JP3804037B2 - コネクタの接続構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、雄・雌の各コネクタが回動しながら低力で嵌合し、あるいはコネクタ嵌合と共に一方のコネクタの端子が回路基板に接続するコネクタの接続構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図17は、実開平5−1178号公報に記載された従来のコネクタ接続構造を示すものである。
この構造は、雄・雌両コネクタ112,113をスライド板114の操作で低挿入力で嵌合させるものである。両コネクタ112,113内には図示しない端子が収容され、端子は電線(図示せず)に接続され、電線は各コネクタハウジング115,116から外部に導出されている。
【0003】
合成樹脂製の雄型のコネクタハウジング115に従動突起117が突設され、合成樹脂製の雌型のコネクタハウジング116に、従動突起117に対するコネクタ嵌合方向のガイド溝118と、スライド板114に対するコネクタ嵌合直交方向のガイド溝119が設けられている。スライド板114には、従動突起117に対する傾斜状のカム溝120が形成されている。
【0004】
スライド板114をガイド溝119内に挿入した状態で、両コネクタ112,113を初期嵌合させ、スライド板114を引くことにより、従動突起117がカム溝120とガイド溝118とに沿ってコネクタ嵌合方向に導入される。これにより、低挿入力でのコネクタ嵌合が可能となる。
【0005】
しかしながら、上記従来の構造にあっては、スライド板114やカム溝120やガイド溝118や従動ピン117といった種々の構成を必要とするために、構造が複雑で、またスライド板114の摺動抵抗等によって倍力効果が少なく、しかもスライド板114の操作が面倒であるといった問題があった。特に、車両に搭載される図示しない機器同士や機器とワイヤハーネス側のコネクタとを接続させる場合等においては、スライド板114を操作するスペースがとれず、コネクタ同士を盲作業で嵌合させる場合も多く、上記構造は不向きであった。
【0006】
上記問題に対応して、特開平10−125400号においては、図18に示すコネクタ接続構造が開示されている。
図18で、60は例えば車両側のパネル、61は機器側のパネルであり、車両側のパネル60に雄型のコネクタ62、機器側のパネル61に雌型のコネクタ63がそれぞれ軸部64,65を支点に回動自在に設けられている。
【0007】
雄型のコネクタ62の内部には雌型の端子66が収容され、雌型のコネクタ63の内部には雄型の端子67が収容されている。本書ではコネクタ嵌合室68を有するコネクタを雌型のコネクタ63と定義している。端子66,67と合成樹脂製のコネクタハウジング69,70とで各コネクタ62,63が構成されている。各端子66,67は図示しない圧着部で電線71,72に接続されている。各端子66,67は各コネクタハウジング69,70の係止ランス等の図示しない係止手段で固定されている。各電線71,72は各コネクタ62,63の基端側から導出され、各パネル60,61に沿って配索されている。
【0008】
機器側のコネクタ63の電線72は例えば雄型のコネクタ73を介して機器内の回路基板74の雌型のコネクタ75に接続される。回路基板74には図示しないプリント回路がパターン形成されている。コネクタ75は回路基板74に固定され、コネクタ74内の雄端子76が回路基板74を貫通してプリント回路(図示せず)にハンダ接続されている。
【0009】
前記各軸部64,65はコネクタハウジング69,70に突設され、各パネル60,61側のブラケット77,78の係合孔79,80に回動自在に係合している。図18の如く車両への機器の組付前において、両コネクタ62,63はほぼ45°の角度で傾斜した状態で前端部を対向ないしは初期係合させている。図18の状態から機器を車両に向けて矢印イの如く押圧して組み付けることにより、両コネクタ62,63が回動しつつ嵌合し、完全嵌合状態で水平に位置する。コネクタ62,63の嵌合により両端子66,67が接続され、機器側の回路基板74が車両側の電源回路や信号回路等に接続される。
【0010】
