JP3807944B2 - 表示装置および照明装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、視角特性が良好な表示装置、およびそれに用いられる照明装置に関し、特に、出射角に応じて輝度に偏りを有する光を出射する照明装置と光拡散手段とを利用して広視野角化を実現した液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、軽量、薄型、低消費電力という特徴を有しているため、OA用機器、車載用テレビ、ビデオカメラ用モニタ等において広く使用されている。液晶表示装置は、CRT、PDP(プラズマディスプレイパネル)、あるいはEL(エレクトロルミネッセンス)というような表示装置とは異なり、表示素子自体は発光しない。このため、透過型の液晶表示装置では、液晶表示素子の背面にバックライトと呼ばれる面状の照明装置が設けられており、バックライトからの照明光の透過光量を液晶表示素子が画素ごとに制御することによって画像の表示が行なわれる。
【0003】
液晶表示装置(以下、LCDと呼ぶ)としては、ツイステッドネマティック(TN)型およびスーパーツイステッドネマティック(STN)型の液晶表示素子を用いるものが知られている。これらの液晶表示素子は、一対の基板間で液晶分子をツイスト(捩れ)配向させた液晶層と、これを挟んで液晶層の後方と前方に配置された一対の偏光板とによって構成されている。バックライトからの照明光のうち後方の偏光板を透過して液晶層に入射した光(偏光)は、液晶分子の配向状態に応じて偏光方向が回転する。また、前方の偏光板は、所定の偏光方向を有する光のみを選択的に透過させるように機能する。従って、液晶分子の配向状態を制御すれば、前方の偏光板を透過する光量を制御することができる。
【0004】
しかし、TN型、STN型の液晶表示素子を用いるLCDは、画像を見る角度(視角)によって画質が大きく変化し、例えば、コントラストが大きく変化したり、中間調の輝度や色調が変化して正常な画像が得られなくなってしまうという問題を有していた。
【0005】
このような画質の視角依存性は、画像を見る方向(方位)に応じて異なる。例えば、図21に示すように中間調の表示を行なうとき、液晶層中央部の液晶分子LC1が基板面に対して傾いた状態(液晶分子LC2)となった場合において、液晶分子の回転動作(または立ち上がり動作)が生じる面S4内において基板に対して所定の斜め方向から入射された偏光Cは、S4の面内で液晶分子(液晶層)を通過するために、液晶分子が有する複屈折性の角度依存性の影響を強く受けることになる。このため、視角に応じた光量の変化が大きくなる。
【0006】
一方、正面方向の偏光A、および面S4に垂直な面S3内において斜め方向から入射される偏光Bは、常に、液晶分子の長軸を横切るように液晶層を通過するため、液晶分子が有する複屈折性の角度依存性の影響を弱く受けることになる。このため、視角に応じた光量の変化が小さくなる。
【0007】
したがって、観察者が偏光AおよびBを観察する場合には、液晶分子の配向状態に対応した中間調の表示を安定して観察することができるのに対し、偏光Cを観察する場合、偏光AおよびBを観察したときと同じような中間調の表示が行なわれず、明表示と暗表示との反転が生じやすいという問題があった。
【0008】
これに対して、上述のような視角依存性を低減して広視野角化を実現するために、照明装置から出射された照明光の指向性(平行性)を高めるとともに、液晶表示素子の前方に光拡散手段が配置されたLCD(例えば、特開平7−239467号公報に記載)が知られている。このようなLCDでは、液晶表示素子に入射される入射角の大きい照明光の輝度を低減することによって得られた所望のコントラスト、中間調、色調を有する画像を光拡散手段を用いて拡散することによって広視野角化を実現している。
【0009】
以下、図13を参照しながら、特開平7−239467号公報に記載の従来の画像表示装置を説明する。図13に示すように、従来の画像表示装置400は、面光源411およびプリズムフィルム414を備えた照明装置410と、液晶表示素子430と、ウェーブレンズフィルム440とを備える。
【0010】
画像表示装置400において、プリズムフィルム414は、プリズムが形成された面が面光源411と対向しない側に配置され、光を屈折、反射することによって、光出射面においてプリズムの稜線414aが延びる方向yと直交する方向xで規定される方向において、高指向性の出射角特性を発現させる。すなわち照明装置410は、光出射面に対して垂直に交わる面のうち、方向xに平行な面において、図において矢印Uで示すように平行性が向上した照明光を出射する。
【0011】
なお、本明細書では、上述のような照明装置の光出射面に対して垂直に交わる面を「垂直面」と言う。例えば図22に示すように、光出射面Sxy(xy平面)から方位角φおよび出射角θを有する光LTが出射される場合、この光LTを、「方向Dφに平行な垂直面(または方向Dφに広がる垂直面)」において出射された光と呼ぶ。また、方向Dφは、面Sxy内における方位角φによって規定される方向であるため、方位Dφと言う場合がある。なお、「光出射面」とは、プリズム等が設けられることで凹凸を有している面であっても、光を出射する面の全体を平面として見なすことで形成される仮想的な面を意味する。
【0012】
液晶表示素子430は、照明装置410から照射された光の透過率を画素毎に制御することによって画像を表示するが、平行性が向上された光が入射されるため、所望のコントラスト、中間調、色調を有する画像を表示することができる。ただし、液晶表示素子430から出射される表示光は、プリズムフィルム414に形成されたプリズムの稜線414aに直交する方向xに平行な垂直面において高指向性の出射角特性を有している。これに対し、ウェーブレンズフィルム440が設けられており、プリズムの稜線414aの延びる方向とウェーブレンズの稜線の延びる方向440aとが略一致するように配置されている。ウェーブレンズフィルム440は、ウェーブレンズの稜線440aと直交する方向xに平行な垂直面において光を拡散させる作用を有しているため、液晶表示素子430を通過した表示光を、その出射角特性が低減されるように拡散する。このようにして表示装置400は、所望の表示品位を有する画像を広い視角範囲で表示するようにしている。
【0013】
