JP3805598B2 - 空気調和機の室外ユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機の室外ユニットに係わり、プロペラファンの吹き出し側に吹出グリルを配置した空気調和機の室外ユニットに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の空気調和機の室外ユニットとしては、特開昭60−62567号公報の第3図、第4図、第6図及びそれに関する説明に記載されているように、プロペラファンと、プロペラファンの吸込側に配置された熱交換器と、プロペラファンの吹き出し側に配置された板状のガード格子とを備え、ガード格子の断面を出口面で軸方向に向くように円弧状に傾斜してガード格子の入口損失を少なくし、出口側にて回転方向の旋回流れを軸方向の旋回のない流れに変えて広がりの少ない吹き出し流とし、逆方に流出して熱交換器の空気のショートサーキットを防止することにより熱交換効率の向上に貢献しようとするものがある(従来技術1)。
【0003】
また、従来の空気調和機の室外ユニットとしては、特開昭60−62693号公報の第5図から第7図及びそれに関連する説明に記載されているように、プロペラファンと、プロペラファンの吸込側に配置された熱交換器と、プロペラファンの吹き出し側に配置された板状のガードとを備え、前記ガードが半径方向に向かう格子がファンの外周に至るまで配置して多風量を得るようにし、この場合に、大きいガード格子と小さいガード格子についてその入口をずらすことにより旋回流を静圧として回復させる効率を高め、ファン駆動力を小さくしようとするものがある(従来技術2)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術1は、同心円状に配置する桟が無いため、外部からの異物の進入を防ぐためには放射状に伸びる桟が多数必要となる。このため吹出グリルを通過する際の損失、騒音ともに大きくなるという問題がある。
【0005】
一方、上述した従来技術2は、放射状に伸びる桟と同心円状配置した桟がともに回転軸に対して平行に下流に向かって伸びているため、旋回流を回転軸方向に転向することができずに損失となり、空力特性の改善につながらないという問題がある。
【0006】
そして、従来技術1及び2には、放射状に延びる桟の半径方向にわたる形状及び幅や、空気流の流入角や、桟の枚数に関して、コスト、風量、騒音等を具体的に改善することについては記載されていない。
【0007】
本発明の目的は、安価で、高風量・省電力化を図ることができる空気調和機の室外ユニットを提供することにある。
【0008】
本発明の別の目的は、低騒音で、高風量・省電力化を図ることができる空気調和機の室外ユニットを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1の特徴は、室外ユニットの枠体と、前記枠体内に配置されたプロペラファンと、前記プロペラファンの吸込側に配置された熱交換器と、前記プロペラファンの吹き出し側に配置された吹出グリルとを備え、前記吹出グリルは、円周方向に延びる複数の円形状桟と、半径方向に延びる複数の放射状桟とを有し、前記放射状桟は、その断面を前記プロペラファンの軸方向に傾斜させた板状とし、かつ半径方向中央側より外側の方を幅広に形成し、前記円形状桟は前記吹出グリルを断面で見たときに千鳥状に配置したことにある。
【0010】
本発明の第2の特徴は、さらに、前記吹出しグリルは、前記円形状桟と、前記放射状桟とを一体に形成したことにある。
【0011】
本発明の第3の特徴は、さらに、プロペラファンから吹出されて放射状桟に流入する空気の流入角度を20度を越え45度未満にしたことにある。
【0012】
本発明の第4の特徴は、さらに、放射状桟は円周方向にわたって2枚から30枚の範囲で設けたことにある。
【0013】
本発明の第5の特徴は、さらに、前記放射状桟を、円周方向にわたって13枚から23枚の範囲で設け、前記プロペラファンから吹出されて前記放射状桟に流入する空気の流入角度を25度を越え40度未満にしたことにある。
