JP3802797B2 - ポリトリメチレンテレフタレート原着繊維 - Google Patents

ポリトリメチレンテレフタレート原着繊維 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリトリメチレンテレフタレート原着繊維に関するものであり、さらに詳しくは、ソフトな風合い優れた弾性回復率を有しつつ、高強力でかつ耐久性に優れ、BCFカーペット、ブラシ、テニスガット、暗幕生地等の産業資材用途に適したポリトリメチレンテレフタレート原着繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、ソフトな風合い、優れた弾性回復率、易染性といったポリアミドに類似した性質と、耐光性、熱セット性、寸法安定性、低吸水率といったポリエチレンテレフタレートに類似した性能を併せ持つ素材であり、その特徴を活かしてBCFカーペット、ブラシ、テニスガットなどに応用されており(特開平9−3724号公報、特開平8−173244号公報、特開平5−262862号公報)、産業資材用途へ展開は広がりつつある。近年、染色工程の合理化及び染色排水処理の公害問題、並びに、原着化による耐候性及び耐久性の向上の観点から、ポリトリメチレンテレフタレート繊維の原着化への要求が高まっている。
【0003】
しかしながら、通常繊維の原着化は顔料粒子を含有させることにより行われるが、この顔料粒子が異物として作用するため、製糸工程で単糸切れが発生して毛羽が発生し易くなり、従来糸並みの高強力、高タフネスなポリトリメチレンテレフタレート原着繊維を工業的に製造することは困難であった。
【0004】
従来、かかる異物を除去するために、紡糸パック内での濾過を強化する方法が提案されている。確かにこの方法によれば、毛羽発生を減少させることができるものの、急激なパック圧力上昇を生ずるため、パックフィルターの交換周期が極端に短くなり、実用上の解決方法にはなってない。
【0005】
一方、顔料粒子を小さくした状態で溶融ポリマー内に分散させて異物としての作用を抑制するため、顔料粒子寸法を小さくしたり、溶融ポリマー中に混練する際の顔料凝集を防いだりする方法等が種々提案されている。例えば特開平7−258918号公報には、粒径分布が3〜20nmの非常に小さな顔料粒子、特にカーボンブラックを用いる方法が開示されているが、この粒径は溶融ポリマーに混練する前のものであり、実際には溶融粘度の高いポリマー中で顔料の凝集が起こって粗大凝集粒子が発生し、原着糸を製造する際に単糸切れが多発するという問題があった。
【0006】
このような、混練時の凝集粒子発生を抑制するために、例えば特開昭58−149311号公報、特開昭60−45689号公報等には、液状ポリエステルを分散媒体とした液状ポリエステル用着色剤が提案されている。確かにこれらの方法によれば顔料の分散性は向上するものの、液状ポリエステルを溶融混合することになるので強力が低下するという問題がある。一方、特開昭58−145762号公報には、分散媒体としてポリエステルオリゴマーを使用した顔料分散体が提案されているが、この方法によっても、顔料の分散性は改善されるもののポリエチレンテレフタレートとの相溶性が悪いために、やはり繊維としたときの強力は低下するという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術における問題を解決するためになされたもので、その目的は、ポリトリメチレンテレフタレート繊維中に顔料粒子が凝集することなく分散し、十分な強力を有し、かつ耐候性及び耐久性に優れ、産業資材用として好適なポリトリメチレンテレフタレート原着繊維を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記従来技術に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の目的は、
主たる繰り返し単位をトリメチレンテレフタレートとし、水溶性ポリエステル(A)、表面張力が20〜21mN/mの範囲にあるポリシロキサン化合物(B)及び顔料(C)が分散混合されてなるポリエステルポリマーからなるポリトリメチレンテレフタレート原着繊維により達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】
本発明の原着繊維を構成するポリエステルは、その主たる繰り返し単位がトリメチレンテレフタレートからなるものである。なおここでいう「主たる」とは、繰り返し単位の95モル%以上であることをいい、好ましくは97モル%以上、特に全ての繰り返し単位がトリメチレンテレフタレートであるポリトリメチレンテレフタレートである場合も、得られる繊維の機械的特性が良好なので好ましい。
【0012】
該ポリエステルの固有粘度は、高強力でかつ耐候性、耐久性といった特性を兼ね備えるために0.8以上であることが好ましく、特に好ましくは0.85〜1.2である。該固有粘度が0.8以上である場合には、さらに十分な耐久性を発揮し、産業資材用としては好適なものとなる。
