JP3808201B2 - アイドル回転数の学習制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アイドル回転制御手段によりスロットルバルブのアイドル開度を調節してアイドル回転数を所定回転数となるように制御する際に用いるアイドル回転数の学習制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アイドル時と擬制されるアイドルスイッチのオン時に、アイドル回転制御手段によりスロットルバルブのアイドル開度を調節してアイドル回転数を所定回転数となるようにフィードバック制御している車両等の内燃機関においては、基準となるアイドル開度に対して行った前記フィードバック制御によるフィードバック補正量に基づいて学習値を設定し記憶している。そして、この学習値をフィードバック条件の不成立時等においてフィードバック補正量に代わって用いることにより、上記フィードバック制御と併せて、アイドル回転数の安定化を図っている。
【0003】
しかしながら、アイドルスイッチは一定のオン領域を有しており、この領域内でのアクセルの操作により、アイドルスイッチがオン状態でありながら、わずかながらスロットルバルブが開いて機関回転数が上昇する場合がある。このような場合には、アイドル回転数制御手段によりアイドル開度が減少されるが、この時点でのフィードバック補正量を学習値として誤って学習してしまうと、フィードバック条件の不成立時において、この誤学習された学習値に基づいて、減少したアイドル開度が設定されるため、ストールやアイドル回転数が不安定になるなどの原因となる。
【0004】
そこで、特開昭62−82250号公報に記載されているように、従来、例えば車両発進時等の前記学習値を基準学習値として記憶しておき、この基準学習値から所定範囲内でのみ学習値を更新するようにして、この学習値が特に減少方向に短時間で大きく変動するのを防止し、誤学習による影響の軽減を図っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、スロットルバルブには経年変化で、潤滑油成分や燃焼生成物に由来する炭素微粒子からなるいわゆるデポジットが徐々に付着して行く。このため、検出したスロットル開度が同一であっても、デポジット付着の影響で、経年使用後の実際のスロットルバルブ開口面積は、使用初期時に比べ減少することになる。そして、スロットル開度と機関回転数とから基本燃料噴射量を設定している内燃機関においては、このデポジット付着による吸入空気量の減少で、基本燃料噴射量による空燃比が、理論空燃比に比べリッチ側に移行する。このようなことから、特にデポジット付着の影響の大きくなるスロットル開度の小さい領域において、ドライバビリティ等の不良が顕著となる。一方、アイドリング運転時においては、吸入空気量の減少によりアイドル回転数が低下するという現象を惹起するが、アイドル回転制御手段によるフィードバック制御でアイドル開度が増大されてアイドル回転数は一定に保たれている。本願発明者は、この点に着目し、このアイドル開度の使用初期時と経年使用後との変化量から付着しているデポジット量を検出し、この検出したデポジット量に基づいて実際読み込んだスロットル開度に補正を加えるという方法で基本燃料噴射量の設定変更を行い、前記ドライバビリティ等の不良といった不具合の解決を図っている。しかして、デポジットは、経年変化で極めてゆっくりと付着していくものであるため、この方法においては、例えばAT操作等に係る一時的なアイドル開度の変化を無視する必要がある。そこで、具体的には、デポジット量の検出パラメータを、アイドル開度に基づいて設定され、しかもアイドル開度の一時的な変化の影響を受けにくい前記学習値としている。そしてこの学習値の経年使用後における使用初期時に比べた増大量からデポジット量を検出し、スロットル開度の補正を行っている。
【0006】
一方、付着していたデポジットが、ユーザーの清掃等により除去されたり、何らかの原因で剥離した場合には、前述とは逆でスロットルバルブの実際の開口面積が増大することになる。この結果、吸入空気量の増加から基本燃料噴射量による空燃比が、理論空燃比に比べリーン側に移行しドライバビリティの不良を招く要因となる。
【0007】
