JPH1177813A - 可逆熱変色性真空成形物 - Google Patents

可逆熱変色性真空成形物

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JPH1177813A
JPH1177813A JP25772797A JP25772797A JPH1177813A JP H1177813 A JPH1177813 A JP H1177813A JP 25772797 A JP25772797 A JP 25772797A JP 25772797 A JP25772797 A JP 25772797A JP H1177813 A JPH1177813 A JP H1177813A
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JP
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resin
thermochromic
molding
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JP25772797A
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English (en)
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Tsutomu Kito
勤 鬼頭
Yuki Harada
祐樹 原田
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Original Assignee
Pilot Ink Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 真空成形加工において様々な熱可塑性樹脂が
適用でき、適用範囲の広い可逆熱変色性真空成形物を提
供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂材2の表面に(イ)電子供
与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及
び、(ハ)変色温度調節剤の三成分からなる可逆熱変色
性組成物を内包した微小カプセル顔料を含む可逆熱変色
像3を設けて成形する熱変色性真空成形物1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可逆熱変色性真空成
形物に関する。更に詳細には、可逆熱変色像が立体的に
視認される可逆熱変色性真空成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリ塩化ビニル成分とパルプ成分
とからなるシート材を真空成形法によって成形した玩具
の表面に、温度変化により変色する表面層が設けられた
表面変色玩具が開示されている(特開昭60−1588
83号公報)。前記した表面変色玩具は、成形素材がポ
リ塩化ビニル成分とパルプ成分から構成されるため、他
の成形素材と比較すると比較的低い温度で成形すること
ができる。しかしながら、成形温度の高いポリプロピレ
ン、ポリカーボネート等の材質を成形材料として用いる
場合、より高い温度で成形を要するため、(イ)電子供
与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及
び、(ハ)変色温度調節剤の三成分からなる可逆熱変色
性組成物を含むインキを印刷した後、成形加工を施す
と、その高熱によって前記成分の系外への分離が起こる
欠点を有する。即ち、可逆熱変色性組成物を構成する前
記三成分のうち、一成分でも系外へ分離すると、可逆熱
変色機能を殆ど示さなくなるのである。更に、真空成形
加工においては、成形時のクラックを防止するために印
刷層の厚みをできるだけ薄くする必要性があるが、前記
可逆熱変色性組成物を含むインキは、従来の一般有色染
料、顔料と比較して色濃度が十分ではなく、従って、色
変化に乏しいものとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来の熱変色性真空成形物の不具合を解消するものであっ
て、即ち、高温状態で成形加工を施しても熱変色機能を
損なうことがないため、様々な成型素材を適用すること
ができる可逆熱変色性真空成形物を提供するものであ
る。又、可逆熱変色像が発色時に十分な色濃度を有する
と共に、成形物にクラックを生じる等の不良を発生しな
い可逆熱変色性真空成形物を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
材の表面に可逆熱変色像を設けて成形する熱変色性真空
