JP3802625B2 - 超音波モータ駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波モータ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、請求項1〜4に対応する従来技術の説明をする。
近年、電磁型モータに代わる新しいモータとして超音波モータが注目されている。この超音波モータは、従来の電磁型モータに比べ以下のような利点を有している。
(1)ギヤなしで低速高推力が得られる。
(2)保持力が大きい。
(3)ストロークが長く、高分解能である。
(4)静粛正に富んでいる。
(5)磁気的ノイズを発生せず、また、ノイズの影響も受けない。
【0003】
従来の超音波リニアモータとしては、本出願人の提案による特開平6−105571号公報に開示されたものがある。以下、特開平6−105571号公報に基づき従来の超音波リニアモータについて説明する。
【0004】
まず、超音波振動子の構成について説明する。図11において、10は超音波振動子で、基本弾性体11の上部に、2次の共振屈曲振動のほぼ腹に対応する部分に2個の積層型圧電素子12が配置されており、この2個の積層型圧電素子12は3個の保持用弾性体13により基本弾性体11上に固定される。図示しないが基本弾性体11には3か所にネジのタップがきってあって、保持用弾性体13はビス14により基本弾性体11に固定される。この時、積層型圧電素子12は保持用弾性体13により突き当てた状態で保持される。また、積層型圧電素子12の保持用弾性体13と接触する部分はエポキシ系の接着剤で固定され、保持用弾性体13と基本弾性体11の接触する部分もエポキシ系の接着剤により接合される。積層型圧電素子12が配置されている基本弾性体11の面に対して反対側の面(被駆動体と接触する側の面)の両端部には摺動部材15がエポキシ系の接着剤を用いて接合されている。摺動部材15はポリイミドに、充填材としてカーボンファイバーとマイカを混入したもので、その混合比はカーボンファイバー20重量%、マイカ30重量%である。
【0005】
次に、超音波振動子10の動作について説明する。
超音波振動子10の寸法を適当にとることで1次の共振縦振動(図12(a)参照)および2次の共振屈曲振動(図12(b)参照)がほぼ同一周波数(55kHz)で励起できる。図11において、左側の積層型圧電素子12から取り出されている電気端子をA,G(A相と呼ぶ)とし、右側の積層型圧電素子12から取り出されている電気端子をB,G(B相と呼ぶ)とする。
【0006】
まず、A相およびB相に30Vの直流電圧を印加する。こうすることで、積層型圧電素子12に圧縮力(予圧)をかけることができる。そこで、A相に周波数55kHzで振幅10Vp−pの交番電圧を印加し、B相に同一周波数、同振幅で同位相の交番電圧を印加すると、1次の共振縦振動が励起できる。次に、A相に周波数55kHzで振幅10Vp−pの交番電圧を印加し、B相に同一周波数、同振幅で逆位相の交番電圧を印加すると、2次の共振屈曲振動が励起できる。さらに、A相およびB相に周波数55kHzで振幅10Vp−pの交番電圧を印加し、A相とB相に印加する交番電圧の位相差を+90°又は−90°にすると、摺動部材15の位置において、時計廻り又は反時計廻りの超音波楕円振動が励起できる。
【0007】
次に、図13に示す超音波リニアモータの構成について説明する。
超音波振動子10は図示しないシリコンゴム(厚み1mm)を介してアルミニウム材からなる振動子保持部材64により保持されている。振動子保持部材64はコの字形状となっており、図示しない薄肉のフランジ部(厚み0.2mm,長さ2mm)を介して連結棒65と連結されている。この連結棒65にはバネ受け部66が連結されている。一方、超音波振動子10の下方にはレール61が配設されている。このレール61は、焼入れ処理されたステンレス材440cからなり、表面硬度はビッカース硬度で900、表面は4000番の研磨紙で研磨されていて、リニアガイド固定部62に図示しないビスにより連結されている。リニアガイド移動部63には枠70が固定されるとともに、枠70の上端には上枠71が固定され、リニアガイド移動部63は枠70を介して上枠71と一体的に連結されている。上枠71の中央部にはタップが切られ、ボルト69が上方から螺入されている。ボルト69には上枠71の下方位置で図に示すようにバネ押え68が取り付けられており、バネ押え68と上記バネ受け部66との間に配置したバネ67の長さを調整することにより、超音波振動子10の摺動部材15とレール61間の接触圧を調整することができるようになっている。
