JP3805191B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットマシンやパチスロ機等に代表される遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、遊技機としては、スロットマシンやパチスロ機等のように、メダル投入を条件に、複数の図柄列の可変表示およびその停止を行い、可変表示を停止した際の表示図柄により一遊技の結果を決定するとともに、決定した結果に応じて遊技者にメダルを払い戻すものが広く知られている。
【0003】
また、遊技機の中には、特にパチスロ機のように、遊技者の興趣を高めるべく、特定の場合に、例えば「ビッグボーナスゲーム」と呼ばれる遊技者に有利な特別ゲームを所定遊技数だけ実施するものがある。「ビッグボーナスゲーム」とは、遊技結果がいわゆる「大当たり」である場合に得られる特別ゲームをいい、高期待値(小役入賞がよく揃う状態)の遊技が所定遊技数(例えば最大30回)だけ続くようになっている。「ビッグボーナスゲーム」では、通常の遊技の場合と同様に小役入賞(小当たり)またはレギュラーボーナス入賞(中当たり)の発生によってメダル払い出しが得られるが、その入賞確率が通常よりも高くなる。そして、所定遊技数が終了するか、またはレギュラーボーナス入賞が所定回数(例えば3回)発生すると、「ビッグボーナスゲーム」は終了し通常の遊技状態に戻る。この「ビッグボーナスゲーム」により、通常、遊技者は、400〜600枚程度のメダルを獲得することができる。
【0004】
さらに、パチスロ機の中には、より一層遊技者の興趣を高めるべく、「ビッグボーナスゲーム」の終了後に、「リプレイタイム」や「アシストタイム」等と呼ばれる遊技者に有利な遊技状態(以下「特別遊技状態」という)を所定遊技数だけ継続させる、といった特典を遊技者に与えるものもある。「リプレイタイム」では、メダル投入がなくても遊技の開始を可能にする「再遊技(リプレイ)」への当選確率が通常の場合よりも高くなる。また、「アシストタイム」では、いわゆる内部抽選の結果を高い信頼性で遊技者に報知することで、その遊技者が遊技結果の当選を得易くなるようにする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、「リプレイタイム」や「アシストタイム」等といった特典を遊技者に与えるパチスロ機では、その特別遊技状態への突入条件を、装置内部の抽選により決定している。すなわち、従来は、「ビッグボーナスゲーム」の開始時または終了時に行われる装置内部での抽選結果によって、特別遊技状態にするか否かが決定されている。
【0006】
したがって、遊技者は、特別遊技状態になっても、その特典は与えられたものであり、自らが獲得したものである、という感覚を得ることがない。つまり、遊技者にとっては、技術介入性やゲーム性等の乏しいものとなってしまい、必ずしも遊技に対する興趣が高められているとは限らない。
【0007】
そこで、本発明は、特別遊技状態への突入条件に技術介入性やゲーム性等を持たせることで、遊技者の遊技に対する興趣をより一層高められる遊技機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために案出された遊技機で、液晶パネルを有し、遊技媒体の投入を条件に、複数の図柄列の可変表示および当該可変表示の停止を行い、当該可変表示を停止した際の前記図柄列の表示図柄により一遊技の結果を決定するとともに、決定した結果に応じて遊技媒体の払い戻しを行う遊技機において、所定数の遊技の開始前または開始時に当該所定数の遊技の間に獲得すべき遊技媒体の数を指示媒体数として特定し、当該指示媒体数を前記液晶パネルに表示して遊技者に指示する媒体数指示手段と、前記所定数の遊技の終了後、当該遊技の間に遊技者が獲得した遊技媒体の数を獲得媒体数として計数する獲得数計数手段と、前記媒体数指示手段にて特定された指示媒体数と前記獲得数計数手段にて計数された獲得媒体数とを比較演算する比較演算手段と、前記比較演算手段での比較演算の結果に基づいて前記所定数の遊技の後に行う遊技を特別遊技状態で行うか否かを決定する遊技条件決定手段とを備え、前記遊技条件決定手段は、前記比較演算の結果、前記指示媒体数と前記獲得媒体数との相違が所定の値より小さい場合、前記所定数の遊技の後に行う所定数または複数回にわたる遊技を、遊技者にとって有利な特別遊技状態で行うことを決定するとともに、前記指示媒体数と前記獲得媒体数との相違が小さいほど、当該特別遊技状態で行う遊技数を多くするように構成されたことを特徴とする。
【0009】
上記構成の遊技機によれば、所定数の遊技後に行う遊技を遊技者にとって有利な特別遊技状態で行うか否か、すなわち特別遊技状態への突入条件を、指示媒体数と獲得媒体数との比較演算の結果に基づいて決定する。具体的には、指示媒体数と獲得媒体数との相違が所定の値より小さい場合、所定数の遊技の後に行う所定数または複数回にわたる遊技を、遊技者にとって有利な特別遊技状態で行うことを決定するとともに、その相違が小さいほど当該特別遊技状態で行う遊技数を多くする。したがって、指示媒体数と獲得媒体数との差が小さいときほど遊技者にとって有利な特別遊技状態の遊技数が増えるので、遊技者とっては特別遊技状態への突入条件が技術介入性やゲーム性等に富んだものに感じられるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明に係る遊技機について説明する。ただし、ここでは、本発明をパチスロ機に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0011】
先ず、標準的なパチスロ機の構成について説明する。図1は、パチスロ機の一例の外観構成を示す正面図である。図例のように、パチスロ機1は、前面パネル部2と、これを開閉自在に支持する箱型のキャビネット部3とから構成される。
【0012】
前面パネル部2には、各リールの図柄を3コマ分ずつ表示可能な図柄表示窓21と、遊技媒体であるメダルを投入するためのメダル投入口22と、図柄表示窓21の左側に位置するランプ部23(1枚賭けランプ部23a、2枚賭けランプ部23b、3枚賭けランプ部23c)と、図柄表示窓21の右側に位置するランプ部24(インサートメダルランプ部24a、ウィンランプ部24b、ボーナスゲームランプ部24c、ビッグボーナスゲームランプ部24d、ゲームオーバーランプ部24e、リプレイランプ部24f)と、図柄表示窓21の下側に位置する表示部25(クレジット表示部25a、ペイアウト表示部25b、ボーナスゲーム回数表示部25c)と、図柄表示窓21の上方に位置する液晶パネル部26と、遊技者が操作する操作ボタン(1枚ベットボタン27a、2枚ベットボタン27b、MAXベットボタン27c、スタートレバー27d、リール毎に設けられたストップボタン27e)と、メダルを排出するためのメダル払い出し口28と、そのメダルが排出されるメダル受け皿29と、が設けられている。また、前面パネル部2の裏側には、メダル投入口22に接続され、投入されたメダルの真偽や枚数を判別するメダル判別装置(ただし不図示)が設けられている。