また、特開平8−304631号公報に記載の画像表示装置500は、図14に示すように、光源511、光反射シート512、導光体513、およびプリズムフィルム514からなる照明装置510と、液晶表示素子530と、レンチキュラーレンズフィルム540とによって構成される。
【0014】
上記画像表示装置500では、プリズムフィルム514はプリズム形成面が導光体513と対向するように配置され、プリズムでの光の屈折または反射によって、プリズムの稜線と直交する方向に広がる垂直面において平行性が向上した高指向性の出射角特性を有する光が液晶表示素子530に照射される。液晶表示素子530を透過した光はレンチキュラーレンズフィルム540によってレンチキュラーレンズの稜線と直交する方向の垂直面において拡散される。このように画像表示装置500も、プリズムの稜線の方向とレンチキュラーレンズの稜線の方向とを略一致させることによって、所望の表示品位を有する画像を広い視角範囲で表示するようにしている。
【0015】
また、特開平2−118518号公報には、図15に示すように、光源611、球面鏡612、レンズ614を有する照明装置610と、液晶表示素子630、および光拡散手段640とによって構成される画像表示装置600が記載されている。
【0016】
上記画像表示装置600では、光源611からの光がレンズ614で屈折されることによって、液晶表示素子630にはレンズ614の延びる方向yに垂直な方向xに平行な垂直面において平行性の向上した光が照射される。液晶表示素子630を通過した光は光拡散手段640によって拡散される。この光拡散手段640は、例えば、ウェーブレンズフィルムなどによって構成されており、上記方向xに平行な垂直面において光を拡散させるように機能する。このようにして、画像表示装置600では、所望の表示品位を有する画像を広い視角範囲で表示するようにしている。なお、レンズ614はフレネルレンズとすることも可能である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の画像表示装置では、画像表示面内の特定の方位で、視角が大きくなるにしたがって表示光の輝度が低下してしまうという現象が発生していた。以下、その理由を説明する。
【0018】
図16は、上記特開平7−239467号公報に記載の画像表示装置400(図13参照)の照明装置410が備えるプリズムフィルム414を示す。上述のように、プリズムフィルム414の光出射面に対して垂直で、かつ、プリズムの稜線と直交する方向に広がる平面▲1▼において、面光源411からの照明光は効率よく屈折、反射され、高指向性の出射角特性を有する光が出射される。
【0019】
一方、プリズムフィルム414の光出射面となす角度が小さい平面▲3▼では、平面▲1▼におけるよりも、面光源411からの照明光は反射され易く、プリズムフィルム414を透過する光量が低下する。これは、照明光に対するプリズムフィルム414の見かけの角度が大きくなるため、プリズムフィルム414の光出射面において入射角の大きい照明光は表面反射され易いからである。なお、プリズムフィルム414と為す角度が平面▲1▼よりも小さく平面▲3▼よりも大きい平面▲2▼においては、平面▲1▼におけるよりも透過光量が少なく、平面▲3▼におけるよりも透過光量が多くなる。
【0020】
その結果、プリズムの稜線方向に広がる垂直面(すなわち、プリズムフィルム414の光出射面に対して垂直に交わる面のうち、プリズムの稜線方向yに平行な面)においても、出射角が大きくなるにしたがって出射光量が減少することになる。これにより、プリズムの稜線方向に広がる垂直面においても出射光は出射角に応じて輝度に偏りを有する。
【0021】
具体的な例として、照明装置410にプリズムフィルム412として住友スリーエム株式会社製の“BEF(商品名)”を配置した場合の出射角特性を図17(a)および(b)に示す。図17(a)および(b)に示すように、照明光は、プリズムの稜線に直交する方向に広がる垂直面でも平行な方向に広がる垂直面でも高い指向性を有していることがわかる。すなわち、これらの互いに直交する垂直面のいずれにおいても、プリズムフィルム414から出射される光の輝度は、出射角に応じて偏りを有している。
【0022】
一方、ウェーブレンズフィルム440はウェーブレンズの稜線がプリズムフィルム414のプリズムの稜線と平行に配置され、稜線と直交する方向に広がる垂直面において光を拡散するが、稜線方向に広がる垂直面では実質的に光を拡散しない。したがって、液晶表示素子430で変調されウェーブレンズフィルム440を通過した画像は、所望のコントラスト、中間調、色調を有し、ウエーブレンズの稜線と直交する方位においては、視角に応じた表示光の輝度変化が少なく、観察者は画像を良好に観察することができるが、稜線と平行な方位においては、視角が大きくなるにしたがって表示光の輝度が低下し、目視が困難となってしまう。
【0023】
また、前記特開平7−239467号公報には、液晶表示素子の前面(観察者側表面)において、2枚のウェーブレンズフィルムをそれぞれのウェーブレンズの稜線が直交するように配置した画像表示装置も開示されている。この場合、液晶表示素子で表示された画像は2枚のウェーブレンズフィルムによって、直交する2つの垂直面において拡散されるので、いずれの方位からも一定の輝度で画像を観察することが可能である。しかし、この構成では、周囲からの光が2枚のウェーブレンズフィルムで反射、散乱されることによって、液晶表示素子で表示される画像に悪影響を及ぼし、画像の表示品位が著しく低下してしまうという問題が発生する。
【0024】
また、前記特開平8−304631号公報の画像表示装置500における照明装置510でも、プリズムフィルム514のプリズムの屈折、反射によってプリズムの稜線と直交する方向に広がる垂直面において出射光に高指向性の出射角特性が生じるとともに、稜線と平行な方向に広がる垂直面でも出射角が大きくなるにしたがって光量が減少する。
【0025】
具体的に、プリズムフィルム514に三菱レイヨン株式会社製の“ダイヤアートS165(商品名)”を使用した場合の照明光の出射角特性を図18(a)および(b)に示す。図18(a)および(b)からわかるように、プリズムの稜線と直交する方向に広がる垂直面では出射光が非常に高い指向性を有するとともに、稜線と平行な方向に広がる垂直面でも高い指向性が有していることがわかる。
【0026】
照明装置510からの照明光を受け、液晶表示素子530を通過して表示された画像は、レンチキュラーレンズフィルム540によってレンチキュラーレンズの稜線と直交する方位において拡散されるため、この方位において所望の表示品位を有する画像が広い視角範囲で表示される。しかし、レンチキュラーレンズの稜線と平行な方位においては視角に応じた表示光の輝度変化が大きく、視角が大きいと画像の観察が困難である。
