような各検出信号に基づいてマイクロコンピュータは、印字開始当初の搬送動作や、印字終了間際の搬送動作を制御する。
【0026】
ガイド板10は、上流側のトラクタ6から印字部までの区間や、印字部から下流側の搬送ローラ7までの区間において、搬送状態にある連続紙5を安定した姿勢に保つために設けられている。こうしたガイド板10は、できる限り搬送方向Fに沿う幅寸法が短く、すなわち印字部周辺の搬送区間を短路とするのが望ましいが、各種の可動部品を印字部周辺に配置する必要性などから、ある程度の長さが必要とされる。
【0027】
次に、上記構成を有する印字装置の動作について図面を参照して説明する。
【0028】
図3〜図6は、印字開始当初における連続紙5の動きを説明するために示した説明図であって、まず、図3に示すように、印字開始当初においては、上流側のトラクタ6のみによって連続紙5が紙送りされ、その先端部5Aがリボンセパレータ4とプラテンローラ3との間に滑り込んだ状態で一時的に停止する。この状態において先端部5A付近には、印字ユニット2の印字動作に応じて1行分の印字が施される。
【0029】
次に、次行目の印字を行うべく所定の改行間隔だけ連続紙5を紙送りすればよいが、トラクタ6の紙送り動作のみによって先端部5Aを少し前進させ、下流側の搬送ローラ7に達する前の状態とすると、図4に示すように、先端部5A付近がプラテンローラ3などに対する摩擦負荷によって弛みやすい状態となる。このように弛んだ状態の先端部5A付近に対して印字を施したのでは、良好な印字品質が得られない。
【0030】
そのため、図5に示すように、1行分の印字を行った直後にトラクタ6は、相当分の紙送り動作を行うとともに、それに連動して下流側の搬送ローラ7を回転させることにより、連続紙5の先端部5Aを一対の搬送ローラ7,7間に挟み込ませた状態とする。こうして連続紙5の先端部5A付近は、ある程度の張力により真っ直ぐ引っ張られ、トラクタ6から搬送ローラ7にかけて張り渡された状態とされる。
【0031】
このように先端部5Aが一時的に搬送ローラ7,7に挟み込まれ、その先端部5Aがさらに前進することで先端検出センサ8により検出されると、図6に示すように、今度はトラクタ6の紙送り動作が反転することにより、連続紙5が搬送方向Fの逆方向に向けて後退する。この際、連続紙5が前進移動した距離から改行間隔分を差し引いた距離だけ連続紙5が後退させられる。すると、先端部5A付近は、真っ直ぐ延びた姿勢を保ちながら印字部に達することとなり、先端部5A付近の次行目に印字すべき箇所が印字ユニット2の直下に停止した状態とされる。そうした後、先端部5A付近に対して印字ユニット2の印字動作により次行目の印字が施される。このような一連の動作は、連続紙5の先端部5Aが下流側の搬送ローラ7を完全に通過するまで極めて迅速に繰り返し続けられ、これにより、連続紙5の先端部5A付近を含む先頭ページに対して一定の改行間隔をもって印字が施されることとなる。
【0032】
以上のように印字を開始してからしばらく印字を続けていると、連続紙5がトラクタ6と搬送ローラ7との間に完全に張り渡された状態となり、もはや上記のような反転動作を行う必要はなく、連続紙5が一定の速度で搬送方向Fに紙送りされつつ1行ごとに印字が行われることとなる。この際、連続紙5の搬送速度は、下流側の搬送ローラ7よりも紙送り動作の遅いトラクタ6で連続紙5が拘束されることから、主としてトラクタ6の紙送り速度に一致する。つまり、連続紙5は、その先端部5Aが搬送ローラ7に挟み込まれた状態であるか否かを問わず、常に一定の改行間隔を保ちながら搬送されるのである。したがって、先端部5A付近から印字を開始しても、改行間隔が狭まったり広まったりするようなことはなく、一定の印字位置精度を保ちながら良好な印字品質が得られる。
【0033】