【0013】
図2は、パチスロ機の一例の内部構成を示す概略図である。キャビネット部3の内部には、外周面上に複数の図柄がプリントされた3個のリール31a〜31cと、各リール31a〜31cの回転制御をはじめとした各種制御に必要な回路基板32と、多数枚(例えば200枚)のメダルを貯留可能なホッパ33を持つメダル払い出し装置34と、各種効果音を出力するスピーカ35と、各部への電源供給を行う電源ボックス36と、が組み込まれている。
【0014】
ここで、以上のように構成されたパチスロ機1を使用した遊技の手順およびその際のパチスロ機1での動作の概要について説明する。パチスロ機1を使用して遊技する場合、遊技者は、先ず、メダル投入口22にメダルを投入する。このとき、前面パネル部2では、遊技者にメダル投入を促すべく、インサートメダルランプ部24aが点灯している。
【0015】
メダルの投入があると、メダル投入口22に接続するメダル判別装置は、投入されたメダルが有効なものであるか否かを判別する。そして、メダル判別装置で所定の条件に照らし合格と判別されたメダルは、有効なメダルとしてカウントされ、ホッパ33へと送られる。一方、不合格のメダルは、カウントされずにメダル払い出し口28から返却される。
【0016】
有効なメダルがカウントされると、前面パネル部2では、そのカウント枚数に応じてランプ部23が点灯する。例えば、カウント枚数が1枚であれば、1枚賭けランプ部23aが点灯し、賭数が1枚に設定されたことを遊技者に報知する。カウント枚数が2枚であれば、1枚賭けランプ部23aおよび2枚賭けランプ部23bが点灯し、賭数が2枚に設定されたことを遊技者に報知する。カウント枚数が3枚であれば、1枚賭けランプ部23a、2枚賭けランプ部23bおよび3枚賭けランプ部23cが全て点灯し、賭数が3枚に設定されたことを遊技者に報知する。このように、ランプ部23は、3個のリール31a〜31c上における有効ラインを表示する役割も兼ねている。
【0017】
また、カウント枚数が4枚以上であれば、前面パネル部2では、3枚を超えた枚数分をクレジット表示部25aがデジタル表示する。クレジット表示部25aによる表示(クレジット表示)は、メダルの投入毎に1ずつ加算更新される。なお、クレジット数が予め設定された制限数(例えば50)に達した等の理由によって、インサートメダルランプ部24aが消灯しているときにメダル投入があると、そのメダルはカウントされずにメダル払い出し口28から返却される。
【0018】
ところで、クレジット表示部25aの表示が既に1以上となっている場合には、遊技者は、新たにメダルを投入しなくても、1枚ベットボタン27a、2枚ベットボタン27bまたはMAXベットボタン27cを押下することによって、パチスロ機1を使用して遊技することが可能である。すなわち、クレジット表示部25aの表示が1以上となっている場合に、1枚ベットボタン27aを押下すれば、クレジット表示が1減算更新されるとともに、1枚賭けランプ部23aが点灯する。さらに、減算更新後のクレジット表示が0でなければ、1枚ベットボタン27a押下の度に、2枚賭けランプ部23bおよび3枚賭けランプ部23cが順次点灯する。また、クレジット表示部25aの表示が2以上となっている場合に、2枚ベットボタン27bを1回押下すれば、クレジット表示が2減算更新されるとともに、2枚賭けランプ部23bが点灯する。また、クレジット表示部25aの表示が3以上であれば、MAXベットボタン27cを1回押下することで、ランプ部23が全て点灯し、賭数が3枚に設定される。このように、賭数の設定は、メダル投入のみならず、1枚ベットボタン27a、2枚ベットボタン27bまたはMAXベットボタン27cの押下によって行うことも可能である。
【0019】
賭数の設定後、遊技者が遊技開始を要求するためスタートレバー27dを操作すると、3個のリール31a〜31cは、後述するリール駆動モータ(ステッピングモータ)の駆動によって回転し、図柄の可変表示を開始する。その後、遊技者がストップボタン27eを押下すると、各ストップボタン27eに対応するリール31a〜31cがそれぞれ個別に停止する。ただし、遊技者がストップボタン27eを押下しない場合には、所定時間の経過後に各リール31a〜31cが自動的に停止する。
【0020】
全てのリール31a〜31cが止まると、一遊技が終了するとともに、そのときの図柄表示窓21の有効ライン(入賞判定ライン)上に揃った図柄の組合せが予め定められた「当選役」と比較され、遊技の結果、すなわち入賞の有無が判定される。このとき、賭数が1枚であれば、図柄表示窓21に表示される中段の横1列が入賞判定ラインとなる。また、賭数が2枚であれば、図柄表示窓21に表示される上段、中段、下段の横3列が入賞判定ラインとなる。また、賭数が3枚であれば、図柄表示窓21に表示される横3列と斜め対角線上2列の合計5列が入賞判定ラインとなる。なお、図柄の比較及び判定は、回路基板32上に実現される後述の制御機能によって行われる。
【0021】
遊技結果には、大別すると、「当たり」と「はずれ」と「再遊技」がある。また、「当たり」の例としては、「小当たり(小役)」と「中当たり(レギュラーボーナス)」と「大当たり(ビッグボーナス)」がある。
【0022】
例えば、後述する以外の図柄である小役図柄が入賞判定ライン上に揃うと、遊技結果は、「当たり」の中の「小役」となり、揃った図柄の種類に応じて予め定められた枚数(例えば2枚〜15枚)分だけメダルが払い出され、クレジット表示の加算またはメダル払い出し口28からの返却が行われる。この場合、遊技者には、前面パネル部2のウィンランプ部24bの点灯によって遊技結果が小役入賞であることが報知される。さらには、ペイアウト表示部25bによるデジタル表示によって、メダルの払い出し枚数が報知される。
【0023】
また、レギュラーボーナス図柄(例えば「BAR」)が入賞判定ライン上に揃うと、遊技結果は、「当たり」の中の「レギュラーボーナス」となり、所定枚数(例えば15枚)のメダル払い出しに加えて、「レギュラーボーナスゲーム」と呼ばれる遊技を所定遊技数だけ行うことが可能となる。この場合、遊技者には、前面パネル部2のボーナスゲームランプ部24cの点灯によって遊技結果がレギュラーボーナス入賞であることが報知される。
【0024】
