JP3808257B2 - 溶融塩用コールドクルーシブルおよび溶融処理方法 - Google Patents

溶融塩用コールドクルーシブルおよび溶融処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩化物を主体とする溶融塩および腐食性ガスに対して耐食性が優れたコールドクルーシブル、そのるつぼの内表面へのガラス質被膜層の形成方法およびそのコールドクルーシブルを用いて被処理物を溶融処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
可燃性および難燃性の放射性廃棄物を焼却処理する際に発生する焼却灰や汚染金属を溶融処理するマイクロ波溶融や高周波溶融の処理技術が実用化されている。これらの溶融処理には水冷却された金属製るつぼなどが用いられている。これら焼却灰には塩化物や腐食性の高い塩が含まれるので、処理回数が増加するにつれて、溶融塩および発生する塩素ガスなどの腐食性ガスによって、これら金属製るつぼの腐食が進行することが懸念される。
【0003】
また、使用済み燃料の再処理工程で生じた高レベル放射性金属を含んだ硝酸塩を溶解し、有価金属を回収する方法があり、たとえば、特開平5−157897号公報では、水冷却された金属製るつぼを用いて、これら溶融塩を溶融保持する方法が提案されている。処理回数が増加するにつれて、溶融塩および発生する塩素ガスなどの腐食性ガスによって、これら金属製るつぼの腐食の進行と腐食性ガスが金属製るつぼから漏れ出ることが懸念される。
【0004】
これら水冷された金属製るつぼの内表面に、溶融塩や塩素ガスなどの腐食性ガスに対して耐食性のある被膜層を形成させることが、腐食を防止する効果的な方法と考えられる。用いられているのが水冷された金属製るつぼではないが、たとえば、特開平11−64577号公報では、耐火物を内張した電気炉を用いた使用済み燃料の溶融塩電解再処理方法として、内張した耐火物の内表面に、ベリリア(BeO)、シリカ(SiO2 )、ジルコニア(ZrO2 )、アルミナ(Al2 3 )から選ばれた単独の酸化物またはこれら複合酸化物をプラズマ溶射し、さらに、これら溶射被膜層上にシリカ(SiO2 )などの溶射材料を溶射する方法が提案されている。
【0005】
また、ゴミ焼却炉に内張した耐火物に関して、特開平8−74068号公報では、耐火物の内表面にガラス質被膜層と、そのガラス質被膜層の表面に無機質バインダーで結合された耐火物被膜層を被覆する方法が提案されている。耐火物の内表面にバインダーをまぜたガラス粉末のペーストを塗布して乾燥させ、900℃程度まで昇温してガラス質被膜層を形成し、その後、アルミナ、ジルコニアなどの一種以上の酸化物粉末のペーストをガラス質被膜層の表面に塗布して乾燥し、550℃程度まで昇温して耐火物被膜層を形成する方法である。
【0006】
これら特開平11−64577号公報や特開平8−74068号公報で開示された方法を適用して、水冷された金属製るつぼの溶融塩や腐食性ガスに対する耐食性を向上させ得ることが期待されるが、溶射する材料の配合、溶射被膜層の厚さ、またはガラス質被膜層の厚さなどを適正な条件にしないと、溶融塩や腐食性ガスに対して耐食性が向上しない場合がある。また、金属製るつぼを900℃程度まで昇温させるのは、るつぼが変形したりするので、好ましくない。
【0007】
