JP3808621B2 - 平版印刷版用版面保護剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷版用版面保護剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
平版印刷版を製版する際、その最終工程でいわゆるガム液が塗布される。
ガム液塗布の目的は非画像領域の親水性を保護するのみならず、画像領域の加筆又は消去等の画像修正、製版後印刷するまでの期間の保存又は再使用までの保存、印刷機に取付ける際や取扱い中の指紋、油脂、塵埃等の付着によって引起される汚れの防止及び傷の発生等からの保護であり、更に酸化汚れの発生を抑えることである。
従来、平版印刷版用のガム液としては、一般的にアラビアガム、セルロースガム又は分子中にカルボキシル基を有する水溶性高分子物質の水溶液が使用されていた。しかし、これらのガム液は下記の様な問題点を持っていた。即ち、通常印刷版の最終の仕上げ工程で版上にガム液を注ぎ、これをスポンジ、又は綿タンポン等で版面全体に拡げ、更に拭布で版面が乾燥するまで擦るが、この際、画像領域(インキを受容する領域)に水溶性高分子物質が部分的に厚塗りになる。厚塗りされた部分の画像部は、印刷する過程でインキに対する着肉性が悪く、所望のインキ濃度の印刷物を得るまでには相当数の印り枚数を必要とする。一般にこの現象を印刷抜け(いわゆる着肉不良)と称している。
特開昭55−19504号公報は、油相に可塑剤を含有する乳化型の平版印刷版用版面保護剤を開示しているが、満足のいくインキ着肉性が得られない。
一方近年、環境面の安全性を重視する傾向があり、安全性の高い平版印刷版用版面保護剤が求められている。また、廃液量を軽減することも重要な課題となっており、現像後の版を水洗をせずにそのまま版面保護ガムを塗布するような製版工程が主流となってきている。このような状況下で、塗布性の良い、持続性の良いランニング適性を付与した新規版面保護剤が求められる。特に、現像液成分混入に対して長期安定性の高い版面保護剤の開発が要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は環境安全性の高い平版印刷版用版面保護剤を提供することである。本発明の目的はまた、平版印刷版の非画像領域を不感脂化すると同時に、長期間保存しても印刷抜けを起さない安定性の高い版面保護剤を提供することである。本発明の他の目的は、スポンジ、綿タンポン、自動ガムコーター等を用いても容易に版上に施すことができ、又、自動現像機において現像後、版を水洗せずそのまま版面保護剤を塗布するような態様で、現像液成分の混入に対しても長期間安定性を維持し使用することができる版面保護剤を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究の結果、乳化型の平版印刷版用版面保護剤において特定の乳化剤を使用することによって、上記の目的が達成できることを見出し、本発明をなすに至ったのである。
即ち本発明は、乳化型の平版印刷版用版面保護剤であって、油相に、炭素原子数12〜30の脂肪酸のオキシエチレン付加物及び炭素原子数8〜30の脂肪酸のエステルのオキシエチレン付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする平版印刷版用版面保護剤に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する炭素原子数12〜30の脂肪酸のオキシエチレン付加物とは、具体的にポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステルが挙げられる。
ここで炭素原子数12〜30の脂肪酸とは飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、また、ヒドロキシル基を有する脂肪酸でもよい。炭素原子数12〜30、好ましくは炭素原子数12〜18の脂肪酸の例としては、オレイン酸、リシノレイン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸が挙げられる。オキシエチレンの付加数は3〜60モル程度であって、HLBが3〜18、好ましくは4〜16になるように適宜選択される。
【0006】
炭素原子数8〜30の脂肪酸のエステルのオキシエチレン付加物とは、具体的には炭素原子数8〜30、好ましくは炭素原子数12〜18の脂肪酸のグリセリンエステルのオキシエチレン付加物が挙げられる。
ここで炭素原子数8〜30の脂肪酸とは飽和脂肪酸でも不飽和脂肪酸でもよく、また、ヒドロキシル基を有する脂肪酸でもよい。
このような脂肪酸のグリセリンエステルのオキシエチレン付加物として使用できるものには、具体的にポリオキシエチレン化ヒマシ油、大豆油、桐油、ゴマ油、アマニ油、ヤシ油、パーム油、米ぬか油などがあり、また、ヒマシ油などに水素添加して得た硬化油にオキシエチレンを付加したものも使用することができる。中でも、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、ポリオキシエチレン化大豆油が好ましく、とりわけポリオキシエチレン化ヒマシ油が好ましく使用される。
オキシエチレンの付加数は3〜60モル程度であって、HLBが3〜18、好ましくは4〜16になるように適宜選択される。
上記のポリオキシエチレン化植物油は市場で入手することが可能である。例えばニッコールCO−3〜CO−60TやニッコールHCO−5〜HCO−100(ポリオキシエチレン化ヒマシ油、日光ケミカルズ(株)製、商品名)やパイオニンD−218N(ポリオキシエチレン化大豆油、竹本油脂(株)製、商品名)がある。
【0007】
上記の化合物は、平版印刷版の非画像領域に悪影響せず、また、画像領域にはインキの着肉性が向上する性能を与え、一方乳化分散剤としての能力も一般的なノニオン界面活性剤のレベル以上の機能を有している。特にヒマシ油、大豆油等のオキシエチレン付加物でその効果が高い。
本発明の平版印刷版用版面保護剤中、炭素原子数12〜30の脂肪酸のオキシエチレン付加物及び炭素原子数8〜30の脂肪酸のエステルのオキシエチレン付加物からなる群から選ばれる1種、あるいは2種以上を使用することができる。これらの化合物の平版印刷版用版面保護剤における含有量は、版面保護剤の全重量に基づいて0.1〜10重量%が適当であり、好ましくは0.3〜7重量%である。0.1重量%未満であると安定した乳化物が得られず、10重量%を超えるとコスト的に不利となる。
【0008】
本発明の平版印刷版用版面保護剤は上記の化合物の他に、乳化剤(界面活性剤)を含有してもよい。
例えばアニオン界面活性剤及び/又はノニオン界面活性剤が挙げられる。アニオン型界面活性剤としては、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。これらの中でもジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類及びアルキルナフタレンスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
【0009】
また、非イオン型界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどが挙げられる。その中でもポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー類等が好ましく用いられる。
又アセチレングリコール系とアセチレンアルコール系のオキシエチレン付加物フッ素系、シリコン系等のアニオン、ノニオン界面活性剤も同様に使用することができる。
これら界面活性剤は2種以上併用することもできる。例えば、互いに異なる2種以上のアニオン界面活性剤の併用やアニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤の併用が好ましい。
上記の界面活性剤の使用量は特に限定する必要はないが、好ましくは版面保護剤の全重量の0.01〜20重量%である。
【0010】
本発明の版面保護剤の水相を構成する成分として
a) 水溶性高分子化合物
b) 無機酸及び/又は有機酸とその塩
c) 湿潤剤
d) 防腐剤
e) 必要に応じて▲1▼硝酸塩、硫酸塩、▲2▼キレート化合物、▲3▼消泡剤
がある。
【0011】
本発明の水相成分(a) 水溶性高分子化合物としては例えばアラビアガム、デキストリン、変性澱粉、繊維素誘導体(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)及びその変性体、プルラン、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、及びその共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、大豆多糖類等が挙げられる。特にアラビアガム、デキストリン、変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、大豆多糖類等が好ましく使用できる。
本発明においては上記化合物を1種以上組合せて使用することもできる。これら化合物の含有量は、平版印刷版用版面保護剤の全重量に基づいて0.1〜50重量%が適当であり、より好ましくは0.3〜30重量%である。
【0012】
本発明の版面保護剤は酸性領域pH2.5〜5の範囲で使用するほうが有利であるため、成分(b) 無機酸及び/又は有機酸とその塩は、pH2.5〜5に調節するためのものであって、一般的に鉱酸、有機酸又は無機塩を使用する。その添加量は版面保護剤の全重量に基づいて0.01〜3重量%である。例えば、鉱酸としては硝酸、硫酸、リン酸、メタリン酸等が挙げられる。有機酸としてはクエン酸、酢酸、蓚酸、マロン酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、レブリン酸、フィチン酸、有機ホスホン酸等が挙げられる。無機塩としては第1リン酸ナトリウム、第2リン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム等が挙げられる。鉱酸、有機酸又は無機塩等の少なくとも1種もしくは2種以上を併用してもよい。
【0013】
成分(c) 湿潤剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン等が好適に用いられる。これらの湿潤剤は単独で用いてもよいが、2種以上併用してもよい。一般に、上記湿潤剤は版面保護剤の全重量に基づいて0.1〜5重量%の量で使用される。
【0014】
成分(d) 防腐剤としては、フェノール又はその誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ベンズトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、四級アンモニウム塩類、ピリジン、キノリン、グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体、ニトロブロモアルコール系の2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3ジオール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−エタノール、1,1−ジブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール等が好ましく使用できる。
好ましい添加量は、細菌、カビ、酵母等に対して、安定に効力を発揮する量であって、細菌、カビ、酵母の種類によっても異なるが、使用時の版面保護剤に対して0.01〜4重量%の範囲が好ましく、また種々のカビ、殺菌に対して効力のあるように2種以上の防腐剤を併用することが好ましい。また、消泡剤としてはシリコン消泡剤が好ましい。その中で乳化分散型及び可溶化等がいずれも使用できる。好ましくは使用時の版面保護剤に対して0.001〜1.0重量%の範囲が最適である。
【0015】
成分(e) ▲1▼硝酸塩、硫酸塩としては硝酸マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸ニッケル等が挙げられる。▲2▼通常版面保護剤は経済的な理由で濃縮液として市販され使用時に水道水、井戸水等を加えて希釈使用される。この希釈する水道水、井戸水等にカルシウムイオン等が印刷に悪影響を与え印刷物の汚れの原因となることも有るのでキレート化合物を添加し、上記欠点を解消することができる。好ましいキレート化合物としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロトリ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類あるいはホスホノアルカントリカルボン酸類を挙げることができる。上記キレート剤のナトリウム塩、カリウム塩の代りに有機アミンの塩も有効である。これらキレート剤は版面保護剤組成中に安定に存在し、印刷性を阻害しないものが選ばれる。添加量としては使用時の版面保護剤に対して0.001〜1.0重量%が適当である。
▲3▼消泡剤としては一般的なシリコン系タイプ、界面活性剤タイプ等を使用することができる。
【0016】
本発明の版面保護剤の油相を構成する成分として
f)20℃で水に対する溶解性が5重量%以下で沸点160℃以上の有機溶剤、
g)前述の乳化剤がある。
本発明の油相成分(f) 20℃で水に対する溶解性が5重量%以下で沸点180℃以上の有機溶剤の好ましい化合物としては、例えばジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジノニルフタレート、ジデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸ジエステル剤、例えばジオクチルアジペート、ブチルグリコールアジペート、ジオクチルアゼレート、ジブチルセバケート、ジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジオクチルセバケートなどの脂肪族二塩基酸エステル類、例えばエポキシ化大豆油などのエポキシ化トリグリセリド類、例えばトリクレジルフォスフェート、トリオクチルフォスフェート、トリスクロルエチルフォスフェートなどの燐酸エステル類、例えば安息香酸ベンジルなどの安息香酸エステル類などの凝固点が15℃以下で、1気圧下での沸点が300℃以上の可塑剤が含まれる。
【0017】
その他アルコール系としては、2−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、n−デカノール、ウンデカノール、n−ドデカノール、トリメチルノニルアルコール、テトラデカノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
グリコール系としてはエチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテルエチレングリコールヘキシルエーテル、オクチレングリコール等が挙げられる。上記化合物を選択するときの条件としては臭気が特に挙げられる。
これらの溶剤の使用量の好ましい範囲は版面保護剤の0.1〜5重量%でより好ましい範囲は0.5〜3重量%である。
これらの溶剤は1種もしくは2種以上併用することもできる。
【0018】
本発明の版面保護剤を製造する際の乳化分散は、水相を温度40℃±5℃に調製し、高速攪拌し、水相の中に調製した油相をゆっくり滴下し充分攪拌後、圧力式のホモジナイザーを通して乳化液を作成する。
本発明の版面保護剤はポジ型平版印刷版、ネガ型平版印刷版のいずれにも用いることができる。また、自動ガム盛り機等を使用しても均一に塗布することができる。本発明の版面保護剤による処理は、現像処理工程の後、無水洗で直ちに行うこともできるし、現像処理後(水洗工程、流水循環水洗あるいは少量の塗りつけ水洗を含む)あるいは界面活性剤を含有するリンス液で処理した後に行うこともできる。
【0019】
【発明の効果】
本発明の平版印刷版用版面保護剤は、画像部の感脂性の保護と非画像部の親水性の保護に優れた効果を発揮する。
乳化剤として、環境上安全性の高い、例えばポリオキシエチレン化植物油を使用する。また、乳化安定性が高く、長期保存しても乳化安定性が劣化することがなく、画像部の版面保護性が高い。現像液が混入しても乳化安定性を維持し、ランニング適性に優れている。
具体的には画像部のインキ着肉性が良好で、延いては印刷の色合わせが短時間ででき、数多くの不良印刷物を出すことなく、印刷の直後から充分に満足する鮮明な印刷物を得ることができる。これは、本発明の平版印刷版用版面保護剤により、インキ中の油性成分の画像部への浸透が良化しインキ着肉性が促進されるためと考えられる。また、本発明の版面保護剤を施した印刷版は、保存後も良好なインキ着肉性を示す。
【0020】
【実施例】
実施例をもって本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
<水相の調製>
純水656.7重量部にアラビアガム80重量部とクリームデキストリン170重量部を入れ加温80℃にして溶解後40℃に冷却した。その後、リン酸第1アンモン10重量部、リン酸(85%)3重量部、グリセリン20重量部を添加し溶解し、防腐剤としてバイオホープ(イソチアゾリン系/ニトロブロモアルコール系含有物)0.3重量部入れ水相を調製した。
【0021】
<油相の調製>
ジブチルセバケート15重量部にベンジルアルコール5重量部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(40%aq. ソフトタイプ)を12重量部、ヒマシ油のオキシエチレン付加物(HLB7.2)を10重量部、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(80%)18重量部添加し、均一な溶液になるまで攪拌した。
<乳化分散>
水相を40℃に調製しスリーワンモーターで攪拌速度500〜600rpm の中に油相をゆっくり滴下し、滴下終了後、更に10分攪拌する。その後、圧力式ホモジナイザーを用いて乳化し版面保護剤を作製した。
この版面保護剤を水で1:1に希釈して使用液とした。
【0022】
【比較例1及び2】
比較例として溶液タイプの版面保護剤(比較例1)及び乳化タイプの版面保護剤(比較例2)を下記の配合で調製した。これらも水で1:1に希釈して使用液とした。
【0023】
【表1】
【0024】
平版印刷版としてVPS富士写真フィルム(株)製、陽極酸化マルチグレンタイプポジ型PS版を画像露光し、PS自動現像機900D(現像後、ガムを塗布する機能を有する)により現像し、上記の各版面保護剤を塗布した。
製版を終了した平版印刷版を2分割し、表2に示す条件で保管し、ハイデルベルグSORM印刷機を用いて印刷を行い、表3に示す性能評価方法によりその性能を評価した。結果を表4に示した。
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
表4に示したように実施例1は比較例1及び2と比べ、いずれの項目においても版面保護剤として優れていた。
【0029】
実施例1と同様に、表5に示した配合で実施例2〜4の版面保護剤を調液し、実施例1と同様に印刷テストを実施した。乳化安定性は室内保存後(25℃、72時間)及び凍結解凍後(−15℃、72時間凍結)の外観を観察した。結果を表6に示す。
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
Claims (2)
- 乳化型の平版印刷版用版面保護剤であって、油相に、炭素原子数12〜30の脂肪酸のオキシエチレン付加物及び炭素原子数8〜30の脂肪酸のエステルのオキシエチレン付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする平版印刷版用版面保護剤。
- 炭素原子数8〜30の脂肪酸のエステルのオキシエチレン付加物が、ポリオキシエチレン化ヒマシ油及びポリオキシエチレン化大豆油から選ばれる、請求項1記載の平版印刷版用版面保護剤。
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