ところが、デポジットの除去は、経年変化ではなく極めて短時間に行われるため、速やかにこれに対応して前述したスロットル開度の補正を行い基本燃料噴射量を設定変更する必要が生じる。この場合には、吸入空気量の増大によりアイドル回転数が増大するため、これを補正すべくアイドル回転制御手段によるフィードバック制御でアイドル開度が減少されている。したがって、このアイドル開度の減少量を速やかにスロットル開度の補正に反映させればよいが、実際のパラメータとして用いている学習値は、従来例の欄で述べたように、特に減少方向への短時間の変動を抑制されているために、緩やかにしか減少せず、このアイドル開度の減少を速やかにスロットル開度の補正に反映できない。この結果、ストールや機関回転数の不安定化、あるいは排気ガス中の不良成分の増加といった問題点が惹起される。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる問題点に鑑みて、本発明は、デポジットが除去された場合のみ、学習値を更新できる所定範囲を、付着していたデポジット量に応じて、下限方向に拡大するようにしたものであり、デポジット除去に伴うアイドル開度の減少現象を速やかに学習値に反映させ、スロットル開度の補正等による基本燃料噴射量の設定変更を応答良く行えるように図ったものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
すなわち本発明は、スロットル開度と機関回転数とから基本燃料噴射量を設定している内燃機関に適用され、アイドル回転制御手段によりスロットルバルブのアイドル開度を調節してアイドル回転数を所定回転数となるようにフィードバック制御するとともに、アイドル開度調節の際に行うフィードバック補正量に基づいて学習値を設定し、前記学習値よりも少ない頻度で学習値を基準学習値として設定し、この基準学習値から予め定めた所定範囲内でのみ前記学習値を更新するようにしているアイドル回転数の学習制御方法であって、スロットル開度とエンジン回転数とをパラメータとして基本燃料噴射量を設定し、かつ前記学習値の変化量に基づいてスロットルバルブに付着したデポジット量を検出してデポジット量に応じた基本燃料噴射量の設定変更を行い、更にこの基本燃料噴射量にフィードバック補正を行って空燃比を目標空燃比に保つ燃料噴射量制御とともに用いられ、アイドリング運転時での前記燃料噴射量制御によって理論空燃比に保った際の基本燃料噴射量からの燃料フィードバック補正量が所定以上である場合には、基本燃料噴射量による空燃比が理論空燃比に対してリーン側に所定量以上ずれたと判断して、前記所定範囲の下限を付着していたデポジット量に応じて変更するようにしていることを特徴とするものである。
【0010】
しかして、このような方法によれば、デポジット除去時の学習値の減少方向への更新可能量が拡大して、デポジット除去に伴うアイドル開度の減少が速やかに学習値の減少として反映される。そしてこの学習値の変化量に基づいて行っているデポジット量の検出が速やかに行われ、基本燃料噴射量の設定変更も速やかに行われることになる。すなわち、デポジット除去によりスロットルバルブの実際の開口面積が、検出したスロットル開度に比べ大きくなっても、これを速やかに検出して基本燃料噴射量の設定変更ができ、基本燃料噴射量による空燃比を理論空燃比近傍に保つことができるので、ストールの防止や機関回転数の安定化等を図れドライバビリティの悪化を防止できる。また、所定範囲の下限の減少方向への拡大は、上述したように、デポジットが除去された際にのみ生じる条件、すなわちデポジットの付着によって基本燃料噴射量の設定変更が行われており、なおかつ、基本燃料噴射量による空燃比が、理論空燃比に比べ所定以上リーン側に移行した条件においてのみ行われる。したがって従来行われているアイドル回転数制御に影響を及ぼすこともない。
【0011】
【実施例】
以下に、本発明に係るアイドル回転数の学習制御方法の一実施例を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施例に係るアイドル回転数の学習制御方法を適用した自動車用の内燃機関たるエンジンにおいて、スロットルバルブ8に係る周辺を示す模式的構成図である。
【0012】
このスロットルバルブ8は、吸気系100上に設けられ、スロットルレバー81の回動によって開閉し、吸気量を調節し得るものであり、閉成方向に自己復帰させるよう図示しないばね等で付勢してある。スロットルバルブ8を内蔵するバルブ本体にはメカニカルストッパ82を設けており、これにスロットルレバー81を当接させてスロットルバルブ8の最閉止位置を規定している。なお、スロットルレバー81は、リンクワイヤ83を介して図示しないアクセルペダルに連結されている。
【0013】