また、メンテナンス等で機器を車両から取り外す際は、車両に対して機器を引き出すことで、両コネクタ62,63が水平な状態から回動して、図18の如く傾斜しつつ離脱し、コネクタ相互の電気的接続が絶たれ、それによって回路基板74と車両側の回路との接続が絶たれる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図18に示す従来の構造にあっては、機器(組付体)側のコネクタ63を回路基板74に接続するのに電線72とコネクタ73,75とを用いなければならないために、接続構造が大型化、複雑化するという問題があった。また、特にコネクタ63内に端子67の係止手段を設けたり、電線72に対する圧着接続部を端子67に設けたりする関係で、コネクタ63が大型化し、全長も長くなり、機器の矢印イ方向への組付ストロークが大きくなり、車両(被組付体)側の機器組付部のスペースが多く必要になるという問題を生じた。また、機器の取付及び離脱に際してコネクタ63が回動するために、電線72がコネクタハウジング70の基端部との間に挟まれて傷んだり、電線72が屈曲したり、引っ張られて擦れたりして傷みやすいという懸念があった。また、電線72に弛み代をもたせるために線長が長くなり、コスト的にも不利となり、弛んだ電線72が車両と機器との間に挟まれやすいという問題があった。さらに、機器側のコネクタ63と回路基板74側のコネクタ75とが常時接続されている関係で、正規組付時以外に機器側のコネクタ63の端子67に相手側のコネクタ62の端子66が触れたり、誤って機器側のコネクタ63の端子67に通電があったりした場合に、回路基板74に電気が流れ、車両の図示しない補機等が不意に作動したり、あるいは異常に高い電流が流れたりして回路基板74を傷めるといった懸念があった。
【0013】
本発明は、上記した点に鑑み、構造が簡単でコンパクトで、車両等の被組付体に対する機器等の組付体の嵌合ストロークが小さくて済むと共に、電線の挟み込みや引張による傷付きを起こす心配や余長の設定の必要がなく、さらに、組付体を被組付体に組み付ける前において回路基板への不意な通電とそれに伴う回路基板の損傷等を未然に防止することができ、また、機器を車両側に組み付ける構造にも適用できるコネクタの接続構造を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、基板にコネクタが回動自在に設けられ、該コネクタと相手側コネクタとが回動しつつ嵌合するコネクタの接続構造において、前記コネクタの端子の基端側の部分が前記基板側に突出し、該基板の接触部に対する弾性接触部を有し、該弾性接触部が該端子の幅の半分以下の幅に形成され、二列の対向する各端子の弾性接触部が回転対称に位置し、且つ各弾性接触部が対向する各端子の切欠部内に位置し、該コネクタの非嵌合状態で各弾性接触部が該基板に非接触であるコネクタの接続構造を採用する(請求項1)。
前記コネクタに、前記弾性接触部に沿う形状のガイド壁が設けられたことも有効である(請求項2)。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図10は、本発明に係るコネクタの接続構造の一実施形態を示すものである。
図1の如く、機器側(図示せず)の水平な回路基板(基板)1に雌型のコネクタ2がブラケット3で回動自在に支持されている。コネクタ2は、合成樹脂製のコネクタハウジング4と、コネクタハウジング4の基壁(底壁)5を貫通してコネクタ嵌合室6に突出した略J字状の雄型の端子7とで構成されている。
【0016】
端子7は長手方向の中間部が基壁5に圧入やインサート成形等の手段で固定されている。端子7の一方はコネクタ嵌合室内に位置し、他方は基壁5から回路基板1に向けて突出して中央の湾曲状のガイド壁8に沿って位置し、先端側が略J字状に屈曲して、回路基板1のプリント回路(図示せず)に対する弾性接触部9となっている。コネクタ2が45°程度傾斜(傾倒)した状態で、弾性接触部9は回路基板1から少し上方に離間し、弾性接触部9との間に隙間10が生じている。コネクタ2の傾斜状態で相手側コネクタが嵌合接続される。これについては図9〜10で後述する。
【0017】
本例で雄型の端子7は複数本が前後二列にほぼ対称に配列されている。前後の各端子7の弾性接触部9は左右に並列に位置し(図3参照)、前後の各端子7の弾性接触部9の接点は回路基板1の横断方向に同一線上に位置している。回路基板1にはブラケット3が設けられ、ブラケット3にコネクタハウジング4の支持壁11が軸部12で回動自在に係合している。支持壁11は略半円状に形成され、コネクタ2の回動時における回路基板1との干渉が防止されている。