成形物において、前記可逆熱変色像中に(イ)電子供与
性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び、
(ハ)変色温度調節剤の三成分からなる可逆熱変色性組
成物を内包した微小カプセル顔料を含有してなる可逆熱
変色性真空成形物を要件とする。更には、前記熱可塑性
樹脂材の厚みが0.05〜15mmであり、且つ、可逆
熱変色像は厚みが5〜60μmであり、前記像の加熱成
形時における伸び率が1.5倍以上であること、前記熱
可塑性樹脂材の、成形により凸形状が形成される位置に
可逆熱変色像を配設してなること、前記可逆熱変色像
は、黄色、桃色、青色、黒色の各可逆熱変色性組成物を
内包した微小カプセル顔料を含む可逆熱変色性インキを
用いて、重ね刷り印刷して形成されてなること、前記可
逆熱変色像が調理関連部材或いは食品の印刷像であり、
前記印刷像が立体的に視認されること等を要件とする。
【0005】本発明者らは、熱可塑性樹脂材に予めスク
リーン、グラビア、オフセット等の手段によって可逆熱
変色像を形成した後、真空成形加工を行なって立体感を
付与させる真空成形物に可逆熱変色組成物を適用する
際、前記可逆熱変色組成物を構成する必須3成分を内包
した微小カプセル顔料を適用することによって、比較的
高い温度で成形する真空成形法において前記3成分の系
外への分離を抑制することを見いだし、本発明を完成す
るに到った。
【0006】前記した可逆熱変色性組成物は微小カプセ
ルに内包して使用される。前記微小カプセルに内包する
ことによって、高温状態等の種々の使用条件において可
逆熱変色性組成物は同一の組成に保たれ、同一の作用効
果を奏することができるからである。前記微小カプセル
顔料は、粒子径0.1〜100μm、好ましくは1〜5
0μm、より好ましくは2〜30μmの範囲が実用性を
満たす。尚、微小カプセル化は、従来より公知の界面重
合法、in Situ重合法、液中硬化被覆法、水溶液
からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷
却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等があ
り、用途に応じて適宜選択される。更に微小カプセルの
表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて
耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供
することもできる。
【0007】前記微小カプセル顔料に内包される可逆熱
変色性組成物は、電子供与性呈色性有機化合物と電子受
容性化合物と呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物
媒体の三成分を含む可逆熱変色性組成物が用いられる。
具体的には、特公昭51−35414号公報、特公昭5
1−44706号公報、、特公昭51−44708号、
特公昭52−7764号公報、特公平1−17154号
公報、特公平1−29398号公報、特開平7−186
546号公報等に記載のものが挙げられる。前記は所定
の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、変化前
後の両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在
しえない。即ち、もう一方の状態は、その状態が発現す
るのに要する熱又は冷熱が適用されている間は維持され
るが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈す
る状態に戻る、所謂、温度変化による温度−色濃度につ
いて小さいヒステリシス幅(ΔH)を示して変色するタ
イプである。
【0008】又、本出願人が提案した特公平4−171
54号公報、特開平7−179777号公報、特開平7
−33997号公報等に記載されている大きなヒステリ
シス特性を示して変色する感温変色性色彩記憶性組成
物、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットし
た曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から温度
を上昇させていく場合と逆に変色温度より高温側から下
降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色す
るタイプの変色材であり、低温側変色点と高温側変色点
の間の常温域において、前記低温側変色点以下又は高温
側変色点以上の温度で変化させた状態を記憶保持できる
特徴を有する可逆熱変色性組成物も有効である。