レギュラーボーナスゲーム時には、遊技者にとって有利な遊技状態が所定遊技数(例えば最大12回)だけ続く。レギュラーボーナスゲームでは、遊技毎の賭数が1枚しか認められないが、入賞判定ライン上に所定図柄(例えば「JAC」)を揃えることにより(以下、これを「JAC入賞」という)、所定枚数(例えば15枚)のメダル払い出しが得られる。そして、所定遊技数が終了するか、またはJAC入賞が所定回数(例えば8回)発生すると、レギュラーボーナスゲームは終了し通常の遊技状態に戻る。
【0025】
ビッグボーナス図柄(例えば「7」)が入賞判定ライン上に揃った場合には、遊技結果は「当たり」の中の「ビッグボーナス」となり、所定枚数(例えば15枚)のメダル払い出しに加えて、「ビッグボーナスゲーム」と呼ばれる遊技を所定遊技数だけ行うことが可能となる。この場合、遊技者には、前面パネル部2のビッグボーナスゲームランプ部24dの点灯によって遊技結果がビッグボーナス入賞であることが報知される。
【0026】
ビッグボーナスゲーム時には、遊技者にとってレギュラーボーナスゲーム時よりも一層有利な遊技状態が所定遊技数(例えば最大30回)だけ続く。ビッグボーナスゲームでは、通常の遊技の場合と同様に小役入賞またはレギュラーボーナス入賞の発生によってメダル払い出しが得られるが、その入賞確率が通常よりも高くなる。そして、所定遊技数が終了するか、またはレギュラーボーナス入賞が所定回数(例えば3回)発生すると、ビッグボーナスゲームは終了し通常の遊技状態に戻る。
【0027】
なお、レギュラーボーナスゲームおよびビッグボーナスゲームの消化回数は、前面パネル部2のボーナスゲーム回数表示部25cによる表示を通じて、遊技者に報知される。また、レギュラーボーナスゲーム時およびビッグボーナスゲーム時も、メダルの払い出し枚数については、小役入賞の場合と同様に、ペイアウト表示部25bにデジタル表示される。
【0028】
入賞判定ライン上に同一図柄が全く揃わなかった場合には、遊技結果が「はずれ」となり、遊技者に対して何らの遊技上の特典も与えられない。
【0029】
また、入賞判定ライン上に揃った図柄が再遊技図柄であると、遊技結果は、いわゆる引き分けに相当する「再遊技」となり、メダルの払い出しは行われないが、遊技者は新たなメダルの投入またはベットを行わずに再び遊技を行うことが可能になる。この場合、遊技結果が「再遊技」である旨は、前面パネル部2のリプレイランプ部24fの点灯によって遊技者に報知される。
【0030】
このようにして、一遊技が終了し、遊技結果が決定し、その遊技結果が報知されると、遊技者は、報知された遊技結果に対応しつつ、引き続き次の遊技を行うことになる。ただし、ビッグボーナスゲームの終了後には、「再遊技」への当選確率が通常の場合よりも高くなる「リプレイタイム」等と呼ばれる特別遊技状態を所定遊技数だけ継続できる、といった特典が与えられることもあり得る。
【0031】
なお、遊技結果の報知は、上述したようなランプ部24の点灯ではなく、ランプ部24の点滅やスピーカ35からの効果音の出力等と組み合わせて行うようにしてもよい。
【0032】
次に、以上のような遊技結果の決定をはじめとした各種動作制御を行うために必要となる、パチスロ機1の機能構成について説明する。図3は、パチスロ機の一例の機能構成を示すブロック図である。パチスロ機1の回路基板32上には、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、各種インターフェイス等の組み合わせによって中央制御装置(マイクロコンピュータ)4が構成されている。中央制御装置4は、ROMに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、遊技条件制御部41、内部当選抽選部42、抽選結果報知部43、リール駆動制御部44、当選管理部45、遊技結果報知部46および突入条件管理部47としての機能を実現する。
【0033】
遊技条件制御部41は、遊技の開始条件を管理するためのものであり、メダル判別装置からのメダルカウント通知、1枚ベットボタン27a、2枚ベットボタン27b若しくはMAXベットボタン27cの押下、または「再遊技」の入賞通知があると、遊技が開始可能であると判断し、それに応答して前面パネル部2のランプ部23の点灯やスピーカ35からの効果音の出力等を行うようになっている。これにより、遊技者には、開始しようとする遊技の条件(賭数および有効ライン)が報知される。
【0034】
内部当選抽選部42は、遊技条件制御部41による遊技条件の報知処理後、遊技者によるスタートレバー27dの操作があると、その操作によって開始される遊技について、いわゆる内部抽選を行うものである。内部抽選とは、遊技の結果をどうするか、すなわち遊技の当選役をどの当選役にするかを、その遊技が終了するのに先立って、パチスロ機1の内部で抽選することをいう。
【0035】
内部当選抽選部42では、このような内部抽選を、乱数を利用して行う。つまり、内部当選抽選部42は、スタートレバー27dの操作(遊技の開始)があると、乱数発生器等を用いて乱数を発生する(以下、この乱数を「当選判定用乱数」という)。そして、予め当選判定用乱数の値と当選役の数値範囲との対応関係が記述された当選判定テーブルに基づいて、発生した当選判定用乱数の値がどの数値範囲に属するかを判断する。このようにして、内部当選抽選部42は、発生した当選判定用乱数から導かれる当選役の特定を行う。
【0036】
このとき、当選役決定の基になる当選判定テーブルには、複数の当選役それぞれについての数値範囲が規定されているが、その数値範囲の大きさが当選役毎に異なっており、これにより各当選役に対する当選確率に差が生じている。例えば、「ビッグボーナス」に関する数値範囲は小さいのでその当選確率が低いが、「はずれ」に関する数値範囲は大きいのでその当選確率が高い、といった具合である。
【0037】
つまり、内部抽選は、当選判定用乱数の値が当選判定テーブル上のどの数値範囲に属するかによって決定され、「はずれ」および「再遊技」を含めた複数種類の当選フラグによって表される。どの当選役にヒットするかは、このような当選判定テーブルのデータ設定に応じた確率の下で決まるため、遊技者の技量に極端に左右されることなく、例えば遊技場の1日の営業時間内でのトータル的なメダル支払い率が略一定に維持されることになる。
【0038】
ただし、内部当選抽選部42は、当選確率の異なる複数の当選判定テーブルを有しており、通常の遊技かあるいは特別遊技状態における遊技かに応じて、各当選判定テーブルを使い分けるようになっている。
【0039】
抽選結果報知部43は、内部当選抽選部42での内部抽選の結果に基づいて、いわゆる「リーチ目」や「液晶演出」の出力態様を管理するものである。すなわち、リール駆動制御部44に各リール31a〜31cの停止態様を指示したり、前面パネル部2の液晶パネル部26における動作態様(演出効果)を決定して、その液晶パネル部26に動作指示を与えたりするものである。
