JP3802756B2 - 電子走査型超音波プローブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動子ユニットを構成する超音波振動子群の各圧電素子と信号ケーブルアッセンブリの各同軸芯線とをそれぞれ電気的に接続して構成される電子走査型超音波プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】
人体などの生体に超音波を送信し、生体の組織で反射したエコー信号を受信して、生体内の断層像を得る超音波診断装置は、非侵襲かつリアルタイムで生体内部の画像情報を得られるため、診断医療の分野において広く用いられ、重要な役割を担ってる。
【0003】
そして、複数の超音波振動子を例えば直線状に配列し、これら超音波振動子を順次一定時間、一定間隔で電子的に高速で切り換えることで断層像を得られるようにした電子走査型超音波プローブがある。
【0004】
前記電子走査型超音波プローブは、圧電素子、音響整合層、背面制動層を備えた複数の超音波振動子群の各超音波振動子に信号の送受を行なう信号線を電気的に接続して構成されている。
【0005】
前記電子走査型超音波プローブを体外から用いる場合には外形形状が比較的大きなため、各信号線と各超音波振動子との電気的接続をコネクタを介して行なえる。
【0006】
これに対して、前記電子走査型超音波プローブを体腔内から用いる場合には外形形状を極めて小型とする必要があり、多数配列される超音波振動子の隣り合う間隔が極小になる。また、これら狭間隔で配置された各超音波振動子にそれぞれ接続される信号線は極細であり、この信号線を複数ひとまとめにした信号ケーブル束は非常に高価なものであった。
【0007】
そして、各信号線と各超音波振動子とを電気的に接続する際には、信号ケーブル束の各信号線の一端を、各超音波振動子に電気的に接続されて配置されている基板に配列されているパッド電極群の1つずつに電気的に接続していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、同軸ケーブル束の各素線と振動子基板の各パッドとを接続する際、ケーブルの先端の精密位置決めや保持固定を行なう必要があり、そのためにパッド周辺に充分な作業スペースを確保しなければならない。すなわち、振動子基板と各超音波振動子群とを接続する前に同軸ケーブル束と振動子基板とを接続する必要がある。
【0009】
また、体腔内超音波振動子では非常に細くて高価な同軸ケーブル束を使用する。この同軸ケーブル束を小さな振動子基板に接続した同軸ケーブルアッセンプリは、非常に高価な部材となる。
【0010】
また、振動子基板と各超音波振動子群とを接続する作業は、数十の工程を含む複雑かつ難易度の高い作業である。このため、従来の手段では、高価な同軸ケーブルアッセンプリを複雑で難易度の高い作業に投入した際、作業ミス等により高価な部品を廃棄することも多く、製品全体の原価を上げる要因になっていた。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、信号ケーブル束の各信号線と各超音波振動子との電気的な接続を確実かつ容易に行なえる電子走査型超音波プローブを提供することを目的にしている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子走査型超音波プローブは、挿入部の先端部に、電子走査式の超音波送受信部を備えた電子走査型超音波プローブであって、圧電素子、音響整合層、背面制動層を備えた複数の超音波振動子群及びこれら超音波振動子群のそれぞれの圧電素子と電気的に接続された信号パターンの端部に配設された電極群であって前記挿入部先端部の長手方向に沿って配列されたパッド電極群を有する振動子基板を備える振動子ユニット部組と、前記挿入部先端部の長手方向に沿って延伸された、前記超音波振動子群の駆動信号および超音波信号の伝送を行う複数の信号線を同軸状に配した同軸ケーブルからの前記複数の信号線のうち所定の信号線を接続可能な、前記挿入部先端部の長手方向に沿って配設された複数の信号線電極部と、前記信号線電極部に接続された複数の信号パターンの端部に配設された電極群であって前記パッド電極群に一致するよう前記挿入部先端部の長手方向に沿って配列されると共に当該パッド電極群に接続可能な櫛状リード状電極群を有するケーブル基板を備える同軸ケーブルアッセンブリと、を備え、前記振動子ユニット部組における前記パッド電極群は、前記櫛状リード状電極群が当該パッド電極群に接続された際、前記複数の信号線電極部を挟んで前記超音波振動子群の反対側に配置されていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、振動子ユニット部組が備える振動子基板に配列されているパッド電極群の各パッド電極と、同軸ケーブルアッセンブリのケーブル基板の有する櫛状リード郡部の各リードとの位置合わせを行ない、その後にパッド電極とリードとの電気的な接続を行なう。