JP3803673B2 - 測定方法及び測定装置 - Google Patents
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Description
この場合、各細胞に導入された遺伝子の種類や、遺伝子導入効率は、細胞ごとに異なる。したがって、照明光を照射したときに、細胞から発せられる蛍光の輝度は、観察する試料の部位によって変動する。また、各細胞の蛍光輝度は、観察中にも、時間によって変動する。よって、細胞の中には、その蛍光輝度が、あるタイミングで撮像素子のダイナミックレンジの上限を超えて、撮像素子を飽和させるものが存在する。このため、観察する部位の蛍光輝度に見合ったダイナミックレンジで蛍光観察を行わなければならない。また、撮像素子が飽和しないように、リアルタイムでダイナミックレンジを変化させなければならない。
また、オートゲインの場合には、撮像素子への入射光量が大きすぎると、いくらゲインを小さくしても画像が得られないという問題がある。
この発明は、このような従来の問題を解決しようとするもので、細胞の観察中に、蛍光輝度が飽和することなく、かつ蛍光画像のノイズを増幅させずに蛍光観察ができる顕微鏡システムを提供すること目的とする。
この蛍光観察方法によれば、先に取得した蛍光画像の情報に基づいて、後に同じ撮影エリアで取得する蛍光画像の露出光量を調整する。よって、蛍光強度が弱い場合でも適切な明るさの画像が得られる。また、逆に、細胞を観測中に蛍光強度が明るくなっても、画像の明るさが飽和しなくなる。さらに、観測する部位の蛍光強度に見合ったレンジで蛍光観察ができる。したがって、撮像系のダイナミックレンジを生かすことができ、生体組織で発生した蛍光強度の情報を正確に取得できる。また、プレスキャンを必要とせずに、リアルタイムで測定条件を決定するので、測定時間を短縮できる。
この測定装置によれば、先に取得した蛍光画像の情報を、後に同じ撮影エリアで取得する蛍光画像の撮像条件にフィードバックし、露出光量を変化させる。蛍光強度が弱い場合でも適切な明るさの画像が得られる。また、逆に、細胞を観測中に蛍光強度が明るくなっても、画像の明るさが飽和しなくなる。よって、観測する部位の蛍光強度に見合ったレンジで蛍光観察ができる。また、プレスキャンを必要とせずに、リアルタイムで測定条件を決定するので、測定時間を短縮できる。
この測定装置によれば、遅延積算式ライン固体撮像手段のビデオレートと電動ステージの操作速度とを同期させながら、遅延積算方式ライン固体撮像手段のラインの段数を変えることで、撮影の露出光量を適切な量に変えることができるので、蛍光強度が飽和しなくなる。また、微弱蛍光を検出する場合、撮像により得られる信号を電気的に増幅する代わりに、撮像手段の露出光量を変化させるので、蛍光画像のノイズが増幅されない。
この測定装置によれば、レーザ光の走査速度を変えることで、レーザ光で励起される細胞からの蛍光強度を適切な量に変えることができるので、蛍光強度が飽和しなくなる。また、微弱蛍光を検出する場合、撮像により得られる信号を電気的に増幅する代わりに、撮像手段の露出光量を変化させるので、蛍光画像のノイズが増幅されない。
この測定装置によれば、試料全体を1回スキャンする間に、露出光量を変化させる回数を減らすことができるので、測定時間をさらに短縮できる。
図1は装置構成を示す図であり、図3は観察対象となる試料を示す図である。また、図4及び図6は測定方法のフローチャートである。
顕微鏡1は、電動ステージ11と、光源12と、落射照明用の光学系13と、励起光カットフィルタ14と、ミラー15と、結像レンズ16と、電動可変ND(中性濃度)フィルタ17と、撮像系である固体撮像手段(以下、CCD(Charged Coupled Device)カメラとする)18とを含む。なお、顕微鏡1の構成や、光学素子の数及び配置は、図1に示す例に限定されない。
電動ステージ11は、担体20を載置し、図中のX軸方向とY軸方向(図に垂直な方向)の二次元に走査可能に構成されている。さらに、電動ステージ11は、担体20が載置される部分の少なくとも一部が、励起光及び蛍光に対して透明な部材から製造されている。なお、担体20は、観察対象となる試料を配置するもので、光を透過するスライドガラスなどから製造されている。
光源12は、キセノンランプなどの光源ランプ21と、ミラー22とを有している。ミラー22は、光源ランプ21の後部に配置されており、発散光源である光源ランプ21の光を光学系13に効率良く導く。
