JP3803116B2 - 診断用な安定なタンパク質溶液およびその溶液の調製並びに使用方法 - Google Patents

診断用な安定なタンパク質溶液およびその溶液の調製並びに使用方法 Download PDF

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Description

発明の背景
本発明は、プラスチック製保持容器内で使用または貯蔵される溶解タンパク質を含有する溶液およびそのような溶液の調製並びに使用方法に関するものである。このようなタンパク質溶液は通常、バルキング剤として分析または診断用途に用いられる。すなわち、タンパク質により、水溶液が、生物的環境に準じた粘度および起電性の環境のものとなる。本発明はまた、固相物質または粒子に結合したブロッキング剤に関するものである。
診断用製品には、分析物を捕捉するために、結合パートナーが結合した粒子を含む、固相物質が次第に用いられるようになった。固相物質または粒子は、水性媒質中に分散され、溶液反応に似た動力学を有する試薬懸濁液を形成する。典型的に、粒子は、分析物が捕捉された後に単離される。
特に有用な粒子は、常磁性粒子である。結合パートナーの結合した常磁性粒子が、様々な分析物の検出用の診断キットに用いられている。これらのキットにおいて、結合パートナーは、検出し、定量すべき反応物または分析物に特異的である。試験試料中に分析物が存在する場合には、結合パートナー/反応物複合体が形成される。この複合体は、信号発生試薬により検出することができる。信号発生試薬はさらに、検出用の標識を担持する、分析物に対する結合パートナーからなっていてもよい。
常磁性粒子は、典型的にミクロンの大きさのものであり、通常肉眼には見えない。粒子が小さな大きさであることにより、このような粒子を水性媒質中に容易に分散させ、磁界により容易に単離させられる。常磁性粒子は、その表面上に反応性被膜またはシラン被膜を形成するように製造または処理される。この被膜により、さらなる反応性種または結合パートナーのための粒子の表面への結合部位が得られる。粒子は最初に、既知の化学的性質により、表面に反応性被膜またはシラン被膜を結合させるように化学的活性化させられる。シラン被膜により、結合パートナーを粒子表面に結合させる反応性部位が得られる。
次いで、化学的に活性化された粒子は、この粒子に結合させる必要のある結合パートナーと接触するように配置される。例えば、関心のある分析物に特異的な抗体がある。反応は典型的に過剰の結合パートナー中で行われ、完全な反応が確実となる。タンパク質を粒子に結合させた後、50℃で粒子をウシ血清アルブミン(BSA)と反応させることにより、過剰のタンパク質を除去する。50℃での粒子のBSAとの反応は普通、熱応力反応またはブロッキング剤反応と称される。次いで、完成した粒子を、BSAおよび他のタンパク質、すなわち、バルキング剤を含有する緩衝液中に懸濁させる。産業的に使用する場合には、この種の製品または試薬懸濁物はしばしば、プラスチック製ボトル内に包装され、末端使用者に輸送される。
従来技術のバルキング剤溶液は、特に安定ではない。冷凍によってさえ、そのような溶液は分解の証拠を示す。粒子が懸濁している溶液において、製品は4℃で貯蔵されているにもかかわらず、粒子は、時がたてば、肉眼に見えない凝集を形成する。この問題は、溶液のpHが7.5よりも大きい場合、特に深刻である。この問題はまた、バルキング剤が、ポリエチレン、ポリエチルテトラサレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、およびポリプロピレンのような、普通の実験室にあるプラスチックからなる保持容器内に保持されている場合に現れる。溶液の運動または撹拌によっても、凝集体またはフィブリルの形成される割合が増加する。
用語の説明
以下の定義は、本発明をより明確に理解するために設けられたものである。単数形で示した用語を使用することにより、複数形への適用性を制限するものとして考えるべきではない。
「結合パートナー/反応物」は、親和性、錯化または結合能力を示す分子の対、典型的に、抗体/抗原、抗体/ハプテン、酵素/基体、酵素/阻害剤、酵素/補因子、結合タンパク質/基体、担体タンパク質/基体、レクチン/炭化水素、受容体/ホルモン、受容体/効果器、核酸の相補鎖、抑制体/誘発物質等のような特定の結合または相互作用(複合体形成)またはアニーリング対を意味する。
「結合パートナー」は、固相に結合した結合パートナー/反応物対の構成物を意味する。
「ブロッキング剤」は、固相に被覆されたときに、結合パートナーの固相への結合量を最大ではなくす一方で、非特異的結合を減少させる物質を意味する。
「反応物」は、存在および/または濃度が決定され、または回収が望ましく、分散されている媒質から結合パートナーに捕捉される、結合パートナー/反応物複合体の構成物を意味する。試験媒質中の分析物は、回収すべき特異的に結合した工業試薬である、典型的な反応物である。
「試験アッセイ」は概して、試験試料中の結合パートナー/反応物の構成物が、様々なアッセイ様式により媒質中で検出および/または定量される方法を意味する。例えば、「試験アッセイ」を、診断方法、分析方法、微量分析方法、法分析、薬物動態研究、細胞選別方法、親和性クロマトグラム、トキシン、触媒、または出発材料あるいは製品のような1つ以上の種の工業または研究所回収または分析等を表すのに用いてもよい。この用語を、各々異なる結合パートナーを含む複数の試薬を用いて、対応する複数の反応物を捕捉する方法を表すのに用いてもよい。典型的な試験アッセイは、イムノアッセイである。
「複合体」は、2つ以上の種、例えば、結合パートナーおよび反応物の特異的結合または相互反応あるいは会合を意味する。