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図17は本発明の一実施形態に係り、図1は電子走査式超音波内視鏡を備えた超音波内視鏡診断装置を説明する図、図2は電子走査式超音波内視鏡の先端部分を説明する斜視図、図3は振動子ユニットを説明する図、図4は振動子ユニットの先端部を説明する長手方向断面図、図5は振動子とユニットの構成を説明する図、図6は振動子基板部を設けたプリント基板を説明する図、図7は振動子ユニット部組の構成を説明する図、図8は櫛状リード郡部を説明するフレキシブル基板を説明する図、図9は櫛状リード郡部を説明する図、図10は信号ケーブルアッセンブリを説明する図、図11は振動子ユニット部組の一方の面にケーブルアッセンブリを接続する工程を説明する図、図12は櫛状リードとパッド電極とを半田で接続固定した状態を説明する図、図13は振動子ユニット部組の他方の面にケーブルアッセンブリを接続する工程を説明する図、図14は超音波送受信部と一体な振動子基板と同軸ケーブル束が一体なケーブル基板とを電気的かつ機械的に接続した状態を示す図、図15はフレキシブル基板の櫛状リード郡部の他の構成を説明する図、図16は櫛状リードとパッド電極とを配線ワイヤで接続固定した状態を説明する図、図17は振動子基板部を設けたプリント基板の他の構成を説明する図である。
【0015】
図10(a)はフレキシブル基板を切断線に沿って切断した状態を示す図、図10(b)は櫛状リードの拡大図、図17(a)は超音波放射方向を変化させた振動子基板部の構成例を示す図、図17(b)はパッド電極の他の配置例を示す図である。
【0016】
図1に示すように本実施形態の超音波内視鏡診断装置1は、体腔内に挿入される挿入部2aの先端部に電子走査式の超音波送受信部を設けた電子走査式超音波内視鏡(以下超音波内視鏡と記載する)2と、この超音波内視鏡2に内蔵された照明光学系に観察部位を照明する照明光を供給する光源装置3と、前記超音波送受信部に伝送する超音波駆動信号の生成及び受信した超音波信号の処理等を行う超音波観測装置4と、この超音波観測装置4に接続されて、超音波診断画像を表示する図示しない表示装置等で主に構成されている。
【0017】
前記超音波内視鏡2と前記光源装置3とはユニバーサルコード5の基端に設けられた内視鏡コネクタ6を介して着脱自在に接続されるようになっている。また、前記超音波内視鏡2と超音波観測装置4とは超音波コード7の基端に設けられた超音波コネクタ8を介して着脱自在に接続されるようになっている。
【0018】
前記超音波内視鏡2は、体腔内に挿入される細長な挿入部2aと、この挿入部2aの基端部に設けられた操作部2bと、この操作部2bの基端部に設けられた中継部2cと、この中継部2cの基端に設けられた接眼部2dとを有している。そして、前記操作部2bの側部から前記ユニバーサルコード5が延出され、前記中継部2cの側部から前記超音波コード7が延出されている。
【0019】
前記挿入部2aは先端側から順に、後述する振動子ユニット20と、この振動ユニット20の後端に位置する硬質部9と、この硬質部9の後端に位置する例えば上下左右方向に湾曲自在な湾曲部10と、この湾曲部10の後端に位置して、前記操作部2bの先端に至る細径で、かつ、長尺な可撓性を有する可撓部11とを連接している。
【0020】
前記硬質部9は、耐薬品性や生体適合性及び絶縁性に優れた樹脂材料である例えば、ポリスルフォンやポリエチルエーテルケトン等で形成されている。前記操作部2bには、前記湾曲部10を所望の方向に湾曲操作するためのアングルノブ12や、送気及び送水操作を行うための送気・送水ボタン13、吸引操作を行うための吸引ボタン14、処置具を体腔内に導入するための処置具挿入口15、後述する鉗子起上台(図2の符号27)を操作する鉗子起上レバー16等が設けられている。
【0021】
図2に示すように前記挿入部2aの先端に位置する振動子ユニット20の超音波送受信部21は、複数の圧電素子であるアレイ振動子を配列させた超音波振動子群(以下振動子群と略記する)で構成され、図中矢印で示す超音波走査範囲22を形成している。
【0022】
