JP3805559B2 - ファクシミリ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリ装置に関し、特に、所定の伝送制御手順に基づく制御信号のやりとりにより相手先装置との間で通信を行う一方、オプション構成の装着により機能を追加可能なファクシミリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ファクシミリにおいては次々に新機能がITU−Tにより勧告化されている。この新機能とは通信速度を従来よりも速めるものや通信精度を従来よりも高めたものが多く、採用されたファクシミリを購入することでユーザにとって利便性の向上につながることは間違いない。
【0003】
しかし、現時点で実現可能な機能を実現するハードウェアを全て標準装備した構成のファクシミリ装置を製造して販売するか、機能をある程度省いて、省いた機能については、オプションとして別売りし、必要とするユーザにのみ提供するようにするかは、機器メーカにゆだねられている。
【0004】
これは全ての機能を標準装備すると機器の価格が上がってしまい、ユーザが通常使わない機能であれば無駄な投資になるのを防ぐためであり、合理的なものである。
【0005】
また、通信は、自装置単独ではなく、通信相手となる装置との間で行われるものであり、自装置のみが新機能を備えていても、対応する機能を通信相手装置が備えていなければ、当該新機能を使用できず、通信相手装置の通信能力の範囲内の機能しか使用することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、自装置だけがオプションの新機能を備えたとしても、通信相手装置が、当該新機能に対応していなければ、当該オプションは、通信速度の高速化や通信精度の高精度化に寄与せず、無駄になってしまうという問題がある。
【0007】
新機能に係るオプションは、導入コストと、導入による通信機能の利便性の向上とに鑑みて購入するか否かを検討すべきであるが、ユーザにとっては、専門的過ぎて判断が難しいため、導入効果の高いオプションを導入しないまま、あまり利便性の高くない通信を日々行う一方、機器メーカにとっては、せっかく用意したオプションをユーザにあまり利用してもらえないという問題点があった。
【0008】
本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、導入可能なオプションのうちの導入効果の見込めるものを見極めるための材料となる情報をユーザに提供することができるファクシミリ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載のファクシミリ装置は、所定の伝送制御手順に基づく制御信号のやりとりにより相手先装置との間で通信を行う一方、オプション構成の装着により機能を追加可能なファクシミリ装置において、自機に追加可能なオプション構成に係る自機機能情報を予め記憶した自機オプション機能記憶手段と、相手先装置との間で行われる各通信において、相手先装置から受信する相手先装置の能力通知用の所定の制御信号を検査して自機に追加可能なオプション構成に係る機能の有無を少なくとも検出する相手先機能検出手段と、その相手先機能検出手段が検出した各機能のうちの、前記自機オプション機能記憶手段が記憶している、追加可能なオプション構成に係る自機機能と一致する機能についてのカウント値を増加させる差分機能計数手段と、その差分機能計数手段による計数結果を記憶する差分機能計数値記憶手段と、その差分機能計数値記憶手段が記憶している計数結果を可視出力する差分機能計数結果出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載のファクシミリ装置は、請求項1に記載のファクシミリ装置において、前記差分機能計数手段は、前記相手先機能検出手段が検出した各機能のうちの、前記自機オプション機能記憶手段が記憶している、追加可能なオプション構成に係る自機機能と一致する機能についてのカウント値を発呼相手先別に増加させるものであることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載のファクシミリ装置は、請求項1または2のいずれかに記載のファクシミリ装置において、所定の操作入力に応じて前記差分機能計数値記憶手段が記憶している計数結果に基づくレポート画情報を作成するレポート作成手段と、そのレポート作成手段が作成したレポート画情報を記録紙に記録するレポート印字手段とを更に備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載のファクシミリ装置は、請求項1、2または3のいずれかに記載のファクシミリ装置において、前記自機に追加可能なオプション構成として、JBIG機能に係るものを含むことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