つまり、溶融塩や塩素ガスなどの腐食性ガスに対して耐食性のある被膜層を、水冷された金属製るつぼの内表面に適正な条件で形成させる方法が無いのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、塩化物を主体とする溶融塩および塩素ガスなどの腐食性ガスに対して耐食性が優れたるつぼを有するコールドクルーシブル、そのるつぼの内表面へのガラス質被膜層の形成方法およびそのコールドクルーシブルを用いて被処理物を溶融処理する処理方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、下記(1)および(2)に示す溶融塩用コールドクルーシブル、ならびに(3)に示すガラス質被膜層の形成方法および(4)に示すそのコールドクルーシブルを用いた溶融処理方法にある。
【0010】
(1)炉壁部に複数のスリットを備えるるつぼとそのるつぼの外周部に通電コイルを配置するコールドクルーシブルであって、そのるつぼの内表面に、ZrO2 が20〜80質量%、残部がAl2 3 、SiO2 もしくはTiO2 、またはこれらの2種以上の混合物からなり、厚さが0.2〜0.4mmの酸化物系セラミックスの溶射被膜層を備える溶融塩用コールドクルーシブル。
【0011】
(2)上記酸化物系セラミックスの溶射被膜層上に、さらに厚さ0.05〜0.4mmのガラス質被膜層を有し、上記溶射被膜層と上記ガラス質被膜層の合計の厚さが0.25〜0.6mmである上記(1)に記載の溶融塩用コールドクルーシブル。
【0012】
(3)上記(2)に記載の溶融塩用コールドクルーシブルのるつぼの内表面の溶射被膜層上にガラス質被膜層を形成させる際に、上記溶射被膜層上にガラス質被膜の原料を塗布した後、上記るつぼの外周部に配置された通電コイルに交番電流を通電して、ガラス化するガラス質被膜層の形成方法。
【0013】
(4)上記(1)または(2)に記載の溶融塩用コールドクルーシブルを用い、溶融塩中で被処理物を処理する際に、るつぼの内表面を溶融塩の融点以下に保持しながら溶融処理する溶融処理方法。
【0014】
本発明が対象とする溶融塩は、Na、K、Liなどのアルカリ金属の塩化物を主成分とする塩を溶融したもので、溶融温度は650〜1000℃である。
【0015】
コールドクルーシブルは、一般的にるつぼとそのるつぼの外周部に通電コイルとを有するものであるが、本発明のコールドクルーシブルは、さらに、そのるつぼの内表面に溶射被膜層または溶射被膜層とガラス質被膜層が配置されている。また、るつぼの炉壁部は、配置された複数のスリットにより、複数の内部水冷却が可能なセグメント構造になっている。通電コイルに高周波交番電流を通電すると、これらスリットの効果により、るつぼの内表面や溶融材料の表面近くなどに誘導電流が発生し、るつぼ内の導電性材料が加熱され、条件によっては溶解する。さらに、るつぼの内表面および溶融材料の表面近くなどに発生した誘導電流の電磁気的相互作用によって、スリットの存在する領域のるつぼの内表面上の溶射被膜層またはガラス質被膜層と溶融物とが非接触となる。
【0016】
本発明者らは、前述の本発明の課題を、次の▲1▼および▲2▼に示す対策によって解決した。
【0017】
▲1▼コールドクルーシブルを構成する銅や銅合金製のるつぼの内表面を、塩化物を主体とする溶融塩や塩素ガスなどの腐食性ガスによる腐食から防護するために、るつぼの内表面に溶融塩に対する耐食性に優れた溶射被膜層を形成させる。
【0018】
塩化物を主体とする溶融塩や塩素ガスなどの腐食性ガスに対する耐食性と非導電性との両性質を併せ持つ溶射材料として、ZrO2 を20〜80質量%、残りをAl2 3 、SiO2 もしくはTiO2 、またはこれらの混合物からなる酸化物系セラミックスを用いる。
【0019】
さらに、これらの酸化物系セラミックスの溶射被膜層上にガラス質被膜層を形成させるのが好ましい。溶射被膜層の表面の孔を封孔することができるからである。
【0020】
▲2▼ZrO2 、Al2 3 、SiO2 またはTiO2 などの金属酸化物の溶射被膜層の厚さを0.2〜0.4mmとする。さらには、これらの溶射被膜層の上に厚さ0.05〜0.4mmのガラス質被膜層を形成させ、この溶射被膜層とガラス質被膜層の合計の厚さを0.25〜0.6mmとすることにより、より一層優れた効果を得ることができる。
