JP3804397B2 - 耐食性に優れるスケール付き鋼管 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、ボイラー用、構造用、半導体製造装置用等に用いられ、水蒸気腐食や高温腐食に対する優れた耐食性を有するスケール付き鋼管に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼管の製造において、熱間加工や冷間加工を行う場合、摩擦を下げたり、潤滑特性を向上させる目的で黒鉛、マイカ、ステアリン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硼砂等を単独もしくは混合した種々の潤滑剤が用いられている。これらの潤滑剤は、製管後に酸洗浄やショットブラスト等の脱スケールを行えばスケールとともに除去される。しかしながら、軽い酸洗浄やショットブラストのような簡易な脱スケール法では、管表面の緻密なスケールは完全にはとれない。また、上記のような脱スケールは、設備や工程の増加による管の製造コストの増加につながるため、用途によってはスケールが付着したままで製品として出荷されることも多い。このようなスケール付きの鋼管には、潤滑剤成分の一部がスケールとともに鋼管の内外面に付着したままになる。
【0003】
鋼管は、使用中に水蒸気腐食や高温腐食等、様々な腐食環境に曝される。これらの腐食を促進する物質として、炭酸ガス、二酸化イオウ、硫酸イオン、塩化物イオン等がある。鉄鋼材料の用いられる環境に外部から入ってくるこれらの物質による腐食の促進に対しては、例えばボイラーでは給水や水質に関する基準を設けることにより、安全性を高めるように配慮されているため、現在ではほとんど問題にならない。しかしながら、鋼管自体の表面に残存する上記の潤滑剤成分中のナトリウム(以下、Naと記す)および硫黄(以下、Sと記す)が鋼管の水蒸気腐食や高温腐食の原因となることは、今までほとんど考慮されておらず、したがって、上記の腐食を抑制するための鋼管表面のNa量およびS量の基準も不明であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、スケール中に含まれるNaおよびSの耐食性に及ぼす悪影響を定量的に解明し、Naまたは/およびSに起因する腐食が抑制されたスケール付き鋼管を提供することを目的としてなされた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(1)〜(3)の鋼管を要旨とする。
【0006】
(1) 半径r(単位cm)の鋼管の内面および外面の少なくとも一方に付着するスケール中のNaが〔xNa〕×r/2(単位μg/cm2)以下の耐食性に優れるスケール付き鋼管。
【0007】
(2) 半径r(単位cm)の鋼管の内面および外面の少なくとも一方に付着するスケール中のSが〔xS〕×r/2(単位μg/cm2)以下の耐食性に優れるスケール付き鋼管。
【0008】
(3) 半径r(単位cm)の鋼管の内面および外面の少なくとも一方に付着するスケール中のNaが〔xNa〕×r/2(単位μg/cm2)以下で、かつ、Sが〔xS〕×r/2(単位μg/cm2)以下の耐食性に優れるスケール付き鋼管。
【0009】
上記(1)〜(3)において、〔xNa〕は、使用環境における単位容積当りのナトリウム量(単位μg/cm3)の許容上限値、〔xS〕は、使用環境における単位容積当りの硫黄量(単位μg/cm3)の許容上限値であり、rは、内面スケールを規定する場合は管の内半径、外面スケールを規定する場合は管の外半径である。
【0010】
本発明の対象になる鋼管には、プラグミル方式、マンドレルミル方式のようなマンネスマン製管法、ユージンセジュルネ方式のような熱間押出法、等の熱間加工で製造されたままの鋼管もしくはこれに熱処理を施した鋼管、または、熱間加工後に更に冷間加工を施された鋼管もしくはこれに熱処理を施した鋼管がある。これらの本発明鋼管は、その優れた耐食性を活かして、特にボイラー鋼管用として使用するのに適している。
