JP3803719B2 - バルブユニットの油圧調整装置およびその調整方法 - Google Patents

バルブユニットの油圧調整装置およびその調整方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3803719B2
JP3803719B2 JP2000015995A JP2000015995A JP3803719B2 JP 3803719 B2 JP3803719 B2 JP 3803719B2 JP 2000015995 A JP2000015995 A JP 2000015995A JP 2000015995 A JP2000015995 A JP 2000015995A JP 3803719 B2 JP3803719 B2 JP 3803719B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adjustment
hydraulic
hydraulic pressure
pressure
screw
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000015995A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001208228A (ja
Inventor
利幸 玉井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2000015995A priority Critical patent/JP3803719B2/ja
Publication of JP2001208228A publication Critical patent/JP2001208228A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3803719B2 publication Critical patent/JP3803719B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Valve Housings (AREA)
  • Electrically Driven Valve-Operating Means (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動変速機の各油圧機器の作動を制御するのに用いられるバルブユニットの出力油圧(あるいは管理油圧)を調整するバルブユニットの油圧調整装置およびその調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊星歯車機構などの歯車式自動変速機や一対の可変溝幅プーリーを用いたベルト式無段自動変速機といった多くの自動変速機では、制御用のクラッチやブレーキに油圧を加えたり、制御用の油圧室に所定の油圧を供給したりすることにより、遊星歯車機構の組み合せや可変溝幅プーリーの溝幅を制御して、必要な変速段や変速比の切換えを行なっている。
【0003】
通常、切換えには、各種バルブを組合わせて一つにユニットに構成したバルブユニットが用いられる。一般的には、バルブユニットは、共通なバルブボディに、シフト用スプールバルブ、シフト用ソレノイドバルブなど多くの制御バルブを組み付けて、変速制御に必要な油圧回路を組んだ構造が用いられる。このバルブユニットが、ミッション本体、すなわちトルクコンバータ用ダンパクラッチ、シフト用クラッチ、ブレーキや可変溝幅プーリーの油圧室などの機器が内蔵されているミッションケースに組み付く。そして、バルブユニットに対しては、外部のオイルポンプ、すなわち走行用エンジンで駆動されるオイルポンプの油圧が、バルブボディの入口ポートから内部の油圧回路を通じて出口ポートからミッションケース側へ導かれるようになっていて、シフト操作で油圧回路を形成しているスプールバルブやソレノイドを操作すると、それに連動して、油路がバルブの動きにより切換わったり、クラッチやブレーキがオンオフしたりなどして、変速を滑らかに行うための制御が実施され、ミッション本体側にあるシフト用クラッチ、可変溝幅プーリーといった変速機器が必要な変速段,変速比になるようにしてある。
【0004】
バルブユニットは、適正に調圧された油圧が求められる。
【0005】
このため、バルブユニットでは、制御油圧をフィードバックして必要な油圧に調圧する調圧バルブを組付けて、油圧回路を形成することが行なわれている。近時では、アジャストスクリュー(調整ねじ)が付属された調圧バルブを用いることが行われている。
【0006】
アジャストスクリュー付バルブユニットでは、自動車の運転パターンのとき、油圧回路中の油圧が、定められた適正な油圧、すなわちスペックの範囲内に収まっていることが必要である。この油圧は機械加工部品の精度等によりバラツクため、スペック内に収めるには加工精度をかなり上げる必要がある。加工精度を上げるのは部品点数を考えるとコスト上有利ではないので、組立てられた製品で最終調整する方法が考えられる。
【0007】
このため、同バルブユニットでは、油圧調整装置を用いて自動調整して、バルブユニット毎に、適正な出力油圧(または管理油圧)に調整すること行われている。通常、この自動調整には、バルブユニットを組み立てるライン中に調整ステーションを形成し、同ステーションに油圧調整装置を設置し、同装置で、油圧回路(バルブユニット)の所定位置にあるポート、すなわち出口ポートやチェックポートの油圧が、予め設定したスペックに収まるよう、調圧バルブに付いているアジャストスクリューを回転させることが行われている。
