JP3806742B2 - 光伝導素子及びそれを用いた赤外放射素子並びにその検出素子 - Google Patents

光伝導素子及びそれを用いた赤外放射素子並びにその検出素子 Download PDF

Info

Publication number
JP3806742B2
JP3806742B2 JP2003188257A JP2003188257A JP3806742B2 JP 3806742 B2 JP3806742 B2 JP 3806742B2 JP 2003188257 A JP2003188257 A JP 2003188257A JP 2003188257 A JP2003188257 A JP 2003188257A JP 3806742 B2 JP3806742 B2 JP 3806742B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photoconductive
film
substrate
photoconductive element
excitation light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003188257A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005026347A (ja
Inventor
誠治 西澤
敏志 岩本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
National Institute of Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Agency
National Institute of Japan Science and Technology Agency
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Agency, National Institute of Japan Science and Technology Agency filed Critical Japan Science and Technology Agency
Priority to JP2003188257A priority Critical patent/JP3806742B2/ja
Publication of JP2005026347A publication Critical patent/JP2005026347A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3806742B2 publication Critical patent/JP3806742B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Light Receiving Elements (AREA)
  • Spectrometry And Color Measurement (AREA)
  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に、時系列変換パルス分光装置の放射部又は検出部において使用される光伝導素子及びそれを用いた赤外放射素子並びにその検出素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1980年代にパルス状の遠赤外領域の電磁波放射及び検出が可能となり、それを受けて、近年、このパルス状の遠赤外領域の電磁波を用いた時系列変換パルス分光法が開発された。
【0003】
従来の分光法では光の強度(電磁波の電場の振幅の二乗)しか得られなかったが、時系列変換パルス分光法では、電磁波の電場の時間変化を直接測定することから、電磁波の電場の振幅だけでなく、その位相をも得ることができるというユニークな特徴を持っている。従って、試料がない場合と比較することによって、振幅スペクトルだけでなく位相シフトスペクトルを得ることができる。位相シフトは波数ベクトルと比例することから、この分光法を用いて試料中の分散関係を決定することができ、この分散関係からは例えば、誘電体材料の誘電率を知得することも可能となる(特開2002−277394号公報参照)。従って、例えば、近年、携帯電話等に有効なメモリとして期待されている強誘電体メモリにおける強誘電体薄膜の誘電率の非破壊測定も可能となる。
【0004】
図1に、時系列変換パルス分光装置の概要を示す。
【0005】
符号1はフェムト秒レーザを放射する励起源である。励起源1から放射されたフェムト秒レーザ光は、ビームスプリッタ2で分割される。一方のフェムト秒レーザパルスは、パルス励起光(ポンプパルス光)L1としてパルス光放射素子5に照射される。このとき、パルス励起光L1は光チョッパ3により変調された後、対物レンズ4によって集光される。このパルス光放射素子5は例えば光伝導素子であり、パルス励起光L1が照射されたときに瞬間的に電流が流れ、遠赤外電磁波パルスL2を放射する。この遠赤外電磁波パルスL2は、放物面鏡6、7により集光され測定試料8に照射される。その試料8の透過ないし反射電磁波(ここでは透過電磁波)L3は、放物面鏡9、10により集光され、検出器12に導光される。
【0006】
他方のフェムト秒レーザは、サンプリングパルス光(励起光)L4として検出器12に導光される。この検出器12も例えば光伝導素子であり、サンプリングパルス光L4で照射され、その瞬間だけ導電性となり、その瞬間の試料8からの透過遠赤外電磁波パルスL3の電場の強度を電流として検出することができる。ビームスプリッタ2から検出器12に到達するまでの時間を遅延手段13、14で変えることにより、試料を透過して来た透過遠赤外電磁波パルスL3の時間波形を得ることができる。
【0007】
検出用の光伝導素子はサンプリングパルス光L4を照射している瞬間試料からの透過遠赤外電磁波パルスL3の電場振幅に対応する電流を検出する。すなわち、透過遠赤外電磁波パルスの電場振幅が光伝導素子の電極の微小アンテナ間においてバイアス電圧として働き、その電場振幅に比例する電流が流れ、この電流の大きさと符号とを検出する。サンプリングパルス光の時間幅は透過遠赤外電磁波パルスL3の時間幅よりも数十分の一程度とかなり短い。すなわち、透過遠赤外電磁波パルスL3の最初の部分から最後の部分までが到達する時間に比較してサンプリングパルス光L4の照射時間は短い。そのため、サンプリングパルス光L4が照射している間の光伝導素子に流れる電流は透過遠赤外電磁波パルスL3の電場のごく短い照射時間部分に依存し、透過遠赤外電磁波パルスL3の電場のうち遅延手段13、14による時間遅延によって決められた時間部分のみが電流として測定され、さらに時間遅延をずらしていくことにより透過遠赤外電磁波パルスL3の電場の他の部分も測定でき、透過遠赤外電磁波パルスL3の電場の時間波形を得ることができる。
【0008】
試料8の透過遠赤外電磁波パルスの電場強度の各時間分解データは、信号処理手段によって処理される。すなわち、ロックインアンプ16を介してコンピュータ17に伝送され、順次、時系列データに記憶され、一連の時系列データを、該コンピュータ17でフーリエ変換処理して振動数(周波数)空間に変換することにより、試料8の透過遠赤外電磁波パルスの振幅及び位相の分光スペクトルが得られる。すなわち、試料からの透過遠赤外電磁波パルスの電場の時間変化を、光伝導素子の微小アンテナ間の電流の大きさと向きとして時系列で記録し、それをフーリエ変換により、透過遠赤外電磁波パルスの振幅及び位相スペクトルを得る。
【0009】
以上のように、新しい原理に基づいた時系列変換パルス分光装置において、従来の分光装置例えば、フーリエ変換赤外分光装置(FTIRのような)と比較してそのユニークな特徴を担っているのが、遠赤外電磁波パルスの光源部(放射素子)と検出部(検出素子)である。そして、その代表的な素子が、例として挙げた光伝導素子であり、光伝導素子は放射及び検出のいずれにも使用できるものである。
【0010】
図2に、遠赤外電磁波パルスの発生(放射)及び検出に用いる代表的な光伝導素子である、ダイポール型のアンテナの概略構成を示す。図3は、図2の1点破線AA’で示した断面図である。
【0011】
この光伝導素子20は、図のように半導体基板21、例えば、ガリウム砒素(GaAs)基板上に光伝導膜22を形成し、その上に、それぞれ中央部に微小なアンテナ部23a、24aを有する一対の電極膜23、24を蒸着することによって作製する。電極膜のアンテナ部は互いに微小間隙部で離隔してアンテナを成すように配置され、各アンテナ部は一対の電極膜に直流のバイアス電圧が印加されたときにアンテナ部間の微小間隙部Dに均一な電場を形成できるような形状に形成される。光伝導膜は、1ps以下の光キャリア寿命、高い光キャリア移動度、高い耐電圧を有することが必要であり、現在は低温成長させたガリウム砒素(LT−GaAs)膜が使用される場合が多い。