【0021】
このようにコールドクルーシブルのるつぼの内表面に溶射被膜層または溶射被膜層とガラス質被膜層を形成することによって、コールドクルーシブルのるつぼの溶融塩や腐食性ガスに対する耐食性が確保できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明のコールドクルーシブル、ガラス質被膜層の形成方法およびコールドクルーシブルを用いた溶融処理方法を以下に説明する。
【0023】
図1は、本発明の溶融塩用コールドクルーシブルの例を示す図で、コールドクルーシブルの縦断面を示す。コールドクルーシブル1−1のるつぼ1−2の炉壁部3の外周部には一定の間隔を空けて通電コイル2を配置し、高周波電源(図示せず)より通電コイルに高周波交番電流を通電し、るつぼの内部に装入した黒鉛や金属などの導電性材料を誘導加熱する。このとき発生する熱により塩を溶解する。るつぼ1−2の内部は、後述する図2に示すように水冷却できる構造とする。また、るつぼの材料は銅や銅合金を用いるのがよい。通電コイルは、内部に冷却水通水路9を有し、水冷できる構造とする。
【0024】
図2は、本発明のコールドクルーシブルの水平断面の一部の例を示す図である。被膜層13以外の炉壁部3は、スリット4によって、その内部に冷却水通水路6を有する複数のセグメント5に分割されている。複数のセグメント5で構成された炉壁部3の外周部は、4弗化エチレン樹脂などの非導電性樹脂12で取巻くことによって、補強するのがよい。これにより、各セグメント5が熱変形することを防止できる。
【0025】
このスリット4はるつぼ1−2の炉壁部3を貫通する隙間であって、通電コイルを配置するるつぼの高さの部分に備えるのがよい。るつぼの上端部近傍および下端部近傍では、スリットはなくてもよい。
【0026】
スリットの隙間の幅は0.1〜1.0mm程度であればよい。
【0027】
また、スリットの隙間の幅が0.2mm以下である場合には、形成した溶射被膜層または溶射被膜層とガラス質被覆層によって、腐食性ガスがスリットの隙間から漏れ出ることを防止できる。0.2mmを超える場合には、スリット4には、ZrO2 、Al2 3 、SiO2 またはTiO2 などのセラミックス系の非導電性材料を充填するのがよい。隙間の充填にはセラミックス系の材料の代わりに、4弗化エチレン樹脂などの耐熱性のある樹脂系非導電性物質やとくに絶縁性に優れた雲母を用いてもよい。非導電性材料を充填することによって、腐食性ガスが漏れることを防止できるとともに、るつぼ内へ効率よく電磁場を浸透させる効果を維持できる。
【0028】
るつぼの内表面には、ZrO2 が20〜80質量%、残部がAl2 3 、SiO2 もしくはTiO2 、またはこれらの混合物からなり、厚さが0.2〜0.4mmの酸化物系セラミックスの溶射被膜層を形成させる。
【0029】
酸化物系セラミックスの配合が上記の条件の場合には、塩化物を主体とする溶融塩や塩素ガスなどの腐食性ガスに対する耐食性の効果が大きい。ZrO2 が20質量%未満では、耐食性の効果が得られにくい。また、80質量%を超えると、溶射材料の原料粉末の融点が2000℃を超えて高くなり、溶射時に原料粉末粒子の融着効果が得られない。そのため、溶射被膜層の十分な密着性が得られず、物理的に溶射被膜層の脱落が生じやすい。ZrO2 が20〜80質量%、残部がAl2 3 、SiO2 もしくはTiO2 、またはこれらの混合物からなる酸化物は、耐食性の効果が大きく、かつ、融点が低く、溶射時に十分な融着効果が得られる。溶射方法はプラズマ溶射方法がよい。
【0030】
