JP3807525B2 - 熱変色性玩具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱変色性玩具用セットに関する。更に詳細には、複数の熱変色性表示体と、単一の伝熱装置を設けた玩具本体からなる熱変色性玩具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱変色性玩具セットとして可逆熱変色性材料で彩色した熱変色性ハウス玩具と、加熱具よりなるハウス玩具セットが開示されている(実開平4−78000号公報)。
前記従来のハウス玩具セットは、加熱具を熱変色部分に当接する等の方法により、色調を変化させるものである。
しかしながら、前記した構成、即ち、変色具を外部から適用して可逆的な色変化を視覚させる玩具は、予め変色させる部分を認識した上で変色具を適用するため、意外性、変色の妙味に乏しく。又、熱変色性玩具と変色具が別体であることにより、利便性に乏しい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記した従来の熱変色性玩具の不具合を解消しようとするものであって、熱変色性玩具の変色を簡易に行うことができると共に、意外性、変色の妙味に富む熱変色性玩具を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
1.温度変化により可逆的に色変化する可逆熱変色層を設けた伝熱部材からなる複数の熱変色性表示体と、前記熱変色性表示体の伝熱部材と接離自在に構成した単一の熱又は冷熱を供給する熱変色性表示体用伝熱装置を設けた玩具本体からなり、前記熱変色性表示体用伝熱装置は、加熱又は冷熱媒体を収容する容器と、前記媒体の熱を熱変色性表示体の伝熱部材に伝える伝熱体からなり、伝熱体は、熱変色性表示体の伝熱部材と接触する平面状の接触部と、前記接触部から下方に連設され且つ熱媒体と共に容器内に収容される脚部を備えた金属製伝熱体である熱変色性玩具。
2.前記熱変色性表示体が玩具本体に固定されてなり、且つ、玩具本体内に設けた熱変色性玩具用伝熱装置を作動して選択的に熱変色性表示体の伝熱部材に接触する1項に記載の熱変色性玩具。
3.前記熱変色性表示体用伝熱装置を玩具本体内に移動可能に収容してなり、選択的に熱変色性表示体の伝熱部材と接触する2項に記載の熱変色性玩具。
4.前記熱変色性玩具用伝熱装置が玩具本体に固定されてなり、且つ、玩具本体に設けた熱変色性玩具表示体が移動可能に構成されてなり、選択的に熱変色性玩具表示体の伝熱部材と熱変色性玩具用伝熱装置が接触する1項に記載の熱変色性玩具。
を要件とする。
【0005】
本発明を更に詳しく説明すると、前記熱変色性表示体は、少なくとも伝熱装置から供給される熱を伝熱する伝熱部材と、前記伝熱部材に温度変化により可逆的に色変化する可逆熱変色層からなる。
前記伝熱部材は熱伝導性を有するものであれば材質は特に限定されるものではないが、好ましくは熱伝導性に優れた金属部材が用いられる。
又、形状については、伝熱部材自体を所望の形状の表示体とすることもできるが、金属により表示体を成形することは、生産が困難であると共に、コスト高となる。よって、樹脂により所望の形状の表示体を成形し、前記表示体に金属性の伝熱部材を設けることが好ましい。この方法は、伝熱部材の形状を比較的単純な形状とすることができるため、前記した問題を解消できる。
【0006】
前記可逆熱変色層中に含まれる可逆熱変色性組成物としては、電子供与性呈色性有機化合物と電子受容性化合物と呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体の三成分を含む可逆熱変色性組成物が好適に用いられる。具体的には、特公昭51−35414号公報、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44708号公報、特公昭52−7764号公報、特公平1−17154号公報、特公平1−29398号公報、特開平7−186546号公報等に記載のものが挙げられる。前記は所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、変化前後の両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在し得ない。即ち、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要する熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、所謂、温度変化による温度−色濃度について小さいヒステリシス幅(ΔH)を示して変色するタイプである。