【0018】
雄型の端子7がコネクタハウジング4の基壁5に貫通固定され、自由端側の弾性接触部9で回路基板1に接触するように簡素に構成されているから、従来に較べて雌型のコネクタ2がコンパクト化され、コネクタ2の全長も短くなり、車両に対する機器の組付ストロークも短くなっている。
【0019】
図2の如く、コネクタ2が垂直に回動した時点で、各端子7の弾性接触部9が回路基板1のプリント回路(図示せず)の露出した接触部に弾性的に押接する。これは、軸部12から回路基板1までの垂直距離(最短距離)が図1の軸部から回路基板1までの傾斜距離よりも短くなるためである。この状態は相手側コネクタ(図示せず)がコネクタ2に嵌合した時の状態であり(詳細は図9〜10で後述する)、相手側コネクタと回路基板1とが電気的に接続される。
【0020】
図1のコネクタ未嵌合の状態では、弾性接触部9が回路基板1に非接触であり、コネクタ2と回路基板1との間に電気的な導通がなく、たとえ正規組付時以外で雌型のコネクタ2の端子7に相手側(雄型)のコネクタの端子が触れたり、誤って雌型のコネクタ2の端子7に通電があったりした場合でも、回路基板1に電気が流れて車両の図示しない補機が不意に作動したり、あるいは異常に高い電流が流れて回路基板1を傷めるといった不具合が確実に防止される。
【0021】
図3は上記雄型の端子7を示すものであり、端子7は基板部14の一方に真直なタブ状の電気接触部15、中間部に、コネクタハウジング4(図1)に対する固定部16、他方に弾性接触部9を有している。固定部16には両側に停止用の凸部18が形成されている。弾性接触部9は略J字状ないし略U字状に屈曲している。
【0022】
電気接触部15と固定部16はほぼ同じ幅で形成され、本例で弾性接触部9はその基部から固定部16よりも幅狭に形成されている。前後に対向する各端子7,7は同一形状のものを180°反転させて使用し、弾性接触部9は固定部16の幅の半分以下の幅に形成され、弾性接触部9に隣接して切欠部19が形成され、各端子7の切欠部19内に各弾性接触部9が位置して、前後の各端子7の弾性接触部9が隣接して並列に位置する(図5参照)。前後の各端子7の弾性接触部9は回転対称に位置する。
【0023】
この構造により、前後の端子7,7を千鳥状に配列しなくとも、弾性接触部9同士が干渉することがなく、端子7の高密度化と、従来と同様の並列な端子配列が可能となる。勿論、弾性接触部9を固定部16やタブ状の電気接触部15と同じ幅に形成し、端子7を千鳥状に配列したり、あるいは一列のみで使用することも可能である。
【0024】
図4(a)(b)は端子の他の実施形態を示すものであり、この端子20は基板部21の他方をほぼ90°方向に湾曲させ、その湾曲部22に続いて湾曲方向とは反対の方向に弾性接触部23を略J字状に屈曲形成し、弾性接触部23の両側に保護壁24を立上げ形成したことを特徴としている。
【0025】
弾性接触部23は、基板部21から傾斜状に屈曲した可撓部25と、可撓部25から折り返された折り返し部26とで構成され、自由状態において保護壁24よりも回路基板側に突出し、弾性接触時あるいは外部との干渉時に保護壁24の内側に進入可能である。
【0026】
基板部21の一方にタブ状の電気接触部27、中間部に固定部28と凸部29とが形成されていることは前例の端子7と同様である。湾曲部22をガイド壁8(図5)に密着させることも可能である。この端子20によれば、幅広な弾性接触部23により、回路基板1(図1)に対して強い接触圧力が発揮され、且つ保護壁24で弾性接触部23が確実に保護される。端子20は一列で配置する場合に好適である。
【0027】
図5は、図3の端子7を用いた雌型のコネクタ2を底部側から見た斜視図であり、コネクタハウジング4の基壁5の幅方向中央に略U字状に湾曲したブロック状のガイド壁8が突設されると共に、ガイド壁8の基端側において基壁5に貫通孔30が並列に形成され、貫通孔30内に端子7の固定部16(図3)が位置している。ガイド壁8はコネクタハウジング4の幅方向に延び、先端側に円弧状の湾曲面8aを有している。貫通孔30はガイド壁8の前後に形成されている(図5では前側のみ示す)。貫通孔30は端子7を電気接触部15(図3)側から圧入する場合に形成される。