【0013】
また本発明の原着繊維は、強度が4.0cN/tex以上であることが好ましく、特に4.5cN/dtex以上であることが好ましい。該強度が4.0cN/dtex以上である場合には産業資材用としては強度、耐久性がさらに十分なものとなるので好ましい。一方上限は特に限定する必要はないが、強度を高く製糸すると安定に製糸することが難しくなり、毛羽の原因となったりするので5.5cN/dtex以下とするのが適当である。
【0014】
本発明の原着繊維は、上記のポリエステル中に、水溶性ポリエステル(A)、表面張力が20〜21mN/mであるポリシロキサン化合物(B)、及び顔料(C)が分散混合されている必要がある。顔料(C)を水溶性ポリエステル(A)と共に前記ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル中に分散混合していない場合には、顔料の凝集が発生して均一に分散させることが困難となり、製糸時の毛羽発生が多くなるので好ましくない。また、顔料(C)を前記水溶性ポリエステル(A)と共に前記ポリトリメチレンテレフタレート中に分散混合する際、前記ポリシロキサン化合物(B)を共に混合しない場合には、溶融成形中に顔料(C)の再凝集が生じやすくなり、パック圧上昇が高く、得られる原着繊維中で顔料(C)の強度が低下しやすく本発明の目的を達成することが困難になる。
【0015】
水溶性ポリエステル(A)は水溶性である必要があり、水溶性でないと顔料(C)の分散性が不十分となって製糸時の毛羽発生が多くなり好ましくない。
【0016】
本発明におけるポリシロキサン化合物は、表面張力が20〜21mN/mの範囲にあることが必要である。20より小さいと、ポリトリメチレンテレフタレートと相分離を起こしてしまい、強度が著しく劣化する。また21mN/mより大きいと、顔料被覆による再凝集抑制効果が不十分となる。
【0017】
水溶性ポリエステル(A)の好ましい例を挙げれば、酸成分が、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸で、またグリコール成分が、例えばエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオールなどが挙げられる。なかでもテレフタル酸、イソフタル酸及び/又は5−ナトリウムスルホイソフタル酸を酸成分とし、エチレングリコール、ジエチレングリコール及び/又はトリメチレングリコールをグリコール成分とする固有粘度0.30〜0.44の範囲にある共重合ポリエステルは、顔料及びポリトリメチレンテレフタレート対する親和性が良好なので、顔料の分散性が向上する。
【0018】
本発明におけるポリシロキサン化合物(B)としては、ポリジアルキルシロキサン等を挙げることができ、好ましくはポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン等を挙げることができる。ポリシロキサン化合物の代表特性である粘度については10〜100cStの範囲のものを好ましく使用することがきる。
【0019】
本発明における水溶性ポリエステル(A)及びポリシロキサン化合物(B)は、ポリトリメチレンテレフタレート系ポリエステルと溶融混練する際にエステル交換反応や重縮合反応が進行すると顔料の凝集抑制効果が減少する場合があるので、水溶性ポリエステル(A)及びポリシロキサン化合物(B)はいずれもその両末端をアルキル基で封鎖するのが好ましい。
【0020】
このような水溶性ポリエステル(A)及びポリシロキサン化合物(B)の原着繊維における混合量(WA+WB)は、0.5〜10重量%の範囲にあるのが好ましい。該重量比が0.1未満の場合には、顔料凝集抑制効果が低下する傾向にあり、一方1.0を越える場合には、もはや凝集抑制効果は増加しないだけでなく繊維の強度が低下しやすくなる。
【0021】
また、水溶性ポリエステル(A)とポリシロキサン化合物(B)との混合割合は、水溶性ポリエステル(A)の割合が多くなりすぎると繊維強度が低下する傾向にあり、一方ポリシロキサン化合物(B)の割合が多くなりすぎると顔料の分散性が低下する傾向にあるので重量比(WA/WB)は3/1〜12/1の範囲が適当である。
【0022】
次に本発明における顔料(C)は、ポリエステル樹脂の着色に用いられる顔料であって、その粒子径が通常5.0μm以下、好ましくは平均粒子径が1.0μm以下のものが好ましく、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化鉄等の無機系顔料、フタロシアニン系、アゾ系、ペリノン系、ペリレン系、アントラキノン系等の有機系顔料をあげることができる。さらにカオリン、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、シリカゲル、酸化ケイソ等を例示することができる。
【0023】
このような顔料の原着繊維中における含有量は、通常0.01〜1.0重量%の範囲が好ましい。
【0024】