【0012】
放射素子として光伝導素子を用いる場合は通常、直流のバイアス電圧を印加した状態で用いるが、光伝導膜のうち、アンテナ部の微小間隙部近傍の領域を時間幅が100フェムト秒程度のレーザーパルス光で励起すると、光キャリア(電子と正孔)が生成され、それらがバイアス電圧に応じて移動することによって瞬間電流が流れ、この電流の時間微分に比例した遠赤外電磁波パルスが発生(双極子放射)する。そのパルス幅は1ps以下(例えば、500fs程度)である。放射された遠赤外電磁波パルスは光伝導素子の基板側から強く放射される。
【0013】
また、微小ダイポールアンテナから放射された遠赤外電磁波パルスは通常、光伝導素子の基板側に配置された高抵抗シリコンの超半球(もしくは半球)レンズ18により光の拡がりを抑えつつ放物面鏡へ送られコリメートされた後、絞って試料に照射される。
【0014】
一方、検出素子として光伝導素子を用いる場合、電極の微小アンテナ間を流れる検出電流が微弱なため、通常、低雑音電流アンプと共に使用される。すなわち、光伝導膜のうち、アンテナ部の微小間隙部近傍の領域がサンプリングパルス光によって励起されると光キャリアが生成され、この光キャリアは試料から反射又は透過してきた遠赤外電磁波パルスの電場強度をバイアス電圧として電極まで移動し、こうして流れた微弱な電流は低雑音電流アンプにより10倍程度増幅されて検出される。こうして、遠赤外電磁波パルスの符号を含めた電場強度がアンテナ間を流れる電流として検出される。
【0015】
また、検出用の光伝導素子の基板(例えば、半絶縁性ガリウム砒素)側にも高抵抗シリコンの超半球(もしくは半球)レンズ19が配置されている。この領域の電磁波に対する半絶縁性ガリウム砒素及び高抵抗シリコンの屈折率はそれぞれ、3.6及び3.42と近いため、光伝導膜の表面の位置が超半球(もしくは半球)シリコンレンズの中心からr/n(r:超半球レンズの半径、n:屈折率、ただし、半球の場合は中心)の距離に光伝導膜が位置するような構成をとることによって、試料から反射又は透過された遠赤外電磁波パルスは超半球(もしくは半球)シリコンレンズにより光伝導膜の表面に焦点が形成されるようになっている。
【0016】
ここで、放射素子として光伝導素子を用いる場合、光伝導素子から放射される遠赤外電磁波パルスは、電極のアンテナ間を流れる電流によって生成され、この電流の時間微分によって表される。従って、パルス時間幅の狭いシャープな遠赤外電磁波パルスを得るためには、各光キャリアの電極微小アンテナ間の移動が同じ挙動となる構成であるのが望ましい。また、光伝導素子からの遠赤外電磁波パルスを安定に放射させるためには、同じ条件で照射されたポンプパルス光に対して同数の光キャリアが生成される構成であるのが望ましい。
【0017】
また、検出用の光伝導素子においては、試料から反射又は透過してきた遠赤外電磁波パルスの電場強度は電極のアンテナ間を流れる微弱電流(より微視的には、光キャリアの移動)として検出される。放射用光伝導素子の場合と同様に、電流は単位時間に流れる電荷量なので、高検出感度で安定に測定を行うためには、光伝導素子は、励起光により生成される各光キャリアの電極間の移動時間及び光キャリアの数は測定毎に変動しない構成となっていることが望ましい。
【0018】
以上のように、光伝導素子は放射素子又は検出素子のいずれとして用いる場合にも、放射パルスの時間幅や検出感度等の性能は、光伝導膜のうち、微小アンテナ部の微小間隙部近傍の領域に生成される各光キャリアの電極の微小アンテナ間の移動時間及び光キャリアの数に依存する。
【0019】
【特許文献1】
特開2003−131137号公報
【特許文献2】
特開2003−115625号公報
【特許文献3】
特開2002−368250号公報
【特許文献4】
特開2002−257629号公報
【特許文献5】
特開2002−223017号公報
【特許文献6】
特開2001−148502号公報
【特許文献7】
特開2000−275105号公報
【特許文献8】
特開2000−275103号公報
【特許文献9】
特開2000−243621号公報
【特許文献10】
特開2000−235203号公報
【特許文献11】
特開2000−049402号公報
【非特許文献1】
D.H.オースチン(D.H.Auston)、K.P.チャン(K.P.Cheung)、P.R.スミス(P.R.Smith)著、アプライド・フィジクス・レターズ(Appl.Phys.Lett)45(1984)284
【非特許文献2】
M.タニ(M.Tani)、S.マツウラ(S.Matsuura)、K.サカイ(K.Sakai)、S.ナカムラ(S.Nakamura)著、アプライド・オプティクス(Appl.Opt.)36(1997)7853
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の方法では、励起用のパルスレーザー光はレンズによって集光されるため、光伝導膜の照射領域はアンテナ間の間隙程度の径を持つ円形となり、その領域内での空間強度分布が存在し、そのため、レーザー光の照射位置がわずかに変化した場合でも、放射される遠赤外電磁波パルスにおいて明確な違いとして現れる。遠赤外電磁波パルスの生成に関わる電流は光キャリアの数及び移動速度に比例するためである。特に、放射用の光伝導素子の発生においては、電極間に印加される電圧によって生じる微小アンテナ間隙近傍の電場は図4に示すようにアンテナ間隙とその周辺部ではその大きさ及びその方向の変化は異なっている。図中において、符号26、27はそれぞれ、微小アンテナ間隙内での電気力線及びその周辺部での電気力線の一例を示す。そのため、アンテナ間隙以外の領域では光キャリアはアンテナからアンテナまでの最短方向を動かない。この結果、放射される遠赤外電磁波パルスのパルスの時間幅が広がってしまうという問題がある。光キャリアの移動速度は受ける電場の大きさに比例するところ、アンテナ間隙以外の領域に生成された光キャリアはその移動速度も、アンテナ間隙領域に生成された光キャリアのそれとは異なり低いため、パルスレーザー光がアンテナ間隙以外の領域に照射されると遠赤外電磁波パルスの放射効率が低下してしまうという問題がある。
【0021】
また、検出用の光伝導素子の場合も、サンプリングパルス光の照射位置がずれてアンテナ間隙以外の領域を照射すると、その領域からの光キャリアはアンテナ間の微小間隙部のものとは異なる角度でアンテナに向かう。この場合、例えば、ダイポールアンテナの場合、光キャリアについてアンテナの先端部に入射するものとアンテナの側面部に入射するものが存在するというようにことになる。すなわち、アンテナの先端部に入射する光キャリアとアンテナの先端部以外に入射する光キャリアとが検出電流に寄与することになる。従って、検出される遠赤外線パルスがアンテナ近傍で空間的に一様な電場を形成している場合でも、検出電流がその遠赤外電磁波パルスの電場強度を正確に反映せず、検出感度が低下又は変動してしまうという問題があった。
【0022】
さらに、従来の方法では、アンテナの間隙が狭いにもかかわらず、その間隙に埃などが付着して電極間がショートして、突然、光伝導素子が使用できなくなるという問題もあった。
【0023】
さらにまた、特に、光伝導膜のアンテナの間隙部分に空気中の水分等が吸着し、それがレーザー光の照射によって酸化するために劣化し易いという問題もあった。
【0024】
従って、本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、放射素子として使用する場合にはパルス時間幅が狭く安定に遠赤外電磁波パルスを放射することができ、検出素子として使用する場合にはテラヘルツパルス光を高い感度で検出することができる光伝導素子を提供することを目的とする。
【0025】
また、本発明は、パルス時間幅が狭く安定に遠赤外電磁波パルスを放射することができる光伝導素子に超半球又は半球シリコンレンズを備えた赤外放射素子を提供することを目的とする。
【0026】
また、本発明は、遠赤外電磁波パルスを高い感度で検出することができる光伝導素子に超半球又は半球シリコンレンズを備えた検出素子を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、以下の構成を採用した。
