JPH11269720A - 高強力ポリエステル原着繊維 - Google Patents

高強力ポリエステル原着繊維

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JPH11269720A
JPH11269720A JP6684198A JP6684198A JPH11269720A JP H11269720 A JPH11269720 A JP H11269720A JP 6684198 A JP6684198 A JP 6684198A JP 6684198 A JP6684198 A JP 6684198A JP H11269720 A JPH11269720 A JP H11269720A
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JP
Japan
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polyester
pigment
strength
melting point
fiber
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JP6684198A
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Kiyoshi Maruo
潔 丸雄
Hisao Okumura
久雄 奥村
Toshio Yamauchi
俊男 山内
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顔料粒子が凝集することなく分散し、高強力
でかつ耐候性および耐久性にも優れた産業資材用途に適
したポリエステル原着繊維を提供する。 【解決手段】 主たる繰返し単位がエチレンテレフタレ
ートからなる固有粘度が0.8以上のポリエステル中
に、融点が50℃以上150℃未満のポリエステルA、
融点が150℃以上240℃未満のポリエステルBおよ
び顔料が分散混合された、強度が8.0g/de以上で
ある高強力ポリエステル原着繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強力ポリエステ
ル原着繊維に関するものである。さらに詳しくは、本発
明は、高強力でかつ耐久性に優れ、スリングベルト、タ
ーポリン、土木ネット、ロープ、漁網等の産業資材用途
に適した高強力ポリエステル原着繊維に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維は高強力であり、耐熱
性、寸法安定性にも優れ、産業資材用途に広く使用され
ている。近年、染色工程の合理化および染色排水処理の
公害問題、並びに、原着化による耐候性および耐久性の
向上の観点から、ポリエステル繊維の原着化への要求が
高まっている。
【0003】しかしながら、通常繊維の原着化は顔料粒
子を含有させることにより行われるが、この顔料粒子が
異物として作用するため、製糸工程で単糸切れが発生し
て毛羽が発生し易くなり、従来糸並みの高強力、高タフ
ネスなポリエステル原着繊維を工業的に製造することは
困難であった。
【0004】従来、かかる異物を除去するために、紡糸
パック内での濾過を強化する方法が提案されている。確
かにこの方法によれば、毛羽発生を減少させることがで
きるものの、急激なパック圧力上昇を生ずるため、パッ
クフィルターの交換周期が極端に短くなり、実用上の解
決方法にはなってない。
【0005】一方、顔料粒子を小さくした状態で溶融ポ
リマー内に分散させて異物としての作用を抑制するた
め、顔料粒子寸法を小さくしたり、溶融ポリマー中に混
練する際の顔料凝集を防ぐ方法等が種々提案されてい
る。例えば特開平7−258918号公報には、粒径分
布が3〜20nmの非常に小さな顔料粒子、特にカーボ
ンブラックを用いる方法が開示されているが、この粒径
は溶融ポリマーに混練する前のものであり、実際には溶
融粘度の高いポリマー中で顔料の凝集が起こって粗大凝
集粒子が発生し、高強力原着糸を製造する際に単糸切れ
が多発するという問題があった。
【0006】かかる混練時の凝集粒子発生を抑制するた
めに、例えば特開昭58−149311号公報、特開昭
60−45689号公報等には、液状ポリエステルを分
散媒体とした液状ポリエステル用着色剤が提案されてい
る。確かにこれらの方法によれば顔料の分散性は向上す
るものの、液状ポリエステルを溶融混合することになる
ので強力が低下するという問題がある。一方特開昭58
−145762号公報には、分散媒体としてポリエステ
ルオリゴマーを使用した顔料分散体が提案されている
が、この方法によっても、顔料の分散性は改善されるも
ののポリエチレンテレフタレートとの相溶性が悪いため
に、やはり強力は低下するという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の従来
技術における問題を解決するためになされたもので、そ
の目的は、固有粘度が0.8以上の高重合度ポリエステ
ル中に顔料粒子が凝集することなく分散し、強度が8.
