JP3806981B2 - オキシデーションディッチにおける水浄化装置 - Google Patents

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  • Removal Of Floating Material (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、オキシデーションディッチにおける水浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水浄化設備の1つとしてのオキシデーションディッチには、ローター軸の外周に多数本のローターフィンを備えてモーターで回転駆動することにより池内を流れる汚水にエアーを供給して浄化を促進するようにローターを設置したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このオキシデーションディッチにおいては、水面にスカムが浮遊するが、そのまま流出水として最終沈澱池などの後設備に導出される。これではスカムの処理が時間的に延びて浄化が効率化しない。
この発明は前記課題を解決するためになされたもので、オキシデーションディッチにおいて早期にスカムを除去することにより水の浄化をが効率的に行われるようにしたオキシデーションディッチにおける水浄化装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、オキシデーションディッチの池内に設置され一体あるいは別体の堰の上下運動により水面上に浮遊するスカムが落とし込まれるトラフと、同トラフからの含水スカムを排出する手段とを備えたオキシデーションディッチにおける水浄化装置であって、前記堰の上下運動は、オキシデーションディッチ内の水中内にエアーを供給するためのローターの駆動に連動してなされるようになっている。
【0005】
請求項2記載の発明は、請求項1において、トラフは固定式とされるとともに、同トラフの前あるいは後側に上下運動可能な堰が配置され、同堰は、ローター軸に備え付けた減速機を介して回転運動するカムにより上下運動するようになっている。
【0006】
請求項3記載の発明は、請求項1または2において、堰は中空状である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図示した実施形態を参照してこの発明を詳細に説明する
【0008】
図1および図2はその好適な一実施形態を示し、1は長円形のオキシデーションディッチで、その中央箇所を図示しており、同オキシデーションディッチ1は、中央隔壁2を介して図1の上側がX方向の流れを形成する第1流路3で、図1の下側がY方向の流れを形成する第2流路4になっている
【0009】
5は覆蓋であり、コンクリート製である場合とプラスチック板製の場合がある
【0010】
第1流路3を挟んで対向する外周壁(図示省略)と中央隔壁2のそれぞれ対応する個所には、図2に示すような角形の切欠6が形成されており、これらの切欠6を介してそれぞれ軸受7が固定設置されている
【0011】
前記外周壁側の切欠には、軸受の他に減速機付きのモーターが設置されている。こうして、ローター軸8が回転支持されて同ローター軸8の外周に多数列状に突設したローターフィン9…が回転駆動されるようになっている
【0012】
ローター軸8の第2流路4側の端部には図示しないカップリングを介して減速装置10が連動自在になっている。この減速装置10は、遊星ギア方式(その他の方式も可能)のものとされ、その出力軸11には回転アーム12が取り付けられている
【0013】
尚、減速装置10は、中央隔壁2の側壁に止め付けられている。また、回転アーム12は、長手方向に進退自在に固定されている
【0014】
一方、第2流路4内には、左右1対のフランジ14をボルト止めすることでトラフ15が横架状に固定されている。このトラフ15は、円筒形を原形とし、その前側(矢印Yに対向する側)に切欠状の誘引口16が開口している。この誘引口16は、水面17を境に上下にわたるような開口になっている。左右のフランジ14には、誘引口16の下端内側付近に回転軸19が設けられ、同回転軸19を介して堰20が回転自在に支持されている。尚18は回転軸19のブラケットである。
【0015】
堰20は、長円形状の断面をしており、その内部は中空形で浮力を発生するものになっている。21は堰20とトラフ15間を仕切るゴム製の前部シールであり、22は堰20の側面に備え付けた側部シールであって、側部シール22は、フランジ14の内面を滑って前方からの水の浸入がないようにする。
【0016】