コレクタレンズ23、開口絞り24、視野絞り25、及び視野レンズ26は、光路に沿って、光源12側から、この順番に配置されている。励起フィルタ27は、視野レンズ26よりも試料側の光路上に配置されている。この励起フィルタ27は、所定の波長域の励起光(例えば、GFPの励起中心波長である489nm)を透過させる。ダイクロイックミラー28は、電動ステージ11の下方に、光軸に対して略45°傾斜して設けられている。このため、励起光は、担体20を照射可能である。また、ダイクロイックミラー28は、励起光は反射するが、蛍光は透過するような膜がコーティングされている。対物レンズ29は、ダイクロイックミラー28と電動ステージ11との間に設けられている。担体20からは、戻り光として、蛍光と励起光が、対物レンズ29に入射する。
ここで、電動可変NDフィルタ17の一例を図2に示す。図2において、回転軸32は、NDフィルタ31の中心を、垂直に貫通している。NDフィルタ31は、矢印D1で示す円周方向に沿って、濃淡が付けられており、透過率が連続的に変化している。したがって、制御装置2によって、回転軸32が時計回り(CW)に回転すると、これに伴ってNDフィルタ31が回転し、透過率が増減する。
制御装置2は、端末装置3と、電動ステージ11と、光源12と、電動可変NDフィルタ17と、CCDカメラ18とに接続されている。この制御装置2は、CPU(中央演算ユニット)や、メモリなどから構成され、所定のプログラムに基づき、各手段3,11,12,17,18の動作を制御する。特に、端末装置3で作成した蛍光画像に基づいて、後述する蛍光輝度解析ルーチンによって、CCDカメラ18に入射する蛍光の光量を調整する。
端末装置3は、制御装置2と、CCDカメラ18とに接続されている。この端末装置3には、例えば、パーソナルコンピュータを用いることができる。その役割は、CCDカメラ18で撮影した細胞の蛍光画像を取り込み、保存することである。さらに、蛍光画像を画面表示させたり、紙媒体や記録媒体に蛍光画像を出力したりする。また、観察者の操作を受け付けて、必要な情報を制御装置2に受け渡す。
最初に、撮影に先立って、試料を担体20に保持させる。図3に、担体20に対する試料の配置の一例を示す。図3において、試料は、所定の領域に、観察対象となる組織などが分散している。このような試料において、蛍光画像を取得する領域、つまり撮影エリアは、観察対象物が存在する領域であり、図3に符号AAからZZで示してある。例えば、撮影エリアACは、X軸方向に3番目で、Y軸方向に1番目に位置する撮影エリアである。なお、撮影エリアの大きさは、顕微鏡1の倍率に対応する視野で定まる。また、撮影エリアの数は、図3の例に限定されない。そして、各撮影エリアAA〜ZZは、測定装置によって順番に観測される。
まず、制御装置2は、準備段階として、撮影回数の設定と確認を行う。すなわち、最初に、撮影回数nの値として「1」を設定する(ステップS1)。ここで、最初の撮影では、撮影回数nは、所定の撮影回数n1未満であるので(ステップS2においてYes)、このまま、撮影を開始する。なお、所定の撮影回数n1は、2以上の整数とする。
そして、撮影を開始する際には、制御装置2から、電動ステージ11に対して駆動信号を出力し、撮影エリアAAを対物レンズ29の視野内に移動させる(ステップS3)。
また、撮影エリアAAの蛍光画面の撮影が終了したら、制御装置2は、撮影したエリアが試料の最後の撮影エリアであるか否かを判定する(ステップS6)。ここでは、最初の観察エリアAAの撮影が終了したばかりであるので(ステップS6においてNo)次の撮影エリアである撮影エリアABを対物レンズ29の視野内に移動させるべく、電動ステージ11の移動を開始する(ステップS7)。このとき、CCDカメラ18など、他の構成要素の位置は、固定したままである。
そして、撮影エリアABが照射位置まで移動したら(ステップS9)、ステップS4に戻って、撮影エリアABの蛍光画像を撮影する。
以降は、図3において、X軸方向の最後の撮影エリアである撮影エリアAZまでは、電動ステージ11を、X軸方向に、撮影エリア一つ分ずつ移動させて、蛍光画像を順次取得する。さらに、撮影エリアAZの撮影が終了したときには、電動ステージ11をX軸方向のマイナス方向に移動させて、最初の位置に戻す。また、Y軸方向に撮影エリア一つ分だけプラス方向に移動させる。これにより、撮影エリアAA〜AZの次のラインの撮影エリアBA〜BZの撮影が可能になる。