載のファクシミリ装置は、請求項1、2、3または4のいずれかに記載のファクシミリ装置において、自機が既に備える機能についての情報を予め記憶した自機機能記憶手段と、相手先装置との間で行われる各通信において、前記相手先装置が備える機能と、自機が既に備える機能との範囲内で設定され通信時に実際に使用された機能についてのカウント値を増加させる使用機能計数手段と、その使用機能計数手段による計数結果を記憶する使用機能計数値記憶手段と、その使用機能能計数値記憶手段が記憶している計数結果を可視出力する使用機能計数結果出力手段とをを備えたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
先ず、図1は、本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置1のブロック構成を示している。
【0016】
同図において、ファクシミリ装置1は、システム制御部2、ROM3、RAM4、スキャナ5、プロッタ6、画像メモリ7、符号化復号化部8、操作表示部9、モデム10、網制御部11、及び、システムバス12により構成されている。
【0017】
システム制御部2は、ROM3書き込まれた制御プログラムに従って、RAM4を作業領域として使用しながら、装置各部を制御するものである。
【0018】
ROM3は、前述したように、システム制御部2が上記装置各部を制御するための制御プログラムが記憶されているリードオンリメモリである。また、ROM3には、各文字コードにフォントデータを対応付けたフォントテーブル3aが記憶されていて、システム制御部2は、文字列を画情報に変換する場合には、フォントテーブル3aを参照する。
【0019】
RAM4は、前述したようにシステム制御部2の作業領域として使用されるランダムアクセスメモリである。なお、RAM4は、図示しないバックアップ用回路によりバックアップされており、装置電源遮断時にも記憶内容は保持される。
【0020】
スキャナ5は、3.85本/mm、7.7本/mm、15.4本/mm等の所定の読み取り線密度で原稿画像を読み取って画情報を得るためのものである。プロッタ6は、受信した画情報を、その線密度に応じて記録出力したり、スキャナ5で読み取った画情報を、その線密度に応じて記録出力(コピー動作)するためのものである。
【0021】
画像メモリ7は、スキャナ5で読み取った画情報を、メモリ送信するために一時的にファイルとして蓄積したり、受信した画情報を、プロッタ6により記録するまでファイルとして一時的に蓄積したり、通信管理レポート等の各種レポートの画情報やワンタッチダイヤル登録リストや短縮ダイヤル登録リストの画情報をフォント展開して作成するための一時的な記憶領域としても使用される。
【0022】
符号化復号化部8は、送信画像データを、G3ファクシミリに適合する、MH符号化方式、MR符号化方式、MMR符号化方式、JBIG符号化方式等の所定の符号化方式で符号化圧縮する一方、受信画像データをMH符号化方式、MR符号化方式、MMR符号化方式等に対応する所定の復号化方式で復号伸長するものである。
【0023】
操作表示部9は、相手先ファクシミリ番号を指定するためのテンキー、送信スタートキー、ワンタッチダイヤルキー、及び、その他各種キーが配設される一方、液晶表示装置等の表示器を備え、ユーザに知らせるべき装置の動作状態や、各種メッセージを表示するものである。
【0024】
図2に、本実施の形態と直接関係する部分以外は、図示を省略した操作表示部9の配置構成例を示す。同図において、テンキー9aは、送信相手先ファックス番号等を直接指定したりするために用いられるものである。[スタート]キー9bは、ファクシミリ送信動作の開始や、コピー動作の開始を指示するためのものである。[ストップ]キー9cは、各種動作の強制的な停止を指示するためのものである。[Yes]キー9d及び[No]キー9eは、ユーザに決定または取消の各種選択をさせるためのキーである。
【0025】
[ファンクション]キー9fは、ワンタッチダイヤルの登録機能、短縮ダイヤルの登録機能、ユーザパラメータの設定機能や、ファクシミリ装置1の標準的なファクシミリ装置としての機能以外の、時刻指定送信、部門コード指定送信等の拡張的な機能を呼び出すためのもので、この[ファンクション]キー9fを押下して、テンキー9aにより、各機能に対応した番号を入力することで、各機能を呼び出して実行することができる。
【0026】
表示器9gは、ユーザに知らせるべき装置の動作状態や、各種メッセージを表示するものである。
【0027】
図1に戻って、モデム10は、G3ファクシミリモデムであり、送信データを変調する一方、受信データを復調するものである。また、モデム10は、入力されたダイヤル番号に対応してDTMF信号の送出も行う。網制御部11は、公衆網に接続されて、回線の直流ループの閉結・解放や、回線の極性反転の検出、回線解放の検出、発信音の検出、ビジートーン(話し中)等のトーン信号の検出、呼出信号の検出等の回線との接続制御や、ダイヤルパルスの生成を行うものである。システムバス12は、上記各部がデータをやり取りするための信号ラインである。