【0008】
次に、超音波リニアモータの動作について説明する。
先に示したように超音波振動子10のA相とB相に周波数55kHzで振幅10Vp−p、位相差+90°又は−90°の交番電圧を印加する。すると、超音波振動子10の摺動部材15の位置に、超音波楕円振動が形成されるので、レール61に対して超音波振動子10は右方向又は左方向に駆動される。
【0009】
以上が基本的な超音波振動子および超音波リニアモータの構成と動作原理である。しかしながら、実際は連続駆動していると超音波振動子が発熱し、それが主な原因で上記共振周波数が変動してしまう。よって、連続的に周波数を追尾して常に最適な周波数で駆動する必要がある。その際に必要となる構成と動作について以下に説明する。
【0010】
図14に示したのは振動検出用圧電素子18,19が基本弾性体11の側面に取り付けられた超音波振動子10である。その他の構成は、図11と同様である。振動検出用圧電素子18からは電気端子F1が取り出され、ここからは縦振動に比例した信号(モニター信号)が出力される。また、振動検出用圧電素子19からは電気端子F2が取り出され、ここからは屈曲振動に比例した信号(モニター信号)が出力される。図15に上記モニター信号の周波数特性を示し、この振動子10を用いた場合の駆動回路を図16に示す。この駆動回路は連続的に周波数を追尾して最適な周波数で駆動するためのもので、発振器からの交番電圧の出力は、増幅されてA相に印加されるとともに、移相器を通った後増幅されてB相に印加される。そして、電気端子F1もしくはF2の信号を増幅して発振器の信号と比較し、電気端子F1もしくはF2からの上記モニター信号が極大値をとるように駆動周波数を調節することで、周波数追尾が可能となり、常に安定した動作をさせることができる。なお、モニター信号と駆動電圧の位相差が一定の値になるように、周波数を調節しても良い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記超音波リニアモータには、以下に示すような問題点があった。
超音波振動子の駆動用圧電素子としていわゆるハード系(ソフト系の圧電素子に対して、d33は小さいが、機械的品質係数は大きい等の特徴がある)の圧電素子を用いた場合、周波数に対する電気端子F1もしくはF2からのモニター信号変化が図17に示すようなものになってしまう。つまり、モニター信号最大値の周波数の両側で非対称な形状となり、かつヒステリシス特性(図17に矢印で示すように、周波数を上げていったときと下げていったときとで、その値がジャンプする周波数が異なる。)を示すようになってしまう。この原因については現在のところ十分解明されていないが、圧電素子の内部のドメインの動きと関係している様である。よって、このような場合、従来の方法ではモニター信号最大のところで周波数を追尾しようとしても、振動が最大となる周波数より低い周波数では振動が不連続に小さくなってしまい、一定の振動を得るのが非常に難しく、その結果モータ特性も非常に不安定となってしまうという問題点があった。
【0012】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなさたもので、超音波振動子の駆動用圧電素子としていわゆるハード系の圧電素子を用いた場合でも、周波数追尾が容易にでき、モータ特性も安定する超音波モータ駆動装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る請求項1の超音波モータ駆動装置は、共振縦振動モード共振屈曲振動モードを励起する超音波振動子と、該超音波振動子に対し相対的に駆動される被駆動体と、上記超音波振動子を上記被駆動体に対し押圧する押圧部材と、発振器と、該発振器から出される交番信号を増幅し上記超音波振動子に含まれる第1の圧電素子に交番電圧を印加する第1の増幅器と、上記発振器から出される交番信号の位相を+90°もしくは−90°移相する移相器と、該移相器から出される交番電圧を増幅し上記超音波振動子に含まれる第2の圧電素子に交番電圧を印加する第2の増幅器と、共振縦振動モードもしくは共振屈曲振動モードを検出する振動検出手段とを有する超音波モータ駆動装置において、上記振動検出手段は、上記第1の圧電素子に流れる第1の機械腕電流を検出する第1の電流検出手段と、上記第2の圧電素子に流れる第2の機械腕電流を検出する第2の電流検出手段と、該第1の電流検出手段からの信号と該第2の電流検出手段からの信号の和をとる和演算回路と、からなる構成とした。
