JP3228607B2 - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JP3228607B2
JP3228607B2 JP20890093A JP20890093A JP3228607B2 JP 3228607 B2 JP3228607 B2 JP 3228607B2 JP 20890093 A JP20890093 A JP 20890093A JP 20890093 A JP20890093 A JP 20890093A JP 3228607 B2 JP3228607 B2 JP 3228607B2
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朋樹 舟窪
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波モータに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電磁型モータに代わる新しいモー
タとして超音波モータが注目されている。この超音波モ
ータは、従来の電磁型モータに比べ以下のような利点を
有している。 ギヤなしで低速高推力が得られる。 保持力が大きい。 ストロークが長く、高分解能である。 静粛性にとんでいる。 磁気的ノイズを発生せず、また、ノイズの影響もう
けない。
【0003】従来、上記超音波モータとしては、特願平
4−321096号において本出願人が提案している。
まず、図7を用いて上記超音波モータの超音波振動子5
0の構成について説明する。基本弾性体51の上部に
は、2次の共振屈曲振動のほぼ腹に対応する部分に積層
型圧電素子52が配置され、3個の保持用弾性体53に
より基本弾性体51上に固定されている。
【0004】保持用弾性体53は、基本弾性体51上に
設けた3ヶ所のネジタップ(図示省略)にビス54を螺
合して基本弾性体51に固定され、この時積層型圧電素
子52は保持用弾性体53により突き当て保持される。
また、積層型圧電素子52の保持用弾性体53と接触す
る部分はエポキシ系の接着剤で固定され、積層型圧電素
子52のその他の部分は樹脂により被覆されている。さ
らに、保持用弾性体53と基本弾性体51の接触する部
分もエポキシ系の接着剤により接合される。
【0005】基本弾性体51の側面略上半分の側面には
全面にわたり同じ向きに分極された0.2mm厚の振動
検出用圧電素子55がエポキシ系接着剤を用いて接着さ
れており、かつ、基本弾性体51の側面略下半分には中
央部を界に逆向きに分極された0.2mm厚の振動検出
用圧電素子56が同様に基本弾性体51の側面に接着さ
れている。振動検出用圧電素子55からはリード端子F
1が導出されており、振動検出用圧電素子56からはリ
ード端子F2が導出されている。なお、図示はしない
が、基本弾性体51からは共通のグランド端子が導出さ
れている。
【0006】基本弾性体51の積層型圧電素子52が配
置されている面に対して反対側の面(被駆動体と接触す
る側の面)の両端部には、摺動部材57がエポキシ系の
接着剤を用いて接合されている。摺動部材57は、ポリ
イミドに充填材としてカーボンファィバーとマイカを充
填材として混入したもので、その混合重量比はカーボン
ファイバー20重量%、マイカ30重量%である。
【0007】次に超音波振動子50の動作について説明
する。超音波振動子50の寸法を適当にとることで1次
の共振縦振動及び2次の共振屈曲振動がほぼ同一周波数
で励起できる。図7に於いて、左側の積層型圧電素子5
2から取り出されている電気端子をA,G(A相と呼
ぶ)とし、右側の積層型圧電素子52から取り出されて
いる電気端子B,G(B相と呼ぶ)とする。
【0008】まず、A相及びB相に30Vの直流電圧を
印加する。こうすることで、積層型圧電素子52にほぼ
70Nの圧縮力(与圧)をかけることができる。そこ
で、A相に周波数Frで振幅10Vp−pの交番電圧を