【0028】
図3に、ファクシミリ装置1のROM3に予め記憶される記憶内容について示す。フォントテーブル3aが記憶されているのは前述した通りであるが、その他に自機機能情報3bが予め記憶されている。その自機機能情報3bは、自機が既に備えている機能のリストと、自機に追加可能なオプション機能のリストにより構成されていて、オプション機能のためのオプション構成が装置に追加装着された場合には、図示は省略しているが、バックアップされたRAM4に、当該追加されたオプション機能が、自機が既に備えている機能として登録される。
【0029】
また、ファクシミリ装置1は、本実施の形態に係る記憶内容として、RAM4に、図4に示すように、差分機能カウンタ4a及び使用機能カウンタ4bのための記憶領域を確保している。
【0030】
図5に、ITU−T勧告T.30に基づくG3ファクシミリ通信シーケンスの概略について示す。
【0031】
同図において、送信側から受信側の相手先装置のファックス番号発呼して送信側と受信側との間の回線が確立されると、受信側が被呼局識別信号CEDで呼に応答すると共に、ディジタル識別信号DISを送信側に送出して、受信側が備える全能力(機能)を送信側に通知する。送信側は、受信側からディジタル識別信号DISのファクシミリ情報フィールドFIF内の各ビットの値(ほとんどの場合値1が当該ビットに対応する機能「あり」を示す)により通知された受信側の機能と自機の機能の範囲内で最高機能を決定し、今回の通信において自機が使用する機能を設定すると共に、ディジタル送信命令信号DCSにより受信側にも通知し、受信側にも決定した機能を使用するよう設定させる。
【0032】
更に送信側は、DCSにより通信機能を決定・設定した上で、トレーニングチェック信号TCFにより、設定したモデム速度でモデムトレーニングを行い、受信側からの受信準備確認信号CFRの受信を待って、画情報PIXをファクシミリメッセージとして送信する。なお、ファクシミリメッセージとして送信するデータは画情報に限らず、G3ファクシミリの拡張機能であるBFT(Binary File Transfer)によるバイナリデータであってもよい。
【0033】
送信側のファクシミリ装置1は、ファクシミリメッセージを送信すると、手順終了信号EOPを送出し、受信側がメッセージ確認信号MCFで応答してくると、切断命令信号DCNを送出して、ファクシミリ送信を完了する。
【0034】
このように、ファクシミリ通信における送信側は、受信側が備える機能をディジタル識別信号DISにより知ることができる。従来であれば、ディジタル識別信号DISは、通信で使用する機能を送信側と受信側とで一致させるために使用されるものであるが、本実施の形態では、ディジタル識別信号DISを利用して、自機が既に備える機能の使用状況や、自機に追加可能なオプション機能の潜在的な使用状況の把握のために利用する。
【0035】
以下、そのために、ファクシミリ装置1において行われる処理手順について説明する。
【0036】
まず、ファクシミリ装置1におけるファクシミリ送信処理手順について、図6を参照して説明する。
【0037】
同図において、ファクシミリ装置1のシステム制御部2は、スキャナ5に送信原稿がセットされるかを監視し(判断101のNoループ)、原稿がセットされると(判断101のYes)、送信相手先のファックス番号が操作表示部9のテンキー9a等により指定されるかを監視し(判断102のYes)、指定されると(判断102のYes)、[スタート]キー9bが押下されるかを監視し(判断103のNoループ)、[スタート]キー9bが押下されると(判断103のYes)、判断102で指定された相手先に発呼し(処理104)、G3ファクシミリプロトコルに基づいた伝送前手順を行い、通信パラメータの決定・設定やモデムトレーニングの手順を行う(処理105)。なお、処理105の伝送前手順では、受信側がディジタル識別信号DISを受信するが、そのファクシミリ情報フィールドのビット列はRAM4に一時記憶される。
【0038】
そして、後述する差分機能計数処理を行い(処理106)、判断101でセットされた原稿を読み取って得られた画情報を符号化復号化部8で符号化圧縮して、モデム10により変調して送信し、伝送後手順を行って回線を切断する、ファクシミリ送信処理を行い(処理107)、後述する使用機能計数処理を行って(処理108)、処理を終了する。
【0039】
処理106の差分機能計数処理の具体的な処理手順について、図7を参照して説明する。
【0040】
