JP3801914B2 - 測定チップの再使用方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面プラズモンの発生を利用して試料中の物質を定量分析する表面プラズモン共鳴測定装置等の、全反射減衰を利用した測定装置に用いられる測定チップの再使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属中においては、自由電子が集団的に振動して、プラズマ波と呼ばれる粗密波が生じる。そして、金属表面に生じるこの粗密波を量子化したものは、表面プラズモンと呼ばれている。
【0003】
従来より、この表面プラズモンが光波によって励起される現象を利用して、試料中の物質を定量分析する表面プラズモン共鳴測定装置が種々提案されている。そして、それらの中で特に良く知られているものとして、 Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙げられる(例えば特開平6−167443号参照)。
【0004】
上記の系を用いる表面プラズモン共鳴測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射条件となり、かつ、表面プラズモン共鳴条件を含む種々の入射角が得られるように入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して表面プラズモン共鳴の状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
【0005】
なお上述のように種々の入射角を得るためには、比較的細い光ビームを偏向させて上記界面に入射させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で入射する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを上記界面に収束光あるいは発散光の状態で入射させてもよい。前者の場合は、光ビームの偏向にともなって反射角が変化する光ビームを、光ビームの偏向に同期移動する小さな光検出器によって検出したり、反射角の変化方向に沿って延びるエリアセンサによって検出することができる。一方後者の場合は、種々の反射角で反射した各光ビームを全て受光できる方向に延びるエリアセンサによって検出することができる。
【0006】
上記構成の表面プラズモン共鳴測定装置において、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定入射角θSPで入射させると、該金属膜に接している試料中に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネッセント波によって金属膜と試料との界面に表面プラズモンが励起される。エバネッセント光の波数ベクトルが表面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立しているとき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面プラズモンに移行するので、誘電体ブロックと金属膜との界面で全反射した光の強度が鋭く低下する。この光強度の低下は、一般に上記光検出手段により暗線として検出される。
【0007】
なお上記の共鳴は、入射ビームがp偏光のときにだけ生じる。したがって、光ビームがp偏光で入射するように予め設定しておく必要がある。
【0008】
この全反射減衰(ATR)が生じる入射角θSPより表面プラズモンの波数が分かると、試料の誘電率が求められる。すなわち表面プラズモンの波数をKSP、表面プラズモンの角周波数をω、cを真空中の光速、εm とεs をそれぞれ金属、試料の誘電率とすると、以下の関係がある。
【0009】
【数1】
試料の誘電率εs が分かれば、所定の較正曲線等に基づいて試料中の特定物質の濃度が分かるので、結局、上記反射光強度が低下する入射角θSP(全反射減衰角)を知ることにより、試料中の特定物質を定量分析することができる。
【0010】
上記の系を用いる従来の表面プラズモン共鳴測定装置において、実用上は、試料に接触させる金属膜を測定毎に交換する必要がある。そこで従来は、この金属膜を平坦な板状の誘電体ブロックに固定し、それとは別に前記全反射を生じさせるための光カップラーとしてのプリズム状誘電体ブロックを設け、この後者の誘電体ブロックの一面に前者の誘電体ブロックを一体化するという手法が採用されていた。そのようにすれば、後者の誘電体ブロックは光学系に対して固定としておき、前者の誘電体ブロックと金属膜とを測定チップとして、この測定チップのみを試料毎に交換することが可能となる。
【0011】