まず、制御装置2は、蛍光画像を取り込む(ステップS21)。そして、蛍光画像の画像データの中から、蛍光強度の最大値Imを算出する(S22)。次に、その最大値Imと、所定の基準蛍光輝度hとの大小を比較する(ステップS23)。なお、基準蛍光輝度hは、CCDカメラ18が飽和する輝度(CCD飽和輝度Sm)をβ倍(β<1)した量である。CCD飽和輝度Smは、CCDによって定まる定数である。係数βは、CCDカメラ18のダイナミックレンジをどこまで使うかを決めるパラメータである。例えば、β=0.9であれば、CCDカメラ18が飽和することなく測れる最大輝度の90%まで使うことになる。
そして、n回目の撮影露出光量は、n−1回目の撮影露出光量を係数a倍した値に設定する。その後は、このルーチンを抜けて、図4のステップ8に戻る。
また、最大値Imが、CCD飽和輝度hを下回れば(ステップS23においてNo)、次回の撮影露出光量は変更しないという結果をアウトプットし(ステップS26)、図4のステップS8に戻る。
また、電子シャッターの動作速度には限界があり、最大動作速度(ビデオレート)にして、露出光量を限界まで小さくしても、なお蛍光強度が飽和してしまうほど、撮像素子の入力される蛍光の強度が大きい場合にも、電動可変NDフィルタ17を回転させることで、透過率を下げ、蛍光強度が飽和することを防ぐことができる。
さらに、微弱蛍光を検出する場合、観察対象を複数回にわたって走査しながら、電子シャッターにより、撮影露出光量を増加させて蛍光画像を撮影するので、電気的に信号を増幅して作成する蛍光画像のように、ノイズが増幅されることがなく、きれいな蛍光画像が得られる。なお、これは、CCDカメラ18の受光部によって生成される信号レベルは、露出時間に正比例していることによる。すなわち、他の条件がすべて等しければ、露出時間が長い程、得られる信号レベルは大きくなり、信号レベルが大きくなると、ピクセル間の信号雑音比(Signal‐to‐Noise ratio SN比)は、露出時間が短い場合よりも、相対的に向上するからである。
さらに、観察する部位の蛍光輝度に見合ったレンジで蛍光観察ができるので、撮像系のダイナミックレンジを生かすことができる。これらの効果によって、生体組織から発生した蛍光強度の画像を正確に取得できる。また、プレスキャンを必要とせずに、リアルタイムに測定条件を決定できるので、試料全体を測定する時間を短縮できる。
このような電動可変NDフィルタ34によれば、蛍光輝度解析ルーチン(図6参照)に基づいて設定された撮影の露出光量に応じて、NDフィルタ36a〜36fを切り替えることで、露出光量を適切な値に変えることができる。
この実施の形態は、撮影露出光量を変化させる手段として、エレクトロクロミック調光素子を用いることを特徴とする。なお、エレクトロクロミック調光素子とは、電気量に応じた化学変化によって、光の透過率が変化する物質を含んで構成された素子である。
エレクトロクロミック調光素子40の配置例を、図9に示す。ここでは、支持層43が結像レンズになっており、エレクトロクロミック調光素子40と結像レンズとが一体に構成されている。なお、この結像レンズは、CCDカメラ18の受光部に蛍光が像を結ぶように設計されている。また、支持層42は、光軸nに直交するような平行平板が用いられている。
この実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得られる。さらに、電圧値に基づいて蛍光の透過率を調整できるので、短時間で、かつ確実に撮影の露出光量を調整できる。
例えば、CCDカメラ18の電子シャッターの代わりに、機械式のシャッターを用いても良い。この場合には、図1に示す結像レンズ16とCCDカメラ18との間に、シャッターとなる板を設ける。さらに、この板を、制御装置2の制御信号に基づいて光路上に出没するように支持する。
この場合には、蛍光輝度解析ルーチン(図6参照)の処理に基づいて、シャッターを閉じる時間、つまりシャッターが光路を遮る時間を変化させる。これにより、撮影の露出光量を適切な量に変えることができる。したがって、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