次に、図7〜図9は、印字終了間際における連続紙5の動きを説明するために示した説明図であって、まず図7に示すように、連続紙5に対して印字を続けていると、ついには印字終了間際となって連続紙5の後端部5Bが後端検出センサ9により検出される。
【0034】
こうして後端検出センサ9により後端部5Bが検出されると、マイクロコンピュータがトラクタ6の紙送り量に関して計数を始める。この紙送り量の計数結果が所定レベルを超えると、図8に示すように、後端部5Bがトラクタ6から離れる直前直後の状態と認識され、それまでトラクタ6よりも速い紙送り動作とされていた搬送ローラ7の回転速度が減速される。つまり、連続紙5が上流側のトラクタ6に拘束されずに下流側の搬送ローラ7のみによって搬送されるので、トラクタ6から後端部5Bが離れた後においても一定の改行間隔で連続紙5を紙送りすべく、搬送ローラ7の紙送り動作が切り替えられるのである。紙送り動作が切り替えられると、搬送ローラ7は、トラクタ6と同様の紙送り動作を行うことにより、連続紙5の搬送速度が一定に保たれる。
【0035】
そして、図9に示すように、後端部5Bが搬送ローラ7のみによって一定の速度で搬送され、その後端部5B付近が印字ユニット2の直下に一時的に停止した状態とされる。すると、後端部5B付近に対して印字ユニット2の印字動作により1行分の印字が施され、引き続き一定の改行間隔で後端部5Bが搬送された後、同様の動作が繰り返される。最終的に後端部5B付近に対して印字が終わると、その後端部5Bが搬送ローラ7をやり過ごして図示しない排紙箇所などへと送られることにより、連続紙5の全長に渡る印字動作が終了とされる。これにより、連続紙5の後端部5B付近を含む最終ページに対して一定の改行間隔をもって印字が施されることとなる。
【0036】
要するに、連続紙5の後端部5B付近は、印字終了間際においてトラクタ6に拘束されることなく、搬送ローラ7のみによって紙送りされる状態となるが、それまでの状態と変わりなく常に一定の改行間隔を保ちながら搬送されるのである。したがって、後端部5B付近に印字を施しても、改行間隔が狭まったり広まったりするようなことはなく、一定の印字位置精度を保ちながら良好な印字品質が得られる。
【0037】
したがって、上記構成、動作を有する印字装置によれば、連続紙5の先頭ページや最終ページを無駄にすることなく、これらのページに含まれる先端部5A付近および後端部5B付近に対して印字を施すことができ、連続紙5の印字に際してランニングコストを抑えることができる。
【0038】
なお、本願発明は、上記の実施形態に限られるものではない。
【0039】
たとえば、印字ユニット2における印字ヘッドは、上記説明したものに限らず、ピン数を12本としたもののほか、それより多少のピン数であっても良く、そのピンの本数や配列などを限定するものではない。
【0040】
また、印字方式としては、インクリボン1を用いたドットインパクト方式に限らず、インクジェット方式やサーマル方式などであっても良い。
【0041】
搬送手段としてのトラクタ6や搬送ローラ7は、上記のものに限られず、特に上流側の搬送手段は、連続紙5を紙送りしつつ反転動作が可能なものであれば、印字位置精度に劣るがローラ方式で搬送するのでも良い。
【0042】
その他、上記した本願発明の特徴以外に係る事項などについては、適宜変更できる。たとえば、印字部に対するトラクタ6および搬送ローラ7の相対的位置関係が満たされるのであれば、マイクロコンピュータの制御が複雑となるが、トラクタ6による紙送り量にて連続紙5の先端部5Aが下流側の搬送ローラ7に達したか否かを判断するようにしても良い。また、印字開始当初において、先端部5A付近に最初の1行分を印字する際には、その印字前に上流側のトラクタ6から下流側の搬送ローラ7まで連続紙5を一旦張り渡すように前進させ、その後、連続紙5を後退停止させてから最初の1行分を先端部5A付近に印字しても良い。
【0043】
