JP3803173B2 - シールパッキン用ゴム組成物ならびに該組成物からなるシールパッキンおよびコンデンサー封口シール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、密封性、耐候性、耐薬品性、耐クリープ性、耐熱老化性、有機過酸化物架橋効率に優れる密封シ−ルパッキンゴム組成物および密封性、耐候性、耐薬品性、耐クリープ性、耐熱老化性、有機過酸化物架橋効率に優れるコンデンサ−封口シ−ルゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレン・プロピレン共重合ゴム(以下、EPRと称する場合がある)、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合ゴム(以下EPDMと称する場合がある)は、その優れた耐候性、耐熱老化性、耐水性、耐薬品性、低温柔軟性に優れているために家庭用ジャ−パッキング、給湯用パッキン、工業用パッキンなどの密封シ−ルパッキンやコンデンサ−封口シ−ルパッキンに使用されている。
これらの部品は長時間にわたり密封性を維持し、かつ熱老化(環境劣化)しないことが望まれているため、一般的には有機過酸化物を用いて架橋されている。
【0003】
環境劣化を防止する方法として、特開昭63−257114号公報、特開昭63−291938号公報に開示されているように、特定の老化防止剤を使用し耐熱老化性を向上させることができる。しかしながら、加硫ゴムの圧縮永久歪みが悪化し、密封性を長期間維持できないという問題がある。これを防止するために有機過酸化物架橋剤の使用量を増加する方法があるが、コスト的に不利である。
一方、EPDM中の架橋サイトであるジエン含量を多くすると圧縮永久歪みが向上することが一般的に知られている。しかしながら、この方法はゴム中に熱的に不安定な2重結合が増えるため耐熱老化性が悪くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、密封性、耐候性、耐薬品性、耐クリープ性、耐熱老化性、有機過酸化物架橋効率に優れる密封シ−ルパッキン用ゴム組成物および密封性、耐候性、耐薬品性(電解液)、耐クリープ性、耐熱老化性、有機過酸化物架橋効率に優れるコンデンサ−封口シ−ル用ゴム組成物の出現が望まれている。
本発明は上記欠点を改良すること、つまり、密封性、耐候性、耐薬品性、耐クリープ性、耐熱老化性、有機過酸化物架橋効率に優れる密封シ−ルパッキン用ゴム組成物および密封性、耐候性、耐薬品性(電解液)、耐クリープ性、耐熱老化性、有機過酸化物架橋効率に優れるコンデンサ−封口シ−ル用ゴム組成物を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、エチレン・α−オレフィン・ポリエン非晶質共重合体(A)100gに対して、
有機過酸化物(B)を0.001モルないし0.05モルと、
補強剤および/または無機充填剤を10〜180重量部と
を含有するシールパッキン用ゴム組成物であって、
エチレン・α−オレフィン・ポリエン非晶質共重合体(A)が、
ポリエンが下記一般式[1]あるいは[2]で表される少なくとも一種の末端ビニル基含有ノルボルネン化合物よりなり、
下記( i )〜( vii )の条件を満たし、かつ、
下記化合物(J)、(K)を主成分として含有する触媒を用いて、重合温度30〜60℃、重合圧力4〜12 kgf / cm 2 、エチレンと非共役ポリエンとの供給量(モル比)を
0.01≦非共役ポリエン/エチレン≦0.2
の条件で、エチレン、α−オレフィン及び一般式[1]または[2]で表されるノルボルネン化合物を共重合した共重合体であることを特徴とするシールパッキン用ゴム組成物が提供される。
【化3】
[式中、nは0ないし10の整数であり、R1 は水素または炭素原子数1〜10のアルキル基、R2 は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である]:
【化4】
[式中、R3 は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基である]、
(i) エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとのモル比(エチレン/α−オレフィン)が50/50〜90/10の範囲にあり、
(ii) よう素価が0.5〜50の範囲にあり、
(iii) 135℃のデカリン溶液での極限粘度が1乃至3dL/gの範囲にあり、
(iv) GPCで測定した分子量分布(Mw/Mn)が3〜50であり、
(v) ランダム共重合体100gに対しジクミルパーオキサイド0.01mol を用いて170℃×10分間プレス架橋したときの有効網目鎖密度νが1.5×1020個/cm3以上であり、
(vi) 100℃でのメルトフローカーブから求めた0.4×106dyn/cm2を示すときのずり速度γ1 と2.4×106dyn/cm2を示すときのずり速度γ2 の比γ2/γ1と上記有効網目鎖密度νとが一般式[III]
0.04×10-19≦Log(γ2/γ1)/ν≦0.20×10-19[III]
を満足する範囲にあり、
(vii) ソックスレー抽出(キシレン、3時間、メッシュ:325)後の不溶解分が1%以下である;
(J)VOCl 3 で表される可溶性バナジウム化合物、
(K)Al(Et) 2 Cl/Al(Et) 1.5 Cl 1.5 (ただし、Etはエトキシ基)で表される有機アルミニウム化合物(ブレンド比率は1/5以上)。
【0007】
本発明によれば更に、上記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体100重量部に対して、補強剤および/または無機充填剤を10〜180重量部、軟化剤を10〜200重量部の量で含有することを特徴とするゴム組成物が提供される。本発明で好ましく用いられる充填剤は、タルクあるいはクレーあるいはシリカあるいは炭酸カルシウムであり、その配合量がエチレン・α−オレフィン・VNB共重合ゴム100重量部に対して、10〜180重量部配合することが望ましい。またカーボンブラックを電気特性が悪化しない範囲で2〜100重量部配合することが望ましい。
また、さらに本発明によれば、上記本発明に係るゴム組成物を、好ましくはプレス、インジェクション成形機またはトランスファー成形機により成形してなるシールパッキン、ならびにコンデンサー封口シールが提供される。
【0008】
【発明の実施形態】
[作用]
本発明のシ−ルパッキン用ゴム組成物は、エチレン・α−オレフィン・ポリエン非晶質共重合体を含有して成るが、非共役ポリエン成分が前記式[1]または[2]の化学構造のノルボルネン化合物から成るものを選択することが顕著な特徴である。
【0009】
環状の非共役ポリエンとしては、ノルボルネン骨格を有するものや、ジシクロペンタジエン骨格を有するものなど、各種のものが知られているが、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)やジシクロペンタジエン(DCPD)を用いたのでは、たとえ共重合体のヨウ素価が本発明の範囲内にあっても、永久歪みが大きく、耐熱老化性に著しく劣っている(後述する比較例1乃至2参照)。この傾向は、非共役ポリエンとして線状のポリエンを用いた場合にも同様に認められる(後述する比較例3参照)。
【0010】
これに対して、5−メチレン−2−ノルボルネン(MND)や5−ビニル−2−ノルボルネン(VND)を用いると、このゴムは永久歪みが小さく、耐熱老化性にも顕著に優れている(後述する実施例1乃至3参照)。このことは、ヨウ素価が同じ、即ち共重合体中の不飽和結合の含有量が同じであっても、前記式[1]または[2]の化学構造のノルボルネン化合物から誘導された共重合体では、過酸化物による架橋が効率よく行われていると考えられる。
【0011】
この理由としては、次のことが考えられる。即ち、非共役ポリエンを共重合させると、1個のエチレン系不飽和が共重合に関与し、残りのエチレン系不飽和が共重合体鎖中に残留するが、環状の非共役ポリエンの場合、残留するエチレン系不飽和結合が環内にある場合と環の外にある場合とがある。環の外にあるエチレン系不飽和結合は、環内にあるエチレン系不飽和結合に比して自由度が大きく、反応性に富んでいると考えられる。前記式[1]及び[2]の化学構造のノルボルネン化合物を用い、本発明の重合手段で製造される共重合体では、環の外にあるエチレン系不飽和結合の割合が高く、これが前述した利点をもたらすものと認められる。
【0012】
本発明に用いるエチレン・α−オレフィン・ポリエン非晶質共重合体(A)は、前述した要件(i) 乃至(iii) 、好適には更に(iv)乃至(Vi)を満足するものであることが好ましい。
【0013】
前記要件(i) は、共重合体中のエチレン(a)/α−オレフィン(b)の組成比を規定するものであり、この組成比が前記範囲内にあれば、加工性、ゴム的特性、耐候性等を満足すべきレベルに維持することができる。
【0014】
前記要件(ii)は、非共役ポリエン(c)に由来する共重合体中の不飽和結合の含有量をヨウ素価で規定するものであって、この値が、上記範囲よりも小さいと、伸びが過大となり、また永久変形率が増大するなど好ましくない。また、大きすぎると、耐環境劣化性が悪くなり、またコスト的にも不利になるので好ましくない。