「捕捉」は、例えば、試験アッセイにおける複合体形成による、媒質中の反応物の分析、回収、検出、または他の定性的または定量的測定を意味する。例として、サンドイッチイムノアッセイにおいて、表面に結合した結合パートナーは、反応物が別の(一般的に標識された)結合パートナーまたは反応物との複合体を形成する前または後に、反応体と複合体を形成する。競合アッセイにおいて、標識反応物および未標識反応物は典型的に、表面に結合した結合パートナーとの複合体形成に関して競合する。
「不活性」は、結合パートナーおよび反応物が相互作用する様式で物質が用いられている試験アッセイの結合パートナーとその物質が相互作用しない化学的または生物学的状態を意味する。この用語はまた、物質が、試験の反応または試薬懸濁液中の他の反応部位と化学的に相互作用しない化学的または生物学的状態も意味する。
「固相」は、特定の試験アッセイにおいて捕捉される反応物を含有する媒質中において不溶性の物質を意味する。広義には、この用語は、媒質中に実質的に分散でき、固定化、濾過、分配、遠心分離により除去または分離できる物体、あるいは、媒質をその中に分配できる物体等を示す。ブロッキング剤を固相に結合させて、非特異的結合を減少させてもよい。
「試薬懸濁液」は概して、試験アッセイのような複合体形成反応に参加するように変更された処理物質、より詳しくは、結合パートナーが結合して、バルキング剤溶液中で懸濁される固相物質を意味する。
「非特異的結合」(NSB)は、結合パートナー/反応物複合体形成とは別の試験アッセイ中に存在する試薬と他の種との間の望ましくない相互作用を意味する。
「標識」は、結合反応を検出するために信号を発生することのできる原子または分子の部位を意味する。この用語の例としては、限定するものではなく、放射性同位体、酵素、発光剤、沈殿剤、および染料が挙げられる。
「試料」は、試験アッセイにおいて捕捉され、検出され、定量される反応物または分析物を含有する媒質を意味する。
「分析物」は、ホルモン、薬理学剤、ビタミンまたは補因子、血液学物質、ウイルス抗原、核酸、ヌクレオチド、アレルゲン、または検出し、定量すべき他のマーカーを意味する。
「置換」は、1つ以上の炭素の窒素による置換を意味する。
「その誘導体」は、官能基を含有する窒素の添加を意味する。
発明の概要
本発明は、固相物質または粒子およびバルキング剤の試薬懸濁液を製造する方法および製造された製品を特徴とするものである。この懸濁液により、タンパク質凝集体の形成またはフィブリルの形成が阻害される。本発明のある形態は、チオールブロックト化学物質、好ましくはチオールブロックトタンパク質からなる、水性媒質中に懸濁または配置された固相物質または粒子の懸濁液を特徴とするものである。チオールブロックトタンパク質は、Pが1つ以上のチオール基を有するタンパク質である、化学式:
P−X
を有している。上述したように用いられているように、Xはチオール基のSに共有結合したブロッキング基である。チオール基と反応するためのブロッキング基はこの業界でよく知られている。代表的なブロッキング基の例としては、C1−C12アルキル、C3−C12シクロアルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12ヒドロキシアルキル、C2−C12アルケニル、C2−C12ハロアルケニル、C2−C12ヒドロキシアルケニル、C2−C12アルキニル、C2−C12ハロアルキニル、C2−C12ヒドロキシアルキニルC65、C1−C12アルコキシ、C1−C12ハロアルコキシ、C1−C12ヒドロキシアルコキシ、C1−C12アルキルチオ、C1−C12アルキルスルフィニル、C1−C12アルキルスルフォニル、およびそれらのアミン、アミド、イミド置換体並びに誘導体が挙げられる。
試薬懸濁液中にチオールブロックトタンパク質を使用することにより、粒子の懸濁液がプラスチック製ボトル内に貯蔵されており、運動させてもよい場合のフィブリルまたはタンパク質凝集体の形成が阻害される。
好ましくは、タンパク質Pはアルブミンである。通常の形態のアルブミンは、ヒト、ウシ、ブタ、ネコ、ニワトリ、イヌ、ロバ、卵、ヤギ、モルモット、ハムスター、ウマ、ラット、ウサギ、ハト、ヒツジ、アカゲザル、シチメンチョウ、並びに他の供給源から得られる。
チオール基が存在し、チオール基がブロッキングされる、または化学的に不活性である場合には、本発明によれば、バルキング剤およびブロッキング剤として別の化学組成物として用いてもよい。
好ましくは、粒子は常磁性粒子である。
好ましいXは、Rが、C1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ヒドロキシアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6ハロアルケニル、C2−C6ヒドロキシアルケニル、C2−C6アルキニル、23−C6ハロアルキニル、C2−C6ヒドロキシアルキニル、C65、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、C1−C4ヒドロキシアルコキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルフォニル、およびそれらのアミン、アミド、イミド誘導体並びに置換体である化学式:
−S−R
により表されるチオアルキル基である。
好ましくは、ブロッキング基Xは、下記:
Figure 0003803116
