JP3803649B2 - D/a変換器 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ディジタルデータをアナログ電圧に変換するD/A変換器に関わるものであり、特にCMOSデバイス上に小さな面積で高分解能の出力が得られる加重容量回路を用いたD/A変換器として構成する場合に好適な構成を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
CMOSデバイス上でのD/A変換器の実現手段としては、2つの基準電圧間に分圧用の多数の抵抗を直列に接続して、入力のディジタルデータに対応した分圧電圧を選択して出力する電圧スケーリング型のD/A変換器が一般的に用いられているが、高ビットでは抵抗値のばらつきにより積分直線性が悪くなるという問題を有している。
【0003】
これに対して、CMOSデバイスにおける容量値の比精度の高さを利用して、容量値を1:2:4というように2進化加重された複数の容量を用いて2つの基準電圧間の分圧電圧を出力する、電荷スケーリング型のD/A変換器がAlan B. Grebene 著の「Bipolar and MOS Analog Integrated Circuit Design」(非特許文献1)等にその原理が記述され、CMOS回路におけるその優位性が述べられている。
【0004】
図15にその原理に基づき具体化した4ビットのD/A変換器を示してその動作を説明する。図15において、容量C1〜C4は1:2:4:8の2進化加重された容量であり、容量C0は容量値の総和を16(=2)とするための終端容量で、それらの容量の一端は電圧ノードN1に共通に接続され、このノードN1の電圧がバッファ・アンプ(AMP1)を介して出力端子Voutに接続されている。一方、容量の他端はそれぞれにスイッチSWR0〜SWR4が接続され、このスイッチSWR0〜SWR4はリセット動作時には図15に示す状態をとり、スイッチSWR5により各容量の両端は短絡されるため電荷はゼロにリセットされる。なお、そのときのノードN1の電位はバイアス電圧Vbにより与えられる。そのリセット動作を行った後、D/A変換電圧を出力する出力動作時にはスイッチSWR5はオフ、スイッチSWR0〜SWR4は図15に示す状態と反対側に接続して、各容量の独立した端子側にはディジタルデータにより制御されるスイッチSWD1〜SWD4を介してGNDまたは基準電圧Vrefのいずれかに選択的に接続される。なお、このとき容量C0の独立端子側だけは常にGNDに接続されるように固定されている。
【0005】
このような構成および動作において、リセット動作時と出力動作時における容量に保持された総電荷量は電荷保存則により一定であるため、出力動作時のノードN1の電圧をVoとすると式(1)が成立する。この式中、V1〜V4はディジタルデータにより容量の独立端子側が接続される電圧値で0かVrefのいずれかをとる。
Vo*C0+(Vo-V1)*C1+(Vo -V2)*C2+(Vo-V3)*C3+(Vo-V4)*C4= 0 ・・・(1)
【0006】
式(1)において、Vi(i=1,2,3,4)はディジタルデータにより制御され0またはVrefのいずれかなので、各ビットのディジタルデータをDi(i=1,2,3,4)として、Di=0のときはGNDに接続し0となり、Di=1のときはVrefになるとすると、Vi=Di*Vrefと表すことができる。また、各容量の比がC0:C1:C2:C3:C4=1:1:2:4:8であるため、C0で規格化して式(1)を解くと、電圧Voは式(2)のように表される。この式中D1〜D4は各ビットのディジタルデータであり1か0の値をとる。
Vo = Vref*(D1+2*D2+4*D3+8*D4)/16 ・・・ (2)
【0007】
式(2)によると、ディジタルデータD1〜D4の与え方によりVoutの出力はVref/16ステップで0〜15/16Vrefまでの任意のアナログ電圧が得られることがわかる。このように重み付けが1:2:4:・・:2n-1というように2進化加重された容量をnビット分用意すするとともに、比が1の容量を終端容量として1つ付加することで、同様にnビットのD/A変換器が実現できる。このとき一番小さな容量を単位容量とするとnビットのD/A変換器を実現するには単位容量が2n個必要なことがわかる。なお、図15では出力動作時に容量に印加される電圧はGNDまたはVrefのいずれかであったが、これらを任意の2つの基準電圧とすることで、その2つの基準電圧間を分圧する出力をえることができる。
【0008】
また、上記と同種の複数の容量を用いたD/A変換器としては、以下の特許文献1に記載されたものが挙げられ、また、複数の容量を用いたD/A変換器ではあるが、異なるタイプのものとしては、以下の非特許文献2に記載されたものが挙げられる。
【非特許文献1】
"Bipolar and Mos Analog Integrated Circuit Design" (Alan B. Grebene著、John Wiley & Sons社、1984年2月1日発行)
【非特許文献2】
"A Multibit Delta Sigma Audio DAC with 120-dB Dynamic Range" (Ichiro Fujimori et. al, IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS VOL.35, NO.8, AUGUST 2000, P.1066)(特に、fig. 8のfive-bit SC DAC with hybrid post filterを参照)
【0009】
【特許文献1】
特許3166603号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
CMOSデバイス上では抵抗よりも容量のほうが高い比精度を実現できるため図15に示す電荷スケーリング型のD/A変換器のほうが原理的には有利である。しかしながら、実際には図15のノードN1にはバッファの入力容量やスイッチSWR5による寄生容量Cpが存在するため、この寄生容量に電荷が分配されて誤差が発生する。式(1)において、リセット動作時にノードN1の電圧がバイアス電圧源によりVbであるとすると、寄生容量の電荷分を考慮すると式(1)は式(3)のように書き直される。ここでQは式(4)に示されるように、式(1)における左側の項で、出力動作時に寄生容量以外に保持されている総電荷量を表している。
Q + Vo*Cp = Vb*Cp ・・・・・ (3)
Q= Vo*C0+(Vo-X1)*C1+(Vo -X2)*C2+(Vo-X3)*C3+(Vo-X4)*C4・・・(4)
【0011】
このように式(3)に示す寄生容量Cpの項の影響により、Cpに電圧依存性がないとして式(3)を解けばわかるように、D/A変換出力の1ステップがVref/(16+Cp/C0)に低下するため、意図した出力レンジを得ることができなという問題が生じる。さらに寄生容量Cpが電圧依存性を有するとD/A変換出力の直線性までも悪化させる。したがって、この寄生容量の影響を相対的に低減するためには単位容量C0を大きくしなければならないが、これはD/A変換器の占有面積が大きくなるという問題を含んでいる。
【0012】
一方、式(3)を見ればわかるように、リセット時のノードN1の電圧Vbと出力電圧Voが等しければ、左右の寄生容量Cpの項はキャンセルされ誤差は生じない。そこで、D/A変換器にて出力される電圧Voに近い電圧をリセット時にVbとして与えるために、一度D/A変換した出力を図15のバッファのあとにサンプルホールド回路を設けて保持して、2回目のリセット時にその出力をVbとして与えるという方法が上記特許文献1に示されているが、この方法では1つのD/A変換出力を得るために、複数回のリセット動作が必要になるため変換レートを上げるのに不利となる。また、以上に示した従来の方法ではバッファのオフセット電圧によるオフセット誤差もD/A変換器出力に生じるという問題も含んでいる。
【0013】
