JP3805658B2 - デジタルスチルカメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルスチルカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CCDイメージセンサ等のイメージセンサで撮影した画像を画像データにデジタル変換し、メモリーカード等の記憶媒体に保存するデジタルスチルカメラが普及している。また、多くのデジタルスチルカメラには、ストロボ装置が搭載されており、暗い場所での撮影に便利である。
【0003】
光量が不足するときや、撮影範囲が広く1つのストロボ装置の照射範囲で撮影範囲をカバーできなとき等には、1つのストロボ装置の発光に応答して発光するスレーブと呼ばれる増灯用ストロボ装置(以下、スレーブストロボ装置という)が用いられる。上記のスレーブストロボ装置、及びこれに関連したカメラが種々知られている。
【0004】
例えば、特開平5−19338号公報には、赤目防止のためのプレ発光(予備発光)に応答せず、本発光が行われたときに応答してストロボ発光するスレーブストロボ装置と、このようにするカメラが記載されている。また、他のストロボ装置が発光したことを検出したときに、内蔵したストロボ装置を発光させるカメラが特開平6−258695号公報,特開平5−61109号公報によって知られている。このカメラによれば、それに内蔵したストロボ装置を他のストロボ装置のスレーブストロボ装置として利用することができる。
【0005】
また、特開平9−146153号公報に記載のものは、カメラに内蔵された内蔵ストロボ装置で微小発光を行い、これに応答してスレーブストロボ装置の発光を開始させ、また2回目の内蔵ストロボ装置の微小発光でスレーブストロボ装置の発光を停止させることで、スレーブストロボ装置からのストロボ光の光量を制御するものも知られている。
【0006】
さらに、前述の特開平5−61109号公報には、カメラの近傍でストロボ発光が行われたときにシャッタレリーズが行われるように、外部のカメラ等のストロボ装置をリモコン装置として利用可能にしたカメラが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようなスレーブストロボ装置、あるいはスレーブ機能つきのストロボ装置を内蔵したカメラを用いれば、光量を大きくして撮影することができるが、撮影するカメラ側にスレーブストロボ装置を同期させるためのストロボ装置が必要であるとともに、スレーブストロボ装置となるストロボ装置あるいはストロボ装置を内蔵したカメラを別途用意する必要があった。
【0008】
また、外部のストロボ装置をリモコンとして利用可能にしたカメラでは、外部のストロボ装置で撮影の指示は可能であるが、その外部のストロボ装置からのストロボ光でストロボ撮影を行うことは困難である。したがって、ストロボ撮影を行う場合では、撮影に同期して発光するストロボ装置が必要であった。
【0009】
本発明は、上記問題点を考慮してなされたもので、ストロボ装置を備えていなくてもストロボ撮影を行うことができ、また内蔵するストロボ装置の光量が小さい場合でも充分な光量を得て遠くの被写体の撮影を行うことができるデジタルスチルカメラを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、撮像のタイミングを指示するレリーズボタンと、被写体を撮像するイメージセンサと、被写体で反射される光を受光する受光手段受光結果に基づいて外部からのストロボ光が被写体に照射されたことを検出する検出手段と、前記レリーズボタンの操作に応答して、外部のストロボの光を利用して適正露光の撮影をするために、露光量を制御しつつ前記イメージセンサによる撮像を所定の間隔で繰り返し実行させる制御手段と、前記検出手段によって、被写体にストロボ光が照射されたことが検出された際に、そのストロボ光が照射されたときに撮像された画像が適正露光であるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって適正露光と判断された画像だけを前記記憶媒体に記録する記録手段とを備えたものである。
【0011】
請求項2記載の発明では制御手段、前記判断手段によって適正露光と判断されることに応答してイメージセンサによる撮像を停止するようにしたものである。
【0012】