また、全反射減衰(ATR)を利用する類似の測定装置として、例えば「分光研究」第47巻 第1号(1998)の第21〜23頁および第26〜27頁に記載がある漏洩モード測定装置も知られている。この漏洩モード測定装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形成されて、試料に接触させられる光導波層と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定して導波モードの励起状態、つまり全反射減衰状態を検出する光検出手段とを備えてなるものである。
【0012】
上記構成の漏洩モード測定装置において、光ビームを誘電体ブロックを通してクラッド層に対して全反射角以上の入射角で入射させると、このクラッド層を透過した後に光導波層においては、ある特定の波数を有する特定入射角の光のみが導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層に取り込まれるので、上記界面で全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。そして導波光の波数は光導波層の上の試料の屈折率に依存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角(全反射減衰角)を知ることによって、試料の屈折率や、それに関連する試料の特性を分析することができる。
【0013】
なおこの漏洩モード測定装置を用いる場合も、前述の表面プラズモン共鳴測定装置を用いる場合と同様に、装置の光学系に対して1つの誘電体ブロックを固定する一方、別の誘電体ブロックにクラッド層および光導波層を形成して測定チップとし、この測定チップのみを試料毎に交換することが可能である。
【0014】
ところで、この交換可能とされた従来の測定チップを用いる場合は、その誘電体ブロックとプリズム状誘電体ブロックとの間に空隙が生じて屈折率が不連続となることを防止するため、それら両誘電体ブロックを屈折率マッチング液を介して一体化する必要が生じる。そのようにして両誘電体ブロックを一体化する作業は非常に煩雑であり、そのため、この従来の測定チップは、測定に際しての取扱い性が良くないものとなっている。特に、測定チップをターレット等の上に自動装填し、このターレットを回転させることにより、測定チップを光ビームを受ける測定位置に自動供給して測定を自動化するような場合は、測定チップの装填、取外しに手間取り、それが自動測定の能率向上を妨げる原因となりやすい。
【0015】
またこの従来の測定チップは、屈折率マッチング液を使用することから、環境に与える悪影響も懸念されている。
【0016】
本出願人は上記の事情に鑑みて、屈折率マッチング液を使用する必要がなく、そして測定用光学系に対して簡単に交換することができる測定チップを先に提案した(特願2001−92666号)。
【0017】
この測定チップは、
誘電体ブロックと、
この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に接触させられる薄膜層と、
光ビームを発生させる光源と、
前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件となり、かつ、種々の入射角成分を含むようにして入射させる光学系と、
前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなる、全反射減衰を利用した測定装置に用いられる測定チップにおいて、
前記誘電体ブロックが、前記光ビームの入射面、出射面および前記薄膜層が形成される一面の全てを含む1つのブロックとして形成され、この誘電体ブロックに前記薄膜層が一体化されてなることを特徴とするものである。
【0018】
なお、この測定チップが前記表面プラズモン共鳴測定用のものである場合、上記薄膜層は金属膜から構成され、漏洩モード測定用のものである場合、上記薄膜層はクラッド層および光導波層から構成される。
【0019】
また、上記測定チップを構成する誘電体ブロックにおいて、好ましくは、薄膜層が形成される一面の上方の空間を側方から囲んで、この一面の上に試料を保持する液溜めを画成する部分が形成される。
【0020】
なお上述のような測定チップを搬送、管理する上では、それを縦、横方向にそれぞれ所定数ずつ並べて、取出し可能にパッケージに収容して測定チップ集合体を構成し、この集合体単位で取り扱うと実用上極めて便利である。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような測定チップは従来、一度測定に使用するとそのまま廃棄されていた。そのため、この種の測定チップを用いる試料分析のコストは、かなり高いものとなっていた。そこで本発明は、このような測定チップを経済的に使用することができる、測定チップの再使用方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明による測定チップの再使用方法は、