【0007】
又、本出願人が提案した特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性を示して変色する感温変色性色彩記憶性組成物、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から温度を上昇させていく場合と逆に変色温度より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色するタイプの変色材であり、低温側変色点と高温側変色点の間の常温域において、前記低温側変色点以下又は高温側変色点以上の温度で変化させた状態を記憶保持できる特徴を有する可逆熱変色性組成物も有効である。
【0008】
前記した可逆熱変色性組成物は、そのままの適用でも有効であるが、マイクロカプセルに内包したマイクロカプセル顔料として使用することが好ましい。それは、種々の使用条件において可逆熱変色性組成物は同一の組成に保たれ、同一の作用効果を奏することができるからである。
前記マイクロカプセルに内包させることにより、化学的、物理的に安定な顔料を構成でき、粒子径0.1〜100μm、好ましくは1〜50μm、より好ましくは2〜30μmの範囲が実用性を満たす。
尚、マイクロカプセル化は、従来より公知の界面重合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があり、用途に応じて適宜選択される。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
【0009】
又、前記可逆熱変色性組成物を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂や、ピペリジン誘導体から選ばれるヒンダードアミン系化合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体等がブレンドされた塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂母体中に分散状態に固着して可逆熱変色層を形成したり、前記可逆熱変色性組成物を飽和共重合ポリエステル樹脂母体中に、微粒子化して分散して可逆熱変色層を形成することもできる。
【0010】
前記可逆熱変色性組成物又はそれを内包したマイクロカプセル顔料はバインダー中に分散されて、インキ、塗料などの可逆熱変色性材料として適用され、可逆熱変色層を形成できる。
又、一般染料、顔料等の着色剤を含有して多彩な色変化を呈する可逆熱変色層を形成することもできる。
【0011】
前記可逆熱変色層は伝熱部材に直接又は着色層を介して設けられる。
又、適宜支持体上に可逆熱変色層を設け、前記支持体を伝熱部材に貼り合わせてもよい。
前記着色層中に含まれる着色剤としては、有色染料、顔料、或いは、蛍光染料、顔料であり、所望により、パール顔料、金属粉顔料、蓄光顔料、二酸化チタン等の白色顔料を用いてもよい。
前記可逆変色層は、文字、数字、図形等の図柄であってもよく、或いは下層に設けた着色層による図柄を隠蔽する層であってもよい。更に、前記可逆熱変色層上に図柄を設けることもできる。
尚、前記可逆熱変色層と着色層はそれぞれ複数色を併用して用いることもできる。
【0012】
前記可逆熱変色層或いは着色層は、従来より公知の方法、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の手段により形成することができる。
又、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂中に前記可逆熱変色性組成物、或いは、着色剤を分散して成形した成形物を可逆熱変色層或いは着色層として用いることもできる。
【0013】
前記熱変色性表示体用伝熱装置は、玩具本体内に収容され、複数の熱変色性表示体の伝熱部材と接離自在な単一の伝熱装置である。