請求項3記載の発明では、被写体を撮像するイメージセンサと、被写体で反射される光を受光する受光手段の受光結果に基づいて、外部からのストロボ光が被写体に照射されたことを検出する検出手段と、撮影指示に応答して、露光量を制御しつつ前記イメージセンサによる撮像を所定の間隔で繰り返し実行させる制御手段と、前記検出手段の検出結果に基づき被写体にストロボ光が照射されたことが検出された複数フレームの画像を一時的に保持し、これら保持された複数フレームの各画像のうちから最も適正露光に近い1フレーム分の画像を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された画像を前記記憶媒体に記録する記録手段とを備えたものである。
【0013】
請求項4記載の発明では、制御手段を、撮像開始時の被写体輝度に対して露光アンダーとなるように露光量を制御するようにしたものであり、請求項5記載の発明では、受光手段を、イメージセンサとし、検出手段を、前記イメージセンサの撮像で得られる画像の輝度の変化に基づいて、ストロボ光が被写体に照射されたことを検出するようにしたものである。
【0014】
請求項記載の発明では、判断手段を、イメージセンサの撮像によって得られる画像の輝度レベルに基づいて撮像された画像の露光量の判断を行うようにしたものである。
【0015】
請求項記載の発明では、所定の間隔を、予め設定された等間隔としたものである。
【0016】
請求項記載の発明では、所定の間隔を設定するための設定手段を備え、前記所定の間隔を任意に設定可能としたものである。
【0017】
請求項9記載の発明では、外部からのストロボ光が被写体に照射された画像を前記記憶媒体に記録する他者ストロボモードと、レリーズボタンの押圧操作に応答して前記イメージセンサで撮像した1フレーム分の画像を前記記憶媒体に記録する通常モードとのいずれかで動作し、他者ストロボモードと通常モードとを選択する手段を備えたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明を実施したデジタルスチルカメラの外観の正面側を図1に、背面側を図2にそれぞれ示す。カメラボディ2の前面には、撮像レンズ3を保持した鏡筒4,センサ窓5,レリーズボタン6が配されている。また、背面には、LCD7,操作部8、及びモード切換え部材9が設けられている。さらに、側面には、蓋11が開閉自在に設けられている。この蓋11を開放することにより、メモリスロット12へのメモリカード13の挿脱を行うことができる。
【0019】
撮像レンズ3の奥にCCDイメージセンサ15(図3参照)が配されており、このCCDイメージセンサ15で被写体画像の撮像が行われる。センサ窓5の奥には、後述する他者ストロボモード時に、ストロボ光が被写体に照射されたことを検出するための受光センサ16(図3参照)が配されている。
【0020】
LCD7は、撮像レンズ3を通して撮像される被写体画像をリアルタイムで表示するいわゆる電子ビューファインダを構成するとともに、画像の再生等に使用される。操作部8は、これを操作することにより、電源のオン・オフ、撮影モードと再生モードの切り換え、各種モード下における設定、再生する画像の選択、画像データの消去等を行うことができる。撮像モード下では、モード切換え部材9をスライド操作することにより、通常モードと他者ストロボモードとを切り換えることができる。
【0021】
通常モードの選択時では、レリーズボタン6を押圧操作すると、これまでのデジタルスチルカメラと同様に、その押圧時点で撮像中の被写体画像が画像データに変換されてメモリカード13に記録される。
【0022】
他者ストロボモードは、外部のストロボ装置からのストロボ光を利用してストロボ撮影を行い、得られる被写体画像の画像データをメモリカード13に記録するモードである。外部のストロボ装置としては、他の各種カメラに内蔵されたストロボ装置、カメラ取り付けられたストロボ装置、あるいはこのようなストロボ装置に同期して発光するスレーブストロボ装置等の各種のものを利用することができる。
【0023】
他者ストロボモードの選択時では、レリーズボタン6を押圧操作することにより、このモードに特有な撮像シーケンス(以下、他者ストロボシーケンスという)が開始され、他者ストロボシーケンス中にレリーズボタン6を押圧操作するとそのシーケンスが強制的に終了される。
【0024】
画像が記録される記憶媒体としてのメモリカード13には、撮像された被写体画像が画像データで記録される。なお、この例では、デジタルスチルカメラに挿脱可能なメモリカード13を記憶媒体として用いているが、記憶媒体としては各種のものを用いることができ、またデジタルスチルカメラに内蔵されたメモリに画像データを記録してもよい。
【0025】