【0040】
ここで、「リーチ目」および「液晶演出」とは、内部当選抽選部42での内部抽選の結果を遊技者に報知するためのものをいう。例えば、抽選結果報知部43は、内部当選抽選部42での内部抽選の結果、当選フラグが立っているにも拘わらず、遊技者が各リール31a〜31cの図柄を揃えられなかった場合に、各リール31a〜31cの停止図柄を通常と異なる態様にするようリール駆動制御部44に指示を与える。このように停止制御される表示態様を「リーチ目」という。さらに詳しくは、「リーチ目」は、ボーナス役のように、内部当選していても入賞できなかったが次の遊技以降も内部当選状態を継続させることができる場合に、各リール31a〜31cによって停止表示される。ただし、小役のように内部当選の結果が一遊技のみ有効である場合には、表示しても意味がないことから、「リーチ目」は表示されない。一方、「液晶演出」は、内部当選抽選部42での内部抽選の結果に基づいて、抽選結果報知部43によって表示態様(演出効果)が決定され、液晶パネル部26によって表示される画像のことをいう。
【0041】
リール駆動制御部44は、各リール31a〜31cの回転動作を制御するものである。すなわち、リール駆動制御部44は、遊技者によるスタートレバー27dの操作があると、リール駆動モータに駆動指示を与えて各リール31a〜31cを回転させ、遊技者によるストップボタン27eの押下があると、またはスタートレバー27d操作後に所定時間が経過すると、リール駆動モータに停止指示を与えて各リール31a〜31cを停止させる。
【0042】
ただし、リール駆動制御部44は、各リール31a〜31cを停止させるのにあたって、各リール31a〜31cの引き込み制御を行うようになっている。引き込み制御とは、内部当選抽選部42での内部抽選の結果に沿うように、各リール31a〜31cの停止タイミングを制御することをいう。
【0043】
例えば、ストップボタン27eの押下に応じて各リール31a〜31cを停止させる場合であれば、リール駆動制御部44は、そのストップボタン27eの押下から所定時間(例えば190msec)以内に各リール31a〜31cを停止させるが、その停止までの時間が必ずしも一律ではなく、所定時間の範囲内で内部当選抽選部42での内部抽選の結果に沿うように停止図柄を調整する。これにより、例えば最大で4コマ分だけ各リール31a〜31cの停止位置を調整できるので、内部当選抽選部42での内部抽選の結果が「はずれ」であれば、遊技者が「当たり」を発生させるタイミングでストップボタン27eを押下しても、入賞判定ライン上に図柄が揃わないようにする。一方、内部当選抽選部42での内部抽選の結果が「当たり」であれば、入賞判定ライン上に該当する図柄が揃うように各リール31a〜31cを停止させる。
【0044】
さらに、リール駆動制御部44は、例えば、内部当選抽選部42での内部抽選の結果、当選フラグが立っているにも拘わらず、遊技者が各リール31a〜31cの図柄を揃えられなかった場合に、抽選結果報知部43からの指示に従いつつ、各リール31a〜31cの停止図柄を通常と異なる態様にすることで、「リーチ目」を表示して、内部当選抽選部42での内部抽選の結果を遊技者に報知する、といったことも行い得る。
【0045】
このような引き込み制御は、各リール31a〜31cを駆動するリール駆動モータが、ステッピングモータからなるので実現可能となる。つまり、リール駆動制御部44は、リール駆動モータに対するパルス制御を通じて、各リール31a〜31cの入賞判定ライン上における表示図柄を常に把握することができるので、上述したような引き込み制御を行うことができる。
【0046】
当選管理部45は、リール駆動制御部44が停止させた各リール31a〜31cの入賞判定ライン上における表示図柄を、予め定められた「当選役」と比較し、遊技の結果、すなわちその遊技における入賞の有無を判定するものである。詳しくは、リール駆動制御部44での引き込み制御による停止図柄の調整幅には限界があることから、内部当選抽選部42での内部抽選の結果が「当たり」または「再遊技」であり、かつ、リール駆動制御部44が停止させた各リール31a〜31cの入賞判定ライン上における表示図柄が「当たり」または「再遊技」であれば、遊技結果が「当たり」または「再遊技」であると判定し、それ以外の場合には全て遊技結果が「はずれ」であると判定する。そして、その判定結果に応じて、当選管理部45は、遊技者に対するメダル払い出しを行うように、前面パネル部2のクレジット表示部25aまたはメダル払い出し装置34に指示を与える。
【0047】
遊技結果報知部46は、当選管理部45が判定した遊技結果に応じて、前面パネル部2のランプ部24を点灯(または点滅)させたり、スピーカ35から効果音を出力することによって、その遊技結果を遊技者に対して報知するものである。
【0048】
突入条件管理部47は、ビッグボーナスゲームの終了後に、「リプレイタイム」や「アシストタイム」等といった特別遊技状態に突入するか否かを管理するものである。ただし、突入条件管理部47では、特別遊技状態に突入するか否かを、ビッグボーナスゲームの間に遊技者が獲得するメダル枚数に応じて決定するようになっている。
【0049】
詳しくは、突入条件管理部47では、ビッグボーナスゲームの開始前または開始時に、遊技者が獲得すべきメダル枚数を指示メダル枚数として特定するとともに、そのビッグボーナスゲームの終了後、遊技者が獲得したメダル枚数を獲得メダル枚数として計数し、これらを比較演算した結果に基づいて、そのビッグボーナスゲーム後に行う遊技を特別遊技状態で行うか否かを決定するようになっている。
【0050】
なお、ここでいう獲得メダル枚数とは、ビッグボーナスゲームの間に遊技者に対して払い戻したメダル枚数と、そのビッグボーナスゲームの間に遊技者が投入した(賭けた)メダル枚数との差に相当する。
【0051】
次に、以上のような機能構成を実現する中央制御装置4が遊技機1での遊技の際に行う制御動作例について説明する。図4〜6は、中央制御装置による制御動作例の概要を示すフローチャートである。
【0052】
図4に示すように、遊技者によるメダル投入またはベット操作(1枚ベットボタン27a、2枚ベットボタン27bまたはMAXベットボタン27cの押下)の後(S101)、遊技者によるスタートレバー27dの操作があると(S102)、中央制御装置4は、遊技のための制御動作を開始する。
【0053】