【0014】
請求項2の超音波モータ駆動装置は、共振縦振動モードと共振屈曲振動モードを励起する超音波振動子と、該超音波振動子に対し相対的に駆動される被駆動体と、上記超音波振動子を上記被駆動体に対し押圧する押圧部材と、発振器と、該発振器から出される交番信号を増幅し上記超音波振動子に含まれる第1の圧電素子に交番電圧を印加する第1の増幅器と、上記発振器から出される交番信号の位相を+90°もしくは−90°移相する移相器と、該移相器から出される交番電圧を増幅し上記超音波振動子に含まれる第2の圧電素子に交番電圧を印加する第2の増幅器と、共振縦振動モードもしくは共振屈曲振動モードを検出する振動検出手段とを有する超音波モータ駆動装置において、上記振動検出手段は、上記第1の圧電素子に流れる第1の機械腕電流を検出する第1の電流検出手段と、上記第2の圧電素子に流れる第2の機械腕電流を検出する第2の電流検出手段と、該第1の電流検出手段からの信号と該第2の電流検出手段からの信号の差をとる差演算回路と、により構成した。
請求項3の超音波モータ駆動装置は、請求項1又は請求項2記載の超音波モータ駆動装置にあって、上記振動検出手段からの信号の大きさが一定になるように上記第1の圧電素子および上記第2の圧電素子の印加電圧の大きさを変化させる電圧制御回路を有する構成とした。
【0015】
請求項4の超音波モータ駆動装置は、請求項1又は請求項2記載の超音波モータ駆動装置にあって、上記振動検出手段からの信号の位相と印加電圧の位相との位相差がほぼ0となるように上記発振器の周波数を制御する周波数制御回路を有する構成とした。
【0017】
請求項1,2,3,4の作用は、振動検出手段により、第1、第2の圧電素子に流れる第1、第2の機械腕電流を検出し、これらの和をとることで縦振動モードに比例する信号を得て、又は、これらの差をとることで屈曲振動モードに比例する信号を得て、これら各信号の大きさが一定になるように第1、第2の圧電素子の印加電圧の大きさを変化させ、又は、これら各信号の位相と印加電圧の位相との位相差がほぼ0となるように発振器の周波数を制御する構成とすることによって、振動の大きさもしくは振動と印加電圧の位相差は共振周波数の近傍で連続的に変化するようになり、よって共振周波数でも周波数追尾が可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
[発明の実施の形態1]
本発明の実施の形態1を図1〜図6に基づいて説明する。
まず、本実施の形態1の超音波振動子の構成および組み立て方法について図1を用いて説明する。図1は超音波振動子を示す斜視図である。
【0019】
黄銅材からなる基本弾性体11は凸の字型に形成されており、その寸法は凸部分を除き、幅30mm,奥行4mm,高さ7.5mmである。凸部分の寸法は、幅4mm,奥行4mm,高さ2.5mmである。基本弾性体11の幅方向の中心部でかつ底面から約5mmの位置には、圧入によってφ2のステンレス材からなるピン16が打ち込まれている。電気機械変換素子であるところの積層型圧電素子12は電極処理された圧電素子を数十枚から数百枚積層接合したものであって、本実施の形態において、圧電素子にはいわゆるハード系の圧電素子を用いた。ハード系の圧電素子とは、ソフト系の圧電素子に対して、d33は小さいが、機械的品質係数Qm は大きい等の特徴がある(実際に用いた圧電素子の特性値は、d33=310×10-12 (m/V),Qm =2500である)。圧電素子の寸法は、2mm×3mm×9mmである。
【0020】
上記圧電素子を積層接合した積層型圧電素子12は、内部電極の面積が積層圧電素子12の断面積より小さく作成されており、内部電極が端部にまで延びているのは外部電極が設けられている面(電気端子が設けられている面)のみである。また、本実施の形態の積層型圧電素子には被覆材は設けられていない。この積層型圧電素子は、図1に示すように基本弾性体11の凸部の両側に配置され、保持用弾性体13(寸法:幅4mm,奥行4mm,高さ2.5mm)により基本弾性体11上に固定される。基本弾性体11には2か所にネジのタップ(図示省略)が切ってあって、図1に示すように、保持用弾性体13は上記タップにねじ込んだ2本のビス14およびエポキシ系の接着剤により基本弾性体11に固定される。