0g/de以上といった高強力を有し、且つ耐候性およ
び耐久性に優れ、産業資材用として好適なポリエステル
原着繊維を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、上記目的は、「主たる繰返し単位がエチレンテレフ
タレートからなるポリエステル中に、融点が50℃以上
150℃未満のポリエステル(A)、融点が150℃以
上240℃未満のポリエステル(B)および顔料(C)
が分散混合されたポリエステル原着繊維であって、該繊
維の固有粘度が0.8以上でかつ強度が8.0g/de
以上である高強力ポリエステル原着繊維。」により達成
できることが見出された。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の原着繊維を構成するポリ
エステルは、その主たる繰返し単位がエチレンテレフタ
レートからなるものである。なおここでいう「主たる」
とは、繰返し単位の95モル%以上であることをいい、
好ましくは97モル%以上、特に全ての繰返し単位がエ
チレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレー
トが、得られる繊維の機械的特性が良好なので好まし
い。
【0010】かかるポリエステルの固有粘度は、高強力
で且つ耐候性、耐久性といった特性を兼ね備えるために
0.8以上、好ましくは0.85〜1.2が必要であ
り、固有粘度が0.8未満の場合には,耐久性が低下し
て産業資材用としては不適当になる。
【0011】また本発明の原着繊維は、強度が8.0g
/de以上、好ましくは8.5g/de以上が必要であ
り、8.0g/de未満の場合には産業資材用としては
強度、耐久性が不十分となるので好ましくなく、また、
この様な低強度繊維は従来の原着繊維製造方法でも比較
的安定に製造できるので、本発明の効果は小さい。一方
上限は特に限定する必要はないが、あまりに強度が大き
すぎる場合には安定に製糸することが難しくなるので1
1.0g/de以下、好ましくは10.5g/de以下
とするのが適当である。
【0012】本発明の原着繊維は、上記のポリエステル
中に、融点が50℃以上150℃未満、好ましくは10
0℃以上150℃未満のポリエステル(A)、融点が1
50℃以上240℃未満のポリエステル(B)、および
顔料(C)が分散混合されている必要がある。顔料
(C)を融点が50℃以上150℃未満のポリエステル
(A)と共に前記ポリエチレンテレフタレート系ポリエ
ステル中に分散混合していない場合には、顔料の凝集が
発生して均一に分散させることが困難となり、製糸時の
毛羽発生が多くなるので好ましくない。また、顔料
(C)を前記ポリエステル(A)と共に前記(ポリエチ
レンテレフタレート系)ポリエステル中に分散混合する
際、前記ポリエステル(B)を共に混合しない場合に
は、得られる原着繊維の強度が低下しやすく本発明の目
的を達成することが困難になる。
【0013】また上記のとおり、ポリエステル(A)の
融点は50℃以上150℃未満である必要があり、50
℃未満の場合には得られる原着繊維の強度が低下し、逆
に150℃以上の場合には顔料の凝集抑制効果が不十分
となって製糸時の毛羽発生が多くなり好ましくない。一
方ポリエステル(B)の融点は150℃以上240℃未
満である必要があり、150℃未満の場合には前記ポリ
エステル(A)使用によって得られる原着繊維の強度低
下を抑制することが困難になり、逆に240℃以上の場
合には前記ポリエステル(A)使用による顔料の凝集抑
制効果を低下させるので好ましくない。
【0014】好ましく用いられるポリエステル(A)と
しては、酸成分が、例えばテレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、
アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸などの
脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸など
の脂環族ジカルボン酸で、またグリコール成分が、例え
ばエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオ
ール、オクタンジオールなどで、融点が前記条件を満た
す側鎖を有しないポリエステルが挙げられ、なかでもア
ジピン酸、セバチン酸および/またはイソフタル酸を酸
成分とし、エチレングリコールまたはブタンジオールを