請求項1に記載の光伝導素子は、互いのアンテナ部が微小間隙部で離隔してアンテナを成すように配置された一対の電極膜と光伝導膜とを基板上に備え、前記光伝導膜に励起光が照射されると光キャリアを生成してパルス光を放射する光伝導素子において、前記基板の面は、有効光キャリア生成領域と、電極膜射影領域及び電極膜非射影領域から成る非有効光キャリア生成領域とから成り、前記有効光キャリア生成領域は、前記励起光の入射方向における前記微小間隙部の基板面への射影領域とされ、前記電極膜射影領域は、前記励起光の入射方向における前記電極膜の基板面への射影領域とされ、前記電極膜非射影領域は、前記電極膜射影領域以外の非有効光キャリア生成領域とされ、前記有効光キャリア生成領域内の少なくとも一部に備えた光伝導膜においてのみ前記光キャリアが生成されるように構成されたことを特徴とする。
【0028】
請求項1に記載の「微小間隙部」における“微小”とは、電極膜のうちアンテナ部以外の部分の間隙に比して微小であることを意味する。
【0029】
また、請求項1に記載の「有効光キャリア生成領域」とは、基板面上の仮想領域であって、光伝導素子において、光キャリアを生成する領域として最適であると考えられる領域である。
【0030】
さらに、請求項1に記載の発明には、「電極膜射影領域」に、電極膜が直接形成される場合、光伝導膜がまず形成されその上に電極膜が形成される場合、及び、その一部に電極膜が直接形成されかつ他の一部には光伝導膜がまず形成されその上に電極膜が形成される場合も含まれる。
【0031】
さらにまた、請求項1に記載の「有効光キャリア生成領域内の少なくとも一部に備えた光伝導膜においてのみ前記光キャリアが生成される」との記載は、光伝導膜を備える領域を有効光キャリア生成領域内に限定するものではなく、有効光キャリア生成領域内の他に、電極膜射影領域内あるいは電極膜非射影領域内のいずれか又はその両方にも備えてよいが、遠赤外電磁波パルスを発生させる瞬間電流に実質的に寄与する光キャリアが生成されるのは有効光キャリア生成領域内に備えた光伝導膜だけであるとの意である。従って、仮に、非有効光キャリア生成領域に備えた光伝導膜に光キャリアが生成されたとしても、それがノイズと同程度以下の場合は前記記載の「前記光キャリアが生成される」には含まれない。
【0032】
請求項1に記載の光伝導素子では、光キャリアは全て、有効光キャリア生成領域に備わる光伝導膜で生成されるため、遠回りせずにアンテナ間の最短距離を移動する。そのため、光伝導素子を放射用として用いる場合は、放射される遠赤外線電磁波パルスの時間幅の拡がりが抑制され、また、光伝導素子を検出用として用いる場合は、検出電流が反射又は透過遠赤外電磁波パルスの電場強度を正確に反映して検出感度が向上する。ここで、「アンテナ間の最短距離を移動」とは、光キャリアが、励起光の照射方向から見て、非有効光キャリア生成領域を通過せずに(アンテナ部の微小間隙部のものとは異なる角度で入射せず)有効光キャリア生成領域のみを通過してアンテナに向かうことを意味する。また、「遠回り」とは、光キャリアが例えば、図4の符号27で示した電場に沿って移動する場合のように、励起光の照射方向から見て、非有効光キャリア生成領域を通過してアンテナに向かうことを意味する。
【0033】
請求項1に記載の光伝導素子を遠赤外電磁波パルスの放射用として用いる場合、光伝導素子における電極膜のアンテナ部の形状は、一対の電極膜にバイアス電圧が印加されたときにアンテナ部間の微小間隙部に空間的に均一な電場を形成できる形状を有するのが好ましい。
【0034】
この態様では、電極膜のアンテナ部間には空間的に均一な電場が形成されるので、すべての光キャリアが受ける電場が等しいため光キャリアの移動速度のばらつきが抑制される。そのため、光伝導素子を放射用として用いる場合は、パルス時間幅がより狭く安定な遠赤外電磁波パルスを放射することができる。また、光伝導素子を検出用として用いる場合、検出電流が反射又は透過遠赤外電磁波パルスの電場強度をさらに正確に反映して検出感度がさらに向上する。
【0035】
この光伝導膜の好適な材料としては、低温成長されたガリウム砒素がある。また、基板の好適な材料としては、半導体特に、半絶縁性ガリウム砒素(SI−GaAs)がある。
【0036】
請求項1に記載の光伝導素子は、例えば、時系列変換パルス分光装置等の放射部又は検出部において用いることができるが、これに限定されない。また、光伝導素子のアンテナは、ダイポール型のものであるが、ボウタイ型等の他の型のアンテナであってもよい。
【0037】
請求項2に記載の光伝導素子は、請求項1に記載の光伝導素子において、前記光伝導膜は、前記基板面上の前記有効光キャリア生成領域内にのみ備えられ、かつ、前記一対のアンテナ部の両方に対して前記光伝導膜の側面で電気的に接続して成ることを特徴とする。
【0038】
この光伝導素子では、光キャリアが生成される光伝導膜は有効光キャリア生成領域内にしか存在しないので、遠回りしてアンテナに向かう光キャリアは存在せず、光キャリアはすべてアンテナ間の最短距離を移動する。光伝導素子を放射用として用いる場合は、放射される遠赤外線電磁波パルスの時間幅の拡がりが確実に抑制され、また、光伝導素子を検出用として用いる場合は、検出電流が反射又は透過遠赤外電磁波パルスの電場強度をより正確に反映して検出感度が向上する。
【0039】
尚、光伝導膜及び電極膜の形成は公知の膜作製技術を用いることができる。
【0040】
請求項3に記載の光伝導素子は、請求項1に記載の光伝導素子において、前記光伝導膜は、前記基板面上の前記有効光キャリア生成領域内の少なくとも一部と、前記電極膜射影領域内の少なくとも一部とに備えられ、前記有効光キャリア生成領域内の少なくとも一部に備えた光伝導膜は、前記電極膜射影領域内の少なくとも一部に備えた光伝導膜に電気的に接続し、前記電極膜射影領域内の少なくとも一部に備えた光伝導膜は、前記電極膜に電気的に接続していることを特徴とする。
【0041】
この光伝導素子では、光キャリアは全て、有効光キャリア生成領域に備わる光伝導膜で生成されたものであるため、遠回りせずにアンテナ間の最短距離を移動する。そのため、光伝導素子を放射用として用いる場合は、放射される遠赤外線電磁波パルスの時間幅の拡がりが抑制され、また、光伝導素子を検出用として用いる場合は、検出電流が反射又は透過遠赤外電磁波パルスの電場強度を正確に反映して検出感度が向上する。
【0042】
尚、請求項3に記載の光伝導素子において、前記光伝導膜が、前記電極膜非射影領域の一部に備える場合を完全に排除するものではない。ただし、この場合、前記電極膜非射影領域の一部に備えた光伝導膜が、前記有効光キャリア生成領域内に備えた光伝導膜には電気的に接続せずかつ前記一対の電極膜の両方には電気的に接続していない構成とする必要がある。これによって、遠赤外電磁波パルスの発生させる瞬間電流に実質的に寄与する光キャリアが生成されるのは有効光キャリア生成領域内に備えた光伝導膜だけとなり、仮に、非有効光キャリア生成領域に備えた光伝導膜に光キャリアが生成されたとしても、それがノイズと同程度以下の場合は瞬間電流を成す光キャリアに比べて無視することができる。
【0043】
また、請求項3に記載の光伝導素子は、例えば、基板上の一部に光伝導膜を形成し、その後に、励起光の入射方向から見てこの光伝導膜を一対のアンテナ部で挟むような構成で電極膜を形成することにより作製が可能である。尚、光伝導膜及び電極膜の形成は公知の膜作製技術を用いることができる。
【0044】
請求項4に記載の光伝導素子は、請求項1に記載の光伝導素子において、前記基板上に順に前記光伝導膜と前記電極膜とを備え、さらにその上にピンホールを有しかつ励起光が透過しない光学的遮光材から成るピンホール部材を備え、該ピンホール部材は、前記励起光の入射方向における前記ピンホールの基板面への射影が前記有効キャリア生成領域内に収まるように配置されていることを特徴とする。
【0045】
この光伝導素子は、基板の表側(光伝導膜や電極膜が形成されている側)から励起光を入射する態様で用いられる。この光伝導素子では、励起光のうち光伝導膜を照射するのはピンホールを抜けてくるものだけなので、光キャリアが生成される光伝導膜は有効光キャリア生成領域内に備えられたものだけとなり、光キャリアはすべてアンテナ間の最短距離を移動する。光伝導素子を放射用として用いる場合は、放射される遠赤外線電磁波パルスの時間幅の拡がりが確実に抑制され、また、光伝導素子を検出用として用いる場合は、検出電流が反射又は透過遠赤外電磁波パルスの電場強度を正確に反映して検出感度が向上する。また、この光伝導素子では、ピンホールの径や形状、光伝導膜に対する相対位置を変えることによって、光伝導膜において光キャリアが生成する領域を容易に変更又は調整することができる。
【0046】