印加し、B相に同一周波数、同振幅で同位相の交番電圧
を印加すると一次の共振縦振動が励起できる。この時、
F1端子からは振動振幅に比例する正弦波状の信号が得
られたが、F2端子からは信号が得られなかった。
【0009】次に、A相に周波数Frで振幅10Vp−
pの交番電圧を印加し、B相に同一周波数、同振幅で逆
位相の交番電圧を印加すると二次の共振縦振動が励起で
きる。この時、F1端子からは信号が得られなかった
が、F2端子からは振動振幅に比例する正弦波状の信号
が得られた。A相及びB相に同一周波数、同一振幅で位
相が90度異なる交番電圧を印加して、一次の縦振動と
二次の屈曲振動を同時に励起し、超音波楕円振動を励起
する。この時、F1端子及びF2端子から正弦波状の信
号が得られた。この場合のF1端子からの信号は一次の
縦振動に比例し、F2端子の信号は二次の屈曲運動に比
例している。
【0010】さて、A相及びB相に周波数Frで振幅1
0Vp−pの交番電圧を印加し、その位相差を90度又
は−90度にすると摺動部57の位置に於いて、時計廻
り又は反時計廻りの超音波楕円振動が励起できる。この
時、摺動部57の位置に対してステンレス材からなる被
駆動体を圧接すると被駆動体は右方向又は左方向に駆動
される。超音波振動子50を長時間駆動していると、振
動子50の温度が上昇する。すると共振周波数が変化す
るので、振動子の振動状態を一定に保つためには周波数
追尾の必要がある。
【0011】図8にその追尾回路の一例を示す。発振器
から出された周波数Fr近傍の交番電圧は増幅されてA
相に印加される。同時に移相器を介した後増幅されてB
相に印加される。そして例えばF1端子(またはF2端
子)の信号を増幅しモニター電圧として発振器の信号と
比較され、両者の位相差が一定になるように発振周波数
を調整するかまたはモニター電圧を常に最大となるよう
に発振周波数を調整する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の超
音波モータでは、振動検出用圧電素子55,56が基本
弾性体51の側面に接着されているため、以下の問題点
があった。 (1)振動検出用圧電素子55,56が引張力を受けて
割れてしまう場合があった。 (2)基本弾性体51の側面の広い面積にわたって接着
されるため、縦共振周波数及び屈曲共振周波数が影響を
受けて変化してしまうことがあった。 (3)側面から端子F1、F2のリード線が導出される
ため実装の際じゃまになっていた。
【0013】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、振動検出用圧電素子が破損せず、振動検出用圧電
素子による縦共振周波数及び屈曲共振周波数への影響が
小さく、かつ導出用リード線が実装の際にじゃまになら
ない超音波モータを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために、本発明は、略直方体形状の弾性体と、該
弾性体の一部に設けられた2つの積層型圧電素子を少な
くとも具備し、前記弾性体に共振縦振動と共振屈曲振動
とを同時に励起することにより前記弾性体の一部に超音
波楕円振動を励起する超音波振動子と、この超音波振動
子の一部に押圧され、超音波振動子に対して相対的に移
動する被騒動部材とを具備する超音波モータにおいて、
前記弾性体と前記2つの積層型圧電素子の端部との間に
振動検出用の電気機械変換素子をそれぞれ設け、該2つ
の電気機械変換素子の出力信号から前記弾性体の共振縦
振動及び共振屈曲振動を検出するように構成した。
【0015】また、本発明は、略直方体形状の弾性体
と、該弾性体の一部に設けられた2つの積層型圧電素子
を少なくとも具備し、前記弾性体に共振縦振動と共振屈
曲振動とを同時に励起することにより前記弾性体の一部
に超音波楕円振動を励起する超音波振動子と、この超音
波振動子の一部に押圧され、超音波振動子に対して相対