これら酸化物系セラミックスの溶射被膜層の厚さが0.2mm未満では、溶融塩に対する耐食性の効果が少ない。0.4mmを超えると、溶射被膜層の熱抵抗が大きくなり、さらに、後述するガラス質被膜層との合計の被膜層の厚さが0.6mmを超えると、溶射被膜層およびガラス質被膜層の温度が上昇しやすい。つまり、通電コイルに通電する電力およびコールドクルーシブルの各セグメント内の通水量を調整しても、コールドクルーシブルの内表面の温度が溶融塩の融点を超えるので、その内表面に溶融塩の固相が形成されにくくなる。したがって、酸化物系セラミックスの溶射被膜層の厚さは0.2〜0.4mmとする。
【0031】
酸化物系セラミックスの溶射被膜層上には、さらに、厚さ0.05〜0.4mmのガラス質被膜層を形成させるのがよい。
【0032】
たとえばプラズマ溶射による酸化物系セラミックスの溶射の場合には、多孔質の被膜層が形成される場合がある。被膜層が多孔質の場合には、腐食性ガスがるつぼの内表面の銅または銅合金まで達して、それらを腐食させる場合がある。これに対して、ガラス質被膜層でプラズマ溶射被膜層の上を覆うことによって、表面を封孔することにより、腐食性ガスに対する耐食性をさらに高めることができる。これらガラス質被膜層の厚さが0.05mm未満では、酸化物系セラミックスの溶射被膜層表面の孔を覆う効果が少ない。また、0.4mmを超え、前述の溶射被膜層との合計の被膜層の厚さが0.6mmを超えると、溶射被膜層およびガラス質被膜層の温度が上昇しやすい。つまり、通電コイルに通電する電力およびコールドクルーシブルの各セグメント内の通水量を調整しても、コールドクルーシブルの内表面の温度が溶融塩の融点を超えることがあり、るつぼの内表面上の被膜層側に溶融塩の固相が形成されにくくなる。したがって、ガラス質被膜層の厚さは0.05〜0.4mmとする。
【0033】
ガラス質被膜層の組成としては、溶融塩や塩素ガスなどの腐食性ガスに対して耐食性のある酸化物および被膜層形成に必要な酸化物、たとえば、少なくともSiO2 またはB2 3 を含んだ組成であればよい。
【0034】
ガラス質被膜層用の原料には、たとえば、ZrO2 、Al2 3 、SiO2 のコロイド粒子を水またはアルコールなどの有機溶媒剤に分散させたゾルなどを用いることができる。ガラス質とは、Si−OまたはB−Oの無規則なネットワーク(網目構造)を基本構造とし、CaOやAl2 3 が基本構造中に添加された非晶質の酸化物を意味するが、その一部が結晶化していても、溶射被膜の表面を封孔していればよい。
【0035】
溶射被膜層上に、ガラス質被膜層を形成させる方法として、コールドクルーシブルの持つ特徴を生かす方法、すなわち、るつぼの炉壁部の外周部に備えた通電コイルに交番電流を通電して、ガラス質被膜層をガラス化する方法が好ましい。その具体的な方法を以下に説明する。
【0036】
前述のガラス質被膜層の原料を、刷毛塗り、スプレー噴霧などの方法により、溶射被膜層の表面に塗布する。自然乾燥により水分やアルコールなどを揮発させた後、るつぼ内に鋼製または黒鉛製の円柱を装入する。通電コイルに通電することにより、これら鋼や黒鉛の導電性材料を誘導加熱して、るつぼの内表面を間接加熱する。誘導加熱の際は、水やアルコールなどの溶剤の気化、蒸発を考慮して、予備加熱の後に本加熱を行うのがよい。急速に加熱すると、揮発成分が突沸したり急激なガス化により、ガラス質被膜層内に気泡が生じたり、被膜層厚さにムラが生じたりする。予備加熱の際は、ガラス質被膜層の原料を塗布した部分を100℃〜200℃の温度範囲に数十分から数時間かけて徐々に昇温する。その後の本加熱の際は、700℃〜1300℃の温度範囲まで昇温し溶融させた後、冷却しガラス化させて緻密な被膜層を形成させる。
【0037】
本発明の溶融塩用コールドクルーシブルを用い、溶融塩中で被処理物を処理する際に、るつぼの内表面を溶融塩の融点以下に保持しながら溶融処理する。その処理方法を具体的に以下に説明する。