尚、請求項4に記載の光伝導素子は、このピンホール部材と前記光伝導膜及び前記電極膜を備えた基板との間に他の層が介在する構成も含む。例えば、ピンホール部材を金属で作製する場合には、ピンホール部材と電極膜の間を絶縁するための層を介在させた構成とする。
【0047】
請求項5に記載の光伝導素子は、請求項1に記載の光伝導素子において、前記基板上に順に前記光伝導膜と前記電極膜とを備え、さらにその上にピンホールを有しかつ励起光が透過しない光学的遮光材から成るピンホール薄膜を備え、前記ピンホール薄膜は、前記励起光の入射方向における前記ピンホールの基板面への射影が前記有効キャリア生成領域内に収まるように配置されていること光又はサンプリングパルス光が透過しない光学的遮光材から成る薄膜であることを特徴とする。
【0048】
この光伝導素子は、基板の表側(光伝導膜や電極膜が形成されている側)から励起光を入射する態様で用いられる。この光伝導素子では、励起光のうち光伝導膜を照射するのはピンホールを抜けてくるものだけなので、光キャリアが生成される光伝導膜は有効光キャリア生成領域内に備えられたものだけとなり、光キャリアはすべてアンテナ間の最短距離を移動する。光伝導素子を放射用として用いる場合は、放射される遠赤外線電磁波パルスの時間幅の拡がりが確実に抑制され、また、光伝導素子を検出用として用いる場合は、検出電流が反射又は透過遠赤外電磁波パルスの電場強度を正確に反映して検出感度が向上する。また、この光伝導素子ではピンホールの径や層厚を変えることによって、光伝導膜において光キャリアが生成する領域を容易に変更又は調整することができる。
【0049】
尚、請求項5に記載の光伝導素子は、このピンホール薄膜と前記光伝導膜及び前記電極膜を備えた基板との間に他の層が介在する構成も含む。例えば、ピンホール薄膜を金属で作製する場合には、ピンホール薄膜と電極間の間を絶縁するための層を介在させた構成とする。
【0050】
請求項6に記載の光伝導素子は、請求項1から5のいずれか一項に記載の光伝導素子の上に前記励起光が透過する透明保護膜を備えたを特徴とする。
【0051】
この光伝導素子では、透明保護膜によって光伝導膜に埃等が付着すること及び水分等が吸着することが防止されるので、電極間がショートして光伝導素子が使用ができなくなるという不都合が回避でき、また、耐久性が向上する。
【0052】
この透明保護膜の好適な材料としては、二酸化シリコン等がある。透明保護膜はCVD法等の通常の膜作製技術により作製可能である。
【0053】
請求項7に記載の赤外放射素子は、請求項1から6のいずれか一項に記載の光伝導素子における前記基板の光伝導膜を備えた面の反対側の面に超半球レンズを備えたことを特徴とする。
【0054】
請求項8に記載の赤外放射素子は、請求項1から6のいずれか一項に記載の光伝導素子における前記基板の光伝導膜を備えた面の反対側の面に半球レンズを備えたことを特徴とする。
【0055】
請求項7及び8に記載の赤外放射素子では、光伝導素子で発生したパルス時間幅の狭い遠赤外電磁波パルスが空間的に拡がるのを抑えて効率よく試料側へ送ることができる。
【0056】
請求項9に記載の検出素子は、請求項1から6のいずれか一項に記載の光伝導素子における前記基板の光伝導膜を備えた面の反対側の面に超半球レンズを備えたことを特徴とする。
【0057】
請求項10に記載の検出素子は、請求項1から6のいずれか一項に記載の光伝導素子における前記基板の光伝導膜を備えた面の反対側の面に半球レンズを備えたことを特徴とする。
【0058】
請求項9及び10に記載の検出素子では、基板内での多重反射(スペクトルにおける干渉の影響)を軽減することが可能となるので、検出感度が向上する。
【0059】
尚、請求項7から10に記載の超半球又は半球レンズの好適な例としては、シリコン、特に高抵抗のシリコンから成るものがあげられる。
【0060】
請求項11に記載の光伝導素子は、請求項1に記載の光伝導素子において、前記基板上に順に前記光伝導膜と前記電極膜とを備え、前記基板がピンホールを備え、該ピンホールの前記励起光の入射方向における基板面への射影が前記有効キャリア生成領域内に収まるように前記基板が配置されていることを特徴とする。
【0061】
この光伝導素子は、基板の裏側から励起光を入射する態様で用いられる。この光伝導素子では、励起光のうち光伝導膜を照射するのは基板のピンホールを抜けてくるものだけなので、光キャリアが生成される光伝導膜は有効光キャリア生成領域内に備えられたものだけとなり、光キャリアはすべてアンテナ間の最短距離を移動する。光伝導素子を放射用として用いる場合は、放射される遠赤外線電磁波パルスの時間幅の拡がりが確実に抑制され、また、光伝導素子を検出用として用いる場合は、検出電流が反射又は透過遠赤外電磁波パルスの電場強度を正確に反映して検出感度が向上する。また、この光伝導素子ではピンホールの径を変えることによって、光伝導膜において光キャリアが生成する領域を容易に変更又は調整することができる。
【0062】
請求項12に記載の光伝導素子は、請求項11に記載の光伝導素子の上に前記励起光が透過する透明保護膜を備えたことを特徴とする。
【0063】
この光伝導素子では、透明保護膜によって光伝導膜に埃等が付着すること及び水分等が吸着することが防止されるので、電極間がショートして光伝導素子が使用ができなくなるという不都合が回避でき、また、耐久性が向上する。二酸化シリコンが透明保護膜の好適な材料の例である。
【0064】
尚、請求項11又は12のいずれかに記載の光伝導素子は、基板の表側に超半球レンズあるいは半球レンズを備えて赤外放射素子あるいは検出素子として用いることもできる。また、超半球又は半球レンズの好適な例としては、シリコン製のものがあげられる。
【0065】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光伝導素子及びそれを用いた赤外放射素子並びにその検出素子の実施形態に図を用いて説明する。尚、図面を通して同等な部材については同じ符号を用いている。また、図示された形状は例示であって、それらに限定するものではない。
【0066】
図5に、本発明の光伝導素子の第1の実施形態の概略構成図を示す。図6は、光伝導素子のアンテナ部近傍の斜視図である。
【0067】
この光伝導素子30は、互いのアンテナ部23a,24aが微小間隙部Dで離隔してアンテナを成すように配置された一対の電極膜23,24と光伝導膜32とを基板21上に備えたものであり、光伝導膜32に励起光が照射されると光キャリアを生成してパルス光を放射する。
【0068】
基板は例えば、半絶縁性ガリウム砒素(SI−GaAs)から成り、光伝導膜は例えば、低温成長ガリウム砒素(LT−GaAs)から成る。
【0069】
ここで、基板21の面は、図7に示すように、有効光キャリア生成領域D’と、電極膜射影領域23’、24’及び電極膜非射影領域28’から成る非有効光キャリア生成領域とから成る。ここで、有効光キャリア生成領域D’は、励起光の入射方向における微小間隙部Dの基板面への射影領域であり、電極膜射影領域23,24は、励起光の入射方向における電極膜23,24の基板面への射影領域であり、電極膜非射影領域28’は、電極膜射影領域23’,24’以外の非有効光キャリア生成領域である。
【0070】
ここで、微小間隙部とは、励起光の入射方向から見て、一方のアンテナ部の最先端を成す最先端輪郭線とそのアンテナ部の側面を成す2本の側面輪郭線との2つの交点をa,b、他方のアンテナ部の最先端輪郭線とその2つの交点をc,dとしたときにアンテナ間の近接する交点同士を結んだ2つの線分ac及びbdと、前記一方のアンテナ部の最先端を成す最先端輪郭線と、前記他方のアンテナ部の最先端輪郭線と、によって囲まれた領域をいう。
この実施形態では、電極膜23、24のアンテナ23a、24aは、励起光の入射方向から見て矩形であって、アンテナの最先端輪郭線及び側面輪郭線はそれぞれほぼ直線である。従って、この場合の微小間隙部Dは、励起光の入射方向から見てa,b,c,dを頂点とする平面視矩形形状である。また、アンテナ部間の向かい合った最先端輪郭線abとcdとは互いに平行である。
【0071】
光伝導膜32は、基板21面上の有効キャリア生成領域D’内にのみ備えられているため、光キャリアは有効光キャリア生成領域D’内に備えられた光伝導膜32においてのみ生成される。また、光伝導膜32は、一対のアンテナ部23a,24aの両方に対して光伝導膜32の側面で電気的に接続しているので、アンテナ間にバイアス電圧が印加されると、生成された光キャリアはアンテナ部に向かって移動する。
【0072】