前記振動子ユニット20の後端に位置する硬質部9の先端面9aには観察部位に向けて照明光を照射する照明レンズカバー23と、観察部位の光学像を捉える観察光学系を構成する観察用レンズカバー24と、この観察用レンズカバー24の表面に付着した汚物や体液を除去するための送気・送水を行う送気・送水ノズル25とが設けられている。そして、前記照明レンズカバー23には図示しないライトガイドファイバーが臨まれ、前記観察用レンズカバー24には図示しないイメージガイドファイバーが臨まれ、前記・送水ノズル25には図示しない送気・送水チューブが連結されている。
【0023】
また、前記硬質部9の先端面9aには、前記超音波送受信部21の超音波走査範囲22に中心軸が含まれるように鉗子出口26が開口している。この鉗子出口26近傍には、鉗子出口26から突出される例えば組織吸引針等処置具の突出方向を揺動調整する鉗子起上台27が設けてある。
【0024】
なお、前記送気・送水ノズル25及び鉗子起上台27を形成する材質としては、例えば、セラミック、樹脂等の電気絶縁物を使用している。また、前記ライトガイドファイバーは、挿入部2a、操作部2b及びユニバーサルコード5内を挿通して内視鏡コネクタ6まで延出している。また、前記イメージガイドファイバーは、挿入部2a、操作部2b及び中継部2c内を挿通して接眼部2dに延出している。また、前記送気・送水チューブは、挿入部2a及び操作部2b内を挿通して送気・送水ボタン13を経て、ユニバーサルコード5内を挿通して内視鏡コネクタ6まで延出している。
【0025】
図3に示すように振動子ユニット20は、前記超音波送受信部21と、この超音波送受信部21を収納すると共に、前記硬質部9との着脱が可能なハウジング部28と、前記超音波送受信部21の各アレイ振動子と電気的に接続され、前記ハウジング部28の中空部に挿通配置された駆動信号や超音波信号の伝達を行う複数の同軸ケーブルを内挿した同軸ケーブル束29と、この同軸ケーブル束29の基端に接続形成されて信号の伝達中継を行う伝達中継部50とで構成されている。
【0026】
前記同軸ケーブル束29の基端に配置された伝達中継部50は、コンタクトパッド46と、接地パッド47と、延長用接続パッド48を備えたフレキシブル配線基板(以下、FPCという)49で構成されている。そして、この伝達中継部50のコンタクトパッド46と接地パッド47とに前記同軸ケーブル束29の同軸線51の図示しない信号芯線及びシールドがそれぞれ電気的に接続されている。なお、この伝達中継部50のコンタクトパッド46と接地パッド47とはそれぞれ延長用接続パッド48に電気的に導通接続されている。また、本実施形態においては同軸ケーブル束29を例えば4つの信号ケーブル束29a、29b、29c、29dに分割して、その4つの信号ケーブル束29a、29b、29c、29dに挿通されているそれぞれの同軸線51をFPC49に接続している。符号29eは4つの信号ケーブル束29a、29b、29c、29dを覆い包むシールド線である。
【0027】
図4及び図5に示すように前記超音波送受信部21は、例えば円弧状に配列した複数のアレイ振動子31,…,31と、これらアレイ振動子31の前面側に設けられた共通接地電極32、音響整合層33、音響レンズ34とで構成されている。そして、各アレイ振動子31と振動子基板35に設けた配線パターンの各信号ライン35aとを配線ワイヤ36を半田によって電気的かつ機械的に接続固定して振動子ユニット部組30を構成している。
【0028】
前記信号ライン35aの一端部には前記アレイ振動子31と電気的に接続される電極部33bが設けられ、この信号ライン35aの他端部にはパッド電極35cがそれぞれ設けられている。
【0029】
また、前記音響整合層33又は音響レンズ34の表面には耐水性及び絶縁性を有しかつ、音響特性が良好な例えばポリパラキシリレン等のコーティングが施してある。
【0030】
一方、前記同軸ケーブル束29の先端側にはケーブル基板41が配置されており、このケーブル基板41に設けられた電極部41aの所定位置に前記同軸ケーブル束29内を挿通する同軸線51の信号芯線及びシールドを図示しない半田によって電気的かつ機械的に接続固定して信号ケーブルアッセンブリ40を構成している。
【0031】
前記ケーブル基板41には前記パッド電極35cに対応する櫛状リード41bが設けられており、これら櫛状リード41bとパッド電極35cとが半田42によって電気的に接続されている。そして、前記信号ケーブルアッセンブリ40の櫛状リード41bと振動子ユニット部組30のパッド電極35cとを電気的且つ機械的に接続した状態で前記ハウジング部28の中空部内に配置し、この中空部内に基礎絶縁を確保する絶縁樹脂製の接着剤43を充填して振動子ユニット20が構成される。