【0038】
内表面に溶射被膜層または溶射被膜層とガラス質被膜層を形成させたるつぼを準備し、このるつぼ内に、常温下で固体の塩化物を装入した後、蓋を被せる。るつぼの炉壁部を構成する各セグメントおよび通電コイルに所定流量の冷却水を通水した後、通電コイルに高周波交番電流を通電し、るつぼ内の固体の塩化物の誘導加熱を行う。
【0039】
固体の塩化物は導電率が小さく誘導加熱効率が低いので、固体の塩化物のみでは溶解しにくい場合がある。したがって、固体の塩化物が溶解するまでの間、金属や黒鉛などの導電性材料をるつぼ内に装入し誘導加熱の熱源とするのがよい。溶融塩が形成された後に、これらの金属や黒鉛を取り出せばよい。溶融塩は導電率が大きいので、いったん溶融した後には、誘導加熱によって、溶融状態が保持される。
【0040】
対象とする溶融塩中での被処理物の溶融処理とは、たとえば下記のような処理である。
【0041】
イ)可燃性および難燃性の放射性廃棄物を焼却処理する際に発生する塩含有の焼却灰を溶融する焼却灰の減容処理。
ロ)使用済み燃料の再処理工程で生じた高レベル放射性金属を含んだ硝酸塩を溶融し、さらに硝酸塩が酸化物まで分解して酸化物と金属が溶融する高温まで加熱し、有価金属と酸化物を相分離回収する放射性廃棄物処理。
ハ)使用済み燃料を塩化物溶融塩中に溶解し、電解により電極析出物として生成した燃料酸化物あるいは金属を分離回収する使用済み燃料の再処理。
【0042】
【実施例】
本発明の溶融塩用コールドクルーシブルおよびガラス質被膜層の形成方法およびコールドクルーシブルを用いた溶融処理方法の効果を確認するため、図1および図2に示す構成のコールドクルーシブルを用いて、塩化物を溶融後、保持し、その後放冷して溶融塩を固化する試験を行った。その際に、塩化物の溶融、固化を繰り返し、るつぼの内表面の腐食状況、溶射被膜層とガラス質被膜層の浸食状況、およびガスのシール性を評価した。
【0043】
用いたコールドクルーシブルは、次のとおりである。るつぼは銅合金製で、高さ250mm、上端の内径150mm、スリット幅0.2mm、スリット長さ(高さ方向)200mm、スリット数20本である。スリットで分割された各セグメントの内部は水冷可能な構造である。るつぼの炉壁部の外周部に設けた通電コイルは、内部が水冷可能な銅製の管であり、巻き数は6である。溶融塩の保持中には、各セグメント内部に設けた熱電対を用いて、各セグメントの内表面の温度を測定した。
【0044】
るつぼの内表面には、一部の試験以外では、ガスプラズマ溶射によって、溶射被膜層を形成させた。その際、溶射する材質および被膜層の厚さを種々変更して試験した。また、一部の試験では、溶射被膜層の上にガラス質被膜層を形成させた。用いたガラス質の材料およびガラス質被膜層の厚さは後述する表1に示すとおりである。また、ガラス質被膜層は、次の方法によって形成した。すなわち、ガラス質被膜層形成用の原料を刷毛塗りして、溶射被膜層の表面に塗布した後、自然乾燥により水分やアルコールなどを揮発させるとともに、るつぼ内に直径146mmの鋼製の円柱を装入した。装入後、通電コイルに通電することにより、これらの導電性材料を誘導加熱して、るつぼ内表面の温度を1300℃まで上昇させ、ガラス質被膜層を形成させた。
【0045】
用いた塩化物は、NaCl50質量%、KCl50質量%で、その溶融塩の融点は670℃である。合計5kgの塩化物を大気中で溶融し、その溶融塩を保持し、その後固化した。塩化物の溶融から固化までの具体的な手順は、次のとおりである。
【0046】