本発明の目的は、従来の電荷スケーリング型のD/A変換器で大きな問題となっていた寄生容量による誤差の影響を受けないD/A変換器を簡単な構成と動作で実現することで、小さな面積でも高精度なD/A変換器を可能とすることを第一の目的としている。また、増幅出力を得るために必要な内部バッファ等のオフセット電圧の影響を受けずにオフセット誤差のないD/A変換器を実現することを第2の目的としている。さらには、従来の構成では8ビットで256個、10ビットで1024個の容量が必要となるように、高分解能になると多数の容量を必要とするため回路面積が非常に大きくならざるをえなかったが、これを回避して、小さな回路規模でも高分解能なD/A変換器を実現することを第3の目的としている。また、副次的な目的として、高速動作のパイプライン型AD変換器等に必要な完全差動型のD/A変換器を実現することを第4の目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために本発明においては、以下の手段を用いる。すなわち、単位容量となる1個の終端容量、及び、単位容量に対して1:2:4:・・・:2(n-1)に重み付けされたn個の加重容量の計n+1個の容量と、増幅出力を得るための反転増幅器とを有するD/A変換器であって、前記反転増幅器の入出力間には帰還用のスイッチング手段が設けられるとともに、前記n+1個の容量の第1端子側は共通に前記反転増幅器の入力端子に接続され、前記終端容量を前記複数の基準電圧のいずれか一つに接続(リセット動作)し、次に、前記終端容量を前記反転増幅器の出力に接続(出力動作)する終端動作用スイッチング手段と、前記加重容量の第2端子側には、供給されるディジタルデータ(の各ビット)に応じて複数の基準電圧に対して選択的に前記加重容量の第2端子側を接続(リセット動作)し、次に、前記容量の第2端子側を前記反転増幅器の出力に接続(出力動作)する複数の入力動作用スイッチング手段とが設けられていることを特徴とするD/A変換器である。
【0015】
このようにD/A変換器を構成して、リセット動作時は反転増幅器の帰還用スイッチを導通(閉成)させるとともに、終端動作用スイッチング手段により終端容量に複数の基準電圧の一つを供給し、さらに、加重容量の第2端子にディジタルデータに基づき選択された基準電圧を複数の入力動作用スイッチング手段を介してそれぞれ与え、出力動作時には帰還用のスイッチング手段をオフ(開成)して、終端動作用スイッチング手段及び入力動作用スイッチング手段により、全容量が反転増幅器の入出力間に接続されるようにする。
【0016】
このような動作により、出力動作時には反転増幅器の出力電圧は容量値で重み付けされた係数を選択された基準電圧に乗じた加重平均値が出力されるが、反転増幅器の入力電圧はリセット動作時でも出力動作時でも入出力間に帰還がかかるため常に一定の電圧となり、この反転増幅器の入力ノードに存在する寄生容量の電荷も一定となるため、寄生容量の影響を受けない出力電圧を得ることができる。また反転増幅器のオフセット電圧も最初のリセット動作時に各容量に保持され、出力動作時には反転増幅器のオフセット電圧を補正するように働くため、反転増幅器のオフセット電圧を含まない正確な出力が得られる。このように、以上の手段により第1および第2の目的を達成することが可能である。
【0017】
本発明において、前記複数の基準電圧はもとになる2つの主基準電圧値と、その2つの主基準電圧値間をm等分に分圧して得られたm−1個の副基準電圧値からなる場合がある。この場合には、入力動作用スイッチング手段により、加重容量には、前記2つの主基準電圧値のいずれかの電圧が選択的に与えられるとともに、終端動作用スイッチング手段により、終端容量には、2つの主基準電圧値またはm−1個の副基準電圧値のいずれかが与えられるように構成することが望ましい。副基準電圧を終端容量に入力した場合には、反転増幅器の出力の分解能を副基準電圧の分解能に応じて増加させることができる。このように副基準電圧を細かくすることで加重容量の数を増やさずに分解能を上げることができるため、小さな回路規模でも高分解能のD/A変換器が実現でき、これにより第1、第2および第3の目的が達成することが可能である。
【0018】
前記副基準電圧を発生するための具体的な構成としては、第2のD/A変換器を設けるとともに、その出力を、終端動作用スイッチング手段を介して終端容量の第2の端子に接続すれば良い。このような構成を用いると、第2のD/A変換器に複数の下位ビット(ビット数はn′)を供給してアナログ出力を生成し、この出力を最初のD/A変換器の終端容量に与えるとともに、上位ビット(ビット数はn)を供給することで、ビット数がn+n′の出力を得ることができる。たとえば、従来の8ビットのD/A変換器では256個の単位容量が必要であったのに対して、本発明では4ビットのD/A変換器2つで構成できるため、16*2すなわち32個の単位容量で8ビットのD/A変換器が構成でき、小さな回路規模でも高分解能のD/A変換器が実現できることがわかる。これは分解能を上げれば上げるほど回路規模に大きな差がつくため、精度の必要なビット数の大きいD/A変換器には非常に有効であるといえる。
【0019】
また前記副基準電圧値を発生する別の具体的な手段としては、D/A変換器を構成する反転増幅器出力にサンプルホールド回路を設け、そのサンプルホールド回路の出力を終端容量の第2の端子に接続しても実現できる。これにより、サンプルホールド回路は一般的にD/A変換器より小さな面積で実現できるため、これにより2つのD/A変換器を用いるよりも更に小さな回路規模で高分解能のD/A変換器を構成することが可能となる。
【0020】
また前記サンプルホールド回路の一手段としては、一度D/A変換器出力として終端容量および加重容量に蓄積された信号出力電荷のうち、終端容量自体に保持された信号電荷のみを保持したまま、次のD/A変換器リセット動作を行うことというように、終端容量自体をサンプルホールド回路として利用することでも実現でき、これにより、更に小さな回路規模での高分解能のD/A変換器が実現できる。
【0021】
また本発明において小さな回路規模で高分解能のD/A変換器を実現する別の手段としては、単位容量となる1個の終端容量、及び、単位容量に対して1:2:4:・・・:2(n-1)に重み付けされたn個の加重容量の計n+1個の容量と、増幅出力を得るための反転増幅器とを有するD/A変換器であって、前記反転増幅器の入出力間には帰還用のスイッチング手段が設けられるとともに、前記n+1個の容量の第1端子側は共通に前記反転増幅器の入力端子に接続され、前記終端容量の第2端子側を複数の基準電圧の一つに接続し、次に、前記終端容量の第2端子側を前記反転増幅器の出力に接続する終端動作用スイッチング手段と、前記加重容量の第2端子側には複数の基準電圧に対して選択的に前記容量の第2端子側を接続し、次に、前記加重容量の第2端子側を反転増幅器の出力に接続する複数の入力動作用スイッチング手段とが設けられている、ことを特徴とするD/A変換器を並列に2組設けるとともに、その2組のD/A変換器の終端容量には、2つの主基準電圧の相異なる電圧がそれぞれに与えられるとともに、2つの基準電圧入力信号線には前記2組のD/A変換器出力がサンプルホールド回路を介して与えられる構成を用いることでも実現できる。このような構成でも小さな回路規模で高分解能のD/A変換器が実現できる。
【0022】
また本発明において、前記反転増幅器は完全差動型の2入力2出力のオペアンプであり、前記n+1個の容量、前記終端動作用スイッチング手段、前記複数の入力動作用スイッチング手段、前記帰還用のスイッチング手段はそれぞれの入出力に対して2組ずつ設けられるとともに、前記終端動作用スイッチング手段及び前記入力動作用スイッチング手段であたえられる基準電圧は2組の系において対応する容量同士で2つの主基準電圧の相異なる一方が与えられる(すなわち相互に逆の電圧が与えられる)ことが望ましい。これにより、高速動作のパイプライン型AD変換器等に必要な完全差動型のD/A変換器を実現でき、第1〜第4の目的までを達成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