の基からなっていてもよい。上述のごとく使用したように、Zは、ヒドロキシル、C1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ヒドロキシアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6ハロアルケニル、C2−C6ヒドロキシアルケニル、C2−C6アルキニル、C2−C6ハロアルキニル、C2−C6ヒドロキシアルキニル、C65、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、C1−C4ヒドロキシアルコキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルフォニル、並びにそれらのアミン、アミド、イミド誘導体および置換体であるか、またはZは、UおよびWが独立して、水素、C1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ヒドロキシアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6ハロアルケニル、C2−C6ヒドロキシアルケニル、C2−C6アルキニル、C2−C6ハロアルキニル、C2−C6ヒドロキシアルキニル、C65、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、C1−C4ヒドロキシアルコキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルフォニル、並びにそれらのアミン、アミド、イミド誘導体および置換体である化学式:
Figure 0003803116
により表される。好ましくは、ZはNH2である。
好ましいXは、nが1−3の整数である以下の化学式:
Figure 0003803116
により表される。好ましくは、nは1である。
本発明の形態はさらに、試薬懸濁液を調製する方法を特徴とするものである。この方法は、水、チオールブロックト化学化合物、好ましくはタンパク質、および結合パートナーが結合した1種類以上の粒子を組み合わせて、水性媒質を調製する工程からなる。チオールブロックトタンパク質は、溶液中に配される。1種類以上の懸濁磁気粒子は、水性媒質中に懸濁される。チオールブロックトタンパク質は、Pがチオール基を有するタンパク質であり、Xがチオール基に共有結合したブロッキング基である化学式:
P−X
を有している。ブロッキング基は、この業界で知られており、その例としては、C1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ヒドロキシアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6ハロアルケニル、C2−C6ヒドロキシアルケニル、C2−C6アルキニル、C2−C6ハロアルキニル、C2−C6ヒドロキシアルキニル、C65、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、C1−C4ヒドロキシアルコキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルフォニル、並びにそれらのアミン、アミド、イミド誘導体および置換体が挙げられる。
好ましくは、この方法はさらに、適切な緩衝液、無機または有機塩、および界面活性剤、すなわち、トリトンを試薬懸濁液に添加する工程を含む。
本発明のある形態は、試験試料中での分析物の有無を検出する方法である。分析物は、分析が行われる生理的流体または他の流体あるいは製品中の化学物質であってよい。この方法は、化学物質または分析物あるいは反応物を含有しても、しなくてもよい、試験すべき試料を本発明の試薬懸濁液と組み合わせる工程からなる。この懸濁液は、分析物と反応できる結合パートナーにより被覆された粒子、チオールブロックトバルキング剤、および水からなる。この懸濁液に通常の反応条件を加えて、分析物が存在する場合には、その存在下で、反応生成物または複合体を形成して、分析物の存在を示すものとしての反応生成物の存在を決定する標識により、懸濁液をモニタまたは検出する。ある場合には、分析物の診断試験または他の分析試験は、既知の方法にしたがって、定量的並びに定性的であって差し支えない。
したがって、本発明の目的は、存在する場合には、チオール基が、凝集体またはフィブリルの形成が阻害されるようにブロッキングまたは化学的不活性にされている、化学物質溶液、好ましくはタンパク質溶液中に懸濁された固相物質または粒子の診断試薬を提供することにある。
本発明の別の目的は、結合パートナーと結合した固相物質および化学的な反応性チオール基を有さないブロッキング剤の診断試薬を提供することにある。
本発明の別の目的は、診断試薬のバルキング剤であって、チオール基が、溶液中に存在する場合には、ブロッキングまたは化学的に不活性とされている化学物質溶液であるバルキング剤を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、結合パートナーと結合した固相物質およびチオール基が、化合物中に存在する場合には、ブロッキングまたは化学的に不活性とされている化合物を含むブロッキング剤を提供することにある。
このように、本発明は、診断のような、体外用途に使用されるタンパク質含有溶液を安定化させる方法を特徴とするものである。本発明の実施の形態には、試薬懸濁液に関する特別な用途がある。本発明により調製された試薬懸濁液は、安定であり、目に見える凝集体またはフィブリルの形成が阻害された。
本発明の特徴および利点は、実施例により、本発明の好ましい実施の形態およびその原理、並びにこれらの原理を適用する最良の様式と今では考えられていることを示す以下の記載から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
本発明の上述した特徴および他の特徴、目的並びに利点は、添付した図面とともに以下の明細書を読むことにより、良好に理解されよう。
図1は、従来技術の試薬懸濁液中におけるフィブリル形成の様々な段階を示す一連の写真である。
図2は、BSAモノマー含有量およびチオール含有量への温度の影響を示すグラフである。