【0027】
前記特開平2−118518号公報の画像表示装置600における照明装置610でも、照明光の出射角特性はレンズ614の稜線と直交する方向に非常に高い指向性を有するとともに、稜線と平行な方向においても指向性が付与されている。
【0028】
また、稜線方向に広がる垂直面における出射光の出射角特性は、レンズ614の厚さが最大となる中央部とレンズ614の厚さが最小となる端部とでは異なる。なぜなら、図19に示すように、レンズ614の中央部では水平面PHに対するレンズ面の傾きが小さく照明光はレンズ614を透過しやすいが、レンズの端部P2に近づくにつれレンズ面の傾きが大きくなり、レンズ面に対する光の入射角が大きくなるため、照明光の光量が減少するためである。レンズ614を通過した後の照明光の出射角特性を図20(a)および図20(b)に示す。図20(b)に示すように、レンズの稜線に平行な方向において、レンズ614の中央部におけるよりも端部における方が高い指向性を有する光を出射する。
【0029】
照明装置610からの照明光を液晶表示素子630で変調することによって形成される画像は、ウェーブレンズフィルムやレンチキュラーレンズフィルムといった光拡散手段640によって1つの方位において拡散されて所望の表示品位で観察されるが、この方位と直交する方位では視角に応じた表示光の輝度変化が大きく、視角が大きいと輝度が著しく低下する。また、レンズの中央部と端部とで輝度変化が異なって観察されてしまう。このため、画像を観察する場合、画面の中央部と端部とで視角に応じた輝度の低下率に異なりが生じ、画面上の位置に応じて輝度が異なる画像が観察される。
【0030】
以上説明したように、従来の画像表示装置では、指向性の高い光を液晶表示素子に入射させることによって入射光を所望の状態に変調することはできるが、液晶表示素子からの出射光(表示光)を、任意の方位において広い視角範囲で適切に観察することは困難であった。
【0031】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであって、何れの方位においても、広い視角範囲で所望の表示品位を有する画像を表示することができる表示装置を提供することを目的とする。
【0032】
本発明の他の目的は、上記表示装置において適切に用いられる面状照明装置を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明の表示装置は、出射角に応じて輝度に偏りを有する高指向性の光を出射する照明装置と、前記照明装置から出射した光を光変調することができる表示素子と、前記照明装置と前記表示素子との間に配置された第1の光拡散手段と、前記表示素子の前記第1の光拡散手段が配置された側とは反対側に配置された第2の光拡散手段とを備え、前記第1の光拡散手段は、前記照明装置の光出射面に対して垂直な第1の面において、他の面におけるよりも光の輝度の偏りを低減するように前記光を拡散させ、前記第2の光拡散手段は、前記照明装置の光出射面内に対して垂直であり、かつ、前記第1の面と交差する第2の面において、他の面におけるよりも前記光の輝度の偏りを低減するように前記光を拡散させる。
【0034】
好ましい実施形態において、前記第1の面と前記第2の面とは略直交する。
【0035】
好ましい実施形態において、前記第1の光拡散手段は、前記第2の面における前記光の輝度の偏りを実質的に低減しない。
【0036】
好ましい実施形態において、前記第2の光拡散手段は、前記第1の面における前記光の輝度の偏りを実質的に低減しない。
【0037】
好ましい実施形態において、前記表示素子の、前記第1の面における光変調角度は、前記第2の面における光変調角度よりも広い。
【0038】
好ましい実施形態において、前記表示素子は、厚さ方向において捩れた配列状態を取り得る複数の液晶分子から形成される液晶層と、前記液晶層を挟持する一対の偏光子とを備える。
【0039】
好ましい実施形態において、前記液晶層の厚さ方向中央部に位置する液晶分子は、電圧を印加することによって前記第2の面内で動く。
【0040】
好ましい実施形態において、前記第1の拡散手段は、光透過性の材料から形成されており、前記第1の拡散手段を透過した光を前記第1の拡散手段の光出射面において屈折または反射させることができる。
【0041】
好ましい実施形態において、前記第1の拡散手段は、互いに平行に延びている複数のレンズを有する。
【0042】
好ましい実施形態において、前記複数のレンズは、前記照明装置の出射面内で前記第1の面が延びる方向によって規定される第1の方向に沿って延びている。
【0043】
好ましい実施形態において、前記第1の光拡散手段は、前記第2の面における特定の入射角範囲の光のみを拡散する。
【0044】
本発明の照明装置は、出射角に応じて輝度に偏りを有する光を出射する面状照明装置であって、前記照明装置の光出射面に対して垂直な第1の面において出射角に応じた輝度の偏りを有するとともに、前記照明装置の光出射面内に対して垂直で前記第1の面と交差する第2の面において前記第1の面におけるよりも出射角に応じた輝度の偏りが低減した光を出射する。
【0045】
好ましい実施形態において、照明装置は、前記第2の面において、他の面におけるよりも光の輝度の偏りを低減するように光を拡散させ、かつ、前記第1の面において、前記光の輝度の偏りを実質的に低減しない光拡散手段を備える。
【0046】
また、本発明の表示装置は、上記面状照明装置と、前記面状照明装置から出射した光を光変調することができる表示素子と、前記表示素子を透過した光を拡散する光拡散手段とを備え、前記光拡散手段は、前記第1の面において、他の面におけるよりも前記光の輝度の偏りを低減するように光を拡散させる。
【0047】
以下、本発明の作用を説明する。
【0048】
本発明の画像表示装置は、照明装置から出射された高指向性の光を第1拡散手段によって第1の垂直面内において拡散させた後に表示素子に入射させ、表示素子によって所望の状態に光変調された光を、第2の拡散手段で第2の垂直面内において拡散させることによって、画像を表示している。このようにすれば、互いに交差する第1の垂直面と第2の垂直面との両方で表示光は拡散されるので、いずれの方向から観察した場合であっても、視野角に応じた輝度の変化が少なく、比較的明るい画像を観察することができる。本発明では、表示素子の出射側表面に、上記第1および第2の拡散手段を設けたのではなく、表示素子を挟むようにこれらが配置されているので、拡散手段において周囲光の反射などが生じて画像品質を低下させることはない。また、表示素子に入射される光は、第1の拡散手段によって、第1の垂直面内において拡散されているが、この拡散方向を適切に選択すれば、拡散された光を表示素子において所望の状態に光変調することが可能であるので、画像の品質を低下させることなく、広視野角化を実現することができる。