同図において、システム制御部2は、図6の処理105で受信したディジタル識別信号DISのファクシミリ情報フィールドの各ビットと、ROM3に記憶された自機機能情報とを比較し(処理201)、自機がまだ備えていないが、受信側が備えている機能、すなわち差分機能が受信側にあるか否かを判断する(判断202)、差分機能が受信側にない場合には(判断202のNo)、そのまま処理を終了する。
【0041】
差分機能が受信側にある場合は(判断202のYes)、その差分機能が、自機に追加可能なオプション構成に対応した機能であるか否かを判断する(判断203)、判断203がNoの場合には、そのまま処理を終了する。
【0042】
判断203がYesの場合には、差分機能カウンタ4aの該当オプションのカウンタを1だけ加算する(処理204)。図8に、図7の処理204により加算される差分機能カウンタ4aの具体的な内容について示す。同図において、差分機能カウンタ4aは、自機に追加可能な各オプション(オプション1、2、3、…)に対応したカウント値により構成されている。
【0043】
差分機能カウンタ4aの各オプションに対応したカウント値は、各オプション構成がファクシミリ装置1に追加されていたとすれば使用されていた回数(潜在的使用回数)を表している。
【0044】
次に、ファクシミリ装置1において行われる、差分機能計数結果レポート出力処理手順について図9を参照して説明する。
【0045】
同図において、システム制御部2は、[ファンクション]キー9fの押下操作と、番号「50」のテンキー9aによる入力操作との組合せ操作がなされるかを監視し(判断301のNoループ)、組合せ操作がなされると、すなわち、差分機能計数結果レポート出力処理が起動されると(判断301のYes)、図8に示した差分機能カウンタ4aをRAM4から読み出し(処理302)、その読み出した内容に基づいて、フォントテーブル3aを参照しつつレポート画情報を作成し(処理303)、作成したレポート画情報をプロッタ6により記録紙に記録する(処理304)。
【0046】
図10に、図9に示した処理手順により記録紙に記録された差分機能計数結果レポートの内容例について示す。
【0047】
同図において、ファクシミリ装置1に追加可能なオプション機能、すなわち、V.8通信機能、ECM機能、T.43符号化機能、16×15.4line/mm解像度対応機能等のそれぞれのオプション機能の潜在的な使用回数が記載されている。また、必須ではないが、各オプション機能に対応するbitのディジタル識別信号DISのファクシミリ情報フィールドにおけるbit位置も併せて記載されている。
【0048】
この例の場合では、相手機がECM機能を持っている場合が多いのでECM機能を追加すれば、伝送エラーのない品質の良い通信が出来るようになる。また相手機が高解像度での受信が可能であることが多いことが分かるので、細かい図面をファクシミリで送受信するようなお仕事のユーザの場合は、高解像度での送信のためのオプション構成を追加すれば、視認率が上がるため効率がアップすることも分かる。
【0049】
ユーザは、必要に応じて図9の操作手順に行うことで、図10の出力例に示すレポートを得て参照することで、追加可能なオプション機能の潜在的な使用回数を確認し、使用回数が多く導入効果が高そうな機能については、当該機能を実現するオプション構成の購入を検討することができる。なお、差分機能カウンタ4aに基づくレポートは、ユーザ操作に応じて記録紙に記録するのに限らず、ユーザ操作に応じて表示器9gに表示することで可視出力するようにしてもよく、その場合、差分機能カウンタ4aのカウント状況を一応確認しておきたいような場合に、わざわざ記録紙に記録して記録紙を無駄にすることがなく、効率的に参照することができる。
【0050】
そして、ファクシミリ装置1にオプション構成が追加されると、その追加されたオプション構成により実現される機能が、自機機能情報の、自機が既に備える機能として追加登録される。
【0051】
図6の処理106の差分機能計数処理の図7に示したものとは別の、具体的な処理手順について、図11を参照して説明する。
【0052】
同図において、システム制御部2は、図6の処理105で受信したディジタル識別信号DISのファクシミリ情報フィールドの各ビットと、ROM3に記憶された自機機能情報3bとを比較し(処理401)、自機がまだ備えていないが、受信側が備えている機能、すなわち差分機能が受信側にあるか否かを判断する(判断402)、差分機能が受信側にない場合には(判断402のNo)、そのまま処理を終了する。
【0053】
差分機能が受信側にある場合は(判断402のYes)、その差分機能が、自機に追加可能なオプション構成に対応した機能であるか否かを判断する(判断403)、判断403がNoの場合には、そのまま処理を終了する。
【0054】
判断403がYesの場合には、差分機能カウンタ4aの該当オプションの該当相手先番号のカウンタを1だけ加算する(処理404)。なお、処理404における該当相手先番号とは、図6の判断102で指定された送信相手先のファックス番号である。
【0055】