前記伝熱装置の加熱又は冷熱源としては、温水、冷水、氷片が用いられる。
更に、前記伝熱装置は前記媒体を収容する容器と伝熱体により構成される。
容器の材質としては合成樹脂製であり、且つ、伝熱体が金属製である。これは、金属による伝熱体は優れた伝熱性を有すると共に、合成樹脂製の容器は金属製の容器に比べて熱伝導性が低いため、容器内の媒体の熱放出が抑制され伝熱効果に優れ、又、容器を合成樹脂により形成するため、様々な目的に応じた外観形状を自由に設定することが可能であり、玩具としての応用性に優れるからである。
更に、前記伝熱体は、熱変色性表示体の伝熱部材と接触する平面状の接触部と、前記接触部から下方に連設され且つ熱媒体と共に容器内に収容される脚部を備えた金属性伝熱体である。これは、伝熱体の脚部が、容器内に熱媒体と共に収容されることより、外気の影響を受けず、媒体の熱が脚部から平面部へ効率よく伝えられる。即ち、伝熱効率が向上し、少量の熱媒体でも十分な伝熱性能(即ち、熱変色性表示体を熱変色させる十分な熱変色性能)を示し、その結果、伝熱装置自体をコンパクトにできるからである。
【0014】
前記伝熱体は平面部と脚部とを別体に構成し、両者を熱伝導可能に接続させた構成でもよいが、平面部と脚部とを一体に形成した構成が、製造の容易な点で好ましい。前記平面部と脚部とを一体に形成した伝熱部材を得る方法として、例えば、折り曲げ加工、プレス加工等の塑性加工、ダイカスト、切削加工等を挙げることができ、その中でも、製造コストの安価な塑性加工が好適に用いられる。
【0015】
前記伝熱体は、金属板片を折り曲げ加工する場合、その縦断面形状は「コ」字状の他、「ロ」字状、「M」字状、「N」字状、「T」字状、「Y」字状、「U」字状、「L」字状、「H」字状等を例示することができる。特に、前記伝熱部材は、「コ」字状が、容器内に多量の熱媒体(特に氷塊や蓄熱剤ブロック等の固形熱媒体)を収容可能であること、及び伝熱性及び生産性の面で優れていることから、最も実用的である。また、前記伝熱部材は、脚部を筒状にして全体を有底筒体状にすることもできる。
【0016】
前記脚部は容器内に収容されて熱媒体と接触し、熱媒体の熱又は冷熱を平面状の接触部へ伝熱する部分であるが、前記伝熱機能に加えて、前記脚部下端が、容器底面と当接し、平面部を容器の開口部に位置させる支持部材としての機能を持たせることもできる。
【0017】
又、接触部の表面に小孔や凹凸を形成することもできる。それにより不均一な熱変色像を発現させたり、模様を形成することができる。
更に、前記平面部は、容器の開口部より少なくとも一部が外部に露出していることが好ましく、又、適宜バネ等の弾性部材を内蔵して常に平面部が付勢するよう構成して、熱変色性表示体の伝熱部材との接触性を向上することもできる。
【0018】
前記容器は、上部に熱媒体及び伝熱体の出し入れ可能な開口部を備えることが好ましい。それにより、伝熱体の着脱が容器になると共に、熱媒体の交換作業が容易になる。又、開口部が容器上部に設けられているため、熱媒体の漏出を防止するための厳重な密封構造が不要であり、構造を簡素化することができる。
【0019】
更に、本発明は熱変色性表示体と、該熱変色性表示体を熱変色させる伝熱装置とからなる玩具本体を有する熱変色性玩具であり、熱変色性玩具の伝熱部材と伝熱装置は接離自在である。
これを更に詳しく説明すると、複数の熱変色性表示体を玩具本体に固定し、且つ、玩具本体内に前記複数の熱変色性表示体の伝熱部材と選択的に接触する熱変色性玩具用伝熱装置を設けた構成が挙げられる。
前記伝熱装置が熱変色性表示体の伝熱部材と選択的に接触する構成としては、玩具本体内に設けた伝熱装置が回転して伝熱部材に接触する構成、伝熱装置を傾けることにより伝熱部材に接触する構成、伝熱装置自体が玩具本体内を移動して伝熱部材に接触する構成等、伝熱装置が可動する構成が挙げられる。
【0020】
又、熱変色性表示体が回転して伝熱装置に接触する構成、熱変色性表示体を傾けることにより伝熱部材に接触する構成等、熱変色性表示体が可動する構成が挙げられる。
更には、伝熱装置と熱変色性表示体が共に可動する構成も挙げることもできる。
【0021】
前記熱変色性表示体の外観としては、測定用器具、電気通信器具、照明用器具、加熱又は電熱器具、医療用器具等の形態が挙げられる。