図3a,3b,3cおよび3dは、16時間後の4℃、16時間での50℃、16時間での55℃および16時間での60℃のウシ血清アルブミンのゲル濾過クロマトグラムを示している。
図4a,4b,4cおよび4dは、16時間後の4℃、16時間後の50℃、16時間後の55℃および16時間後の60℃のチオールブロッキングウシ血清アルブミンのゲル濾過クロマトグラムを示している。
発明の詳細な説明
本発明を、粒子または固相物質の試薬懸濁液である製品、およびその製造方法として詳細に記載する。この開示は、本発明の原理の実施例と考えるべきであり、記載した実施の形態に本発明を限定することを意図するものではない。本発明には、凝集する傾向を示すいかなる試薬懸濁液をも含む、分析実験および診断方法における用途がある。本発明の試薬懸濁液は、粒子およびチオールブロックトタンパク質または化学物質溶液の懸濁液からなる。チオールブロックト化学物質、好ましくはタンパク質からなるブロッキング剤もまた提供する。
本発明の製造方法および製品には、固相物質として常磁性粒子を使用する特定の用途がある。常磁性粒子は、米国特許第4,554,088号に記載されており、マサチューセッツ州、ケンブリッジのアドバンストマグネティクスより市販されている。この特許をここに引用する。このような磁性粒子を用いた診断試薬が、チバコーニングダイアグノスティクス社より市販されている。
記載した常磁性粒子は、水溶液中における沈降時間が約1.5時間である。粒子は、直径が約0.1μmから約10μmまでであり、100-1000エルステッドの低磁界に反応する。この粒径は通常、肉眼には見えない。
典型的に、これらの粒子は、さらなる反応性種または結合パートナーのための結合点として機能するアミノシラン被膜を有している。シランの被覆方法が米国特許第3,652,761号および同第4,554,088号に記載されている。これらの特許をここに引用する。粒子は、アミノシランと結合し、結合パートナーを粒子表面に結合させる反応性部位を提供する試薬により化学的に活性化される。調製された反応性粒子は、この粒子に結合させる必要のある結合パートナーと接触するように配置される。反応は典型的に、過剰な結合パートナー中で行われ、反応を完全に行う。過剰のタンパク質は、試薬をウシ血清アルブミン(BSA)と50℃で反応させることにより除去する。好ましくは、本発明によれば、ブロッキング剤としてチオールブロックトBSAを用いる。この反応は、熱応力反応またはブロッキング反応と呼ばれている。次に、被覆粒子は、BSAおよび他のタンパク質を含有する水性緩衝液中に配置され、試薬懸濁液を形成する。本発明によれば、BSAまたは他のタンパク質は好ましくは、チオールブロッキングされており、バルキングタンパク質として機能する。これらのバルキングタンパク質は、生物学的に相溶性であるが、粒子表面に結合する所望の結合パートナーおよび粒子自体とは反応性ではない。粒子は、プラスチック製ボトル内に入れられ、ラベルが付けられ、消費者に出荷される前に保管場所に置かれる。
ボトル内に保持された従来技術の懸濁液は、ある期間に亘り4℃で貯蔵されるけれども、時がたてば、肉眼に見える凝集体またはフィブリルを生じる。実際に、従来のタンパク質溶液がバルキングされ、1時間より長く揺動運動が行われたポリスチレンボトルには、溶液中にフィブリルまたは凝集体と思われるものが形成される。シート物質が形成され、折り重なり(より密になり)、一連の糸またはフィブリルとして見える。タンパク質フィブリルまたは凝集体を生じる工程は、pH7.5と比較して、pH8.5で加速される。
図1は、従来技術の試薬懸濁液中のフィブリルまたは凝集体を示す一連の写真を示している。
蛍光標識が付けられた抗BSA抗体を、非妨害蛍光標識の付けられた、緩衝液中に存在する他のタンパク質成分と反応する他の抗体と共に使用することにより、凝集体に関連するタンパク質の種類を同定することができた。これらの研究は、凝集体がBSAを含有することを示唆している。蛍光標識凝集体は、粒子を絡ませるフイルムから生じるように思われる。写真a−cは、凝集体形成の異なる段階を示している。
粒子自体は、フイルム製造工程に寄与するとは思われない。フイルムは、水と空気との界面または水とプラスチックとの界面のような、テンプレートまたは表面上に形成された。フイルムの形成は、モノマーを安定化させる架橋反応を示唆した。凝集体形成反応には、高pH、高温、プラスチック表面の存在および流体の移動が適した。
本発明によれば、バルキング化学剤、好ましくはタンパク質を処理して、それチオール成分をブロッキングし、それにより、本発明の安定な懸濁液を形成する。
チオールブロックトタンパク質は、Pが1つ以上のチオール基を有するタンパク質である化学式:
P−X
を有している。上述のごとく使用したように、Xはチオール基のSに共有結合したブロッキング基である。チオール基と反応するブロッキング基はこの業界でよく知られている。代表的なブロッキング基の例としては、C1−C12アルキル、C3−C12シクロアルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12ヒドロキシアルキル、C2−C12アルケニル、C2−C12ハロアルケニル、C2−C12ヒドロキシアルケニル、C2−C12アルキニル、C2−C12ハロアルキニル、C2−C12ヒドロキシアルキニルC65、C1−C12アルコキシ、C1−C12ハロアルコキシ、C1−C12ヒドロキシアルコキシ、C1−C12アルキルチオ、C1−C12アルキルスルフィニル、C1−C12アルキルスルフォニル、およびそれらのアミン、アミド、イミド置換体並びに誘導体が挙げられる。