一方、印字終了間際においては、後端検出センサ9により連続紙5の後端部5Bを検出することなく、あらかじめ判明している連続紙5の全長に対してトラクタ6の紙送り量を印字開始当初から引き続き計数することにより、その紙送り量に応じて後端部5Bがトラクタ6から離脱したか否かを判断するようにしても良い。さらに、後端部5Bがトラクタ6から離脱することによっても、搬送ローラ7による搬送速度を一定として、間欠的に紙送りする毎回の紙送り時間を変更することにより、所定長さずつ間欠的に紙送りするようにしても良い。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明によれば、連続紙の先端部付近および後端部付近に対しても印字位置精度が変わりなく一定の精度を保ちながら印字を続けることができるので、連続紙の先頭ページや最終ページを無駄にすることなく用いることができ、連続紙の印字に際してランニングコストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る印字装置の一実施形態として、その要部を示した概略斜視図である。
【図2】印字装置の要部を模式的に示した図である。
【図3】印字開始当初における連続紙の動きを説明するために示した説明図である。
【図4】印字開始当初における連続紙の動きを説明するために示した説明図である。
【図5】印字開始当初における連続紙の動きを説明するために示した説明図である。
【図6】印字開始当初における連続紙の動きを説明するために示した説明図である。
【図7】印字終了間際における連続紙の動きを説明するために示した説明図である。
【図8】印字終了間際における連続紙の動きを説明するために示した説明図である。
【図9】印字終了間際における連続紙の動きを説明するために示した説明図である。
【符号の説明】
1 インクリボン
2 印字ユニット(印字手段)
3 プラテンローラ
4 リボンセパレータ
5 連続紙
5A 先端部
5B 後端部
6 トラクタ(上流側の搬送手段)
7 搬送ローラ(下流側の搬送手段)
8 先端検出センサ
9 後端検出センサ
10 ガイド板
Claims (2)
- 連続紙が通過する印字部の連続紙搬送方向の上流側および下流側にそれぞれ上記連続紙を搬送する搬送手段を有する印字装置であって、
上記上流側の搬送手段を順方向に送り動作させることにより、上記連続紙の印字位置が上記印字に対向する位置まで上記連続紙を前進させて一旦停止させる第1の前進動作制御手段と、
上記上流側および下流側の搬送手段を順方向に送り動作させることにより、上記連続紙の先端部が上記下流側の搬送手段によって搬送される位置まで上記連続紙を前進させる第2の前進動作制御手段と、
上記上流側の搬送手段を逆方向に送り動作させることにより、上記第2の前進動作制御手段によって前進させられた上記連続紙を、その印字位置が上記印字部に対向する位置まで後退させて一旦停止させる後退動作制御手段と、
上記第1の前進動作制御手段又は上記後退動作制御手段によって一旦停止された上記連続紙に上記印字部により印字を行わせる印字動作制御手段と、
上記連続紙における印字位置が上記印字部に対向した状態で上記連続紙の先端が上記下流側の搬送手段に達しない印字開始当初において、上記第1の前進動作制御手段と上記印字動作制御手段とを動作させて上記連続紙の先端部の印字を行わせた後、上記第2の前進動作制御手段及び上記後退動作制御手段と上記印字動作制御手段とを動作させて上記連続紙の先端部以降の印字を行わせる制御手段とを備えたことを特徴とする、印字装置。 - 上記印字部には、上記連続紙の表面に向けてインクリボンを打ち付けるための印字手段と、この印字手段に対向位置して上記連続紙を裏面側から支持するプラテンローラと、このプラテンローラと上記印字手段との間を通過する上記連続紙の一部を、上記プラテンローラに対して付勢するリボンセパレータとが設けられている、請求項1に記載の印字装置。
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