【0028】
端子7の弾性接触部9はガイド壁8の湾曲面8aとはやや離間し、弾性接触部9と湾曲面8aとの間に隙間31を存している。弾性接触部9は湾曲面8aに沿って湾曲している。弾性接触部9がガイド壁8から離間することで、回路基板1(図1)に対する弾性的な接触が可能となっている。ガイド壁8に沿って端子7の基板部14(図3)と弾性接触部9の基部(付根)側とを密着させることで、端子7の曲げ剛性と回路基板1(図6)に対する位置精度とが高まる。なお、弾性接触部9をガイド壁8に密着させて使用することも可能である。ガイド壁8の両側は略半円状の支持壁11に続き、各支持壁11の外側面に短円柱状の軸部12が突設されている。
【0029】
図6の如く、回路基板1には絶縁基板32の表面側に複数本のプリント回路33がパターン形成され、プリント回路33の端末の接触部34が並列に位置し、接触部34の外側に一対の長孔状のブラケット挿通孔35,35が設けられている。すなわち、一対のブラケット挿通孔35,35の間にプリント回路33の各接触部34が位置している。
【0030】
ブラケット3は好ましくは金属あるいは合成樹脂で形成され、回路基板1の裏面に沿う水平な連結部36と、連結部36の両側に立設された支持部37,37(図1で符号3で示す部分)とで構成されている。各支持部37に、雌型のコネクタ2の軸部12に対する円形の係合孔38が設けられている。支持部37の基端側には、回路基板1に対する前後一対の可撓性の係止爪39,39が設けられている。係止爪39は上側の傾斜面39aと下側の係止面39bとを有している。
【0031】
雌型のコネクタ2にはコネクタ嵌合室40内に基壁5の貫通孔30から端子7のタブ状の電気接触部15が突出している。支持壁11の軸部12には、係合孔38に対する下向きのガイド傾斜面12aを形成しておくのが好ましい。また、コネクタハウジング4の嵌合側前端41を傾斜状に立ち上げて、相手側のコネクタに対する拾い部(案内部)とすることも可能である。
【0032】
図7の如く回路基板1のブラケット挿通孔35にブラケット3の支持部37が挿入され、係止爪39で容易に係止される。係止爪39はブラケット挿通孔35を通過してブラケット挿通孔35の上端縁に係合する。一対の支持部37,37の間にプリント回路33の端末の接触部34が位置している。各支持部37の内面側に沿ってコネクタ2(図6)の支持壁11が挿入され、軸部12(図6)のガイド傾斜面12aが支持部37の先端に摺接することで、支持壁11及び/又は支持部37が軸方向に撓んで、軸部12が係合孔38にスムーズに係合する。支持壁11と支持部37とは摺接する如く近接して位置することが好ましく、それによって端子7(図5)の弾性接触部9と回路基板1の接触部34とが正確に位置決めされる。
【0033】
図8は相手側の雄型のコネクタ43を示すものであり、合成樹脂製のコネクタハウジング44の後端の両側に一対の支持壁45,45が突出形成され、各支持壁45に短円柱状の軸部46が突設されている。コネクタハウジング44の前端には前記雌型のコネクタ2(図6)のタブ状の電気接触部15に対する挿入孔47が設けられ、挿入孔47に続く端子収容室(図示せず)に雌型の端子が収容され、雌型の端子は電線48に圧着接続され、電線48は集束されて車両側のワイヤハーネス49を構成している。
【0034】
図9は、雄型のコネクタ43を車両56側の機器組付穴(機器組付部)51内に回動自在に組み付け、雌型のコネクタ2を機器52側の回路基板1に回動自在に組み付けて、機器52を機器組付穴51内に嵌合させる途中の状態を示すものである。両コネクタ2,43は傾斜して平行に位置している。雄型のコネクタ43の軸部46は例えば機器組付穴51の側壁53の水平な長孔54にスライド自在に係合している。雌型のコネクタ2と回路基板1とは電気的に非接触な状態となっている(図1参照)。
【0035】
図9の状態からさらに機器52を機器組付穴51内に押し込むことにより、雄型のコネクタ43の嵌合前端55が雌型のコネクタ2のコネクタ嵌合室40内に進入し、両コネクタ2,43が相対する方向に回動して、図10の如く機器52の押し込み完了と同時に両コネクタ2,43が起立した状態で完全に嵌合する。この状態で雌側のコネクタ2と回路基板1とが始めて電気的に接触する(図2参照)。それにより、車両側のワイヤハーネス49と機器側の回路基板1とが接続される。