好ましいXは、Rが、C1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ヒドロキシアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6ハロアルケニル、C2−C6ヒドロキシアルケニル、C2−C6アルキニル、23−C6ハロアルキニル、C2−C6ヒドロキシアルキニル、C65、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、C1−C4ヒドロキシアルコキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルフォニル、およびそれらのアミン、アミド、イミド誘導体並びに置換体である化学式:
−S−R
により表されるチオアルキル基である。
好ましくは、ブロッキング基Xは、下記:
Figure 0003803116
の基からなっていてもよい。上述のごとく使用したように、Zは、ヒドロキシル、C1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ヒドロキシアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6ハロアルケニル、C2−C6ヒドロキシアルケニル、C2−C6アルキニル、C2−C6ハロアルキニル、C2−C6ヒドロキシアルキニル、C65、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、C1−C4ヒドロキシアルコキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルフォニル、並びにそれらのアミン、アミド、イミド誘導体および置換体であるか、またはZは、UおよびWが独立して、水素、C1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ヒドロキシアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6ハロアルケニル、C2−C6ヒドロキシアルケニル、C2−C6アルキニル、C2−C6ハロアルキニル、C2−C6ヒドロキシアルキニル、C65、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、C1−C4ヒドロキシアルコキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルフォニル、並びにそれらのアミン、アミド、イミド誘導体および置換体である化学式:
Figure 0003803116
により表される。好ましくは、ZはNH2である。
好ましいXは、nが1−3の整数である以下の化学式:
Figure 0003803116
により表される。好ましくは、nは1である。
好ましくは、懸濁液は水性であり、6.0から9.0まで、好ましくは7.5から8.5まで、そしてより好ましくは7.5のpHに緩衝液で処理されている。懸濁液のpHは、ある程度結合パートナーに依存しており、ある結合パートナーには、バルキング剤のための低いpHが必要とされている。従来の緩衝液は、リン酸塩、ホウ酸塩からなる。製品の緩衝液として、PIPES、HEPES、MOPSOおよびTRISを用いても差し支えない。
上述した米国特許第4,554,088号の常磁性粒子であっても差し支えない粒子は好ましくは、0.1μmから10μmの範囲の直径を有している。粒子は、溶液の50マイクログラムから250マイクログラムまでの量、より好ましくは60マイクログラムから75マイクログラムまでの量で商業的に用いられている。
粒子のキャリヤは好ましくは、本発明の水性懸濁液の成分は不都合に反応しない最小量の塩等を有する通常の水道水、蒸留水、または脱イオン水である。
本発明のバルキング剤化学物質溶液は、チオール基が存在し、化学的に反応性である場合には、チオールブロッキングされている。好ましくは、チオールブロックトアルブミンは、入手が容易であり、良好なバルキング特性を有しているために用いられている。チオールブロックトタンパク質は、好ましくは溶液の0.05重量%から4.0重量%まで、より好ましくは0.05重量%から2.0重量%までの量で用いられる。
懸濁液はさらに、無機塩および有機塩を含む標準的な診断試薬等、並びに典型的な緩衝液および試薬中に見られる界面活性剤を含んでいても差し支えない。
有用な塩の例としては、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、マグネシウムおよび他の塩化物が挙げられ、ベネファクターの例としては、ドデシル硫酸ナトリウム、ツイーンおよび洗浄剤が挙げられる。
本発明によれば、本発明の懸濁液は、室温での従来の混合により調製しても差し支えない。例えば、水、緩衝試薬およびチオールブロックトタンパク質を、棒で穏やかに撹拌することにより、室温で混合して安定な懸濁液を形成し、次いで、pHを必要に応じて調節する。次いで、溶液を濾過し、その後粒子を溶液に加える。
タンパク質のチオール基を既知の反応により処理してブロッキングしても差し支えない。アルブミン1モル当たり0.02モル未満のスルフヒドリルを有するチオールブロックトアルブミンが、米国、イリノイ州、カンカキーのマイルスラボラトリーズ(現在バイエル)から市販されている(マイルスカタログ番号81-024(商標))。
本発明の懸濁液は、従来の診断および検出方法に用いても差し支えない。例えば、試料を、分析物と反応する粒子、チオールブロックトタンパク質および水と組み合わて懸濁液を形成することにより、試料中分析物の有無を検出しても差し支えない。次いで、分析物が存在する場合に反応が生じる通常の反応条件下に懸濁液を配置する。分析物の存在を示す印として、反応生成物に関して懸濁液をモニタする。
以下の実施例は、説明を意図したものであり、本発明を制限することを目的としたものではない。
実施例1