【0009】前記可逆熱変色性組成物を内包した微小カ
プセル顔料は、膜形成材料であるバインダーを含む媒体
中に分散されて、インキ、塗料などの可逆熱変色性材料
として熱可塑性樹脂材表面に適用され、可逆熱変色像を
形成できる。又、必要によって、前記可逆熱変色性材料
中に一般有色染料、顔料等を添加して色変化を多様化す
ることもできる。尚、使用されるバインダー中の樹脂に
ついては、成形に用いる樹脂材の材質、厚み、成形条
件、成形型に応じて適宜選択される。又、具体例につい
ては後述する。前記における可逆熱変色性組成物を内包
した微小カプセル顔料は、バインダー100重量部に対
して5〜500重量部、好ましくは50〜300重量部
含有させることが好ましい。5重量部未満の配合量では
鮮明な熱変色効果を視覚させ難いし、500重量部を越
えると、過剰であり、消色状態にあって残色がみられる
他に皮膜強度についても悪影響を及ぼす。尚、前記バイ
ンダー及び可逆熱変色性組成物を内包した微小カプセル
顔料の数値は固形分換算による。
【0010】前記可逆熱変色像は、従来より公知の方
法、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビ
ヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷
毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗
り、ローラー塗り、浸漬塗装等の手段により熱可塑性樹
脂材表面に形成される。
【0011】前記可逆熱変色像を設ける熱可塑性樹脂材
としては、従来より公知の真空成形加工に供する一般的
な熱可塑性樹脂が使用でき、例えば、軟質ポリ塩化ビニ
ル、硬質ポリ塩化ビニル、セルロースアセテート、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、ポリアクリル等の樹脂あるいは共重合樹脂が用
いられる。又、従来技術で用いられるポリ塩化ビニル樹
脂の成形は、成形パターン、樹脂の厚み、成形方法によ
って異なるが、概ね70℃以下の加温条件によって真空
成形が行なわれる。この条件下においても、従来の微小
カプセル化されていない可逆熱変色性組成物を適用した
系においては、その挙動が不安定であり、淡色化、変色
感度の鈍化等の現象を生じたり、場合によっては熱変色
機能が失われることがある。又、ポリ塩化ビニルは環境
問題からその使用頻度が減少しており、他の樹脂への代
替が必要となってきているのが現状である。この際、他
の熱可塑性樹脂を適用するとしても、汎用されるポリプ
ロピレン、ポリカーボネートなどは、概して成形加工温
度が高く、120℃以上の加熱を要する場合がある。こ
のような樹脂に対応する為には、前記した微小カプセル
顔料の使用が必須となる。他にもセルロースアセテー
ト、ポリアクリル、ポリスチレン等の一般的な熱可塑性
樹脂あるいは共重合樹脂が使用可能である。又、硬質や
軟質の各ポリ塩化ビニル樹脂においても、従来よりも加
工温度に対する制約が少ないことにより、成形パター
ン、樹脂板の厚みなどの選択範囲を拡げることができ
る。尚、前記熱可塑性樹脂中に前記可逆熱変色性組成物
を内包したマイクロカプセル顔料をブレンドして適用す
ることもできる。
【0012】前記熱可塑性樹脂材の厚みは、使用する樹
脂によっても異なるが、0.05〜15mmの範囲であ
ることが好ましい。0.05mm未満の厚みの樹脂材を
用いると成形物の強度が弱くなり、成形加工時にクラッ
ク等の成形不良を生じたり、成形後に容易に破損する恐
れがある。又、15mmを越える厚みの樹脂材を用いる
と、可逆熱変色像への伝熱性に乏しくなり、所望の熱変
色性を得られ難くなるため商品性を損なう。更に、前記
可逆熱変色像は、加熱成形時における皮膜の伸び率が常
態の1.5倍以上であり、且つ、前記皮膜の厚みが5〜
60μmであることが好ましい。即ち、真空成型物は熱
可塑性樹脂材を加熱、軟化させて金型に追従させること
によって凹凸形状を有する成形物に成型する。よって、
熱可塑性樹脂材自体の型に対する追従性のみならず、熱
可塑性樹脂材上に形成された可逆熱変色像についても同
様の追従性が要求される。皮膜の追従性が悪いと成型後
の像にひび割れが生じて良好な像を形成できなくなる。
前記した追従性は皮膜の伸び率で表され、成形の加熱条
件下における皮膜最大長、即ち皮膜に張力を加えた状態
で皮膜が破断しない最大長が、熱及び応力の加わらない
状態に対して1.5倍以上であれば成型物に形成する像
の不良を回避することができる。又、前記した皮膜の伸
び率は、1.5倍以上であれば実用性を満たし、上限値
は定まるものではないが、熱可塑性樹脂材に形成した可