そして本実施例では、このスロットルバルブ8に係る周辺装置として、スロットルバルブ8の閉止位置を調節するアイドル回転制御手段2、アイドルスイッチ3、スロットル開度を検出する開度検出手段6、エンジン回転数を検出する回転数検出手段1、および電子制御装置9を少なくとも設けている。
アイドル回転制御手段(以降ISCと称する)2は、例えば、スロットルレバー81の回動端に当接して、スロットルレバー81の閉成方向の動きを係止する作動子21と、電動モータ22と、電動モータ22の回転動作を作動子21の直進退動作に変換するねじ送り機構23とを備えたものである。そして、電動モータ22を回動させてこの作動子21を進退動作させ、スロットルバルブ8の閉止位置を変えて、アイドル回転数を調節する機能を有するものである。なお、この閉止位置でのスロットル開度をアイドル開度と称している。
【0014】
アイドルスイッチ3は、例えばリミットスイッチであり、スロットルレバー81の作動子21への当接の有無によって、それぞれ当接状態および非当接状態の2値を示すアイドル信号3Sを出力するものである。本実施例では、このアイドルスイッチ3を作動子21の動作端に設けることにより、スロットルレバー81が作動子21に当接した際の機械的な押圧により接点状態が変わり、アイドル信号3Sの値が切り換わるようにしている。
【0015】
開度検出手段6は、スロットルバルブ8に連動する例えばロータリポテンショであり、スロットル開度に対応した電圧値を有するスロットル開度信号6Sをアナログ的に出力するものである。
回転数検出手段1は、エンジン回転数に対応した周波数信号を回転数信号1Sとして出力するもので、例えばピックアップコイル式のものなどの一般に広く知られたものを適用している。この回転数信号1Sは、例えば後述する電子制御装置内でF/Vコンバータ等により周波数、すなわちエンジン回転数に応じた電圧値に変換される。
【0016】
電子制御装置9は、CPU91、メモリ92、入力インターフェース94、出力インターフェース93等を備えるようにした、いわゆるマイコン装置として一般に知られているものである。
この入力インタフェース94には、アイドルスイッチ3からのアイドル信号3S、回転数検出手段1からのエンジン回転数信号1Sおよび開度検出手段6からのスロットル開度信号6Sを少なくとも入力するようにし、さらに本実施例では、目標エンジン回転数をその運転状況に応じて種々に設定すべく、この運転状況の判断基準である水温信号aや、車速信号b、あるいはエアコンオン/オフ信号c等を取り入れるようにしている。そして、出力インタフェース93からは、ISC2に付属の電動モータ22を駆動し、その回動速度および方向を自在に制御するモータ駆動信号MSと、インジェクタ3の燃料噴射の時期および量を制御するインジェクタ駆動信号ISとを少なくとも出力するようにしている。
【0017】
メモリ92は、プログラミングしたソフトウェア等を記憶するもので、このソフトウェアに基づいてCPU91が作動する。本実施例では、このメモリ92に少なくとも後述するアイドル回転数制御と燃料噴射制御のためのプログラムを記憶させている。
このアイドル回転数制御は、基本的に、アイドル時と擬制されるアイドルスイッチ3のオン時に、モータ駆動信号MSを出力し、ISC2によりアイドル開度を調節してアイドル回転数を所定回転数となるようにフィードバック制御するものである。そして、基準となるアイドル開度に対して行った前記フィードバック制御によるフィードバック補正量に基づいて学習値DLRNを設定し記憶するとともに、この学習値DLRNをフィードバック条件の不成立時等において前記フィードバック補正量に代わって用いることにより、上記フィードバック制御と併せて、アイドル回転数の安定化を図っている。また、図5に示すように学習値DLRNの記憶・更新の頻度よりも少ない頻度で、例えば車両発進時等の所定運転条件Tとなった際の前記学習値DLRNを基準学習値DHLDとして記憶しておき、この基準学習値DHLDから所定範囲GRD内でのみ学習値DLRNを更新するようにしている。この所定範囲GRDはその最大値が、基準学習値DHLDに上ガード値KDLRNGHを加えた値であり、最小値が、基準学習値DHLDから下ガード値FLRGDLを減じた値となるように設定している。しかして、上ガード値KDLRNGHに比べ下ガード値FLRGDLを小さい値にしており、この学習値DLRNが特に減少方向に短時間で大きく変動するのを防止し、誤学習による影響の軽減を図っている。
【0018】