この時、積層型圧電素子12は基本弾性体11の凸部と保持用弾性体13間で圧縮力をかけた状態で保持固定される。各積層型圧電素子12の両端部は、基本弾性体11の凸部とエポキシ系の接着剤で固定され、保持用弾性体13ともエポキシ系の接着剤で固定される。また、基本弾性体11と接する積層型圧電素子12の側面部分は基本弾性体11とエポキシ系の接着剤を用いて固定される。積層型圧電素子12が配置されている基本弾性体11の面に対して反対側の面(被駆動体と接触する側の面)には、その両端部から9mmの位置(共振屈曲振動の振動振幅が極大値を示す位置)に矩形状(寸法:幅3mm,奥行4mm,厚み1mm)の摩擦子15(砥石材:フェノール樹脂にアルミナセラミクスの砥粒を分散させたもの)がエポキシ系の接着剤を用いてそれぞれ接合されている。
【0021】
次に、上記構成からなる超音波振動子10の動作について説明する。
上記に示した寸法形状によれば、1次の共振縦振動モードおよび2次の共振屈曲振動モードがほぼ同一の周波数で励起できる。これらの振動を有限要素法を用いてコンピュータ解析した結果、図12(a)に示すような共振縦振動姿勢、および図12(b)に示すような共振屈曲振動姿勢が予想され、かつ振動測定の結果それが実証された。図1において左手前側の積層型圧電素子12から取り出されている電気端子をA,GND(以下、A相と呼ぶ)とし、右奥側の積層型圧電素子12から取り出されている電気端子をB,GND(以下、B相と呼ぶ)とする。まず、図示しない電源手段により、A相に振幅10Vp−pの交番電圧を印加し、B相に同一周波数、同振幅で同位相の交番電圧を印加すると、図12(a)に示すような1次の共振縦振動が共振周波数f1 で励起できた。次に、A相に振幅10Vp−pの交番電圧を印加し、B相に同一周波数、同振幅で逆位相の交番電圧を印加すると図12(b)に示すような2次の共振屈曲振動が共振周波数fb で励起できた。ここで、1次の縦振動共振周波数f1 は2次の屈曲振動共振周波数fb より3〜6%程大きくなるように超音波振動子の寸法が決められている。
【0022】
次に、図2を用い、上記超音波振動子10を用いた超音波モータ駆動装置40の構成について説明する。図2は超音波モータ駆動装置を示す正面図である。
【0023】
図2に示すように、超音波振動子10はピン16の部分で2つの保持板21(押圧部材)により両面から保持されている。保持板21はピン16の直径とほぼ同径の穴があけられていて、その穴と超音波振動子10のピンが係合するようになっている。このように保持することで、超音波振動子10はピン16まわりの回転に対してのみ自由度を持つ。保持板21はビス23により保持板固定部材22に固定されている。保持板固定部材22にはリニアブッシュ24が保持されており、リニアブッシュ24は軸25に沿ってリニアに移動する。軸25は軸固定部材26に固定され、軸固定部材26はビス28によってベース27に固定されている。軸固定部材26のほぼ中央部にはタップ(図示省略)が切られていて、押圧ビス28が上方よりねじ込まれており、この押圧ビス28と保持板固定部材22の間にはバネ29が挿入されている。
【0024】
また、ベース27にはクロスローラーガイドの固定部30がビス31により固定され、超音波振動子10の下方に配置されている。クロスローラーガイドの移動部32には摺動板保持部材33が図示しないビスにより固定され、この摺動板保持部材33には摺動板34として厚さ1mmのジルコニアセラミックス材料(もしくはアルミナセラミクス材料、もしくはそれらの複合材料)が接着されている(以下、摺動板保持部材33と摺動板34を合わせて被駆動体と呼ぶ)。このような構成にして、摩擦子15を摺動板34とを当接させ、押圧ビス28を調整してバネ29の弾発力を変化させることで、超音波振動子10の被駆動体への押圧力を調整することができる。
【0025】
次に、上記超音波モータ駆動装置を駆動する駆動回路を図3に基づいて説明する。発振器51では約55kHzの交番電圧もしくは正弦波が形成される。その信号は増幅器(Amp)53を介してA相に印加される。また、発振器51の信号は、一方では、移相器52により±90°の位相差を付けられ、増幅器(Amp)54を介してB相に印加される。本増幅器53,54は外部信号により電圧の大きさが可変できるようになっている。
【0026】
図4には電気端子AおよびBから見たときの超音波振動子の等価回路を示す。これからわかるように、図の左側は電気腕であり制動容量Cdであり、図の右側はインピーダンスZで表される機械腕である。電気腕に流れる電流をIdとし、機械腕に流れる電流をImとする。機械腕に流れる電流Imの大きさは機械的な振動速度に比例する。
【0027】
図3において、Lは超音波振動子10の積層型圧電素子12と並列に挿入されたインダクタンスであり、図4に示した超音波振動子の制動容量Cdを打ち消すためのものである。ホール素子とアンプから構成される電流検出器55が図3に示すように、増幅器53,54の直後に挿入されており、電流検出器により検出される電流はそれぞれA相、B相に流れる機械腕の電流Imである。以上から、電流検出器55から得られる信号は、それぞれ機械的な振動(縦振動と屈曲振動が合成された振動)に比例したものとなっている。検出されたA相およびB相の電流Imは和演算回路56に入力され、その和がとられる。
【0028】
次に、和演算回路56により各電流の和をとる意味について説明する。縦振動はA相とB相で同位相で振動している振動成分であるから、A相とB相に流れる機械腕電流Imの和をとってやれば、それは縦振動のみに比例した値となる(電流検出器55と和演算回路56の役目は振動検出手段であるといえる)。和演算回路56を経由した電流値は電圧制御回路57に入力され、電圧制御回路57は和演算回路56を経由した電流値、つまり縦振動に比例した電流値の値が一定になるように、増幅器(Amp)53,54の電圧を制御する。これはつまり、超音波振動子の縦振動の大きさが常に一定になるように制御しているのである。一方、第1の圧電素子もしくは第2の圧電素子に印加されている印加電圧は周波数制御回路58に入力させられる。
【0029】
上記構成の駆動回路で超音波振動子10を駆動したときのこの印加電圧の共振周波数近傍での大きさの周波数特性を図5に示す。印加電圧は共振周波数を中心としてほぼ対称な下に凸の曲線となり、機械的共振周波数(fr)で極小値をとることが明らかになった。また、ヒステリシスも存在しないことが明らかになった。これにより、図3に示す周波数制御回路58は印加電圧の値が常に極小値を示すように、発振器51の周波数を制御する。
【0030】
本発明の実施の形態1に係る超音波モータ駆動装置の特性は、摺動板34に対する摩擦子15の押圧力を3kgfにして、駆動周波数55kHzでA相とB相に印加する交番電圧の大きさを10Vp−p、位相差を±90°にすることで、被駆動体は左右に移動した。この時の無負荷速度として、150mm/s,起動推力500gfが得られた。これらの値は、超音波振動子10の温度が上昇し、共振周波数が変化した場合でも周波数追尾が確実に行われ、初期の特性を維持した。
【0031】
以上のように、本発明の実施の形態1によれば、超音波振動子の温度が変化して共振周波数が変化した場合でも、周波数追尾が容易にでき、安定したモータ特性が得られた。また、振動検出用の圧電素子を超音波振動子に設ける必要がなく、構成が簡単になる。
【0032】
なお、上記実施の形態1では、駆動素子として積層型圧電素子12を用いた場合について述べたが、駆動素子として、板状の圧電素子を基本弾性体11に接着した振動子についても同様に実施できる。さらに、本実施の形態では電流検出器として、ホール素子を用いた場合について記したが、抵抗体を直列に接続してその間の電圧を読み取り、電流とする方法でも良い。
【0033】
本発明の実施の形態1の変形例を図6に示す。図6は超音波モータ駆動装置の駆動回路である。
本変形例の駆動回路が実施の形態1と異なる点は、周波数制御回路58の役目のみである。すなわち、本変形例の周波数制御回路58の役目は、印加電圧と和演算回路56から出力される信号の位相差を常にほぼ0になるように発振器51の周波数を制御してやることである。図7に本変形例の駆動回路を用いた場合の、圧電素子に印加される電圧と和演算回路56から出力される信号の位相差の共振周波数近傍での周波数特性を示す。これから、共振周波数では、該位相差はほぼ0になることが明らかになった。
【0034】
本発明の実施の形態1では、振動検出手段により縦共振モードの振動を検出する場合について説明したが、屈曲共振モードの振動を検出し、その共振周波数で追尾をかける場合には、駆動回路中の和演算回路56を差演算回路とすれば良い。
【0035】
[発明の実施の形態2]