【0015】
前記要件(iii) は、共重合体の分子量を規定するものであり、極限粘度[η]が前記範囲よりも低いと、機械的特性などの物性 が低下し、また前記範囲よりも高いと、加工性等が低下する傾向がある。
【0016】
前記要件(iv) は、用いる共重合体の分子量分布(Mw/Mn)を規定するものであり、上記分子量分布の範囲のものは加工性に優れ、機械的特性や耐化学薬品性等も良好である。
【0017】
前記要件(V) は、用いる共重合体の過酸化物架橋のし易さ乃至得られる架橋の程度を、一定の架橋条件での有効網目鎖密度ν(測定方法は後述する)として示すものであって、この値が1.5×1020個/cm3 よりも小さいと、伸びが過大となり、またクリープや永久変形率が増大するなど好ましくない。
【0018】
前記要件(Vi)は、溶融流動におけるずり速度のずり応力依存性と架橋性とのバランスを示すものである。溶融粘度ηは、ずり速度をγ、ずり応力をσとしたとき、η=σ/γで表されるが、重合体のずり応力とずり速度との関係をプロットしたメルトフローカーブでは、ずり応力の増大の程度当たりのずり速度の増大の程度は著しく大きく、式[I] の中央の項の内、分子のずり速度比γ2 /γ1 の対数値は、共重合体の溶融流動時に、ずり速度のずり応力依存性が大きければ大きな値となり、小さければ小さい値となるものである。一方、分母のνは前記要件(V) における有効網目鎖密度を表すものであって、上記2個の特性値の比が、式[I]の範囲にあることが、共重合体の加工性や機械的特性を優れたレベルに維持しながら、耐熱老化性を優れたレベルに維持する上で重要である。即ち、この比が0.04を下回ると、加工性が低下する傾向があり、一方0.2を上回ると、強度低下したり、永久歪みが増大したり、耐熱老化性が低下する傾向がある。
【0019】
本発明に用いる共重合体は、エチレン(a)、炭素数3〜20のα−オレフィン(b)及びノルボルネン骨格有する非共役ポリエン(c)を前述した量比で共重合させることにより製造されるが、この際、前記式(H)の可溶性バナジウム化合物、特に前記式(J)の可溶性バナジウム化合物及び前記式(I)の有機アルミニウム化合物、特に前記式(K)の有機アルミニウム化合物から成る触媒を用い、重合温度を30〜60℃とし、且つ重合圧力を4〜12kgf/cm2 とすること、及びエチレンと非共役ポリエンとの供給量(モル比)を
0.01≦非共役ポリエン/エチレン≦0.2
の範囲とすることにより、前記要件(i) 乃至(Vi)を同時に満足するものとして、製造することができる。
【0020】
[エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体]
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体は(a)エチレンと、(b)炭素数3以上のα−オレフィンと、(c)一般式[I]または[II]で表されるノルボルネン化合物とのランダム共重合体であり、下記のような構成及び特性を有している。
【0021】
上記(b) のα−オレフィンは、炭素原子数3〜20のα−オレフィンであり、具体的には、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、トリデセン−1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセン−1、ヘプタデセン−1、ノナデセン−1、エイコセン−1、9−メチル−デセン−1、11−メチル−ドデセン−1、12−エチル−テトラデセン−1などが挙げられる。これらのα-オレフィンは、単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。
これらのうち、炭素数3〜10のα−オレフィンが好ましく、特にプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが好ましく用いられる。
【0022】
本発明で用いられる非共役ポリエン(c)は、一般式[1]または[2]で表されるノルボルネン化合物である。
【化5】
及び
【化6】
式中、R1 は水素または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、
R2 は、水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基であり、
R3 は水素原子または炭素原子1〜10のアルキル基である。
【0023】
R1 のアルキル基としては、具体的には、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
R2アルキル基の具体例としては、上記R1の具体例の内、炭素原子数1〜5のアルキル基が挙げられる。
R3のアルキル基の具体例は、上記R1のアルキル基と具体例と同じアルキル基を挙げることができる。
【0024】
上記一般式[1]または[2]で表されるノルボルネン化合物として具体的には、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−メチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(3−エチル−4−ペンテニル)、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセシル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネンなど挙げられる。
このなかでも、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネンが好ましい。
【0025】
5−ビニル−2−ノルボルネンの他に、目的とする物性を損なわない範囲で以下に示す非共役ポリエンと混合して使用することもできる。具体的には、1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどの鎖状非共役ジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、のようなトリエンを例示することができる。
【0026】
(i)(a)エチレン/(b)α-オレフィン成分比
本発明で提供されるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体は、(a)エチレンで導かれる単位と(b)炭素数3〜20のα−オレフィン(以下単にα−オレフィンということがある)から導かれる単位とを、50/50〜90/10、好ましくは55/45〜85/15、特に好ましくは60/40〜80/20〔(a)/(b)〕のモル比で含有している。
【0027】
(ii)ヨウ素価
本発明で用いられるエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体のヨウ素価は、0.5〜50(g/100g)で好ましくは0.8〜40(g/100g)、さらに好ましくは1〜30、特に好ましくは1.5〜20である。
この特性値が、上記範囲を超えて小さすぎると架橋効率が小さく、大きすぎると耐環境劣化性が悪くなり、またコスト的にも不利になるので好ましくない。
【0028】
(iii) 極限粘度
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合ゴムの135℃デカリン中で測定した極限粘度〔η〕は1〜3dl/g、好ましくは1.5〜2.5dl/gの共重合ゴムを使用するのが好ましい。
【0029】
(iv)分子量分布
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合ゴムの分子量分布(Mw/Mn)は3〜50であり、好ましくは3.3〜40、さらに好ましくは3.5〜30である。
【0030】
(v)架橋密度
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合ゴムの有効網目鎖密度νが1.5×1020個/cm3以上であり、好ましく1.8×1020個/cm3以上、さらに好ましくは2.0×1020個/cm3以上である。
【0031】
(vi)Log(γ2/γ1)/ν
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合ゴムのLog(γ2/γ1 )と有効網目鎖密度νの比が0.04×10-19 〜0.20×10-19 であり、好まし0.042×10-19 〜0.19×10-19 であり、さらに好ましくは0.050×10-19 〜0.18×10-19 以上である。
【0032】
上記のようなエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体は、極性モノマーで変性されても良いが、この変性物については詳細を口述する。
【0033】
[共重合体の製造方法]
本発明において、上記のような特定のエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム重合体は、(H)及び(I)を主成分として含有する触媒の存在下に、(a)エチレン、(b)α-オレフィンと、(C)一般式[1]または[2]で表されるノルボルネン化合物とをランダム共重合することにより得られる。
【0034】
共重合は、下記化合物(H)及び(I)を主成分として含有する触媒を用いて、重合温度30〜50℃、重合圧力5〜8kgf/cm2、エチレンと非共役ポリエンとの供給量(モル比)を
0.01≦非共役ポリエン/エチレン≦0.2
の条件で行うことが好ましい。
【0035】
また下記(J)及び(K)の触媒を用いると、沸騰キシレンでのソックスレ−抽出(3時間、スクリ−ン:325メッシュ)後の不溶解分が1%以下のポリマ−が得られるので、特に好ましい。
(J)VOCl3で表される可溶性バナジウム化合物:
(K)Al(Et)2Cl/Al(Et)1.5Cl1.5 (ただし、Etはエトキシ基)で表される有機アルミニウム化合物
(ブレンド比率は1/5以上)。
【0036】
共重合反応において、触媒構成成分として使用される可溶性バナジウム化合物成分は重合反応系の炭化水素媒体に可溶性のバナジウム化合物成分であり、具体的には一般式VO(OR)n Xb またはV(OR)c Xd (但し、Rは炭化水素基、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦a+b≦3、0≦e≦4、0≦d≦4、3≦c+d≦4)で表わされるバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与体付加物を代表例として挙げることができる。
より具体的には、VOCl3 、VO(OC2 H3 )Cl2 、
VO(OC2 H5 )2 Cl、VO(O−iso−C3 H7 )Cl2 、
VO(O−n−C2 H5 )Cl2 、VO(OC3 H5 )3 、VOBr3 、
VOCl3 、VO(O−n−C4 H9 )3 、VCl3 ・2OC6 H12OHなどを例示することができる。
【0037】
共重合反応に使用される有機アルミニウム化合物触媒成分としては、少なくとも分子内に1個のAl−炭素結合を有する化合物が利用でき、例えば、
(i)一般式R1 mAl(OR2 )nHpXq
(ここでR1 およびR2 は炭素原子数通常1ないし15個、好ましくは1ないし4個を含む炭化水素基で互いに同一でも異なっていてもよく、Xはハロゲンであり、mは0<m≦3、nは0≦n≦3、pは0≦p≦3、qは0≦q≦3の数であって、しかもm+n+p+q=3である)で表わされる有機アルミニウム化合物、
(ii)一般式M1 AlR1 4
(ここでM1 はLi、Na、Kであり、R1 は前記と同じ)で表わされる第1族金属とアルミニウムとの共アルキル化物などを挙げることができる。
【0038】
前記の(i)に属する有機アルミニウム化合物としては、次のものを例示できる。
一般式R1 m Al(OR3 )3-n
(ここでR1 およびR2 は前記と同じ。mは好ましくは1.5≦m≦3の数である)。
一般式R1 m AlX3-n
(ここではR1 は前記と同じ。Xはハロゲン、mは好ましくは0<m<3である)。
一般式R1 m AlH3-n
(ここでR1 は前記と同じ。mは好ましくは2≦m<3である)。
一般式R1 m Al(OR3 )n Xq
(ここでR1 およびR3 は前と同じ。Xはハロゲン、0<m≦3、0≦n<3、0≦q<3で、m+n+q=3である)で表わされるものなどを例示できる。
【0039】
(i)に属するアルミニウム化合物において、より具体的には、トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウムのようなトリアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシドのほかに、
R1 1.5 Al(OR1 )1.5 などで表わされる平均組成を有する部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミドのようなジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドのようなアルキルアルミニウムセスキハライド、エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミドなどのようなアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド、エチルアルミニウムシヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどの部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムを例示できる。
【0040】
また、(i)に類似する化合物として、酸素原子、窒素原子を介して2以上のアルミニウムが結合した有機アルミニウム化合物であってもよい。このような化合物として例えば、
などを例示できる。
【0041】
前記(ii)に属する化合物としては、
LiAl(C2 H5 )4 、LiAl(C7 H15)4
などを例示できる。
これらの中では、とくにアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムジハライド又はこれらの混合物を用いるのが好ましい。
【0042】
該共重合反応は炭化水素媒体中で行うことができ、炭化水素媒体としては、たとえばヘキサン、ヘプタン、オクタン、灯油のような脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンのような第四族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素、前記重合性不飽和炭素なども例示することができる。この2種以上の混合媒体であっても差しつかえない。
【0043】
本発明のエチレン系ランダム共重合体を製造する方法において、共重合反応は連続法で実施される。その際の重合反応系に供給される可溶性バナジウム化合物の濃度は重合反応系の可溶性バナジウム化合物の濃度の10倍以下、好ましくは7ないし1倍、さらに好ましくは5ないし1倍、もっと好ましくは3ないし1倍の範囲である。
【0044】
また、重合反応系内のバナジウム原子に対するアルミニウム原子の比(Al/V)は2以上、好ましくは2ないし50、とくに好ましくは3ないし20の範囲である。該可溶性バナジウム化合物及び該有機アルミニウム化合物はそれぞれ通常前記炭化水素媒体で希釈して供給される。
ここで、該可溶性バナジウム化合物は前記濃度範囲に希釈することが望ましいが、有機アルミニウム化合物は重合反応系における濃度の例えば50倍以下の任意の濃度に調製して重合反応系に供給する方法が採用される。
【0045】
共重合反応において、共重合反応系内の可溶性バナジウム化合物の濃度はバナジウム原子として通常は0.01ないし5グラム原子/リットル、好ましくは0.05ないし3グラム原子/リットルの範囲である。
【0046】
また、共重合反応は、30〜60℃、特に30〜50℃の温度で実施される。共重合反応は通常は連続法で実施される。その場合、重合原料のエチレン、α−オレフィン及びノルボルネン系ポリエン化合物、触媒成分の可溶性のバナジウム化合物成分、有機アルミニウム化合物成分及び炭化水素媒体が重合反応系に連続的に供給され、重合反応混合物が集合反応系から連続的に放出される。
共重合反応の際の平均滞留時間は重合原料の種類、触媒成分の濃度及び温度によっても異なるが、通常は5分ないし5時間、好ましくは10分ないし3時間の範囲である。
共重合反応の際の圧力は通常は4〜12kgf/cm2 、特に5〜8kg/cm2 に維持され、場合によっては窒素、アルゴンなどの不活性ガスを存在させてもよい。また、共重合体の分子量を調整するために、適宜、水素などの分子量調整剤を存在させることもできる。
【0047】
共重合に供給されるエチレンとα−オレフィンの供給割合は重合条件によっても異なるが、通常モル比で20/80ないし80/20程度であり、一方、エチレンと非共役ポリエンとの供給量(モル比)を
0.01≦非共役ポリエン/エチレン≦0.2
の範囲とするのがよい。生成するエチレン系ランダム共重合体中の各成分の割合が前記本発明のエチレン系ランダム共重合体の組成となるよう原料オレフィンの供給混合が制御される。また、共重合反応は、生成するエチレン系ランダム共重合体の極限粘度が本発明で規定した極限粘度に達するまで実施される。
【0048】
共重合反応によって得られる生成共重合体溶液はエチレン系ランダム共重合体の炭化水素媒体溶液である。該生成共重合体溶液中に含まれるエチレン系ランダム共重合体の濃度は通常は2.0ないし20.0重量%、好ましくは2.0ないし10.0重量%の範囲にある。該生成共重合体溶液を常法に従って処理することによって本発明のエチレン系ランダム共重合体が得られる。
【0049】
[変性ランダム共重合体]
本発明では、上記のようなエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体は、極性モノマーによりグラフト変性されていても良い。
この極性モノマーとしては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸あるいはその誘導体、ビニルエステル化合物、塩化ビニルなどが挙げられる。
【0050】
水酸基含有エチレン性不飽和化合物としては、たとえばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシ−プロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタンモノ(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−(6−ヒドロキシヘキサノイルオキシ)エチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル、10−ウンデセン−1−オール、1−オクテン−3−オール、2−メタノールノルボルネン、ヒドロキシスチレン、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、α−メチロールアクリルアミド、2−(メタ)アクロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコール、アリロキシエタノール、2−ブテン−1,4−ジオール、グリセリンモノアルコールなとが挙げられる。
【0051】
アミノ基含有エチレン性不飽和化合物としては、下式
(式中、R31は水素原子、メチル基またはエチル基であり、R32は、水素原子、炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜12、好ましくは6〜8のシクロアルキル基である。なお上記のアルキル基、シクロアルキル基は、さらに置換基を有してもよい。)
で示されるようなアミノ基または置換アミノ基を少なくとも1種類有するビニル系単量体を挙げることができる。
このようなアミノ基含有エチレン性不飽和化合物としては、たとえば(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、メタクリル酸シクロヘキシルアミノエチルなどのアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル系誘導体類、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミンなどのビニルアミン系誘導体類、アリルアミン、メタクリルアミン、N−メチルアクリルアミン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのアリルアミン系誘導体、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミドなどのアクリルアミド系誘導体、p−アミノスチレンなどのアミノスチレン類、6−アミノヘキシルコハク酸イミド、2−アミノエチルコハク酸イミドなどが挙げられる。
【0052】
エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物としては、1分子中に重合可能な不飽和結合およびエポキシ基を少なくとも1個以上有するモノマーが用いられる。
このようなエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物としては、たとえば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなど、マレイン酸のモノおよびジグリシジルエステル、フマル酸のモノおよびジグリシジルエステル、クロトン酸のモノおよびジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸のモノおよびジグリシジルエステル、イタコン酸のモノおよびグシジルエステル、ブテントリカルボン酸のモノおよびジグリシジルエステル、シトラコン酸のモノおよびジグリシジルエステル、エンド−シス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト5−エン−2,3−ジカルボン酸(ナジック酸TM)のモノおよびジグリシジルエステル、エンド−シス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−メチル−2,3−ジカルボン酸(メチルナジック酸TM)のモノおよびジグリシジルエステル、アリルコハク酸のモノおよびグリシジルエステルなどのジカルボン酸モノおよびアルキルグリシジルエステル(モノグリシジルエステルの場合のアルキル基の炭素数1〜12)、p−スチレンカルボン酸のアルキルグリシジルエステル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセンモノオキシドなどが挙げられる。
【0053】
芳香族ビニル化合物は、下記式
(式中、Φはフェニル基であり、R1 は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜3のアルキル基たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基である。
R2 は炭素数1〜3の炭化水素基またはハロゲン原子であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基および塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。nは通常0〜5、好ましくは1〜5の整数である。)
で表される。
このような芳香族ビニル化合物としては、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、2−イソプロペニルピリジン、2−ビニルキノリン、3−ビニルイソキノリン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドンなとが挙げられる。
【0054】
不飽和カルボン酸類としては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸などの不飽和カルボン酸またはこれらの誘導体(たとえば酸無水物、酸ハライド、アミド、イミド、エステルなど)が挙げられる。
この誘導体としては、たとえば、塩化マレニル、マレニルイミド、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸エチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジメチル、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸ジメチル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メタクリル酸アミノエチルおよびメタクリル酸アミノプロピルなどが挙げられる。
これらの中では、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸アミノプロピルが好ましい。
【0055】
ビニルエステル化合物としては、たとえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、パーサティック酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、p−t−ブチル安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロヘキサンカルボン酸ビニルなどが挙げられる。
【0056】
[変性ランダム共重合体の調製]
変性ランダム共重合体は、上記のようなランダム共重合体に、極性モノマーをグラフト重合させることにより得られる。
ランダム共重合体に、上記のような極性モノマーをグラフト重合させる際には、極性モノマーは、ランダム共重合体100重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは5〜80重量部の量で使用される。
【0057】
このグラフト重合は、通常ラジカル開始剤の存在下に行なわれる。
ラジカル開始剤としては、有機過酸化物あるいはアゾ化合物などを用いることができる。
有機過酸化物としては、たとえばジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)バラレート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、アセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドおよび2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トルイルパーオキサイドなどが挙げられる。
アゾ化合物としては、たとえばアゾイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチロニトリルなどが挙げられる。
ラジカル開始剤は、ランダム共重合体100重量部に対して、0.001〜10重量部程度の量で使用されることが望ましい。
【0058】
ラジカル開始剤は、ランダム共重合体および極性モノマーとそのまま混合して使用することもできるが、少量の有機溶媒に溶解してから使用することもできる。この有機溶媒としては、ラジカル開始剤を溶解し得る有機溶媒であれば特に限定することなく用いることができるが、たとえばベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンおよびデカンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびデカヒドロナフタレンなどの脂環族炭化水素系溶媒、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素およびテトラクロルエチレンなどの塩素化炭化水素、メタノール、エタノール、n−プロピノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノールおよびtert−ブタノールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸エチルおよびジメチルフタレートなどのエステル系溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ−n−アミルエーテル、テトラヒドロフランおよびジオキシアニソールのようなエーテル系溶媒を用いることができる。
【0059】
またランダム共重合体に極性モノマーをグラフト重合させる際には、還元性物質を用いてもよい。還元性物質を用いると、極性モノマーのグラフト量を向上させることができる。
還元性物質としては、鉄(II)イオン、クロムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、パラジウムイオン、亜硫酸塩、ヒドロキシアミン、ヒドラジン、さらには−SH、SO3 H、−NHNH2 、−COCH(OH)−などの基を含む化合物が挙げられる。
このような還元性物質としては、具体的には、塩化第一鉄、重クロム酸カリウム、塩化コバルト、ナフテン酸コバルト、塩化パラジウム、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N,N−ジメチルアニリン、ヒドラジン、エチルメルカプタン、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。
本発明では、還元性物質は、ランダム共重合体100重量部に対して、通常0.001〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部の量で用いることができる。
【0060】
ランダム共重合体の極性モノマーによるグラフト変性は、従来公知の方法で行うことができ、たとえばランダム共重合体を有機溶媒に溶解し、次いで極性モノマーおよびラジカル開始剤などを溶液に加え、70〜200℃、好ましくは80〜190℃の温度で、0.5〜15時間、好ましくは1〜10時間反応させることにより行うことができる。
上記の有機溶媒は、ランダム共重合体を溶解し得る有機溶媒であれば特に限定されないが、たとえばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒などを用いることができる。
【0061】
また押出機などを用いて、無溶媒で、ランダム共重合体と極性モノマーとを反応させて、変性ランダム共重合体を製造することもできる。
この反応は、通常ランダム共重合体の融点以上、具体的には120〜250℃の温度で、通常0.5〜10分間行なわれることが望ましい。
【0062】
このようにして得られる変性ランダム共重合体の変性量(極性モマーのグラフト量)は、通常0.1〜50重量%、好ましくは0.2〜30重量%であることが望ましい。
【0063】
[加硫可能なゴム組成物]
本発明のエチレン・α−オレフィン・ポリエンランダム共重合体は、未加硫のままでも用いることもできるが、加硫物として用いると、より一層優れた特性を発現することができる。
本発明に係る共重合体は、加硫剤を使用して加熱する方法、あるいは加硫剤を用いずに電子線を照射する方法等により、加硫することができる。
【0064】
本発明のエチレン・α−オレフィン・ポリエンランダム共重合体には、目的に応じて他の成分を適宜含有することができるが、このゴム組成物においては、エチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体を、全ゴム組成物中20重量%以上好ましくは25重量%以上の量で含有していることが望ましい。
また他の成分としては、たとえば補強剤、無機充填剤、軟化剤、老化防止剤(安定剤)、加工助剤、さらには発泡剤、発泡助剤などの発泡系を構成する化合物、可塑剤、着色剤、他のゴム配合剤などの種々の薬剤などを挙げることができる。他の成分は、用途に応じて、その種類、含有量が適宜選択されるが、これらのうちでも特に補強剤、無機充填剤、軟化剤などを用いることが好ましく、以下により具体的に示す。
【0065】
[補強剤および無機充填剤]
補強剤としては、具体的には、SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MTなどのカーボンブラック、これらカーボンブラックをシランカップリング剤などで表面処理したもの、シリカ、活性化炭酸カルシウム、微粉タルク、微粉ケイ酸塩などが挙げられる。
【0066】
無機充填剤としては、具体的に、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどが挙げられる。
【0067】
ゴム組成物は、補強剤および/または無機充填剤を、エチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体(A)100重量部に対して10〜200重量部好ましくは10〜180重量部の量で含有することができる。
このような量の補強剤を含有するゴム組成物からは、引張強度、引裂強度、耐摩耗性などの機械的性質が向上された加硫ゴムが得られる。
また、無機充填剤を上記のような量で配合すると、加硫ゴムの他の物性を損なうことなく硬度を高くすることができ、またコストを引き下げることができる。
【0068】
[軟化剤]
軟化剤としては、従来ゴムに配合されている軟化剤が広く用いられ、具体的に、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石油系軟化剤、コールタール、コールタールピッチなどのコールタール系軟化剤、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤、トール油、サブ、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリンなどのロウ類、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛などの脂肪酸および脂肪酸塩、石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂などの合成高分子物質などが用いられる。
これらのうちでも石油系軟化剤が好ましく、特にプロセスオイルが好ましい。ゴム組成物は、上記のような軟化剤を、エチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体(A)100重量部に対して10〜200重量部、好ましくは10〜150重量部、特に好ましくは10〜100重量部の量で含有することができる。
【0069】
[老化防止剤]
このゴム乃至ゴム組成物は、老化防止剤を使用しなくても優れた耐熱性、耐久性を示すが、老化防止剤を使用すれば、製品寿命を長くすることが可能であることも通常のゴムにおける場合と同様である。この場合に使用される老化防止剤としては、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、イオウ系老化防止剤などが挙げられる。
【0070】
アミン系老化防止剤としては、具体的には、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;p−(p−トルエン・スルホニルアミド)−ジフェニルアミン、4,4−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、4,4′−ジオクチル・ジフェニルアミン、ジフェニルアミンとアセトンとの高温反応生成物、ジフェニルアミンとアセトンとの低温反応生成物、ジフェニルアミンとアニリンとアセトンとの低温反応物、ジフェニルアミンとジイソブチレンとの反応生成物、オクチル化ジフェニルアミン、ジオクチル化ジフェニルアミン、p,p′−ジオクチル・ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、n−プロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N′フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、フェニル、ヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニル、オクチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤などが挙げられる。
フェノール系老化防止剤としては、具体的には、スチレン化フェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、1−ヒドロキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、モノ−t−ブチル−p−クレゾール、モノ−t−ブチル−m−クレゾール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、ブチル化ビスフェノールA、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ノニルフェノール)、2,2′−イソブチリデン−ビス−(4,6−ジメチルフェノール)、4,4′−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2−チオ−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオ−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオ−ビス−(2−メチル−6−ブチルフェノール)、4,4′−チオ−ビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンゼン)スルフィド、2,2−チオ[ジエチル−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート]、ビス[3,3−ビス(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェノール)ブチリックアッシド]グリコールエステル、ビス[2−(2−ヒドロキシ−5−メチル−3−t−ブチルベンゼン)−4−メチル−6−t−ブチルフェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、N,N′−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロキシアミド)、N−オクタデシル−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェノール)プロピオネート、テトラキス[メチレン−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、モノ(α−メチルベンゼン)フェノール、ジ(α−メチルベンジル)フェノール、トリ(α−メチルベンジル)フェノール、ビス(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルベンジル)4−メチル−フェノール、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、2,6−ジ−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸のジエチルエステル、カテコール、ハイドロキノンなどが挙げられる。
【0071】
イオウ系老化防止剤としては、具体的には、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミタゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルイミダソールの亜鉛塩、ジミスチルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステリアルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)などが挙げられる。
【0072】
これらの老化防止剤は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
このような老化防止剤の配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部とするのが望ましい。
【0073】
[加工助剤]
加工助剤としては、一般的に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸などの酸、これら高級脂肪酸の塩たとえばステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムまたはエステル類などが挙げられる。加工助剤は、エチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体100重量部に対して、10重量部以下好ましくは5重量部以下の量で適宜用いることができる。
【0074】
[加硫剤]
また、ゴム組成物を加熱により加硫する場合には、ゴム組成物中に通常加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤などの加硫系を構成する化合物を配合する。
加硫剤としては、イオウ、イオウ系化合物および有機過酸化物などを用いることができる。この中でも耐熱老化性に優れる加硫剤である有機過酸化物が好ましい。
【0075】
イオウの形態は特に限定されず、たとえば粉末イオウ、沈降イオウ、コロイドイオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウなどを用いることができる。
イオウ系化合物としては、具体的には、塩化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化物、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレンなどが挙げられる。
【0076】
また有機過酸化物としては、具体的には、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシン)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシビバレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリ−メチルシクロヘキサン等のパーオキシエステル類;ジシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;およびこれらの混合物などが挙げられる。
中でも、半減期1分を与える温度が130℃〜200℃の範囲にある有機過酸化物が好ましく、特に、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシン)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリ−メチルシクロヘキサンなどの有機過酸化物が好ましく用いられる。
【0077】
加硫剤がイオウまたはイオウ系化合物であるときには、エチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体(A)100重量部に対して、0.1〜10重量部好ましくは0.5〜5重量部の量で、有機過酸化物であるときには、エチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体(A)100gに対して、0.001〜0.05モル好ましくは0.002〜0.02モルの量で適宜用いられることが望ましい。
【0078】
[加硫促進剤]
また加硫剤としてイオウまたはイオウ化合物を用いる場合には、加硫促進剤を併用することが好ましい。
加硫促進剤としては、具体的に、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−(4′−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾールなどのチアゾール系化合物、ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレートなどのグアニジン化合物、アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニアなどのアルデヒドアミンまたはアルデヒド−アンモニア系化合物、2−メルカプトイミダゾリン(エチレンチオ尿素)などのイミダゾリン系化合物、チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリアなどのチオユリア系化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどのチウラム系化合物、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルルなどのジチオ酸塩系化合物、ジブチルキサントゲン酸亜鉛などのザンテート系化合物、亜鉛華などが挙げられる。
上記のような加硫促進剤は、エチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部好ましくは0.2〜10重量部の量で用いることが望ましい。
【0079】
[加硫助剤(多官能性モノマー)]
また、加硫剤として有機過酸化物を用いる場合には、加硫助剤(多官能性モノマー)を有機過酸化物1モルに対して0.5〜2モル好ましくはほぼ等モルの量で併用することが好ましい。
加硫助剤としては、具体的には、イオウ、p−キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系化合物、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどの(メタ)アクリレート系化合物、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレートなどのアリル系化合物、m−フェニレンビスマレイミドなどのマレイミド系化合物、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
本発明では、上記のような加硫剤のうちでも、イオウまたはイオウ系化合物、特にイオウを用いると、ゴム組成物の優れた特性を発現することができて好ましい。
【0080】
[発泡剤]
ゴム組成物は、発泡剤、発泡助剤などの発泡系を構成する化合物を含有する場合には、発泡成形することができる。
発泡剤としては、一般的にゴムを発泡成形する際に用いられる発泡剤を広く使用することができ、具体的には、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムなどの無機発泡剤、N,N′−ジメチル−N,N′−ジニトロソテレフタルアミド、N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化合物、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレートなどのアゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3′−ジスルホニルヒドラジドなどのスルホニルヒドラジド化合物、カルシウムアジド、4,4−ジフェニルジスルホニルアジド、p−トルエンスルホニルアジドなどのアジド化合物が挙げられる。
これらのうちでは、ニトロソ化合物、アゾ化合物、アジド化合物が好ましい。
発泡剤は、エチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体100重量部に対して、0.5〜30重量部好ましくは1〜20重量部の量で用いることができる。このような量で発泡剤を含有するゴム組成物からは、見かけ比重0.03〜0.8g/cm3 の発泡体を製造することができる。
【0081】
また、発泡剤とともに発泡助剤を用いることもでき、発泡助剤を併用すると、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などの効果がある。このような発泡助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、しゅう酸などの有機酸、尿素またはその誘導体などが挙げられる。
発泡助剤は、エチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体100重量部に対して0.01〜10重量部好ましくは0.1〜5重量部の量で用いることができる。
【0082】
[他のゴム]
本発明に係るゴム組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、公知の他のゴムとブレンドして用いることができる。
このような他のゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)などのイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)などの共役ジエン系ゴムを挙げることができる。
さらに従来公知のエチレン・α−オレフィン系共重合ゴムを用いることもでき、たとえばエチレン・プロピレンランダム共重合体(EPR)、前記のエチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体以外のエチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体、例えばEPDMなどを用いることができる。
【0083】
本発明に係る加硫可能なゴム組成物は、エチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体および上記のような他の成分から、一般的なゴム配合物の調製方法によって調製することができる。たとえばバンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー類を用いて、エチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体および他の成分を、80〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、必要に応じて加硫剤、加硫促進剤または加硫助剤などを加えて、オープンロールなどのロール類あるいはニーダーを用いて、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。このようにして通常リボン状またはシート状のゴム組成物(配合ゴム)が得られる。上記のインターナルミキサー類での混練温度が低い場合には、加硫剤、加硫促進剤、発泡剤などを同時に混練することもできる。
【0084】
[加硫ゴム]
本発明に係るゴム組成物の加硫物(加硫ゴム)は、上記のような未加硫のゴム組成物を、通常、押出成形機、カレンダーロール、プレス、インジェクション成形機、トランスファー成形機など種々の成形法によって所望形状に予備成形し、成形と同時にまたは成形物を加硫槽内に導入して加熱するか、あるいは電子線を照射することにより加硫して得ることができる。
【0085】
上記ゴム組成物を加熱により加硫する場合には、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチーム、LCM(熱溶融塩槽)などの加熱形態の加熱槽を用いて、150〜270℃の温度で1〜30分間加熱することが好ましい。
【0086】
また加硫剤を使用せずに電子線照射により加硫する場合は、予備成形されたゴム組成物に、0.1〜10MeV、好ましくは0.3〜2MeVのエネルギーを有する電子線を、吸収線量が0.5〜35Mrad、好ましくは0.5〜10Mradになるように照射すればよい。
【0087】
成形・加硫に際しては、金型を用いてもよく、また金型を用いないでもよい。
金型を用いない場合には、ゴム組成物は通常連続的に成形・加硫される。
【0088】
上記のように成形・加硫された加硫ゴムは、各種建築構造物、各種機械、各種電気製品、各種車両、各種容器等における密封シールパッキングとして有用でありる。
【0089】
【実施例】
以下、本発明の優れた効果を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0090】
以下の実施例における測定は次の通り行った。
〔組成〕
共重合体の組成は13C−NMR法で測定した。
〔ヨウ素価〕
滴定法により求めた。
〔極限粘度〕
極限粘度[η]は135゜C、デカリン中で測定した。
〔分子量分布〕
GPCにより求めた重量平均分子量Mw/数平均分子量Mnの比で表した。
〔γ2/γ1〕
100℃でのメルトフロ−カ−ブをもとめ、0.4×106dyn/cm2を示すときのずり速度γ1と2.4×106dyn/cm2を示すときのずり速度γ2の比を求めた。
L/D=60mm/3mm
〔有効網目鎖密度〕
JIS K 6258(1993年)に従い、トルエンに37℃×72時間浸責させ、Flory-Rehnerの式より有効網目鎖密度を算出した。
【0091】
〔γ2/γ1と架橋密度の関係〕
Log(γ2/γ1)/ν を計算より求めた。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
実施例1
表1に示す条件下で製造され、表1に示す組成及び物性のエチレン・α−オレフィン・ポリエン非晶質共重合体(実施例1)を用いた。
表2に示す配合剤を、1.7リットル容量のバンバリーミキサーを用いて、140〜150℃の温度で5分間混練し、配合物(1)を得た。
【0095】
【表3】
*1:エチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体ゴム
(1)
表2に記載の共重合ゴム
エチレン/プロピレン(モル比)=74/26
135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]=1.97dl/g
ヨウ素価=3.1
*2:堺化学工業(株)製 亜鉛華1号
*3:日本油脂(株)製、椿(商標)
*4:旭カーボン(株)製、旭#35(商標)
*5:富士タルク工業株式会社、LMG−100
*6:ポリエチレングリコール、分子量=4000
*7:大内新興化学工業(株)製、ノクラック MB(商標)
【0096】
次に、上記配合物(1)を8インチオープンロール[日本ロール(株)製]に巻付け、このオープンロール上で下記表3に示す配合処方になるように配合剤を添加し、3分間混練した後、シート出しして厚さ3mmのシートを得た。このときロール表面温度は、前ロールが50℃、後ロールが60℃であった。
【0097】
【表4】
*9:三井石油化学工業(株)製、三井DCP-40C(商標)
ジクミルパーオキサイド(濃度40%)
*10:精工化学工業(株)製、ハイクロスM(商標)
【0098】