【0011】
【発明の実施の形態】
Naを含むスケールが付着した鋼管を高温、多湿環境下に置くとアルカリ腐食が促進される。また、Sを含むスケールが付着した鋼管を高温、多湿環境下に置くと、Sが硫酸イオンや亜硫酸イオン、あるいは二酸化イオウになり、いずれも鋼管の腐食を促進する。
【0012】
上記のNaおよびSの悪影響は、これらの成分の存在密度に依存する。さらに、鋼管の内面のスケールに付着したNa、Sの単位面積当りの付着量が一定でも、使用される環境の容積によって腐食の促進の度合いが異なる。
【0013】
本発明者は、スケール中のNaおよびSが耐食性に及ぼす影響を定量的に把握するために、下記の試験を行った。
【0014】
供試材は、質量%で、C:0.13%、Si:0.30%、Mn:0.51%、Cr:1.00%、Mo:0.52%、Ni:0.01%、P:0.02%、S:0.007%、残部:Feの化学組成を有するスケール付き熱間加工鋼管で、内半径が5、10、25または50cmのものである。これらの鋼管に、Naに関しては、ステアリン酸ナトリウムもしくは水酸化ナトリウム水溶液を、Sに関しては、硫酸ナトリウムもしくは硫酸鉄水溶液を管内面に吹き付けて、乾燥させ、スケール中にNaまたはSを含有させてサンプルを作製した。作製したサンプルについて、まず、スケール中のNa量およびS量を後述の[実施例]に示す方法で測定した。次いで同じく[実施例]に示す方法で酸化試験を行い、生成したスケール厚を測定した。
【0015】
図1の(a)は、鋼管の単位容積(一定長さの管の内容積)当りのNaの付着量と大気酸化試験によるスケール生成厚との関係、同図(b)は、おなじくNa付着量と水蒸気酸化試験でのスケール生成厚との関係を示す図である。
【0016】
図2の(a)は、鋼管の単位容積当りのSの付着量と大気酸化試験によるスケール生成厚との関係、同図(b)は、おなじくS付着量と水蒸気酸化試験でのスケール生成厚との関係を示す図である。
【0017】
図1の(a)と図2の(a)に示すとおり、鋼管における単位内容積当りのNaまたはSの付着量と酸化試験後のスケール生成厚には良い相関関係がみられる。たとえば、単位内容積当りのNaの付着量が約20μg/cm3以上で、また、単位内容積当りのSの付着量が約100μg/cm3以上で、スケール生成厚の増大が著しくなる。
【0018】
図1の(b)と図2の(b)を見れば、水蒸気酸化試験でも、ほぼ同じ傾向にあることが分かる。
【0019】
上記の試験結果から、鋼管に付着するNaおよびSの単位内容積当たりの量を一定値以下に押さえれば、大気酸化に対しても水蒸気酸化に対しても優れた耐食性を有する鋼管となることが明らかとなった。
【0020】
前記の評価で用いたNaおよびSの付着量は、管の単位内容積当りの値である。しかし、実際の製造工程で管理しやすいのは、管の単位表面積当たりの付着量である。そこで本発明では、単位表面積当たりのスケール中に含まれるNa量または/およびS量を次のように規制することとした。
【0021】
すなわち、鋼管内面のスケール中に腐食の原因となる任意元素Yが含まれている場合を例にとると、半径r(単位cm)の鋼管の単位長さ1cm当たりの管の内容積はπr2(単位cm3)で、管内面の表面積は2πr(単位cm2)である。ここで、鋼管の材質、鋼管の使用環境、想定耐用年数等によって決まるYの含有量の許容上限値を〔XY〕(単位μg)とし、単位内容積当りのY量の許容上限値〔xY〕とすると、
〔xY〕=〔XY〕/πr2 [単位μg/cm3] …(A)
となり、これは、
〔XY〕=〔xY〕×πr2 [単位μg] …(A−1)
と書き換えられる。