【0049】
なお、本明細書において「表示素子の光変調角度」とは、表示素子に種々の角度で光が入射される場合において、表示素子が入射光を所望の状態(すなわち、正面方向の光を変調したときの表示に対して、明表示と暗表示との反転が生じず、同様の画像を表示し得る状態)に光変調させることができる入射角範囲の広さ程度を意味する。例えば、TN型またはSTN型の表示素子では、特に中間調表示を行なう場合、液晶分子の捩れ(螺旋の向き、液晶分子の螺旋開始位置)や、液晶分子の屈折率異方性などによって、ある角度以上の入射角で入射した光は所望の状態に変調されない。本明細書では、表示素子の入射面に実質的に垂直な或る面において比較的小さい入射角であっても光が所望の状態に変調されない場合、光変調角度が狭いと言い、比較的大きい入射角であっても光が所望の状態に変調される場合、光変調角度が広いと言う。なお、「光変調」の用語は、光振幅変調、光位相変調、光偏向などを含み、出射光の輝度の大きさを制御し得る光学的作用を広く意味するものとする。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0051】
(実施形態1)
図1は、実施形態1の画像表示装置(液晶表示装置)100を示す。画像表示装置100は、出射角に応じて輝度に偏りを有する高指向性の光を出射する照明装置110と、所定の面内において光を拡散させる第1の光拡散手段120と、入射光を画素毎に所望の状態に変調させることができる液晶表示素子130と、所定の面内において光を拡散させる第2の光拡散手段140とを備える。液晶表示素子130は、第1の光拡散手段120と第2の光拡散手段140との間に挟まれる。
【0052】
本実施形態では、液晶表示素子130として、従来のTN型液晶表示素子が用いられている。すなわち、液晶表示素子130は、厚さ方向において捩れた配列状態を取り得る複数の液晶分子から形成される液晶層と、この液晶層を挟むように配置された一対の偏光板とを有している。液晶表示素子130では、液晶層に印加する電圧を画素毎に制御することで画素領域の光透過率を変化させ、これによって所望の画像を表示することができる。
【0053】
照明装置110は、複数の光源111と、光反射シート112と、光拡散板113と、指向性制御手段114とから構成されている。照明装置110の指向性制御手段114としては、例えば、住友スリーエム株式会社製のプリズムフィルム“BEF”を使用することができる。複数の光源111からは、輝度の角度依存性が低い低指向性の光が出射されるが、指向性制御手段114によって照明光に指向性が付与される。
【0054】
また、第1の光拡散手段120および第2の光拡散手段140としては、例えば公知のレンチキュラーレンズシート(例えば、大日本印刷社製のUCSシート)を使用することができる。レンチキュラーレンズシートよりも薄く、他の光学部材と一体的に形成され得るレンチキュラーレンズフィルムを用いてもよい。なお、第2の光拡散手段(第2のレンチキュラーレンズフィルムまたはシート)140の稜線方向とプリズムフィルム(指向性制御手段)114の稜線方向とを略平行に配置し、第1の光拡散手段(第1のレンチキュラーレンズフィルムまたはシート)120の稜線方向をこれらに直交して配置している。ここでは、図示するように、第1のレンチキュラーレンズフィルム120の稜線が延びる方向をx方向とし、第2のレンチキュラーレンズフィルム140のレンチキュラーレンズ(およびプリズムフィルム114のプリズム)の稜線が延びる方向(x方向と直交する方向)をy方向とする。また、これらの方向x,yと直交する方向をz方向とする。本実施形態では、x方向とy方向とが直交する。
【0055】
図2(a)および(b)は、照明装置110から出射される照明光の出射角特性と、照明装置110からの照明光が第1のレンチキュラーレンズフィルム120によって拡散された後の光の出射角特性示す。図2(a)は、プリズムフィルム114の光出射面(xy平面)に対して垂直に交わる面のうち、プリズムフィルム114のプリズムの稜線と直交する方向xに広がる垂直面(xz平面)における出射角特性を示す。また、図2(b)は、プリズムの稜線と平行な方向yに広がる垂直面(yz平面)における出射角特性を示す。
【0056】
図2(a)に示すように、照明装置110からの照明光は、指向性制御手段として設けられたプリズムフィルム114の作用によって、x方向に広がる垂直面(xz平面または第2の面)において高指向性の出射角特性を有している。なお、ここでは、輝度として、正面方向の輝度を1としたときの相対輝度が示されている。また、上述のように、入射角の大きい光はプリズムフィルム114で表面反射されやすいため、図2(b)に示すように、照明装置110からの照明光はy方向に広がる垂直面(yz平面または第1の面)においても指向性を有する。
【0057】
一方、第1のレンチキュラーレンズフィルム120から出射される光は、図2(b)に示すように、yz平面において、指向性が低減されている。これは、第1のレンチキュラーレンズフィルム120が、レンチキュラーレンズの稜線に直交する方向yに広がる垂直面(yz平面)において、出射角に応じた輝度の偏りを低減するように光を拡散する作用を有するからである。また、第1のレンチキュラーレンズフィルム120は、稜線に平行な方向に広がる垂直面(xz平面)においては実施的に光を拡散しないため、図2(a)に示すように、この垂直面において出射光は高い指向性を有する。この結果、第1のレンチキュラーレンズフィルム120から出射される照明光は、xz平面において高指向性の出射角特性を有するが、yz平面においては輝度変化が緩やかな出射角特性を有する。
【0058】