堰20の中央隔壁2寄りの端部からは前斜め向きにアーム24が突設され、同アーム24の先端には、回転アーム12の軌道上にあるようにローラー25が取り付けられて回転アーム12が下がってくることで下向きに押し下げられるようにされ、これにより、堰20が水面下に沈む一方、堰20自体の浮力あるいはバランスウエイト26の助けを借りて水面上に復帰しストッパ13で停止するようになっている。
尚、26はトラフ15の底部に連通する排水パイプで、トラフ15内に流れ込む含水スカムをオキシデーションディッチ外に導出するものである。
【0017】
尚、前記実施形態では、トラフ15を固定式にしてその前側に堰20を組み合わせたものであるが、トラフ15をロータリー式に支持して同トラフ15の前端を堰部分にしてもよい。この場合、トラフ15の前端部にからアーム24を突設する。また、トラフ15を固定式にする場合は、角樋状にしてもよいが、図示実施形態のように丸形のものの方が図2の矢印のように円滑に汚水が流れる。
【0018】
ローターフィン9の回転に連れて回転アーム24は更に減速して回転し、ローラー25を押さえ込むことでアーム24を介して堰20が押し下げられる。そのことにより、浮遊してくるスカムを水とともに呑み込まれて排水パイプ26を通じてオキシデーションディッチ1外に導出される。尚、図2に仮想線で示すように、堰20の前端部からスカム溜め部材28を取り付けておいて、堰20が沈んだ際により多くのスカムを呑み込むようにしてもよい。
【0019】
尚、前記スカム除去装置は、中央隔壁2を介してローターフィン9と逆側に配置されているが、例えば、ローターフィン9と同一サイドに配してもよく、この場合、ローターフィン9の下流に離れて配置されるのが好ましい。
【0020】
図3に示す実施形態は、トラフ30がその円筒中心を回転軸31にて前後に回転自在に支持されるとともに、その前端下部から水面32上方に持ち上がった状態の堰33を形成したものになっている。尚、堰33の先端にスカム溜め部を形成してもよい。トラフ30の回転は、図2に示すような方式にする。この場合、バランスウエイトや補助復帰フロートを付してもよい。堰33を中空状にしてもよい。
【0021】
図4に示す実施形態は、トラフ35を回転軸36で支持するとともに、同トラフ35の後回り下部から水面上方に向くように突片37を備えたものであり、突片37の後端にはスカム溜め部38を備えるとともに、突片37の中間には、溜まるスカムを突片37の下動に伴いトラフ35内に呑み込むための通口39が形成されている。トラフ35の回転は、図2に示すような方式にするがバランスウエイトや補助復帰フロートが必要である。スカム溜め部38前に溜まったスカムは、トラフ35の回転により下がる突片37の曲面で前向きに押し出されて通口39を通じてトラフ35内に送りこまれる。突片37は中空状に形成してもよい。
【0022】
図5に示す実施形態は、円筒(あるいは角筒)形をした固定式のトラフ41の前部開口42に回転式の開閉バルブ43を備えるとともに、トラフ41の下部から水面下に斜めに下がるようにスカム掬い板44を突設したものである。通常は、スカムがスカム掬い板44で案内されて閉止したバルブ43前で溜まるが、同バルブ43が回転して開くことでトラフ41内に呑み込まれる。
【0023】
図6に示す実施形態は、バルブ46が前後に進退して開閉するもので、ガイドパイプ47に進退ロッド48を備え、同ロッド48をレバー49で応動させるものである。
【0024】
図7および図8に示す実施形態は同一の実施形態で、図7は流路51を上からみたもので、図8はその縦断面図である。これらにおいて、52は架台で、流路51の一側に斜台として設置され、その架台52上には、減速機53付きモーター54が固定されるとともにその出力軸に設けられたスプロケットとローター軸55に設けられたスプロケットとの間をチェーン56で伝達することでローター軸55が回転されるようになっている。
【0025】
この実施形態では、特に、ローター軸55が、図7に示すように、流路51の一側から他側に向けて平面的に斜めに向けられるとともに、図8に示すように、流路51の一側上方から他側底壁57に向けて延びている。ローター軸55は、上側と底側でそれぞれ軸受58で支持されている。ローター軸55にはローターフィン59が突設されているが、このローターフィン59は、エアーを放出自在なパイプ部を備えたものとされるとともに、架台52に備えたエアー発生源60からエアーを導くようになっている。エアー発生源60はローター軸55の回転力でエアーを吸引して送り込むようになっている。尚、ローター軸55は、図8の実線矢印方向に回転されるが逆回転させてもよい。また、図8の実線矢印のように、ローター軸55をジョイントで折れ曲がり自在にしてメンテナンスに有利なようにしてもよい。さらに、前記実施形態では平面的にも立面的にも傾斜した複合傾斜状になっているが、例えば、平面的に傾斜しただけのものにしたり、立面的に傾斜しただけのものにしたり、いずれでもよい。