図1は本発明の基本動作を説明するために、第1実施形態として示す4ビットのD/A変換器である。図1において、容量C1〜C4は容量値の比が1:2:4:8の加重容量で、容量C0は容量比が1の終端容量である。これらの容量の一端は共通に反転増幅器(INV1)の入力ノードN1に接続され、またそれら容量の他端はリセット動作時には2つの主基準電圧となる最低電圧VBと最高電圧VTのいずれかに独立に接続し、出力動作時には反転増幅器INV1の出力に共通に接続するスイッチSWR0〜SWR4に接続している。なお、リセット動作時において各容量に接続する主基準電圧は、加重容量C1〜C4についてはディジタルデータに基づき制御されるスイッチSWD1〜SWD4により選択的に与えられるが、終端容量C0は最低電圧VBが固定して与えられるようになっている。また、反転増幅器INV1の入出力間にはリセット動作時にオン状態、出力動作時にオフ状態をとる帰還用スイッチSWR5が設けられている。
【0024】
このような構成において、リセット動作時は反転増幅器INV1の入出力間のスイッチSWR5がオンして短絡されるため、反転増幅器INV1の入力端子ノードN2の電圧は、反転増幅器INV1のしきい値電圧Vthとなる。また各容量の独立した端子側に与えられる電圧をV1〜V4とすると、容量に蓄積される総電荷量Qは式(5)で表される。ここでV1〜V4はVBまたはVTのいずれかの電圧値をとる。
Q=(Vth-VB)*C0+(Vth-V1)*C1+(Vth-V2)*C2+(Vth-V3)*C3+(Vth-V4)*C4
・・・・・(5)
【0025】
次に出力動作時においては、SWR5がオフとなり、各容量のSWR0〜SWR4の端子側は反転増幅器INV1の出力に共通に接続する。このとき反転増幅器INV1のオープンループゲインが十分に高いとすると、反転増幅器INV1の入力ノードN2はリセット動作時と同じVthに保持されるため、反転増幅器INV1の出力電圧をVoとすると、容量の総蓄積電荷Q'は式(6)で表される。
Q' = (C0+C1+C2+C3+C4) * (Vth−Vo) ・・・・ (6)
【0026】
式(5)、(6)において、Vi(i=1,2,3,4)はディジタルデータにより制御されVBまたはVTのいずれかなので、各ビットのディジタルデータをDi(i=1,2,3,4)として、Di=0のときはVBに接続し、Di=1のときはVTに接続するものとすると、Vi=Di*ΔV+VB(ΔV=VT-VB)と表すことができる。また、電荷保存則によりQ、Q'にはQ=Q'の関係があるとともに、各容量の比はC0:C1:C2:C3:C4=1:1:2:4:8であることを利用すると出力電圧Voは(7)のように導かれる。
Vo = ΔV*(D1+2*D2+4*D3+8*D4)/16+VB ・・・・ (7)
【0027】
式(7)によるとD/A変換器出力Voは、ディジタルデータD1〜D4の与え方によりΔV/16ステップでVB〜15/16ΔV+VBまでの任意のアナログ電圧が得られ、4ビットのD/A変換器が実現されることがわかる。このように重み付けが1:2:4:・・:2n-1というように2進化加重された容量をnビット分と、終端容量として比が1の容量をもう1つ設けることで、同様にnビットのD/A変換器が実現できる。なお、このような構成を用いるとノードN2に寄生容量が存在しても、このノードの電位はリセット動作時も出力動作時も反転増幅器のしきい値電圧値Vthとなり変わらないため寄生容量の影響は受けない。また、式(5)、(6)の両式には反転増幅器のしきい値電圧値Vthが含まれているが、式(7)でわかるように、出力電圧Voにはその影響は含まれない。これは、予めリセット動作時に各容量にしきい値電圧を保持して、出力動作時にはそのしきい値電圧を打ち消すように動作するためである。
【0028】
この実施形態において、スイッチSWR0は上記終端動作用スイッチング手段に相当する。また、図1に示すSWi(相互に接続されたスイッチSWDiとSWRi:i=1〜n(nは自然数))は上記入力動作用スイッチング手段に相当する。この実施形態は、n(図示例では4)個の入力動作用スイッチング手段を含む。なお、上記実施形態では、終端動作用スイッチング手段(スイッチSWR0)により終端容量C0に主基準電圧VBを供給しているが、この主基準電圧VBの代わりに主基準電圧VTを供給してもよい。この場合にも、ディジタルデータに応じて複数の入力動作用スイッチング手段SWiを動作させることにより、上記ディジタルデータに対応した、主基準電圧VBとVTの間のアナログ出力が得られる。
【0029】
以上に説明した動作をタイミングチャートにすると図2のように表される。図2において期間T1はリセット動作期間でSWR0〜SWR5="H"は図1に示す状態であり、この期間にDATA(t)のディジタルデータによりSWD1〜SWD4が制御され容量C0〜C4の独立した端子側に基準電圧のいずれかが与えられる。このとき、SWD5もオンしているため出力電圧Voutは反転増幅器のしきい値電圧値Vthとなる。つぎに期間T2は出力動作期間であり、SWR0〜SWR5はリセット時とは反転状態をとるとともに、SWR5はオフ状態となって、容量C0〜C4が反転増幅器の入出力間に接続され、与えられたディジタルデータに対するアナログ出力がVoutより出力される。このように、本発明のD/A変換器はリセット動作と出力動作の2つの動作で実現でき、図15の従来例を改良した特許第3166603号のように、複数回のリセット動作をしなくても高精度のD/A変換器を実現できる。
【0030】
以上に示すように、本発明に基づく図1に示したD/A変換器は図15の従来例と比較して回路規模の増加なしに、簡単な動作方法で寄生容量の影響を受けないD/A変換出力を得ることができるため、小さな単位容量でも精度の良いD/A変換器が可能となり、高精度のD/A変換器を小さな面積で実現することができる。さらに、本発明では反転増幅器のしきい値電圧のばらつきであるオフセット電圧の影響も受けずに、増幅出力を得ることができるため、オフセット誤差のないD/A変換器が実現できる。このように、以上に示した第一実施形態により、本発明における第1の目的である寄生容量による誤差の影響を受けないD/A変換器を簡単な構成と動作で実現することと、第2の目的であるオフセット誤差のないD/A変換器を実現することが達成できることがわかる。
【0031】
これまでの説明では、反転増幅器のオープンループゲインが非常に大きく、反転増幅器INV1のノードN2の電位がVthで一定のものとして説明してきたが、このオープンループゲインの影響について若干説明を加えておく。図1において、反転増幅器INV1のオープンループゲインをAvとして反転増幅器INV1の出力がVBからVTまで変わると、ノードN2の電位は(VT-VB)/Avだけ変化する。したがって、ノードN2の寄生容量をCpとすると実際にはCp/Avだけ寄生容量の影響を受けるため、厳密にいえばこれによる誤差が生じる。しかしながら、従来のD/A変換器に比較すれば寄生容量の影響は1/Avに低減されるため、反転増幅器INV1のゲインをある程度大きくしておけば単位容量をそれほど大きくしなくても実用上問題のないレベルのD/A変換器をつくることが可能になる。
【0032】
図3に第1図における反転増幅器の具体的な構成の一例を示しておく。図3において、反転増幅器は縦積みされたPMOSトランジスタM1,M2とNMOSトランジスタM3,M4により構成され、ゲートが反転増幅器の入力Vinとなりソース接地型の増幅トランジスタとして動作するNMOSトランジスタM4と、ゲートにバイアス電圧Vbias1が接続されソースが電源に接続された定電流源型の負荷として働くPMOSトランジスタM1とで構成されるCMOS型の反転増幅器に、オープンループゲインを大きくするために、ゲートがバイアス電圧Vbias3に接続されたNMOSトランジスタM3がNMOSトランジスタM4のドレインに、またゲートがバイアス電圧Vbias2に接続されたPMOSトランジスタM2がPMOSトランジスタM1のドレインに対してそれぞれカスコード接続され設けられた構成となっている。このような、簡単な構成の反転増幅器でも、カスコード接続により高いオープンループゲインが得られるため、図1の構成のD/A変換器では、オフセット電圧のない高精度のD/A変換器を実現できる。
【0033】
[第2実施形態]
次に、本発明において、より分解能を上げたときでも小さな回路規模で実現する方法を、図4を参照にして説明する。通常、従来例である図15や本発明の図1の構成でnビットの分解能を得ようとすると、必要な加重容量は1:2:4:・・・:2(n-1)であるため単位容量に対する全容量の大きさは2nで、例えば8ビットでは256、10ビットでは1024と指数的に大きくなり、高分解能のD/A変換器は非常に大きな回路面積が必要となる。このような問題を解決する方法を示したものが図4である。