このとき、中央制御装置4では、先ず、内部当選抽選部42が当選判定テーブルの設定を行う。つまり、内部当選抽選部42は、当選確率の異なる複数の当選判定テーブルを有していることから、先ず、開始しようとする遊技が一般遊技中のものであるか、あるいはボーナスゲーム中のものであるかを判断し(S103)、一般遊技中のものであれば、さらに特別一般中カウントが0であるか否か、すなわち開始しようとする遊技がビッグボーナスゲーム終了後の特別遊技状態におけるものか否かを判断し(S104)、特別遊技状態のものでなければ、当選判定テーブルを通常の一般遊技用のものに設定する(S105)。一方、特別遊技状態のものであれば、特別遊技状態の残り遊技数を減らすべく、特別一般中カウントを減算した後に(S106)、当選判定テーブルを特別遊技状態における一般遊技用のものに設定する(S107)。
【0054】
このような設定により、内部当選抽選部42は、例えば特別遊技状態である場合に、特別一般遊技用の当選判定テーブルを用いて「再遊技」への当選確率を通常の場合よりも高くする、といったことを行い得るようになる。そして、当選判定テーブルの設定を行うと、内部当選抽選部42は、その設定した当選判定テーブルを用いて、内部抽選処理を行う(S108)。ただし、開始しようとする遊技がボーナスゲーム中のものであれば(S103)、内部当選抽選部42は、当選判定テーブルの設定を行わずに、そのままボーナスゲームの状態を継続したまま、内部抽選処理を行う(S108)。
【0055】
また、内部当選抽選部42が内部抽選処理を行うと、リール駆動制御部44は、各リール31a〜31cの回転動作を開始する(S109)。このとき、抽選結果報知部43は、内部当選抽選部42での内部抽選の結果を受けて、適宜液晶パネル部26における画像の表示態様(「液晶演出」)を可変させ、遊技者に対する遊戯中演出処理を行う(S110)。
【0056】
その後、遊技者がストップボタン27eを押下するか、または所定時間が経過すると、リール駆動制御部44は、内部当選抽選部42での内部抽選の結果に基づいて各リール31a〜31cの引き込み制御を行いつつ、各リール31a〜31cの回転を停止させる(S200)。
【0057】
詳しくは、図6に示すように、例えばリール毎に設けられたストップボタン27eのうちの一つが遊技者により押下されると(S201)、リール駆動制御部44は、これに対応するリール31a〜31cを停止させる(S202)。続いて、他の一つのストップボタン27eが押下されると(S203)、リール駆動制御部44は、これに対応するリール31a〜31cを停止させる(S204)。さらに他の一つのストップボタン27eが押下されると(S205)、リール駆動制御部44は、これに対応するリール31a〜31cを停止させる(S206)。ただし、各ストップボタン27eの押下順は、遊技者の任意である。したがって、遊技者は、三つのストップボタン27eを順に押下しても、あるいはランダムに押下しても構わない。
【0058】
このようなリール31a〜31cの回転停止処理を行う際に、例えばボーナス役に内部当選しているのに遊技者が入賞できなければ、リール駆動制御部44は、図4に示すように、抽選結果報知部43からの指示に従いつつ、適宜各リール31a〜31cの停止図柄の表示態様を可変させ、遊技者に対する遊戯後演出処理(例えば「リーチ目」の表示)を行う(S111)。
【0059】
リール駆動制御部44が各リール31a〜31cを停止させた後は、図5に示すように、当選管理部45がその遊技における入賞の有無を判定し(S112)、判定結果が「当たり」であれば、遊技者に対するメダル払い出し処理を行うように、前面パネル部2のクレジット表示部25aまたはメダル払い出し装置34に指示を与える(S113)。
【0060】
さらに、当選管理部45は、各リール31a〜31cの停止によって終了した遊技が「レギュラーボーナスゲーム(RB)」中のものであったか否かを判断し(S114)、そうであれば、後述するように、「RB」の終了条件(例えば規定回数の終了)が満たされたかを判断する処理(以下「RB終了判断処理」という)を行う(S300)。また、「RB」中のものでなければ、続いて、当選管理部45は、「当たり」の種類が「RB」であるか否かを判断し(S115)、そうであれば、後述するように、「RB」の開始処理(以下「RB開始処理」という)を行う(S400)。さらに、当選管理部45は、「当たり」の種類が「ビッグボーナスゲーム(BB)」中における「RB」の場合にも(S116)、同様にRB開始処理を行う(S400)。
【0061】
また、「当たり」の種類が「RB」でなければ、当選管理部45は、各リール31a〜31cの停止によって終了した遊技が「BB」中のものであったか否かを判断し(S117)、そうであれば、後述するように、「BB」の終了条件(例えば規定回数の終了)が満たされたかを判断する処理(以下「BB終了判断処理」という)を行う(S500)。また、「BB」中のものでなければ、続いて、当選管理部45は、「当たり」の種類が「BB」であるか否かを判断し(S118)、そうであれば、後述するように、「BB」の開始処理(以下「BB開始処理」という)を行う(S600)。
【0062】
また、遊技の入賞有無の判定結果が「当たり」ではなく、引き分けに相当する「再遊技」である場合には(S119)、当選管理部45は、その旨を遊技条件制御部41へ通知する。これを受けて、遊技条件制御部41は、再遊技成立時のメダル投入条件、すなわち次に開始しようとする「再遊技」におけるメダル投入条件を報知する。詳しくは、再遊技成立時のメダル投入枚数と同一の枚数分だけ、擬似的なメダル投入音をスピーカ35から出力し、さらにはそのメダル投入枚数分だけ前面パネル部2のランプ部23を点灯させる。そして、遊技条件制御部41は、遊技者が新たなメダルの投入またはベットを行わずに再び遊技を行うことを可能にする。
【0063】
次に、以上のような手順において行われるRB開始処理、RB終了判断処理、BB開始処理、BB終了判断処理について、さらに詳しく説明する。
【0064】
先ず、RB開始処理(図5におけるS400)について説明する。図7は、RB開始処理の一例を示すフローチャートである。図例のように、RB開始処理では、当選管理部45がRB遊技中フラグを立てて(S401)、次に行う遊技が「RB」であることを内部当選抽選部42等に通知するとともに、「RB」の終了条件である「JAC入賞」の回数(例えば8回)および最大遊技数(例えば12回)をカウンタに設定する(S402,S403)。このようなRB開始処理を経て開始される「RB」は、次に説明するRB終了判断処理によって「RB」が終了したと判断されるまで継続して行われる。
【0065】