上記デジタルカメラ2の電気的な構成を図3に示す。マイクロコンピュータ20は、レリーズボタン6,操作部8,モード切換え部材9からの各種操作信号の入力に応じてデジタルスチルカメラの各部を制御する。
【0026】
デジタルスチルカメラの各部は、マイクロコンピュータ20の制御によって、撮像時には動画モード,静止画モード,連続静止画モードのいずれかで駆動される。撮像中の画像をLCD7に動画で表示する場合には動画モードとされ、通常モード下でレリーズボタン6が押圧された場合には静止画モードとされる。他者ストロボシーケンスの実行中では、連続静止画モードとされる。
【0027】
CCDイメージセンサ15は、例えばカラー用のものが用いられている。CCDイメージセンサ15は、ドライバ21で駆動され、撮影レンズ3からの光を受光し、光を電荷蓄積時間(露光時間)だけ電荷に変換して蓄積し、その蓄積した電荷が順次転送されて出力されることで撮像信号を出力する。
【0028】
CCDイメージセンサ15は、動画モード下では一定の周期、例えば1/60sec で露光を繰り返し行い、1回の露光完了毎に1フィールド分の撮像信号を出力する。動画モードでの駆動中にレリーズボタン6が押圧されて、静止画モードとなると、CCDイメージセンサ15は、レリーズボタン6の押圧に応答して1回の露光を行った後に1フレーム分の撮像信号を出力する。連続静止画モード下では、CCDイメージセンサ15は一定の周期T、例えば1/30sec で露光を繰り返し行い、1回の露光完了毎に1フレーム分の撮像信号を出力する。
【0029】
CCDイメージセンサ15からの撮像信号は、アンプ22に送られる。アンプ22は、撮像信号を所定のゲインで増幅して信号処理回路23に送る。前述のドライバ21には、アンプ22の出力がフィードバックされ、これに基づいてCCDイメージセンサ15の露光量が適正となるように電荷蓄積時間(露光時間)が制御される。
【0030】
他者ストロボモードは、外部ストロボ装置からのストロボ光で照明された被写体を撮像して記録するようにしたものであり、ストロボ光で照明さたときに適正な露光量となればよいから、他者ストロボシーケンス中にCCDイメージセンサ15の電荷蓄積時間が適正な露光量となるように制御する必要はない。この例では、他者ストロボシーケンス中では、レリ−ズボタン6が押圧された時点で出力されている撮像信号に基づいてCCDイメージセンサ15の電荷蓄積時間が露光アンダーとなるように制御する。
【0031】
信号処理回路23は、撮像信号を赤色,緑色、青色の各画像信号に分離し、これらの画像信号をそれぞれ所定のゲインで増幅することによりホワイトバランス調整を行う。信号処理回路23からの各画像信号は、A/D変換器24に送られる。A/D変換器24は、入力される各画像信号をそれぞれデジタル変換した赤色,緑色、青色の各画像データを出力する。A/D変換器24からの画像データは、データコントローラ25に送られる。
【0032】
データコントローラ25は、マイクロコンピュータ20の指示に基づいて、A/D変換器24,入出力回路(I/O)26,LCDドライバ27,バッファメモリ28,マイクロコンピュータ20の相互間での画像データの入出力を制御する。入出力回路(I/O)26は、メモリスロット12に装着されているメモリカード13に対し画像データの書き込み及び読み出しを行う。バッファメモリ28は、一時的に画像データを保持するために設けられており、1フレーム分の記憶容量を有するデータ書き込みが高速なメモリが用いられている。
【0033】
動画モード時では、データコントローラ25は、A/D変換器24からの画像データを次々にLCDドライバ27に送る。これにより、LCD7には、撮像中の被写体画像が動画で表示される。
【0034】
静止画モード時では、1フレーム分の画像データがデータコントローラ25からバッファメモリ28に送られて、このバッファメモリ28に画像データがいったん書き込まれる。この後に、バッファメモリ28からデータコントローラ25を介して入出力回路26に画像データが送られ、この入出力回路26によってメモリカード13に書き込まれる。
【0035】
連続静止画モードでは、画像データは、データコントローラ25からバッファメモリ28とマイクロコンピュータ20に送られる。この連続静止画モードでは、CCDイメージセンサ15は周期Tで繰り返し露光を行い撮像信号を出力するから、周期Tで1フレーム分の画像データがバッファメモリ28とマイクロコンピュータ20に入力される。バッファメモリ28は、新たな1フレーム分の画像データが入力されると、これを先に書き込まれている1フレーム分の画像データに上書きする。