ここで、単位面積当りのスケール中に実際に含まれるY量を〔MY〕とすると、
〔MY〕≦〔XY〕/2πr [単位μg/cm2] …(B)
の式を満たすとき、鋼管は耐食性に優れたものとなる。
(B)式と(A−1)式とから、
〔MY〕≦〔xY〕×r/2 [単位μg/cm2] …(C)
となり、任意元素YをNaまたはSとすれば、次の(1)式および(2)式を導くことができる。
〔MNa〕≦〔xNa〕×r/2 [単位μg/cm2] …(1)
〔MS〕≦〔xS〕×r/2 [単位μg/cm2] …(2)
なお、上記の説明では、鋼管の内面側の閉空間を想定したが、鋼管の内面側と外面側の付着量が同じであっても、外面側では付着元素は拡散し、内面側に比べると腐食の進行が遅いので、外面側も内面側とで同じ基準で管理すれば外表面の耐食性にはまったく問題は生じない。
【0022】
本発明者は、前記の図1および図2に示した鋼管の場合、大気酸化によって生成するスケール厚さが150μm以下、また水蒸気酸化によって生成するスケール厚さが80μm以下であれば、通常のボイラ管の耐食性として十分であることを確認している。しかしながら、更に厳しい使用環境での利用や想定耐用年数の長期化によって更に高い耐食性が要求されることを考慮した場合、たとえば、大気酸化試験で80μm以下、水蒸気試験で50μm以下を基準として、単位面積当りのスケール中に実際に含まれるNaおよびSの含有量を規定すればよい。即ち、上記の図1および図2から〔xNa〕は24μg/cm3以下、〔xS〕は120μg/cm3以下に規定すればよい。これらを前記の(1)式および(2)式に代入して、下記の(3)式および(4)式が得られる。
〔MNa〕≦12r[単位μg/cm2] … (3)
〔MS〕≦60r[単位μg/cm2] … (4)
この(3)式または/および(4)式を満たす鋼管は、あらゆる用途に対して十分な耐食性を有するものであるが、鋼管の材質、使用環境、想定耐用年数等によっては、上記の基準を更に緩和することができる。
【0023】
次に、本発明の鋼管の製造方法を説明する。
【0024】
(1)熱間圧延方式による製管
この製管方式には、プラグミル、マンドレルミル、アッセルミル等による熱間継目無製管方式がある。プラグミル方式では、加熱炉−穿孔機(ピアサー)−延伸圧延機(エロンゲーター)−延伸圧延機(プラグミル)−磨管機(リーラー)−定径圧延機(サイザー)からなるラインを用いる。ピアサーには傾斜ロール式およびプレスロールピアシング式がある。この工程中のエロンゲーター、プラグミルおよびリーラーでは、通常、内面潤滑剤として黒鉛−NaCl(混合比1:1〜2)系の潤滑剤を使用する。また、プラグミルの内面補助潤滑剤としてBORAXと呼ばれるNa2B4O7−金属石鹸系潤滑剤(混合比4:1〜2程度)を使用する場合がある。
【0025】
マンドレルミル方式およびアッセルミル方式は、上記の延伸圧延機としてマンドレルミルおよびアッセルミルをそれぞれ使用する方式である。これらのマンドレルミルおよびアッセルミルでも内面工具のバー表面に黒鉛−有機物系の潤滑剤を塗布使用する。また、内面補助潤滑剤として前記のBORAXを使用する場合がある。その他、延伸圧延機としてピルガーミルを使用する方式もある。
【0026】
上記のように製管工程で使用する各種の潤滑剤としてNaまたは/およびSの含有量ができるだけ少ないものを選ぶこと、潤滑剤の使用量を制限し、かつ管内面への塗布状態を均一化すること、等により、スケール中に混入するNa、S量を制御する。従来、潤滑剤の塗布は、ミル、ロール、管外面等に噴霧して吹き付ける、管内面に投入する等の方法で行われてきたが、このような方法では、管の全長にわたる均一塗布が難しいために、いきおい必要以上の潤滑剤を使用する傾向にあった。そこで、微粒子状の潤滑剤を窒素等の高圧ガスを使って強制的に吹き付ける等の工夫をすれば、均一塗布が可能になり、潤滑剤の使用は必要最小限度に抑えることができ、管の製造コストの削減にもつながる。また、上述した従来の方法で潤滑剤を塗布した後、同じく高圧ガスで余分な潤滑剤を吹き飛ばす等の方法によっても、管表面に付着する潤滑剤を最小限に抑えることができる。
