JP3807034B2 - 化粧シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は建造物の内装用化粧シート、特に貼り替えの容易な化粧シートに係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、建造物の壁や天井等の内装用の化粧シートとして塩ビ壁紙と称せられるものが知られる。
この塩ビ壁紙は貼り替えができるものであり、100〜200g/m2 前後の比較的厚めの層間剥離しやすい紙を用いて、表面に塩ビ樹脂層を設け、更に適宜な絵柄層やエンボス加工を施されている。
【0003】
貼り合わせ施工の際には、この塩ビ壁紙の裏面に、でんぷん糊等の接着剤を塗布して、壁や天井などの被貼り合わせ材に貼り合わせる。
ところが、貼り替えの際には、この塩ビ壁紙を剥がさなくてはいけないが、紙の層間で剥がれて、紙の厚みの約半分が被貼り合わせ材の表面に残るが、ムラになって剥がれたり、また、その表面が毛羽だって、次の壁紙を貼る際に、場合によってはこの残った紙を取り除くという下地処理が必要となり、この処理に労力と時間を要する。
【0004】
また、耐火構造物においては、残った紙が本来の防火性能を低下させることになる。
【0005】
一方、塩ビ壁紙の裏面側に感熱型粘着剤層を設けた化粧シートが知られている。この壁紙は感熱型粘着剤層間から剥がせるものである。
この感熱型粘着剤は、常温では粘着性がなく、感熱型粘着剤中の可塑剤が、熱をかけると、液状化して、場合により粘着性が出てきて、常温に戻ると元の固体の状態になるものである。
【0006】
又、通常の壁紙と同様、貼り合わせ時に、更に感熱型粘着剤層面にでんぷん糊等の接着剤を塗布して貼り合わせる。
貼り替えるにあたっては、先ずこの貼り合わせた化粧シートを剥がすにことになるが、熱を与えることにより、感熱型粘着剤層が軟化または液状になることにより、感熱型粘着剤層間から剥がせることになる。従って紙が被貼り合わせ材に残らない。感熱型粘着剤層は紙と比べて薄いので、殆ど、被貼り合わせ材に感熱型粘着剤層が残っても次の壁紙を貼るのに何の支障も起こらない程度のものである。
【0007】
ところが、従来の感熱型粘着剤層の構成材料では、軟化又は液状化させるのに時間がかかり、すぐに剥がせるに至らないという問題点があり、できるだけ早く剥がせるようになるものが要望されていた。
【0008】
また、この塩ビ壁紙では、塩ビ層はフタル酸系のDOP等の常温では液体の可塑剤を用いて塩ビ樹脂をペースト状にして塗布して設けられたものであり、被貼り合わせ材と貼り合わせて施工した場合に、経時で、表面の可塑剤が移動して感熱粘着剤層に浸入し、常温で、でんぷん糊等の接着剤との境界境界から剥がれるという「経時剥離」現象が起きることがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は裏面に感熱粘着剤層を持つ塩ビ壁紙の以上のような問題点を解決するためになされたもので、貼り替えの際に剥離を短時間で行うことができ、経時剥離のない化粧シートを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明において上記課題を達成するために、請求項1においては、
紙の表面に表面用水性樹脂を主とする水性樹脂層を少なくとも有し、
紙の裏面に感熱型粘着剤層を有する化粧シートであって、該感熱型粘着剤層は、裏面用水性樹脂と熱線反射剤とを少なくとも有し、該裏面用水性樹脂は赤外線の波長領域内に最大吸収波長を有しかつ表面用樹脂の最大波長と異なるものであり、赤外線を照射することにより、感熱型粘着剤層間から剥離することを特徴とする化粧シートとしたものである。
【0011】
本発明における化粧シートに、赤外線を照射することにより、化粧シートの感熱型粘着剤層が熱を持つことになるが、使われている裏面用水性樹脂は赤外線の波長領域内に最大吸収波長を有するものであるから、効率良く赤外線を吸収してより熱を持ち、また表面用水性樹脂と異なった波長を有しているので、この表面用水性樹脂に、照射された最大波長を吸収することがないことも、効率を高めている。
【0012】
更に、水性感熱型粘着剤層に熱線反射剤を混合させてあり、裏面用水性樹脂に吸収され残った熱線を反射・散乱させ、熱効率を上げることができる。
このようにして、熱効率を向上させたことになり、より短時間で熱を持たせるて、固体可塑剤が液状化して、感熱型粘着剤層間で剥離できることになる。
【0013】
また、この化粧シートは、表面の水性樹脂層に液体の可塑剤を使ってないので、感熱型粘着剤層に移行することがなく、従って経時で剥離することがない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態につき説明する。