図12に、図11の処理404により加算される差分機能カウンタ4aの具体的な内容について示す。同図において、差分機能カウンタ4aは、自機に追加可能な各オプション(オプション1、2、3、…)に対応した、発呼相手先番号(番号A、B、C、…)別のカウント値により構成されている。
【0056】
差分機能カウンタ4aの各オプションに対応した発呼相手先番号別のカウント値は、各オプション構成がファクシミリ装置1に追加されていたとすれば、各発呼相手先別に使用されていた回数(潜在的使用回数)を表している。
【0057】
図12に示す差分機能カウンタ4aは、図9に示した差分機能計数結果レポート出力処理手順により記録紙により記録される。
【0058】
図13に、図9に示した処理手順により記録紙に記録された、図12に示した差分機能カウンタ4aに基づく差分機能計数結果レポートの内容例について示す。
【0059】
同図において、ファクシミリ装置1に追加可能なオプション機能、すなわち、V.8通信機能、ECM機能、T.43符号化機能、16×15.4line/mm解像度対応機能等のそれぞれのオプション機能の潜在的な使用回数が発呼相手先番号別に記載されている。また、必須ではないが、各オプション機能に対応するbitのディジタル識別信号DISのファクシミリ情報フィールドにおけるbit位置も合わせて記載されている。
【0060】
この例をみると番号Cの相手機との通信が今後も継続するようであれば、オプション部品の購入により将来的には高品質な通信が可能になり、通信コスト削減にも役立つことが分かる。
【0061】
ユーザは、必要に応じて図9の操作手順に行うことで、図13の出力例に示すレポートを得て参照することで、追加可能なオプション機能の各発呼相手先別の潜在的な使用回数を確認し、通信コストに影響する各発呼相手先との間の距離や、各発呼相手先との平均的な通信時間等の発呼相手先別に異なる条件を勘案しつつ、使用回数が多く導入効果が高そうな機能については、当該機能を実現するオプション構成の購入を検討することができる。
【0062】
そして、ファクシミリ装置1にオプション構成が追加されると、その追加されたオプション構成により実現される機能が、自機機能情報の、自機が既に備える機能として追加登録される。
【0063】
ITU−T勧告T.85は通常JBIG符号化とも呼ばれ、画像を効率よく圧縮するため通信時間の削減効率が良い。ところが、部品のコストが高いため、ファクシミリメーカによっても標準装備すべきか判断に迷うところである。このため良く通信する相手機が機能を持っているか確認のうえ、購入を判断して頂く方法が合理的である。
【0064】
そこで、差分機能カウンタ4aにJBIG機能に係る項目を追加し、図14に示すように、JBIG機能についても、レポートを記録紙に記録するようにして、ユーザにJBIG機能の潜在的使用回数を確認させるようにしてもよく、それにより、BIG機能に係るオプションを購入すべきか否かについの判断材料をユーザに提示することが可能となる。なお、JBIG機能の潜在的使用回数の計数は、発呼相手先別ではなく、図10に示したような相手先の区別のない計数形態であってもよい。
【0065】
次に、図6の処理108の使用機能計数処理の具体的な処理手順について、図15を参照して説明する。
【0066】
同図において、システム制御部2は、図6の処理107における今回の通信で実際に使用した機能を確認し(処理501)、使用機能カウンタ4bの該当機能のカウンタを1だけ加算する(処理502)。
【0067】
図16に、図15の処理502により加算される使用機能カウンタ4aの具体的な内容について示す。同図において、使用機能カウンタ4bは、自機が既に備えている各機能(オプション追加により新たに加わった機能を含む)に対応したカウント値により構成されている。
【0068】
使用機能カウンタ4bの各機能に対応したカウント値は、各機能が実際に使用された回数を表している。
【0069】
次に、ファクシミリ装置1において行われる、使用機能計数結果レポート出力処理手順について図17を参照して説明する。
【0070】
同図において、システム制御部2は、[ファンクション]キー9fの押下操作と、番号「60」のテンキー9aによる入力操作との組合せ操作がなされるかを監視し(判断601のNoループ)、組合せ操作がなされると、すなわち、差分機能計数結果レポート出力処理が起動されると(判断601のYes)、図16に示した使用機能カウンタ4bをRAM4から読み出し(処理602)、その読み出した内容に基づいて、フォントテーブル3aを参照しつつレポート画情報を作成し(処理603)、作成したレポート画情報をプロッタ6により記録紙に記録する(処理604)。
【0071】
図18に、図17に示した処理手順により記録紙に記録された使用機能計数結果レポートの内容例について示す。
【0072】