的に移動する被駆動部材とを具備する超音波モータにお
いて、前記積層型圧電素子の一部に振動検出用の電気機
械変換素子をそれぞれ設け、該2つの電気機械変換素子
の出力信号から前記弾性体の共振縦振動及び共振屈曲振
動を検出するように構成した。
【0016】上記構成によれば、振動検出用の電気機械
変換素子を、略直方体形状の弾性体と2つの積層型電圧
素子の端部との間にそれぞれ設けることにより、振動検
出用の電気機械変換素子が破損せず、振動検出用の電気
機械変換素子により前記弾性体の共振縦振動及び共振屈
曲振動が影響をうけることがなく、かつ、振動検出用の
リード線が実装の際に邪魔にならないという作用効果を
奏する。さらに2つの前記弾性体の共振縦振動及び共振
屈曲振動をそれぞれ独立して検出することができる。
【0017】上記超音波モータは従来の駆動方法と同様
駆動方法により駆動できる。超音波モータは弾性体の共
振現象を利用するので、温度上昇等によって共振周波数
が変化した場合には、その共振周波数を追尾する必要が
ある。本超音波振動子においては、2つの積層型圧電素
子の一部にそれぞれ設けた振動検出用の電気機械変換素
子により前記弾性体の振動をそれぞれ検出する。これら
の振動検出用の電気機械変換素子は弾性体の縦振動、又
は屈曲振動またはそれらの合成された振動を検出する。
この検出信号はその振動の大きさ、位相に相関している
から、この信号をフィードバック信号として超音波振動
子の振動を制御することができる。本超音波振動子で
は、縦振動と屈曲振動を独立に検出できるようにしたた
め、どちらの振動の共振周波数にも追尾が可能である。
【0018】
【実施例1】図1は本発明の実施例1における超音波振
動子を示す正面図である。超音波振動子1の基本弾性体
2は黄銅材からなり、直方体形状の上面中央に凸部分3
を一体に設けた凸の字型に形成されている。基本弾性2
の寸法は凸部分3を除き、幅30mm、奥行き4mm、
高さ7.25mmで、凸部分3は、幅4mm、奥行4m
m、高さ2.5mmである。また、基本弾性体2の幅方
向の中心部でかつ底面から6mmの位置には、圧入によ
ってφ2のステンレス材からなるピン4が打ち込まれて
いる。
【0019】基本弾性体2の上面には、凸部分3の側面
に、その端部を突き当てた状態で左右一対の積層型圧電
素子5が2個配置されている。積層型圧電素子5は電極
処理された圧電素子を数十枚から数百枚積層したもので
あって、本実施例においてはトーキン(株)の積層型圧
電素子NLA−2×3×9を用いた。その寸法は、2m
m×3.1mm×9mmである。積層型圧電素子5の両
端部以外の部分は図1には示さないがエポキシ系樹脂に
より約0.5mmの被覆厚で被覆されている。左側の積
層型圧電素子5から取り出されている電気端子をA,G
(A相と呼ぶ)とし、右側の積層型圧電素子3から取り
出されている電気端子B,G(B相と呼ぶ)とする。
【0020】積層型圧電素子5の他端面の方向には、基
本弾性体2の上面にビス6で固定した保持用弾性体7が
設けられ、上記他端面と保持用弾性体7の間には振動検
出用の圧電素子8が配置されている。振動検出用の圧電
素子8は、厚さ0.2mm、高さ3.5mm、奥行き4
mmに形成され、図中に示す矢印の方向に分極されてい
る。ここで、左側の振動検出用の圧電素子8から取り出
されている電気端子をS1,Gとし、右側の振動検出用
の圧電素子8から取り出されている電気端子S2,Gと
する。
【0021】また、積層型圧電素子5を配置した基本弾
性体2の上面に対して反対側の底面(被駆動体と接触す
る側の面)には、その両端部から9mmの位置(共振屈
曲振動の振動振幅が極大値を示す位置)に矩形状の摺動
部材9がエポキシ系の接着剤を用いて接合されている。
摺動部材9は、寸法が幅3mm、奥行き4mm、厚さ1
mmで、ステンレス材SUS440Cをビッカーズ硬度
800程度に焼入れ処理して形成されている。
【0022】次に超音波振動子1の組立方法について説