また、この電子制御装置9は、これらの機能だけでなく、空燃比が目標空燃比(例えば理論空燃比)となるようにインジェクタ駆動信号ISを出力し、インジェクタ3から噴射される燃料噴射量をフィードバック制御する燃料噴射量制御も行っている。この燃料噴射量制御は、検出したスロットル開度とエンジン回転数とをパラメータとして基本燃料噴射量を設定し、更に、この基本燃料噴射量にフィードバック補正を行って、空燃比を目標空燃比(例えば理論空燃比)に保つものである。
【0019】
その際、デポジットの付着に対する補正を行うべく、学習値DLRNの使用初期時と経年使用後との変化量から付着しているデポジット量DEPOを検出し、この検出したデポジット量DEPOに基づいて、検出したスロットル開度の補正を行うことにより、基本燃料噴射量の設定変更を行っている。
しかして、本実施例では、上述したアイドル回転数制御において、前記所定範囲GRDを変更すべく、次のようなステップからなるプログラムをメモリに記憶させ、実行している。なお、このプログラムは一定周期で繰り返し行われる。
【0020】
このプログラムは、図2に示すように、まずステップS1において、前記フィードバック補正量に基づいて計算した学習値DLRNが、基準学習値DHLDに対して予め定めた所定範囲GRDの上限(DHLD+KDLRNGH)以上であるかどうかを判断する。そして、上限(DHLD+KDLRNGH)以上であればステップS2に進み。そうでなければステップS3に進む。
【0021】
ステップS2においては、学習値DLRNを所定範囲GRDの上限(DHLD+KDLRNGH)に更新し、ステップS8に進む。
ステップS3では、基本燃料噴射量による空燃比が、理論空燃比に対して所定量X以上リーン側に移行しているかどうかを判断している。これは、付着していたデポジットが除去されたかどうかを判断している部分で、具体的には、前記燃料噴射量制御によって理論空燃比に保った際の基本燃料噴射量からの燃料フィードバック補正量が所定以上であるかどうかから判断する。そして、所定量X以上リーン側へ移行しておりデポジットが除去されたと判断した場合には、ステップS6に進み、そうでない場合にはステップS4へ進む。
【0022】
ステップS4では、学習値DLRNが所定範囲GRDの下限(DHLD−FLRGDL)以下であるかどうかを判断する。そして、下限(DHLD−FLRGDL)以下であればステップS5に進み、そうでなければステップS8へ進む。
ステップS5では、学習値DLRNを所定範囲GRDの下限(DHLD−FLRGDL)に更新し、ステップS8に進む。
【0023】
一方、ステップS6では、除去前に付着していたデポジット量DEPOに応じて設定した下限延長値FLRGDDP分、所定範囲GRDの下限(DHLD−FLRGDL)をさらに下方に引き下げるとともに、学習値DLRNがこの引き下げた下限(DHLD−FLRGDL−FLRGDDP)以下であるかどうかを判断する。なお、下限延長値FLRGDDPは、デポジット付着量DEPOをパラメータとする関数であり、デポジットの付着量DEPOが大きいほど大きくなるように設定している。そして、下限(DHLD−FLRGDL−FLRGDDP)以下であればステップS7に進み、そうでなければステップS8に進む。
【0024】
ステップS7では、学習値DLRNを、この引き下げた下限(DHLD−FLRGDL−FLRGDDP)に更新する。そしてステップS8に進む。
そしてステップS8で、本周期でのこのプログラムを終了する。
しかして、このように構成した本実施例によれば、付着していたデポジットが清掃等何らかの要因で除去され、スロットルバルブ8の実際の開口面積が増大した場合に次のように基本燃料噴射量の設定が変更される。すなわち、デポジット除去の結果、吸入空気量が増加すると、基本燃料噴射量による空燃比が、理論空燃比に比べリーン側に移行することになる。しかして、この移行量が所定値以上であれば、デポジットが除去されたと判断し(ステップS3)、学習値DLRNを更新し得る所定範囲GRDを、下限方向に図3に示す通常時より、図4に示すように、下限延長値FLRGDDP分拡大する(ステップS6、ステップS7)。
【0025】