この光伝導素子30のアンテナは、ダイポール型のものであるが、ボウタイ型等の他の型のアンテナであってもよい。この光伝導素子30では、各アンテナ部は平面視矩形形状であり、前記の一対の電極膜にバイアス電圧が印加されたときにアンテナ部間の微小間隙部Dに空間的に均一な電場を形成される。バイアス電圧は直流、交流のいずれでもよい。
【0073】
このように電極のアンテナ部間の微小間隙部にだけ光伝導膜を形成する際、通常の半導体装置の製造の際に用いられるフォトリソグラフィ技術等、公知の膜作製技術を用いることができる。
【0074】
この光伝導素子では、光キャリアが生成される光伝導膜32は有効光キャリア生成領域D’内にしか存在しない。また、電極膜23、24のアンテナ23a、24aは図5で示したような平面視矩形形状であるため、電極膜23,24にバイアス電圧が印加されたときにアンテナ部間の微小間隙部Dには空間的に均一な電場を形成される。従って、励起光により生成されたすべての光キャリアが受ける電場が等しくなるため、光キャリアの移動速度のばらつきが抑制される。そのため、光伝導素子を放射用として用いる場合は、従来の光伝導素子に比べてパルス時間幅がより狭く安定な遠赤外電磁波パルスを放射することができる。また、光伝導素子を検出用として用いる場合、従来の光伝導素子に比べて検出電流が反射又は透過遠赤外電磁波パルスの電場強度をより正確に反映して検出感度がさらに向上する。
【0075】
図8に、本発明の光伝導素子の第2の実施形態の概略構成を示す。また、図9は、図8の1点破線CC’で示した断面図である。この光伝導素子40は、光伝導膜42が、前記基板21面上の有効キャリア生成領域D’内の少なくとも一部(符号42bで示した部分)と、電極膜射影領域23’、24’内の少なくとも一部(符号42a、42cで示した部分)とに備えられ、有効キャリア生成領域D’内の少なくとも一部に備えた光伝導膜42bは、電極膜射影領域23’、24’内の少なくとも一部に備えた光伝導膜42aに電気的に接続し、電極膜射影領域23’、24’内の少なくとも一部に備えた光伝導膜42a、42cは、電極膜24a、23aに電気的に接続している。この例では、形成された光伝導膜は励起光の入射方向から見て円形であり、その直径がアンテナの幅より小さいために、光伝導膜42bは有効光キャリア生成領域D’内に収まっている。
【0076】
この実施形態の光伝導素子は、例えば、半導体装置の製造の際に用いられるフォトリソグラフィ技術を利用して、基板上の一部に穿孔を有するマスクを介して光伝導膜を形成し、その後に、励起光の入射方向から見てこの光伝導膜を一対のアンテナ部で挟むような構成に電極膜を形成することにより作製が可能である。
【0077】
尚、この実施形態の光伝導素子では、光伝導膜が有効キャリア生成領域D’内の少なくとも一部及び電極膜射影領域23’、24’内の少なくとも一部以外に、さらに電極膜非射影領域28’の一部にも備える場合を含む。この場合は、電極膜非射影領域28’の一部に備えた光伝導膜42は、有効光キャリア生成領域D’内に備えた光伝導膜42bには電気的に接続せずかつ一対の電極膜23,24の両方には電気的に接続していない構成とするのが好ましい。この構成とすることにより、遠赤外電磁波パルスの発生させる瞬間電流に実質的に寄与する光キャリアが生成されるのは有効光キャリア生成領域D’内に備えた光伝導膜42bだけとなり、仮に、非有効光キャリア生成領域28’に備えた光伝導膜に光キャリアが生成されたとしても、それがノイズと同程度以下の場合となるので、瞬間電流を成す光キャリアに比べて無視することができるからである。
【0078】
この光伝導素子では、遠赤外電磁波パルスの放射を作る瞬間電流を成す光キャリアは全て、有効光キャリア生成領域D’に備えられた光伝導膜で生成されたものであるため、アンテナ間の最短距離を移動する。そのため、光伝導素子を放射用として用いる場合は、放射される遠赤外線電磁波パルスの時間幅の拡がりが抑制され、また、光伝導素子を検出用として用いる場合は、検出電流が反射又は透過遠赤外電磁波パルスの電場強度を正確に反映して検出感度が向上する。
【0079】
図10に、本発明の光伝導素子の第3の実施形態の概略構成を示す。この光伝導素子50は、基板21上に順に光伝導膜22と電極膜23、24とを備え、さらにその上にピンホール55を有しかつ励起光が透過しない光学的遮光材から成るピンホール部材51を備え、このピンホール部材51は、励起光の入射方向におけるピンホール55の基板21面への射影が有効キャリア生成領域23’内に収まるように配置されていることを特徴とするものである。
【0080】
このピンホール部材の材料としては、励起光源としてチタンサファイアレーザーを用いる場合は、例えば、ガリウム砒素やシリコン等が使用可能である。また、電極との間に励起光を透過する絶縁性の膜(例えば、二酸化シリコン)を形成することによって、金属を使用することも可能である。ピンホール55の形状は矩形が好適であるが、円形、楕円形も使用可能である。
【0081】
この光伝導素子では、励起光のうち光伝導膜22を照射するのはピンホール55を抜けてくるものだけなので、光キャリアが生成される光伝導膜は有効光キャリア生成領域23’内に備えられた部分だけのものとなり、光キャリアはすべてアンテナ間の最短距離を移動する。光伝導素子を放射用として用いる場合は、放射される遠赤外線電磁波パルスの時間幅の拡がりが確実に抑制され、また、光伝導素子を検出用として用いる場合は、検出電流が反射又は透過遠赤外電磁波パルスの電場強度を正確に反映して検出感度が向上する。また、この光伝導素子ではピンホール部材51のピンホール55の径や光伝導膜に対する相対位置を変えることによって、光伝導膜において光キャリアが生成する領域を容易に変更又は調整することができる。
【0082】
尚、この光伝導素子は、このピンホール部材51と前記光伝導膜22及び前記電極膜23,24を備えた基板21との間に他の層が介在する構成も含む。例えば、ピンホール部材51を金属で作製した場合には、ピンホール部材51と電極膜23,24の間を絶縁するための層を介在させる。
【0083】
図11に、本発明の光伝導素子の第4の実施形態の概略構成を示す。図11(a)は断面図であり、図11(b)は平面図であり、図11(c)は励起光透過絶縁膜63を形成する前の平面図である。この光伝導素子60は、超半球レンズ66の上に順にベース膜21’と光伝導膜22と電極膜23、24とを備え、さらにその上にピンホール65を有しかつ励起光が透過しない光学的遮光材から成るピンホール薄膜61を備え、このピンホール薄膜61は、励起光の入射方向におけるピンホール65のベース膜21’面への射影が有効キャリア生成領域23’内に収まるように配置されていることを特徴とするものである。また、この実施形態では、光伝導膜22及び電極膜23、24の上に、さらに金属から成るピンホール薄膜61と電極膜23,24の間の絶縁性を保証しかつ励起光が透過する励起光透過絶縁膜63を備えていることも特徴としている。励起光透過絶縁膜63は、図11(b)においては平面視円状に見えているが、楕円等の他の形状でもよい。さらにまた、図11は、赤外放射素子又は検出素子の実施形態でもある。
【0084】
ここで、ベース膜は、光伝導膜を超半球レンズの上に直接形成した場合には格子定数の差から良質の光伝導膜が形成できないという不都合をがあり、それを回避するために下地として設けるものである。これによって、光伝導素子の放射及び検出において最も重要な構成要素である光伝導膜の良好な膜質が保証される。例えば、光伝導膜が低温成長ガリウム砒素(LT-GaAs)である場合に、ベース膜21として半絶縁性ガリウム砒素(SI-GaAs)から成るものを用いることができる。
【0085】
金属から成るピンホール薄膜61としては、例えば、Au/Cu/FeO膜が好適な例である。
【0086】
この光伝導素子では、励起光のうち光伝導膜22を照射するのはピンホール65を抜けてくるものだけなので、光キャリアが生成される光伝導膜は有効光キャリア生成領域23’内に備えられた部分だけのものとなり、光キャリアはすべてアンテナ間の最短距離を移動する。光伝導素子を放射用として用いる場合は、放射される遠赤外線電磁波パルスの時間幅の拡がりが確実に抑制され、また、光伝導素子を検出用として用いる場合は、検出電流が反射又は透過遠赤外電磁波パルスの電場強度を正確に反映して検出感度が向上する。また、この光伝導素子ではピンホール薄膜61のピンホール65の径または形状を変えることによって、光伝導膜において光キャリアが生成する領域を容易に変更又は調整することができる。ピンホールの形状は矩形が好適であるが、円形、楕円形も使用可能である。さらに、励起光透過絶縁膜63の層厚を変えることによっても、ピンホール薄膜61と光伝導膜22との距離、すなわち、ピンホール65の光伝導膜22に対する相対位置を変えることによっても、光キャリアが生成する領域を容易に変更又は調整することができる。