図3は、液晶表示装置100を通過する光の指向性の変化を模式的に示す図である。図示するように、照明装置110からの出射光は、x方向に広がる垂直面(第2の面)S2およびy方向に広がる垂直面(第1の面)S1との両方において、高指向性を有する。また、第1のレンチキュラーレンズフィルム120は、第1の面S1において輝度の偏りを低減させるように照明光を拡散させる。このとき、第2の面S2においては照明光を拡散させない。その結果、第1のレンチキュラーレンズフィルム120から液晶表示素子130には、第2の面S2において平行性が比較的高く、かつ、第1の面S1において平行性が比較的低い光が照射される。
【0059】
液晶表示素子130は、入射光の透過率を画素毎に制御して画像を表示する。ただし、本実施形態の液晶表示素子130はTN型液晶表示素子であるため、図21に示したように、光の入射角度だけでなく、光の入射方向(方位)に応じても、光変調の作用が異なる。以下、図21を参照しながら、液晶表示素子130における光の変調作用を説明する。
【0060】
通常、液晶表示装置は、正面方向において所望の画像を表示するように設定されているため、液晶表示素子の正面方向からの偏光Aが所望の状態に変調されるように液晶分子の配向状態が制御される。この状態において、液晶層の厚さ方向中央に位置する液晶分子LC1が立ち上がる面S4に垂直な面S3内において斜め方向から入射した偏光Bは、その入射角が比較的大きい場合にも、偏光Aと同様に変調される。従って、液晶表示素子が面S3において所望の状態に光変調することができる入射角範囲(本明細書では、光変調角度と呼ぶ)は広い。
【0061】
一方、液晶層の厚さ方向中央に位置する液晶分子LC1が立ち上がる面S4内において斜め方向から入射した偏光Cは、その入射角が比較的小さくても、偏光Aと異なる状態に変調されやすい。例えば、偏光Aでは、寝た状態の液晶分子LC1を通過するときの方が、面S4内で傾いた状態の液晶分子LC2を通過するときよりも偏光方向の回転性が高いのに対し、偏光Cでは、寝た状態の液晶分子LC1を通過するときの方が、面S4内で傾いた状態の液晶分子LC2を通過するときよりも偏光方向の回転性が低い。その結果、偏光Aの方向(正面方向)では明るく見える画素領域が偏光Cの方向では暗く見え、逆に、偏光Aの方向では暗く見える画素領域が偏光Cの方向では明るく見えるという、明暗の反転が生じ得る。
【0062】
このような現象が生じるため、液晶表示素子が面S4において入射光を所望の状態に変調することができる入射角範囲は狭くなる。従って、本実施形態の液晶表示素子では、液晶層の厚さ方向中央に位置する液晶分子LC1が立ち上がる面S4における光変調角度は、面S4に垂直な面S3における光変調角度よりも狭い。
【0063】
再び図3を参照する。上述のように、第1のレンチキュラーレンズフィルム120から出射される光は、レンチキュラーレンズの稜線方向に平行な第2の面S2において高指向性の出射角特性を有している。本実施形態の液晶表示素子130は、この第2の面S2において、液晶層の厚さ方向中央部に位置する液晶分子LC1が立ち上がるように配置されている。すなわち、液晶表示素子130における光変調角度が狭い面S4と、レンチキュラーレンズフィルム120における高指向性の光を出射する面S2とを平行に配置している。
【0064】
このようにすれば、液晶表示素子130には、第2の面S2において高指向性の出射角特性を有する光が入射されるため、液晶表示素子130において所望でない状態に光が変調されることが防止される。また、第1の面S1において入射光の指向性は低減しているが、この面S1における液晶表示素子130の光変調角度は比較的広いため、適切に光変調させることができる。従って、所望のコントラスト、中間調、色調を有する画像を表示することが可能になる。
【0065】
ただし、液晶表示素子130によって変調された光(表示光)は、第2の面S2において高い指向性を有しているため、この面の広がる方位(すなわちx方向)において、視角に応じた表示光の輝度変化が大きい。これに対し、第2のレンチキュラーレンズフィルム140は第2の面S2において表示光を拡散し、視角に応じた表示光の輝度変化を解消する。これにより、所望の表示品位および明るさを有する画像を、任意の方位において、広い視角範囲で表示することが可能になる。また、本実施形態の液晶表示装置100では、液晶表示素子130の前方において複数の拡散手段が設けられていないので、周囲光が反射して表示品位を低下させることもない。なお、第1のレンチキュラーレンズフィルム120の拡散作用によって第1の面S1において表示光は拡散されるため、第2のレンチキュラーレンズフィルム140は、第1の面S1において実質的に光を拡散させなくてもよい。
【0066】
図4(a)および(b)は、本実施形態の画像表示装置100における視角に応じた表示光の輝度変化と、第1のレンチキュラーレンズフィルム120が設けられていない従来の画像表示装置における視角に応じた表示光の輝度変化とを比較して示す。図4(a)および(b)からわかるように、本実施形態の画像表示装置100では、第1のレンチキュラーレンズフィルム120を設けたことによって正面方向での表示光の輝度は従来の装置に比べて低下するが、いずれの方位においても視角に応じた表示光の輝度変化が少ない良好な画像が表示されていることがわかる。
【0067】
なお、本実施形態の画像表示装置において、照明装置110が備える指向性制御手段であるプリズムフィルムの稜線の方向は、本実施形態と異なる方向に配置されていてもよい。なぜならば、前述のようにプリズムフィルムを通過した照明光はプリズムの稜線と直交する方向に広がる面においても平行な方向に広がる面においても高指向性の出射角特性を有するからである。
【0068】
また、照明装置としては、高指向性の出射角特性を有する照明光を出射できるものであれば、種々の構成を有するものを使用することが可能である。照明装置の指向性制御手段としては、プリズムフィルム以外にも、レンズ、フレネルレンズなどを用いることもできる。
【0069】
また、第1の光拡散手段は、所定の垂直面(または方位)において他の垂直面におけるよりも輝度の偏り(すなわち指向性)を低減するように光を拡散できる機能を有するものであれば、種々の形態のものを使用することが可能である。第1の光拡散手段として、ウェーブレンズフィルムなどを用いてもよい。また、第1の光拡散手段は、上記所定の垂直面において入射角の小さい光は拡散せずに入射角の大きな光は拡散する機能を有するものであっても良い。
【0070】
第2の光拡散手段についても第1の光拡散手段と同様に、所定の垂直面(において他の垂直面におけるよりも輝度の偏りを低減するように光を拡散できる機能を有するものであれば、種々の形態のものを使用することが可能である。
【0071】