【0008】
一般的には、バルブユニットの油圧調整装置は、バルブユニットと組み合うミッション本体に相当する疑似設備(エンジン駆動の油圧ポンプを含む)、バルブユニットから出力される油圧を計測する油圧計測部、調圧バルブのアジャストスクリューを回転操作するスクリュー操作装置、スクリュー操作装置を制御する制御部、計測した油圧が設定されたスペック内に収まるかを判定する判定部を組合わせた構造が用いられる。そして、調整ステーションにおいて、バルブユニットを疑似設備に接続し、あらかじめ設定された運転パターンの諸条件(変速段,エンジン回転数など)を満たすよう、疑似設備からバルブユニットへ油圧を与えて、スクリュー操作装置で、バルブユニットのポート(出口ポートやチェックポートなど)から出力される油圧と、あらかじめ設定されたスペックとの対比にしたがい、調圧バルブのアジャストスクリューを該差が是正される方向(正転方向あるいは逆転方向)へ、アジャストスクリューで設定されている1回転当たりの油圧変化量(生産ワークの統計値より求まる値)と両油圧の差とから求まる回転数だけ回転させて、バルブユニットのポートからの油圧出力をスペックの油圧範囲内に収めるようにしている。アジャストスクリューの調整後、油圧調整が不十分(スペック内に収まらないとき)なときは、上記アジャストスクリューの調整を繰り返し行なう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、バルブユニットは、各部の精度や油路の精度のばらつきにより、製品誤差がある。この製品誤差を受けて、アジャストスクリューで変化する一回転当たりの油圧変化量(生産ワークの統計値から求まる値)も、バルブユニットの製品毎に差が見られる。しかも、同一のバルブユニットでも、アジャストスクリューの締付位置で一回転当たりの油圧変化量が変化することがある。
【0010】
このため、予めアジャストスクリューで設定してある設定値(一回当たりの設定油圧変化量)は、実際にはそれよりも大きな油圧変化量となることがある。
【0011】
このような実際の変化量が大きい場合、アジャストスクリューは、スペックの範囲を超えて過回転するので、何度、繰り返し調整しても、バルブユニットの油圧は、スペックの範囲内に収まらないことがある。
【0012】
また逆にアジャストスクリュー設定値(一回当たりの設定油圧変化量)が、実際の油圧変化量より小さい場合、油圧がスペックの範囲内に収まるまでの調整回数が増えてしまう。
【0013】
調整不能を回避するためには、アジャストスクリューの回転数を予め想定される製品誤差よりも小さい値、例えば算出される必要量の70〜80%に抑制して、アジャストスクリューの過回転を防げばよいが、これだと、スペックの範囲内に油圧が収まるまでの調整回数は増える傾向にあり、先の実際の油圧変化量が小さいときと同様、油圧調整に費やす時間がかかる。
【0014】
ラインでは、生産性の向上のために、タクトタイムの短縮化が求められているので、こうした時間のかかる油圧調整の仕方の見直しが求められている。
【0015】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、調整不能を回避しつつ、油圧調整に費やす時間の短縮化が図れるバルブユニットの油圧調整装置およびその調整方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1のバルブユニットの油圧調整装置および請求項2の油圧調整方法は、1回目の調整で油圧回路の所定位置での油圧と予め設定された設定油圧との差にしたがいアジャストスクリューを回転させ、1回目の調整で油圧調整が不十分なとき、2回目以降は油圧調整前・後の油圧差と実際の調整を施したアジャストスクリューの回転数とから求めた1回転当たりの油圧変化量を用いて設定油圧との差を埋める技術を採用した。
【0017】
これにより、油圧調整は、実際の油圧変化量にしたがいアジャストスクリューが回転されるので、製品誤差がもたらす調整不能が発生せずに、最少調整回数で、油圧が予め設定された設定圧力の範囲内に収められる。しかも、同一バルブユニットでありながら、アジャストスクリューの締付位置で油圧変化量が変化するような場合でも調整が行なえる。
【0018】
そのうえ、油圧変化量は、アジャストスクリューの回転角に連続して変化するので、調整角近傍での油圧変化量が得られ、高い精度での微調整が可能となる。
【0019】
それ故、短時間でスペック範囲を縮小した調整が可能となり、製品の品質の安定化も図れる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1ないし図3に示す一実施形態にもとづいて説明する。なお、本設備はバルブボディのテスト工程の一環として調整工程に設けている。
【0021】
すなわち、図1は、例えばベルト式無段変速機に組付くバルブユニット1を組み立てる組み立てラインの一部を示していて、図中2はパレット3を搬送する長尺な搬送路である。搬送路2の途中には、パレット3上で、バルブユニット1の各部を順に組み立てる各種組立ステーション(図示しない)がある。
【0022】