【0014】
本発明の第6の特徴は、さらに、円形状桟はその間の間隔を15mmより小さい間隔で設けたことにある。
【0015】
本発明の第7の特徴は、さらに前記プロペラファン外周の外方に配置されたマウスリングを有し、前記マウスリングは、前記プロペラファン外周に近接する内側リング部と、この内側リング部の前端部より前方でそれより径の若干大きな外側リング部とを有し、前記吹出グリルは、前記内側リング部の前端部との間に隙間を設けて配置され、前記放射状桟は、断面が円弧状であり、前記プロペラファンの外周より外方に延長させたことにある。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施例を図面を参照して説明する。なお、第2実施例以降の実施例においては第1実施例と共通する構成の一部を省略すると共に、重複する説明を省略する。また、各実施例の図における同一符号は同一物又は相当物を示す。
【0017】
まず、本発明の第1実施例を図1から図5を参照して説明する。図1は本発明の第1実施例の空気調和機の室外ユニットの側面断面図、図2は図1の室外ユニットの吹き出し側から見た正面図である。
【0018】
本発明の第1実施例における空気調和機は、室内ユニットと室外ユニット20とを冷媒配管、電気配線等を介して接続され、室内の冷暖房を行なうように構成されている。室外ユニット20は、ユニット枠体1内に熱交換器2、モータ3、マウスリング4、電気品5及び圧縮機等を収納している。熱交換器2及び圧縮機は、室内熱交換器、膨張弁、四方弁等と共に冷凍サイクルを構成する。
【0019】
プロペラファン6は、ボス部6aと羽根部6bとを有し、モータ3の回転軸3aに取り付けられ、ユニット枠体1内の中央部に配置されている。このプロペラファン6は、図2の矢印Pに示すように時計方向に回転し、これにより図1の矢印Qのようにプロペラファン6の背面側から空気を吸い込んで前面側に吹出す。モータ3は、プロペラファン6の空気吸込側に位置し、モータステー7によりユニット枠体1に取り付けられている。モータステー7は、空気の流れに対する圧力損失が極力小さくなる形状になっている。
【0020】
熱交換器2は、伝熱管と熱交換フィンとからなるクロスフィン型熱交換器であり、L字形に形成されてユニット枠体1の背面及び側面にまたがって位置し、プロペラファン6の吸込側に配置されている。この熱交換器2は、プロペラファン6により通風される空気と伝熱管内の熱媒体とが伝熱管及び熱交換フィンを介して熱交換するものであり、その風量が多いほど熱交換量が増大し、空気調和機の室外ユニットの性能が向上し、省電力となるものである。
【0021】
金属製マウスリング4は、プロペラファン6の外周の外方に配置され、プロペラファン6から吹き出される空気流を案内するものであり、プロペラファン6の外周に近接してプロペラファン6の前縁部からその吹き出し縁より前方に突出する内側リング部4aと、この内側リング部4aの前端部より前方に突出して内側リング部4aの径より若干大きな径の外側リング部4bとを有している。内側リング部4aの下流側端部から外側リング部4bに至る通風路の面積が急拡大する構造となっている。なお、このマウスリング4はプラスチック製でもよい。
【0022】
電気部品5は、プロペラファン6の上方に配置され、モータ3及び圧縮機の回転数を制御するための電気回路などを収納している。なお、圧縮機は、プロペラファン6の側方に配置されている。
【0023】
吹出グリル30は、複数の放射状桟8、複数の円形状桟9、複数の中央円板部10及び外周縁部11が射出成形により合成樹脂で一体に成形され、プロペラファン6の前方に配置されている。このように、吹出グリル30は射出成形により合成樹脂で形成されているので、容易に製作することができる。
【0024】
放射状桟8は、中央円板部10と外周縁部11との間に放射状に延びる弦のように形成され、複数の中央円板部10を支持するために円周方向に複数(この実施例では18枚)設けられている。
【0025】