【0036】
なお、上記回路基板1側の雌型のコネクタ2に代えて雄型のコネクタ(図示せず)を用いることも可能である。その場合、端子7(図3)のタブ状の電気接触部15に代えて例えば箱状の電気接触部(図示せず)を形成し、回路基板1側の弾性接触部9はそのままの形状で、雄型のコネクタの基壁に雌型の端子(図示せず)を一体モールド成形する。また、上記実施例においては機器(組付体)52を車両(被組付体)56側に組み付ける構造を示したが、組付体としてメータユニットやその他の電気部品等を用いたり、被組付体として車両以外の構造物等を用いることも可能である。
【0037】
図11(a) 〜(e) 〜図12は、雄・雌コネクタ相互の接続を目的としたコネクタの接続構造の一実施形態を示すものである。
一方のコネクタ(例えば雌型のコネクタ82)と回路基板との接続手段として図1〜図7と同様の構成を用いてもよく、あるいは回路基板は設けずに、図8のようにコネクタ81,82から電線を導出させただけの構造としてもよい。
【0038】
図11(a) の如く、雄・雌両コネクタ81,82は未嵌合状態において同一角度で傾斜して位置し、両コネクタ81,82の前端83,84が対向し、雄型(雄側)のコネクタ81の中心線M1 が雌型(雌側)のコネクタ82の中心線M2 よりも機器85(図12)の移動方向手前側にやや心ずれして位置している。両コネクタ81,82の傾斜角度θ1 ,θ2 は45°である。
【0039】
雄型のコネクタ81の基端側はコネクタハウジング86と一体の略三角形状のブラケット88を軸部90で機器85(図12)側に回動自在に連結している。軸部90は機器85と共に水平に移動する。雌型のコネクタ82はコネクタハウジング87と一体の略三角形状のブラケット89を軸部91でセンタクラスタ92(図12)の機器組付穴(機器組付部)93内に回動自在に連結している。軸部91は水平方向に不動である。
【0040】
両コネクタ81,82は仮ロック手段94,95(図12)によって45°に傾斜した状態に保持されている。仮ロック手段94,95は機器組付穴93の側壁に設けられた突起(仮ロック突起)であり、コネクタ81,82に軽く接触している。仮ロック手段は弾性片(図示せず)であっても構わない。
【0041】
図11(a) において、雄型のコネクタハウジング86の嵌合側前端83は雌型のコネクタハウジング87の底壁96と平行に位置している。底壁96からは雄端子97がコネクタ嵌合室98内に突設されている。雌型のコネクタハウジング87の前端84は、雄型のコネクタハウジング86の前端83を拾ってコネクタ嵌合室98に案内するべく、傾斜状に形成されている。この前端(傾斜部)84の傾斜角度θ3 は46°以上(65°程度)に設定されている。
【0042】
すなわち図11(a) の雌型のコネクタハウジング87の傾斜状態において、上側の側壁99が長く、下側の側壁100が短く形成されることで、前端の傾斜部84が構成されている。また、下側の側壁100の前端は図11(a) の状態で水平に切欠されて逃がし面取(ガイド面取)101となっている。逃がし面取101の傾斜角度は45°である。
【0043】
これらの構成により、図11(b) の如く、雌型のコネクタハウジング87の上側の側壁99の前端側の内面が雄型のコネクタハウジング86の前端側の外面に当接して、両コネクタ81,82の初期嵌合がスムーズ且つ確実に行われる。これは雄・雌両コネクタ81,82の中心が合っていない場合でも同様である。雄コネクタハウジング86,86の前端下側は逃がし面取101によって雌型のコネクタハウジング87の前端84との干渉が防止される。図11(b) は機器85(図12)をやや押し込んだ時のコネクタ初期嵌合状態であり、雄端子97は雄型のコネクタ81側の雌端子(図示せず)に嵌合していない。
【0044】
機器85の押し込み動作に伴って、図11(c) 〜図11(e) の如く雄・雌両コネクタ81,82が倒立する方向(垂直方向)に嵌合していく。図11(c) はコネクタ81,82の半嵌合状態で、端子97…(雌端子は図示せず)は相互に初期嵌合の状態にあり、嵌合力はこれから大きく必要になる。図11(d) は両コネクタ81,82が半分以上嵌合した状態で、端子97…は相互に中途嵌合の状態にあり、まだ大きな嵌合力を必要とする。特に防水パッキン(図示せず)をコネクタ82内に備えた場合には、図11(d) の状態で最大の嵌合力を必要とする。図11(e) は両コネクタ81,82及び端子97…相互の完全嵌合状態を示す。完全嵌合状態で両コネクタ81,82は垂直に倒立して位置する。