前述した特願2001−92666号に示される測定チップつまり、誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に接触させられる薄膜層と、光ビームを発生させる光源と、前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件となり、かつ、種々の入射角成分を含むようにして入射させる光学系と、前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなる、全反射減衰を利用した測定装置に用いられる測定チップであって、前記誘電体ブロックが、前記光ビームの入射面、この入射面と向かい合う出射面および前記薄膜層が形成される一面の全てを含む1つのブロックとして形成され、前記一面に特にAu(金)からなる薄膜層が形成されてなる測定チップを一度測定に使用してから再使用する方法において、前記薄膜層をI 2 (ヨウ素)とIK(ヨウ化カリウム)との混合溶液、または王水つまりHNO 3 (硝酸)とHCl(塩酸)との混合液によって除去し、新たな薄膜層を形成してから再使用することを特徴とするものである。
【0023】
なお、この測定チップの再使用方法においては、測定チップを滅菌および/または洗浄してから再使用することが望ましい。
【0030】
また、薄膜層を除去するようにしたこの測定チップの再使用方法では、薄膜層が再使用可能であるか否かを検査し、この検査に合格しなかった測定チップのみを再使用することが好ましい。さらにこの方法においては、誘電体ブロックが再使用可能であるか否かを検査し、この検査に合格した測定チップのみを再使用することが望ましい。
【0031】
以上説明した本発明による測定チップの再使用方法は、より具体的には、前記薄膜層として、前記誘電体ブロックの一面に形成されて試料に接触させられる金属膜を備えた表面プラズモン共鳴測定装置用の測定チップや、あるいは前記薄膜層として、前記誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層、およびその上に形成されて試料に接触させられる光導波層を備えた導波モード測定装置用の測定チップを再使用対象とするのが望ましい。
【0039】
なお本明細書において誘電体ブロックあるいは測定チップの「再使用」とは、誘電体ブロックをそのままの形で再び使用することを意味し、誘電体ブロックあるいは測定チップの「再生」とは、誘電体ブロックを溶融して該誘電体ブロックあるいはその他の部材の材料として用いることを意味する。また、上記「再使用」とは、実使用のための準備行為、例えば工場からの出荷や輸送等も含むものとする。
【0042】
【発明の効果】
本発明による測定チップの再使用方法においては、測定チップを一度測定に使用した後に薄膜層を除去し、新たな薄膜層を形成してから再使用するようにしたので、1つの測定チップを薄膜層形成の工程を加えるだけで複数回使用可能となり、測定チップを使い捨てしていた従来と比べて、試料分析のコストを大幅に低減することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0046】
まず、本発明による再使用方法を実施する対象となる測定チップや、それを用いる測定装置について、図1〜4を参照して説明する。ここで例示する測定チップは表面プラズモン共鳴測定用のものであり、図1はこの測定チップを用いる表面プラズモン共鳴測定装置の全体形状を示し、図2はこの装置の要部の側面形状を示している。
【0047】
図1に示す通りこの表面プラズモン共鳴測定装置は、複数の測定チップ10を支持するターンテーブル20と、測定用の光ビーム(レーザビーム)30を発生させる半導体レーザ等のレーザ光源31と、入射光学系を構成する集光レンズ32と、光検出器40と、上記ターンテーブル20を間欠的に回動させる支持体駆動手段50と、この支持体駆動手段50の駆動を制御するとともに、上記光検出器40の出力信号Sを受けて後述の処理を行なうコントローラ60と、チップ自動供給機構70とを有している。
【0048】
上記測定チップ10は図2および図3に示す通り、例えば四角錐の一部を切り取った形状の透明誘電体ブロック11と、この誘電体ブロック11の上面に形成された例えば金、銀、銅、アルミニウム等からなる金属膜12と、この金属膜12の上に側方が閉じられた空間を画成する筒状の試料保持枠13とから構成されている。誘電体ブロック11は、上記金属膜12が形成される一面11a(後述の界面を構成する面)と、光ビーム30が入射する面11bと、光ビーム30が出射する面11cとを全て含む1つのブロックとして形成されている。試料保持枠13の中には、後述のようにして例えば液体の試料15が貯えられる。
【0049】
測定チップ10を構成する誘電体ブロック11および試料保持枠13は透明樹脂を用いて一体成形されており、ターンテーブル20に対して交換可能とされている。交換可能とするためには、例えばターンテーブル20に形成された貫通孔20H(図2参照)に、測定チップ10を嵌合保持させる等すればよい。
【0050】