具体的には測定用器具としては、温度計、ガスメーター、水量メーター、圧力計、湿度計等が挙げられ、電気通信器具としては、電話機、ファクシミリ、テレビ、パーソナルコンピューターのディスプレー、ステレオ、ワードプロセッサ、コピー機、プリンタ等が挙げられ、照明用器具としては、蛍光灯、シャンデリア、アーク灯、水銀灯、白熱電球、ランプ、ちょうちん等が挙げられ、加熱又は電熱器具としては、ストーブ、こたつ、暖炉、レンジ、かまど、こんろ、トースター等が挙げられ、医療用器具としては、レントゲン表示機、血圧計、心電計、体温計等が挙げられ、その他、車等の乗物のメーター類、水槽、映写機、なべ、食器等の台所用品、スロットマシン、ピンボールマシン、パチンコ台等の遊戯具、遊園地の遊戯具、花火等を挙げることができる。
又、玩具本体の外観としては、前記熱変色性表示体の外観と関連した形態であり、例えば、家具の形態、建物の形態、乗物の形態、遊園地の形態等が挙げられる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の熱変色性玩具は、適宜物品の外観を模した複数の熱変色性表示体を、前記熱変色性表示体の外観と関連する外観を模した玩具本体に設け、且つ、前記玩具本体に熱変色性表示体用伝熱装置を設けてなる熱変色性玩具であり、模型玩具、知育玩具、ままごと玩具、乗物玩具、人形玩具等に適用できる。
【0023】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明する。尚、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1(図1、2参照)
実施例1の熱変色性玩具1は、外観がガスコンロであり、熱変色性玩具用伝熱装置2を移動させることによって、2つのバーナー部分のいずれかを点火したように視認させるものである。
【0024】
前記熱変色性玩具用伝熱装置2は、内部に冷熱媒体を収容した容器21と、該容器内に収容された伝熱体22、及びバネ23とからなる。
前記容器21は合成樹脂製により形成した形状は箱形状であり、上部に方形状の開口部を備えてなり、内部に加熱又は冷熱媒体を収容可能に形成している。
【0025】
前記伝熱体22は、方形状のアルミニウム薄板(板厚:約1mm)の二箇所を、垂直に折り曲げ加工して得られる。即ち、前記伝熱体22は、一つの平面状の接触部221と該接触部の両端部から垂直に延設される二つの脚部222とからなり、その縦断面形状は、前記接触部と両脚部の3面により「コ」字状に形成されている。
前記伝熱体22を容器21内に収容する際、前記伝熱体22と熱変色性表示体3の伝熱部材31との接触性を向上させるバネ23を容器21底面と接触部221の下面に介在させてなる。
前記脚部222の間、及び容器21内面と脚部222外面との間には、熱又は冷熱媒体の収容空間が設けられている。特に、脚部222の間には収容区間が大きく設けられ、そこに氷片や蓄冷ブロック等を収容可能としている。
【0026】
前記熱変色性表示体3は、板状の金属製伝熱部材31表面に、白色インキをベタ印刷して着色層32を形成した後、前記着色層32上に、15℃未満で赤色、15℃以上で無色に変色する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料を含むインキにて炎の図柄の可逆熱変色層33を印刷したものである。
【0027】
玩具本体4は、合成樹脂を用いて成形した、内部を中空に形成したガスコンロの形態であり、上部2箇所のバーナー部分を方形状に切り抜き、且つ、本体前面に伝熱装置2を着脱すると共に、前記本体4内を伝熱装置4が横方向に移動可能な棚部41を設けてなる。
前記熱変色性表示体3を2つ作成し、玩具本体4内部からバーナー部分に固着し、且つ、容器内に5℃の冷水を収容した前記伝熱装置2を棚部41に装着して熱変色性玩具1を得た。
【0028】
前記熱変色性玩具1は、熱変色性表示体用伝熱装置2を横方法にスライドさせることによって、伝熱体22の接触部221が、いずれか一方の熱変色性表示体3の伝熱部材31と接することによって熱伝導を生じ、可逆熱変色層33が発色して炎の図柄が視認される。
前記炎の図柄は伝熱装置2を移動させて接触部221と伝熱部材31を非接触状態とすることによって冷熱の供給を遮断し、且つ、前記可逆熱変色層31が15℃以上の温度になると炎の図柄は消色して視認できなくなる。