【0034】
図4の構成は終端容量C0に与える電圧以外は、図1とまったく同じ構成となっており、反転増幅器(INV1)と反転増幅器INV1の入出力間に設けられた帰還用スイッチSWR5と、反転増幅器INV1の入力に一端が共通に接続された加重容量C1〜C4および終端容量C0とそれらの容量の他端に独立に設けられたリセット動作時には基準電圧のVT、VBあるいはVMを選択的に接続し、出力動作時には反転増幅器出力端子Voutに接続するスイッチSWR0〜SWR4により構成される。ここでもわかりやすいように、図1と同様に基準電圧はディジタルデータにより制御されるスイッチSWD1〜SWD4を介して与えられるように記している。なお、図1においてはリセット動作期間中にC0に与えられる電圧はVBに固定されていたが、図4の構成ではC0には最低電圧値VBと最高電圧値VTをm等分して得られる電位VM=j/m*VT+(1-j/m)*VBのうちのj=0,1,・・・,m-1(mは2以上の自然数)のいずれかをとる中間電位VMが与えられるように構成される。
【0035】
このような構成において、図1で出力電圧を求めたのと同様に電荷保存則を利用してD/A変換出力Voを求めると式(8)のように表すことができる。なお、式中kはSWD1〜SWD4を制御するディジタルデータD1〜D4の値によりk=D1+2*D2+4*D3+8*D4で表され、k=0〜15までのいずれかの値をとり、jは終端容量C0に与えられる電位をVM=j/m*VT+(1-j/m)*VBとしたときのjの値でj=0〜m-1のいずれかの値をとる。
Vo = ΔV*(k/16+j/(16*m))+VB ・・・・・ (8)
【0036】
式(8)において、一例としてm=16の場合を考えると、jはj=0〜15のいずれかの値をとり、また、kもk=0〜15のいずれかの値なので、(k/16+j/(16*m))は0〜255/256の範囲において1/256ステップの数が任意に与えられることがわかる。このことは、Voは基準電圧VBとVTの間を256等分したうちのいずれかの電圧をとることを意味し、すなわち8ビットのD/A変換器出力が実現されていることを表している。このように、図1と同じ4ビット分のD/A変換器の構成を用いても、図4に示すように終端容量に与える電圧を細かなステップで可変とすることで分解能の高いD/A変換器が実現できることがわかる。
【0037】
この細かなステップの副基準電圧は、2つの基準電圧か副基準電圧発生回路SUBにより発生させることができる。この副基準電圧発生回路SUBは、例えば、基準電圧VBとVT間に直列抵抗16本による抵抗ストリングを設けることで得ることができ、その接続点における電圧のいずれかをスイッチを介して選択的に終端容量に与えることで8ビットのD/A変換器が実現できる。このように、終端容量に2つの主基準電圧間を分圧してできる副基準電圧のいずれかをVMとして与えることにより、比較的小さな回路規模の追加で分解能を上げることができるため、単純に容量を多くしてビット数を上げるよりも、より小さな回路規模で高分解能なD/A変換器を実現できる。図4に示す第2実施形態により、本発明の第1、第2の目的のみならず、小さな回路規模で高分解能なD/A変換器を実現するという第3の目的も実現できることがわかる。
【0038】
[第3実施形態]
次に、図4に示す第2実施形態をもとに、より具体的な構成として実現した第3実施形態を図5に示す。先ほどの説明にて多数の抵抗を直列接続した抵抗ストリングにより副基準電圧が発生できると説明したが、CMOSプロセスでは抵抗よりも容量のほうが高い精度が得られるので、抵抗ストリングを用いずに、容量比で副基準電圧の精度が決まるように、図1と同じ構成のD/A変換器を副基準電圧発生回路SUBとして追加して設けて、4ビットのD/A変換器2個の組み合わせにより実現する8ビットのD/A変換器を図5に示す。
【0039】
図5においてDAC2は図1の構成と全く同じ構成の4ビットのD/A変換器で、反転増幅器INV2と、反転増幅器INV2の入出力間に設けられた帰還用スイッチSWR11と、反転増幅器INV2の入力に一端が共通に接続された加重容量C6〜C9および終端容量C5と、それらの容量の各々の他端に設けられた、リセット動作時には基準電圧のVT、VBをスイッチSWD5〜SWD8により選択的に接続し、出力動作時には反転増幅器INV2の出力端子に共通に接続する、スイッチSWR6〜SWR10とにより構成される。また、もうひとつのD/A変換器(DAC1)も同様に、反転増幅器(INV1)と帰還用スイッチSWR5と、加重容量C1〜C4および終端容量C0と、スイッチSWR0〜SWR4およびスイッチSWD1〜SWD4により構成される。このDAC1における終端容量C0にはスイッチSWR0を介してDAC2の出力が与えられている。このような構成において、DAC2はDAC1の終端容量C0に副基準電圧VMを与える下位ビット用のD/A変換器として動作するので、スイッチSWD5〜SWD8に下位4ビットのデータを入力するとともに、DAC1のSWD1〜SWD4には上位4ビットのデータを入力することにより、DAC1の出力より8ビット精度のD/A変換出力が得られる。
【0040】
図5の構成におけるD/A変換動作を図6に示すタイミングチャートを用いて説明する。なお、このタイミングチャートにおいてスイッチSWR0〜SWR11は"H"のときに図5に示す状態であり、"L"のときは図5の反転状態であるとする。また、スイッチSWD1〜SWD8にはディジタルデータD1〜D8によって規定される状態が与えられるものとする。
【0041】
図6において動作は大きく2つの期間T1、T2に分けられる。図2では2つの期間はリセット動作期間と出力動作期間に明確に分けられたが、図6ではT2は下位ビット用DAC2のリセット動作期間であると同時に上位ビット用DAC1の出力期間で、T1は下位ビット用DAC2の出力動作期間および上位ビット用DAC1のリセット動作期間となり、上位ビット用と下位ビット用のD/A変換器が交互にリセットと出力を繰り返すように動作する。詳細に説明すると次のようになる。まず、期間T2では下位ビット用のDAC2にデータD5〜D8に基づく下位ビットデータが与えられリセット動作が行われる。このときDAC1はその前にデータ入力されたD/A変換出力を出力する。次に期間T1では下位ビット用のDAC2は出力動作となり上位ビット用の終端容量C0にDAC2の出力が与えられるとともに、上位ビットデータD1〜D4で決まる基準電圧が加重容量C1〜C4に与えられながらDAC1のリセット動作が行われる。そして、再び下位ビット用のDAC2に下位ビットデータが与えられる下位ビット用DAC2のリセット動作期間に、先ほどのT1、T2で与えられたディジタルデータに基づくアナログ出力がDAC1の出力であるVoutより出力される。
【0042】
このような動作において、図5におけるDAC1の出力は図4に示すVMのようにもとになる2つの基準電圧VBとVTを16等分したときの分圧電圧を出力するため、図4の説明で示した例と同様に8ビット精度の出力が得られることがわかる。通常、単純に図1の構成を8ビットに拡張して適用すると単位容量が256個必要になるが、図5の構成では単位容量は4ビットD/A変換器2個分なので16*2=32となり計32個の単位容量で構成できるため、小さな回路面積で分解能の高いD/A変換器が実現でき、この効果は高分解能になればなるほどより大きな影響を与える。なお、タイミングチャートに示すようにディジタルデータは上位ビット(D1〜D4)と下位ビット(D5〜D8)を交互に4ビットずつ与えれば良いため、通常8ビットのD/A変換器に必要な8ビット分のデータ保持回路も4ビット分ですむため、この部分における回路規模削減効果も有している。以上に説明したように、図5の実施形態では図4と同様に本発明の第1〜第3の目的を達成でき、特に、抵抗を用いないため、CMOSデバイスにおいてはより大きな効果を有するといえる。
【0043】
[第4実施形態]
図5の実施形態では、2つのD/A変換器を用いて、その一方をステップの細かな副基準電圧発生用として使用したが、次に、1つのD/A変換器出力で同様な動作を行い、より小さな回路規模を実現できる第4実施形態を図7に示す。
【0044】