また、照明光を有効に利用するために、液晶表示素子130と照明装置110との間(好ましくは、液晶表示素子130と第1の拡散手段120との間)において、偏光選択反射手段を設けてもよい。偏光選択反射手段としては、住友スリーエム株式会社製の“DBEF”などを適用することができる。偏光選択反射手段は、液晶表示素子110に入射する所定方向の偏光を透過する一方で、これと直交する方向の偏光は反射する機能を有する光学手段である。反射された光は、再び照明装置内で反射され、偏光方向を変化させた後に偏光選択反射手段に向かう。このため、液晶表示素子に入射する光の量を増加させることができる。
【0072】
(実施の形態2)
図5は、実施形態2の画像表示装置200を示す。画像表示装置200は、照明装置210と、第1の光拡散手段220と、液晶表示素子230と、第2の光拡散手段240とを備える。
【0073】
実施形態2の画像表示装置200が実施形態1の画像表示装置100と異なる点は照明装置の構成である。実施形態2の照明装置210は、光源211、光反射シート212、導光体213、および指向性制御手段214によって構成される。照明装置210は、エッジライト方式の照明装置であり、蛍光管などから形成される光源211からの光を導光体213によって液晶表示素子230に向けて出射する。光反射シート212は、光源211からの光を反射することで、光の利用効率を向上させるように機能する。また、照明装置210の指向性制御手段214としては三菱レイヨン株式会社製のプリズムフィルム“ダイヤアートS165”を使用している。
【0074】
第1の光拡散手段220、第2の光拡散手段240としては実施形態1と同様にレンチキュラーレンズフィルムを用いている。また、実施形態1と同様、指向性制御手段(プリズムフィルム)214の稜線方向と、第2のレンチキュラーレンズフィルム(第2の光拡散手段)240の稜線方向とを略平行(y方向)に配置させ、第1のレンチキュラーレンズフィルム(第1の光拡散手段)220の稜線方向(x方向)をこれらと直交するように配置させている。
【0075】
図6(a)および(b)は、照明装置210から出射される照明光の出射角特性と、照明装置210からの照明光が第1のレンチキュラーレンズフィルム220によって拡散された後の光の出射角特性示す。図6(a)は、プリズムフィルム214のプリズムの稜線と直交する方向に広がる垂直面(xz平面)における出射角特性を示す。また、図6(b)は、プリズムの稜線と平行な方向に広がる垂直面(yz平面)における出射角特性を示す。
【0076】
図6(a)および(b)に示すように、照明装置210からの照明光は、プリズムフィルム214の作用によって、プリズムの稜線に平行なxz平面(第2の面)において非常に高い指向性を有するとともに、プリズムの稜線と直交するyz平面(第1の面)においても高い指向性を有する。
【0077】
一方、第1のレンチキュラーレンズフィルム220を通過したあとの照明光は、図6(a)に示すようにxz平面において非常に高い指向性を有するが、図6(b)に示すようにyz平面においては出射角に応じた輝度の変化をほとんど有していない。
【0078】
液晶表示素子230には、照明装置210から出射された後に第1のレンチキュラーレンズフィルム220によって所定の方位で拡散された照明光が入射され、液晶表示素子230は、この照明光の透過率を画素毎に制御して画像を表示する。本実施形態においても実施形態1と同様に、第1のレンチキュラーレンズフィルム220が光を拡散する垂直面(第1の面)と、液晶表示素子230における光変調角度が比較的広い垂直面とが平行に位置するように、液晶表示素子230を配置させている。これにより、入射光を所望の状態に変調させることができる。
【0079】
また、液晶表示素子230からの表示光は、第2のレンチキュラーレンズフィルム240によって、第2の面において拡散される。これにより、何れの方位においても、広い視角範囲で所定の表示品位であるうえに視角に応じた輝度変化の少ない画像を提供することができる。
【0080】
図7(a)および(b)は、本実施形態の画像表示装置200における視角による表示光の輝度変化と、第1のレンチキュラーレンズフィルム220が設けられていない従来の画像表示装置における視角による表示光の輝度変化を比較して示す。図7(a)および(b)からわかるように、本実施形態の画像表示装置200では、第1のレンチキュラーレンズフィルム220を設けたことによって正面方向での輝度は低下するが、いずれの方位においても視角に応じた表示光の輝度変化が少ない良好な画像が表示されていることがわかる。
【0081】
なお、本発明の画像表示装置においても、高指向性の光を照射することができる限り照明装置として種々の形態のものを用いることができ、指向性制御手段としては、プリズムフィルムやレンズ、フレネルレンズなどを適宜に用いることができる。
【0082】
また、第1の拡散手段および第2の拡散手段としては、所定の方位において他の方位におけるよりも指向性を低減するように光を拡散する機能を有するものであれば、種々の形態のものを使用することができる。
【0083】
さらに、実施形態1と同様に、液晶表示素子230の背面に偏光選択反射手段を設けることによって、照明光を有効に利用するようにしてもよい。
【0084】
(実施形態3)
図8は、実施形態3の画像表示装置300を示す。画像表示装置300は、照明装置310と、第1の光拡散手段320と、液晶表示素子330と、第2の光拡散手段340とを備える。
【0085】
画像表示装置300が実施形態1の画像表示装置100と異なる点は、照明装置の構成および第1の光拡散手段の構成である。以下、本実施形態の照明装置310および第1の光拡散手段320について説明する。
【0086】
照明装置310は、複数の光源311と、光反射シート312と、指向性制御手段314とによって構成されている。本実施形態では、照明装置310の指向性制御手段314として、表面に複数のフレネルレンズを形成した透明基材を用いた。複数のフレネルレンズのそれぞれは複数の光源311のそれぞれに対応しており、各レンズの中央部314cは、水平面に対する傾きが比較的小さい面を有し、端部314eは、水平面に対する傾きが比較的大きい面を有している。各光源311からの光は透明基板に形成された各レンズによって屈折され、指向性の高い出射角特性を有する照明光が照射される。なお、フレネルレンズの稜線に直交する方向をx方向とし、稜線と平行な方向(フレネルレンズの延びる方向)をy方向とする。
【0087】