【0087】
このようなピンホール薄膜は、通常の半導体装置の製造の際に用いられるフォトリソグラフィ技術を利用して作製することができる。
【0088】
また、この光伝導素子では、励起光透過絶縁膜63は保護膜としても作用し、光伝導膜22に埃等が付着すること及び水分等が吸着することが防止されるので、電極間がショートして光伝導素子が使用ができなくなるという不都合が回避される。励起光透明絶縁膜の好適な例としては、SiO2等がある。超半球又は半球レンズの好適な材料としては、シリコン、特に高抵抗シリコンがある。
【0089】
このような励起光透過絶縁膜は、通常の物理的気相成長法を用いて作製することができる。
【0090】
また、基板の面に超半球又は半球レンズを設置する方法としては従来技術の他に、シリコンレンズに直接GaAs、LT−GaAs、電極を蒸着することも可能である。
【0091】
図12は、図11で示した実施形態において、さらに、ピンホール薄膜61と励起光透過絶縁膜63との間に誘電体反射防止膜68を備えたものであって、超半球レンズに直接、ベース膜、光伝導膜等が形成された実施形態を示したものである。
【0092】
図13に示すように、図5で示した第1の実施形態の光伝導素子において、さらにその上に透明保護膜73を備えた実施形態を示すしたものである。この透明保護膜73によって光伝導膜22に埃等が付着すること及び水分等が吸着することが防止されるので、電極間がショートして光伝導素子が使用ができなくなるという不都合が回避される。透明保護膜の好適な例としては、二酸化シリコン等がある。
【0093】
図14は、光伝導膜22、電極膜23,24、励起光透過絶縁膜63、誘電体反射防止膜68、ピンホール薄膜61に、透明保護膜73を順に備えた基板21の裏側に超半球レンズ66を具備した実施形態を示すものである。また、励起光の集光に透明保護膜73の上に超半球レンズを備えている。
【0094】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る光伝導素子及びそれを用いた赤外放射素子並びにその検出素子によれば、以下のような効果を奏する。
【0095】
請求項1に記載の光伝導素子によれば、光伝導素子を放射用として用いる場合、放射される遠赤外線電磁波パルスの時間幅の拡がりが抑制され、また、光伝導素子を検出用として用いる場合、励起光の励起により生成される各光キャリアのアンテナ間の移動は同じ挙動を示すために、検出電流は遠赤外電磁波パルスの電場強度を従来の光伝導素子より精度良く反映するという効果を奏する。
【0096】
請求項2に記載の光伝導素子によれば、光伝導素子を放射用として用いる場合は、放射される遠赤外線電磁波パルスの時間幅の拡がりが確実に抑制され、また、光伝導素子を検出用として用いる場合は、励起光の励起により生成される各光キャリアのアンテナ間の移動は同じ挙動を示すために、検出電流は遠赤外電磁波パルスの電場強度を従来の光伝導素子より精度良く反映するという効果を奏する。
【0097】
請求項3に記載の光伝導素子によれば、光光伝導素子を放射用として用いる場合は、放射される遠赤外線電磁波パルスの時間幅の拡がりが抑制され、また、光伝導素子を検出用として用いる場合は、励起光の励起により生成される各光キャリアのアンテナ間の移動は同じ挙動を示すために、検出電流は遠赤外電磁波パルスの電場強度を従来の光伝導素子より精度良く反映するという効果を奏する。また、光伝導膜及び電極膜の形成が比較的容易であるという効果を奏する。
【0098】
請求項4に記載の光伝導素子によれば、光伝導素子を放射用として用いる場合は、放射される遠赤外線電磁波パルスの時間幅の拡がりが確実に抑制され、また、光伝導素子を検出用として用いる場合は、励起光の励起により生成される各光キャリアのアンテナ間の移動は同じ挙動を示すために、検出電流は遠赤外電磁波パルスの電場強度を従来の光伝導素子より精度良く反映するという効果を奏する。また、光伝導膜において光キャリアが生成する領域を容易に変更又は調整することができるという効果を奏する。
【0099】
請求項5に記載の光伝導素子によれば、光伝導素子を放射用として用いる場合は、放射される遠赤外線電磁波パルスの時間幅の拡がりが確実に抑制され、また、光伝導素子を検出用として用いる場合は、励起光の励起により生成される各光キャリアのアンテナ間の移動は同じ挙動を示すために、検出電流は遠赤外電磁波パルスの電場強度を従来の光伝導素子より精度良く反映するという効果を奏する。また、光伝導膜において光キャリアが生成する領域を容易に変更又は調整することができるという効果を奏する。
【0100】
請求項6に記載の光伝導素子によれば、透明保護膜によって光伝導膜に埃等が付着すること及び水分等が吸着することが防止されているので、電極間がショートして光伝導素子が使用ができなくなるという不都合が回避できると共に耐久性が向上するという効果を奏する。
【0101】
請求項7及び8に記載の赤外放射素子によれば、光伝導素子で発生したパルス時間幅の狭い遠赤外電磁波パルスが拡がるのを抑えて効率よく試料側へ送ることができるという効果を奏する。
【0102】
請求項9及び10に記載の検出素子によれば、基板内での多重散乱を軽減することが可能となるので、検出感度が向上するという効果を奏する。
【0103】
請求項11に記載の光伝導素子によれば、光伝導素子を放射用として用いる場合は、放射される遠赤外線電磁波パルスの時間幅の拡がりが確実に抑制され、また、光伝導素子を検出用として用いる場合は、検出電流が反射又は透過遠赤外電磁波パルスの電場強度を正確に反映して検出感度が向上するいう効果を奏する。また、この光伝導素子ではピンホールの径を変えることによって、光伝導膜において光キャリアが生成する領域を容易に変更又は調整することができるという効果を奏する。
【0104】
請求項12に記載の光伝導素子によれば、透明保護膜によって光伝導膜に埃等が付着すること及び水分等が吸着することが防止されるので、電極間がショートして光伝導素子が使用ができなくなるという不都合が回避でき、また、耐久性が向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の時系列変換パルス分光装置の概略構成図である。
【図2】 従来の光伝導素子の概略構成を示す平面図である。
【図3】 図2で示した光伝導素子のAA’線断面図である。
【図4】 電極膜のアンテナ間の電場の様子を示す電場の電気力線の模式図である。
【図5】 本発明に係る第1の実施形態の光伝導素子の概略構成を示す平面図である。
【図6】 図5で示した光伝導素子の斜視図である。
【図7】 本発明で用いる基板の平面図である。
【図8】 本発明に係る第2の実施形態の光伝導素子の概略構成を示す平面図である。
【図9】 図8で示した光伝導素子のCC’線断面図である。
【図10】 本発明に係る第3の実施形態の光伝導素子の概略構成を示す平面図である。
【図11】 本発明に係る第4の実施形態の光伝導素子の概略構成を示すものであって、(a)は断面図であり、(b)は平面図であり、(c)は励起光透過絶縁膜を形成する前の平面図である。
【図12】 図11で示した実施形態において、さらに誘電体反射防止膜を備えたものを示す断面図である。
【図13】 図5で示した実施形態において、さらに透明保護膜を備えたものを示す断面図である。
【図14】 ピンホール薄膜の上に透明保護膜を備え、その上に励起光の集光に超半球レンズを備えた実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 励起源
2 ビームスプリッタ
3 光チョッパ
4 対物レンズ
5 パルス光放射素子
6,7,9,10 放物面鏡
8 試料
12 検出手段(検出器)
13,14 遅延手段
15 電流増幅器
16 ロックインアンプ
17 コンピュータ
18、19 超半球シリコンレンズ
20 光伝導素子
21 基板
22 光伝導膜
23、24 電極膜
23’、24’ 電極膜射影領域
23a、24a アンテナ部
26、27 電気力線
28’ 電極膜非射影領域
30 光伝導素子
32 光伝導膜
40 光伝導素子
42 光伝導膜
42a 電極膜射影領域に形成された光伝導膜
42b 有効光キャリア生成領域に形成された光伝導膜
50 光伝導素子
51 ピンホール部材
55 ピンホール
60 光伝導素子
61 ピンホール薄膜
63 励起光透過絶縁膜
65 ピンホール
66 超半球レンズ
68 誘電体反射防止膜
73 透明保護膜
D 微小間隙部
D’ 有効光キャリア生成領域
L1 励起パルス光(ポンプパルス光)
L2 入射遠赤外電磁波パルス
L3 透過遠赤外電磁波パルス
L4 サンプリングパルス光