本発明の原着繊維には、上記の水溶性ポリエステル(A)、ポリシロキサン化合物(B)及び顔料(C)の他に、本発明の目的を阻害しない範囲内で酸化防止剤、紫外線吸収剤、制電剤、艶消剤、難燃剤などの各種添加剤を配合してもよい。
【0025】
ポリエステル繊維中に前記水溶性ポリエステル(A)、ポリシロキサン化合物(B)及び顔料(C)を分散混合するには特別な方法を採用する必要はなく、例えば顔料をマスターペレット化した後に顔料を含有しないベースポリマーと混練する方法において、予めマスターチップ中に該水溶性ポリエステル(A)及びポリシロキサン化合物(B)とを混合しておく方法、マスターチップとベースポリマーとを溶融混練する際に該水溶性ポリエステル(A)及びポリシロキサン化合物(B)を添加溶融混練する方法などがあげられる。
【0026】
なかでも、水溶性ポリエステル(A)及びポリシロキサン化合物(B)を予め細かく分散させて、これを顔料と溶融混合して顔料含有着色剤を一旦作成し、次にこれと顔料を含有しないベースポリマーとを溶融混練してマスターペレットを作成する方法が顔料の分散性が良好なので特に好ましい。いずれの方法であっても、混合分散後は公知の溶融紡糸・延伸方法によって繊維化することができる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれによって何等限定を受けるものでは無い。なお実施例中の各値は以下の方法に従って求めた。
(1)固有粘度:
オルソクロロフェノールを溶媒とし、オストワルド粘度計を用い、35℃で常法に従って求めた。
(2)繊維強伸度:
テンシロン引張試験機を使用して、糸長250mm、引張速度250mm/分にて常法にしたがって求めた。
(3)顔料凝集抑制効果(圧力上昇値)
日本精線(株)製焼結フィルター「NF―12(濾過精度40μm)」を装着した紡糸パックに、顔料を分散混練した溶融ポリマーサンプルをフィルター面積1cm2当たり20kg通過させた際の圧上昇値を測定した。この値が10kg/cm2未満であれば顔料粒子の凝集抑制効果は良好であると判定した。
(4)ワーパー毛羽
2800m/分で走行している延伸糸を、非接触型赤外線光学方式の毛羽測定装置(MEINER−DEL社製毛羽発見機BFD−8P−B型)を使用して測定し、100万m長さ当たりの毛羽数として検出した。
【0028】
[実施例1]
粒径が5.0μmであるイエロー、レッド顔料を(1:1)の重量比率で混合した顔料100部と、テレフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、エチレングリコール、ジエチレングリコールをモル比90:10:65:35で縮重合して得られた固有粘度が0.40の水溶性ポリエステル4部と、ポリジメチルシロキサン(信越化学工業(株)社製信越シリコーンKF−96)0.5部とを混合した後、ボールミル式溶融混練分散機で混練して顔料含有着色剤を得た。
【0029】
この顔料含有着色剤と、固有粘度が0.80のポリトリメチレンテレフタレートチップとを、得られるマスターチップの顔料濃度が25重量%となる割合で均一に粉砕分散混合した後、二軸押出機にて溶融混練して直径2〜3mm、長さ3〜4mmの円筒状原着マスターチップを得た。
【0030】
次いで、予め作成しておいた固有粘度1.00のポリトリメチレンテレフタレートベースチップと、上述の操作によって得られた円筒状原着マスターチップとを、重量比(49:1)となるように計量混合してエクストルーダー型紡糸機に供給し、紡糸温度245℃にて溶融した後、パックに装填した濾過精度50μmの焼結フィルターを通過させた後、孔径0.6mm、144ホールの紡糸口金から吐出した。
【0031】
吐出糸条は雰囲気温度が290℃の加熱筒を通過させた後、冷却固化させ、油剤を付与して引き取り、引き続いて2段延伸にて全延伸倍率3.6倍で延伸を行い、同時に200℃の温度で熱セットして2800m/分で捲取り、強度4.51cN/dtex、総繊度1500dtexの延伸糸を得た。
【0032】
[実施例2]
実施例1において、水溶性ポリエステルとして、アジピン酸、イソフタル酸および5−ナトリウムスルホイソフタル酸、エチレングリコールをモル比30:50:20:100で重縮合し、さらに、末端にメチル基を10eq/tonの割合で封鎖した固有粘度が0.40の水溶性ポリエステルを使用したこと以外は同様の操作をおこなって、総繊度1500dtexの延伸糸を得た。
【0033】
[実施例3]
実施例2において、顔料含有着色剤を作成する際の顔料と水溶性ポリエステル(A)とポリシロキサン化合物(B)との混合割合をそれぞれ100部:9部:1部に変更する以外は実施例2と同様にして総繊度1500dtexの延伸糸を得た。
【0034】
[実施例4]
実施例1において、水溶性ポリエステル(A)として、アジピン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、エチレングリコールおよびジエチレングリコールをモル比90:10:70:30で重縮合して得られた固有粘度が0.35の水溶性ポリエステルを用いたこと以外は同様にして、総繊度1500dtexの延伸糸を得た。