【0045】
両コネクタ81,82が低力でしかも垂直方向に起立した状態に嵌合するから、機器85(図12)の挿入空間(機器組付部93)内で両コネクタ81,82を嵌合させることができ、コネクタ嵌合に要するスペースが少なくて済む。
【0046】
図11のコネクタ嵌合状態は、雄型のコネクタ81の軸部90を水平移動させた場合でも、あるいは雌型のコネクタ82の軸部91を水平移動させた場合でも同様に得ることができる。すなわち、何れの軸部90,91を機器85側に連結させてもよい。また、雄・雌コネクタ81,82を上下逆に配置してもよく、その場合は雌型のコネクタ82が機器85側に配置される。
【0047】
図13にコネクタの嵌合原理を示す如く、図11(a) の状態((a) で示す)からの機器85(図12)の水平方向の移動ストロークL1 に対して、雄型のコネクタ81は傾斜方向に嵌合ストロークS1 だけ移動する。嵌合ストロークS1 は移動ストロークL1 よりも小さいから、倍力作用すなわち大きな力で両コネクタ81,82を嵌合させる作用が発揮される。この倍力効果は移動ストロークL1 に対して嵌合ストロークS1 が小さい程、顕著となる。
【0048】
両コネクタ81,82が嵌合していくに従って、移動ストロークL1 に対する嵌合ストロークL2 が小さくなり、倍力効果が高まっていく。図11(d) の状態((d) で示す) では移動ストロークL2 に対して嵌合ストロークS2 が極めて小さくなり、倍力効果が顕著に発揮される。図11(c) 〜図11(e) の状態で両コネクタ81,82の端子97…が相互に接続され、防水パッキン(図示せず)がある場合には尚更嵌合力が必要であるから、上記倍力効果によって多極のコネクタが小さな押圧力(図12の機器85の取付方向(矢印ロ方向)の押圧力)でスムーズに且つ不完全嵌合になることなく確実に接続される。
【0049】
図14〜図15は、雌型のコネクタ82のブラケット89を車両のセンタークラスタ92側のブラケット104に組み付ける状態を順次示すものである。
図14の如く、雌型のコネクタハウジング87の下部両側にブラケット89が突設され、ブラケット89の内面側に短円柱形の軸部91と仮ロック手段である半球状の仮ロック突起107が設けられている。この仮ロック手段は図12で示した仮ロック手段95とは異なる実施形態ものである。
【0050】
仮ロック突起105は軸部104の側方に位置している。センタクラスタ92には、ブラケット89に対して一対の略三角形状のブラケット104,105が隣接して突設され、一方のブラケット104に、軸部91に対する係合孔108が設けられている。仮ロック突起107は一方のブラケット104の外周縁109に当接し、それによりコネクタ82の回動が阻止される(仮ロックされる)。
【0051】
仮ロック突起107は雄型のコネクタ81(図12)にも設けられる。両コネクタ81,82が仮ロック手段で傾斜した状態に保持されることで、両コネクタ81,82の心出し・位置合わせがスムーズ且つ確実に行われる。
【0052】
図15の如く、ブラケット89の軸部91がブラケット104の係合孔108に回動自在に係合する。仮ロック突起107は両ブラケット89,104の隙間Cよりも若干高く突出しており、仮ロックの状態からコネクタ82を回動方向に押圧することで、仮ロック突起107が隙間C内に進入し、仮ロックが解除される。
【0053】
図16は、インストルメントパネル110側のセンタークラスタ92の機器組付穴93に、機器の一例であるカーステレオ851 を組み付ける状態を示すものである。