この実施の形態は、撮像手段としてラインCCDカメラを用い、ラインCCDカメラのビデオレート及び電動ステージの走査速度を制御することにより、撮影の露出光量を調整する。
この測定装置では、図1に示すような制御装置2が、電動ステージ11をX軸において、マイナス方向(矢印D2参照)に移動させる。これにより、担体20及び試料は、ラインCCDカメラ61によって、X軸のプラス方向に相対的にスキャンされることになる。
ここで、各CCD62の配設ピッチ、つまり最小画素ピッチは、p(mm)とする。また、ビデオレートは、Lt(Hz)とする。さらに、電動ステージ11上の試料面に対するCCD62の面上での顕微鏡総合倍率をMとする。ビデオレートは、1ラインのCCD62を読み出す時間に相当するので、そのときの撮影の露出光量は、1/Lt(sec)になる。よって、ラインCCDカメラ61のビデオレートLtを、前回の撮影時の蛍光輝度の最大値によって変化させることで、同じ撮影エリアで次に撮影する際の露出光量を最適な量に調整することができる。
また、例えば、撮影エリアAAと、撮影エリアABとで、撮影の露出光量を変化させたい場合、図中にR1で示す撮影エリアAAに相当する区間と、R3で示す撮影エリアABに相当する区間とでステージ速度を変化させば良い。ステージ速度の切り替えは、区間R1と区間R3の間の、区間R2を移動中に行う。
なお、図10において、撮影エリアBAなどの蛍光画面を撮影する場合には、ラインCCDカメラ61を非動作状態にして、電動ステージ11をY軸のプラス方向に移動させた後に、撮影を行う。
この実施の形態は、撮像手段をTDI(Time Delay Integration 遅延積算)方式ラインCCDカメラとし、TDI方式ラインCCDカメラのTDIラインの段数によって、撮影の露出光量を変化させることを特徴とする。
さらに、電荷の総和は、シフトレジスタ72に転送される。そして、これらの電荷は、次のラインのイメージ電荷がTDI検出器73からシフトレジスタ72に到着するまでの間に増幅器に出力される。なお、このプロセス全体は、パイプライン化されているので、各ピクセルには、イメージの一部が常に入射されている。
ここで、TDI方式ラインCCDカメラ71のビデオレートをLt(Hz)、TDIラインの段数をNとすると、撮影の露出光量は、(1/Lt)×N(sec)となる。よって、TDI方式ラインCCDカメラ71の段数Nを、前回の撮影時の蛍光輝度の最大値によって変化させることで、撮影の露出光量を最適な量に調整することができる。
なお、TDI方式ラインCCDカメラ71の最大の段数は、5つに限定されず、任意の整数にすることができる。また、カラムの数も図11に示した10個に限定されない。
この実施の形態は、顕微鏡をレーザ走査型顕微鏡としている。さらに、レーザ走査型顕微鏡のスキャンミラーの走査速度を制御することにより、撮影の露出光量を調整する。
レーザ走査型顕微鏡81は、レーザ光源82と、ダイクロイックミラー28と、2次元走査ユニット83と、対物レンズ29と、電動ステージ11と、励起光カットフィルタ14と、ミラー15と、レンズ84と、ピンホール85と、光検出器86とを含む。レーザ光源82は、励起光に相当する波長のレーザ光を出射するものが用いられる。2次元走査ユニット83は、ダイクロイックミラー28と、対物レンズ29との間に介挿されている。その構成は、X軸方向にレーザ光を走査するガルバノメータミラーと、Y軸方向にレーザ光を走査するガルバノメータミラーとを含む。
レンズ84は、ミラー15で折り返した蛍光の光路上に配置されている。ピンホール85は、レンズ84の集光位置に配置されており、共焦点光学系を形成している。光検出器86は、蛍光の入射によって電気信号を出力する。
さらに、制御装置2は、電動ステージ11と、2次元走査ユニット83と、光検出器86と、端末装置3とに接続されている。また、端末装置3は、制御装置3と、光検出器86とに接続されている。
励起光の照射によって、試料からは、画像情報としての蛍光が発生する。この蛍光は、励起光が入射した光路を逆に戻って、ダイクロイックミラー28を透過する。さらに、蛍光は、励起光カットフィルタ14を透過してから、ミラー15で反射される。そして、レンズ84で集光され、ピンホール85を通過し、光検出器86に入射する。光検出器86では、蛍光の光量に応じた電気信号が出力される。この電気信号は、制御装置2に入力される。さらに、光検出器86からの電気信号は、端末装置3に入力され、試料の蛍光画像として、画像変換される。なお、このレーザ走査型顕微鏡81は、共焦点光学系を形成しているので、蛍光画像は、Z軸方向に垂直な、あるXY平面における試料の断面像である。