上記透明樹脂の好ましいものとしては、シクロオレフィンポリマー、PMMA、ポリカーボネート、非晶性ポリオレフィン等を挙げることができる。また、日本ゼオン株式会社が製造するシクロオレフィンポリマーの一つである「ZEONEX 330R」(商品名)も極めて好ましいものとして挙げることができる。また誘電体ブロック11は樹脂に限らず、その他の材料、例えば光学ガラス等から形成されてもよい。
【0051】
なお本例では、金属膜12の上に保護膜14aが形成され、さらにその上にセンシング媒体14が固定されているが、この保護膜14aおよびセンシング媒体14については後に詳述する。また誘電体ブロック11を形成する材料として一般には、屈折率が1.45〜2.5程度の範囲内にあるものを用いるのが望ましい。その理由は、この屈折率範囲で実用的なSPR共鳴角が得られるからである。
【0052】
ターンテーブル20は複数(本例では11個)の上記測定チップ10を、その回動軸20aを中心とする円周上に等角度間隔で支持するように構成されている。支持体駆動手段50はステッピングモータ等から構成され、ターンテーブル20を測定チップ10の配置角度と等しい角度ずつ間欠的に回動させる。
【0053】
集光レンズ32は図2に示す通り、光ビーム30を集光して収束光状態で誘電体ブロック11に通し、誘電体ブロック11と金属膜12との界面(なお以下ではこの界面を便宜的に、誘電体ブロック11の一面11aと同じ番号「11a」を付して示す)に対して種々の入射角が得られるように入射させる。この入射角の範囲は、上記界面11aにおいて光ビーム30の全反射条件が得られ、かつ、表面プラズモン共鳴が生じ得る角度範囲を含む範囲とされる。
【0054】
なお光ビーム30は、界面11aに対してp偏光状態で入射させる。そのようにするためには、予めレーザ光源31をその偏光方向が所定方向となるように配設すればよい。その他、波長板や偏光板で光ビーム30の偏光の向きを制御してもよい。
【0055】
光検出器40は、多数の受光素子が1列に配されてなるラインセンサーから構成されており、受光素子の並び方向が図2中の矢印X方向となるように配されている。
【0056】
一方コントローラ60は、支持体駆動手段50からその回動停止位置を示すアドレス信号Aを受けるとともに、所定のシーケンスに基づいてこの支持体駆動手段50を作動させる駆動信号Dを出力する。またこのコントローラ60は、上記光検出器40の出力信号Sを受ける信号処理部61と、この信号処理部61からの出力を受ける表示部62とを備えている。
【0057】
チップ自動供給機構70は、例えば一方向に延びる横ガイドレール71と、この横ガイドレール71に沿って矢印X方向に移動する横移動部72と、この横移動部72に固定された縦ガイドレール73と、この縦ガイドレール73に沿って矢印Y方向に移動する縦移動部74と、例えば開閉する1対の把持アームからなり上記縦移動部74に固定されたチップ把持部75とを有している。そしてチップ把持部75の下方位置には、該チップ把持部75と矢印X、Y方向に連動するチップ押上げ部材76が配設されている。これらのチップ把持部75およびチップ押上げ部材76は、測定チップ取出し装置を構成するものであり、それぞれ図示しない駆動手段によって上下方向に移動自在とされている。
【0058】
以下、上記構成の表面プラズモン共鳴測定装置による試料分析について説明する。試料分析に際してターンテーブル20は、前述のように支持体駆動手段50によって間欠的に回動される。そして、ターンテーブル20が停止したとき所定位置に来た貫通孔20Hに、前記チップ自動供給機構70によって測定チップ集合体1から1個の測定チップ10が供給される。この測定チップ集合体1を構成している各測定チップ10の試料保持枠13には、予め液体試料15が供給されている。
【0059】
なお、測定チップ集合体1および、チップ自動供給機構70による測定チップ10の供給については、後に詳しく説明する。
【0060】
その後ターンテーブル20が何回か回動されてから停止すると、試料保持枠13に試料15を保持している測定チップ10が、その誘電体ブロック11に前記光ビーム30が入射する測定位置(図2中の右側の測定チップ10の位置)に静止する状態となる。この状態のとき、コントローラ60からの指令でレーザ光源31が駆動され、そこから発せられた光ビーム30が前述のように収束する状態で、誘電体ブロック11と金属膜12との界面11aに入射する。この界面11aで全反射した光ビーム30は、光検出器40によって検出される。
【0061】
光ビーム30は、上述の通り収束光状態で誘電体ブロック11に入射するので、上記界面11aに対して種々の入射角θで入射する成分を含むことになる。なおこの入射角θは、全反射角以上の角度とされる。そこで、光ビーム30は界面11aで全反射し、この反射した光ビーム30には、種々の反射角で反射する成分が含まれることになる。ここで、上記集光レンズ32等の光学系は、光ビーム30を界面11aにデフォーカス状態で入射させるように構成されてもよい。そのようにすれば、表面プラズモン共鳴の状態検出(例えば前記暗線の位置測定)の誤差が平均化されて、測定精度が高められる。
【0062】