カーステレオ851 の裏面側に雄型のコネクタ81が図14〜図15と同様の手段によって仮ロックされた状態で配置され、機器組付穴93内に図14の雌型のコネクタ82が同様に仮ロックされた状態で配置されている。カーステレオ851 を機器組付穴93に挿入することで、図11の如く両コネクタ81,82が低力で自動的に嵌合接続され、コネクタ81,82の嵌合作業が不要となる。機器はカーステレオ851 に限らず、エアコン等であってもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、両コネクタが回動しながら嵌合した際に、弾性接触部が基板の接触部に接触し、コネクタと基板とが初めて接続される。このように、コネクタの非接続状態においては基板とコネクタとが非接続であるから、正規組付時以外にコネクタの端子に相手側コネクタの端子が触れたり、誤ってコネクタの端子に通電があったりした場合でも、基板に電気が流れることがなく、例えば車両の図示しない補機等が不意に作動したり、異常に高い電流が流れて基板を傷めるといった不具合が確実に防止される。また、端子の弾性接触部が基板の接触部に接触して基板との電気的接続を行う構造であるから、従来の端子と電線との接続構造が不要で、構造が簡素化され、コネクタがコンパクト化、短縮化される。それにより、コネクタの組付スペースが小さくて済むと共に、例えば一方のコネクタ側の車両等に対する他方のコネクタ側の機器等の組付ストロークが小さくて済む。また、基板との接続に従来のような電線を用いないから、電線の弛みや挟み込みがなく、電気的接続の安全性、信頼性が向上する。
【0055】
また、コネクタの前後に各端子を対向して配置しても、弾性接触部同士が干渉せず、端子の高密度化とコネクタのコンパクト化が可能となる。また、請求項2記載の発明によれば、ガイド壁によって端子の一部が支持されて姿勢が安定し、基板の接触部に対する弾性接触部の位置精度が向上し、確実な接続が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコネクタの接続構造の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】同じくコネクタの端子と回路基板とが接続された状態を示す縦断面図である。
【図3】端子の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図4】 (a) は端子の他の実施形態を示す斜視図、(b) は同じく側面図である。
【図5】コネクタを底部側から見た斜視図である。
【図6】コネクタを回路基板に支持する構造を示す分解斜視図である。
【図7】回路基板にブラケットを組み付けた状態を示す斜視図である。
【図8】相手側のコネクタを示す斜視図である。
【図9】機器を車両に組み付ける(コネクタ嵌合前の)状態の一実施形態を示す縦断面図である。
【図10】機器を車両に組み付けた(コネクタ嵌合)状態を示す縦断面図である。
【図11】 (a) 〜(e) は雄・雌両コネクタの接続状態を経時的に示す縦断面図である。
【図12】機器を車両に組み付ける状態の他の実施形態を示す縦断面図である。
【図13】機器の移動ストロークとコネクタの嵌合ストロークの関係を示す説明図である。
【図14】コネクタを車両側に組み付ける状態を示す分解斜視図である。
【図15】同じくブラケットを相互に係合させた状態を示す縦断面図である。
【図16】車両に機器を組み付ける状態を示す分解斜視図である。
【図17】一従来例を示す分解斜視図である。
【図18】他の従来例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 回路基板(基板)
2,82 雌型のコネクタ
7 端子
8 ガイド壁
9 弾性接触部
34 接触部
43,81 雄型のコネクタ
51,93 機器組付穴(機器組付部)
52,85 機器
83,84 前端
94,95,107 仮ロック突起(仮ロック手段)
Claims (2)
- 基板にコネクタが回動自在に設けられ、該コネクタと相手側コネクタとが回動しつつ嵌合するコネクタの接続構造において、前記コネクタの端子の基端側の部分が前記基板側に突出し、該基板の接触部に対する弾性接触部を有し、該弾性接触部が該端子の幅の半分以下の幅に形成され、二列の対向する各端子の弾性接触部が回転対称に位置し、且つ各弾性接触部が対向する各端子の切欠部内に位置し、該コネクタの非嵌合状態で各弾性接触部が該基板に非接触であることを特徴とするコネクタの接続構造。
- 前記コネクタに、前記弾性接触部に沿う形状のガイド壁が設けられたことを特徴とする請求項1記載のコネクタの接続構造。
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