同図において、ファクシミリ装置1が既に備える各機能の実際の使用回数が記載されている。ユーザは、必要に応じて図17の操作手順に行うことで、図18の出力例に示すレポートを得て参照することで、装着後のオプションの使用状況を、その他の機能の使用状況と比較する等して、オプション導入の効果を確認することが可能となる。なお、使用機能カウンタ4bに基づくレポートは、ユーザ操作に応じて記録紙に記録するのに限らず、ユーザ操作に応じて表示器9gに表示することで可視出力するようにしてもよく、その場合、使用機能カウンタ4aのカウント状況を一応確認しておきたいような場合に、わざわざ記録紙に記録して記録紙を無駄にすることがなく、効率的に参照することができる。
【0073】
なお、以上説明した実施の形態においては、本発明をファクシミリ装置に適用したが、本発明は、それに限らず、オプション機能を追加可能で、通信相手先装置が備える機能の通知を受けることが可能な通信端末装置であればね同様に適用可能なものである。
【0074】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、各通信おいて、自機に追加可能なオプション構成に係る機能と一致する機能を相手先装置が備えていることが通知された場合には、当該一致する機能についての計数値を増加させるため、通信を繰り返す毎にそれら一致する機能についての計数値が増加する。それらの計数値は、いわば、自機に追加可能なオプション構成の潜在的な使用回数を示していることになり、もし、自機に追加可能なオプション構成を実際に追加していたとすれば使用されていた回数を示している。そのため、導入可能なオプションのうちの導入効果の見込めるものを見極めるための材料となる情報をユーザに提供することができ、ユーザにとっては、導入効果の高いオプションは何かということを判断でき、必要なオプションを妥当な導入コストで導入して日々行う通信のコストを低減し利便性を高めることが可能となる一方、機器メーカにとっては、用意したオプションをユーザに有効利用してもらえることが可能となる効果が得られる。
【0075】
請求項2に係る発明によれば、各通信おいて、自機に追加可能なオプション構成に係る機能と一致する機能を相手先装置が備えていることが通知された場合には、当該一致する機能についての計数値を発呼相手先別に増加させるため、通信を繰り返す毎にそれら一致する機能についての計数値が発呼相手先別に増加する。一致する機能についての計数値は、いわば、自機に追加可能なオプション構成の潜在的な使用回数を示しているが、自機に追加可能なオプション構成が潜在的に使用された程度を把握するためには、単純に使用回数のみでは不十分な面がある。それは、通信コストは、その回数のみならず、相手先との距離や通信時間により異なり、距離が遠く、通信時間が長い傾向がある相手先との通信に使用されるほど、自機に追加可能なオプション構成が潜在的に使用された程度が高いことになるためである。本発明では、距離や平均的な通信時間がそれぞれ異なる各発呼相手先別に自機に追加可能なオプション構成の潜在的な使用回数を計数しているため、ユーザに提供する、導入可能なオプションのうちの導入効果の見込めるものを見極めるための材料となる情報の正確性を高めることが可能となる効果が得られる。
【0076】
請求項3に係る発明によれば、自機に追加可能なオプション構成の潜在的な使用回数についてのレポートをユーザが所望する任意のタイミングで記録紙に印字してユーザに参照させることができるため、統計データとしても利用でき、必要なオプション構成の購入判断を容易にすることが可能となる効果が得られる。
【0077】
請求項4に係る発明によれば、通信コストに影響を与えるのは画像圧縮機能、通信速度の割合が高く、また価格が高いためオプションとなりやすいJBIG機能(ITU−T勧告T.85機能(単層シーケンシャル符号化))を自装置に追加可能なオプション構成として扱い、その潜在的な使用回数を計数することで、JBIG機能が導入効果の見込めるオプションであるかを見極めるための材料となる情報をユーザに提供することが可能となる効果が得られる。
【0078】
請求項5に係る発明によれば、各通信おいて、追加済みのオプション構成を含み得る、自機が既に備える各機能の実際の通信での使用回数を計数するようにしているため、追加済みのオプション構成の実際の通信での使用状況や、その他の自機機能の実際の通信での使用状況を把握することができるため、追加済みのオプション構成の有効性の確認や標準機能との比較等を行うことが可能となり、ユーザの利便性を向上させることが可能となる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置のブロック構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置の操作表示部の、本実施の形態と直接関係する部分以外は図示を省略した配置構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置において、ROMに記憶されたフォントテーブル及び自機機能情報について示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置において、RAMに記憶された差分機能カウンタ及び使用機能カウンタについて示す図である。