前記伝熱装置を横方法にスライドさせ、伝熱装置の接触部が他方の熱変色性表示体の伝熱部材と接することによって、同様の炎の図柄を視認できる。
【0029】
実施例2(図3、4参照)
実施例2の熱変色性玩具1は、外観が事務用机にテレビとプリンタを載置したものであり、熱変色性玩具用伝熱装置2を移動させることによって、テレビ画面に画像を表示したり、プリンタから印刷した用紙を排出したように視認させるものである。
【0030】
前記熱変色性玩具用伝熱装置2の構造は、実施例1と同様である。
【0031】
熱変色性表示体3は、断面がL字状の金属製伝熱部材31の片面に、白色インキをベタ印刷して着色層32を形成した後、前記着色層32上に、15℃未満で青色、15℃以上で無色に変色する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料を含むインキ、及び、15℃未満で赤色、15℃以上で無色に変色する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料を含むインキにて複数の星形の図柄の可逆熱変色層33を印刷して形成した表示部を、テレビの外観を模したプラスチック性表示体34の画面部分に可逆熱変色層33が位置するよう固着したものと、プリンタの外観を模したプラスチック性表示体34の用紙排出部分の排出する紙の部分に可逆熱変色層33が位置するよう固着したものである。
【0032】
玩具本体4は、合成樹脂を用いて成形した、内部を中空に形成した事務用机の形態であり、上部2箇所を方形状に切り抜いて孔を形成し、且つ、本体前面に熱変色性表示体用伝熱装置2を着脱すると共に、前記本体内を伝熱装置2が横方向に移動可能な棚部41を設けてなる。
前記熱変色性表示体3を、玩具本体4の孔を設けた部分に固着し、且つ、容器21内に氷片を収容した前記伝熱装置2を棚部41に装着して熱変色性玩具1を得た。
【0033】
前記熱変色性玩具1は、伝熱装置2を横方法にスライドさせることによって、伝熱体22の接触部221が、いずれか一方の熱変色性表示体3の伝熱部材31と接することによって熱伝導を生じ、可逆熱変色層33が発色して星形の図柄が視認される。
前記星形の図柄は伝熱装置2を移動させて接触部221と伝熱部材31を非接触状態にすることによって冷熱の供給を遮断し、且つ、前記可逆熱変色層33が15℃以上の温度になると消色して星形の図柄は視認できなくなる。
更に伝熱装置を横方法にスライドさせ、伝熱装置の接触部が他方の熱変色性表示体の伝熱部材と接することによって、同様の星形の図柄を視認できる。
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
実施例3(図5、6参照)
実施例3の熱変色性玩具1は、外観が事務用机にテレビとプリンタを載置したものであり、熱変色性玩具用伝熱装置2の伝熱体を回転させることによって、熱変色性表示体3として、テレビの画面に画像を表示したり、プリンタから印刷した用紙を排出したように視認させるものである。
【0041】
前記熱変色性玩具用伝熱装置2の構造は、内部に加熱又は冷熱媒体を収容する容器21と、該容器内に収容された伝熱体22とからなる。
前記容器21は合成樹脂製により形成した形状は箱形状であり、上部に方形状の開口部を備えてなり、内部に加熱又は冷熱媒体を収容可能に形成している。
又、容器内部の中央には伝熱体22を支持する支持部211を設けてなる。
【0042】
前記伝熱体22は、アルミニウムを切削加工して縦部材と横部材からなる断面が「T」字状に加工して得られる。
【0043】
前記伝熱体22は、容器21内に収容する際、縦部材の下端に設けた凹部に前記伝熱体22の接触部221と熱変色性表示体3の伝熱部材31との接触性を向上させるバネ23を容器21底面と縦部材の下端に介在させてなる。
又、前記横部材(接触部221)が容器の開口部に配置されている。縦部材の上端は容器21上部より突出している。
【0044】
前記熱変色性表示体3は、断面がL字状の金属製伝熱部材31の片面に、ピンク色インキ、黄色インキ、緑色インキにて「ABC」の文字を印刷して着色層を形成し、前記着色層上に35℃未満で黒色、15℃以上で無色に変色する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料を含むインキにて前記着色層を隠蔽する可逆熱変色層を形成した表示部を、テレビの外観を模したプラスチック性表示体34の画面部分に可逆熱変色層が位置するよう固着したものと、プリンタの外観を模したプラスチック性表示体34の用紙排出部分の排出した紙の部分に可逆熱変色層が位置するよう固着したものである。