逆熱変色像の伸び率が大き過ぎると皮膜の厚みが不均一
になり易く、又、成形物の強度も損なわれる恐れがある
ことから、1.5倍以上5.0倍以下であれば実用性を
充分に満足させる。前記した皮膜の厚みについては、前
記範囲外の厚みの像を形成すると、前記像が視認し難く
なったり、消色時に残像が生じる等の不具合を生じた
り、更には成形物の強度にも悪影響を及ぼす場合があ
る。前記可逆熱変色像が所望の伸び率を得るために用い
られる膜形成材料としては透明性膜形成樹脂であり、バ
インダー中に微小カプセル顔料や各種添加剤等を含有し
た状態において、成形時に必要な熱と応力を加えた時の
皮膜伸び率が1.5倍以上の条件を満たせば、従来より
汎用の各種樹脂が適用できる。以下に樹脂を例示する。
イソブチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、アクリロニ
トリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル塩素化
ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、エチレン−塩化ビ
ニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩
化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル
樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合樹脂、塩素化
ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリア
ミド樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレ
ン樹脂、リニヤ低密度ポリエチレン樹脂、ポリエチレン
テレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイイ
ンパクトポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポア
ルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロ
ジン変性アルキド樹脂、フェノール樹脂変性アルキド樹
脂、エポキシ樹脂変性アルキド樹脂、スチレン変性アル
キド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、アミノアルキド
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジ
エン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポ
リウレタン樹脂、アクリル樹脂。前記バインダーのう
ち、好ましくは塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリウレ
タン樹脂、アクリル樹脂が用いられる。尚、前記樹脂は
2種以上を併用してもよく、又、可塑剤等の添加によっ
て所望の皮膜物性に調製することもできる。
【0013】前記した熱可塑性樹脂材表面には、可逆熱
変色性材料により像を形成するが、熱変色性材料と樹脂
材の接着力を増強したり、熱変色性材料中の溶剤による
樹脂材の膨潤を防ぐ為に、前記樹脂材と熱変色像の間に
アンカーコート層を設けることができる。又、可逆熱変
色像の上層や下層に非変色像を設けたり、可逆熱変色像
上に前記像の磨耗を防止したり、耐光性を向上するトッ
プコート層を適宜設けてもよい。又、トップコート層に
は従来より公知の金属光沢顔料を添加して金属光沢性を
付与することもできる。
【0014】前記可逆熱変色像は、従来より公知である
写真原画を4色写真分解にて製版した版を用いたプロセ
ス印刷が有効に利用される。前記プロセス印刷を施した
真空成形物は、より実物に近似したリアルな印刷像を表
現することができ、商品価値を高めることができる。
【0015】真空成形方法としては従来より公知のヒー
ター等で樹脂板を加熱、軟化後に凹型、或いは凸型に真
空吸引させて成形する方法が挙げられる。前記ヒーター
としては、赤外線ヒーター、ストリップヒーター、ガス
ヒーター等が挙げられる。又、成形法においてもストレ
ート成形法、ドレープ成形法、プラグアシスト成形法、
エアーブロー成形法等の一般的な方法が適用される。
【0016】前記の如くして形成した可逆熱変色性真空
成形物の可逆熱変色像の一例としては、料理或いは食品
の印刷像が挙げられ、前記印刷像が立体的に視認される
ことにより、様々な調理玩具に適用できる。従来より可
逆熱変色性材料を用いた模擬食品或いは模擬食品柄の印