【0035】
[比較例1]
平均粒径が5.0μmであるイエロー、レッド顔料を(1:1)の重量比率で混合した顔料15部と、固有粘度が0.70のポリトリメチレンテレフタレートチップ85部を均一に混合した後150℃の熱風乾燥機にて8時間乾燥し、次いで二軸押出機にて溶融混練して直径2〜3mm、長さ3〜4mmの円筒状原着マスターチップを得た。固有粘度1.00のポリエチレンテレフタレートベースチップと上記マスターチップとを、実施例1と同様に重量比(29:1)で計量混合して溶融紡糸延伸を行い、この際延伸倍率及び吐出量を調整して総繊度1500dtexの延伸糸を得た。
【0036】
[比較例2]
粒径が5.0μm以下であるイエロー、レッド顔料を(1:1)の重量比率で混合した顔料50部と、固有粘度が0.55、融点が216℃のポリブチレンテレテレフタレート50部とを混合した後、ボールミル式溶融混練分散機で混練して顔料含有着色剤を得た。この顔料含有着色剤を、固有粘度が0.65のポリエチレンテレフタレートチップとを均一に粉砕混合混合した後、二軸押出機にて溶融混練して直径2〜3mm、長さ3〜4mm、顔料濃度25%の円筒状原着マスターチップを得た。
【0037】
固有粘度1.00のポリトリメチレンテレフタレートベースチップと上記マスターチップとを、重量比(49:1)となるように計量混合して供給し、溶融紡糸延伸を行い、この際延伸倍率及び吐出量を調整して総繊度1500dtexの延伸糸を得た。
【0038】
[比較例3]
平均粒径が5.0μmであるイエロー、レッド顔料を(1:1)の重量比率で混合した顔料25部と、ポリジメチルシロキサン(信越化学工業(株)社製信越シリコーンKF−96)0.5部とを混合した後、ボールミル式溶融混練分散機で混練して顔料含有着色剤を得た。この顔料含有着色剤を、固有粘度が0.65のポリトリメチレンテレフタレートチップとを均一に粉砕混合混合した後、二軸押出機にて溶融混練して直径2〜3mm、長さ3〜4mm、顔料濃度25%の円筒状原着マスターチップを得た。
【0039】
固有粘度1.00のポリトリメチレンテレフタレートベースチップと上記マスターチップとを、重量比(49:1)で計量混合したのち、延伸倍率及び吐出量を適宜調整して溶融紡糸延伸を行い、総繊度1500dtexの延伸糸を得た。
【0040】
[比較例4]
平均粒径が5.0μmであるイエロー、レッド顔料を(1:1)の重量比率で混合した顔料50部と、テレフタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、エチレングリコール、ジエチレングリコールをモル比80:10:10:65:35で縮重合して得られた固有粘度が0.40の水溶性ポリエステル2部を混合した後、ボールミル式溶融混練分散機で混練して顔料含有着色剤を得た。
【0041】
以下、実施例1と同様の操作を行い、総繊度1500dtexの延伸糸を得た。
【0042】
[比較例5]
平均粒径が5.0μmであるイエロー、レッド顔料を(1:1)の重量比率で混合した顔料50部と、テレフタル酸、アジピン酸、トリメチレングリコールをモル比80:20:100にて縮重合して得られた固有粘度が0.40の非水溶性ポリエステル2部及びポリシロキサン化合物として信越シリコーンKF−960.25部とを混合した後、ボールミル式溶融混練分散機で混練して顔料含有着色剤を得た。
【0043】
以下、実施例1と同様の操作を行い、総繊度1500dtexの延伸糸を得た。
【表1】
Figure 0003802797
【0044】
【発明の効果】
本発明のポリトリメチレンテレフタレート原着繊維は、顔料をポリメチレンテレフタレート中に分散させる際の分散効果及び凝集抑制効果に優れているため、その製糸時の延伸性は良好で、風合い、耐久性に優れ、また単糸切れも抑制されて品位も良好なので、産業資材用途に極めて有用なものである。

Claims (5)

  1. 主たる繰り返し単位をトリメチレンテレフタレートとし、水溶性ポリエステル(A)、表面張力が20〜21mN/mの範囲にあるポリシロキサン化合物(B)及び顔料(C)が分散混合されてなるポリエステルポリマーからなる、ポリトリメチレンテレフタレート原着繊維。
  2. 固有粘度が0.8以上でかつ強度が4.0〜5.5cN/dtexの範囲である請求項1記載のポリトリメチレンテレフタレート原着繊維。
  3. 水溶性ポリエステル(A)及びポリシロキサン化合物(B)の末端がアルキル基で封鎖されてなる、請求項1または2記載の原着繊維。
  4. 水溶性ポリエステル(A)の混合量WAとポリシロキサン化合物(B)の混合量WBとの合計が、顔料(C)を基準として0.5〜10重量%の範囲である、請求項1または2記載の原着繊維。
  5. 水溶性ポリエステル(A)の混合量とポリシロキサン化合物(B)の混合量との重量比(WA/WB)が(3/1)〜(12/1)である請求項1または2記載の原着繊維。
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