【0045】
玩具本体4は、合成樹脂を用いて成形した、内部を中空に形成した事務用机の形態であり、上面2箇所を方形状に切り抜いて孔を形成し、2箇所の孔の中間部には前記孔よりも小さめの孔42を形成し、且つ、上面の端部には水を注入する孔を設けてなる。
前記熱変色性表示体3を、玩具本体4の孔を設けた部分に固着し、且つ、前記伝熱装置2を内蔵して、孔42より伝熱体22の上端が突出するようにして熱変色性玩具1を得た。
【0046】
前記熱変色性玩具1は、本体の上面端部に設けた孔より40℃の温水を注入した後、伝熱体22を回転させることによって、伝熱体22の接触部221が、いずれか一方の熱変色性表示体3の伝熱部材31と接することによって熱伝導を生じ、可逆熱変色層が黒色から無色になって着色層によるABCの文字が視認される。前記ABCの文字は伝熱装置を移動させて接触部と伝熱部材を非接触状態にすることによって冷熱の供給を遮断し、且つ、前記可逆熱変色層が35℃未満の温度になると黒色に変色して視認できなくなる。
更に伝熱装置を回転させ、伝熱装置の接触部が他方の熱変色性表示体の伝熱部材と接することによって、同様のABCの文字を視認できる。
【0047】
実施例4(図7、8参照)
実施例4の熱変色性玩具1は、外観がテレビであり、熱変色性表示体3を回転させて選択した表示体をテレビの画面上に位置させ、熱変色性玩具用伝熱装置2を前後方向にスライドさせて画像を視認させるものである。
【0048】
前記熱変色性玩具用伝熱装置2の構造は、実施例1と同様である。
【0049】
熱変色性表示体3は、断面がL字状の金属製伝熱部材31の片面に、15℃未満で青色、15℃以上で無色に変色する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料を含むインキ、及び、15℃未満で赤色、15℃以上で無色に変色する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料を含むインキ、15℃未満で黄色、15℃以上で無色に変色する可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料を含むインキにて複数の星形の図柄を印刷して可逆熱変色層33を形成した表示部、及び、同様の金属製伝熱部材31上に、前記可逆熱変色性インキを用いて複数の円形の図柄を印刷して可逆熱変色層33を形成した表示部であり、それぞれを回転部材5に固着してなる。
【0050】
玩具本体41は、合成樹脂を用いて成形したテレビと台座の形態であり、テレビの画面部分に孔を形成して前記熱変色性表示体3を視覚させる部分を設け、更に、上面に孔42を設け、且つ、台座の前面には、伝熱装置2を着脱すると共に、前記本体内を伝熱装置2が縦方向に移動可能な棚部41を設けてなる。
前記回転部材5に固着した熱変色性表示体3を、玩具本体4内に収容し、上面の孔42から回転部材5の一端を突出させて表示体3を回転可能に構成し、且つ、容器21内に10℃の冷水を収容した前記伝熱装置2を棚部41に装着して熱変色性玩具1を得た。
【0051】
前記熱変色性玩具1は、熱変色性表示体3と連動する回転部材5を回転させて玩具本体4の画面部分に一方の熱変色性表示体3の可逆熱変色層33が位置するようにした後、伝熱装置2を前後方向にスライドさせることによって、伝熱体22の接触部221が一方の熱変色性表示体3の伝熱部材31と接することによって熱伝導を生じ、可逆熱変色層33が発色して複数の円形の図柄が視認される。
前記図柄は伝熱装置を移動させて接触部と伝熱部材を非接触状態にすることによって冷熱の供給を遮断し、且つ、前記可逆熱変色層が15℃以上の温度になると消色して視認できなくなる。
更に回転部材を回転させて玩具本体の画面内に他方の熱変色性表示体の可逆熱変色層が位置するようした後、伝熱装置をスライドさせることによって、伝熱装置の接触部が一方の熱変色性表示体の伝熱部材と接することによって熱伝導を生じ、可逆熱変色層が発色して星型の図柄が視認される。