明する。図1に示すように基本弾性体2の凸部分3の両
側に積層型圧電素子5を配置する。そして、振動検出用
の圧電素子8をはさんで保持用弾性体7(幅4mm、奥
行き4mm、高さ2.5mm)を基本弾性体2上に固定
する。図示しないが基本弾性体11には2ヶ所にネジの
タップがきってあって、図1に示すように保持用弾性体
7は、それぞれビス6により基本弾性体2に固定され
る。この時、積層型圧電素子5と振動検出用の圧電素子
8は、基本弾性体2の凸部分3と保持用弾性体7間で突
き当てて、または圧縮力をかけた状態で保持固定され
る。そして、積層型圧電素子5と振動検出用の圧電素子
8とは、各々基本弾性体2の凸部分3と保持用弾性体7
とエポキシ系の接着材により固定する。さらに、基本弾
性体2と接する積層型圧電素子5の側面部分と基本弾性
体2とをエポキシ系樹脂を用いて接着し、保持用弾性体
7と基本弾性体2の接触する部分もエポキシ系の接着剤
により接合する。
【0023】次に、超音波振動子1の動作について説明
する。上記に示した寸法形状によれば、一次の共振縦振
動及び二次の共振屈曲振動がほぼ同一周波数Fr(53
kHz〜56kHz)で励起できる。これらの振動を有
限要素法を用いてコンピュータ解析した結果、図2
(a)に示すような共振縦振動姿態及び図2(b)に示
すような共振屈曲振動姿態が予想され、かつ振動測定の
結果それが実証された。すなわち、まず、A相に周波数
Frで振幅10Vp−pの交番電圧を印加し、B相に同
一周波数、同振幅で同位相の交番電圧を印加すると図2
(a)に示すような一次の共振縦振動が励起できた。つ
ぎに、A相に周波数Frで振幅10Vp−pの交番電圧
を印加し、B相に同一周波数、同振幅で逆位相の交番電
圧を印加すると図2(b)に示すような二次の共振縦振
動が励起できた。
【0024】次に、図3に基づいて、上記超音波振動子
1を用いた超音波リニアモータ10について説明する。
図3に示すように、超音波振動子1はそのピン4の部分
で2枚の保持板により両面から保持されている。保持板
11の端部近傍にはピン4の直径と同径の穴12があけ
られており、その穴12と超音波振動子1のピン4が係
合するようになっている。このように保持することで、
超音波振動子1はピン4まわりの回転に対してのみ自由
度をもつ。
【0025】保持板11の他端部にはビス13により保
持板固定部材14が固定され、この保持板固定部材14
は積層型圧電素子5の上方においてリニアブッシュ15
により保持されている。このリニアブッシュ15は軸1
6に沿ってリニアに移動する。軸16には軸固定部材1
7が固定され、この軸固定部材17はベース18上にビ
ス19により固定されている。軸固定部材17のほぼ中
央部には超音波振動子1の方向にタップが貫設されてお
り、このタップに押圧ビス20がねじ込まれている。押
圧ビス20と保持板固定部材14の間にはバネ21が挿
入されている。
【0026】超音波振動子1の摺動部材9側のベース1
8上にはクロスローラーガイドの固定部22が基台にビ
ス23により固定されている。クロスローラーガイドの
移動部24には摺動部材保持部25が図示しないビスに
より固定され、この摺動部材保持部25には超音波振動
子1の摺動部材9と当接する摺動部材26が接着されて
いる。この摺動部材26にはHIP処理したジルコニア
セラミックスが用いられ、移動方向に対して直交する方
向にピッチ0.4mm、溝幅0.15mm、深さ0.1
mmの溝が等間隔に設けられている。このような構成に
して、押圧ビス20を調整することで摺動部材26(被
駆動部材)に対する超音波振動子1の押圧力を調整する
ことができるようになっている。
【0027】次に、本実施例の超音波リニアモータ10
の動作について図1,3,4を用いて説明する。先に示
したように図1の超音波振動子1のA相とB相に周波数
Fr(53kHz〜56kHzの間の周波数)、振幅1
0Vp−p、位相差+90度又は−90度の交番電圧を
印加する。すると図3の被駆動部26は右方向又は左方