【0027】
(2)熱間押出法による製管
熱間継目無製管方法には熱間押出製管方式として、ガラス系潤滑剤を使用するユジーン式とエルハルト式もある。ユジーン式では内外面潤滑剤にNaOを含むガラスが使用され、ガラス除去のために酸洗処理工程がある。エルハルト式では黒鉛系潤滑剤が使用されるが製管後は酸洗工程などがある。これらの工程で使用する潤滑剤についても、前記のような潤滑剤の選別や均一塗布による使用量の削減によって、スケール中のNaまたは/およびSを減らすことができる。
【0028】
(3)冷間加工を伴う製管、または熱処理を伴う製管
管の冷間加工とは、上記熱間圧延方式もしくは熱間押出方式で得られた継目無鋼管、または溶接製管法で得られた鋼管の薄肉化、強度調整、寸精度向上などを目的に冷間抽伸方式またはピルガーミル方式などによって冷間加工を施すことを言う。
冷間抽伸方式では、抽伸前の鋼管表面に潤滑皮膜を着けるために、通常ステアリン酸ナトリウムを含む液による潤滑処理を施す。この液のpH調整時にも苛性ソーダなどが使用される。一般には、抽出後に酸洗および水洗の工程を経るが、それでも残存するスケール中には、上記潤滑処理剤からNaが混入する。
【0029】
ピルガーミル方式では油脂系の脂肪酸を含む圧延油を使用する。圧延油には潤滑性能を向上させるために硫黄系の極圧添加剤が使用される場合がある。この場合も圧延後は脱脂、酸洗工程があるが、スケール中へのSの混入は避けがたい。
【0030】
上記のような加工後の鋼管には、必要に応じて熱処理が施されるが、スケール中のNaまたは/およびSは、熱処理によって減少することはない。従って、前記冷間加工で使用する潤滑剤の選別および使用量制限によって、スケール中のNaまたは/およびSの量を減らしておく必要がある。
【0031】
【実施例】
表1に示す化学組成を有する鋳片をそれぞれの製管方法で製造した。その際に、使用する潤滑剤成分または潤滑剤の塗布量を変化させることで、鋼管のスケール中のNaおよびS付着量を変化させた。酸化試験前の鋼管に付着したスケール厚は、製造方法によって異なるが2μmから50μmの範囲にあった。
【0032】
得られた鋼管について、下記の方法でNaおよびSの定量分析を行い、かつ大気酸化および水蒸気酸化による酸化試験を実施して耐食性を評価した。
[Na、Sの定量分析方法]
下記の手順で実施した。
(1)約3cm2の面積になるように鋼管を切り出したのち、切断部等の端面を有機樹脂でシールしビーカーに入れて表層スケールのみを50%塩酸水溶液または50%硝酸水溶液で溶解もしくは剥離させる。スケールが残存し、剥離が不十分な場合は、やすり等を用いて機械的に削り落とす。
(2)スケールが水溶液中に残存した場合は、ステンレス鋼製の加圧分解容器にビーカーごと入れて、ステンレス鋼容器を密栓し、ホットプレート(約200℃)上で加圧酸分解を行う。
(3)完全に溶液になったら100mlに純水で定容したのち、Naについては黒鉛炉原子吸光分析法もしくはICP質量分析法で、SについてはICP発光分析法もしくは吸光光度法で、それぞれ分析する。
(4)定量結果は溶液中の値(単位μg/ml)なので、スケールを溶解した単位面積当たりに換算してM(μg/cm2)を求める。また、この値を2倍して鋼管の半径rで割れば単位内容積に対するNa、Sの含有量x(μg/cm3)になる。
[酸化試験方法]
下記の手順で実施した。
(1)試験前に、前記分析に供した鋼管に近接した残材を用いて断面試料を作製し、SEM観察によってスケール厚を予め測定しておく。