【0032】
なお、ハウジング部28の中空部内に接着剤43を充填したことによって前記信号ケーブルアッセンブリ40及び振動子ユニット部組30がハウジング部28に安定的に固定保持される。また、符号37は背面制動層であり、前記振動子基板35の電極部35bとアレイ振動子31との電気的接続を完了した後、アレイ振動子31の反放射面側に前記電極部35bを覆うように設けられている。
【0033】
ここで、振動子ユニット部組30と、信号ケーブルアッセンブリ40とをそれぞれ形成する工程及び振動子ユニット部組30と信号ケーブルアッセンブリ40とを電気的に接続する工程とを説明する。
【0034】
まず、振動子ユニット部組30を形成する工程を説明する。
振動子ユニット部組30を形成するため、図6に示す細長で硬質なガラスエポキシ樹脂で形成された基板の両面に配線パターンを設けたプリント基板60を用意する。このプリント基板60は、振動子基板部61と検査用基板部62とで構成されいる。
【0035】
前記プリント基板60の表面及び裏面には前記電極部35b及びパッド電極35cに加えて前記パッド電極35cどうしの間隔より幅広に設定した所定間隔で検査用接点部64が配列されている。また、このプリント基板60の表面には電極部35bとパッド電極35cとをそれぞれ電気的に結ぶ複数の信号ライン35aと、パッド電極35cと検察用接点部64とをそれぞれ電気的に結ぶ複数の検査用信号ライン65とが設けられている。なお、符号66は電極部35bとアレイ振動子31とを電気的かつ機械的に接続する際、及びパッド電極35cと櫛状リード41bとを電気的且つ機械的に接続する際にプリント基板60を所定状態に固定するための位置決め固定孔である。
【0036】
図7に示すように前記プリント基板60の振動子基板部61に設けられている電極部35bと前記超音波送受信部21を構成するアレイ振動子31とに前記配線ワイヤ36を半田で固定して電気的かつ機械的な接続を行なって振動子ユニット部組30を形成する。その後、試験用接点プローブ(不図示)を検査用接点部64に接触させて超音波送受信部21の性能検査を行なう。ここで、検査合格であった場合にはこの振動子ユニット部組30を、信号ケーブルアッセンブリ40と電気的に接続する次工程に廻す。なお、性能検査手段は、検査用接点部を介して観測装置に接続して超音波画像評価を行うか、或いは個々の振動子のパルスエコー特性を定量的に評価するものである。
【0037】
次に、信号ケーブルアッセンブリ40を形成する工程を説明する。
信号ケーブルアッセンブリ40を形成するため、図8に示す細長で極薄なフレキシブル基板70を用意する。このフレキシブル基板70は、前記同軸ケーブル束29の同軸線51の信号芯線及びシールドが電気的に接続される電極部41a及び図示しない配線パターンを形成する銅箔部72と、この銅箔部72の両面を被覆するポリイミド樹脂層73とで構成され、基板略中央部には前記パッド電極35cに接続される櫛状リード41aを形成する銅箔部72が所定数、所定間隔で配列された櫛状リード郡部74が設けられている。
【0038】
図9に示すようにこの櫛状リード郡部74は、隣り合う銅箔部72の間に空隙75が設けられ、一方側のポリイミド樹脂層73が剥離されて銅箔部72の表面が露出した状態になっている。
【0039】
そして、このフレキシブル基板70の電極部41aの所定位置に前記同軸線51の信号芯線及びシールドを半田によって電気的かつ機械的に接続して信号ケーブルアッセンブリ40が形成される。その後、前記電極部41aと同軸線51との電気的接続に不具合があるか否かをチェックし、検査合格であった場合にはこの信号ケーブルアッセンブリ40を、振動子ユニット部組30と電気的に接続する次工程に廻す。
【0040】
なお、符号71は図中一点鎖線で示す切断線であり、この切断線71に沿ってフレキシブル基板70の一部を切断することによって複数の櫛状リード41aが形成される。また、符号76は同軸ケーブル束29の各同軸線51を電極部41aに電気的に接続する際及びパッド電極35cと櫛状リード41bとを電気的に接続する際に使用する位置決め用孔である。
【0041】
次いで、振動子ユニット部組30と信号ケーブルアッセンブリ40とを電気的に接続する工程を説明する。
【0042】
まず、図10(a)に示すようにこの工程に廻された検査合格したフレキシブル基板70を切断線71に沿って切断する。このことによって、図10(b)に示すように複数の櫛状リード41bを配列させた信号ケーブルアッセンブリ40が形成される。
【0043】