塩化物の粉末をるつぼ内に装入し、初期溶解時の誘導加熱源として、直径100mmの黒鉛製の円柱をるつぼの中心部に装入し、周波数300kHz、電力50KWの高周波交番電流を通電コイルに通電した。黒鉛製円柱が誘導加熱されて赤熱し、通電開始から約15分後に塩化物が完全に溶融した。その後、黒鉛製円柱をるつぼの上部から退避させた。
【0047】
その後、溶融塩の温度をアルミナ保護管に入れた熱電対にて測温し、その温度が700℃を維持するように通電コイルの印加電力を調整し、溶融状態を4時間保持した。その後、通電コイルへの通電を停止し、2時間かけて放冷した。固化した塩が常温まで低下してから24時間放置した。その後、この固化物を再溶融することを繰り返した。再溶融に際し、固化物の溶融を促進するため、黒鉛製電極を上部から徐々に装入して、電極を誘導加熱した。
【0048】
このような塩化物の溶融、保持、固化、取り出しの作業を50回繰り返した後、るつぼ内表面の腐食状況や、溶射被膜層、ガラス質被膜層の浸食状況を調査した。また、溶融塩を溶融し保持している間に、スリットからガスが漏れるかどうかのシール性を、次の方法で調査した。
【0049】
すなわち、るつぼの上部を、電極、ガス導入孔およびガス排出孔を備えた蓋で覆い完全にシールした。また、通電コイルの外側に、一般的な雰囲気ガスモニタ用のセンサを配置した。後述するCl2 ガス(分圧40hPa)を含有する腐食性ガスを溶融塩中に吹き込むとともに、上述のガスのセンサによって、ガス吹き込み中に雰囲気中の塩素ガス濃度を測定した。得られた塩素ガス濃度の値により、ガスのシール性を次のように評価した。評価「良好」とは、塩素ガス濃度(雰囲気ガスの全圧力に占める塩素ガス分圧の割合)が1ppm未満(分圧換算で0.1Pa未満)の場合、評価「極少量のガス流出」とは、塩素ガス濃度が1〜3ppm(分圧換算で0.1〜0.3Pa)の場合、評価「流出」とは、塩素ガス濃度が3ppmを超える(分圧換算で0.3Paを超える)場合をそれぞれ意味する。
【0050】
さらに、本発明例のうちの一部の試験では、コールドクルーシブル内に前述の密閉蓋のガス導入孔から腐食性ガスを導入し、このときのコールドクルーシブル内表面の腐食状況を調査した。使用した腐食性ガスとその分圧は、Cl2ガス(分圧40hPa)、HClガス(分圧10hPa)、O2 ガス(分圧200hPa)、H2 Oガス(分圧50hPa)およびN2 ガス(分圧800hPa)の混合ガスである。混合ガスのガス流量は5リットル/分とし、コールドクルーシブル内のガス圧が1100hPaとなるようガス排出孔を調整した。表1に試験条件および試験結果を示す。
【0051】
【表1】
Figure 0003808257
【0052】
本発明例の試験No.1およびNo.2では、本発明で規定する条件の範囲内のZrO2 50質量%、Al2 3 50質量%で、厚さ0.3mmの溶射被膜層を形成させたるつぼを用いた。
【0053】
溶射被膜層の上にガラス質被膜層を形成させなかった試験No.1では、るつぼの内表面の温度は約420℃で、溶融塩の融点670℃以下に保持でき、溶射被膜層は浸食していなかった。ただし、るつぼ内に導入したガスがスリットから極少量流出するのが確認された。溶射被膜層の上にSiO2 が50質量%、Al2 3 が25質量%、CaOが25質量%からなるガラス質被膜層を形成させた試験No.2では、るつぼ内表面の温度は約520℃で、溶融塩の融点以下に保持でき、溶射被膜層およびガラス質被膜層とも浸食していなかった。スリットからガスが流出することもなかった。
【0054】
本発明例の試験No.3およびNo.4では、本発明で規定する条件の範囲内のZrO2 80質量%、Al2 3 20質量%、またはZrO2 20質量%、Al2 3 80質量%で、厚さ0.3mmの溶射被膜層、さらに、これら溶射被膜層の上に試験No.1で用いたガラス質被膜層を形成させたるつぼを用いた。
【0055】