前記図柄は伝熱装置をスライドさせて接触部と伝熱部材を非接触状態にすることによって冷熱の供給を遮断し、且つ、前記可逆熱変色層が15℃以上の温度になると消色して視認できなくなる。
【0052】
【発明の効果】
本発明の熱変色性玩具は、複数の熱変色性表示体と、前記熱変色性表示体の伝熱部材と接離自在に構成した単一の熱又は冷熱を供給する熱変色性表示体用伝熱装置を設けた玩具本体からなるため、熱変色性表示体の変色を簡易に行うことができると共に、意外性、変色の妙味に富む熱変色性玩具を提供できる。
前記熱変色性表示体用伝熱装置が加熱又は冷熱媒体を収容する容器と、媒体の熱を熱変色性表示体の伝熱部材に伝える伝熱体からなる構成により、伝熱効率を向上させ、装置自体のサイズを小さくでき、簡易構造で安価に提供できる。
前記伝熱体が熱変色性表示体の伝熱部材と接触する平面状の接触部と、前記接触部から下方に連設され且つ熱媒体と共に容器内に収容される脚部を備えた構成により、外部の影響を受けずに高い伝熱効率が維持でき、且つ、様々な目的に応じた外観形状を自由に設定することが可能であり、玩具として最適である。
更に、前記熱変色性表示体が玩具本体に固定されてなり、且つ、熱変色性玩具用伝熱装置を作動して選択的に熱変色性表示体の伝熱部材に接触する構成、或いは、前記熱変色性玩具用伝熱装置が玩具本体に固定されてなり、且つ、熱変色性玩具表示体が移動可能に構成することにより、様々な熱変色性玩具に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の熱変色性玩具の1実施例を示す斜視図である。
【図2】 図1の熱変色性玩具のA−A断面図である。
【図3】 本発明の熱変色性玩具の他の実施例を示す斜視図である。
【図4】 図3の熱変色性玩具のA−A断面図である。
【図5】 本発明の熱変色性玩具の他の実施例を示す斜視図である。
【図6】 図5の熱変色性玩具のA−A断面図である。
【図7】 本発明の熱変色性玩具の他の実施例を示す斜視図である。
【図8】 図7の熱変色性玩具のA−A断面図である。
【符号の説明】
1 熱変色性玩具
2 熱変色性表示体用伝熱装置
21 容器
211 支持部
22 伝熱体
221 接触部
222 脚部
23 バネ
3 熱変色性表示体
31 伝熱部材
32 着色層
33 可逆熱変色層
34 表示体
4 玩具本体
41 棚部
42 孔
5 回転部材
Claims (4)
- 温度変化により可逆的に色変化する可逆熱変色層を設けた伝熱部材からなる複数の熱変色性表示体と、前記熱変色性表示体の伝熱部材と接離自在に構成した単一の熱又は冷熱を供給する熱変色性表示体用伝熱装置を設けた玩具本体からなり、前記熱変色性表示体用伝熱装置は、加熱又は冷熱媒体を収容する容器と、前記媒体の熱を熱変色性表示体の伝熱部材に伝える伝熱体からなり、伝熱体は、熱変色性表示体の伝熱部材と接触する平面状の接触部と、前記接触部から下方に連設され且つ熱媒体と共に容器内に収容される脚部を備えた金属製伝熱体である熱変色性玩具。
- 前記熱変色性表示体が玩具本体に固定されてなり、且つ、玩具本体内に設けた熱変色性玩具用伝熱装置を作動して選択的に熱変色性表示体の伝熱部材に接触する請求項1記載の熱変色性玩具。
- 前記熱変色性表示体用伝熱装置を玩具本体内に移動可能に収容してなり、選択的に熱変色性表示体の伝熱部材と接触する請求項2記載の熱変色性玩具。
- 前記熱変色性玩具用伝熱装置が玩具本体に固定されてなり、且つ、玩具本体に設けた熱変色性玩具表示体が移動可能に構成されてなり、選択的に熱変色性玩具表示体の伝熱部材と熱変色性玩具用伝熱装置が接触する請求項1記載の熱変色性玩具。
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JPH11128552A JPH11128552A (ja) | 1999-05-18 |
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1997
- 1997-10-31 JP JP31621297A patent/JP3807525B2/ja not_active Expired - Fee Related
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