次に、図11に示すように実体顕微鏡80に設けられている台81の上に振動子ユニット部組30のプリント基板60を配置し、位置決めピン82を前記位置決め用孔76に挿通する。このことによって、台81の所定位置に振動子ユニット部組30が位置決め固定される。
【0044】
次いで、図示しない治具に固定された前記ケーブルアッセンブリ40を振動子ユニット部組30の複数の櫛状リード41bに近接させ、顕微鏡80を覗きながら櫛状リード41bと前記振動子基板部61の一面側に設けられてい複数のパッド電極35cとの位置合わせを行ない、位置合わせ終了後、半田ごて83を用いて櫛状リード41bとパッド電極35cとを半田によって電気的かつ機械的に接続する。
【0045】
図12に示すように半田84が半田ごて83の熱によって溶融状態になることによって前記銅箔部72を被覆していたポリイミド樹脂層73が剥離されて、銅箔の櫛状リード41bとパッド電極35cとが半田84によって電気的・機械的に接続される。
【0046】
次に、図13に示すように前記プリント基板60をひっくり返し、再びプリント基板60を台81の上に配置固定する。そして、振動子基板部61の他面側に設けられている複数のパッド電極35cと信号ケーブルアッセンブリ40の櫛状リード41bとの位置合わせを行ない、この位置合わせ終了後、半田ごて83を用いて櫛状リード41bとパッド電極35cとを半田84によって電気的かつ機械的に接続する。
【0047】
そして、検査合格であった場合には前記プリント基板60を切断部63で折り曲げて振動子基板部61と検査用基板部62とを切り離す。このことによって、図14に示すように超音波送受信部21と一体な振動子基板35と同軸ケーブル束29が一体なケーブル基板41とが電気的かつ機械的に接続された形態になる。なお、振動子ユニット部組30と信号ケーブルアッセンブリ40とを接続する前に、切断部63にプリント基板60の厚さの30〜70%程度の溝を形成しておくと、振動子基板部61と検査用基板部62との切り離しを容易に行える。
【0048】
最後に、電気的かつ機械的に接続された超音波送受信部21と一体な振動子基板35と同軸ケーブル束29が一体なケーブル基板41とをハウジング部28に組付けることによって、前記図4で示した振動子ユニット20が完成する。
【0049】
このように、振動子ユニット部組と信号ケーブルアッセンブリとを形成したのち、それぞれの部組の電気的な接続状態を検査した後、この振動子ユニット部組のパッド電極と信号ケーブルアッセンブリの櫛状リードとを半田によって電気的かつ機械的に接続固定することによって、基板同士を接続する構成をとれるので確実な電気的な接続を行なうことができるとともに、歩留まりの向上を図ることができる。
【0050】
なお、本実施形態においては信号ケーブルアッセンブリを構成するフレキシブル基板は一方側のポリイミド樹脂層73が剥離されて銅箔部72の表面が露出した状態の櫛状リード郡部74を有しているが、フレキシブル基板の構成はこれに限定されるものではなく、例えば図15に示すように両側のポリイミド樹脂層73を剥離して銅箔部72の両面が露出した状態で櫛状リード郡部74を形成するフライイングリード構造にしてもよい。前記櫛状リード群部74の銅箔部72をフライイングリード構造にすることによって櫛状リード41bとパッド電極35cとを半田84で電気的かつ機械的に接続する際、半田84の熱によってポリイミド樹脂層73を剥離させる必要がなくなるので、銅箔部72とパッド電極35cとの電気的な接続をより確実にすることができる。
【0051】
また、銅箔部72とパッド電極35cとの電気的接続を図16に示すように配線ワイヤ77を使用したワイヤボンディングによる電気的接続にしてもよい。このことによって、銅箔部72を折り曲げることなく、つまり振動子基板部61と銅箔部72との間にポリイミド層73を配置した状態でワイヤボンディングできるのでより強度の高い接続が可能になるとともに、ボンディングマシンを使用して高精度な接続の大量生産が可能になる。
【0052】
一方、プリント基板60の振動子基板部61の構成は上述した実施形態に限定されるものではなく、図17(a)に示すように切断部63と基準線80との交差する角度を変化させることによって構成される超音波プローブの超音波放射方向を変化させることができる。つまり、任意の超音波放射方向となる振動子基板部61aをプリント基板60に設ける構成をとるようにしてもよい。
【0053】
また、振動子基板部61に設けるパッド電極35cの配置位置関係も上述した実施形態のように一列に限定されるものではなく、図17(b)に示すようにパッド電極35d、35e、35fと分割して縦方向に配列させた構成等であってもよい。