この放射状桟8は、図3に示すプロペラファン6の軸方向に対する断面図から明らかなように、取り付け角θを有して軸方向に円弧状に傾斜して延びる板状(この実施例では翼状)となっており、プロペラファン6から流入する旋回流の有する動圧エネルギーを静圧エネルギーに変換して回収する機能を有している。
【0026】
また、放射状桟8は、その断面形状が円弧状に傾斜した状態で半径方向に延びており、その幅cが半径方向中央側の幅c1より外側の幅c2方が幅広となっており、簡単な構成で、プロペラファン6から流入する旋回流の有する動圧エネルギーを静圧エネルギーに変換して回収する機能が半径方向中央側から外側にわたって効率よく行なえるようになっている。なお、放射状桟8による旋回流の有する動圧エネルギーを静圧エネルギーに変換する点に関しては、図3を参照して詳細を後述する。
【0027】
さらに、マウスリング4をプロペラファン6に近接しかつその吹き出し縁より前方に突出する内側リング部4aとこの内側リング部4aの前端部より前方でそれより径の若干大きな外側リング部4bとを有するように形成し、軸方向に傾斜した放射状桟8をプロペラファンの外周より外方に延長させているので、プロペラファン6の外径より大きい径においても旋回流の持つ動圧エネルギーを静圧として効率よく回収することができると共に、プロペラファン6から吹き出される空気流の速度が内側リング部4aから外側リング部4bで低減して放射状桟8に流入し、放射状桟8で発生する騒音を低減することができる。
【0028】
円形状桟9は、プロペラファン6に異物や指等が触れるのを防止するためのものであり、同心円に複数枚配置され、それぞれの間の隙間は15mm以下としている。このように、プロペラファン6に対する異物や指等が触れるのを防止する機能を円形状桟9に持たせることにより、放射状桟8にこの機能を持たせる必要がなくなり、放射状桟8の設置枚数等の制約が解消できる。なお、円形状桟9は、円周方向に延びている桟であればよく、例えば、放射状桟8の間を直線状に結ぶものでもよく、また、この直線状に結ぶ桟が半径方向にずれていてもよい。
【0029】
中央円板部10は、吹出グリル30の中央部に位置してプロペラファン6のボス部6aに対向する円板状に設けられ、円形状桟9の中央側が一体に形成されて円形状桟9の中央側の補強機能を有している。また、外周縁部11は、吹出グリル30の外周部に位置してリング状に形成され、円形状桟9の外周側が一体に形成されて円形状桟9の外周側の補強機能を有している。
【0030】
このように放射状桟8、円形状桟9、中央円板部10及び外周縁部11を一体に形成した吹出グリル30は、ユニット枠体1に外部から着脱可能に外周縁部11が装着されている。そして、放射状桟8の前縁部は中央部が前方に円弧状に突出するように形成されているため、軸方向の応力や圧縮機等から発生する振動に対して強くなり、また、デザイン面でも優れている。
【0031】
次に、プロペラファン6から吹き出される空気流と吹出グリル30との関係を図3を参照して説明する。図3は図1のA−A断面及びB−B断面部分を対比して示す空気流の変換図である。なお、図3(a)が図1のA−A断面部分、図3(b)が図1のB−B断面部分を示す。
【0032】
図3の太い矢印で示すようにプロペラファン6が回転すると、プロペラファン6から旋回流れと軸流流れを有する吹き出し流れが発生し、図3の矢印に示す流入速度を有する流入流れとなる。この流入流れは、軸方向に対して流入角βiの角度をもつ流入速度で放射状桟8に流入する。
【0033】
この流入速度は軸方向に流れる軸流速度とプロペラファン6の回転方向に流れる旋回速度の2方向のベクトル成分に分けられる。軸流速度は風量に関わる速度であるが、旋回速度は軸方向に対して直角、すなわち周方向成分であるために風量には関係しない。このプロペラファン6の吹き出し側での旋回流成分は、単に空気を掻き回すだけであり、軸方向の流れにスムーズに転向させないと損失なる。即ち、この旋回成分の持つ動圧エネルギーは効率低下をもたらす。
【0034】