【0036】
再生モード下では、操作部8を操作して選択された画像の画像データが入出力回路26によってメモリカード13から読み出され、バッファメモリ28に書き込まれる。このバッファメモリ28から画像データが読み出されてLCDドライバ27に送られることにより、メモリカード13に保存された画像がLCD7に静止画で表示される。
【0037】
受光センサ16は、センサ窓5の奥に配されており、被写体から反射されてくる光を受光し、その光の強さに応じた信号レベルの光電信号を出力する。この受光センサ16を用いてストロボ光が被写体に照射されたか否かを判断するため、受光センサ16としてはSPD(シリコンホトダイオード),フォトトランジスタ等のように応答速度の速いものを用いるのが好ましい。
【0038】
検出回路31は、ドライバ21からの制御信号が入力されている。この制御信号によって、CCDイメージセンサ15で電荷蓄積(露光)が行われている期間だけ検出回路31が動作する。検出回路31は、その動作中では受光センサ16からの光電信号が急激に、かつ所定のレベルまで上昇したときに、検出信号をマイクロコンピュータ20に送る。これにより、露光中に被写体に対して外部ストロボ装置からのストロボ光が照射されたことをマイクロコンピュータ20に知らせる。
【0039】
他者ストロボシーケンスの実行時では、マイクロコンピュータ20は、検出信号が入力されると、検出信号が入力されたときの露光によって得られる画像データを調べて、適正な露光量になっているか否かを調べる。露光量が適正なものであった場合には、その時点でCCDイメージセンサ15の駆動を停止し、露光量が適正であると判断した1フレーム分の画像データをバッファメモリ28からメモリカード13に転送して記録する。
【0040】
次に上記構成の作用について説明する。例えば、撮影モード下で通常モードを選択している場合では、動画モードで駆動されており、CCDイメージセンサ15で撮像された被写体画像の画像データがA/D変換器24からデータコントローラ25に次々と送られ、このデータコントローラ25を介してLCDドライバ27に送られる。これにより、CCDイメージセンサ15で撮像中の被写体画像がLCD7に動画で表示される。
【0041】
通常モードにおいて、レリーズボタン6が押圧されると、動画モードから静止画モードとなり、CCDイメージセンサ15によって、このレリーズボタン6の押圧に応答して1回の露光が行われた後に1フレーム分の撮像信号が出力される。その1フレーム分の画像がデータコントローラ25を介してバッファメモリ28に送られ、このバッファメモリ25にいったん書き込まれ、書き込み完了後にバッファメモリ28から読み出される。そして、その1フレーム分の画像データがデータコントローラ25を介してメモリカード13に送られて書き込まれる。このようにして、通常モードでは、従来のデジタルスチルカメラと同様に、レリーズボタン6を押圧操作することにより、それに応答して画像がメモリカード13に記録される。
【0042】
比較的に暗い室内等でストロボ光を利用した撮像を行いたい場合には、モード切換え部材9をスライド操作して、他者ストロボモードを選択する。他者ストロボモードが選択されてからレリーズボタン6が押圧されるまでの間では、動画モードで駆動される。したがって、通常モードと同様に、撮像中の被写体画像が表示されるLCD7を観察してフレーミングを決定することができる。
【0043】
撮影者は、フレーミングを決定した後に、レリーズボタン6を押圧する。図4に他者ストロボシーケンスの概略を示すように、レリーズボタン6が押圧されると、他者ストロボシーケンスが開始される。そして、他者ストロボシーケンスでは、連続静止画モードで駆動されるようになり、図5にタイミングチャートを示すように、所定の周期TでCCDイメージセンサ15が露光を繰り返し行い、1回の露光完了毎に1フレーム分の撮像信号が出力されて、A/D変換器24で画像データに変換される。
【0044】
上記のように周期Tで露光が繰り返し行われることで、その周期Tで1フレーム分の画像データがデータコントローラ25を介してバッファメモリ28と、マイクロコンピュータ20に送られる。バッファメモリ28には画像データが書き込まれ、次に新しい1フレームの画像データがバッファメモリ28に送られてくると、その画像データが先に書き込まれている画像データに上書きされる。このようにして、バッファメモリ28には、最新の1フレーム分の画像データが書き込まれた状態とされる。
【0045】