グリコール成分とするポリエステルは、ポリエチレンテ
レフタレート系ポリエステルに対する親和性が良好なの
で、顔料の分散性が向上する。
【0015】一方、好ましく用いられるポリエステル
(B)としては、酸成分が例えばテレフタル酸、イソフ
タル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボ
ン酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジカルボン酸
などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン
酸などの脂環族ジカルボン酸で、またグリコール成分が
エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオー
ル、オクタンジオールなどで融点が前記条件を満たすも
のを挙げることができる。なかでも、テレフタル酸また
はイソフタル酸を酸成分とし、エチレングリコール、ブ
タンジオール、ヘキサンジオールまたはオクタンジオー
ルをグリコール成分とした、側鎖を有しないポリエステ
ルは、ポリエチレンテレフタレート系ポリエステルに対
する親和性が良好なので、顔料の分散性が向上する。
【0016】なお、上記のポリエステル(A)およびポ
リエステル(B)は、ポリエチレンテレフタレート系ポ
リエステルと溶融混練する際にエステル交換反応や重縮
合反応が進行すると顔料の凝集抑制効果が減少する場合
があるので、ポリエステル(A)およびポリエステル
(B)はいずれもその両末端をアルキル基で封鎖するの
が好ましい。そのためには、これらのポリエステルを製
造する際に一価アルコールであるエタノール、ブタノー
ル、ヘキサノール、オクタノールなどを併用して反応さ
せればよい。また、これらのポリエステルの固有粘度
は、いずれも0.40〜0.60の範囲が適当であり、
さらに常温で固形となるものが好ましい。
【0017】このようなポリエステル(A)およびポリ
エステル(B)の原着繊維における混合量(WA
B )は、あまりに多くなりすぎると顔料分散性はもは
や向上せず、逆に得られる繊維の強度が低下するので、
これらの合計は1.0重量%以下であるのが適当であ
る。また、ポリエステル(A)とポリエステル(B)の
混合割合は、ポリエステル(A)の割合が多くなりすぎ
ると繊維強度が低下する傾向にあり、一方ポリエステル
(B)の割合が多くなりすぎると顔料の分散性が低下す
る傾向にあるので重量比(WA /WB )は1/2〜2/
1の範囲が適当である。
【0018】次に本発明における顔料(C)は、ポリエ
ステル樹脂の着色に用いられる顔料であって、その粒子
径が通常5.0μm以下、好ましくは平均粒子径が1.
0μm以下であればどのようなものでも用いることがで
き、例えばカーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、
酸化クロム、酸化鉄等の無機系顔料、フタロシアニン
系、アゾ系、ペリノン系、ペリレン系、アントラキノン
系等の有機系顔料をあげることができる。さらにカオリ
ン、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、シリカゲル、
酸化ケイソ等も使用することができる。
【0019】このような顔料の原着繊維中における含有
量は、通常0.05〜1.0重量%の範囲であるが、前
記のポリエステル(A)およびポリエステル(B)の合
計混合量WA +WB と、顔料(C)の混合量WC との重
量比((WA +WB )/WC)は0.1〜1.0の範囲
とするのが好ましい。該重量比が0.1未満の場合に
は、顔料凝集抑制効果が低下する傾向にあり、一方1.
0を越える場合には、もはや凝集抑制効果は増加しない
だけでなく繊維の強度が低下しやすくなる。
【0020】本発明の原着繊維には、上記のポリエステ
ル(A)、ポリエステル(B)および顔料(C)の他
に、本発明の目的を阻害しない範囲内で酸化防止剤、紫
外線吸収剤、制電剤、艶消剤、難燃剤などの各種添加剤
を配合してもよい。
【0021】ポリエステル繊維中に前記ポリエステル
(A)、ポリエステル(B)および顔料(C)を分散混
合するには特別な方法を採用する必要はなく、例えば顔
料をマスターペレット化した後に顔料を含有しないベー
スポリマーと混練する方法において、予めマスターチッ
プ中に該ポリエステル(A)およびポリエステル(B)