図7において、反転増幅器INV1と帰還用スイッチSWR5と、加重容量C1〜C4および終端容量C0と、スイッチSWR0〜SWR5およびデータ入力用のスイッチSWD1〜SWD4の構成は図1や図4と全く同じ構成であり、この部分は4ビットのD/A変換器の構成のままである。図7において特徴的なのは、この4ビットD/A変換器内の反転増幅器INV1の出力にサンプルホールド回路SH1を設け、このサンプルホールド回路SH1の出力を切り替えスイッチSWTの片側の端子に接続することで、一度出力されたD/A変換器の出力をサンプルホールド回路SH1に保持した後に、スイッチSWT,SWR0を介して、終端容量C0にその電圧が与えられるようにしている点である。
【0045】
図7の構成を用いて高分解能のD/A変換出力を得る方法を説明するための一例として、図8に12ビット精度の出力を得るためのタイミングチャートを示す。このタイミングチャートにおいてスイッチSWR0〜SWR5およびスイッチSWTの"H"の状態は図7に示す状態を表し、"L"の状態は図7の反転状態を表すものとする。また、スイッチSWD1〜SWD4は4ビットずつ入力されたディジタルデータにより状態が規定されるものとし、サンプルホールド回路は、図示しない回路制御スイッチSWSHが"H"のときにD/A変換出力をサンプリングして、"L"のときにホールド状態をあらわすものとする。
【0046】
図8に示すように、動作は期間T1〜T6の3回のD/A変換動作により12ビット精度の出力を得る。期間T5は1回目のリセット動作でありこの期間では12ビットディジタルデータの下位4ビットのデータD9〜D12がスイッチSWD1〜SWD4に与えられるとともにスイッチSWTは最低基準電圧値VB側を選択した状態でリセット動作が行われる。次に期間T6において、期間T5のリセット動作の状態に対応する4ビット精度の出力電圧値VM(t1a)がD/A変換器出力Voutより出力され、その電圧値がサンプルホールド回路SH1にサンプリングされる。期間T3は2回目のリセット動作となり、12ビットディジタルデータのうちの中間4ビットのデータD5〜D8がスイッチSWD1〜SWD4に与えられ、このときスイッチSWTはサンプルホールド回路の出力側を選択した状態となり、終端容量には4ビット精度の副基準電圧が与えられることになる。したがって、次の期間T4の出力動作時には、図5のDAC1の出力で得られたのと同様に8ビット精度の出力VM(t1b)がVoutより出力され、再びサンプルホールド回路SH1にサンプリングされる。期間T1の3回目のリセット動作においても2回目のリセット動作と同様に、データD1〜D4の上位ビットデータがスイッチSWD1〜SWD4に与えられるとともに、スイッチSWTがサンプルホールド回路SH1の出力側を選択しているため、終端容量には期間T4で得られた8ビット精度の副基準電圧が与えられ、これにより、期間T2にて12ビット精度の出力Vo(t1)が得られる。
【0047】
このように、図7に示す構成を用いて、D/A変換動作を複数回繰り返すことにより、原理的には上限なく分解能を上げることが可能となる。図7の構成と図5を比較すると、図5のD/A変換器DAC2が図7ではサンプルホールド回路SH1に置き換わっていることがわかる。一般的にサンプルホールド回路のほうがD/A変換器よりも小さな面積で回路を実現できるため、この第4実施形態に示す方法は第3実施形態よりもより小さな面積で同等な効果が期待でき、当然のごとく第3実施例にて達成されている、本発明の第1、第2、第3の目的を成し遂げている。
【0048】
[第5実施形態]
図7ではサンプルホールド回路を用い細かなステップの副基準電圧を保持して分解能を高くする方法を示したが、本発明におけるD/A変換器の出力動作をよく考えると、出力動作時には容量C0〜C4は反転増幅器の入出力間に並列に接続され、各容量にはこの時点で出力電圧に対する電荷が保持されている。したがって、この電荷を利用することによって新たなサンプルホールド回路の追加なしに第4実施形態と同様な効果を得ることができる。図9に、新たなD/A変換器やサンプルホールド回路の追加なしに分解能を上げる方法を第5実施形態として示す。
【0049】
図9を図7と比較するとわかるように、この回路は図7におけるサンプルホールド回路SHを取り除くとともに終端容量C0に接続されるSWT′を切り替え型のスイッチからオン−オフ型のスイッチに変更している以外の構成は図7と同じであり、図1の回路と比較しても終端容量に対してスイッチSWT′が追加されただけである。次に、この図9の動作について、図10に8ビットのD/A変換器として動作させるためのタイミングチャートを示して説明する。図10のT1〜T4の期間で示すように基本的にはリセット動作と出力動作を2回繰り返すことで8ビットの精度を得ることができる。なお、このタイミングチャートもこれまでと同様にスイッチSWR0〜SWR5およびスイッチSWTの"H"の状態は図9に示す状態で、"L"は反転状態とし、スイッチSWD1〜SWD4は4ビットずつ入力されたディジタルデータにより状態が規定されるものとする。
【0050】
期間T3ではSWT′="H"で、終端容量C0には最低電圧VBが与えられるとともに、加重容量C1〜C4には期間T3のときにスイッチSWD1〜SWD4に与えられるディジタルデータD1〜D4(t1)により最低電圧VBまたは最高電圧VTのいずれかが与えられ、これらのデータに対する4ビット精度のアナログ出力VM(t1)が次の期間T4にて、スイッチSWR0〜SWR4が反転出力側に接続することによりVout端子に発生する。このときC0〜C4は反転増幅器INV1の入出力間に接続されているので出力電圧に対する電荷が保持されることになる。次に期間T1の2回目のリセット動作においては、スイッチSWT′はオフ状態となりC0の電荷は保持されるが加重容量C1〜C4はディジタルデータD5〜D8(t1)に対するVBまたはVTの電圧値に書き換えられる。このようにスイッチSWT′がオフ状態となることで終端容量C0には期間T4の4ビット精度の出力電圧VM(t1)に対する電荷が保持された状態となり、ちょうど16ステップの副基準電圧を与えるのと等価であるため、図4,5,7で説明した実施形態と同様に期間T2ではディジタルデータD1〜D8(t1)に対する8ビット精度のアナログ出力Vo(t1)がVout端子より得られる。
【0051】
このように、終端容量に接続するスイッチの制御により、図7のようにサンプルホールド回路を設けた構成と同様の効果を得ることができるため、図1の4ビットのD/A変換器と比較してもスイッチ1つの追加により分解能を上げることが可能となる。なお、図10のタイミングチャートではリセット動作と出力動作を2回繰り返すことで8ビットの信号精度を得たがこれを、3回繰り返せば12ビット、4回では16ビットと原理的にはいくらでも分解能を上げることが可能となる。以上に説明したように、図9に示す本発明の第5実施形態においても、これまでの実施形態と同様に本発明の第1、第2、第3の目的を達成でき、特に、これまでの実施形態のなかでも最小面積で高い分解能を得ることができるという優位点を有している。
【0052】
[第6実施形態]
これまでの実施形態では図1に示す本発明の基本的なD/A変換器の構成にて終端容量に与える副基準電圧のステップを細かくすることで分解能を上げていたが、D/A変換して得た細かな副基準電圧をD/A変換器に与える主基準電圧としてフィードバックしても、これまでの実施形態と同様に、低い分解能のD/A変換器の組み合わせで高い分解能を得ることができる。そこで、図11に第6実施形態としてD/A変換出力を基準電圧にフィードバックして分解能を上げる方法を示す。
【0053】
図11に示すように本回路は、破線で囲まれたDAC1A、DAC1Bで示す2つの4ビットD/A変換器と、それぞれの出力に設けられたサンプルホールド回路SH1A、SH1Bと、2つのD/A変換器に与える基準電圧を選択するためのスイッチSWREFaとSWREFbで構成される。これらのうち、2つのD/A変換器における基本的な構成はDAC1Bについては図1の4ビットD/A変換器と同じだが、DAC1Bの終端容量に接続されたスイッチSWR0bの一端は電圧値の低い基準電圧入力に接続されるのに対して、DAC1AのスイッチSWR0aの一端は電圧値の高い基準電圧入力に接続する。この接続の差によりDAC1A、DAC1BのスイッチSWD1a〜SWD4aとSWD1b〜SWD4bに同じディジタルデータを与えた場合、DAC1Aの出力はDAC1Bより1LSB分高い電圧の出力を発生する。なお、スイッチSWREFaは高い基準電圧入力の選択スイッチ、SWREFbは低い基準電圧値入力の選択スイッチとなるがこれらは、もとになる基準電圧値VT,VBあるいはサンプルホールド回路SH1A,SH1Bの出力のいずれかを選択するようになっている。