一方、受光センサ12は、他者ストロボシーケンスが開始されると被写体からの反射光の受光を開始して、入射する反射光の強さに応じた光電信号を検出回路31に出力する。検出回路31は、ドライバ21からの制御信号が入力されることによって、CCDイメージセンサ15が電荷を蓄積している期間だけ動作している。このため、例えば電荷を蓄積してない期間に外部ストロボ装置から被写体に向けてストロボ光が照射されても、検出信号が発生することはない。
【0046】
CCDイメージセンサ15が電荷を蓄積している間に、被写体に向けてストロボ光が照射され、それに応答して光電信号が急激に所定のレベル以上に達すると、検出回路31から検出信号が出力されてマイクロコンピュータ20に送られる。検出信号が入力されたマイクロコンピュータ20は、それが入力された時点の露光により得られる画像データが入力されるのを待つ。
【0047】
そして、上記の画像データが入力されると、適正露光であるか否かを判断する所定の判断処理、例えば各色の画像データから1フレームの平均輝度レベルを算出し、その平均輝度レベルが所定のレベル範囲内にあるか否かを調べる。そして、算出した平均輝度レベルが所定のレベル範囲内にある場合には、適正な露光量であると判断する。
【0048】
なお、適正露光量であるか否かの判断は、次の1フレームの露光が終了するまでには完了する。また、適正な露光量であるか否かの判断の手法は、上記のものに限られるものではない。さらに、1フレームの画面中央部に重みを付けて露光量が適正であるか否かを判断したり、部分的、例えば画面中心部だけで露光量が適正であるか否かを判断してもよい。
【0049】
上記の判断処理によって適正な露光量でないと判断されると、CCDイメージセンサ15の撮像と、A/変換器24による画像データの出力が継続され、バッファメモリ28上の画像データが新しいものに書き換えられる。
【0050】
このようにして判断処理が行われ、露光量が適正であると判断されると、次のフレームの撮像信号が出力される前に、マイクロコンピュータ20によってCCDイメージセンサ15の駆動が停止される。したがって、バッファメモリ28に適正な露光量と判断された1フレーム分の画像データが書き込まれている状態でCCDイメージセンサ15の駆動が停止される。
【0051】
CCDイメージセンサ15の駆動停止後に、マイクロコンピュータ20は、データコントローラ25を介してバッファメモリ28にアクセスし、それに書き込まれている1フレーム分の画像データを入出力回路26に送って、メモリカード13に書き込む。
【0052】
メモリカード13への画像データの記録が完了すると、レリーズボタン6の押圧操作待ちの状態となる。ここで、再びレリーズボタン6を押圧操作すれば、上記と同様にして、外部ストロボ装置からのストロボ光が照射されて適正な露光量で撮像された被写体画像がメモリカード13に記録される。
【0053】
上記のようにして、外部ストロボ装置からのストロボ光が照射されて適正な露光量で撮像された画像がメモリカード13に記録するから、ストロボ装置を備えていなくてもストロボ撮影を行うことができる。また、たとえデジタルスチルカメラがストロボ装置を備えていも、そのストロボ装置の発光量に対して被写体までの距離が遠い場合には露光不足となるが、このデジタルスチルカメラでは、例えば被写体の近くで外部ストロボ装置が発光されることで、十分な露光量で撮像できる。さらに、このデジタルスチルカメラ自体は、ストロボ発光を行う必要がないので、省電力にもなる。
【0054】
上記実施形態では、露光量が適正であるか否かを判断して適正な画像データをメモリカード13に記録しているが、露光量が適正であるか否かにかかわらず、ストロボ光が照射された被写体画像を記録することもできる。
【0055】
図6は、他者ストロボモードにおけるCCDイメージセンサの露光の周期を任意に設定可能にした例を示すものである。なお、以下に説明する他は、上記実施形態と同様であり、実質的に同じ構成部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0056】
この例では、他者ストロポモード下で操作部8を操作することにより、連続静止画モードにおけるCCDイメージセンサ15の露光の周期を設定することができる。操作部8を操作して露光の周期を設定しない場合には、省略時の設定として図6(a)に示すように、周期T1でCCDイメージセンサ11の露光が繰り返し行われる。また、操作部8を操作して露光の周期を小さく設定すると、図6(b)に示すように、周期T1よりも小さい周期T2で、逆に露光の周期を大きく設定すると、図6(c)に示すように周期T1よりも大きい周期T3でCCDイメージセンサ15の露光が繰り返し行われる。