続いて、RB終了判断処理(図5におけるS300)について説明する。図8は、RB終了判断処理の一例を示すフローチャートである。図例のように、RB終了判断処理では、当選管理部45が、「RB」中の遊技結果について、入賞判定ライン上に揃った図柄が「JAC」であるか否かを判断し(S301)、「JAC」であれば「JAC入賞」の回数の減算処理を行った後(S302)、その残り回数が0であるか否かを判断する(S303)。そして、残り回数があれば、当選管理部45は、「JAC入賞」の残り回数をボーナスゲーム回数表示部25cに表示させ(S304)、「RB」のゲーム数の減算処理を行った後に(S305)、その残り回数が0であるか否かを判断し(S306)。残り回数があれば「RB」の残りゲーム数をボーナスゲーム回数表示部25cに表示させる(S307)。一方、「JAC入賞」の残り回数または「RB」の残りゲーム数が0であれば、当選管理部45は、「RB」の遊技中であることを示すRB遊技中フラグをクリアした後に(S308)、「BB」中であるか否かを判断する(S309)。
【0066】
「BB」中であれば、当選管理部45は、「RB」の入賞回数の減算処理を行った後に(S310)、その残り入賞回数が0であるか否かを判断し(S311)、残り回数があれば「RB」の残り入賞回数をボーナスゲーム回数表示部25cに表示させるとともに(S312)、「BB」中に遊技者が獲得したメダル枚数を獲得メダル枚数として突入条件管理部47に計数させる(S313)。
【0067】
このとき、突入条件管理部47は、「BB」中にクレジット表示部25aまたはメダル払い出し装置34が遊技者に対して払い戻したメダル枚数と、その「BB」中にメダル投入口22への投入またはベット操作のあったメダル枚数との差を、獲得メダル枚数として計数する。
【0068】
また、「RB」の残り入賞回数が0であれば(S311)、当選管理部45は、「BB」の遊技中であることを示すBB遊技中フラグをクリアした後に(S314)、詳細を後述するように、獲得メダル枚数を基にした特別遊技状態に突入するか否かの判定処理を突入条件管理部47に行わせる(S700)。
【0069】
このようなRB終了判断処理によって、当選管理部45は、「RB」が終了したか否かを判断する。そして、「RB」が終了すれば、その後に行う遊技は、通常の遊技状態で行われる。
【0070】
次いで、BB開始処理(図5におけるS600)について説明する。図9はBB開始処理の一例を示すフローチャートであり、図10および図11は液晶パネル部による表示画像の具体例を示す説明図である。
【0071】
図9に示すように、BB開始処理では、当選管理部45がBB遊技中フラグを立てて(S501)、次に行う遊技が「BB」であることを内部当選抽選部42等に通知するとともに、「BB」の終了条件である「RB入賞」の回数(例えば3回)および最大遊技数(例えば30回)をカウンタに設定する(S602,S603)。
【0072】
そして、当選管理部45が「BB」の終了条件の設定を行うと、突入条件管理部47は、その「BB」中において、遊技者が獲得すべきメダル枚数を指示メダル枚数として特定する。そのために、先ず、突入条件管理部47は、予め設定されている複数種類のメダル枚数を液晶パネル部26に表示させる(S604)。この表示タイミングは、BB遊技中フラグの成立後以降で、遊技者によるスタートレバー27dの押下までの間のいずれかのタイミングが挙げられる。
【0073】
これにより、液晶パネル部26では、例えば図10に示すような表示画面を表示することになる。なお、図例では、400,500,600枚の3種類を表示しているが、表示する種類およびその枚数の値は、これに限定されるものでないことは勿論である。
【0074】
液晶パネル部26が幾つかのメダル枚数を表示すると、突入条件管理部47は、その中からいずれか一つのメダル枚数を遊技者に選択させ、その選択結果を指示メダル枚数として特定する。すなわち、突入条件管理部47は、図9に示すように、遊技者によるストップボタン27eの操作があると(S605)、例えばそのストップボタン27eが右側端のものであれば(S606)、指示メダル枚数を400枚とする(S607)。また、操作されたストップボタン27eが中央のものであれば(S608)、指示メダル枚数を500枚とする(S609)。また、操作されたストップボタン27eが左側端のものであれば(S610)、指示メダル枚数を600枚とする(S611)。
【0075】
なお、遊技者が操作するボタンと選択結果との対応関係は、予め任意に設定しておけばよく、本実施形態で説明した態様に限定されるものではない。他の態様としては、例えば、遊技者がベット操作によって指示メダル枚数を選択するといったことも考えられる。さらには、専用ボタンを設けることも考えられる。
【0076】
また、突入条件管理部47は、必ずしも指示メダル枚数を遊技者に選択させる必要はない。すなわち、例えば図11に示すように、遊技者に選択させることなく指示メダル枚数を特定し、液晶パネル部26を通じて遊技者に表示するようにしてもよい。この場合の特定は、予め設定しておいた指示メダル枚数を用いたり(固定式)、BB突入時またはスタートレバー27dの押下時に、毎ゲームまたは数ゲーム単位で内部抽選を行って、ランダムに指示メダル枚数を決定したり(ランダム可変式)、例えば400枚→500枚→600枚→400枚…といった具合に、予め設定した複数種類の指示メダル枚数を毎ゲーム周期的に用いたり(規則的可変式)すればよい。なお、上述したランダム可変式や規則的可変式は、指示メダル枚数を遊技者に選択させる場合に適用することも考えられる。
【0077】
このように、BB開始処理では、突入条件管理部47が、その「BB」中において、遊技者が獲得すべきメダル枚数を指示メダル枚数として特定するようになっている。
【0078】
さらに続いて、BB終了判断処理(図5におけるS500)について説明する。図12は、BB終了判断処理の一例を示すフローチャートである。図例のように、BB終了判断処理では、当選管理部45が、「BB」のゲーム数の減算処理を行った後に(S501)、その残り回数が0であるか否かを判断し(S502)、残り回数があれば「BB」の残りゲーム数をボーナスゲーム回数表示部25cに表示させるとともに(S503)、「BB」中に遊技者が獲得したメダル枚数を獲得メダル枚数として突入条件管理部47に計数させる(S504)。
【0079】
このときも、突入条件管理部47は、RB終了判断処理における場合と同様に、「BB」中にクレジット表示部25aまたはメダル払い出し装置34が遊技者に対して払い戻したメダル枚数と、その「BB」中にメダル投入口22への投入またはベット操作のあったメダル枚数との差を、獲得メダル枚数として計数する。
【0080】
一方、「BB」の残りゲーム数が0であれば(S502)、当選管理部45は、「BB」の遊技中であることを示すBB遊技中フラグをクリアした後に(S505)、獲得メダル枚数を基にした特別遊技状態に突入するか否かの判定処理を突入条件管理部47に行わせる(S700)。
【0081】