そして、撮影の露出光量を調整する際には、図6に示すような蛍光輝度解析ルーチンで、2回目以降の撮影露出光量を撮影エリアごとに設定する。そして、設定された露出光量に基づいて、制御装置2が、ガルバノメータミラーを用いてレーザ光の走査速度を変化させる。すなわち、走査速度が大きいと、撮影の露出光量は少なくなる。走査速度が小さいと、撮影の露出光量は大きくなる。
図13に示すように、この実施の形態において、試料は、複数の細胞からなる。各細胞は、担体91上にグリッド状に配置されている。担体91は、スライドガラスからなり、X軸方向に沿って、複数のラインエリアL1,L2,L3を配列させた構成を有している。各ラインエリアL1〜L3には、所定の距離を置いて、複数の細胞が保持される。ここでの撮影エリアAA〜CZは、担体91上に配置された1つ1つの細胞に相当する。
この場合には、グリッド状に配置された細胞を、順番に走査するようにして蛍光画像を撮影し、細胞ごとに撮影の露出光量を調整する。このような担体91を用いることで、複数の細胞を順番に蛍光観察することが可能になる。
例えば、ラインエリアL1には、発光輝度が比較的に大きい細胞群を並べる。また、ラインエリアL2には、発光強度がラインエリアL1よりも相対的に低い細胞群を並べる。そして、前記の各実施の形態における手段(例えば、図1に示す電動可変NDフィルタ17)を用いて、ラインエリアL1内では、撮影の露出光量を小さく設定する。そして、ラインエリアL1内では、露出光量を所定の値に保ちつつ、各細胞の蛍光画像を撮影する。さらに、ラインエリアL2の細胞を撮影する際には、ラインエリアL1のときよりも撮影露出光量を大きくする。そして、このラインエリアL2内では、撮影の露出光量を一定に保つ。
このようにすると、同一のラインエリアL1〜L3内であれば、グリッドごと、つまり細胞ごとに撮影の露出光量を変化させる必要がなくなる。そして、露出光量の調整は、ラインエリアを変えるときにだけ行えば良い。したがって、撮影の露出光量を変化させる手段を作動させる回数を減らすことができる。さらに、これに伴って、撮影の露出光量を変化させる手段を動作させる時間を減少できるので、担体91全体を高速に走査できる。したがって、蛍光画像をすばやく撮影できる。
例えば、制御装置2と端末装置3とは、一体の装置であっても良い。また、各実施の形態において、図4及び図6に示すような処理をコンピュータに行わせるプログラムや、このプログラムをコンピュータに読み出し可能に記録した記録媒体なども、この発明の実施形態に含まれるものとする。
3 端末装置(処理装置)
20,91 担体
11 電動ステージ
14 励起光カットフィルタ
16 結像レンズ
17 電動可変NDフィルタ(露出光量を変化させる手段)
18 CCDカメラ(撮像手段、固体撮像手段)
28 ダイクロイックミラー
29 対物レンズ
31,36a〜36f NDフィルタ(中性濃度フィルタ)
40 エレクトロクロミック調光素子
61 ラインCCDカメラ(ライン固体撮像手段)
71 TDI方式ラインCCDカメラ(遅延積算方式ライン固体撮像手段)
82 レーザ光源
83 走査ユニット
Claims (7)
- 観察する細胞を担体上に配置し、励起光の照射によって細胞から発せられた蛍光の画像を、所定の時間間隔をおいて、時系列的に撮像系で取得するにあたり、蛍光強度の飽和を防ぐために、先に取得した前記蛍光画像を用いて、後に取得する蛍光画像の撮影の露出光量を決定する蛍光観察方法であって、
ライン状の撮像領域と前記担体とを相対的に移動させて前記後に取得する蛍光画像の取得を行う際に、前記撮像におけるビデオレートを、前記先に取得した前記蛍光画像の蛍光輝度の最大値によって変化させ、
前記ビデオレートと前記相対的移動における移動速度を同期させることを特徴とする蛍光観察方法。 - 観察する細胞が配置された担体を動かす電動ステージと、
細胞に励起光を照射するために用いる光源と、
励起光を細胞に向けて集光する対物レンズと、
前記担体からの戻り光のうち、所定の波長の光をカットする励起光カットフィルタと、
前記担体上の細胞から発せられる蛍光を所定の撮像位置に結像する結像レンズと、