上記のようにして得られた配合物(2)をプレス成形機[コータキ精機(株)製]を用いて、型温度180℃で10分間加熱し、2mm厚の加硫シートを得て、モジュラス、引張特性、架橋密度、老化特性の測定に供した。
【0099】
これらの測定方法は、次の通りである。
(1)モジュラス
JIS K 6301に従って、測定温度25℃、引張速度50mm/分及び100mm/分の条件で引張試験を行ない、加硫シートが50%伸長したときのモジュラスM25を測定した。
(2)引張特性
JIS K 6301に従って、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行ない、加硫シートの破断時の伸びEB と強度TB を測定した。
(3)有効網目鎖密度(架橋密度の指標)
JIS K 6301に従い、37℃のトルエン中に加硫シート を浸漬し、次の式より有効網目鎖密度を算出した。
(4)圧縮永久歪み(CS)
JISに準拠
(5)老化特性
JIS K 6301に従い、加硫シートを175℃のオーブン中に168時間入れて老化させた後、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行ない、加硫シートの破断時の伸びと強度を測定し、引張強さ保持率AR(TB)と、伸び保持率AR(EB) を算出した。
(6)成形加工性
(a)ロール加工性
上記方法により混練した混練物を室温で24時間放置した。この混練物1.5kgを8インチオープンロールを用いてロール温度50℃、ロール間隙5mmに保ち、ロールへの巻き付きの様子を観察し、ロール加工性として5段階評価した。
結果を表4に示す。
【0100】
実施例2
実施例1において、実施例1のエチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネン共重合体ゴム(1)の代わりに、表1に示す条件下で製造された下記のエチレン・プロピレン・5-ビニル-2-ノルボルネン共重合体ゴム(2)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
エチレン・プロピレン・5−ビニル-2- ノルボルネン共重合体ゴム(2):
エチレン/プロピレン(モル比)=75/25
135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]=1.83dl/g
ヨウ素価=10.9
結果を表4に示す。
【0101】
参考例1
実施例1において、実施例1のエチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体ゴム(1)の代わりに、表1に示す条件下で製造された下記のエチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体ゴム(3)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
エチレン・プロピレン・5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体ゴム(3):
エチレン/プロピレン(モル比)=75/25
135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]=2.1
ヨウ素価=8.0
結果を表4に示す。
【0102】
比較例1
実施例1において、実施例1のエチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネン共重合体ゴム(1)の代わりに、表1に示す条件下で製造された下記のエチレン・プロピレン・DCPD共重合体ゴム(比−1)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
エチレン・プロピレン・DCPD共重合体ゴム(比−1):
エチレン/プロピレン(モル比)=66/34
135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]=1.85dl/g
ヨウ素価=12.0
結果を表3に示す。
【0103】
比較例2
実施例1において、実施例1のエチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネン共重合体ゴム(1)の代わりに、表1に示す条件下で製造された下記のエチレン・プロピレン・ENB共重合体ゴム(比−2)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
エチレン・プロピレン・ENB共重合体ゴム(比−2):
エチレン/プロピレン(モル比)=66/34、
135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]=1.98dl/g
ヨウ素価=13.0
結果を表4に示す。
【0104】
比較例3
実施例1において、実施例1のエチレン・プロピレン・5-ビニル-2-ノルボルネン共重合体ゴム(1)の代わりに、下記のエチレン・プロピレン・1,4ヘキサジエン共重合体ゴム(比−3)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
エチレン・プロピレン・1,4ヘキサジエン共重合体ゴム(比−3):
エチレン/プロピレン(モル比)=67/33
ヨウ素価=12.0
比−3:Du Pont社製、ノーデル1040(商標)
結果を表4に示す。
【表5】
【0105】
【発明の効果】
エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体を含有する本発明に係る加硫可能なゴム組成物は、密封性、耐候性、耐薬品性、耐クリープ性、耐熱老化性、有機過酸化物架橋効率に優れる密封シ−ルパッキンゴム組成物および密封性、耐候性、耐薬品性、耐熱老化性、有機過酸化物架橋効率に優れるコンデンサ−封口シ−ルゴム組成物を提供することができる。
Claims (6)
- エチレン・α−オレフィン・ポリエン非晶質共重合体(A)100gに対して、
有機過酸化物(B)を0.001モルないし0.05モルと、
補強剤および/または無機充填剤を10〜180重量部と
を含有するシールパッキン用ゴム組成物であって、
エチレン・α−オレフィン・ポリエン非晶質共重合体(A)が、
ポリエンが下記一般式[1]あるいは[2]で表される少なくとも一種の末端ビニル基含有ノルボルネン化合物よりなり、
下記(i)〜(vii)の条件を満たし、かつ、
下記化合物(J)、(K)を主成分として含有する触媒を用いて、重合温度30〜60℃、重合圧力4〜12kgf/cm2、エチレンと非共役ポリエンとの供給量(モル比)を
0.01≦非共役ポリエン/エチレン≦0.2
の条件で、エチレン、α−オレフィン及び一般式[1]または[2]で表されるノルボルネン化合物を共重合した共重合体であることを特徴とするシールパッキン用ゴム組成物;
(i) エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとのモル比(エチレン/α−オレフィン)が50/50〜90/10の範囲にあり、
(ii) よう素価が0.5〜50の範囲にあり、
(iii) 135℃のデカリン溶液での極限粘度が1乃至3dL/gの範囲にあり、
(iv) GPCで測定した分子量分布(Mw/Mn)が3〜50であり、
(v) ランダム共重合体100gに対しジクミルパーオキサイド0.01mol を用いて170℃×10分間プレス架橋したときの有効網目鎖密度νが1.5×1020個/cm3以上であり、
(vi) 100℃でのメルトフローカーブから求めた0.4×106dyn/cm2を示すときのずり速度γ1 と2.4×106dyn/cm2を示すときのずり速度γ2 の比γ2/γ1と上記有効網目鎖密度νとが一般式[III]
0.04×10-19≦Log(γ2/γ1)/ν≦0.20×10-19[III]
を満足する範囲にあり、
(vii) ソックスレー抽出(キシレン、3時間、メッシュ:325)後の不溶解分が1%以下である;
(J)VOCl3で表される可溶性バナジウム化合物、
(K)Al(Et)2Cl/Al(Et)1.5Cl1.5(ただし、Etはエトキシ基)で表される有機アルミニウム化合物(ブレンド比率は1/5以上)。 - エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体100重量部に対して、補強剤および/または無機充填剤を10〜180重量部、軟化剤を10〜200重量部の量で含有することを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 請求項1または2に記載のゴム組成物を成形してなることを特徴とするシールパッキン。
- 請求項1または2に記載のゴム組成物を、プレス、インジェクション成形機またはトランスファー成形機により成形してなることを特徴とするシールパッキン。
- 請求項1または2に記載のゴム組成物を成形してなることを特徴とするコンデンサー封口シール。
- 請求項1または2に記載のゴム組成物を、プレス、インジェクション成形機またはトランスファー成形機により成形してなることを特徴とするコンデンサー封口シール。
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