【0054】
図11の回路の動作を図12のタイミングチャートを用いて説明する。図12は12ビットの分解能を得るためのタイミングチャートでリセット動作と出力動作を3回繰り返している。タイミングチャートに示すスイッチの記号にはDAC1AおよびDAC1Bの2つの系を区別するためのa,bの添え字は省略しているが、これは2つの系におけるスイッチの制御が同じであることによる。また、このタイミングチャートもこれまでと同様にスイッチSWR0〜SWR5およびスイッチSWREFの"H"の状態は図11に示す状態で、"L"は反転状態とし、スイッチSWD1〜SWD4は4ビットずつ入力されたディジタルデータにより状態が規定されるものとし、サンプルホールド回路SH1A,SH1Bは、図示しない回路制御スイッチSWSHが"H"のときにD/A変換出力をサンプリングして、"L"のときにホールド状態をあらわすものとする。このタイミングチャートにおいて図8や図10と大きく違うのはスイッチSWD1〜SWD4を制御するディジタルデータを上位ビットから4ビットずつ入力していき、D/A変換出力も徐々に精度を上げるように出力されることである。
【0055】
期間T1、T2は1回目のリセット動作および出力動作であるが、この期間のみスイッチSWREFa,SWREFbはもとになる基準電圧VT、VB側に接続し、これまでの動作と同様に期間T1で加重容量の独立端子にはディジタルデータにしたがって基準電圧が与えられ、終端容量にはDAC1AではVTがDAC1BではVBが与えられる。ここで、D1〜D4にて与えられるディジタルデータをk(k=0〜15)とすると、次の期間T2にて出力端子VOUT1、VOUT2に表れる出力電圧Vo1,Vo2は次のようになり、これら電圧値がサンプルホールド回路SH1A、SH1Bに保持される。なお、式(9)、(10)においてΔVはΔV=VT−VBを表す。
Vo1(t1a) = (k+1)/16*ΔV+VB ・・・・(9)
Vo2(t1a) = k/16*ΔV+VB ・・・・(10)
【0056】
次の期間T3、T4にて再びリセット動作と出力動作が繰り返されるがこのときはスイッチSWREFa,SWREFbはサンプルホールド回路SH1A,SH1Bに接続され、基準電圧として(9)、(10)で示される電圧値が与えられるため、この期間にて与えられるD5〜D8のディジタルデータをj(j=0〜15)とすると、それぞれの出力電圧は(11)、(12)となる。なお、式(11)、(12)においてΔV'はΔV'= Vo1(t1a)−Vo2(t1a)=ΔV/16を表す。
Vo1(t1b) = (j+1)/16*ΔV'+(k/16*ΔV+VB) ・・・(11)
Vo2(t1b) = j/16*ΔV'+(k/16*ΔV+VB) ・・・・(12)
【0057】
同様に期間T5、T6にて3回目のリセット動作と出力動作が繰り返されるが、このときも各容量に与えられる基準電圧は期間T4でサンプルホールドされた (11)、(12)で示される電圧値となるため、D9〜D12のディジタルデータをi(i=0〜15)とすると出力電圧は式(13-1)、(14-1)のように表されるが、この式においてΔV''はΔV''= Vo1(t1b)−Vo2(t1b)= ΔV'/16=ΔV/256であり、ΔV'はΔV'= Vo1(t1a)−Vo2(t1a)=ΔV/16なので、式をΔVで規格化するとともに、l=i+16*j+256*k(l=0〜4095)とすると(13-2)、(14-2)が導かれる。
Vo1(t1c)= (j+1)/16*ΔV''+i/16*ΔV'+k/16*ΔV+VB ・・(13-1)
=(l+1)/4096*ΔV+VB・・・ (13-2)
Vo2(t1c)= j/16*ΔV''+i/16*ΔV'+k/16*ΔV+VB ・・・(14-1)=l/4096*ΔV+VB・・・ (14-2)
【0058】
このように、式(9)、(10)、(11)、(12)、(13-2)、(14-2)と見ていくと、リセット動作と出力動作を繰り返すことで、出力電圧の分解能が上がっていくことがわかる。このアナログ出力の波形のようすを図12のVout1、Vout2に示す。図においてVout1は破線で、Vout2は実線で示しているが、図をみればわかるように動作を繰り返すごとに両者の差は小さくなり、T2における差は4ビット分解能の1LSB、T4では8ビット分解能の1LSB、T6では12ビット分解能の1LSBとなっており、これに伴い出力の分解能も上がることがわかる。
【0059】
したがって図11に示すような構成を用いても、比較的小さな回路規模で分解能の高いD/A変換器が実現でき、本発明における第1から第3の目的を達成できることがわかる。なお、図11の回路構成は、図5、7、9の構成と比較すると若干回路規模は大きいが、同じ構成の2つの系により差電圧の分解能を上げることにより、素子のばらつき等があっても2つの系の相対的なばらつきは小さく抑えられるため、素子ばらつきの影響を受けにくいという特徴を有している。
【0060】
[第7実施形態]
これまでの実施例はすべて、反転増幅器が図3に示すような1入力1出力の反転増幅器を用いることを前提に実施例を説明してきたが、次に第7実施形態として、完全差動型の2入力2出力のD/A変換器の構成を示す。この完全差動型のD/A変換器は、小さなビット数の比較回路と、信号電圧と比較電圧の差電圧を増幅する増幅器を多段接続することで分解能を上げるパイプライン型のA/D変換器等に用いられる比較電圧発生用のD/A変換器として、電源系やGND系からの雑音に対処するために完全差動型が望まれていたが、これまでは抵抗ストリングスの分圧等を利用する電圧スケーリング型が用いられていたため、厳密な意味での完全差動型は実現できていなかった。しかし、本発明を応用することで完全差動型のD/A変換器が可能であることを図13、図14を用いて説明する。
【0061】
図13は2入力2出力形式の完全差動型オペアンプ(OP1)の2つの入出力系(D/A変換部)DACa,DACbに対して図1と同様に容量およびスイッチ等を設けて構成したものであり、2つの系の構成要素にはa,bの添え字を付けて示している。ここで容量C1a〜C4a, C1b〜C4bは容量値の比が1:2:4:8の加重容量で、容量C0a,C0bは容量比が1の終端容量である。これらの容量の一端は完全差動型オペアンプOP1の反転入力端子VinMと正転入力端子VinPにそれぞれの系で共通に接続され、容量の他端はそれぞれの系においてスイッチSWR0a〜SWR4aおよび スイッチSWR0b〜SWR4bに独立して接続している。これらのスイッチにより容量の独立端子側は、リセット動作時には2つの主基準電圧となる最低電圧VBと最高電圧VTのいずれかに接続し、出力動作時には反転入力端子VinMに一端が共通に接続された容量C1a〜C4aは完全差動型オペアンプの正転出力端子VoutPに、正転入力端子VinPに一端が共通に接続された容量C1b〜C4bは反転出力端子VoutMに接続される。また、完全差動型オペアンプの反転入力端子VinMと正転出力端子VoutP間には帰還スイッチSWR5aが、正転入力端子VinPと反転出力端子VoutM間には帰還スイッチSWR5bが設けられている。なお、リセット動作時において各容量の独立端子側に接続する主基準電圧は、終端容量C0aには最低電圧VBが、終端容量C0bには最高電圧VTが固定して与えられ、加重容量C1a〜C4aおよびC1b〜C4bについてはディジタルデータに基づき制御されるデータ選択スイッチSWD1a〜SWD4a およびSWD1b〜SWD4bにより選択的に与えられるようになっているが、2つの系にて対応するデータ選択スイッチの制御信号は反転の状態となっており、例えばSWD1aが"H"ならばSWD1bは"L"となっている。すなわち、2つの入出力系DACa,DACbにおいては、一方のある部位に主基準電圧VBが供給されるのであれば、他方の対応する部位には主基準電圧VTが供給されるというように、相互に逆の態様となるように構成されている。
【0062】
このようにリセット動作時に2つの系に対して反転した基準電圧を与えることにより、2つの信号出力端子VoutPおよびVoutMからの出力電圧値は2つの基準電圧の中間電位となる(VT+VB)/2に対して対称な出力電圧をとることになり、完全差動型の出力が得られる。また、リセット動作時においてディジタルデータがどんな値でも、2つの系にて容量がそれぞれ反対の基準電圧に接続するため、基準電圧VTおよびVBに接続する負荷容量は常に一定となるため、基準電圧入力においても対称性を有している。
【0063】
図14に、この完全差動型のD/A変換器に用いている、完全差動型オペアンプの一例を示す。図3と比較するとわかるが、このアンプは、縦積みされたPMOSトランジスタM1,M2およびNMOSトランジスタM3,M4で構成され出力がオペアンプの反転出力端子VoutMとなる反転増幅器と、PMOSトランジスタM8,M9およびNMOSトランジスタM10,M11で構成され出力がオペアンプの反転出力端子VoutPとなる反転増幅器の2つの反転出力回路に対して、ゲートがVbias1に接続され定電流源として動作するPMOSトランジスタM5とソースがM5のドレインに接続されゲートがこのオペアンプの正転入力端子VinPまたは反転入力端子VinMとなる差動構成のPMOSトランジスタM6、M7のドレインが前述した2つの反転増幅器のソース接地型増幅トランジスタとなるNMOSトランジスタM4およびM11のドレインにそれぞれ接続された構成となっている。なお2つの反転増幅器においてそれぞれの素子は図3の反転増幅器と同様に、ゲートにバイアス電圧Vbias1が接続されたPMOSトランジスタM1,M8は定電流源型の負荷として動作し、トランジスタM4,M11に対してカスコード接続されゲートがバイアス電圧Vbias3に接続されたNMOSトランジスタM3,M10および、トランジスタM1,M8にカスコード接続されゲートがバイアス電圧Vbias2に接続されたPMOSトランジスタM2,M9は、それぞれ反転増幅器のオープンループゲインを大きくする目的で設けられているが、NMOSトランジスタM4、M11だけは図3と異なりゲートには入力端子ではなくコモンモードフィードバック電圧Vcmfbが接続されることにより、これらのドレイン端子に接続するPMOSトランジスタM6,M7がソース接地型の反転増幅器として動作するようになっている。なお、このコモンモードフィードバック電圧Vcmfbは、出力端子VoutM、VoutPの平均値である(VoutM+VoutP)/2が、決められた電圧値をとるように2つの出力電圧からフィードバックがかけられた電圧値が与えられる。
【0064】
以上に図13の構成および図13に用いられる完全差動型オペアンプの構成を説明してきたが、この完全差動型の特徴はある動作ポイントとなる中間電位に対して2つの出力電圧が対称に出力されることであるが、雑音等の影響により中間電位の動作ポイントがずれたとしても、2つの出力の差分電圧には影響が及ばないため外部雑音に強いことも特徴的な点である。ここで、図13の特性をそのような観点から見てみると、図13を構成する完全差動型オペアンプは2つの入出力系において完全に対称性が保たれているため同相雑音に対して強いのは当然のことながら、図13を見ればわかるように容量C0a〜C4aとC0b〜C4bおよびスイッチSWR0a〜SWR5aとSWR0b〜SWR4bさらにスイッチSWD1a〜SWD4aとSWD1b〜SWD4bは2つの系において完全に同じ構成になっているとともに、入力基準電圧端子VB、VTに接続する負荷も全く同じになっていることがわかる。したがって、この構成は同相雑音の影響を受けにくいことが期待できる。
【0065】
このD/A変換器をパイプライン型A/D変換器の比較電圧発生用に用いることにより、完全差動構成のパイプライン型A/D変換器を構成することが可能となり、本発明の第4の目的を達成できる。また、この構成においては本質的には第1実施形態と等価であるため第1実施形態の有する特徴である、寄生容量による誤差の影響を受けないD/A変換器を簡単な構成と動作で実現できることと、オフセット誤差のないD/A変換器を実現できること、という2つの特徴も同時に有している。また、図13では4ビットの構成を示すのみであったが、同じ完全差動型のD/A変換器をもう一つ設けることで、図5の実施例に対応した完全差動型構成も実現できるほか、図7、9に示す実施形態に対しても完全差動型の構成に拡張可能であり、これまでシングル出力で示してきた実施形態に対して本実施形態で示した構成を適用することで、小さな回路規模で高分解能を有する完全差動型D/A変換器を実現することができる。
【0066】
【発明の効果】
本発明を用いることで、寄生容量による誤差の影響を受けないD/A変換器を簡単な構成と動作で実現することが可能であるとともに、増幅出力を得るために必要な内部増幅器のオフセット電圧の影響を受けないため、小さな面積でも高精度なD/A変換器を実現できる。また、従来は高分解能になると指数的に回路面積が大きくならざるをえなかったが、本発明を用いることにより、非常に小さな回路規模の追加で高分解能なD/A変換器を実現するができる。加えて、本発明はシングル出力のD/A変換器のみならず、デュアル出力として差動電圧出力を得られる完全差動型のD/A変換器においても2つの出力系の対称性を完全に保持しながら、小さな面積で高精度、高分解能の特性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本動作を説明するための第1実施形態の4ビットD/A変換器を示す回路図である。
【図2】 図1の動作を説明するためのタイミング図である。
【図3】 図1の反転増幅器の構成例である。
【図4】 本発明を用いた第2実施形態のD/A変換器を示す回路図である。
【図5】 本発明の第3実施形態の8ビットD/A変換器を示す回路図である。
【図6】 図5の動作を説明するためのタイミング図である。
【図7】 本発明の第4実施形態のD/A変換器を示す回路図である。
【図8】 図7のD/A変換器にて12ビット精度の分解能を実現するためのタイミング図である。
【図9】 本発明の第5実施形態のD/A変換器を示す回路図である。
【図10】 図9の動作を説明するためのタイミング図である。
【図11】 本発明の第6実施形態のD/A変換器を示す回路図である。
【図12】 図11のD/A変換器にて12ビット精度の分解能を実現するためのタイミング図である。
【図13】 本発明の第7実施形態のD/A変換器を示す回路図である。
【図14】 図13に用いている完全差動型増幅器の具体的な構成例である。
【図15】 従来のD/A変換器を示す回路図である。
【符号の説明】
C0 終端容量
C1〜C4 加重容量
SWR0〜SWR4 リセット動作、出力動作切り替え用スイッチ
SWR5 リセット用スイッチ
SWD1〜SWD4 ディジタルデータ入力用スイッチ
INV1,INV2 反転増幅器
OP1 完全差動型オペアンプ
SH1,SH2 サンプルホールド回路
VB 最低基準電圧入力端子および最低基準電圧値
VT 最高基準電圧入力端子および最高基準電圧値
Vout 出力信号端子
Vbias1,Vbias2,Vbias3 定電圧源およびその電圧値
M1,M5,M8 負荷用トランジスタ
M2,M3,M9,M10 カスコード型トランジスタ
M4,M11 増幅用トランジスタ
M6,M7 差動トランジスタ

Claims (7)

  1. 単位容量となる1個の終端容量(C0)、及び、単位容量に対して1:2:4:・・・:2(n-1)に重み付けされたn個の加重容量(C1〜4)の計n+1個の容量(nは自然数)と、増幅出力を得るための反転増幅器(INV1)とを有し、該反転増幅器の入力端子が前記n+1個の容量の第1端子側に共通に接続されてなるD/A変換器であって、
    前記反転増幅器の入出力間に設けられ、リセット動作期間(T1)において閉成状態になり、出力動作期間(T2)において開成状態になる帰還用のスイッチング手段(SWR5)と、
    前記終端容量(C0)の第2端子側を、前記リセット動作期間(T1)において2つの主基準電圧(V,V)のうちのいずれか一方に接続し、次に、前記出力動作期間(T2)において前記反転増幅器の出力に接続する終端動作用スイッチング手段(SWR0)と、