本発明の化粧シートは、紙の表面に表面用水性樹脂を主とする水性樹脂層を少なくとも有するものであり、水性樹脂層上に印刷により任意の絵柄層を、更にはトップコート層を設けても良い。また、水性樹脂層にはエンボス版による凹凸模様を形成しても良い。更に又、水性樹脂層は発泡剤などにより発泡させた発泡層になっていても良い。
【0015】
紙は層間剥離しやすい壁紙原紙(裏打ち紙)を使用できるが、層間剥離しない紙も使える。
層間剥離しやすい壁紙原紙は層間剥離させるために、ある程度の厚みを必要とするが、本発明では層間剥離させなくても良いので、より薄い紙が使えることになる。
【0016】
紙の表面に有する水性樹脂層は表面用水性樹脂を主としたものであり、水溶性樹脂あるいは水性エマルジョンであり、アクリル系水性エマルジョン樹脂,EVA系水性エマルジョン樹脂、ウレタン系水性エマルジョン樹脂等から選択する。更に、充填剤、顔料、分散剤その他の添加剤を加えることができる。
発泡層にする場合には、カプセル発泡剤、化学的発泡剤(熱分解してガスを発生するもの)などを使用する。
【0017】
紙の裏面に設けられる感熱型粘着剤層は、主に裏面用水性樹脂、熱線反射剤、固体可塑剤からなり、必要に応じ粘着付与剤、その他の添加剤を加える。
【0018】
裏面用水性樹脂は、赤外線の領域内に最大吸収波長を有する樹脂であり、EVA系水性エマルジョン樹脂などである。
また、裏面用水性樹脂は、表面用水性樹脂の最大吸収波長と異なることが肝要である。
【0019】
熱線反射剤としては、赤外線を反射・散乱させるものであり、酸化スズ、酸化インジウム等が好適である。粒径は2〜15μmとする。
【0020】
固体可塑剤は、フタル酸ジフェニル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジヒドロアビエチル、安息香酸スクロース、クエン酸トリシクロヘキシル、N−シクロヘキシル−P−トルエンスルホンアミドなどの常温で固体の有機化合物である。
【0021】
粘着付与剤は、貼り合わせる時に粘着性を必要とする時に加えるものであり、ロジン誘導体、テルペン樹脂系、石油樹脂系、フェノール樹脂系、キシレン樹脂系などの樹脂類である。
【0022】
感熱型粘着剤の配合比は、裏面用水性樹脂100重量部に対して、熱線反射剤は20〜50重量部、固体可塑剤は50〜350重量部であり、必要に応じ粘着付与剤その他の添加剤を加えるが粘着付与剤は0〜50重量部である。ただしこの配合比に制約されるものではない。
【0023】
この配合物を化粧シートの裏面側に塗布、乾燥させて感熱型粘着剤層3を形成させるが、通常この粘着剤層の厚さは5〜30μmである。
【0024】
紙の表面に有する水性樹脂層、感熱型粘着剤層を形成するための塗布方法は、グラビアコーティング、ナイフコーティング、リップコーティング、ロールコーティングなど、公知のコーティング装置で塗布することができる。
【0025】
貼られた化粧シートを剥がすには、化粧シートの表面に赤外線発生装置を用いることにより、赤外線を照射して、化粧シート全体を加熱させる。
【0026】
剥がした化粧シートは、紙が紙間剥離してないので、再利用することも可能である。
【0027】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
〈実施例1〉
坪量120g/m2 の難燃性の紙2(特種製紙(株)社製、TT−120TW)の表面に、表面用水性樹脂としてアクリル系樹脂エマルジョン{最大吸収波長7.2μm}を用いて, 下記の配合例Aの水性樹脂塗工液をコンマコーターを用いて塗布し、厚さ120g/m2 (dry)の水性樹脂層3を形成した。
〔配合例A〕
アクリル系樹脂エマルジョン 100重量部
水 100重量部
水酸化アルミニウム(充填剤) 100重量部
カプセル発泡剤 10重量部
酸化チタン(顔料) 15重量部
分散剤、増粘剤他 5重量部
この水性樹脂層3上に、印刷による絵柄層4を設け、ついで加熱により発泡させた。
【0028】
その後、紙2の裏面に、裏面用水性樹脂としてEVA樹脂系水性エマルジョン{最大吸収波長3.9μm}を用いて, 下記の配合例Bの水性樹脂塗工液をコンマコーターを用いて塗布・乾燥して、厚さ20μm(dry)の感熱型粘着剤層5を作成して化粧シート1を得た。
〔配合例B〕
EVA樹脂系水性エマルジョン 100重量部
酸化スズ(熱線反射剤) 40重量部
ロジンエステル(粘着付与剤) 10重量部
フタル酸ジシクロヘキシル(固形可塑剤) 200重量部
【0029】
〈比較例1〉