試験No.3およびNo.4では、るつぼ内表面の温度は約520℃で、溶融塩の融点以下に保持でき、溶射被膜層およびガラス質被膜層とも浸食していなかった。スリットからガスが流出することもなかった。
【0056】
本発明例の試験No.5およびNo.6では、溶射被膜層の厚さを0.2mmまたは0.4mmとし、その他の試験条件は、試験No.1と同じとした。溶射被膜層の厚さを0.2mmとした試験No.5では、溶射被膜層が極わずか孔食状に浸食していた。溶射被膜層の厚さを0.4mmとした試験No.6では、溶射被膜層が浸食していなかった。いずれの試験でも、ガラス質被膜層を形成させなかったので、スリットからガスが極わずか流出した。
【0057】
本発明例の試験No.7では、本発明で規定する条件の範囲内のZrO2 50質量%、SiO2 50質量%からなり、厚さ0.3mmの溶射被膜層を形成させたるつぼを用いた。その他の試験条件は試験No.2と同じとした。試験No.7では、るつぼ内表面の温度は約520℃で、溶融塩の融点以下に保持でき、溶射被膜層およびガラス質被膜層は浸食していなかった。また、スリットからガスが流出することもなかった。
【0058】
本発明例の試験No.8では、本発明で規定する条件の範囲内のZrO2 40質量%、Al2 3 30質量%、TiO3 30質量%からなり、厚さ0.3mmの溶射被膜層を形成させたるつぼを用いた。その他の試験条件は試験No.2と同じとした。試験No.8では、るつぼ内表面の温度は約520℃で、溶融塩の融点以下に保持でき、溶射被膜層およびガラス質被膜層は浸食していなかった。また、スリットからガスが流出することもなかった。
【0059】
本発明例の試験No.9では、溶射被膜層の上のガラス質被膜層の材質を、SiO2 40質量%、Al2 3 25質量%、CaO25質量%、ZrO2 10質量%からなるものとし、その他の試験条件は試験No.2と同じとした。試験No.9では、るつぼ内表面の温度は約520℃で、溶融塩の融点以下に保持でき、溶射被膜層およびガラス質被膜層ともに浸食していなかった。さらに、スリットからガスが流出することもなかった。
【0060】
本発明例の試験No.10では、溶射被膜層の厚さを0.05mmとし、その他の試験条件は試験No.2と同じとした。また、試験No.11およびNo.12では、溶射被膜層とガラス質被膜層の合計の厚さが0.6mmとなるよう、それぞれ溶射被膜層厚さを0.4mmまたは0.2mm、ガラス質被膜層厚さを0.4mmまたは0.2mmとし、その他の試験条件は、試験No.2と同じとした。
【0061】
試験No.10、No.11およびNo.12では、るつぼ内表面の温度は約420〜530℃で、いずれの場合も、溶融塩の融点以下に保持でき、溶射被膜層およびガラス質被膜層は浸食していなかった。また、スリットからガスが流出することもなかった。
【0062】
本発明例の試験No.13では、試験No.2の試験条件に加えて、るつぼ内に前述の腐食性ガスを導入する試験を行った。試験No.13では、るつぼ内表面の温度は約520℃で、溶融塩の融点以下に保持でき、腐食性ガスをるつぼ内に導入したにもかかわらず、溶射被膜層およびガラス質被膜層ともに浸食していなかった。
【0063】
比較例の試験No.14では、溶射被膜層およびガラス質被膜層は形成させなかった。したがって、各セグメントの内表面には、通常のNiメッキを施工しているだけである。試験No.14では、るつぼ内表面の温度は約280℃で溶融塩の融点よりも低かったが、銅合金製の各セグメントの内表面は孔食状に著しく腐食していた。また、スリットからガスが流出するのが確認された。
【0064】
比較例の試験No.15およびNo.16では、本発明で規定する条件を外れるZrO2 100質量%、または、Al2 3 100質量%からなり、厚さ0.3mmの溶射被膜層を形成させたるつぼを用いた。その他の試験条件は、試験No.1と同じとした。試験No.15およびNo.16では、ともに溶射被膜層が剥離した。