    前記リセット動作期間(T1)においてディジタルデータ(D1〜4)に応じて前記2つの主基準電圧のいずれかを選択して前記加重容量の第2端子側を選択的に接続し、次に、前記出力動作期間(T2)において前記反転増幅器の出力に接続する複数の入力動作用スイッチング手段(SWD1〜4,SWR1〜4)と、
    をさらに有することを特徴とするD/A変換器。
  2. 単位容量となる1個の終端容量(C0)、及び、単位容量に対して1:2:4:・・・:2(n-1)に重み付けされたn個の加重容量(C1〜4)の計n+1個の容量(nは自然数)と、増幅出力を得るための反転増幅器(INV1)とを有し、該反転増幅器の入力端子が前記n+1個の容量の第1端子側に共通に接続されてなるD/A変換器であって、
    前記反転増幅器の入出力間に設けられ、リセット動作期間(T1)において閉成状態になり、出力動作期間(T2)において開成状態になる帰還用のスイッチング手段(SWR5)と、
    前記リセット動作期間(T1)において前記終端容量(C0)の第2端子側を、2つの主基準電圧(V,V)の分圧により形成可能な副基準電圧(VM)に接続し、次に、前記出力動作期間(T2)において前記反転増幅器の出力に接続する終端動作用スイッチング手段(SWR0)と、
    前記リセット動作期間(T1)においてディジタルデータの上位ビット部分(D1〜4)に応じて前記2つの主基準電圧のいずれかを選択して前記加重容量の第2端子側を接続し、次に、前記出力動作期間(T2)において前記反転増幅器の出力に接続する複数の入力動作用スイッチング手段(SWD1〜4,SWR1〜4)と、
    前記ディジタルデータの下位ビット部分(D5〜8)に応じて前記2つの主基準電圧(VT,VB)の間をm等分に分圧して得られたm−1個の副基準電圧値(mは2以上の自然数)のいずれかを選択して前記副基準電圧(VM)として供給する副基準電圧供給手段(SUB)と、
    をさらに有することを特徴とするD/A変換器。
  3. 前記副基準電圧供給手段(SUB)は、
    単位容量となる1個の終端容量(C5)、及び、単位容量に対して1:2:4:・・・:2(n -1)に重み付けされたn′個の加重容量(C6〜9)の計n′+1個の容量(n′は自然数)と、
    その入力端子が前記n′+1個の容量の第1端子側に共通に接続された、増幅出力を得るための反転増幅器(INV2)と、
    前記反転増幅器の入出力間に設けられ、前回の出力動作期間(T2)において閉成状態になり、前記リセット動作期間(T1)において開成状態になる帰還用のスイッチング手段(SWR11)と、
    前記終端容量(C5)の第2端子側を、前記前回の出力動作期間(T2)において2つの主基準電圧(VT、VB)のうちのいずれか一方に接続し、次に、前記リセット動作期間(T1)において前記反転増幅器の出力に接続する終端動作用スイッチング手段(SWR6)と、
    前記前回の出力動作期間(T2)において前記ディジタルデータの下位ビット部分(D5〜8)に応じて前記2つの主基準電圧のいずれかを選択して前記加重容量の第2端子側を選択的に接続し、次に、前記リセット動作期間(T1)において前記反転増幅器の出力に接続する複数の入力動作用スイッチング手段(SWD5〜8,SWR7〜10)と、
    を有し、
    前記反転増幅器の出力を前記副基準電圧(VM)として出力する第2のD/A変換器(DAC2)であることを特徴とする請求項2に記載のD/A変換器。
  4. 前記副基準電圧供給手段(SUB)は、
    最初のリセット動作期間(T5)において前記終端容量(C0)に前記副基準電圧(VM)の代わりに前記2つの主基準電圧(VT,VB)のうちの一つを供給する手段(SWT)と、
    前回の出力動作期間(T6,T4)における前記反転増幅器の出力(VM(t1a),VM(t1b))を保持し、次に、前記リセット動作期間(T3,T1)において前記副基準電圧(VM)として供給するサンプルホールド回路(SH1)と、
    を有することを特徴とする請求項2に記載のD/A変換器。
  5. 前記副基準電圧供給手段(SUB)は、
    最初のリセット動作期間(T3)において前記終端容量(C0)の前記第2端子側に前記副基準電圧(VM)の代わりに前記2つの主基準電圧(VT,VB)のうちの一つを供給するとともに、前回の出力動作期間(T4)における前記反転増幅器の出力(VM(t1))に接続された前記終端容量の電荷を前記リセット動作期間(T1)において保持する手段(SWT')を有することを特徴とする請求項2に記載のD/A変換器。
  6. 請求項1に記載のD/A変換器と同じ構造を有する2組のD/A変換部(DACa,DACb)を並列に備えたD/A変換器であって、
    前記出力動作期間(T2)における一方の前記反転増幅器(INV1A)の出力を保持し、これを次回のリセット動作期間(T3)において前記2つの主基準電圧(VT,VB)のうちの一方の前記主基準電圧として供給する一方の保持手段(SH1A,SWREFa)と、
    前記出力動作期間(T2)における他方の前記反転増幅器(INV1B)の出力を保持し、これを次回のリセット動作期間(T3)において前記2つの主基準電圧(VT,VB)のうちの他方の前記主基準電圧として供給する他方の保持手段(SH1B,SWREFb)と、
    を有し、
    前記一方の主基準電圧は、前記リセット動作期間(T1)において前記終端動作用スイッチング手段(SWR0a)により前記終端容量(C0a)の第2端子側に供給され、前記他方の主基準電圧は、前記リセット動作期間(T1)において前記終端動作用スイッチング手段(SWR0b)により前記終端容量(C0b)の第2端子側に供給され、
    前記複数の入力動作用スイッチング手段(SWD1a〜4a,SWD1b〜4b,SWR1a〜4a,SWR1b〜4b)は、前記リセット動作期間(T1)において前記ディジタルデータの上位ビット部分(D1〜4)に応じて前記2つの主基準電圧(VT,VB)の前記一方と前記他方とを選択して前記加重容量の第2端子側に供給し、次に、前記出力動作期間(T2)において前記加重容量の第2端子側を前記反転増幅器(INV1A,INV1B)の入力端子に接続し、
    その後、前記次回のリセット動作期間(T3)において、前記出力動作期間(T2)における前記一方の反転増幅器(INV1A)の出力は、前記一方の保持手段(SH1A,SWrefa)により前記終端容量(C0a)の第2端子側に供給され、また、前記出力動作期間(T2)における前記他方の反転増幅器(INV1B)の出力は、前記他方の保持手段(SH1B,SWrefb)により前記終端容量(C0b)の第2端子側に供給され、次に、次回の出力動作期間(T4)において、前記終端用スイッチング手段(SWR0a,SWR0b)は、前記終端容量(C0a,C0b)の第2端子側を前記反転増幅器(INV1A,INV1B)の出力に接続し、
    前記複数の入力動作用スイッチング手段(SWD1a〜4a,SWD1b〜4b,SWR1a〜4a,SWR1b〜4b)は、前記次回のリセット動作期間(T3)において前記ディジタルデータの下位ビット部分(D5−8、D9−12)に応じて前記加重容量(C1a〜4a,C1b〜4b)の第2端子側に供給すべき前記出力期間(T2)における前記反転増幅器(INV1A,INV1B)の出力の前記一方又は前記他方を選択し、次に、前記次回の出力動作期間(T4)において、前記加重容量(C1〜4)の第2端子側を前記反転増幅器(INV1A,INV1B)の出力に接続する
    ことを特徴とするD/A変換器。
  7. 前記反転増幅器は完全差動型の2入力2出力を有するオペアンプであるとともに、前記2入力2出力に対応した2組のD/A変換部(DACa,DACb)を有し、
    前記D/A変換部は、前記n+1個の容量、前記帰還用のスイッチング手段、前記終端動作用スイッチング手段、及び、前記複数の入力動作用スイッチング手段をそれぞれ有し、
    前記2つの主基準電圧(V,V)は、前記2組のD/A変換部(DACa,DACb)に対して相互に逆転した接続態様にて接続される
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のD/A変換器。
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