バルブユニット1は、例えば共通な偏平箱形のバルブボディ4の内部に、変速制御に必要な油路(図示しない)を形成し、同油路の各部に各種バルブ、例えばシフト用スプールバルブ5、シフト用ソレノイドバルブ6、アジャストスクリュー7付の調圧バルブ7a,7bなどを組付けて、変速制御の油圧回路を構成してある。なお、例えばバルブユニット1の入口ポート8(油圧ポンプからの油圧を受けるポート)、出口ポート9(トランスミッション本体に対して油圧を出力するポート:図では一つしか図示しない)、さらには油圧回路の各部油圧を検出するためのチェックポート10、ソレノイドバルブ6の端子(図示しない)は、例えばバルブボディ4の幅方向一側に配置してある。調圧バルブ7a,7bは、それらとは反対側の幅方向他側に配置してある。そしてこのバルブボディ4の他側面から、調圧バルブ7a,7bの各アジャストスクリュー7が外部へ突き出ている。このバルブユニット1が、図1中の二点鎖線で示されるようにパレット3に横向きに載せながら搬送される
搬送路2の下流側には、組み立てを終えたアジャストスクリュ7a,7b付バルブユニット1の油圧調整(出力油圧,管理油圧)を行なう調整ステーションAが形成してある。この調整ステーションAに油圧調整装置11が設置してある。
【0023】
同油圧調整装置11について説明すれば、図中12は例えば搬送路2の上方に配置されたユニット保持機構を示している。ユニット保持機構12は、例えば対の開閉可能なクランパー13から構成され、これで横向きのバルブユニット1を縦向きの姿勢に変えて両側から保持してから、ポート側を先頭にユニット全体を搬送路2の側方へ移動させるようにしている。
【0024】
この各ポートが向く搬送路2の側方には、疑似設備15が設置されている。疑似設備15は、例えば設備本体16内に、ミッション本体に内蔵されている機器に相当するシフト流路切換用のマニュアルバルブ、シフト用クラッチ類、シフト用ブレーキ類や変速機器類(歯車機構や可変プーリなど:いずれも図示しない)などが組付けてあり、バルブユニット1と組合うミッション本体に相当する構造にしてある。また疑似設備15には、自動車の走行用エンジンで駆動されるエンジン駆動式オイルポンプに相当するオイルポンプ17、オイルを回収するオイルパンに相当する部品(図示しない)も組付けてあり、各部の設定により、ミッション本体が作動しているときと同じ油の流れが得られるようにしてある。設備本体16の前面には、あらかじめバルブユニット1のポート類の配置にしたがって、接続用のオイル出口19(オイルポンプ17の吐出側につながるポート)、接続用の各種オイル入口20(バルブユニット1の各油圧出力を受けるポート:図中では1つしか図示せず)が形成されていて、バルブユニット1がクランパー13によって縦向きのまま、疑似本体16の前面に押し付けられると、油圧の出入りをなす両ポート同士が接続されて、疑似設備15側の油圧回路(図示しない)とバルブユニット1側の油圧回路(図示しない)とが接続されるようにしてある。また設備本体16の前面には、バルブユニット1のソレノイドバルブ端子の位置に対応して端子接続部21が組付けられ、バルブユニット1の押し付けを利用して、端子と端子接続部21とが接続されるようにしている。つまり、外部(疑似設備15)からソレノイドバルブ6の操作が行なえるようにしてある。また出口ポート9やバルブユニット1のチェックポートと向き合う前面部分には、油圧計測部であるところの圧力センサー22が組込まれていて、バルブユニット1の油圧調整に必要な油圧回路の各部の油圧検出が行なえるようにしている。
【0025】
一方、搬送路2を挟んだ疑似設備15と反対側には、スクリュー操作装置24が設置されている。スクリュー操作装置24は、例えば搬送路2の側方に、アジャストスクリュー7の先端にあるボルト頭部7cと嵌合可能なソケット25を配置し、これに、同ソケット25をステッピングモータ26で回転させる回転機構27と、同ソケット25をボルト頭部7c位置まで導く誘導機構、例えばソケット25をモータ29で昇降させる昇降機構28やソケット25をモータ29aでボルト頭部7cと嵌合させる位置まで横方向から前進させる進退機構29とを組合わせた構造が用いられる。これらの構造により、疑似設備15と組み合わさったバルブユニット1における各アジャストスクリュー7a,7bの回転操作が行なえるようにしてある。
【0026】
他方、30は制御部である。制御部30は、例えばマイクロコンピュータを有して構成されている。同制御部30は、疑似設備15、各圧力センサー22、スクリュー操作装置24に接続されている。同制御部30には、バルブユニット1の油圧調整を行なうための再現モードが設定されている。同モードは、各種の運転パターン、例えば自動車があるエンジン回転数、例えば2500(r/min)で、ある変速段、例えばDレンジで走行するに相当する運転パターンなどで形成されている。このモードにより、疑似設備15側からバルブユニット1に対して、シフト操作に相当する各種バルブの動き、ソレノイドバルブ6のデューティ制御、さらにはエンジン回転数がもたらすときに相当する油圧が与えられるようにしている。
【0027】
また制御部30には、同運転パターンのとき、油圧回路(バルブユニット1)の各部圧力が予め設定された設定油圧の範囲内、すなわちスペックの範囲内に収まるよう、スクリュー操作装置24を操作する調整モードが設定されている。同調整モードは、