そこで、放射状桟8をプロペラファン6の軸方向に断面円弧状に傾斜した板状に形成することにより、旋回速度を小さくし、周方向のエネルギー損失となる旋回流を静圧として回収することで、プロペラファン6の入力増加を伴わないで、風量を増加することができ、空気調和機の室外ユニットの高効率化、省電力化を図ることができる。
【0035】
プロペラファン6から放射状桟8に流入する旋回速度は、ほぼ径に比例して大きくなり、軸流速度は径の70〜80%近傍で最大となることが知られている。つまり、流入角βiは、半径方向中央側の径の小さい部分の図3(b)に示す流入角βi1から半径方向外側の径の大きい部分の図3(a)に示す流入角βi2のように、径の増大に伴い大きくなるため、この流入角βiの変化にあわせて旋回流成分を軸流成分に転向して旋回速度のもつ動圧エネルギーを効率よく回収することが必要である。
【0036】
このために、放射状桟8を中央側と外周側で軸方向にねじることにより取り付け角θを流入角βiにあわせて変化させることが考えられるが、吹出グリル30を射出成形する金型が極めて複雑となり、製作コストの増加するといった問題がある。
【0037】
そこで、プロペラファンの軸方向に断面円弧状に傾斜させた板状とした放射状桟8を半径方向中央側より外側の方が同じ曲率で幅広に形成したことにより、流入速度の流入角βiの変化に対応して、旋回流の持つ動圧エネルギーを静圧エネルギーとして効率よく回収することができる。
【0038】
また、円形状桟9を放射状桟8の空気吹き出し側に位置して設けたことにより、プロペラファン6の軸方向に断面円弧状に傾斜させた放射状桟8で空気流れを十分に減速した後に、円形状桟9に空気流れが流入するため、この円形状桟9での衝突損失が少なくなり、発生する騒音を低減することができる。
【0039】
さらに、放射状桟8と円形状桟9が交差して囲まれる部分に連結部12を設けたことにより、 放射状桟8と円形状桟9が交差して囲まれる部分の空隙をなくすことができ、吹出グリル30における放射状桟8と円形状桟9と中央円板部10と外周縁部11の一体成形が容易になり、コスト低減につながるとともに、放射状桟8と円形状桟9の結合強度を増加することができる。
【0040】
また、放射状桟8及び円形状桟9の空気流入側の縁部を翼形状としたことにより、空気流の衝突損失を低減できるとともに、騒音の発生を抑制することができる。この翼形状の代わりに丸みを持たせてもよい。
【0041】
次に、放射状桟8への空気流の流入角βiに対する特性を図4を参照して説明する。図4は図1の空気調和機の室外ユニットの放射状桟への空気流の流入角に対する流入速度、静圧効率変化量及び騒音レベル変化量の特性図である。なお、図4では、プロペラファン6の流出角、すなわち放射状桟8への流入角βiがほぼ45度を従来の形態とする。
【0042】
図4で明らかなように、流入角βiが20度の場合、放射状桟8で旋回速度をすべて回収して流出角βoを0度まで転向するものと比較して、騒音レベルが2dB程度増加するのみであるが、流入速度が6%程度の低減で、静圧効率は3%程度の向上しかなく、その効果は小さいことが判る。これは、旋回速度が小さい場合、放射状桟8による静圧回収の効果がほとんど期待できないことを意味する。言い換えれば、プロペラファン6からの流入角βiが20度を越える範囲において、断面円弧状に傾斜させた放射状桟8による静圧回収効果を十分に得られることが判る。
【0043】
また、流入角βiが45度の場合には、放射状桟8で旋回速度をすべて回収して流出角βoを0度まで転向する場合と比較して、流入速度は20%低減し、静圧効率は15%向上するが、吹出グリル30で発生する騒音は9dB増加してプロペラファン6とほぼ同程度である。その騒音はプロペラファン6からの流入速度の6乗に比例し、断面円弧状に傾斜させた放射状桟8への流入角βiの変化に対する騒音レベルの増加量を見ると、流入角βiの増加に伴い流入速度は増加し、流入角βiが50度の場合、従来に比べ約2.5dBの増加となり、ファンより騒音が増大することになる。言い換えれば、プロペラファン6からの流入角βiが45度未満の範囲において、断面円弧状に傾斜させた放射状桟8による騒音レベルが従来より低くできることが判る。
【0044】