向に駆動する。
【0028】さて、図1の積層型圧電素子5に交番電圧
を印加して一次の縦振動を励起させると、S1端子から
は振動振幅に比例する正弦波状の信号が得られた。同様
に、S2端子からも振動振幅に比例する正弦波状の信号
が得られた。S1端子及びS2端子からの信号はほぼ同
位相であった。つぎに、積層型圧電素子5に交番電圧を
印加して、二次の屈曲信号を励起させると、S1端子か
らは振動振幅に比例する正弦波状の信号が得られた。同
様にS2端子からも振動振幅に比例する正弦波状の信号
が得られた。S1端子およびS2端子からの信号は位相
がほぼ180度ずれていた。すなわち、S1端子からの
信号とS2端子からの信号をそのまま並列に接続すれば
縦振動に比例した信号を検出することができる。また、
S1端子からの信号とS2端子からの信号を反転させた
信号を並列に接続すれば屈曲振動に比例した信号を検出
することができる。
【0029】超音波振動子1をさまざまな温度環境で動
作させる場合、超音波振動子1の温度により共振周波数
が変化する。そのため超音波振動子1の振動状態を一定
に保つためには周波数追尾の必要がある。図4にその追
尾回路を示す。発振器から出された縦振動周波数Fr近
傍の交番電圧は増幅されてA相に印加される。同時に発
振器から出された縦振動周波数Fr近傍の交番電圧は移
相器(±90度)を介した後増幅されてB相に印加され
る。S1端子からの信号とS2端子からの信号をそのま
ま並列に接続し縦振動に比例したモニター信号を比較器
に入れる。比較器においてこの振動検出信号は発振器の
信号を比較され、両者の位相差が90度または−90度
の一定値になるように発振周波数を調整するか、または
モニター信号が常に極大となるように発振周波数を調整
する。このような周波数追尾の機構を設けた超音波振動
子1を用いて図3に示すような超音波リニア10を動作
させたところ、広い温度範囲にわたって速度や推力が低
下することのない超音波リニアモータ10が得られた。
【0030】本実施例によれば、振動検出用の圧電素子
8を積層型圧電素子5と保持用弾性体7の間に配置した
ので、簡単な構成で超音波振動子1の振動検出用圧電素
子7の破損を防ぐことができる。
【0031】
【実施例2】図5に本発明の実施例2に用いた超音波振
動子30の正面図を示す。実施例1と異なる点は振動検
出用の圧電素子を独立に設けるのではなく、積層型圧電
素子31として振動検出部をもった積層型圧電素子31
を用いた点である。本例に用いた積層型圧電素子31を
図6に基づいて説明する。積層型圧電素子31は電極処
理された変位用圧電素子32を数十枚から数百枚積層し
たものであり、その一端部に振動検出用の圧電素子33
が直立に積層されている。図の矢印は圧電素子の分極方
向である。変位用圧電素子32と振動検出用の圧電素子
33は絶縁板34(本例の場合は電極処理のされていな
い圧電素子)介して積層されている。積層型圧電素子3
1の両端部にも絶縁板34(本例の場合は電極処理のさ
れていない圧電素子)が積層されている。そして、これ
らを一体焼成することで積層型圧電素子31を作成し
た。なお、図示しないがリード線は通常の方法で変位用
圧電素子32と振動検出用圧電素子33とから取り出さ
れ、このリード線により図5に示すようにそれぞれA
(またはB)、S1(またはS2)として電気端子が設
けられている。
【0032】次に超音波振動子30の組立方法について
説明する。図5に示すように基本弾性体2の凸部分3の
両側に積層型圧電素子31を配置する。そして保持用弾
性体7を基本弾性体2上にビス6を用いて固定する。こ
の時、積層型圧電素子31は基本弾性体2の凸部分3と
保持用弾性体7間で突き当てて、または圧縮力をかけた
状態で保持固定する。また、積層型圧電素子31は、各
々基本弾性体2の凸部分3および保持用弾性体7とエポ
キシ系の接着剤で固定する。基本弾性体2と接する積層
型圧電素子31の側面部分と基本弾性体2とは、やはり