を混合しておく方法、マスターチップとベースポリマー
とを溶融混練する際に該ポリエステル(A)およびポリ
エステル(B)を添加溶融混練する方法などがあげられ
る。なかでも、ポリエステル(A)およびポリエステル
(B)を予め細かく粉砕し、これを顔料と溶融混合して
顔料含有着色剤を一旦作成し、次にこれと顔料を含有し
ないベースポリマーとを溶融混練してマスターペレット
を作成する方法が顔料の分散性が良好なので特に好まし
い。いずれの方法であっても、混合分散後は公知の溶融
紡糸・延伸方法によって繊維化することができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明する。なお実施例中の各物性値は以下のようにし
て求めた。 <固有粘度>オルソクロロフェノールを溶媒とし、オス
トワルド粘度計を用いて25℃で測定した。 <強伸度>テンシロン引張試験機を使用して、糸長25
0mm,引張速度250mm/分で測定した。 <顔料凝集抑制効果(圧力上昇値)>日本精線(株)製
焼結フィルターNFー12(濾過精度40μm)使用の
パックに、顔料を分散混練した溶融ポリマーサンプルを
フィルター面積1cm2 当たり20kg通過させた際の
圧上昇値を測定した。この値が10kg/cm2 未満で
あれば顔料粒子の凝集抑制効果は良好であると判定し
た。
【0023】<ワーパー毛羽>2800m/分で走行し
ている延伸糸を、非接触型赤外線光学方式の毛羽測定装
置(MEINER−DEL社製毛羽発見機BFD−8P
−B型)を使用して測定し、100万m長さ当りの毛羽
数として検出した。
【0024】[実施例1]粒径が5.0μm以下である
イエロー、レッド顔料を1:1の重量比率で混合した顔
料50部と、アジピン酸、イソフタル酸、エチレングリ
コールを縮重合して得られた固有粘度が0.50、融点
が90℃のポリエステル(A)25部と、固有粘度が
0.55、融点が216℃のポリブチレンテレテレフタ
レート(ポリエステル(B))25部とを粉砕混合した
後、ボールミル式溶融混練分散機で混練して顔料含有着
色剤を得た。この顔料含有着色剤を、固有粘度が0.6
5のポリエチレンテレフタレートチップとを、得られる
マスターチップの顔料濃度が25重量%となる割合で均
一に粉砕混合混合した後、二軸押出機にて溶融混練して
直径2〜3mm、長さ3〜4mmの円筒状原着マスター
チップを得た。
【0025】固有粘度1.00のポリエチレンテレフタ
レートベースチップと上記マスターチップとを、重量比
49:1で計量混合してエクストルーダー型紡糸機で紡
糸温度300℃にて溶融した後、パックに装填した濾過
精度50μmの焼結フィルターを通過させた後、孔径
0.6mm、144ホールの紡糸口金から吐出した。吐
出糸状は雰囲気温度が350℃の加熱筒を通過させた
後、冷却固化させ、油剤を付与して引取り、引続いて2
段延伸にて全延伸倍率5.6倍で延伸を行い、同時に2
25℃の温度で熱セットして2800m/分で捲取り、
強度9.01g/de、総繊度1500deの延伸糸を
得た。
【0026】[実施例2]ポリエステル(A)として、
アジピン酸とイソフタル酸の共重合割合を変えた、固有
粘度が0.50、融点が130℃のポリエステルを使用
する以外は実施例1と同様にして強度9.02g/d
e、総繊度1500deの延伸糸を得た。
【0027】[実施例3]実施例2において、顔料含有
着色剤を作成する際の顔料とポリエステル(A)とポリ
エステル(B)との混合割合を60部:20部:20部
に変更する以外は実施例2と同様にして強度9.00g
/de、総繊度1500deの延伸糸を得た。
【0028】[実施例4]ポリエステル(A)として、
アジピン酸、イソフタル酸、エチレングリコールおよび
エタノールを縮重合して得られた固有粘度が0.50、
融点が130℃のポリエステルを、またポリエステル
(B)として、テレフタル酸、ブタンジオールおよびブ
タノールを縮重合して得た固有粘度が0.45の末端封
鎖ポリブチレンテレフタレートを用いる以外は実施例1
と同様にして、強度9.04g/de、総繊度1500
deの延伸糸を得た。
【0029】[比較例1]粒径が5.0μm以下である
イエロー、レッド顔料を1:1の重量比率で混合した顔
料15部と、固有粘度が0.65のポリエチレンテレフ
タレートチップ85部を均一に混合した後150℃の熱
風乾燥機にて8時間乾燥し、ついで二軸押出機にて溶融
混練して直径2〜3mm、長さ3〜4mmの円筒状原着