従って、流入角βiに対する静圧効率変化量と騒音レベル変化量の関係から、静圧回収するための断面円弧状に傾斜させた放射状桟8は流入角βiに最適な範囲があり、その流入角βiの範囲は20度<βi<45度であることが判る。特に、静圧効率と騒音レベルの両方の向上を図るためには、流入角βiの範囲を25度から40度とすることがより好ましい。
【0045】
次に、放射状桟8の枚数に対する特性を図5を参照して説明する。図5は図1の空気調和機の室外ユニットの放射状桟の枚数に対する風量増加率及び騒音レベル変化量の特性図である。
【0046】
図5で明らかなように、風量増加率は、放射状桟8の枚数nの増加に伴い、20枚近傍までは増加し、20枚を越えると徐々に減少する。このように減少するのは、放射状桟8での衝突損失、摩擦損失が増えるためである。また、騒音レベルは、枚数nの増加に伴い増加することが判る。すなわち、放射状桟8の枚数nは、騒音の増加を抑制しつつ、風量増加を図れる最適値があることが判る。
【0047】
一方、一般の送風機では、風量は回転数に比例し、騒音レベルは回転数の6乗に比例する。つまり、回転数によって風量を増加させると、風量の3%増加は騒音レベルの約1dB増加に相当する。そこで、放射状桟8の枚数nに対する風量増加率が3%以上で騒音レベルの変化量が0.8dB以下となるn≦30において、上述した一般的な送風機の回転数増加により風量を増加させる場合に比較して、断面円弧状に傾斜した放射状桟8は静圧回収の効果を十分に発揮することができる。一方、放射状桟8は、円形状桟9の保持機能を有するものであり、最低限2枚は必要である。また、風量増加率が最大になる範囲と騒音を大きく低減できる範囲の両方から、放射状桟8の枚数nの範囲を13枚から23枚とすることがより好ましい。
【0048】
次に本発明の第2実施例の空気調和機の室外ユニットを図6を参照して説明する。図6は本発明の第2実施例における空気調和機の室外ユニットの正面図である。
【0049】
この第2実施例のものは、放射状桟8a、8bは半径方向に複数段(この実施例では2段)に分割し、中央部側の放射状桟8bの枚数を外周側の放射状桟8aの枚数より少なくしている。このようにすることで、外周側の放射状桟8aで静圧回収の効果を確保しつつ、中央側の放射状桟8bの音源を減らすことができるため、騒音低減の効果がより一層発揮できる。また、中央側の放射状桟8bの間隔を大きくとることができるために、翼列干渉による損失も低減することができる。
【0050】
さらに、中央側の放射状桟8aと外周側の放射状桟8bとは、装着位置が円周方向で異なるようになっている。これにより、プロペラファン6から流入する旋回速度の位相をずらし、羽根枚数×回転数の周波数、及びその高次で発生する羽根音(離散周波数)を低減できる効果がある。
【0051】
次に本発明の第3実施例の空気調和機の室外ユニットを図7を参照して説明する。図7は本発明の第3実施例における空気調和機の室外ユニットの要部側断面図である。
【0052】
この第3実施例のものは、吹出グリル30と重なるマウスリング4の外周角部に、空気流がスムーズに流出する様に円弧部Rをとることで、プロペラファン6から吹き出した空気流が径方向にスムースに広がり、吹出グリルの通過面積が増加して、軸流速度が低下し、吹出グリルの圧力損失が低減し、結果的に騒音を増大することなく風量増加を図れる。
【0053】
次に本発明の第4実施例の空気調和機の室外ユニットを図8を参照して説明する。図8は本発明の第4実施例における空気調和機の室外ユニットの要部側断面図である。
【0054】
この第4実施例のものは、放射状桟8の吹き出し側の縁部に凹凸を設け、その凹凸に円形状桟9を配置して千鳥状にしたことにより、プロペラファン6からの旋回流による吹出グリルでの衝突損失を低減することができる。また、プロペラファンから流入する旋回速度の位相をずらし、羽根枚数×回転数の周波数、及び、その高次で発生する羽根音(離散周波数)を低減できる効果もある。
【0055】