a.上記運転モードで運転中、同モードで適正な圧力に保たれていなければならない油圧回路(バルブユニット1)の個所の油圧を、同個所にある圧力センサー22から計測する機能。
【0028】
b.同計測した調整前の油圧とスペックの範囲との差から、同差を埋めるのに必要なアジャストスクリュー7の回転数を演算する機能。
【0029】
c.同回転数にしたがってスクリュー操作装置24を通じて、バルブユニット1のアジャストスクリュー7を回転させる機能(第1調整手段)。
【0030】
d.調整後の油圧を計測する機能。
【0031】
e.同油圧がスペックの範囲内に収まっているか否かの合否を判定する機能(判定手段)。
【0032】
f.否と判定されたときは、調整前の油圧と調整後の油圧との差と、実際に調整に施したアジャストスクリュー7の回転数とから、実際の1回転当たりの油圧変化量を算出し、2回目の油圧調整以降は、同油圧変化量にもとづき設定油圧との差を埋めるのに必要なアジャストスクリュー7の回転数を演算して、アジャストスクリュー7を回転させる機能(第2調整手段)。
【0033】
との組合わせから構成されている。
【0034】
この調整モードにより、できるだけ調整回数を抑えて、バルブユニット1での油圧調整が行なえるようにしている。
【0035】
すなわち、アジャストスクリュー調整を説明すれば、今、組付けを終えたバルブユニット1がパレット3に載せられたまま、調整ステーションAに到着したとする。すると、クランパー13は、その地点に位置決め停止されたことを受けて作動を始め、パレット3の横向きになっているバルブユニット1を前後方向から起して縦置きにする。続いて、縦置きのバルブユニット1を両側からクランプして、疑似設備15側へ移動させる。そして、各種ポートがある側面を設備本体16の前面に押し付け、バルブユニット1の各ポート類を疑似設備15側のポート類に連通接続させる。これと共に、バルブユニット1の各チェックポート10には圧力センサー22が配置され、同ポート開口が設備本体16の前面で蓋され、チェックポート10で油圧検出が行なえる体制が整う。
【0036】
ついで、制御部30により、疑似設備15が制御され、疑似設備15を所定の運転パターンで運転する。例えばエンジン回転数が2500(r/min)、変速段がDレンジで、例えば自動車が走行するときに相当する調整用の運転パターンを作り出す。すると、疑似設備15側から、この運転パターンがもたらす圧力の油圧がバルブユニット1の油圧回路へ与えられる。
【0037】
これにより、バルブユニット1のスプールバルブ類は、疑似設備側15での油路の切換え(Dレンジ)にしたがい変位し、バルブユニット1の油圧回路はDレンジでのプーリー溝の可変制御に適した油路の流れに切り換わる。さらに関連するソレノイドバルブ類は、所定のディーティ比で駆動され、可変溝幅プーリーの油圧室に加わる油圧を変化させる。
【0038】
つまり、バルブユニット1の各部には、調整条件の運転パターンがもたらす油圧が作用するようになる。
【0039】
この状態からアジャストスクリュー7の調整を始める。図2には、同調整に係るフローチャートが示されている。
【0040】
つぎに、同調整方法をフローチャートにもとづき説明する。
【0041】
すなわち、制御部30により、まず、Dレンジ時、油圧が所定の範囲内に圧力を保てなければならない地点にあるチェックポート10の圧力センサー22から同地点の油圧を計測する。これにより、調整前の油圧計測が行われる(ステップS1)。
【0042】
ついで、制御部30は、予め設定された圧力範囲、すなわちスペック内の中央の設定油圧値と、計測した油圧値との差を求め、予めアジャストスクリュー7で設定されている1回転当たりの油圧変化量(生産ワークの統計値から求めたもの)から、同差を埋めるのに必要なアジャストスクリュー7の回転を演算する(ステップS2)。
【0043】
具体的には、制御部30は、
Yn=(Xn−((B+C)/2))/An
なる与式にしたがい演算を行ない、アジャストスクリュー7の調整回転数Ynを求める。但し、Xn:計測油圧、B:スペックの上限、C:スペックの下限、An:1回転当たりの変化量。
【0044】
ついで、制御部30は、スクリュー操作装置24を作動させて、ソケット25を、バルブユニット1の側面から突き出ているアジャストスクリュー7a,7bのうち、Dレンジ時の圧力に関係する側、例えば下段側のアジャストスクリュー7bのボルト頭部7cに嵌合させる。
【0045】
続いて、ステッピングモータ26を作動させ、アジャストスクリュー7bを求めた調整回転数Ynにしたがって回転させる。
【0046】
これにより、第1回目のアジャストスクリュー7bの調整が行われる(ステップS3)。
【0047】
この調整後、再び同じ地点の油圧を計測する(ステップS4)。
【0048】
ついで、この計測した油圧がスペックの範囲内か否かの判定が行なわれる(ステップS5)。
【0049】
計測した油圧値がスペックの範囲内に収まっていれば、同運転パターンにおける油圧調整を終える(ステップS6)。
【0050】
このとき、バルブユニット1の製品誤差により、実際の変化量が大きいような場合、図3に示されるようにアジャストスクリュー7は、スペックの範囲を超えて過大回転する。
【0051】
このままでは、繰り返し調整しても、スペックの範囲内に収まらない事態を招く。
【0052】