Claims (12)

  1. 互いのアンテナ部が微小間隙部で離隔してアンテナを成すように配置された一対の電極膜と光伝導膜とを基板上に備え、前記光伝導膜に励起光が照射されると光キャリアを生成してパルス光を放射する光伝導素子において、
    前記基板の面は、有効光キャリア生成領域と、電極膜射影領域及び電極膜非射影領域から成る非有効光キャリア生成領域とから成り、
    前記有効光キャリア生成領域は、前記励起光の入射方向における前記微小間隙部の基板面への射影領域とされ、
    前記電極膜射影領域は、前記励起光の入射方向における前記電極膜の基板面への射影領域とされ、
    前記電極膜非射影領域は、前記電極膜射影領域以外の非有効光キャリア生成領域とされ、
    前記有効光キャリア生成領域内の少なくとも一部に備えた光伝導膜においてのみ前記光キャリアが生成されるように構成されたことを特徴とする光伝導素子。
  2. 前記光伝導膜は、前記基板面上の前記有効光キャリア生成領域内にのみ備えられ、かつ、前記一対のアンテナ部の両方に対して前記光伝導膜の側面で電気的に接続して成ることを特徴とする請求項1に記載の光伝導素子。
  3. 前記光伝導膜は、前記基板面上の前記有効光キャリア生成領域内の少なくとも一部と、前記電極膜射影領域内の少なくとも一部とに備えられ、
    前記有効光キャリア生成領域内の少なくとも一部に備えた光伝導膜は、前記電極膜射影領域内の少なくとも一部に備えた光伝導膜に電気的に接続し、
    前記電極膜射影領域内の少なくとも一部に備えた光伝導膜は、前記電極膜に電気的に接続していることを特徴とする請求項1に記載の光伝導素子。
  4. 前記基板上に順に前記光伝導膜と前記電極膜とを備え、さらにその上方にピンホールを有しかつ励起光が透過しない光学的遮光材から成るピンホール部材を備え、該ピンホール部材は、前記励起光の入射方向における前記ピンホールの基板面への射影が前記有効光キャリア生成領域内に収まるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光伝導素子。
  5. 前記基板上に順に前記光伝導膜と前記電極膜とを備え、さらにその上方にピンホールを有しかつ励起光が透過しない光学的遮光材から成るピンホール薄膜を備え、前記ピンホール薄膜は、前記励起光の入射方向における前記ピンホールの基板面への射影が前記有効光キャリア生成領域内に収まるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光伝導素子。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の光伝導素子の上に前記励起光が透過する透明保護膜を備えたことを特徴とする光伝導素子。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の光伝導素子における前記基板の光伝導膜を備えた面の反対側の面に超半球レンズを備えたことを特徴とする赤外放射素子。
  8. 請求項1から6のいずれか一項に記載の光伝導素子における前記基板の光伝導膜を備えた面の反対側の面に半球レンズを備えたことを特徴とする赤外放射素子。
  9. 請求項1から6のいずれか一項に記載の光伝導素子における前記基板の光伝導膜を備えた面の反対側の面に超半球レンズを備えたことを特徴とする検出素子。
  10. 請求項1から6のいずれか一項に記載の光伝導素子における前記基板の光伝導膜を備えた面の反対側の面に半球レンズを備えたことを特徴とする検出素子。
  11. 前記基板上に順に前記光伝導膜と前記電極膜とを備え、前記基板がピンホールを備え、該ピンホールの前記励起光の入射方向における基板面への射影が前記有効光キャリア生成領域内に収まるように前記基板が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光伝導素子。
  12. 請求項11に記載の光伝導素子の上に前記励起光が透過する透明保護膜を備えたことを特徴とする光伝導素子。
JP2003188257A 2003-06-30 2003-06-30 光伝導素子及びそれを用いた赤外放射素子並びにその検出素子 Expired - Fee Related JP3806742B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003188257A JP3806742B2 (ja) 2003-06-30 2003-06-30 光伝導素子及びそれを用いた赤外放射素子並びにその検出素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003188257A JP3806742B2 (ja) 2003-06-30 2003-06-30 光伝導素子及びそれを用いた赤外放射素子並びにその検出素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005026347A JP2005026347A (ja) 2005-01-27
JP3806742B2 true JP3806742B2 (ja) 2006-08-09