本発明の実施の形態2の超音波振動子の構成について図8を用いて説明する。図8は超音波振動子を示す斜視図である。本実施の形態2の超音波振動子が上記実施の形態1の超音波振動子と異なる点は、基本弾性体11の側面には、その下方中央部に歪検出素子として圧電素子17が接着されている点である。この圧電素子17の厚みは0.3mmであり、圧電素子17から引き出された電気端子をF端子とする。この圧電素子17はその接着位置、分極形成状態(均一1方向分極)から超音波振動子に励起される縦振動のみを検出するものであり、圧電素子17は振動検出手段と言えるため、以下、この圧電素子17を振動検出用圧電素子17と呼ぶ。
【0036】
本発明の実施の形態2の超音波振動子の動作および超音波駆動装置の構成は上記本発明の実施の形態1と同様なので、その説明を省略する。
【0037】
次に、本発明の実施の形態2の超音波モータ駆動装置を駆動する駆動回路を図9に基づいて説明する。上記本発明に係る実施の形態1の駆動回路(図3参照)と異なる点は、縦振動の振動検出を超音波振動子10に設けた振動検出用圧電素子17からの信号を増幅して電圧制御回路57に入力する増幅器(Amp)60を設けている点である。すなわち、振動検出用圧電素子17からの信号はF端子から増幅器(Amp)60に入力され、その出力が電圧制御回路57に入力される。この増幅器60の役目は、信号の出力インピーダンスについて、ハイインピーダンスからローインピーダンスへのインピーダンス変換である。
【0038】
以上のように、本発明の実施の形態2によれば、振動検出手段として、超音波振動子に設けた振動検出用圧電素子からの信号を用いたので、上記実施の形態1に設けた電流検出手段や和演算回路を不要にすることができ、構成の簡略化を図ることができる。
【0039】
本発明の実施の形態2の変形例を図10に示す。図10は超音波モータ駆動装置の駆動回路である。
本変形例の駆動回路が実施の形態2と異なる点は、周波数制御回路の役目のみである。本変形例の周波数制御回路の役目は、印加電圧の位相と振動検出用圧電素子17から出力される信号の位相間の位相差を常にほぼ0になるように発振器51の周波数を制御してやることである。
【0040】
本発明の実施の形態2では歪検出素子として、圧電素子の場合を述べたが、これは歪みゲージでも良い。
【0041】
なお、本発明の実施の形態1,2にあっては、縦振動と屈曲振動を利用した超音波モータ駆動装置の例について述べたが、その他の構成例として例えば、ねじり振動、すべり振動、呼吸振動、拡がり振動などを組み合わせた振動子を用いる超音波モータ駆動装置に適用することができる。さらに、リニア型の超音波モータ駆動装置についてのみ応用する場合を述べたが、回転型の超音波モータ駆動装置についても適用可能である。
【0042】
【発明の効果】
請求項1,2,3,4の共通した効果は、振動の大きさもしくは振動と印加電圧の位相差は共振周波数の近傍で連続的に変化するようになり、共振周波数追尾が容易になり、安定したモータ特性が得られる。この効果は、ねじり振動、すべり振動、呼吸振動、拡がり振動などを組み合わせた振動子を用いる超音波モータ駆動装置の場合も同様である。
さらに、本発明においては、超音波振動子として、積層型圧電素子と弾性体を接合したものを用いたものについて述べたが、圧電板と弾性体を接合させた振動子、もしくは圧電素子だけからなる振動子を用いた超音波モータ駆動装置についても同様なことが言えるのは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の超音波振動子を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1の超音波モータ駆動装置を示す正面図である。
【図3】本発明の実施の形態1の超音波モータ駆動装置の駆動回路を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1の超音波振動子の等価回路を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1の超音波振動子の周波数特性を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1の変形例における超音波モータ駆動装置の駆動回路を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1の変形例における超音波振動子の周波数特性を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2の超音波振動子を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態2の超音波モータ駆動装置の駆動回路を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態2の変形例における超音波モータ駆動装置の駆動回路を示す図である。