このような場合、つぎのステップS7へ進み、1回目のような予め設定されている固定的な設定値(油圧変化量)によるスクリュー調整から、実際の油圧変化量によるスクリュー調整に切り換わる。
【0053】
すなわち、制御部30では、調整前の油圧値と調整後の油圧値との差と、実際に調整に施したアジャストスクリュー7の回転数とから、アジャストスクリュー7の実際の1回転当たりの油圧変化量を演算する。
【0054】
具体的には、制御部30は、
An=(Xn+1−Xn)/Yn
なる与式にしたがい演算を行ない、実際の1回転当たりの油圧変化量Anを求める。但し、Yn:調整回転数。
【0055】
ついで、ステップS3へ戻り、今度は、実際の油圧変化量にしたがって、スペックとの差を埋めるのに必要なアジャストスクリュー7の回転数を求め、同回転数にしたがってアジャストスクリュー7を逆回転させる。
【0056】
これにより、1回目の調整に比べ、2回目の調整は、1回転当たりの油圧変化量が小さな値(勾配が緩やか)で行われるので、今までではスペックの範囲内に収まることのない調整でも、図3中の破線で示されるように2回目の調整によりスペックの範囲内に収まるようになる。
【0057】
2回目の調整でも、スペックの範囲内に収まらないとき、例えば同一のバルブユニット1ながら、アジャストスクリュー7の締付位置で油圧変化量が変化するような場合でも、その都度、繰り返し実際の油圧変化量を演算し、スペックとの差を埋めるアジャストスクリュー7の回転数を求めて、アジャストスクリュー7の回転を行なうことにより、バルブユニット1の所定地点での油圧はスペックの範囲内に収まるよう、調整される。特にこのときの油圧変化量は、アジャストスクリュー7の回転角に連続して変化していると考えられるので、調整角近傍での油圧変化量が的確に捉えられ、高い精度での調整(微調整)となる。
【0058】
一方、バルブユニット1の製品誤差により、実際の変化量が小さいような場合、アジャストスクリュー7は、過少回転となり、スペックの範囲前に止まる。
【0059】
この場合、何度も繰り返し調整を行なうことが求められる傾向があるが、2回目以降は、先に延べた如く実際の油圧変化量によるスクリュー調整に切り換わることにより、少ない調整回数で、アジャストスクリュー7の調整が終える。
【0060】
このようにして、Dレンジでの調整が行われる。そして、この調整が終えたら、今度は、疑似設備15で、各種異なる運転パターン、例えば後退等を作り出して、残る調圧バルブ7aのアジャストスクリュー7の調整を行なうことにより、調整ステーションAでの自動調整を終える。
【0061】
このようにアジャストスクリュー7の調整に際し、2回目以降は、バルブユニット1の製品毎の誤差を考慮(ワークの固有差を加味)して調整を行なうようにしたので、製品誤差を要因とした調整不能が発生せずに、最少調整回数、さらには最少調整時間で、アジャストスクリュー7の調整を進めることができる。
【0062】
しかも、同調整は、同一のバルブユニット1で、アジャストスクリュー7の締付位置で油圧変化量が変化するようなときにも有効である。
【0063】
そのうえ、実際の油圧変化量によるスクリュー調整だと、微調整が可能となるので、スペックによる管理幅の縮小が可能となり、バルブユニット1の品質が安定する。
【0064】
つまり、本調整方法、本調整装置の採用により、短時間でスペック範囲を縮小した調整が可能となり、製品品質の安定化が図れる。
【0065】
なお、上述した一実施形態では、無段変速機に組付くバルブユニットを例に挙げたが、遊星歯車機構などを用いた歯車式自動変速機に組付くバルブユニットを用いてもよい。また自動車の自動変速機に限らず、他の機構、装置に組付く、アジャストスクリュー付の調圧バルブを有するバルブユニットに本発明を適用してもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1、請求項2に記載の発明によれば、2回目以降のアジャストスクリューによる油圧調整は、実際の油圧変化量にしたがい調整が行なわれるので、たとえ予めアジャストスクリューに設定されている1回転当たりの油圧変化量が、製品誤差により実際の油圧変化量より過大でも過小でも、調整不能が発生せずに、最少調整回数で、バルブユニット内の油圧値を設定圧力の範囲内に収めることができる。
【0067】
しかも、高い精度で油圧の微調整ができるだけでなく、アジャストスクリューの締付位置で油圧変化量が変化するような場合にも有効である。そのうえ、設定圧力の管理幅の縮小が可能となるので、バルブユニットの品質の安定化が図れる利点もある。
【0068】
それ故、短時間でスペック範囲を縮小した調整が可能となり、製品品質の安定化も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るバルブユニットの油圧調整装置を、それが組付いたラインと共に示す斜視図。
【図2】バルブユニットの油圧調整方法を説明するためのフローチャート。
【図3】 1回目と2回目との調整具合を説明するための線図。
【符号の説明】
1…バルブユニット
4…バルブボディ
7…アジャストスクリュー
7a,7b…調圧バルブ
10…チャックポート
15…疑似設備
17…オイルポンプ
22…圧力センサー(油圧計測部)
24…スクリュー操作装置
25…ソケット
26…ステッピングモーター
30…制御部(第1調整手段、第2調整手段、判定手段)。