マスターチップを得た。固有粘度1.00のポリエチレ
ンテレフタレートベースチップと上記マスターチップと
を、実施例1と同様に重量比29:1で計量混合して溶
融紡糸延伸を行い、この際延伸倍率及び吐出量を調整し
て強度9.00g/de、総繊度1500deの延伸糸
を得た。
【0030】[比較例2]粒径が5.0μm以下である
イエロー、レッド顔料を1:1の重量比率で混合した顔
料50部と、固有粘度が0.55、融点が216℃のポ
リブチレンテレテレフタレート50部とを粉砕混合した
後、ボールミル式溶融混練分散機で混練して顔料含有着
色剤を得た。この顔料含有着色剤を、固有粘度が0.6
5のポリエチレンテレフタレートチップとを均一に粉砕
混合混合した後、二軸押出機にて溶融混練して直径2〜
3mm、長さ3〜4mm、顔料濃度25%の円筒状原着
マスターチップを得た。
【0031】固有粘度1.00のポリエチレンテレフタ
レートベースチップと上記マスターチップとを、重量比
49:1で計量混合して溶融紡糸延伸を行い、この際延
伸倍率及び吐出量を調整して強度9.01g/de、総
繊度1500deの延伸糸を得た。
【0032】[比較例3]粒径が5.0μm以下である
イエロー、レッド顔料を1:1の重量比率で混合した顔
料34部と、アジピン酸、イソフタル酸、エチレングリ
コールを縮重合して得られた固有粘度が0.50、融点
が90℃のポリエステル(A)33部とを粉砕混合した
後、ボールミル式溶融混練分散機で混練して顔料含有着
色剤を得た。この顔料含有着色剤を、固有粘度が0.6
5のポリエチレンテレフタレートチップとを均一に粉砕
混合混合した後、二軸押出機にて溶融混練して直径2〜
3mm、長さ3〜4mm、顔料濃度25%の円筒状原着
マスターチップを得た。
【0033】固有粘度1.00のポリエチレンテレフタ
レートベースチップと上記マスターチップとを、重量比
49:1で計量混合して溶融紡糸延伸を行い、この際延
伸倍率及び吐出量を調整して強度9.01g/de、総
繊度1500deの延伸糸を得た。以上の結果を表1に
まとめて示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】以上に説明した本発明のポリエステル原
着繊維は、顔料をポリエステル中に分散させる際の凝集
が抑制されているため、その製糸時の延伸性は良好で強
度8.0g/de以上といった高強力繊維でもタフネス
が良好で耐久性に優れ、また単糸切れも抑制されて品位
も良好なので、スリングベルト、ターポリン、土木ネッ
ト、ロープ、漁網等の産業資材用途に極めて有用なもの
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる繰返し単位がエチレンテレフタレ
    ートからなるポリエステル中に、融点が50℃以上15
    0℃未満のポリエステル(A)、融点が150℃以上2
    40℃未満のポリエステル(B)および顔料(C)が分
    散混合されたポリエステル原着繊維であって、該繊維の
    固有粘度が0.8以上でかつ強度が8.0g/de以上
    である高強力ポリエステル原着繊維。
  2. 【請求項2】 ポリエステル(A)およびポリエステル
    (B)の末端がアルキル基で封鎖されている請求項1に
    記載の高強力ポリエステル原着繊維。
  3. 【請求項3】 ポリエステル(A)の混合量WA および
    ポリエステル(B)の混合量WB の合計が1.0重量%
    以下であって、WA /WB が1/2〜2/1である請求
    項1または2に記載の高強力ポリエステル原着繊維。
  4. 【請求項4】 ポリエステル(A)およびポリエステル
    (B)の合計混合量WA +WB と、顔料(C)の混合量
    C との重量比((WA +WB )/WC )が0.1〜
    1.0である請求項1〜3のいずれか1項に記載の高強
    力ポリエステル原着繊維。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003138426A (ja) * 2001-11-02 2003-05-14 Teijin Ltd ポリトリメチレンテレフタレート原着繊維
JP2019099954A (ja) * 2017-12-05 2019-06-24 東洋紡株式会社 着色ポリエチレン繊維、およびそれを用いた製品

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