このようなBB終了判断処理によって、当選管理部45は、「BB」が終了したか否かを判断する。そして、「BB」が終了すれば、その後に行う遊技は、通常の遊技状態または「BB」後の特別遊技状態で行われる。
【0082】
ここで、上述したRB終了判断処理およびBB終了判断処理において行われる、獲得メダル枚数を基にした判定処理(図8および図12におけるS700)について、さらに詳しく説明する。図13は獲得メダル数判定処理の一例を示すフローチャートである。
【0083】
図例のように、獲得メダル数判定処理では、既にBB開始処理にて指示メダル枚数を特定し(図9におけるS604〜S611参照)、BB終了判断処理またはBB終了判断処理にて「BB」中の獲得メダル枚数を計数しているので(図8におけるS313、図12におけるS504参照)、突入条件管理部47がこれらの指示メダル枚数および獲得メダル枚数に基づいて、その比較演算を行う(S701)。
【0084】
比較演算としては、例えば、指示メダル枚数をA、獲得メダル枚数をBとすれば、以下に示す式(1)のように、双方の差の絶対値を演算結果値Cとして求めることが考えられる。
【0085】
C=|A−B|・・・(1)
【0086】
そして、演算結果値Cを求めると、突入条件管理部47は、その演算結果値Cが0であるか否か、すなわち指示メダル枚数Aと獲得メダル枚数Bとが一致するか否かを判断し(S702)、これらが一致すれば特別一般中カウントの値を例えば100に設定する(S703)。これにより、指示メダル枚数の分だけ獲得メダル枚数を得た遊技者に対しては、「BB」の終了後に、例えば100遊技分だけ、「リプレイタイム」や「アシストタイム」等の特別遊技状態が継続する特典が与えられることになる。
【0087】
また、演算結果値Cが0ではないが、1〜50の範囲に収まる場合であれば(S704)、突入条件管理部47は、特別一般中カウントの値を例えば50に設定する(S705)。これにより、指示メダル枚数と差の少ない獲得メダル枚数を得た遊技者に対しては、「BB」の終了後に、例えば50遊技分だけ、特別遊技状態が継続する特典が与えられることになる。
【0088】
また、演算結果値Cが51〜100の範囲に収まる場合であれば(S706)、突入条件管理部47は、特別一般中カウントの値を例えば30に設定する(S707)。これにより、指示メダル枚数と差がやや大きい獲得メダル枚数を得た遊技者に対しては、「BB」の終了後に、例えば30遊技分だけ、特別遊技状態が継続する特典が与えられることになる。
【0089】
また、演算結果値Cが101以上であれば(S708)、突入条件管理部47は、特別一般中カウントの値を例えば0に設定する(S709)。これにより、指示メダル枚数に近い獲得メダル枚数を得られなかった遊技者に対しては、「BB」が終了しても、「リプレイタイム」や「アシストタイム」等といった特別遊技状態による特典は与えられない。
【0090】
つまり、突入条件管理部47は、指示メダル枚数と獲得メダル枚数との比較演算の結果に基づいて、「BB」の後に行う遊技を特別遊技状態で行うか否かを決定するとともに、指示メダル枚数に獲得メダル枚数が近いほど、特別遊技状態で行う遊技数を多くする。
【0091】
ただし、突入条件管理部47による比較演算は、その演算結果値Cとして式(1)のように単に差の絶対値を求めるのではなく、以下に示す式(2)を用いて求めるようにしてもよい。
【0092】
C=A/(|A−B|)・・・(2)
(ただし、A−Bは0でないとする)
【0093】
この場合には、遊技者のランクに応じて、得点の度合いを可変させるといったことが可能になる。例えば、遊技の初心者甲と上級者乙とについて、両者が同時に「BB」に入賞したが、指示メダル枚数選択の際に、甲は初心者なので400枚を選択し、乙は上級者なので500枚を選択し、「BB」終了時の獲得メダル枚数が両者とも450枚だった場合を考える。このとき、式(1)を用いると両者に与えられる特典は同一となるが、式(2)を用いれば、甲についての演算結果値Cは8,乙についての演算結果値Cは10となり、両者への特典を相違させることが可能となる。つまり、例えば初心者にとって有利な特典を与え得るようになり、特に遊技に精通していない遊技者の興趣を高めることが可能となる。
【0094】
なお、これらの比較演算は、単に例示に過ぎず、他の計算方法を用いても構わないことはいうまでもない。また、演算結果値と特別遊技状態の有無およびその遊技数との対応関係も、予め設定しておけば、その設定内容は任意で構わない。
【0095】
そして、特別一般中カウントの値の設定後、突入条件管理部47は、その設定に係る特別遊技状態に関する情報として、例えば指示メダル枚数A、獲得メダル枚数Bおよび演算結果値Cを、液晶パネル部26に表示させる。ただし、この表示は、前面パネル部2の表示部25を用いて行うようにしてもよい。
【0096】
以上のように、本実施形態のパチスロ機1では、「BB」の後に行う遊技を特別遊技状態で行うか否か、すなわち特別遊技状態への突入条件を、その「BB」中の獲得メダル枚数に応じて決定するようになっている。したがって、遊技者とっては、「BB」中の獲得メダル枚数によってその後における特別遊技状態の有無等が決定されるので、自らが特別遊技状態を獲得したという感覚を味わえるようになる。つまり、特別遊技状態への突入条件が技術介入性やゲーム性等に富んだものとなり、遊技者の遊技に対する興趣をより一層高められる。
【0097】
特に、本実施形態のパチスロ機1では、「BB」の開始前または開始時に遊技者が獲得すべき指示メダル枚数を特定するとともに、その「BB」の終了後、遊技者による獲得メダル枚数を計数し、これらの比較演算の結果に基づいて特別遊技状態への突入条件を決定するようになっている。したがって、遊技者にとっては、「BB」中に指示メダル枚数の分だけ獲得メダル枚数を得れば、その後に特別遊技状態という特典が得られるので、例えば枚数合わせゲームのような感覚で特別遊技状態の獲得を目指すことができ、非常に技術介入性やゲーム性等の富んだものとなる。しかも、パチスロ機1側から見れば、指示メダル枚数と獲得メダル枚数との比較によって特別遊技状態への突入条件を決定できるので、その決定を容易かつ的確に行えるようになる。
【0098】
また、本実施形態のパチスロ機1のように、遊技者が獲得すべき指示メダル枚数の特定にあたって、その指示メダル枚数を遊技者に選択させるようにすれば、様々なレベルの遊技者に対応することが可能となる。また、遊技者にとっても、目標とする指示メダル枚数を自分で選択できる。したがって、遊技者が指示メダル枚数を選択し得るようにした場合には、各レベルの遊技者それぞれの興趣を高めることができる。
【0099】