Family

ID=34186850

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003188257A Expired - Fee Related JP3806742B2 (ja) 2003-06-30 2003-06-30 光伝導素子及びそれを用いた赤外放射素子並びにその検出素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3806742B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10718708B2 (en) 2016-04-05 2020-07-21 Advanced Bio-Spectroscopy Co., Ltd Method for observing dynamic physical property of biological tissue and device for observing dynamic physical property of biological tissue

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5119012B2 (ja) * 2008-03-11 2013-01-16 株式会社アドバンテスト 光検出器
US8193497B2 (en) * 2010-02-12 2012-06-05 Samsung Electronics Co., Ltd. Near-infrared photodetectors, image sensors employing the same, and methods of manufacturing the same
KR20120036745A (ko) * 2010-10-08 2012-04-18 한국전자통신연구원 테라헤르츠파 발생 및 검출을 위한 집속렌즈 일체형 광전도 안테나 소자 및 그 제조방법
WO2013076756A1 (ja) * 2011-11-22 2013-05-30 パイオニア株式会社 光伝導アンテナ素子、アンテナ素子素材、アンテナ素子素材の製造方法および光伝導アンテナ素子の製造方法
JP5998489B2 (ja) * 2012-01-20 2016-09-28 アイシン精機株式会社 多光子励起型のテラヘルツ波発生素子及びテラヘルツ波検出素子
JP6032427B2 (ja) * 2013-02-27 2016-11-30 セイコーエプソン株式会社 光伝導アンテナ、カメラ、イメージング装置、および計測装置
JP2015159176A (ja) 2014-02-24 2015-09-03 セイコーエプソン株式会社 光伝導アンテナ、カメラ、イメージング装置、および計測装置
JP6480236B2 (ja) * 2015-03-31 2019-03-06 パイオニア株式会社 光伝導素子、計測装置及び製造方法
JP6616160B2 (ja) * 2015-11-05 2019-12-04 パイオニア株式会社 光伝導素子及び計測装置
JP6942006B2 (ja) * 2017-08-25 2021-09-29 パイオニア株式会社 電磁波計測装置
JP7062481B2 (ja) * 2018-03-23 2022-05-06 パイオニア株式会社 電磁波計測装置
JP2020036037A (ja) * 2019-11-07 2020-03-05 パイオニア株式会社 光伝導素子及び計測装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10718708B2 (en) 2016-04-05 2020-07-21 Advanced Bio-Spectroscopy Co., Ltd Method for observing dynamic physical property of biological tissue and device for observing dynamic physical property of biological tissue

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005026347A (ja) 2005-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8405031B2 (en) Terahertz wave generator
JP3806742B2 (ja) 光伝導素子及びそれを用いた赤外放射素子並びにその検出素子
US7681434B2 (en) Sensing device
WO2017010411A1 (ja) 赤外分光法のための構造体およびそれを用いる赤外分光法
US7947942B2 (en) Photoconductive element and sensor device
US8148688B2 (en) Near-field terahertz wave detector
JP4807707B2 (ja) 波形情報取得装置
JP5654760B2 (ja) 光素子
US8785855B2 (en) Interlaced terahertz transceiver using plasmonic resonance
JP5610793B2 (ja) 光伝導素子
JP2007248382A (ja) 検出素子及び画像形成装置
JP2002223017A (ja) テラヘルツ光素子、並びに、これを用いたテラヘルツ光発生装置及びテラヘルツ光検出装置
WO2016097975A1 (en) Photoconductive antenna for terahertz waves, method for producing such photoconductive antenna and terahertz time domain spectroscopy system
JP2010050287A (ja) 光伝導素子
Gorbatova et al. A photoconductive THz detector based on a superlattice heterostructure with plasmonic amplification
US11081604B2 (en) Device and method for bowtie photoconductive antenna for terahertz wave detection
JP2012047595A (ja) テラヘルツ波検出装置
JP2017045802A (ja) 光伝導素子
JP2015148541A (ja) 光伝導アンテナ、カメラ、イメージング装置、および計測装置
JP3922463B2 (ja) 赤外光放射装置および赤外光検出装置ならびに時系列変換パルス分光計測装置
Burford Design, fabrication and measurement of a plasmonic enhanced terahertz photoconductive antenna
Tani et al. Photoconductive twin dipole antennas for THz transceiver
JP2003232730A (ja) テラヘルツ光検出器
KR101037629B1 (ko) 포토믹스 모듈
JP5737956B2 (ja) テラヘルツ波素子

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060307

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060405

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060405

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3806742

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090526

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100526

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110526

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120526

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120526

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130526

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130526

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130526

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140526

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees