JP4059974B2 - 搬送ベルト用ゴム組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械強度、耐熱性(耐熱老化性を含む)、耐摩耗性に優れ、しかもロール加工性に優れた耐熱ベルト用ゴム組成物に関する。より詳しくは、焼結製品、コークス、セメント、クリンカー、生石灰などを搬送するための、特に耐熱性、耐摩耗性に優れた搬送ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)およびエチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム(EPDM)は、主鎖に不飽和結合を持たないため、汎用のジエン系ゴムに比べ、耐熱性、耐候性に優れており、自動車用部品や工業材部品等の多くの製品に使用されている。
【0003】
EPM、EPDMは、その組成により耐熱性(耐熱老化性)が変化することが知られている。即ち、エチレン含量が高いほど、ロール加工性、低温柔軟性は悪くなることが知られている。また、ジエン含量が少ないほど、加硫剤の量を多くする必要があるが、耐熱性(耐熱老化性)に優れていることも知られている。
また、加硫方法としては、硫黄による加硫よりも有機過酸化物による加硫の方が、得られる加硫物は、耐熱性(耐熱老化性)に優れていることが知られている。
【0004】
従って、耐熱性の要求される耐熱ベルトには、従来、エチレン含量については加工性を重視し、また、ジエン含量及び加硫方法については耐熱性を重視して、低エチレン含量且つジエンを含有しないEPMをベースとした組成物を有機過酸化物により架橋した加硫ゴムが用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、焼結製品、コークス、セメント、クリンカー、生石灰などの高温物を搬送するための搬送ベルトには、長期間にわたり搬送物の荷重や搬送物から発せられる熱に耐える必要があり、特に、耐熱性、耐摩耗性が必要とされる。
【0006】
しかしながら、従来の耐熱ベルト用のゴム組成物を架橋して得られる耐熱ベルトは、上記の高温物を搬送するためには、耐熱性(耐熱老化性)が十分ではない。
また、従来の耐熱ベルト用ゴム組成物は、EPMをベースとしているので、高い架橋密度を得るために加硫剤を多量に必要とするという点で未だ充分満足すべきものではない。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、特に耐熱性及び耐摩耗性に優れており、高温物の搬送に適した、搬送ベルト用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明はまた、より少ない架橋剤の使用により、高い架橋密度を有する耐熱性に優れた架橋物、特に搬送ベルトを提供することをも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、
(A)下記一般式(1)
【化3】
Figure 0004059974
式中、nは、0乃至10の整数であり、
1 は、水素原子または炭素原子数1乃至10のアルキル基であり、
2 は、水素原子または炭素原子数1乃至5のアルキル基である
で表される非共役ジエンから誘導されるジエン単位を有するエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴムであって、エチレン/プロピレン(モル比)が、50/50〜72/28の範囲にあり、非共役ポリエン含量が0.2〜4重量%の範囲にある共重合体ゴム 100重量部、
(B)有機過酸化物 0.5〜15重量部、
(C)カーボンブラック 30〜80重量部、
(D)軟化剤 5〜25重量部、
を含有してなる搬送ベルト用ゴム組成物、
または、上記一般式(1)で表される非共役ジエンから誘導されるジエン単位を有するエチレン・炭素数4〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムであって、エチレン/α−オレフィン(モル比)が、60/40〜82/18の範囲にある共重合体ゴム 100重量部、
(B)有機過酸化物 0.5〜15重量部、
(C)カーボンブラック 30〜80重量部、
(D)軟化剤 5〜25重量部、
を含有してなる搬送ベルト用ゴム組成物が提供される。
上記ゴム組成物においては、
1.前記エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴムまたはエチレン・炭素数4〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)は135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1.5〜3dL/gの範囲にある、共重合体ゴムであること、が好ましい。また、本発明によれば、上記ゴム組成物を架橋して得られる搬送ベルトが提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
[作用]
本発明の搬送ベルト用ゴム組成物は、
(A)前記一般式(1)または(2)で表される非共役ジエンから誘導されるジエン単位を有するエチレン・炭素数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム 100重量部、
(B)有機過酸化物 0.5〜15重量部、
(C)カーボンブラック 30〜80重量部、
(D)軟化剤 5〜25重量部、
を含有して成ることが特徴である。
【0010】
本発明の共重合体ゴム(A)中の非共役ポリエンに前記一般式(1)または(2)の化学構造のノルボルネン化合物を含有させる理由は次のとおりである。
即ち、環状の非共役ポリエンとしては、ノルボルネン骨格を有するものや、ジシクロペンタジエン骨格を有するものなど、各種のものが知られているが、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)やジシクロペンタジエン(DCPD)を用いたのでは、たとえ共重合体中の非共役ポリエン含有量が本発明の範囲内にあっても、得られる架橋物の耐熱性(耐熱老化性)を向上させることが困難である。
これに対して、下記式、
【化5】
Figure 0004059974
で表される5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)や5−(1−ブテニル)−2−ノルボルネン(BNB)を用いると、過酸化物架橋したとき、少ない架橋剤の使用でも有効に架橋が進行し、しかも得られる架橋物は、耐熱性(耐熱老化性)に顕著に優れていると共に耐摩耗性にも優れている(後述する実施例参照)。
【0011】
上記事実から、次のことが考えられる。
即ち、非共役ポリエンを共重合させると、1個のエチレン系不飽和結合が共重合に関与し、残りのエチレン系不飽和結合が共重合体鎖中に残留するが、本発明で使用する前記一般式(1)または(2)で表される環状の非共役ポリエンの場合、詳細な理由は不明であるが、環外のエチレン系不飽和結合がより多く共重合体ゴム中に残留している。一般に、環外に存在するエチレン系不飽和結合は、環内に存在するエチレン系不飽和結合に比して自由度が大きく、反応性に富んでいると考えられる。従って、本発明の共重合体ゴム(A)においては、少ない架橋剤の使用でも有効に架橋が進行すると考えられる。
また、共役ポリエンから調製した共重合体ゴムにおいては、加硫後残留するエチレン系不飽和結合が主鎖中に存在するので、この主鎖中の不飽和結合によって、耐熱性(耐熱老化性)に悪い影響がもたらされると考えられる。これに対して、本発明の共重合体ゴム(A)では、前記一般式(1)または(2)で表される環状の非共役ポリエンを用いているので、重合反応に参加せずに共重合体中に残留している不飽和結合は主鎖外に存在するし、この共重合体ゴム(A)を架橋した後にも残留する不飽和結合は依然主鎖外に存在する。従って、本発明の共重合体ゴム(A)は、耐熱性(耐熱老化性)に優れていると考えられる。
【0012】
本発明のその他の成分、即ち、有機過酸化物(B)、カーボンブラック(C)及び軟化剤(D)は、搬送ベルトとしての架橋物を得るために必要な成分である。
本発明のゴム組成物によれば、特に、有機過酸化物の量に比して、効率よく架橋反応を行うことができ、高い架橋密度が達成される。
本発明のゴム組成物においてはまた、カーボンブラックは、充填剤、耐熱性付与剤、着色剤などとして幅広い作用効果を奏するものである。
本発明のゴム組成物においては更に、軟化剤は、ゴム組成物の成形性を向上させ、複雑な形状の架橋物の成形を可能にするのである。
【0013】
本発明において、特に好適な態様は、
1.前記エチレン・炭素数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)は、α−オレフィンがプロピレンであり、且つエチレン/プロピレン(モル比)が、50/50〜72/28の範囲にある共重合体ゴムであること、
2.前記エチレン・炭素数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)は、α−オレフィンが炭素数4〜20であり、且つエチレン/α−オレフィン(モル比)が、60/40〜82/18の範囲にある共重合体ゴムであること、
3.前記エチレン・炭素数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)は、(i)非共役ポリエン含量が0.2〜4重量%の範囲にあり、(ii)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1.5〜3dL/gの範囲にある、共重合体ゴムであること、である。
前記好適態様1.及び2.は、共重合体中のエチレン/炭素数3〜20のα−オレフィンの組成比を規定するものであり、この組成比が前記範囲内にあれば、耐熱性、耐摩耗性のみならず、加工性、ゴム的特性、耐候性等にも優れたゴム組成物を得ることができる。前記好適態様3.の(i)は、共重合体中の非共役ポリエン単位の含有量を規定するものであって、この値が、上記範囲よりも小さすぎると、耐熱性(耐熱老化性)が低下し、伸びが過大となり、また永久変形率が増大するなどの傾向がある。また、この値が上記範囲よりも大きすぎると、耐環境劣化性が低下する傾向があり、またコスト的にも不利になるので好ましくない。前記好適態様3.の(ii)は、共重合体の分子量を規定するものであり、極限粘度[η]が前記範囲よりも低すぎると、機械的特性などの物性が低下し、また前記範囲よりも高すぎると、加工性等が低下する傾向がある。
【0014】
以上が総合されて、本発明によれば、従来技術の問題点が解消され、耐熱性(耐熱老化性)及び耐摩耗性に優れ、優れた物性を有し、耐熱性と低温柔軟性とのバランスに優れた搬送ベルト用ゴム組成物を提供することができる。
【0015】
[エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)]
本発明のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)において、エチレン(a)と、炭素数3〜20、特に炭素数3〜12、特に炭素数3〜8のα−オレフィン(b)とのモル比(a/b)の好適な範囲は、
α−オレフィンがプロピレンの場合は、50/50乃至72/28、好ましくは55/45乃至68/18、特に好ましくは55/45乃至65/35であり、
α−オレフィンが炭素数4〜20のα−オレフィンの場合は、60/40乃至82/18、好ましくは65/35乃至78/22、特に好ましくは65/35乃至73/27である。
【0016】
ここで、エチレン/プロピレン比が72/28、エチレン/α−オレフィン(炭素数4〜20)が82/18を越えると、ロール加工性が低下する傾向があり、一方50/50、60/40より低くなると、耐熱性が低下する傾向がある。
【0017】
炭素数3から20のα−オレフィン(b)としては、具体的には、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、9−メチル−ドデセン−1、11−メチル−ドデセン−1などが挙げられる。
本発明においては、上記のようなα−オレフィンを単独で用いてもよく、また2種以上の混合物として用いてもよい。上記α−オレフィンのうち、特にプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1が好ましく用いられ、ブテン−1、オクテン−1が特に好ましく用いられる。
【0018】
本発明で用いる非共役ポリエン(c)は、ノルボルネン骨格を有するジエン単位を含むものであるが、このノルボルネン骨格は、前記一般式(1)または(2)で表されるものである。
前記一般式(1)におけるR1 の炭素原子数1乃至10のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、t−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
また、前記一般式(1)におけるR2 の炭素原子数1乃至5のアルキル基の具体例としては、上記R1 と同様のものであってよい。
前記一般式(2)におけるR3 の炭素原子数1乃至10のアルキル基の具体例は、上記R1 のアルキル基と具体例と同じアルキル基を挙げることができる。
【0019】
上記一般式(1)または(2)で表されるノルボルネン化合物として具体的には、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−(1−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(イソプロペニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−ビニル)−2−ノルボルネン、5−(1−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−1−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(1−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−1−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−1−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−1−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−1−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−1−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−1−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−1−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−1−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−1−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−1−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3,4−トリメチル−1−ペンテニル)−2−ノルボルネン、4−メチル−5−メチレン−2−ノルボルネン、4−メチル−5−ビニル−2−ノルボルネン、4−エチル−5−ビニル−2−ノルボルネンなどが挙げられる。
これらの中でも好ましいものは、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−(1−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(1−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−オクテニル)−2−ノルボルネンである。
【0020】
上記非共役ジエンの他に、目的とする物性を損なわない範囲で以下に示す非共役ポリエンと混合して使用することもできる。
具体的には、1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどの鎖状非共役ジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、5−ビニリデン−2−ノルボルネンのようなトリエンを例示することができる。
【0021】
本発明の共重合体ゴム(A)において、非共役ポリエン含量は、0.2乃至4重量%の範囲にあることが好ましいことは、前述したとおりである。
特に、上記一般式(1)または(2)で表されるノルボルネン化合物は、得られる共重合体ゴム(A)のヨウ素価(g/100g)が、0.5乃至50、特に0.8乃至30、特に1乃至20、特に1.5乃至15となるように使用されることが好ましい。ヨウ素価が上記範囲よりも小さすぎると、得られる組成物の架橋効率が低下する傾向がある。また、上記範囲よりも大きすぎると、耐環境劣化性が低下する傾向があり、コスト的にも不利になるので好ましくない。具体的には、これらノルボルネン化合物は、全単量体成分当たり0.5乃至10重量%、特に1乃至5重量%で共重合するとよい。
また、上記一般式(1)または(2)で表されるノルボルネン化合物以外の他の非共役ポリエンも、上記範囲のヨウ素価が保持される場合に好適に使用できる。具体的には、他の非共役ポリエンは、全単量体成分当たり5重量%以下、特に3重量%以下の量で共重合することができる。
【0022】
また、前述したように、本発明の共重合体ゴム(A)のデカリン中で測定した極限粘度[η]が、通常1.5〜3dl/gであることが好ましく、さらに好ましくは1.8〜2.7dl/g、特に好ましくは2〜2.7dl/gである。
【0023】
本発明の共重合体ゴム(A)は、公知の方法により製造することができる。例えば、チーグラー触媒の存在下に、水素を分子量調節剤として用い、エチレン(a)と炭素数3〜20のα−オレフィン(b)と非共役ポリエン(c)とを共重合することにより、共重合体ゴム(A)を得ることができる。
【0024】
[有機過酸化物(B)]
本発明において用いられる有機過酸化物としては、たとえば、
ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシエステル類;
ジシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;
及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0025】
中でも半減期1分を与える温度が130℃〜200℃の範囲にある有機過酸化物の使用が好ましく、特に、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−モノ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどの有機過酸化物が好ましく使用できる。
【0026】
有機過酸化物は、本発明の共重合体ゴム(A)100重量部に対して0.5〜15重量部、好ましくは1〜10重量部の範囲で使用されるが、この範囲内で、要求される物性値に応じて適宜最適量を決定することが望ましい。
【0027】
[カーボンブラック(C)]
本発明の組成物では、カーボンブラックが必須成分である。
特定量のカーボンブラックを使用することにより、組成物の加工性を向上させ、しかも引張強度、引裂強度、耐摩耗性などの機械的性質が向上した搬送ベルト用ゴム組成物を得ることができる。
カーボンブラックの使用量は、前述した共重合体ゴム(A)100重量部当り、30乃至80重量部、好ましくは30乃至70重量部、最も好ましくは40乃至70重量部の範囲とするのがよい。これよりも多量に配合すると、具体的には、動倍率(動的弾性率/静的弾性率)が上昇するという不都合を生じ、また上記範囲よりも少量の場合には、加工性、機械的性質の低下を招く。
上述したカーボンブラックとしては、SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MTなど、それ自体公知のものを使用することができる。これらのカーボンブラックは、単独で使用することもできるし、併用することもできる。また、シランカップリング剤などで表面処理したものを使用することもできる。
【0028】
[軟化剤(D)]
本発明の組成物では、軟化剤が必須成分である。
軟化剤を使用することにより、組成物の加工性を向上させ、複雑な形状の成形物を成形することが可能となる。
軟化剤の使用量は、前述した共重合体ゴム(A)100重量部当り、5乃至25重量部、好ましくは5乃至20重量部、最も好ましくは5乃至15重量部の範囲とするのがよい。これよりも多量に配合すると、具体的には、軟化剤のブリードアウトにより、成形物の表面の物性が低下し、コスト的にも不利であり、また上記範囲よりも少量の場合には、加工性の低下を招く。
軟化剤としては、パラフィン系、ナフテン系、アロマティック系などの鉱油系オイル等を例示することができる。これらの中でも、特に好ましくはパラフィン系オイルである。
具体的には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石油系軟化剤;コールタール、コールタールピッチなどのコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤;トール油、サブ、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリンなどのロウ類を挙げることができる。これら具体例の中でも石油系軟化剤が好ましく用いられ、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。
【0029】
[その他の配合剤]
本発明の搬送ベルト用ゴム組成物は、上述した(A)乃至(D)の成分を必須成分として含有するものであるが、本発明の目的が損なわれない限り、これらの成分以外にもそれ自体公知のゴム配合剤、例えば、架橋助剤、充填剤、可塑剤、粘着付与剤、老化防止剤、加工助剤、発泡剤等を適宜配合することができる。
【0030】
架橋助剤:
架橋助剤としては、所謂多官能性モノマー、例えば、イオウ、p−キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系化合物、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどの(メタ)アクリレート系化合物、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレートなどのアリル系化合物、m−フェニレンビスマレイミドなどのマレイミド系化合物、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
これらの架橋助剤は、有機過酸化物1モル当り、0.5〜2モル、好ましくはほぼ等モルの量で併用することが好ましい。
【0031】
充填剤:
本発明では、必要により、その他の無機充填剤、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、微粉ケイ酸塩、クレー等を、上述したカーボンブラックと併用することもできる。この場合、カーボンブラックを含めた充填剤の総量が後述する範囲を超えず、しかもカーボンブラックの配合量が前述した範囲内にあることが必要である。
充填剤は、加硫ゴムの引っ張り強さ、引き裂き強さ、耐摩耗性などの機械的性質を高める効果がある。
充填剤は、物性にあまり影響を与えることなく、ゴム製品の硬度を高くしたり、コストを引き下げることを目的として使用される。このような充填剤としては、特に、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどが好適である。
充填剤の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、配合量は、通常、エチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部に対して最大200重量部、好ましくは最大100重量部であり、さらに好ましくは最大50重量部である。
【0032】
可塑剤:
可塑剤としては、例えば、グリコール類;ステアリン酸、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛などの脂肪酸、脂肪酸エステルおよび脂肪酸塩等が挙げられる。
可塑剤の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、配合量は、通常、エチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部に対して10重量部以下の量で用いられる。
【0033】
粘着付与剤:
粘着付与剤としては、例えば、ロジン系粘着付与剤;石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂などの合成高分子物質等が挙げられる。
粘着付与剤の種類および配合量は、その用途により適宜選択できるが、配合量は、通常、エチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部に対して10重量部以下の量で用いられる。
【0034】
老化防止剤:
本発明のゴム組成物は、老化防止剤を使用しなくても優れた耐熱性、耐久性を示すが、老化防止剤を使用すれば、製品寿命を長くすることが可能であることも通常のゴムにおける場合と同様である。この場合に使用される老化防止剤としては、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、イオウ系老化防止剤などが挙げられる。
【0035】
アミン系老化防止剤としては、具体的には、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;p−(p−トルエン・スルホニルアミド)−ジフェニルアミン、4,4−(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、4,4′−ジオクチル・ジフェニルアミン、ジフェニルアミンとアセトンとの高温反応生成物、ジフェニルアミンとアセトンとの低温反応生成物、ジフェニルアミンとアニリンとアセトンとの低温反応物、ジフェニルアミンとジイソブチレンとの反応生成物、オクチル化ジフェニルアミン、ジオクチル化ジフェニルアミン、p,p′−ジオクチル・ジフェニルアミン、アルキル化ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、n−プロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N′フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N′−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、フェニル、ヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニル、オクチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤などが挙げられる。
【0036】
フェノール系老化防止剤としては、具体的には、スチレン化フェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、1−ヒドロキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、モノ−t−ブチル−p−クレゾール、モノ−t−ブチル−m−クレゾール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、ブチル化ビスフェノールA、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ノニルフェノール)、2,2′−イソブチリデン−ビス−(4,6−ジメチルフェノール)、4,4′−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2−チオ−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオ−ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオ−ビス−(2−メチル−6−ブチルフェノール)、4,4′−チオ−ビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルベンゼン)スルフィド、2,2−チオ[ジエチル−ビス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート]、ビス[3,3−ビス(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェノール)ブチリックアッシド]グリコールエステル、ビス[2−(2−ヒドロキシ−5−メチル−3−t−ブチルベンゼン)−4−メチル−6−t−ブチルフェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、N,N′−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロキシアミド)、N−オクタデシル−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェノール)プロピオネート、テトラキス[メチレン−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、モノ(α−メチルベンゼン)フェノール、ジ(α−メチルベンジル)フェノール、トリ(α−メチルベンジル)フェノール、ビス(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルベンジル)4−メチル−フェノール、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、2,6−ジ−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルリン酸のジエチルエステル、カテコール、ハイドロキノンなどが挙げられる。