前記撮像位置に配置された撮像手段と、
該撮像手段により撮影された蛍光画像を取り込み、画像処理を行う処理装置と、
を備え、
該処理装置は、先に取得した蛍光画像の画像処理結果をもとに、次に取得する蛍光画像の撮像条件を設定する工程を有し、
前記撮像手段は、前記光電変換素子をライン状に配置したライン固体撮像手段であり、前記撮像条件に基づいて前記ライン固体撮像手段のビデオレートと前記電動ステージの走査速度とを同期させながら、走査速度を変化させることを特徴とする測定装置。 - 観察する細胞が配置された担体を動かす電動ステージと、
細胞に励起光を照射するために用いる光源と、
励起光を細胞に向けて集光する対物レンズと、
前記担体からの戻り光のうち、所定の波長の光をカットする励起光カットフィルタと、
前記担体上の細胞から発せられる蛍光を所定の撮像位置に結像する結像レンズと、
前記撮像位置に配置された撮像手段と、
該撮像手段により撮影された蛍光画像を取り込み、画像処理を行う処理装置と、
を備え、
該処理装置は、先に取得した蛍光画像の画像処理結果をもとに、次に取得する蛍光画像の撮像条件を設定する工程を有し、
前記撮像手段は、遅延積算方式ライン固体撮像手段であり、前記撮像条件に基づいて前記遅延積算方式ライン固体撮像手段のビデオレートと前記電動ステージの走査速度とを同期させながら、前記遅延積算方式ライン固体撮像手段のラインの段数を変化させることを特徴とする測定装置。 - 観察する細胞が配置された担体を動かす電動ステージと、
細胞に励起光を照射するために用いる光源と、
励起光を細胞に向けて集光する対物レンズと、
前記担体からの戻り光のうち、所定の波長の光をカットする励起光カットフィルタと、
前記担体上の細胞から発せられる蛍光を所定の撮像位置に結像する結像レンズと、
前記撮像位置に配置された撮像手段と、
該撮像手段により撮影された蛍光画像を取り込み、画像処理を行う処理装置と、
を備え、
該処理装置は、先に取得した蛍光画像の画像処理結果をもとに、次に取得する蛍光画像の撮像条件を設定する工程を有し、
レーザ光源と、レーザ光を走査する走査ユニットとを有し、前記撮像条件に基づいて前記走査ユニットによるレーザ光の走査速度を変化させることを特徴とする測定装置。 - 観察する細胞が配置された担体を動かす電動ステージと、
細胞に励起光を照射するために用いる光源と、
励起光を細胞に向けて集光する対物レンズと、
前記担体からの戻り光のうち、所定の波長の光をカットする励起光カットフィルタと、
前記担体上の細胞から発せられる蛍光を所定の撮像位置に結像する結像レンズと、
前記撮像位置に配置された撮像手段と、
該撮像手段により撮影された蛍光画像を取り込み、画像処理を行う処理装置と、
を備え、
該処理装置は、先に取得した蛍光画像の画像処理結果をもとに、次に取得する蛍光画像の撮像条件を設定する工程を有し、
観測する細胞が配置された前記担体は、スライドガラスであり、前記スライドガラス上に細胞がグリッド状に配置され
前記担体上に、遺伝子発現させたときの蛍光強度の大きさが類似する細胞同士を、前記電動ステージの走査方向に沿って配列し、この列ごとに前記撮像条件を設定することを特徴とする測定装置。 - 観察する細胞を担体上に配置し、励起光の照射によって細胞から発せられた蛍光の画像を、所定の時間間隔をおいて、時系列的に撮像系で取得するにあたり、蛍光強度の飽和を防ぐために、先に取得した前記蛍光画像を用いて、後に取得する蛍光画像の撮影の露出光量を決定する蛍光観察方法であって、
撮像領域と前記担体とを相対的に移動させると共に、1ラインの電荷を前記相対移動に同期して所定の段数ほど移動させて前記後に取得する蛍光画像の取得を行う際に、前記段数を、前記先に取得した前記蛍光画像の蛍光輝度の最大値によって変化させることを特徴とする蛍光観察方法。 - 観察する細胞を担体上にグリッド状に配置し、励起光の照射によって細胞から発せられた蛍光の画像を、所定の時間間隔をおいて、時系列的に撮像系で取得するにあたり、蛍光強度の飽和を防ぐために、先に取得した前記蛍光画像を用いて、後に取得する蛍光画像の撮影の露出光量を決定する蛍光観察方法であって、
前記露出光量の調整を列ごとに行えるように、蛍光強度の大きさが類似する細胞同士を1つの列に並べることを特徴とする蛍光観察方法。
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