【0065】
比較例の試験No.17およびNo.18では、本発明で規定する条件を外れる溶射被膜層の厚さを0.15mmまたは0.45mmとして試験した。その他の試験条件は試験No.2と同じとした。試験No.17では、るつぼ内表面の温度は約470℃で溶融塩の融点よりも低かったが、溶射被膜層が薄いために、溶射被膜層は孔食状に浸食していた。また、試験No.18では、溶射被膜層が厚すぎるため、溶射被膜層が剥離した。
【0066】
比較例の試験No.19およびNo.20では、本発明で規定する条件を外れるガラス質被膜層の厚さを0.15mmまたは0.45mmとして試験した。その他の試験条件は試験No.2と同じとした。試験No.19では、るつぼ内表面の温度は約430℃で溶融塩の融点よりも低かったが、ガラス質被膜層が薄いために、溶射被膜層は孔食状に浸食していた。また、試験No.20では、溶射被膜層およびガラス質被膜層の合計の厚さが厚すぎるため、るつぼ内表面の温度は約680℃となり、溶融塩の融点よりも高くなった。そのため、溶射被膜層は全面著しく浸食していた。
【0067】
【発明の効果】
本発明のコールドクルーシブルを適用することにより、塩化物を主体とする溶融塩および腐食性ガスに対して耐食性が優れたコールドクルーシブルが得られる。また、本発明のるつぼ内表面のガラス質被膜層の形成方法では、コールドクルーシブルの特性を生かして、耐食性が優れたガラス質被膜層を簡便に形成できる。さらに、コールドクルーシブルを用いた溶融塩の溶融保持方法を適用することにより、コールドクルーシブルの寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶融塩用コールドクルーシブルの例を示す模式図である。
【図2】本発明のコールドクルーシブルの水平断面の一部の例を示す模式図である。
【符号の説明】
1−1:コールドクルーシブル 1−2:るつぼ
2:通電コイル 3:炉壁部
4:スリット 5:セグメント
6:冷却水通水路 7:溶射被膜層
8:ガラス質被膜層 9:冷却水通水路
10:溶融塩 11:溶融塩の固相
12:非導電性樹脂 13:被覆層

Claims (4)

  1. 炉壁部に複数のスリットを備えるるつぼとそのるつぼの外周部に通電コイルを配置するコールドクルーシブルであって、そのるつぼの内表面に、ZrO2 が20〜80質量%、残部がAl2 3 、SiO2 もしくはTiO2 、またはこれらの2種以上の混合物からなり、厚さが0.2〜0.4mmの酸化物系セラミックスの溶射被膜層を備えることを特徴とする溶融塩用コールドクルーシブル。
  2. 上記酸化物系セラミックスの溶射被膜層上に、さらに厚さ0.05〜0.4mmのガラス質被膜層を有し、上記溶射被膜層と上記ガラス質被膜層の合計の厚さが0.25〜0.6mmであることを特徴とする請求項1に記載の溶融塩用コールドクルーシブル。
  3. 請求項2に記載の溶融塩用コールドクルーシブルのるつぼの内表面の溶射被膜層上にガラス質被膜層を形成させる際に、上記溶射被膜層上にガラス質被膜の原料を塗布した後、上記るつぼの外周部に配置された通電コイルに交番電流を通電して、ガラス化することを特徴とするガラス質被膜層の形成方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の溶融塩用コールドクルーシブルを用い、溶融塩中で被処理物を処理する際に、るつぼの内表面を溶融塩の融点以下に保持しながら溶融処理することを特徴とする溶融処理方法。
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