この結果、図5に示すように、学習値DLRNの減少方向への更新可能量が拡大して、デポジット除去に伴うアイドル開度の減少が速やかに学習値DLRNの減少として反映される。そしてこの学習値DLRNの変化量に基づいて行っているスロットル開度の補正による基本燃料噴射量の設定変更も速やかに行われることになる。すなわち、デポジット除去によりスロットルバルブ8の実際の開口面積が、検出したスロットル開度に比べ大きくなっても、これを速やかに検出してスロットル開度の補正を行い、基本燃料噴射量の設定変更を行い、基本燃料噴射量による空燃比を理論空燃比近傍に保つことができる。したがって、ストールの防止や機関回転数の安定化等に寄与してドライバビリティの悪化を防止できる。また、所定範囲GRDの下限の減少方向への拡大は、上述したように、デポジットが除去された際にのみ生じる条件、すなわちデポジットの付着によって基本燃料噴射量の設定変更が行われており、なおかつ、基本燃料噴射量による空燃比が、理論空燃比に比べ所定以上リーン側に移行した条件にのみ行われるので、従来行われているアイドル回転数制御に対して、例えば学習値DLRNを誤学習するといった悪影響を及ぼすこともない。
【0026】
なお、本発明は上述した実施例に限られるものではない。例えば、プログラム中の大小判断の部分でヒステリシスを設けるなどしてもよい。その他各部の構成は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0027】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、付着していたデポジットが清掃等の要因で除去され、スロットルバルブの実際の開口面積が増大した場合に、吸入空気量の増加に伴う基本燃料噴射量による空燃比のリーン側への移行をもって、デポジットが除去されたと判断し、学習値を更新し得る所定範囲を下限方向に通常より付着していたデポジット量に応じて拡大する。この結果、学習値の減少方向への更新可能量が拡大して、デポジット除去に伴うアイドル開度の減少が速やかに学習値の減少として反映される。そしてこの学習値の変化量に基づいて行っているデポジット量の検出が速やかに行われ、基本燃料噴射量の設定変更も速やかに行われることになる。
【0028】
したがって、デポジット除去によりスロットルバルブの実際の開口面積が、検出したスロットル開度に比べ大きくなっても、これを速やかに検出して基本燃料噴射量の設定変更を行い基本燃料噴射量による空燃比を理論空燃比近傍に保つことができるので、ストールの防止や機関回転数の安定化等を図れドライバビリティの悪化を防止できる。また、所定範囲の下限の減少方向への拡大は、上述したように、デポジットが除去された際にのみ生じる条件、すなわちデポジットの付着によって基本燃料噴射量の設定変更が行われており、なおかつ、基本燃料噴射量による空燃比が、理論空燃比に比べ所定以上リーン側に移行した条件にのみ行われる。したがって従来行われているアイドル回転数制御に悪影響を及ぼすこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る内燃機関の主要構成を示す模式的構成図。
【図2】同実施例の制御プログラムを示すフローチャート。
【図3】同実施例の学習値の下限を示す説明図。
【図4】同実施例の学習値の下限を示す説明図。
【図5】同実施例の学習値の変化を示すタイムチャート。
【符号の説明】
2…アイドル回転制御手段
8…スロットルバルブ
DLRN…学習値
DHLD…基準学習値
DEPO…デポジット量
GRD…所定範囲
X…所定量
Claims (1)
- アイドル回転制御手段によりスロットルバルブのアイドル開度を調節してアイドル回転数を所定回転数となるようにフィードバック制御するとともに、アイドル開度調節の際に行うフィードバック補正量に基づいて学習値を設定し、前記学習値よりも少ない頻度で学習値を基準学習値として設定し、この基準学習値から予め定めた所定範囲内でのみ前記学習値を更新するようにしているアイドル回転数の学習制御方法であって、
スロットル開度とエンジン回転数とをパラメータとして基本燃料噴射量を設定し、かつ前記学習値の変化量に基づいてスロットルバルブに付着したデポジット量を検出してデポジット量に応じた基本燃料噴射量の設定変更を行い、更にこの基本燃料噴射量にフィードバック補正を行って空燃比を目標空燃比に保つ燃料噴射量制御とともに用いられ、
アイドリング運転時での前記燃料噴射量制御によって理論空燃比に保った際の基本燃料噴射量からの燃料フィードバック補正量が所定以上である場合には、基本燃料噴射量による空燃比が理論空燃比に対してリーン側に所定量以上ずれたと判断して、前記所定範囲の下限を付着していたデポジット量に応じて変更するようにしていることを特徴とするアイドル回転数の学習制御方法。
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