この実施例は、アルブミン中の反応性チオール基の重合体との関係を説明している。BSAの4つの試料を、pH7.4の100mMリン酸塩緩衝液中において、米国、インディアナ州、エクルハードのマイルスラボラトリーズ(現在はバイエル)より得た1%のBSAの原液(カタログ番号81-003)(チオールブロッキングされていない)から調製した。1%のBSA溶液からなる第1の試料を16時間に亘り4℃に保持した。この試料は、モノマーおよびチオールの含有量に関する対照であった。図2に示したこれらのパラメータに関して、試料1に100%を割り当てた。
1%のBSA溶液からなる第2の試料を中性のpHに維持し、16時間に亘り50℃に加熱した。第3の試料は、16時間に亘り55℃に加熱された中性のpHで1%のBSA溶液であった。1%のBSA溶液からなる中性のpHの第4の試料を、16時間に亘り60℃に加熱した。
16時間後、4つの試料について、ゲル濾過クロマトグラフを行った。これらのデータは、試料1に関しては図3aに、試料2に関しては図3bに、試料3に関しては図3cに、試料4に関しては図3dに示されている。これらのデータは、図2の棒グラフに示されている。
図2において、試料1は、モノマーの濃度およびチオールの含有量に関して100%の対照値である。図1は、摂氏度で表した温度に対して、パーセントで表したモノマーおよびチオールの含有量を示している。斜線の付けられた棒線はモノマーの濃度を示している。斜線のない棒線はチオールの濃度を示している。
対照である試料1と比較すると、50℃に加熱された試料2は、モノマー濃度で17%の減少および存在するチオール濃度で29%の減少を示した。
対照である試料1と比較すると、55℃に加熱された試料3は、モノマー濃度で67%の減少および存在する活性チオール濃度で74%の減少を示した。
対照である試料1と比較すると、60℃に加熱された試料4は、モノマー濃度で76%の減少および存在する反応性チオール濃度で78%の減少を示した。
BSAのチオール濃度の減少は、モノマーの減少に似ている。このように、BSAの二量体および重合体の形成が、一部には、モノマーのチオール含有量に帰することが示された。
実施例2
この実施例は、チオールブロックトアルブミンのフィブリルおよびタンパク質凝集体の形成との関係を説明している。チオールブロックトBSAの4つの試料は、100mMのリン酸塩緩衝液中において、1%のチオールブロックトBSAの原液から調製した。この実施例において用いたチオールブロックトBSAは、Pがアルブミンであり、Xが化学式:
Figure 0003803116
により示され、nが1である化学式:
P−X
により表される。このチオールブロックトBSA組成物は、アルブミンに関連するシステインのチオール基を第2のシステインと反応させて、ジスルフィド結合を形成することにより形成した。この組成物は、上述したカタログ番号81-024としてマイルスより得られる。
第1の試料である試料1は、1%のチオールブロックトBSA溶液からなり、この溶液を16時間に亘り4℃に保持した。この第1の試料は、モノマーおよび官能性チオールの含有量に関する対照であった。
第2の試料である試料2は、チオールブロックトBSAの1%溶液からなり、この溶液を中性のpHに保持し、16時間に亘り50℃に加熱した。第3の試料である試料3は、チオールブロックトBSAの1%溶液からなり、この溶液を中性のpHに保持し、16時間に亘り55℃に加熱した。第4の試料である試料4は、チオールブロックトBSAの1%溶液からなり、この溶液を中性のpHに保持し、16時間に亘り60℃に加熱した。
16時間後、各々の試料にゲル濾過クロマトグラフを行った。これらのデータは、試料1に関しては図4aに、試料2に関しては図4bに、試料3に関しては図4cに、試料4に関しては図4dに示されている。
実施例1のデータと比較すると、これらのデータは、チオールブロックトBSAを使用することにより、凝集並びにフィブリルと凝集体の形成が阻害されたことを示している。実施例2の試料1−4は、実施例1の試料1−4よりも、著しく少ない二量体の形成を示し、モノマーの濃度を大きく維持した。
実施例3
この実施例は、ブロッキングされていないチオール基を有するタンパク質溶液と、チオール基がブロッキングされているタンパク質溶液の比較をさらに説明するものである。この実施例において、2種類の原液を調製した。第1の原液は、pH8.5の5mMのバルビタール緩衝液、150mMのNaCl、0.05%のBSAおよび0.15%のウシガンマグロブリン(BGG)からなるものであった。BSAおよびBGGは、ブロッキングされていないチオール基を含有していた。すなわち、各々が反応性チオール基を有していた。
第2の原液は、pH8.5の5mMのバルビタール緩衝液、150mMのNaCl、0.05%のチオールブロックトBSAおよび0.15%のBGGからなるものであった。チオールブロックトBSAは、実施例2に説明したものであった。
第1の原液の5つのアリコートを5つの組織培養フラスコ内に配置した。同様に、第2の原液の5つのアリコートを5つの組織培養フラスコ内に配置した。5つがブロッキングされていないチオール基を有するBSAを含有し、5つがチオールブロックトBSAを含有する10の試料に、室温で揺動運動を施した。
ブロッキングされていないチオール基を有するBSAを含有する試料は、30分以内にシートまたは膜を生じた。チオールブロックトBSAを含有する試料は、約3時間に亘りシートまたは膜も形成しなかった。20時間後、ブロッキングされていないチオール基を有するBSAを含有する試料中に示された凝集および凝集体の形成の量は、チオールブロックトBSAの凝集体形成を越えていた。
実施例4
この実施例は、チオールブロックトBSAの安定性をさらに説明するものである。この実施例において、実施例3の実験計画を繰り返したが、試料には、4℃の温度に維持しながら揺動運動を施した。