Claims (2)

  1. アジャストスクリュー付の調圧バルブを有して所定の油圧回路が形成されてなるバルブユニットと組み合い、該バルブユニットに対して調整条件の運転パターンに相当する油圧を与える疑似設備と、
    前記油圧回路の所定位置の油圧を計測する油圧計測部と、
    前記アジャストスクリューを回転操作するスクリュ操作装置と、
    前記スクリュー操作装置を制御する制御部とを有し、
    前記制御部が、
    前記運転中、前記油圧回路の所定位置における油圧が予め設定された設定油圧になるよう1回目の調整のとき前記油圧回路の所定位置での油圧と予め設定された設定油圧との差にしたがい前記スクリュー操作装置を制御して前記アジャストスクリュを回転させる第1調整手段と、
    前記所定位置での油圧が前記設定油圧に調整されたか否かを判定する判定手段と、
    前記1回目の調整で油圧調整が不十分と判定されると、2回目以降は、前記所定位置における油圧調整前および前記油圧調整後の油圧の差と実際に調整を施したアジャストスクリューの回転数とから求めた1回転当たりの油圧変化量にしたがい、前記設定油圧との差を埋めるよう前記スクリュー操作装置を制御する第2調整手段と
    を具備してなることを特徴とするバルブユニットの油圧調整装置。
  2. アジャストスクリュー付の調圧バルブを有して油圧回路が形成されたバルブユニットを、同バルブユニットと組み合う疑似設備に接続して所定の運転パターンに相当する油圧を与え、1回目の調整で前記油圧回路の所定位置における油圧が予め設定された設定油圧になるよう該所定位置の油圧と設定油圧の差にしたがい前記アジャストスクリューを回転させ、1回目の調整で油圧の調整が不十分なときは、前記所定位置での油圧調整前および油圧調整後の油圧差と実際の調整を施した前記アジャストスクリューの回転数とからアジャストスクリューの回転当たりの油圧変化量を求めて、2回目以降は、該油圧変化量にしたがい、前記設定油圧との差を埋めるようにアジャストスクリューを回転させることを特徴とするバルブユニットの油圧調整方法。
JP2000015995A 2000-01-25 2000-01-25 バルブユニットの油圧調整装置およびその調整方法 Expired - Fee Related JP3803719B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000015995A JP3803719B2 (ja) 2000-01-25 2000-01-25 バルブユニットの油圧調整装置およびその調整方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000015995A JP3803719B2 (ja) 2000-01-25 2000-01-25 バルブユニットの油圧調整装置およびその調整方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001208228A JP2001208228A (ja) 2001-08-03
JP3803719B2 true JP3803719B2 (ja) 2006-08-02