【図11】従来の超音波振動子を示す斜視図である。
【図12】超音波振動子の振動モードを示し、図12(a)は共振縦振動、図12(b)は共振屈曲振動である。
【図13】従来の超音波リニアモータを示す正面図である。
【図14】従来の超音波振動子を示す正面図である。
【図15】従来の超音波振動子におけるモニター信号の周波数特性を示す図である。
【図16】従来の超音波振動子の駆動回路を示す図である。
【図17】従来の超音波振動子にハード系の圧電素子を用いた際におけるモニター信号の周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
10 超音波振動子
11 基本弾性体
12 積層型圧電素子
13 保持用弾性体
15 摩擦子
17 振動検出用圧電素子
30 クロスローラーガイドの固定部
32 クロスローラーガイドの移動部
33 摺動板保持部材
34 摺動板
51 発振器
52 移相器
53、54、60 増幅器
55 電流検出器
56 和演算回路
57 電圧制御回路
58 周波数制御回路

Claims (4)

  1. 共振縦振動モード共振屈曲振動モードを励起する超音波振動子と、
    該超音波振動子に対し相対的に駆動される被駆動体と、
    上記超音波振動子を上記被駆動体に対し押圧する押圧部材と、
    発振器と、
    該発振器から出される交番信号を増幅し上記超音波振動子に含まれる第1の圧電素子に交番電圧を印加する第1の増幅器と、
    上記発振器から出される交番信号の位相を+90°もしくは−90°移相する移相器と、該移相器から出される交番電圧を増幅し上記超音波振動子に含まれる第2の圧電素子に交番電圧を印加する第2の増幅器と、
    共振縦振動モードもしくは共振屈曲振動モードを検出する振動検出手段とを有する超音波モータ駆動装置において、
    上記振動検出手段は、上記第1の圧電素子に流れる第1の機械腕電流を検出する第1の電流検出手段と、上記第2の圧電素子に流れる第2の機械腕電流を検出する第2の電流検出手段と、該第1の電流検出手段からの信号と該第2の電流検出手段からの信号の和をとる和演算回路と、からなることを特徴とする超音波モータ駆動装置。
  2. 共振縦振動モードと共振屈曲振動モードを励起する超音波振動子と、
    該超音波振動子に対し相対的に駆動される被駆動体と、
    上記超音波振動子を上記被駆動体に対し押圧する押圧部材と、
    発振器と、
    該発振器から出される交番信号を増幅し上記超音波振動子に含まれる第1の圧電素子に交番電圧を印加する第1の増幅器と、
    上記発振器から出される交番信号の位相を+90°もしくは−90°移相する移相器と、該移相器から出される交番電圧を増幅し上記超音波振動子に含まれる第2の圧電素子に交番電圧を印加する第2の増幅器と、
    共振縦振動モードもしくは共振屈曲振動モードを検出する振動検出手段とを有する超音波モータ駆動装置において、
    上記振動検出手段は、上記第1の圧電素子に流れる第1の機械腕電流を検出する第1の電流検出手段と、上記第2の圧電素子に流れる第2の機械腕電流を検出する第2の電流検出手段と、該第1の電流検出手段からの信号と該第2の電流検出手段からの信号の差をとる差演算回路と、からなることを特徴とする超音波モータ駆動装置。
  3. 上記振動検出手段からの信号の大きさが一定になるように上記第1の圧電素子および上記第2の圧電素子の印加電圧の大きさを変化させる電圧制御回路を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の超音波モータ駆動装置。
  4. 上記振動検出手段からの信号の位相と印加電圧の位相との位相差がほぼ0となるように上記発振器の周波数を制御する周波数制御回路を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の超音波モータ駆動装置。
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