刷を設けた成形体を、種々の変色ツールを使用して遊び
に供する提案が開示されているが、本発明により形成し
た調理玩具では、既に提案された様々な技法による遊び
が簡易に可能である。更に、前記プロセス印刷を利用す
ることによって、実物とほぼ同等の立体感と色調を併せ
持った調理玩具が可能となり、遊戯性を広げることがで
きる。前記調理玩具の形態としては、例えば、皿、茶わ
ん、スプーン、フォーク、ナイフ、ざる、まな板、焼き
網、サラダボール、フライパン、なべ、調理用鉄板等が
挙げられる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の可逆熱変色性真空
成形物の具体例を示す。 実施例1(図1参照) 熱可塑性樹脂材1として厚み2mmの白色ポリプロピレ
ン樹脂板上に、アンカーコート(溶剤型塩素化ポリプロ
ピレン樹脂)層を設けた後、15℃以上で無色、15℃
未満で赤色を呈する可逆熱変色性組成物を内包した微小
カプセル顔料を塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂を含むバイ
ンダー中に分散させた可逆熱変変色性インキ、及び、1
5℃以上で無色、15℃未満で緑色を呈する可逆熱変色
性組成物を内包した微小カプセル顔料を塩化ビニル−酢
酸ビニル樹脂を含むバインダー中に分散させた可逆熱変
色性インキを用いて印刷してトマトの実と葉の絵柄の可
逆熱変色像3を形成した。尚、前記可逆熱変色像印刷層
の厚みは20μmであった。
【0018】次いで、皿の中心部にトマトの形状の凹凸
を施した成形型を用いて、前記樹脂材に真空成形を施し
た。尚、成形時の加工温度は約120℃であり、同条件
における可逆熱変色像の皮膜の最大伸び率は1.8倍で
あった。又、成形後の前記樹脂材にクラックは生じてお
らず、しかも、可逆熱変色像の皮膜にひび割れは見られ
なかった。成形後、成形物周辺の不要な樹脂材を裁断し
て可逆熱変色性真空成形物1を得た。
【0019】得られた可逆熱変色性真空成形物は白色の
皿形状であり、15℃未満に冷却すると皿の上にトマト
の実及び葉の絵柄の可逆熱変色像が立体的に視認され
た。又、前記した様相は15℃以上の温度になると前記
可逆熱変色像は消色し、白色の皿となった。再び15℃
未満に冷却すると立体的なトマトの絵柄が視認される。
この様相変化は、温度変化により繰り返し行なうことが
できた。
【0020】実施例2(図2参照) 熱可塑性樹脂材2として厚み1mmの白色ポリスチレン
樹脂板上に、アンカーコート(溶剤型アクリル樹脂)を
施した後、30℃以上で無色、18℃以下で桃色に変色
する感温変色性色彩記憶性組成物を内包した微小カプセ
ル顔料、30℃以上で無色、18℃以下で青色に変色す
る感温変色性色彩記憶性組成物を内包した微小カプセル
顔料、30℃以上で無色、18℃以下で黄色に変色する
感温変色性色彩記憶性組成物を内包した微小カプセル顔
料、30℃以上で無色、18℃以下で黒色に変色する感
温変色性色彩記憶性組成物を内包した微小カプセル顔料
を、それぞれポリウレタン樹脂を含むバインダー中に分
散させて得られた可逆熱変色性材料を用いて、オムライ
スの絵柄を写真原画をプロセス写真分解にて製版した版
にて順次印刷して可逆熱変色像3を形成した。この時の
可逆熱変色像の厚みは30μmであった。次に、前記可
逆熱変色像上に耐光性の向上と塗膜表面を保護するた
め、紫外線吸収剤を含むトップコート(溶剤型アクリル
樹脂)を施してトップコート層4を設けた。
【0021】次いで、皿の中央部にオムライスの形状の
凹凸を施した成形型を用いて前記樹脂材に真空成形を施
した。尚、成形時の成形温度は約100℃であり、同条
件における可逆熱変色性印刷像の皮膜の最大伸び率は
1.6倍であった。又、成形後の前記樹脂材にクラック
は生じておらず、しかも、可逆熱変色像の皮膜にひび割
れは見られなかった。成形後、成形物周辺の不要な樹脂
材を裁断し、且つ、オムライスの形状の凸部以外の底部
に、複数の孔5を設けて可逆熱変色性真空成形物1を得
た。
【0022】得られた可逆熱変色性真空成形物は白色の
皿形状であり、18℃以下の冷水をかけて冷却すると実
物と近似したオムライスの写真印刷像が立体的に視認さ
れた。又、前記冷水は孔より流れ落ちて成形物内には残
ることがない。前記像は室温下においても保持され、3
0℃以上に加熱すると消色し、室温に戻しても白色状態
を保持した。再び18℃以下の冷水をかけるとオムライ
スの像が立体的に現出する。この様相変化は、温度変化
により繰り返し行なうことができた。
【0023】実施例3 熱可塑性樹脂材として厚み0.5mmの透明アクリル板
上に、非変色性グレー色インキを印刷した後、15℃以
上で無色、15℃未満で桃色に変色する可逆熱変色性組
成物を内包した微小カプセル顔料、15℃以上で無色、
15℃未満で青色に変色する可逆熱変色性組成物を内包
した微小カプセル顔料、15℃以上で無色、15℃未満
で黄色に変色する可逆熱変色性組成物を内包した微小カ
プセル顔料、15℃以上で無色、15℃未満で黒色に変
色する可逆熱変色性組成物を内包した微小カプセル顔料
を、それぞれアクリル樹脂と可塑剤を添加したバインダ
ー中に分散させて得られた可逆熱変色性材料を用いて、
目玉焼きの絵柄をプロセス写真分解にて製版した版にて
順次印刷して可逆熱変色像を形成した。
【0024】次いで、フライパンの中央部に目玉焼きの
形状の凹凸を施した成形型を用いて前記樹脂材に真空成
形を施した。尚、成形時の成形温度は約100℃であ
り、同条件における可逆熱変色性印刷像の皮膜の最大伸
び率は2.3倍であった。又、成形後の前記樹脂材にク
ラックは生じておらず、しかも、可逆熱変色像の皮膜に
ひび割れは見られなかった。成形後、成形物周辺の不要
な樹脂を裁断し、且つ、目玉焼きの形状の凸部を除く底
部に複数の孔を設けて可逆熱変色性真空成形物を得た。
【0025】得られた可逆熱変色性真空成形物は、表側
がグレー色、裏側が透明なフライパンの形状を有してお
り、15℃未満の冷水を含浸したスポンジを接触させる
と実物と近似した目玉焼きの可逆熱変色像が立体的に視
認された。前記印刷像は15℃以上の温度になると消色
し、再び15℃未満に冷却すると再び前記像が立体的に
視認される。この様相変化は、温度変化により繰り返し
行なうことができた。
【0026】実施例4 熱可塑性樹脂材として厚み0.5mmの透明アクリル板
上に、非変色性白色インキを印刷した後、30℃以上で
無色、28℃以下で桃色に変色する可逆熱変色性組成物
を内包した微小カプセル顔料、30℃以上で無色、28
℃以下で青色に変色する可逆熱変色性組成物を内包した
微小カプセル顔料、30℃以上で無色、28℃以下で黄
色に変色する熱変色性組成物を内包した微小カプセル顔
料、30℃以上で無色、28℃以下で黒色に変色する熱
変色性組成物を内包した微小カプセル顔料を、それぞれ
不飽和ポリエステル樹脂を含むバインダー中に分散させ
て得られた可逆熱変色性インキを用いて、風景写真原画
をプロセス写真分解にて製版した版にて順次印刷して可
逆熱変色像を形成した。尚、前記可逆熱変色像の厚みは
40μmであった。
【0027】次いで、額縁と風景写真原画中の木、山等
の凹凸を施した成形型を用いて、前記樹脂材に真空成形
を施した。尚、成形時の温度は約130℃であり、同条
件における可逆熱変色性印刷像の皮膜の最大伸び率は
2.0倍であった。又、成形後の前記樹脂材にクラック
は生じておらず、しかも、可逆熱変色像の皮膜にひび割
れは見られなかった。成形後、成形物周辺の不要な樹脂
を裁断して可逆熱変色性真空成形物を得た。
【0028】得られた可逆熱変色性真空成形物は、表側
が白色、裏側が透明な額縁の形状を有しており、28℃
以下に冷却すると額縁内に美しい風景写真の可逆熱変色
像が立体的に視認された。前記像は30℃以上に加温す
ると消色し、再び28℃以下に冷却すると風景写真印刷
像が立体的に視認される。この様相変化は、温度変化に
より繰り返し行なうことができた。
【0029】比較例1 熱可塑性樹脂材として厚み2mmの白色ポリプロピレン
樹脂板上に、15℃以上で無色、15℃未満で赤色を呈
する可逆性熱変色性組成物をバインダーを含む媒体中に
混合させた可逆熱変色性インキ、及び、15℃以上で無
色、15℃未満で緑色を呈する可逆性熱変色性組成物を
バインダーを含む媒体中に混合させた熱変色性インキを
用いてトマトの絵柄を印刷した。
【0030】次いで、皿の中心部にトマトの形状の凹凸
を施した成形型を用いて、前記樹脂板に真空成形を施し
た。尚、成形時の加工温度は約120℃であった。成形
後、型周辺の不要な樹脂板を裁断した。
【0031】得られた真空成形物は、15℃未満に冷却
しても熱変色性組成物を構成する成分が系外へ分離した
ために、発色することがなかった。
【0032】比較例2 熱可塑性樹脂材として厚み20mmの白色ポリスチレン
樹脂板上に、アンカーコート(溶剤型アクリル樹脂)を
施した後、30℃以上で無色、18℃以下で桃色に変色
する感温変色性色彩記憶性組成物を内包した微小カプセ
ル顔料、30℃以上で無色、18℃以下で青色に変色す
る感温変色性色彩記憶性組成物を内包した微小カプセル
顔料、30℃以上で無色、18℃以下で黄色に変色する
感温変色性色彩記憶性組成物を内包した微小カプセル顔
料、30℃以上で無色、18℃以下で黒色に変色する感
温変色性色彩記憶性組成物を内包した微小カプセル顔料
を、それぞれアクリル樹脂を含むバインダー中に分散さ
せて得られた可逆熱変色性材料を用いて、オムライスの
絵柄を写真原画をプロセス写真分解にて製版した版にて
順次印刷して可逆熱変色像を形成した。この時の可逆熱
変色像の厚みは80μmであった。
【0033】次に、前記可逆熱変色像上に耐光性の向上
と塗膜表面を保護する、紫外線吸収剤を含むトップコー
ト(溶剤型アクリル樹脂)を施して、トップコート層を
設けた。
【0034】次いで、皿の中央部にオムライスの形状の
凹凸を模した成形型を用いて前記樹脂材に真空成形を施
した。尚、成形時の成形温度は約100℃であり、同条
件における可逆熱変色像の皮膜の最大伸び率は1.2倍
であった。成形後には前記樹脂材及び可逆熱変色像の厚
みが大きく、且つ、可逆熱変色像の最大伸び率が低いた
め樹脂材にはクラックを生じ、像にはひび割れを生じて
不連続な像となった。
【0035】得られた可逆熱変色性真空成形物に18℃
以下の冷水をかけて冷却するとオムライスの像が視認さ
れるが、ひび割れにより鮮明な像は視認されなかった。
前記像は室温下において保持され、30℃以上に加熱す
ると消色するが、再び18℃以下の冷水をかけると像が
現出するものの、樹脂材が厚いため変色する様相変化が
鋭敏でなく、変色機能に劣るものであった。
【0036】
【発明の効果】本発明は、可逆熱変色性組成物を内包し
た微小カプセル顔料を用いることによって、真空成形加
工において様々な熱可塑性樹脂が応用でき、適用範囲の
広い可逆熱変色性真空成形物を提供することができる。
又、熱可塑性樹脂材の厚みが0.05〜15mmであ
り、可逆熱変色像は厚みが5〜60μmであり、且つ、
可逆熱変色像の加熱成形時における伸び率が1.5倍以
上であることにより、量産性と可逆熱変色像の色彩を満
足させる可逆熱変色性真空成形物を得ることができる。
又、プロセス印刷によって可逆熱変色性印刷像を形成
し、真空成形を施すことによって、立体感に富む成形物
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明可逆熱変色性真空成形物の一実施例の縦
断面説明図である。
【図2】本発明可逆熱変色性真空成形物の他の実施例の
縦断面説明図である。
【符号の説明】
1 可逆熱変色性真空成形物 2 熱可塑性樹脂材 3 可逆熱変色像 4 トップコート層 5 孔

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂材の表面に可逆熱変色像を
    設けて成形する熱変色性真空成形物において、前記可逆
    熱変色像中に(イ)電子供与性呈色性有機化合物、
    (ロ)電子受容性化合物、及び、(ハ)変色温度調節剤
    の三成分からなる可逆熱変色性組成物を内包した微小カ
    プセル顔料を含有してなる可逆熱変色性真空成形物。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂材の厚みが0.05〜
    15mmであり、且つ、可逆熱変色像は厚みが5〜60
    μmであり、前記像の加熱成形時における伸び率が1.
    5倍以上である請求項1記載の可逆熱変色性真空成形
    物。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂材の、成形により凸形
    状が形成される位置に可逆熱変色像を配設してなる請求
    項1又は2記載の可逆熱変色性真空成形物。
  4. 【請求項4】 前記可逆熱変色像は、黄色、桃色、青
    色、黒色の各可逆熱変色性組成物を内包した微小カプセ
    ル顔料を含む可逆熱変色性インキを用いて、重ね刷り印
    刷して形成されてなる請求項1乃至3記載のいずれかの
    可逆熱変色性真空成形物。
  5. 【請求項5】 前記可逆熱変色像が調理関連部材或いは
    食品の印刷像であり、前記印刷像が立体的に視認される
    請求項1乃至4記載のいずれかの可逆熱変色性真空成形
    物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010241028A (ja) * 2009-04-08 2010-10-28 Pilot Ink Co Ltd 変色性成形体の製造方法
JP2016168840A (ja) * 2015-03-09 2016-09-23 パイロットインキ株式会社 可逆変色性印刷又は塗装物及びその製造方法
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JP2018176725A (ja) * 2017-04-17 2018-11-15 大日本印刷株式会社 基材成形工程の評価方法、パターン付き基材、プログラムおよび記録媒体

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