【0057】
図7は、被写体にストロボ光が照射された複数フレーム分の画像データのなかから最も適正な露光に近いものをメモリカードに記録する例を示すものである。なお、以下に説明する他は、最初の実施形態と同様であり、実質的に同じ構成部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0058】
この例では、図8に示すように、バッファメモリ28は、その記憶エリアが第1〜第N(N>1)メモリエリアに区分されている。このバッファメモリ28はNフレーム、例えば8フレーム分の記憶容量を有しており、各メモリエリアは、1フレーム分の記憶容量となっている。
【0059】
図7に手順が示されるように、バッファメモリ28への画像データの書き込みは、第1メモリエリアから順番に行われ、検出信号が発生するまでの間では同じメモリエリアが使用されて新しいフレームの画像データが次々にと上書きされる。検出信号が発生すると、その発生時点の露光に対応する1フレーム分の画像データが1つのメモリエリアに書き込みが完了すると、次のメモリエリアに画像データが使用されて画像データの書き込みが行われる。
【0060】
これのようにして、ストロボ光が照射された被写体画像のNフレーム分の画像データをバッファメモリ28に一時的に取り込み、CCDイメージセンサ15による露光を終了する。この後、マイクロコンピュータ20によって各メモリエリア上の画像データを調べて、最も適正露光量に近い1フレーム分の画像データが選択され、その画像データがメモリカード13に転送されて記録される。
【0061】
これによれば、外部のストロボ装置によって被写体に複数回ストロボ光が照射されるようなシーンにおいて、ストロボ光が照射された複数の画像が保持され、そのうちから最も適正な露光量に近い画像がメモリカード13に記録されるので最適な画質の画像を記録することができる。
【0062】
上記実施形態では、予め決められたフレーム数(N)だけストロボ光が照射された被写体画像を取り込んでいるが、取り込むフレーム数を任意に設定可能にしてもよい。また、フレーム数ではく、所定の時間内で、ストロボ光が照射された各画像から最も適正露光量に近い1フレーム分の画像データを選択し、それをメモリカード13に転送して記録してもよい。
【0063】
図9は、反射光を受光する受光手段として、受光センサの代わりに被写体画像を撮像するCCDイメージセンサを用いた例を示すものである。なお、以下に説明する他は、最初の実施形態と同様であり、実質的に同じ構成部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0064】
この例では、マイクロコンピュータ20は、連続静止画モード時に入力される画像データから平均輝度レベルを算出し、その平均輝度レベルが前フレームの平均輝度レベルよりも所定値以上大きいときに、今回のフレームはその露光中にストロボ光が照射されたものと判断する。これによれば、専用の受光センサを設けなくても被写体にストロボ光が照射されたか否かを検出することができる。
【0065】
上記各実施形態では、ストロボ装置を内蔵していないデジタルスチルカメラについて説明したが、ストロボ装置を内蔵したデジタルスチルカメラ、ストロボ装置を外付けするデジタルスチルカメラにも本発明を利用することができる。
【0066】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明のデジタルスチルカメラによれば、イメージセンサによる撮像を所定の間隔で繰り返し実行し、外部からのストロボ光が被写体に照射されたことを検出した時点で撮像中の1フレーム分の画像を記憶媒体に記録するようにしたから、ストロボ装置を備えていなくても、外部のストロボ装置からのストロボ光を利用してストロボ撮影を行うことができる。また、被写体の近くで外部ストロボ装置が発光されることで十分な露光量が得られるから、被写体までの距離が遠い場合であっても適正な露光量で撮像を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したデジタルカメラの前面側外観を示す斜視図である。
【図2】デジタルカメラの背面側外観を示す斜視図である。
【図3】デジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図4】他者ストロボシーケンスの概略を示すフローチャートである。
【図5】他者ストロボシーケンス時のタイミングチャートである。