チオールブロックトBSAを保持する試料には、約20時間に亘り目に見える凝集体は含まれなかった。しかしながら、ブロッキングされていないチオール基を有するBSAを含有する試料では、凝集体が形成された。
実施例5
この実施例は、Pがアルブミンであり、XがC1−C4アルコキシのアミン誘導体である化学式:
P−X
のチオールブロックトタンパク質の調製を特徴とするものである。より詳しくは、Xは
Figure 0003803116
である。
アルブミンの1グラムのアリコートを水中に溶解させた。溶液のpHは、水酸化ナトリウム溶液によりpH8.0に調節した。過剰のモル濃度の3.3mgのヨードアセトアミドを溶液に加え、反応が完了するまで、約2時間に亘り撹拌した。アルブミンのシステインアミノ酸のチオール基はヨードアセトアミンと反応して、チオールブロックトアルブミンを形成する。
実施例6
この実施例は、チオールブロックトBSA緩衝液およびブロッキングされていないBSAの比較、並びに異なる温度での運動を特徴とするものである。バルキング剤の2種類の原液を調製した。この緩衝液の組成を以下に述べる:
最終的に、pHが8.5の、50mMのナトリウムバルビタール、150mMの塩化ナトリウム、1mMのEDTAテトラナトリウム塩、0.5%w/vのナトリウムアジド、0.05%w/vのウシ血清アルブミン(BSA)、および0.15w/vのウシガンマグロブリン(BGG)。
一方の原液は、通常のBSA(チオールブロッキングされていない)からなり、マイルスのロット482から調製した。第2の原液は、ブロッキングBSA試料からなり、マイルスのロット1017から調製した。抗プロラクチンマウスモノクローナルと結合した常磁性粒子を各々の原液中に懸濁させた。各々の原液のアリコートを組織培養フラスコ内に配置した。各々の試料を室温で揺動させた。各々の試料を様々な時間で検査し、フィブリルまたは凝集体の形成の程度に関して評価を行った。
以下の表において、以下の表記を用いた。凝集が多いことが、「+」の印が多いことにより特徴付けられている。
「−−」は、凝集が観察されなかったことを示す。
[+]は、わずかに凝集が観察されたことを示す。
「++++」は、凝集が多く観察されたことを示す。
表1は、pH8.5でのマイルスのロット482のBSAおよびマイルスのロット1017のBSAが室温で揺動された結果を示している。
Figure 0003803116
表1のデータは、pH8.5において室温で揺動を施した、BSAマイルスロット1017であるチオールブロックトBSAがより安定な試薬懸濁液であることを示している。
表2は、BSAマイルスロット482およびBSAマイルスロット1017がpH8.5で4℃に保持され、揺動が施された結果を示している。
Figure 0003803116
表2のデータは、pH8.5において4℃で揺動を施した、BSAマイルスロット1017であるチオールブロックトBSAがより安定な試薬懸濁液であることを示している。
2種類の水性原液を1%のBSAによりpH7.5で0.1Mのリン酸緩衝液から調製した。一方の原液を、ブロッキングされていないBSAから調製し、BSAマイルスロット482と称した。もう一方の原液を、チオールブロックトBSAから調製し、BSAマイルスロット1017と称した。これら2種類の原液にも、抗プロラクチンマウスモノクローナル抗体結合常磁性粒子を入れた。
表3は、室温に保持され、揺動が施された、pH7.5のBSAマイルスロット482およびBSAマイルスロット1017の結果を示している。
Figure 0003803116
表2のデータは、pH7.5において室温で揺動を施した、BSAマイルスロット1017であるチオールブロックトBSAがより安定な試薬懸濁液であることを示している。
このように、本発明の好ましい実施の形態を記載してきたが、本発明は、変更および改良を行うことができ、したがって、本発明は、記載した正確な詳細に限定されるものではなく、以下の請求の範囲内に含まれるそのような変更および改良を含むものである。

Claims (15)

  1. 試薬懸濁液であって、
    水性キャリヤ
    分析物と反応することのできる反応物と結合した複数の粒子、および
    前記懸濁液により保持され、Pが1つ以上のチオール基を有するタンパク質であり、Xが該チオール基に共有結合したブロッキング基である化学式:
    P−X
    を有し、前記チオール基がブロッキングされているまたは化学的に不活性であるチオールブロックトタンパク質からなることを特徴とする試薬懸濁液。
  2. 前記ブロッキング基が、C1−C12アルキル、C3−C12シクロアルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12ヒドロキシアルキル、C2−C12アルケニル、C2−C12ハロアルケニル、C1−C12ヒドロキシアルケニル、C2−C12アルキニル、C3−C12ハロアルキニル、C2−C6ヒドロキシアルキニル、C65、C1−C10アルコキシ、C1−C10ハロアルコキシ、C1−C10ヒドロキシアルコキシ、C1−C10アルキルチオ、C1−C10アルキルスルフィニル、C1−C10アルキルスルフォニル、およびそれらのアミン、アミド、イミド置換体並びに誘導体からなることを特徴とする請求の範囲1記載の懸濁液。
  3. Pがアルブミンであることを特徴とする請求の範囲1記載の懸濁液。
  4. 前記アルブミンが、ヒト、ウシ、ブタおよび家禽の供給源からなる供給源のうちの1つより由来していることを特徴とする請求の範囲3記載の懸濁液。
  5. Xが
    −S−R