従来の例として、熱線反射剤の入ってない感熱型粘着剤層を作成する。
実施例1の紙の表面に水性樹脂層を設けたものを使用し、紙の裏面に、配合例Bから熱線反射剤を抜いた下記の配合例Cの水性樹脂塗工液をコンマコーターを用いて塗布・乾燥して、厚さ20μm(dry)の感熱型粘着剤層を作成して化粧シートとした。
〔配合例C〕
EVA樹脂系水性エマルジョン 100重量部
ロジンエステル(粘着付与剤) 10重量部
フタル酸ジシクロヘキシル(固形可塑剤) 200重量部
【0030】
〈比較例2〉
実施例1で使用した紙を使用して、紙の両側それぞれに、比較例1における配合例Cの水性樹脂塗工液をコンマコーターを用いて塗布・乾燥して、それぞれ厚さ20μm(dry)の感熱型粘着剤層を作成して化粧シートとした。
【0031】
この実施例1、比較例1、比較例2の化粧シートのそれぞれに、感熱型粘着剤層側に、合成でんぷん糊(ヤヨイ化学(株)製、商品名アミノール)と水を1:1に混合して溶液にしたでんぷん糊を、塗布量150g/m2 (wet)に塗布した後に、石膏ボードに貼り付けた。貼り付けた状態で、常温および40℃90%RHの条件で2カ月間保存した。
【0032】
この結果、経時剥離は起きなかった。
【0033】
次に、この2カ月間保存したそれぞれの化粧紙の表面に、1〜15μmの波長を発生する遠赤外線熱風ヒーターにより、赤外線を垂直に当てて加熱した。
この時の剥離可能開始時間を以下に示す。{この剥離開始時間は剥離強度がだんだん弱くなり剥離強度で50gf/インチに達した時に時間である。}
〔剥離可能開始時間〕
実施例1・・・・・・・・・・6.9秒
比較例1・・・・・・・・・・9.1秒
比較例2・・・・・・・・・12.8秒
この様に、剥離可能時間が、かなり早くなった。
【0034】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
1)剥離できる時間がかなり短くなった。即ち作業性が向上した。
2)経時剥離がない。
従って、本発明は、建造物の内装用化粧シート、特に貼り替えの容易な化粧シートとして、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧シートの実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…化粧シート
2…紙
3…水性樹脂層
4…絵柄層
5…感熱型粘着剤層
Claims (1)
- 紙の表面に表面用水性樹脂を主とする水性樹脂層を少なくとも有し、
紙の裏面に感熱型粘着剤層を有する化粧シートであって、該感熱型粘着剤層は、裏面用水性樹脂と熱線反射剤とを少なくとも有し、該裏面用水性樹脂は赤外線の波長領域内に最大吸収波長を有しかつ表面用樹脂の最大波長と異なるものであり、赤外線を照射することにより、感熱型粘着剤層間から剥離することを特徴とする化粧シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19116697A JP3807034B2 (ja) | 1997-07-16 | 1997-07-16 | 化粧シート |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP19116697A JP3807034B2 (ja) | 1997-07-16 | 1997-07-16 | 化粧シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1134209A JPH1134209A (ja) | 1999-02-09 |
JP3807034B2 true JP3807034B2 (ja) | 2006-08-09 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19116697A Expired - Fee Related JP3807034B2 (ja) | 1997-07-16 | 1997-07-16 | 化粧シート |
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JP (1) | JP3807034B2 (ja) |
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1997
- 1997-07-16 JP JP19116697A patent/JP3807034B2/ja not_active Expired - Fee Related
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