【0037】
イオウ系老化防止剤としては、具体的には、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミタゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルイミダソールの亜鉛塩、ジミスチルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステリアルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)などが挙げられる。
【0038】
これらの老化防止剤は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0039】
このような老化防止剤の配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部とするのが望ましい。
【0040】
発泡剤:
本発明のゴム組成物は、発泡剤、発泡助剤などの発泡系を構成する化合物を含有する場合には、発泡成形することができる。
発泡剤としては、一般的にゴムを発泡成形する際に用いられる発泡剤、例えば重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムなどの無機発泡剤、N,N′−ジメチル−N,N′−ジニトロソテレフタルアミド、N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化合物、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレートなどのアゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p′−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3′−ジスルホニルヒドラジドなどのスルホニルヒドラジド化合物、カルシウムアジド、4,4−ジフェニルジスルホニルアジド、p−トルエンスルホニルアジドなどのアジド化合物を使用することができる。
これらのうちでは、ニトロソ化合物、アゾ化合物、アジド化合物が好ましい。
この発泡剤は、エチレン・α−オレフィン・ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部当り、0.5〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の量で用いることができる。このような量で発泡剤を含有するゴム組成物からは、見かけ比重が0.03〜0.8g/cm3 の発泡体を製造することができる。
【0041】
また、発泡剤とともに発泡助剤を用いることもでき、発泡助剤を併用すると、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などの効果がある。このような発泡助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、しゅう酸などの有機酸、尿素またはその誘導体などが挙げられる。
発泡助剤は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)100重量部当り、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の量で用いることができる。
【0042】
[ゴム組成物及びその架橋物の調製]
本発明に係るゴム組成物から架橋物を製造するには、通常一般のゴムを架橋するときと同様に、未架橋のゴム組成物を一度調製し、次にこのゴム組成物を意図する形状に成形した後に架橋を行えばよい。
架橋方法としては、本発明のゴム組成物は前述した架橋剤を含有しているので、加熱する方法が取られる。
【0043】
本発明の架橋可能なゴム組成物は、たとえば次のような方法で製造される。すなわちバンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー類により前記(A)乃至(D)成分およびその他の添加剤を80〜170℃の温度で3〜10分間混練した後、オープンロールのようなロール類、あるいはニーダーを使用して、必要に応じて架橋促進剤または架橋助剤等を追加混合し、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。また、インターナルミキサー類での混練温度が低い場合には、加硫促進剤などを同時に混練してもよい。
【0044】
このようにして調製された架橋可能なゴム組成物は、押出成形機、カレンダーロールなどの成形法より、意図する形状に成形され、成形と同時にまたは成型物を架橋槽内に導入し、架橋することができる。架橋反応は、120〜270℃の温度で1〜40分間加熱して行う。
この架橋の段階は金型を用いてもよいし、また金型を用いないで架橋を実施してもよい。金型を用いない場合は成形、架橋の工程は通常連続的に実施される。架橋槽における加熱方法としては熱空気、ガスラビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチーム、LCM(熱溶融塩槽)などの加熱槽を用いることができる。
【0045】
【実施例】
本発明を次の実施例で更に説明するが、本発明はこれに限定されるものでない。
【0046】
実施例で用いたエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)について第1表に示した。
【表1】
Figure 0004059974
【0047】
[実施例1]
第1表に示した共重合体1乃至4を第2表に従い配合し、未架橋のゴム組成物を得た。
すなわち、共重合体1、亜鉛華、ステアリン酸、HAFカーボンブラック、プロセスオイルおよび老化防止剤を1.7リットル容量のバンバリーミキサーで5分間混練した。得られた混練物にオープンロールでジクミルパーオキシドとエチレングリコールジメタクリレートを加えて混練し、分出しし、厚さ2mmの配合ゴムシートを得た。この時のロール表面温度は、前ロール、後ロール共に50℃、またロール回転数は前ロールが16rpm、後ロールが18rpmであった。