さらに、図示は省略するが振動子基板部61の先端部の曲率を変化させたものや周波数の異なる超音波送受信部21を取り付ける構成等であってもよい。
【0054】
なお、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0055】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0056】
(1) 圧電素子、音響整合層、背面制動層を備えた複数の超音波振動子群及びこれら超音波振動子群のそれぞれの圧電素子と電気的に接続された信号ラインの端部にパッド電極群を配列させた振動子基板を備える振動子ユニット部組と、
少なくとも、前記超音波振動子群の数と同じ本数の同軸線を備え、この同軸線の一端部の少なくとも芯線を、前記パッド電極群に一致する配列で形成した櫛状リード郡部を有するケーブル基板に電気的に接続した同軸ケーブルアッセンブリと、
を具備する電子走査型超音波プローブ。
【0057】
(2)前記ケーブル基板の櫛状リード群部を金属箔パターンで構成し、この金属箔パターン間を空隙で構成した付記1記載の電子走査型超音波プローブ。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、信号ケーブル束の各信号線と各超音波振動子との電気的な接続を確実かつ容易に行なえる電子走査型超音波プローブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図17は本発明の一実施形態に係り、図1は電子走査式超音波内視鏡を備えた超音波内視鏡診断装置を説明する図
【図2】電子走査式超音波内視鏡の先端部分を説明する斜視図
【図3】振動子ユニットを説明する図
【図4】振動子ユニットの先端部を説明する長手方向断面図
【図5】振動子とユニットの構成を説明する図
【図6】振動子基板部を設けたプリント基板を説明する図
【図7】振動子ユニット部組の構成を説明する図
【図8】櫛状リード郡部を説明するフレキシブル基板を説明する図
【図9】櫛状リード郡部を説明する図
【図10】信号ケーブルアッセンブリを説明する図
【図11】振動子ユニット部組の一方の面にケーブルアッセンブリを接続する工程を説明する図
【図12】櫛状リードとパッド電極とを半田で接続固定した状態を説明する図
【図13】振動子ユニット部組の他方の面にケーブルアッセンブリを接続する工程を説明する図
【図14】超音波送受信部と一体な振動子基板と同軸ケーブル束が一体なケーブル基板とを電気的かつ機械的に接続した状態を示す図
【図15】フレキシブル基板の櫛状リード郡部の他の構成を説明する図
【図16】櫛状リードとパッド電極とを配線ワイヤで接続固定した状態を説明する図
【図17】振動子基板部を設けたプリント基板の他の構成を説明する図
【符号の説明】
20…振動子ユニット
21…超音波送受信部
29…同軸ケーブル束
30…振動子ユニット部組
31…アレイ振動子
33…音響整合層
34…音響レンズ
35…振動子基板
35a…信号ライン
35c…パッド電極
40…信号ケーブルアッセンブリ
41…ケーブル基板
41b…櫛状リード
51…同軸線
Claims (1)
- 挿入部の先端部に、電子走査式の超音波送受信部を備えた電子走査型超音波プローブであって、
圧電素子、音響整合層、背面制動層を備えた複数の超音波振動子群及びこれら超音波振動子群のそれぞれの圧電素子と電気的に接続された信号パターンの端部に配設された電極群であって前記挿入部先端部の長手方向に沿って配列されたパッド電極群を有する振動子基板を備える振動子ユニット部組と、
前記挿入部先端部の長手方向に沿って延伸された、前記超音波振動子群の駆動信号および超音波信号の伝送を行う複数の信号線を同軸状に配した同軸ケーブルからの前記複数の信号線のうち所定の信号線を接続可能な、前記挿入部先端部の長手方向に沿って配設された複数の信号線電極部と、前記信号線電極部に接続された複数の信号パターンの端部に配設された電極群であって前記パッド電極群に一致するよう前記挿入部先端部の長手方向に沿って配列されると共に当該パッド電極群に接続可能な櫛状リード状電極群を有するケーブル基板を備える同軸ケーブルアッセンブリと、
を備え、
前記振動子ユニット部組における前記パッド電極群は、前記櫛状リード状電極群が当該パッド電極群に接続された際、前記複数の信号線電極部を挟んで前記超音波振動子群の反対側に配置されていることを特徴とする電子走査型超音波プローブ。
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