また、第1の光拡散手段320としては、所定の方位における所定の入射角範囲の光のみを拡散する機能を有する光学素子を用いている。具体的には、住友化学株式会社製の“ルミスティー(商品名)”を用いている。“ルミスティー”は、xz平面において光を拡散せず、yz平面において、例えば、入射角が±20°〜±70°の範囲の光を選択的に拡散する。このように、第1の光拡散手段320は、yz平面において、比較的出射角の大きい光のみを拡散するように拡散角度範囲が選択されていることが望ましい。
【0088】
また、第2の光拡散手段340としては、実施形態1と同様に、レンチキュラーレンズフィルムを用いている。レンチキュラーレンズフィルム340は、レンチキュラーレンズの稜線がy方向と平行になるように配置されており、xz平面において光を拡散する。
【0089】
図10(a)および(b)は、照明装置310から照射される照明光の出射角特性を示す。図10(a)および(b)からわかるように、照明装置310から出射された照明光の出射角特性は、xz平面(第2の面)において非常に高い指向性を有するとともに、yz平面(第1の面)においても高い指向性を有する。また、yz平面では、指向性制御手段314において設けられたレンズの中央部314cに比べて、端部314eの方がより高い指向性を有する光を出射する。
【0090】
また、第1の光拡散手段である“ルミスティー”320を通過したあとの照明光は、図9(a)に示すようにxz平面において非常に高い指向性を有するが、図9(b)に示すようにyz平面において指向性が低下している。
【0091】
また、図9(b)と図10(b)とを比較すればわかるように、“ルミスティー”320を通過した光は、レンズの中央部と端部とにおいて出射角特性がより類似する。このように、特定範囲の入射角の光のみを拡散する拡散手段を用いれば、正面方向での照明光の輝度をさほど低下させることなく、yzへ位面における指向性を低下させることができる。
【0092】
液晶表示素子330には、照明装置310から出射され、“ルミスティー”320によって所定の方位で拡散された照明光が入射され、液晶表示素子330は、この照明光の透過率を画素毎に制御して画像を表示する。本実施形態においても実施形態1と同様に、第1の拡散手段320が光を拡散する垂直面(第1の面)と、液晶表示素子330における光変調角度が比較的広い垂直面とが平行に位置するように、液晶表示素子330を配置させている。これにより、入射光を所望の状態に変調させることができる。
【0093】
また、液晶表示素子330からの表示光は、第2の拡散手段340によって、第2の面において拡散される。これにより、何れの方位においても、広い視角範囲で所定の表示品位であるうえに視角に応じた輝度変化の少ない画像を提供することができる。
【0094】
図11(a)および(b)は、本実施形態の画像表示装置300における視角による表示光の輝度変化を示し。図12(a)および(b)は、第1の光拡散手段320が配置されていない従来の画像表示装置における視角による表示光の輝度変化を示す。
【0095】
図12(b)からわかるように、従来の画像表示装置ではy方向において視角による表示光の輝度変化が大きく、かつ、指向性制御手段314に形成されたレンズの中央部と端部とでは輝度変化が異なっている。この結果、例えば、視角±70°において、レンズ端部の表示光の輝度はレンズ中央部の半分以下となってしまい、レンズの部分に対応した明暗が観察されてしまう。
【0096】
これに対し、図11(b)からわかるように、本実施の形態の画像表示装置300では“ルミスティー”320を配置することによって、y方向の表示光の視角に応じた輝度変化が緩やかとなるとともにレンズの中央部と端部とで輝度変化が大きくは異なっていない。この結果、例えば、視角±70°においてレンズの中央部と端部で表示光の輝度はほぼ等しくなり、良好な画像を表示することができる。
【0097】
なお、本実施形態の画像表示装置において、照明装置310における光反射シート312は、光源311に応じて球面、曲面などの形状を有していても良い。また、第1の光拡散手段として用いた“ルミスティー”320が拡散する光の入射角の範囲は、本実施形態での角度範囲に限らず、照明装置310からの照明光の出射角特性に応じて適宜設定することができる。
【0098】
また、本発明の画像表示装置においても、高指向性の光を照射することができる限り照明装置として種々の形態のものを用いることができ、指向性制御手段としては、プリズムフィルムやレンズ、フレネルレンズなどを適宜に用いることができる。また、第1の拡散手段および第2の拡散手段としては、所定の方位において他の方位におけるよりも指向性を低減するように光を拡散する機能を有するものであれば、種々の形態のものを使用することができる。さらに、実施形態1と同様に、液晶表示素子230の背面に偏光選択反射手段を設けることによって、照明光を有効に利用するようにしてもよい。
【0099】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明の表示装置は、光出射面に垂直な第1の垂直面において高指向性を有するとともに、第1の面と交差する第2の垂直面において第1の垂直面におけるよりも指向性が低い光を出射することができる面状照明装置を用いて構成されていてもよい。この面状照明装置は、例えば、実施形態1の照明装置110の光出射面において、第1の光拡散手段120と同様の機能を有する光学素子を設けることによって実現できる。このような面状照明装置を用いる場合、上述のような第1の光拡散手段を設ける必要なく、照明装置の上方において、光変調機能を有する表示素子と、上記第1の垂直面において他の面におけるよりも輝度の偏りを低減するように光を拡散する光拡散手段とを設けることで表示装置を構成することができる。
【0100】
【発明の効果】
本発明の表示装置によれば、照明装置から出射された光を、第1拡散手段によって所定の方位で拡散させた後に表示素子に入射させ、表示素子によって変調された光を第2拡散手段によって上記方位とは異なる方位で拡散させるので、何れの方位(例えば、表示パネルの上下方向および左右方向)においても広い視角範囲で良好な画像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1における表示装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1における照明装置からの出射光と第1の光拡散手段からの出射光との輝度に関する出射角特性を示す図であり、(a)は或る面における出射角特性を示し、(b)は他の面における出射角特性を示す。