【0048】
【表2】
Figure 0004059974
【0049】
上記のようにして得られた配合ゴムシートを170℃で10分間プレス架橋して架橋ゴムシートを得た。
得られた架橋ゴムシートについて、下記の試験を行った。
結果を第3表に示す。
【0050】
[1]ロール加工性試験
ロール幅20インチの8インチオープンロールで架橋剤、架橋助剤を追加・混練時にコンパウンドのロールへの巻き付き状態を肉眼で観察した。
[2]引張試験
架橋ゴムシートを打ち抜いてJIS K6301に記載されている3号型ダンベル試験片を作製し、該試験片を用いてJIS K6301第3項に規定される方法に従い、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、300%モジュラス(M300)、引張破断応力(TB)および引張破断伸び(EB)を測定した。
[3]硬さ試験
硬さ試験は、JIS K6301に準拠して、スプリング硬さHs(JISA)硬度を測定した。
[4]老化試験
老化試験は、175℃で240時間空気加熱老化試験を行い、老化前の物性の保持率AR(TB)、伸び保持率AR(EB)を求めた。
[5]摩耗試験
摩耗試験は、JIS K6301に従って、テーパー摩耗試験を行った。すなわち、荷重0.25kgfで、1000回後の摩耗量を求めた。
[6]屈曲亀裂成長試験
屈曲亀裂成長試験は、JIS K6301に従い、屈曲試験を行った。すなわち亀裂が2mmから17mmに成長するまでの回数を求めた。
【0051】
[実施例2]
実施例1において共重合体1の代わりに、上記第1表に示す共重合体2を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
結果を第3表に示す。
【0052】
[比較例1]
実施例1において共重合体1の代わりに、上記第1表に示す共重合体3を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
結果を第3表に示す。
【0053】
[比較例2]
比較例1においてジクミルパーオキシドを2.8部、ジエチレングリコールジメタクリレートを4部用いた以外は、実施例1と同様に行った。
結果を第3表に示す。
【0054】
[実施例3]
実施例1において共重合体1のかわりに、上記第1表に示す共重合体4を用いた以外は実施例1と同様に行った。
結果を第3表に示す。
【0055】
【表3】
Figure 0004059974
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、組成が特定の範囲にあるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)を有機過酸化物(B)、カーボンブラック(C)及び軟化剤(D)と組み合わせて、搬送ベルト用ゴム組成物とすることにより、従来技術の問題点が解消され、耐熱性(耐熱老化性)及び耐摩耗性に優れた搬送ベルト用ゴム組成物及びその架橋物を提供することができる。このゴム組成物は、機械強度、耐熱性(耐熱老化性を含む)、耐摩耗性に優れ、しかもロール加工性に優れており、特に、焼結製品、コークス、セメント、クリンカー、生石灰などを搬送する用途に好適である。

Claims (6)

  1. (A)下記一般式(1)
    Figure 0004059974
    式中、nは、0乃至10の整数であり、
    1 は、水素原子または炭素原子数1乃至10のアルキル基であり、
    2 は、水素原子または炭素原子数1乃至5のアルキル基である
    で表される非共役ジエンから誘導されるジエン単位を有するエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴムであって、エチレン/プロピレン(モル比)が、50/50〜72/28の範囲にあり、非共役ポリエン含量が0.2〜4重量%の範囲にある共重合体ゴム 100重量部、
    (B)有機過酸化物 0.5〜15重量部、
    (C)カーボンブラック 30〜80重量部、
    (D)軟化剤 5〜25重量部、
    を含有してなる搬送ベルト用ゴム組成物。
  2. 前記エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)は135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1.5〜3dL/gの範囲にある、共重合体ゴムである請求項1記載の搬送ベルト用ゴム組成物。
  3. 請求項1記載のゴム組成物を架橋して得られる搬送ベルト。
  4. (A)下記一般式(1)
    Figure 0004059974
    式中、nは、0乃至10の整数であり、
    1 は、水素原子または炭素原子数1乃至10のアルキル基であり、
    2 は、水素原子または炭素原子数1乃至5のアルキル基である
    で表される非共役ジエンから誘導されるジエン単位を有するエチレン・炭素数4〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴムであって、エチレン/α−オレフィン(モル比)が、60/40〜82/18の範囲にあり、非共役ポリエン含量が0.2〜4重量%の範囲にある共重合体ゴム 100重量部、
    (B)有機過酸化物 0.5〜15重量部、
    (C)カーボンブラック 30〜80重量部、
    (D)軟化剤 5〜25重量部、
    を含有してなる搬送ベルト用ゴム組成物。
  5. 前記エチレン・炭素数4〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)は135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が1.5〜3dL/gの範囲にある、共重合体ゴムである請求項4記載の搬送ベルト用ゴム組成物。
  6. 請求項4記載のゴム組成物を架橋して得られる搬送ベルト。
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