Family

ID=18543207

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000015995A Expired - Fee Related JP3803719B2 (ja) 2000-01-25 2000-01-25 バルブユニットの油圧調整装置およびその調整方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3803719B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003076427A (ja) * 2001-08-31 2003-03-14 Aisin Aw Co Ltd 比例電磁制御弁の圧力調整方法及びその装置
US7707872B2 (en) * 2006-09-25 2010-05-04 Eaton Corporation Method for testing a hydraulic manifold

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001208228A (ja) 2001-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3498900B2 (ja) ベルト式無段変速機の制御装置
US6849030B2 (en) Hydraulic pressure control for continuously variable transmission
US8226529B2 (en) Controller of continuously variable transmission, flow control method, and flow controller
JP4641852B2 (ja) ベルト式無段変速機の変速制御装置
US8825318B2 (en) Control device and control method for automatic transmission
DE10304287A1 (de) Steuergerät für ein kontinuierlich variables Getriebe
JP2000193075A (ja) ベルト式無段変速機の制御装置
KR101326996B1 (ko) 자동 변속기의 제어 장치
JP3803719B2 (ja) バルブユニットの油圧調整装置およびその調整方法
JPH11201314A (ja) ソレノイドの特性補正装置
US6178621B1 (en) Electronic component mounting apparatus
JPS62160931A (ja) 無段変速機の制御装置
JP3384156B2 (ja) 無段変速機用変速制御装置の初期化装置
US7211013B2 (en) Hydraulic control apparatus for V-belt type continuously variable transmission
JP2002372136A (ja) 変速機の油圧制御装置
WO2018025372A1 (ja) 無段変速機、及び、その制御方法
JP4618338B2 (ja) 無段変速機の変速制御装置
JP3437085B2 (ja) ソレノイドバルブの駆動方法
EP1528291B1 (en) Apparatus and method for filling an automatic transmission with oil
CN100476248C (zh) 用于带传动无级变速器的液压控制设备及其控制方法
JPH0548382B2 (ja)
JP2000296456A (ja) ラッピング装置及びラッピング方法
JP3590233B2 (ja) 粉体供給装置
JP3387001B2 (ja) ソレノイドの特性補正方法及び装置
JPS6136547A (ja) 自動変速機の油圧制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051213

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060322

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060404

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110519

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110519

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120519

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130519

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140519

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees