JP2001249461A - 平版印刷版用版面保護剤 - Google Patents

平版印刷版用版面保護剤

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JP2001249461A
JP2001249461A JP2000058396A JP2000058396A JP2001249461A JP 2001249461 A JP2001249461 A JP 2001249461A JP 2000058396 A JP2000058396 A JP 2000058396A JP 2000058396 A JP2000058396 A JP 2000058396A JP 2001249461 A JP2001249461 A JP 2001249461A
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acid
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Hiroshi Matsumoto
博 松本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製版後の平版印刷版の傷汚れ防止及び油脂汚
れ防止の効果に優れ、一方非画像部の親水性の保護にも
優れ、同時に印刷する過程でインキに対して良好な着肉
性を発揮する平版印刷版用版面保護剤、及び現像液成分
の混入によっても安定に印刷版の製版ができ長期間安定
性の高い版面保護剤を提供する。 【解決手段】 ゼラチンを0.001〜0.5質量%含
有することを特徴とする平版印刷版用版面保護剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版用版面
保護剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版を製版する際、その最終工程
でいわゆるガム液が塗布される。ガム液塗布の目的は非
画像領域の親水性を保護するのみならず、画像領域の加
筆又は消去等の画像修正、製版後印刷するまでの期間の
保存又は再使用までの保存、印刷機に取付ける際や取扱
い中の指紋、油脂、塵埃等の付着によって引起される汚
れの防止及び傷の発生等からの保護であり、更に酸化汚
れの発生を抑えることである。従来、平版印刷版用のガ
ム液としては、一般的にアラビアガム、セルロースガム
又は分子中にカルボキシル基を有する水溶性高分子物質
の水溶液が使用されていた。しかし、これらのガム液は
下記の様な問題点を持っていた。即ち、通常印刷版の最
終の仕上げ工程で版上にガム液を注ぎ、これをスポン
ジ、又は綿タンポン等で版面全体に拡げ、更に拭布で版
面が乾燥するまで擦るが、この際、画像領域(インキを
受容する領域)に水溶性高分子物質が部分的に厚塗りに
なる。厚塗りされた部分の画像部は、印刷する過程でイ
ンキに対する着肉性が悪く、所望のインキ濃度の印刷物
を得るまでには相当数の刷り枚数を必要とする。一般に
この現象を印刷抜け(いわゆる着肉不良)と称してい
る。
【0003】インキ着肉性の良好な版面保護剤を得るた
め種々工夫が提案されているが、いまだ不感脂化効果と
着肉性を両立する版面保護剤が達成されていない。ま
た、従来の製版工程の現像後、水洗し版面保護剤塗布と
いう工程が、近年、排水が下水道、河川等の汚染を引き
起こすという公害上の問題により、現像の水洗工程を除
去し、現像後そのまま版面保護剤(フィニッシャーとも
称する)を塗布する方法に変わってきた。これら処理方
法の問題として、版面保護剤の中に現像液の成分及びプ
レートの感光層成分などが混入し、このような版面保護
剤を塗布すると、塗布面質が劣化する、版面保護剤のタ
ンク中に感光層成分の沈殿物の発生する、あるいは版面
保護剤の長期間処理が難しいため短時間で液交換する必
要があるなどの、各種の問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、製版後の平
版印刷版の傷汚れ防止及び油脂汚れ防止の効果に優れ、
一方非画像部の親水性の保護にも優れ、同時に印刷する
過程でインキに対して良好な着肉性を発揮する平版印刷
版用版面保護剤、及び現像液成分の混入によっても安定
に印刷版の製版ができ長期間安定性の高い版面保護剤を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、平版印刷版用版面
保護剤にゼラチンを含有させることにより、上記目的が
達成できることを見出し本発明を完成させるに至った。
従って本発明は、ゼラチンを0.001〜0.5質量%
含有することを特徴とする平版印刷版用版面保護剤に関
する。本発明の平版印刷版用版面保護剤の好ましい実施
態様において、ゼラチンの他に、従来、平版印刷版用版
面保護剤に慣用されている水溶性高分子化合物を含ませ
ることができる。本発明の平版印刷版用版面保護剤の実
施態様にはまた、従来使用されているその他の剤を使用
することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
版面保護剤は一般的に濃縮液として調製し、それを用時
に希釈するという態様で使用されるが、本明細書中で触
れる各種成分の含有量、添加量は、特に記載しない限り
は、用時の即ち使用時の濃度をさす。本発明の版面保護
剤に含有させる水溶性高分子化合物としては、アラビア
ガム、トラガントガム、カラギーナン、キサンタンガ
ム、デキストリン、澱粉及びその誘導体、繊維素誘導体
(例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシエチ
ルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)及びその
変性体、プルラン、ポリビニルアルコール及びその誘導
体、ポリアクリルアミド、及びその共重合体、ビニルメ
チルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/
無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共
重合体、ポリビニルピロリドン等の合成水溶性高分子、
大豆多糖類等の水溶性多糖類が挙げられる。特にアラビ
アガム、デキストリン、澱粉誘導体、カルボキシメチル
セルロース、大豆多糖類等が好ましく使用できる。上記
の水溶性高分子化合物を1種以上組合せて使用すること
もできる。これらの含有量は、版面保護剤の総質量に基
づいて0.5〜40質量%が適当であり、好ましくは1.
0〜30質量%である。
【0007】本発明の版面保護剤に含ませるゼラチン
は、一般的に牛、ブタなどの皮や骨などから抽出して製
造されるゼラチンであって、その種類は特に限定される
ものではなく、市販されている製品を使用することがで
きる。工業的に使用するのには、写真工業用で使用され
るゼラチンが安定して供給できるので良い。また、一般
写真用ゼラチン及びイナートタイプのゼラチンも使用す
ることができる。これらの市販品の例として、新田工業
(株)製のニッタゼラチン#681など各種グレードがあ
る。版面保護剤全量におけるゼラチンの含有量は、0.
001〜0.5質量%であって、好ましくは0.003
〜0.3重量%である。0.001質量%よりも少ない
と、現像液から混入された感光層成分の分散性が劣り、
自動現像機タンクの底などにカスが沈殿したり、付着し
やすくなる。一方0.5質量%を超えるとゼラチン特有
のゲル性によって粘度が高くなり塗布するとき、面質や
印刷版のインキ着肉性などに影響し劣化の原因となりや
すい。
【0008】本発明の平版印刷版用版面保護剤は、溶液
タイプ又は乳化タイプのような各種の版面保護剤として
調製することができる。上記の如く本発明の版面保護剤
は、従来使用されている水溶性高分子化合物と、ゼラチ
ンを含有するものであって、さらに、次のような成分を
含ませることができる。 (a)無機酸とその塩及び/又は有機酸とその塩 (b)湿潤剤 (c)防腐剤 (d)界面活性剤 (e)乳化型とする場合、水に難溶性で沸点150℃以
上の溶媒 (f)その他、キレート化合物、消泡剤
【0009】本発明の平版印刷版版面保護剤は酸性領域
pH2.5〜6の範囲で使用するほうが有利である。特
に好ましいpH領域は3〜5の範囲である。成分(a)無
機酸とその塩及び/又は有機酸とその塩は、版面保護剤
をpH2.5〜6に調節するためのものであって、一般
的に鉱酸、有機酸、無機塩を使用する。その添加量は版
面保護剤の全質量に基づいて0.01〜3質量%である。
鉱酸として例えば硝酸、硫酸、リン酸、メタリン酸等が
挙げられる。有機酸としてはクエン酸、酢酸、蓚酸、マ
ロン酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、リンゴ酸、
乳酸、レブリン酸、フィチン酸、有機ホスホン酸等が挙
げられる。無機塩としては第1リン酸ナトリウム、第2
リン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリ
ポリリン酸ナトリウム等が挙げられる。鉱酸、有機酸又
は無機塩等の1種もしくは2種以上を併用してもよい。
【0010】成分(b)湿潤剤としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン等が好適に
用いられる。これらの湿潤剤は単独で用いてもよいが、
2種以上併用してもよい。一般に、上記湿潤剤は版面保
護剤の全質量に基づいて0.1〜3質量%の量で使用され
る。
【0011】成分(c)防腐剤としては、フェノール又は
その誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒド
ロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導
体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ベンズトリアゾ
ール誘導体、アミジングアニジン誘導体、四級アンモニ
ウム塩類、ピリジン、キノリン、グアニジン等の誘導
体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、
オキサジン誘導体、ニトロブロモアルコール系の2−ブ
ロモ−2−ニトロプロパン−1,3ジオール、1,1−
ジブロモ−1−ニトロ−2−エタノール、1,1−ジブ
ロモ−1−ニトロ−2−プロパノール、オマジン等が好
ましく使用できる。好ましい添加量は、細菌、カビ、酵
母等に対して、安定に効力を発揮する量であって、細
菌、カビ、酵母の種類によっても異なるが、版面保護剤
の全質量に対して0.01〜4質量%の範囲が好ましく、
また種々のカビ、殺菌に対して効力のあるように2種以
上の防腐剤を併用することが好ましい。
【0012】成分(d)の界面活性剤は濡れ性向上剤、
分散剤、乳化剤などとして使用することができる。例え
ばアニオン界面活性剤及び/又はノニオン界面活性剤が
挙げられる。アニオン型界面活性剤としては、脂肪酸塩
類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸
塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハ
ク酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐
鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレ
ンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチ
レンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアル
キルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オ
レイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハ
ク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩
類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエ
ステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩
類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル
塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩
類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸
エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩
類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化物
類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分ケン化
物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が
挙げられる。これらの中でもジアルキルスルホコハク酸
塩類、アルキル硫酸エステル塩類及びアルキルナフタレ
ンスルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
【0013】また、非イオン型界面活性剤としては、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン
ポリスチリルフェニルエーテル、グリセリン脂肪酸部分
エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタ
エリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリ
コールモノ脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸部分エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル
類、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシ
エチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチ
レングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪
酸部分エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪
酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,
N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪
酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどが挙げら
れる。その中でもポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレ
ンブロックコポリマー類、ポリオキシエチレンヒマシ油
エーテル等が好ましく用いられる。また、アセチレング
リコール系とアセチレンアルコール系のオキシエチレン
付加物、フッ素系、シリコン系等のアニオン、ノニオン
界面活性剤も同様に使用することができる。
【0014】これら界面活性剤は2種以上併用すること
もできる。例えば、互いに異なる2種以上のアニオン界
面活性剤の併用やアニオン界面活性剤とノニオン界面活
性剤の併用が好ましい。これらの化合物は環境面への影
響を考慮して適宜選択して使用することが好ましい。上
記の界面活性剤の使用量は特に限定する必要はないが、
好ましくは版面保護剤の全重量の0.01〜20重量%で
ある。
【0015】本発明の版面保護剤を乳化型とする場合に
は、成分(e)の水に難溶性で沸点150℃以上の溶媒
を使用する。その好ましい化合物としては、例えばジブ
チルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−n−オク
チルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレー
ト、ジノニルフタレート、ジデシルフタレート、ジラウ
リルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタ
ル酸ジエステル剤、例えばジオクチルアジペート、ブチ
ルグリコールアジペート、ジオクチルアゼレート、ジブ
チルセバケート、ジ(2−エチルヘキシル)セバケー
ト、ジオクチルセバケートなどの脂肪族二塩基酸エステ
ル類、例えばエポキシ化大豆油などのエポキシ化トリグ
リセリド類、例えばトリクレジルフォスフェート、トリ
オクチルフォスフェート、トリスクロルエチルフォスフ
ェートなどの燐酸エステル類、例えば安息香酸ベンジル
などの安息香酸エステル類などの凝固点が15℃以下
で、1気圧下での沸点が300℃以上の可塑剤が含まれ
る。
【0016】その他アルコール系としては、2−オクタ
ノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、n−デ
カノール、ウンデカノール、n−ドデカノール、トリメ
チルノニルアルコール、テトラデカノール、ベンジルア
ルコール等が挙げられる。グリコール系としてはエチレ
ングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコール
モノフェニルエーテル、エチレングリコールベンジルエ
ーテルエチレングリコールヘキシルエーテル、オクチレ
ングリコール等が挙げられる。炭化水素系としては沸点
160℃以上の石油留分の芳香族、脂肪族化合物、スク
ワラン等が挙げられる。上記化合物を選択する時の条件
としてはその環境安全性、特に臭気が挙げられる。これ
らの溶剤の使用量は版面保護剤の全重量に基づいて、
0.1〜5重量%が適当で、より好ましくは0.3〜
3.0重量%である。これらの溶剤は1種もしくは2種
以上併用することもできる。
【0017】必要に応じて、本発明の版面保護剤には、
その他の成分(f)としてキレート化合物、消泡剤も含
ませることができる。通常版面保護剤は経済的理由で濃
縮液として市販され、使用時に水道水、井戸水を加えて
希釈使用される。この希釈する水道水、井戸水等にカル
シウムイオン等が印刷に悪影響を与え印刷物の汚れの原
因となることも有るのでキレート化合物を添加し、上記
欠点を解消することができる。好ましいキレート化合物
としては、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸、その
カリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレントリアミン
ペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;トリ
エチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、その
ナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ
酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニトリロト
リ酢酸、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエタン−
1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナトリウ
ム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、そのカリウ
ム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホン酸類
あるいはホスホノアルカントリカルボン酸類を挙げるこ
とができる。上記キレート剤のナトリウム塩、カリウム
塩の代りに有機アミンの塩も有効である。これらキレー
ト剤は版面保護剤組成中に安定に存在し、印刷性を阻害
しないものが選ばれる。添加量としては使用時の版面保
護剤に対して0.001〜1.0質量%が適当である。
【0018】消泡剤としては、一般的なシリコン系の自
己乳化タイプ、乳化タイプ、界面活性剤ノニオン系のH
LBの5以下等の化合物を使用することができる。シリ
コン消泡剤が好ましい。その中で乳化分散型及び可溶化
等がいずれも使用できる。消泡剤の含有量は、好ましく
は使用時の版面保護剤に対して0.001〜1.0質量
%の範囲が最適である。
【0019】本発明の版面保護剤の残余は水である。水
の使用量は、版面保護剤全体に対して一般に40〜90
質量%程度となる。本発明の版面保護剤を溶液タイプあ
るいは乳化タイプとして調製する場合、それぞれ常法に
従って調製することができる。例えば、本発明の版面保
護剤を製造する際の乳化分散は、水相を温度40℃±5
℃に調製し、高速攪拌し、水相の中に調製した油相をゆ
っくり滴下し充分攪拌後、圧力式のホモジナイザーを通
して乳化液を作成する。本発明の版面保護剤はポジ型平
版印刷版、ネガ型平版印刷版、デジタルタイプ平版印刷
版のいずれにも用いることができる。また、自動ガム盛
り機等を使用しても均一に塗布することができる。本発
明の版面保護剤による処理は、現像処理工程の後、無水
洗で直ちに行うこともできるし、現像処理後(水洗工
程、流水循環水洗あるいは少量の塗りつけ水洗を含む)
あるいは界面活性剤を含有するリンス液で処理した後に
行うこともできる。
【0020】
【発明の効果】本発明の平版印刷版用版面保護剤は、画
像部の感脂性の保護と非画像部の親水性の保護に優れた
効果を発揮する。本発明の平版印刷版用版面保護剤はま
た、画像部のインキ着肉性が良好で、延いては印刷の色
合わせが短時間ででき、数多くの不良印刷物を出すこと
なく、印刷の直後から充分に満足する鮮明な印刷物を得
ることができる。また、本発明の平版印刷版用版版面保
護剤は、混入する現像液成分及び感光層成分も安定に分
散することができ、長期間安定に使用することができ、
更に版面保護剤を施した印刷版は保存後も良好なインキ
着肉性を保持している。
【0021】
【実施例】以下、実施例及び比較例をもって本発明を詳
しく説明する。実施例1〜6は溶液タイプの版面保護剤
であり、実施例7〜10は乳化タイプの版面保護剤であ
る。比較例1〜2は溶液タイプの版面保護剤であり、比
較例3〜4は乳化タイプの版面保護剤である。 <溶液タイプ版面保護剤の調製>純水にゼラチンを添加
し加温60℃〜70℃でゼラチンを溶解し、次のその他
の水溶性高分子化合物を溶解する。その後、各添加成分
を順次、溶解して溶液タイプの版面保護剤濃縮液を作製
した。表1にこれらの濃縮液の組成を示す。単位はg
(グラム)である。このように調製した液を水で1:1
(容積比)に希釈して使用時の版面保護剤とした。ま
た、必要に応じて1:2(3倍希釈)の範囲まで希釈して
使用することができる。
【0022】<乳化タイプ版面保護剤の調製> (水相の調製)純水の中にゼラチンを60℃〜70℃に
加温し溶解する。溶解後、その他の水溶性高分子化合物
を溶解し40℃〜50℃に冷却し、順次各成分を加えて
溶解し、すべてを添加後、40℃±5℃に温度を調節し
た。 (油相の調製)水に、難溶性高沸点溶媒、各界面活性剤
(乳化剤)を添加し均一の溶液に攪拌した。 (乳化分散)水相を40℃±5℃に調製し、スリーワン
モーター(新東科学(株)製)で攪拌速度500〜60
0rpm の中に油相をゆっくり滴下し、滴下終了後、純水
を用いて全量1000mlとして更に10分攪拌する。そ
の後、圧力式ホモジナイザーを用いて乳化し、版面保護
剤濃縮液を作製した。表2にこれら濃縮液の組成を示
す。単位はg(グラム)である。このように調製した液
を水で1:1(容積比)に希釈して使用時の版面保護剤
とした。また、必要に応じて1:2(3倍希釈)の範囲ま
で希釈して使用することができる。
【0023】
【表1】 溶液タイプ *カルボキシメチルセルロース(セロゲン5A:第一工
業薬品(株)製)
【0024】
【表2】 乳化タイプ *1カルボキシメチルセルロース(セロゲン6A:第一工
業薬品(株)製)*2 ジブチルセバケート
【0025】平版印刷版としてVPS富士写真フイルム
(株)製、陽極酸化マルチグレンタイプポジ型PS版を画
像露光し、PS自動現像機900D(現像後、ガムを塗
布する機能を有する)を用いて、下記の試験に使用す
る、版面保護剤へ混入させるランニング現像液を作成す
る。自動現像機に仕込んだ現像液はDP−4(富士写真
フイルム(株)製)1:8希釈液、20リットルである。
ランニング現像液としては、以下の〜を作成した。 5m2/リットル処理液 10m2/リットル処理液 20m2/リットル処理液 30m2/リットル処理液
【0026】<版面保護剤における現像液混入安定性の
試験>上記実施例及び比較例で調製した各種版面保護剤
に、各種ランニング現像液を、5%、10%、20%、
30%容量で混合し十分に混合して、温度45℃/湿度
80%RHの条件下で24時間保管した後、現像液混入
安定性を評価した。判定基準は以下のとおりである。 ○‥‥沈殿物及び液分離なし ○△‥‥ビン底に微量沈殿物あり △‥‥沈殿物あり △×‥‥沈殿物やや多い ×‥‥完全に分離 結果を表3及び表4に示す。
【0027】
【表3】 溶液タイプ
【0028】
【表4】 乳化タイプ
【0029】表3及び表4に示したように実施例1〜6
の溶液タイプ版面保護剤、実施例7〜10の乳化タイプ
の版面保護剤は比較例の版面保護剤と比べて、現像液混
入におけるランニング安定性に優れていた。また、版面
保護剤としての他の性能、インキ着肉性、不感脂化効
果、引っ掻傷適性は何れも良好な結果であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼラチンを0.001〜0.5質量%含
    有することを特徴とする平版印刷版用版面保護剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009053525A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Fujifilm Corp 平版印刷版の製版方法

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JP2009053525A (ja) * 2007-08-28 2009-03-12 Fujifilm Corp 平版印刷版の製版方法

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