【図5】ファクシミリ通信シーケンスの概略について示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置における、ファクシミリ送信処理手順について示すフローチャートである。
【図7】差分機能係数処理の具体的な処理手順について示すフローチャートである。
【図8】差分機能カウンタの具体的な内容について示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置における、差分機能計数結果レポート出力処理手順について示すフローチャートである。
【図10】図9の手順により出力されるレポート例について示す図である。
【図11】図7とは別の差分機能計数処理の具体的な処理手順について示すフローチャートである。
【図12】図8とは別の差分機能カウンタの具体的な内容について示すフローチャートである。
【図13】図9の手順により出力される、図10とは別のレポート例について示す図である。
【図14】追加可能なレポート内容例につい示す図である。
【図15】使用機能計数処理の具体的な処理手順について示すフローチャートである。
【図16】使用機能カウンタの具体的な内容について示す図である。
【図17】本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置における、使用機能計数結果レポート出力処理手順について示すフローチャートである。
【図18】図17の手順により出力されるレポート例について示す図である。
【符号の説明】
1 ファクシミリ装置
2 システム制御部
3 ROM
3a フォントテーブル
3b 自機機能情報
4 RAM
4a 差分機能カウンタ
4b 使用機能カウンタ
5 スキャナ
6 プロッタ
7 画像メモリ
8 符号化復号化部
9 操作表示部
9a テンキー
9b [スタート]キー
9c [ストップ]キー
9d [Yes]キー
9e [No]キー
9f [ファンクション]キー
9g 表示器
10 モデム
11 網制御部
12 システムバス
Claims (5)
- 所定の伝送制御手順に基づく制御信号のやりとりにより相手先装置との間で通信を行う一方、オプション構成の装着により機能を追加可能なファクシミリ装置において、
自機に追加可能なオプション構成に係る自機機能情報を予め記憶した自機オプション機能記憶手段と、相手先装置との間で行われる各通信において、相手先装置から受信する相手先装置の能力通知用の所定の制御信号を検査して自機に追加可能なオプション構成に係る機能の有無を少なくとも検出する相手先機能検出手段と、その相手先機能検出手段が検出した各機能のうちの、前記自機オプション機能記憶手段が記憶している、追加可能なオプション構成に係る自機機能と一致する機能についてのカウント値を増加させる差分機能計数手段と、その差分機能計数手段による計数結果を記憶する差分機能計数値記憶手段と、その差分機能計数値記憶手段が記憶している計数結果を可視出力する差分機能計数結果出力手段とを備えたことを特徴とするファクシミリ装置。 - 前記差分機能計数手段は、前記相手先機能検出手段が検出した各機能のうちの、前記自機オプション機能記憶手段が記憶している、追加可能なオプション構成に係る自機機能と一致する機能についてのカウント値を発呼相手先別に増加させるものであることを特徴とする請求項1に記載のファクシミリ装置。
- 所定の操作入力に応じて前記差分機能計数値記憶手段が記憶している計数結果に基づくレポート画情報を作成するレポート作成手段と、そのレポート作成手段が作成したレポート画情報を記録紙に記録するレポート印字手段とを更に備えたことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のファクシミリ装置。
- 前記自機に追加可能なオプション構成として、JBIG機能に係るものを含むことを特徴とする請求項1、2または3のいずれかに記載のファクシミリ装置。
- 自機が既に備える機能についての情報を予め記憶した自機機能記憶手段と、相手先装置との間で行われる各通信において、前記相手先装置が備える機能と、自機が既に備える機能との範囲内で設定され通信時に実際に使用された機能についてのカウント値を増加させる使用機能計数手段と、その使用機能計数手段による計数結果を記憶する使用機能計数値記憶手段と、その使用機能能計数値記憶手段が記憶している計数結果を可視出力する使用機能計数結果出力手段とをを備えたことを特徴とする請求項1、2、3または4のいずれかに記載のファクシミリ装置。
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