また、本実施形態のパチスロ機1は、指示メダル枚数と獲得メダル枚数との比較演算の結果に応じて、特別遊技状態で行う遊技数をも決定するようになっている。つまり、例えば指示メダル枚数と獲得メダル枚数との差が小さいほど、特別遊技状態で行う遊技数を多くするといったことが可能となる。したがって、遊技者にとっては、「BB」中の獲得メダル枚数がその後の特別遊技状態の長さにも反映されるので、より一層技術介入性やゲーム性等が高いと感じるものになる。
【0100】
なお、本実施形態では、「BB」を構成する各遊技の間に遊技者が獲得した獲得メダル枚数に応じて、特別遊技状態への突入条件を決定する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、獲得メダル枚数の計測対象となる所定数の遊技は、「BB」を構成する各遊技には限られない。
【0101】
したがって、獲得メダル枚数の計測対象となる所定数の遊技は、例えば通常遊技を構成する各遊技であってもよい。この場合、獲得メダル枚数の計測開始タイミングは、稼働開始からの遊技数に応じて決定したり、ランダムな抽選により決定することが考えられる。すなわち、この場合、遊技者から見れば、遊技中に任意のタイミングで指定メダル枚数の選択画面または通知画面が表示され、その後の複数回の遊技中に指定メダル枚数に近い分だけ獲得メダル枚数を得れば、さらにその後に特別遊技状態での遊技を行えるようになるので、これら一連の遊技を枚数合わせゲームのようなゲーム性に富んだ感覚で行えるようになる。
【0102】
また、本実施形態では、本発明をパチスロ機に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、本発明は、パチスロ機以外にも、例えばコインを投入して遊戯するスロットマシンをはじめとした他のアミューズメント機器に適用することが考えられる。したがって、本発明における可変表示手段は、本実施形態で説明した3個のリール31a〜31cによる回胴式のものに限らず、例えばCRT(Cathode Ray Tube)等からなるビデオ表示タイプのものであってもよい。
【0103】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る遊技機は、指示媒体数と獲得媒体数との差に応じて、その後に行う遊技を特別遊技状態で行うか否かとその特別遊技状態の遊技数とを決定するようになっている。したがって、遊技者とっては、指示媒体数と獲得媒体数との差によって、その後における特別遊技状態の有無等が決定されるので、自らが特別遊技状態を獲得したという感覚を味わえるようになる。つまり、特別遊技状態への突入条件が技術介入性やゲーム性等に富んだものとなり、遊技者の遊技に対する興趣が高まることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る遊技機の一例の外観構成を示す正面図である。
【図2】 本発明に係る遊技機の一例の内部構成を示す概略図である。
【図3】 本発明に係る遊技機の一例の機能構成を示すブロック図である。
【図4】 本発明に係る遊技機の一例が備える中央制御装置による制御動作例の概要を示すフローチャート(その1)である。
【図5】 本発明に係る遊技機の一例が備える中央制御装置による制御動作例の概要を示すフローチャート(その2)である。
【図6】 本発明に係る遊技機の一例が備える中央制御装置でのリール回転停止処理の概要を示すフローチャートである。
【図7】 本発明に係る遊技機の一例が備える中央制御装置でのRB開始処理の概要を示すフローチャートである。
【図8】 本発明に係る遊技機の一例が備える中央制御装置でのRB終了判定処理の概要を示すフローチャートである。
【図9】 本発明に係る遊技機の一例が備える中央制御装置でのBB開始処理の概要を示すフローチャートである。
【図10】 本発明に係る遊技機の一例が備える液晶パネル部による表示画像の具体例を示す説明図であり、指定メダル枚数の選択画面の具体例を示す説明図である。
【図11】 本発明に係る遊技機の一例が備える液晶パネル部による表示画像の具体例を示す説明図であり、指定メダル枚数の通知画面の具体例を示す説明図である。
【図12】 本発明に係る遊技機の一例が備える中央制御装置でのBB終了判定処理の概要を示すフローチャートである。
【図13】 本発明に係る遊技機の一例が備える中央制御装置での獲得メダル枚数判定処理の概要を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…パチスロ機、4…中央制御装置、26…液晶パネル部、27d…スタートレバー、27e…ストップボタン、31a,31b,31c…リール、32…回路基板、41…遊技条件制御部、42…内部当選抽選部、43…抽選結果報知部、44…リール駆動制御部、45…当選管理部、46…遊技結果報知部、47…突入条件管理部
Claims (3)
- 液晶パネルを有し、遊技媒体の投入を条件に、複数の図柄列の可変表示および当該可変表示の停止を行い、当該可変表示を停止した際の前記図柄列の表示図柄により一遊技の結果を決定するとともに、決定した結果に応じて遊技媒体の払い戻しを行う遊技機において、
所定数の遊技の開始前または開始時に当該所定数の遊技の間に獲得すべき遊技媒体の数を指示媒体数として特定し、当該指示媒体数を前記液晶パネルに表示して遊技者に指示する媒体数指示手段と、
前記所定数の遊技の終了後、当該遊技の間に遊技者が獲得した遊技媒体の数を獲得媒体数として計数する獲得数計数手段と、
前記媒体数指示手段にて特定された指示媒体数と前記獲得数計数手段にて計数された獲得媒体数とを比較演算する比較演算手段と、
前記比較演算手段での比較演算の結果に基づいて前記所定数の遊技の後に行う遊技を特別遊技状態で行うか否かを決定する遊技条件決定手段とを備え、
前記遊技条件決定手段は、
前記比較演算の結果、前記指示媒体数と前記獲得媒体数との相違が所定の値より小さい場合、前記所定数の遊技の後に行う所定数または複数回にわたる遊技を、遊技者にとって有利な特別遊技状態で行うことを決定するとともに、
前記指示媒体数と前記獲得媒体数との相違が小さいほど、当該特別遊技状態で行う遊技数を多くするように構成されたことを特徴とする遊技機。 - 前記比較演算手段は、前記指示媒体数と前記獲得媒体数の差の絶対値、又は前記獲得媒体数を前記指示媒体数と前記獲得媒体数の差の絶対値で割った値を前記相違として算出することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
- 前記媒体数指示手段は、遊技者が指示媒体数を選択し得るようにしたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
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