【図6】他者ストロボモード時の露光間隔を任意に設定可能にした例を示すものである。
【図7】ストロボ光が照射された複数画像のうちから最も適正露光に近い画像を記録する例を示すものである。
【図8】図7の例におけるバッファメモリを示す説明図である。
【図9】CCDイメージセンサを受光手段として兼用した例を示すものである。
【符号の説明】
3 撮影レンズ
5 センサ窓
6 レリーズボタン
9 モード切換え部材
13 メモリカード
15 CCDイメージセンサ
16 受光センサ
20 マイクロコンピュータ
26 入出力回路
28 バッファメモリ

Claims (9)

  1. 被写体を撮像して得られる画像を記憶媒体に記録するデジタルスチルカメラにおいて、
    撮像のタイミングを指示するレリーズボタンと、被写体を撮像するイメージセンサと、被写体で反射される光を受光する受光手段受光結果に基づいて外部からのストロボ光が被写体に照射されたことを検出する検出手段と、前記レリーズボタンの操作に応答して、外部のストロボの光を利用して適正露光の撮影をするために、露光量を制御しつつ前記イメージセンサによる撮像を所定の間隔で繰り返し実行させる制御手段と、前記検出手段によって被写体にストロボ光が照射されたことが検出された際に、そのストロボ光が照射されたときに撮像された画像が適正露光であるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段によって適正露光と判断された画像だけを前記記憶媒体に記録する記録手段とを備えたことを特徴とするデジタルスチルカメラ。
  2. 記制御手段は、前記判断手段によって適正露光と判断されることに応答して前記イメージセンサによる撮像を停止することを特徴とする請求項1記載のデジタルスチルカメラ。
  3. 被写体を撮像して得られる画像を記憶媒体に記録するデジタルスチルカメラにおいて、
    被写体を撮像するイメージセンサと、被写体で反射される光を受光する受光手段の受光結果に基づいて、外部からのストロボ光が被写体に照射されたことを検出する検出手段と、撮影指示に応答して、露光量を制御しつつ前記イメージセンサによる撮像を所定の間隔で繰り返し実行させる制御手段と、前記検出手段の検出結果に基づき被写体にストロボ光が照射されたことが検出された複数フレームの画像を一時的に保持し、これら保持された複数フレームの各画像のうちから最も適正露光に近い1フレーム分の画像を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された画像を前記記憶媒体に記録する記録手段とを備えたことを特徴とするデジタルスチルカメラ。
  4. 前記制御手段は、撮像開始時の被写体輝度に対して露光アンダーとなるように露光量を制御することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のデジタルスチルカメラ。
  5. 前記受光手段は、前記イメージセンサであり、前記検出手段は、前記イメージセンサの撮像で得られる画像の輝度の変化に基づいて、ストロボ光が被写体に照射されたことを検出することを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のデジタルスチルカメラ。
  6. 前記判断手段は、前記イメージセンサの撮像によって得られる画像の輝度レベルに基づいて撮像された画像の露光量の判断を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のデジタルスチルカメラ。
  7. 前記所定の間隔は、予め設定された等間隔であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のデジタルスチルカメラ。
  8. 前記所定の間隔を設定するための設定手段を備え、前記所定の間隔が任意に設定可能であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のデジタルスチルカメラ。
  9. 外部からのストロボ光が被写体に照射された画像を前記記憶媒体に記録する他者ストロボモード、レリーズボタンの押圧操作に応答して前記イメージセンサ撮像した1フレーム分の画像を前記記憶媒体に記録する通常モードとを選択する手段を備えたことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載のデジタルスチルカメラ。
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