【0026】
図9ないし図13に示す実施形態は、ローター軸63からエアーが導かれるものにおいて、同エアーを噴出する多数本のローターフィン64…を図示のような、反り曲がり状のなた形にしたものである。すなわち、同ローターフィン64は、図10(図9のA−A線断面図)に示すような丸筒形を原形65とし、同原形65の形状を基部とするとともに、図11(図9のB−B線断面図)に示すように偏平にプレスし、更に図12(図9のC−C線断面図)に示すように偏平度を増したものに成形したものである。
【0027】
それとともに、図13に図9のD方向からの矢視図を示すように、ローター軸63を基部とし先にゆくに従って前記基部を含むローター軸63に直交する面内から外れて反り曲がった三次元的な曲がり形状になっている。このようにローターフィン64を形成することで、汚水を打って返しにして攪拌性能に優れたものになる。同ローターフィン64の回転方向は、図9に矢印で示す方向とは逆の方向にしてもよいし、図9実線の水の流れを仮想線で示すように逆方向にしてもよい。
【0028】
ローターフィン64の回転方向後行側には、エアー噴出孔66…が多数開口しており、ローターフィン64の回転に伴って同フィン64の後側が負圧になることによりエアーが噴出されて汚水中に混合する。尚、ローターフィン64の回転先行側に、汚水を導入する導水孔67…が開口して、導入した汚水でエアーを引き込みながら同時噴出するようにしてもよい。尚、ローター軸63からのエアーの流れと導入される水の流れとをローターフィン64内で平行な流れとし、最後に合流して流れ出すようにローターフィン64内に縦方向に仕切板を固定してもよい。ローターフィン64にはマグネットによる浄水手段を付してもよい。
【0029】
図14に示す実施形態は、簡易型で製作しやすいローターフィン70になっている。同ローターフィン70は、円筒を2段に溶接して基部パイプ71と先パイプ72で構成したもので、導水孔73側に誘導フィン74を設けてもよい。75はエアー噴出孔である。この場合もパイプ内に仕切板を入れてもよい。
【0030】
【発明の効果】
この発明は以上のように構成されているので、オキシデーションディッチにおいて早期にスカムを除去することにより水の浄化をが効率的に行われるようにしたオキシデーションディッチにおける水浄化装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態であるオキシデーションディッチ内でのスカム除去装置の平面図。
【図2】図1の側断面図。
【図3】スカム除去装置の他の実施形態を示す側断模式図。
【図4】スカム除去装置の他の実施形態を示す側断模式図。
【図5】スカム除去装置の他の実施形態を示す側断模式図。
【図6】スカム除去装置の他の実施形態を示す側断模式図。
【図7】複合傾斜型ローター軸を備えたローターの実施形態を示す平面図。
【図8】図7の側断面図。
【図9】特殊ローターの実施形態を示す側断面図。
【図10】図9のA−A線断面図。
【図11】図9のB−B線断面図。
【図12】図9のC−C線断面図。
【図13】図9のD矢視図。
【図14】他のローターを示す断面図。
【符号の説明】
1…オキシデーションディッチ 3,4…流路 8…ローター軸 9…ローターフィン 10…減速機 15…トラフ 20…堰 26…排水パイプ 55…ローター軸 64,70…ローターフィン 66,75…エアー噴出孔 67,73…導水孔。

Claims (3)

  1. オキシデーションディッチの池内に設置され一体あるいは別体の堰の上下運動により水面上に浮遊するスカムが落とし込まれるトラフと、同トラフからの含水スカムを排出する手段とを備えたオキシデーションディッチにおける水浄化装置であって、前記堰の上下運動は、オキシデーションディッチ内の水中内にエアーを供給するためのローターの駆動に連動してなされるようになっているオキシデーションディッチにおける水浄化装置。
  2. 請求項1において、トラフは固定式とされるとともに、同トラフの前あるいは後側に上下運動可能な堰が配置され、同堰は、ローター軸に備え付けた減速機を介して回転運動するカムにより上下運動するようになっているオキシデーションディッチにおける水浄化装置。
  3. 請求項1または2において、堰は中空状であるオキシデーションディッチにおける水浄化装置。
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