(2)大気酸化試験の場合は、大気雰囲気炉(O2:20体積%、N2:80体積%)中で600℃×500時間の酸化試験を実施する。水蒸気酸化試験(水蒸気:100体積%、流量:1時間当たり200〜250ml)の場合も、600℃×500時間の酸化試験を実施する。
(3)試験後、断面試料を作製し、SEM観察によってスケール厚を測定する。
(4)試験後のスケール厚から試験前のスケール厚を引き、試験によるスケール生成厚を求める。
[耐食性評価方法]
上記の大気酸化試験および水蒸気酸化試験によって得たスケール生成厚が大気酸化試験では80μm以下の場合を◎[最良]、80μmを超え150μm以下の場合を○[良]、150μmを超える場合を×[不良]とし、水蒸気酸化試験では50μm以下の場合を◎[最良]、50μmを超え80μm以下の場合を○[良]、80μmを超える場合を×[不良]として評価した。
【0033】
本発明例および比較例の試験条件と酸化試験結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
表1に示すとおり、潤滑剤の塗布量を減らした本発明例では、スケール中に含有されるNaまたは/およびSが少ないので、いずれも大気酸化試験でも水蒸気酸化試験でも優れた耐食性を示した。なお、潤滑剤の使用量を減らしても、高圧ガスによる強制的な微粉状の吹き付けによって均一塗布を実施したので、製管にはまったく支障はなかった。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、ボイラー用等として用いたときに優れた耐食性を示すスケール付き鋼管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種の内半径の鋼管における単位内容積当りのスケール中Na含有量と大気酸化試験または水蒸気酸化試験でのスケール生成厚との関係を示す図である。
【図2】各種の内半径の鋼管における単位内容積当りのスケール中S含有量と大気酸化試験または水蒸気酸化試験でのスケール生成厚との関係を示す図である。
Claims (3)
- 半径r(単位cm)のスケール付き鋼管であって、その内面および外面の少なくとも一方に付着するスケール中のナトリウムの量〔MNa〕(単位μg/cm2)が下記の(1)式を満たす耐食性に優れるスケール付き鋼管。
〔MNa〕≦〔xNa〕×r/2 …(1)
ただし、〔xNa〕は、使用環境における単位容積当りのナトリウム量(単位μg/cm3)の許容上限値であり、rは、内面スケールを規定する場合は内半径、外面スケールを規定する場合は外半径である。 - 半径r(単位cm)のスケール付き鋼管であって、その内面および外面の少なくとも一方に付着するスケール中の硫黄の量〔MS〕(単位μg/cm2)が下記の(2)式を満たす耐食性に優れるスケール付き鋼管。
〔MS〕≦〔xS〕×r/2 …(2)
ただし、〔xS〕は、使用環境における単位容積当りの硫黄量(単位μg/cm3)の許容上限値であり、rは、内面スケールを規定する場合は内半径、外面スケールを規定する場合は外半径である。 - 半径r(単位cm)のスケール付き鋼管であって、その内面および外面の少なくとも一方に付着するスケール中のナトリウム量〔MNa〕(単位μg/cm2)および硫黄量〔MS〕(単位μg/cm2)がそれぞれ下記の(1)式および(2)式を満たす耐食性に優れるスケール付き鋼管。
〔MNa〕≦〔xNa〕×r/2 …(1)
〔MS〕≦〔xS〕×r/2 …(2)
ただし、〔xNa〕は、使用環境における単位容積当りのナトリウム量(単位μg/cm3)の許容上限値、〔xS〕は、使用環境における単位容積当りの硫黄量(単位μg/cm3)の許容上限値であり、rは、内面スケールを規定する場合は内半径、外面スケールを規定する場合は外半径である。
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