エポキシ系樹脂を用いて接着する。さらに、保持用弾性
体7と基本弾性体2の接触する部分もエポキシ系の接着
剤により接合する。なお、超音波振動子の動作、超音波
リニアモータ及びその動作、周波数追尾方法は、上記実
施例1と同様であるので説明を省略する。
【0033】本実施例によれば、積層型圧電素子31に
振動検出用の圧電素子33を組み込んだので、超音波振
動子30の部品点数を少なくすることができる。
【0034】なお、以上本発明の各実施例においてはリ
ニア型の超音波モータについてのみ述べたが、本発明の
超音波振動子をもちいて移動体を回転体とすれば回転型
の超音波モータに応用も可能である。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、振動検
出用の電気機械変換素子(振動検出用圧電素子)を弾性
体と積層型圧電素子または積層型圧電素子の一部にそれ
ぞれ設けたので、以下のような効果が得られる。すなわ
ち、振動検出用の電気機械変換素子が破損せず、振動検
出用の2つの電気機械変換素子により縦共振周波数及び
屈曲共振周波数が影響をほとんど受けることがない。さ
らに超音波振動子の上面から振動検出用のリード線が導
出されるため実装の際じゃまにならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における超音波振動子を示す
正面図である。
【図2】実施例1の超音波振動子の作用を説明する図で
ある。
【図3】本発明の実施例1の超音波モータを示す正面図
である。
【図4】実施例1の超音波振動子の周波数の追尾回路図
である。
【図5】本発明の実施例2における超音波振動子を示す
斜視図である。
【図6】実施例2の積層型圧電素子を示す分解斜視図で
ある。
【図7】従来の超音波振動子を示す正面図。
【図8】従来の超音波振動子の周波数追尾回路図であ
る。
【符号の説明】
1,30 超音波振動子 2 基本弾性体 5,31 積層型圧電素子 7 保持用弾性体 8,33 振動検出用の圧電素子 10 超音波リニアモータ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/00 H01L 41/083

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略直方体形状の弾性体と、該弾性体の一
    部に設けられた2つの積層型圧電素子を少なくとも具備
    し、前記弾性体に共振縦振動と共振屈曲振動とを同時に
    励起することにより前記弾性体の一部に超音波楕円振動
    を励起する超音波振動子と、 この超音波振動子の一部に押圧され、超音波振動子に対
    して相対的に移動する被騒動部材とを具備する超音波モ
    ータにおいて、 前記弾性体と前記2つの積層型圧電素子の端部との間に
    振動検出用の電気機械変換素子をそれぞれ設け、該2つ
    の電気機械変換素子の出力信号から前記弾性体の共振縦
    振動及び共振屈曲振動を検出するように構成したことを
    特徴とする超音波モータ。
  2. 【請求項2】 略直方体形状の弾性体と、該弾性体の一
    部に設けられた2つの積層型圧電素子を少なくとも具備
    し、前記弾性体に共振縦振動と共振屈曲振動とを同時に
    励起することにより前記弾性体の一部に超音波楕円振動
    を励起する超音波振動子と、 この超音波振動子の一部に押圧され、超音波振動子に対
    して相対的に移動する被駆動部材とを具備する超音波モ
    ータにおいて、 前記積層型圧電素子の一部に振動検出用の電気機械変換
    素子をそれぞれ設け、該2つの電気機械変換素子の出力
    信号から前記弾性体の共振縦振動及び共振屈曲振動を検
    出するようにしたことを特徴とする超音波モータ。
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