なお、上記各実施例は横方向に吹き出す空気調和機の室外ユニットに関して述べたが、上方向に吹き出す店舗用の空気調和機の室外ユニットに用いても良い。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、安価で、高風量・省電力化を図ることができる空気調和機の室外ユニットを得ることができる。
【0057】
また、本発明によれば、低騒音で、高風量・省電力化を図ることができる空気調和機の室外ユニットを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施例の空気調和機の室外ユニットの側面断面図である。
【図2】図1の室外ユニットの吹き出し側から見た正面図である。
【図3】図1のA−A断面及びB−B断面部分を対比して示す空気流の変換図である。
【図4】図1の空気調和機の室外ユニットの放射状桟への空気流の流入角に対する流入速度、静圧効率変化量及び騒音レベル変化量の特性図である。
【図5】図1の空気調和機の室外ユニットの放射状桟の枚数に対する風量増加率及び騒音レベル変化量の特性図である。
【図6】本発明の第2実施例における空気調和機の室外ユニットの正面図である。
【図7】本発明の第3実施例における空気調和機の室外ユニットの要部側断面図である。
【図8】本発明の第4実施例における空気調和機の室外ユニットの要部側断面図である。
【符号の説明】
1…ユニット枠体、2…熱交換器、3…モータ、4…マウスリング、4a…内側リング部、4b…外側リング部、5…電気品、6…プロペラファン、6a…ボス部、6b…羽根部、7…モータステー、8…放射状桟、8a…中央側放射状桟、8b…外側放射状桟、9…円形状桟、10…中央円板部、11…外周縁部、12…連結部、13…放熱フィン、20…室外ユニット、30…吹出グリル、c…翼弦幅、βi…流入角、βo…流出角、θ…取り付け角、n…放射状桟の枚数。

Claims (7)

  1. 室外ユニットの枠体と、
    前記枠体内に配置されたプロペラファンと、
    前記プロペラファンの吸込側に配置された熱交換器と、
    前記プロペラファンの吹き出し側に配置された吹出グリルとを備え、
    前記吹出グリルは、円周方向に延びる複数の円形状桟と、半径方向に延びる複数の放射状桟とを有し、
    前記放射状桟は、その断面を前記プロペラファンの軸方向に傾斜させた板状とし、かつ半径方向中央側より外側の方を幅広に形成し
    前記円形状桟は前記吹出グリルを断面で見たときに千鳥状に配置した空気調和機の室外ユニット。
  2. 請求項1において、
    前記吹出しグリルは、前記円形状桟と、前記放射状桟とを一体に形成したことを特徴とする空気調和機の室外ユニット。
  3. 請求項1において、
    前記プロペラファンから吹出されて前記放射状桟に流入する空気の流入角度を20度を越え45度未満にしたことを特徴とする空気調和機の室外ユニット。
  4. 請求項1において、
    前記放射状桟を、円周方向にわたって2枚から30枚の範囲で設けたことを特徴とする空気調和機の室外ユニット。
  5. 請求項1において、
    前記放射状桟を、円周方向にわたって13枚から23枚の範囲で設け、
    前記プロペラファンから吹出されて前記放射状桟に流入する空気の流入角度を25度を越え40度未満にしたことを特徴とする空気調和機の室外ユニット。
  6. 請求項1において、
    前記複数の円形状桟の間隔を15mmより小さくしたことを特徴とする空気調和機の室外ユニット。
  7. 請求項1において、
    前記プロペラファン外周の外方に配置されたマウスリングを有し、前記マウスリングは、前記プロペラファン外周に近接する内側リング部と、この内側リング部の前端部より前方でそれより径の若干大きな外側リング部とを有し、
    前記吹出グリルは、前記内側リング部の前端部との間に隙間を設けて配置され
    前記放射状桟は、断面が円弧状であり、前記プロペラファンの外周より外方に延長させたことを特徴とする空気調和機の室外ユニット。
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