【図3】本発明の実施形態1における表示装置を通過する光の指向性の変化を模式的に示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態1における表示装置の視角特性を従来の表示装置と比較して示す図であり、(a)は或る面における視角特性を示し、(b)は他の面における視角特性を示す。
【図5】本発明の実施形態2における表示装置を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態2における照明装置からの出射光と第1の光拡散手段からの出射光との輝度に関する出射角特性を示す図であり、(a)は或る面における出射角特性を示し、(b)は他の面における出射角特性を示す。
【図7】本発明の実施形態2における表示装置の視角特性を従来の表示装置と比較して示す図であり、(a)は或る面における視角特性を示し、(b)は他の面における視角特性を示す。
【図8】本発明の実施形態3における表示装置を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施形態3における第1の光拡散手段からの出射光の輝度に関する出射角特性を示す図であり、(a)は或る面における出射角特性を示し、(b)は他の面における出射角特性を示す。
【図10】本発明の実施形態3における照明装置からの出射光の輝度に関する出射角特性を示す図であり、(a)は或る面における出射角特性を示し、(b)は他の面における出射角特性を示す。
【図11】本発明の実施形態3における表示装置の視角特性を示す図であり、(a)は或る面における視角特性を示し、(b)は他の面における視角特性を示す。
【図12】従来の表示装置の視角特性を示す図であり、(a)は或る面における視角特性を示し、(b)は他の面における視角特性を示す。
【図13】従来の表示装置を示す斜視図である。
【図14】従来の他の表示装置を示す斜視図である。
【図15】従来のさらに他の表示装置を示す斜視図である。
【図16】従来の表示装置の照明装置が備えるプリズムフィルムの作用を説明するための図である。
【図17】図13に示した従来の表示装置の照明装置からの照明光の出射角特性を示す図であり、(a)は或る面における出射角特性を示し(b)は他の面における出射角特性を示す。
【図18】図14に示した従来の表示装置の照明装置からの照明光の出射角特性を示す図であり、(a)は或る面における出射角特性を示し、(b)は他の面における出射角特性を示す。
【図19】図15に示した従来の表示装置の指向性制御手段を示す斜視図である。
【図20】図15に示した従来の表示装置の照明装置からの照明光の出射角特性を示す図であり、(a)は或る面における出射角特性を示し、(b)は他の面における出射角特性を示す。
【図21】ツイステッドネマティック型液晶表示素子を模式的に示す斜視図である。
【図22】或る面から光が出射する場合における、光出射面に対して垂直な面および出射光の方位を説明するための図である。
【符号の説明】
100 液晶表示装置
110 照明装置
111 光源
112 光反射シート
113 光拡散板
114 指向性制御手段
120 第1の光拡散手段
130 液晶表示素子
140 第2の光拡散手段
200 液晶表示装置
210 照明装置
211 光源
212 光反射シート
213 導光体
214 指向性制御手段
220 第1の光拡散手段
230 液晶表示素子
240 第2の光拡散手段
300 液晶表示装置
310 照明装置
311 光源
312 光反射シート
314 指向性制御手段
320 第1の光拡散手段
330 液晶表示素子
340 第2の光拡散手段

Claims (11)

  1. 出射角に応じて輝度に偏りを有する高指向性の光を出射する照明装置と、
    前記照明装置から出射した光を光変調することができる表示素子と、
    前記照明装置と前記表示素子との間に配置された第1の光拡散手段と、
    前記表示素子の前記第1の光拡散手段が配置された側とは反対側に配置された第2の光拡散手段と、を備え、
    前記第1の光拡散手段は、前記照明装置の光出射面に対して垂直な第1の面において、他の面におけるよりも光の輝度の偏りを低減するように前記光を拡散させ、
    前記第2の光拡散手段は、前記照明装置の光出射面内に対して垂直であり、かつ、前記第1の面と交差する第2の面において、他の面におけるよりも前記光の輝度の偏りを低減するように前記光を拡散させる表示装置。
  2. 前記第1の面と前記第2の面とは略直交する請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記第1の光拡散手段は、前記第2の面における前記光の輝度の偏りを実質的に低減しないことを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
  4. 前記第2の光拡散手段は、前記第1の面における前記光の輝度の偏りを実質的に低減しないことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
  5. 前記表示素子の、前記第1の面における光変調角度は、前記第2の面における光変調角度よりも広い請求項1から4のいずれかに記載の表示装置。
  6. 前記表示素子は、厚さ方向において捩れた配列状態を取り得る複数の液晶分子から形成される液晶層と、前記液晶層を挟持する一対の偏光子とを備える請求項1から5のいずれかに記載の表示装置。
  7. 前記液晶層の厚さ方向中央部に位置する液晶分子は、電圧を印加することによって前記第2の面内で動く請求項6に記載の表示装置。
  8. 前記第1の拡散手段は、光透過性の材料から形成されており、前記第1の拡散手段を透過した光を前記第1の拡散手段の光出射面において屈折または反射させることができる請求項1から7のいずれかに記載の表示装置。
  9. 前記第1の拡散手段は、互いに平行に延びている複数のレンズを有する請求項8に記載の表示装置。
  10. 前記複数のレンズは、前記照明装置の出射面内で前記第1の面が延びる方向と垂直な方向に沿って延びている請求項9に記載の表示装置。
  11. 前記第1の光拡散手段は、前記第1の面における特定の入射角範囲の光のみを拡散する請求項1から10のいずれかに記載の表示装置。
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