    からなり、Rが、C1−C12アルキル、C3−C12シクロアルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C6ヒドロキシアルキル、C2−C12アルケニル、C2−C12ハロアルケニル、C2−C12ヒドロキシアルケニル、C2−C12アルキニル、C2−C12ハロアルキニル、C2−C12ヒドロキシアルキニル、C65、C1−C10アルコキシ、C1−C10ハロアルコキシ、C1−C10ヒドロキシアルコキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルフォニル、およびそれらのアミン、アミド、イミド置換体並びに誘導体であることを特徴とする請求の範囲1記載の懸濁液。
  6. Rが:
    Figure 0003803116
    であり、nが1から3までの整数であることを特徴とする請求の範囲5記載の懸濁液。
  7. nが1であることを特徴とする請求の範囲6記載の懸濁液。
  8. Xが:
    Figure 0003803116
    であり、Zが、ヒドロキシル、C1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ヒドロキシアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6ハロアルケニル、C2−C6ヒドロキシアルケニル、C2−C6アルキニル、C2−C6ハロアルキニル、C2−C6ヒドロキシアルキニル、C65、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、C1−C4ヒドロキシアルコキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルフォニル、並びにそれらのアミン、アミド、イミドおよびチオール誘導体および置換体である、またはZが、UまたはWが独立して、水素、C1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C6ヒドロキシアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6ハロアルケニル、C2−C6ヒドロキシアルケニル、C2−C6アルキニル、C3−C6ハロアルキニル、C3−C6ヒドロキシアルキニル、C65、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、C1−C4ヒドロキシアルコキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルフォニル、並びにそれらのアミン、アミド、イミド誘導体および置換体である化学式:
    Figure 0003803116
    であることを特徴とする請求の範囲1記載の懸濁液。
  9. 前記粒子が、常磁性であり、0.1μmから10μmまでの直径を有していることを特徴とする請求の範囲3記載の懸濁液。
  10. 前記粒子が常磁性であり、前記懸濁液がプラスチック製容器により運搬されることを特徴とする請求の範囲1記載の懸濁液。
  11. 水およびチオールブロックトタンパク質、並びに1つ以上の固相物質を組み合わせる工程からなる試薬懸濁液を調製する方法。
  12. プラスチック製容器内に入れられた水性試料中の分析物の有無を検出する方法であって、
    前記試料を、前記分析物と反応する粒子、チオールブロックトタンパク質、および水と組み合わせて、凝集体の形成を阻害する該粒子およびチオールブロックトタンパク質の懸濁液を形成し、
    該懸濁液に反応条件を施して、分析物の存在する反応生成物を形成し、
    該分析物の存在を示す印としての該反応生成物に関して該懸濁液をモニタする各工程からなることを特徴とする方法。
  13. 前記チオールブロックトタンパク質が、
    Pがチオール基を有するタンパク質であり、Xが該チオール基に共有結合したブロッキング基であり、該ブロッキング基が、C1−C12アルキル、C3−C12シクロアルキル、C1−C12ハロアルキル、C1−C12ヒドロキシアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6ハロアルケニル、C2−C12ヒドロキシアルケニル、C2−C12アルキニル、C3−C12ハロアルキニル、C2−C12ヒドロキシアルキニル、C65、C1−C4アルコキシ、C1−C10ハロアルコキシ、C1−C10ヒドロキシアルコキシ、C1−C10アルキルチオ、C1−C10アルキルスルフィニル、C1−C10アルキルスルフォニル、およびそれらのアミン、アミド、イミド置換体並びに誘導体からなる化学式:
    P−X
    からなることを特徴とする請求の範囲12記載の方法。
  14. Xが:
    −S−R
    からなり、Rが、C1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、C1−C6ハロアルキル、C1−C10ヒドロキシアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6ハロアルケニル、C2−C6ヒドロキシアルケニル、C2−C6アルキニル、C2−C6ハロアルキニル、C2−C6ヒドロキシアルキニル、C65、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、C1−C4ヒドロキシアルコキシ、C1−C4アルキルチオ、C1−C4アルキルスルフィニル、C1−C4アルキルスルフォニル、並びにそれらのアミン、アミド、およびイミド誘導体および置換体であることを特徴とする請求の範囲13記載の方法。
  15. 前記タンパク質がチオールブロックトアルブミンであり、前記粒子が約0.1μmから約10μmまでの直径を有する常磁性粒子であることを特徴とする請求の範囲14記載の方法。
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