上述のように光ビーム30が全反射するとき、界面11aから金属膜12側にエバネッセント波がしみ出す。そして、光ビーム30が界面11aに対してある特定の入射角θSPで入射した場合は、このエバネッセント波が金属膜12の表面に励起する表面プラズモンと共鳴するので、この光については反射光強度Iが鋭く低下する。なお図4には、この全反射減衰現象が生じた際の入射角θと反射光強度Iとの関係を概略的に示してある。
【0063】
そこで、光検出器40が出力する光量検出信号Sから各受光素子毎の検出光量を調べ、暗線を検出した受光素子の位置に基づいて上記入射角(全反射減衰角)θSPを求め、予め求めておいた反射光強度Iと入射角θとの関係曲線に基づけば、試料15中の特定物質を定量分析することができる。コントローラ60の信号処理部61は、以上の原理に基づいて試料15中の特定物質を定量分析し、その分析結果が表示部62に表示される。
【0064】
測定を1つの試料15に対して1回だけ行なう場合は、以上の操作で測定が完了するので、測定を終えた測定チップ10をターンテーブル20から手操作により、あるいは自動排出手段を用いて排出すればよい。一方、1つの試料15に対して測定を複数回行なう場合は、測定終了後も測定チップ10をそのままターンテーブル20に支持させておけば、ターンテーブル20の1回転後に、その測定チップ10に保持されている試料15を再度測定にかけることができる。
【0065】
以上説明した通り、この表面プラズモン共鳴測定装置は、複数の測定チップ10をターンテーブル20に支持させ、このターンテーブル20を移動させて各測定チップ10を順次測定位置に配置するように構成されているから、複数の測定チップ10の各試料保持枠13に保持させた試料15を、ターンテーブル20の移動にともなって次々と測定に供することができる。それにより、この表面プラズモン共鳴測定装置によれば、多数の試料15についての測定を短時間で行なうことが可能になる。
【0066】
この測定チップ10は、従来なされていたように誘電体ブロック11を屈折率マッチング液を介して他の誘電体ブロックと光学的に結合させるような必要はないものである。したがって、この測定チップ10は取扱い性が良く、また屈折率マッチング液が環境に及ぼす悪影響から無縁のものとなり得る。
【0067】
なお金属膜12の表面に固定されているセンシング媒体14は、試料15中の特定物質と結合するものである。このような特定物質とセンシング媒体14との組合せとしては、例えば抗原と抗体とが挙げられる。その場合は、全反射減衰角θSPに基づいて抗原抗体反応を検出することができる。
【0068】
次に、上述した測定チップ集合体1について、図5および図6を参照して説明する。図5と図6はそれぞれ、この測定チップ集合体1の平面形状、側断面形状を示している。図示の通りこの測定チップ集合体1は、測定チップ10が複数、縦、横方向にそれぞれ所定数ずつ並べて、取出し可能にパッケージ5に収容されてなる。ここでは一例として、パッケージ5が8×12=96個(図5では16個だけ図示)の測定チップ10を収容するように形成されている。
【0069】
すなわちパッケージ5は、底板5cから上方に突出して該底板5cの上に96箇所の収容領域を画成するリブ5aを有し、これらの領域の各々に測定チップ10が収容されるようになっている。ここで、本例の測定チップ10を構成する誘電体ブロック11は、前述した通り四角錐の一部を切り取った形状とされているので、上記各領域に測定チップ10が収められると、リブ5aが誘電体ブロック11の側面に当接して該誘電体ブロック11の上下方向および左右方向の位置が規定されるようになる。そこで、パッケージ5内で測定チップ10のいくつかが不揃いになって試料供給が不正になされてしまう、といった不具合の発生を防止できる。
【0070】
またパッケージ5の底板5cには、上記リブ5aで画成されたチップ収容領域毎に、その上に収容された測定チップ10の底面を覗かせる貫通孔5bが形成されている。
【0071】
次に、この測定チップ集合体1のパッケージ5から測定チップ10を1個ずつ取り出して、ターンテーブル20に供給する操作について、図1を参照して説明する。測定チップ10の供給に際して、測定チップ集合体1を構成するパッケージ5は、ターンテーブル20に対して所定の位置に載置される。そしてチップ自動供給機構70の横移動部72および縦移動部74が所定のシーケンスで駆動されることにより、チップ把持部75が矢印XおよびY方向に移動され、上記パッケージ5内の所定の測定チップ10の上方位置に配される。
【0072】
このときチップ押上げ部材76はチップ把持部75と連動して、常に該チップ把持部75と向き合う状態を維持する。次にチップ把持部75が下降動し、それとともにチップ押上げ部材76が上昇動する。そこでチップ押上げ部材76は、パッケージ5の底板5cの貫通孔5b内に進入して、収容されている1つの測定チップ10の底面を押し上げる。押し上げられた測定チップ10は他の収容されている測定チップ10よりも高い位置に突出し、この突出した測定チップ10をチップ把持部75が把持する。
【0073】
次いで横移動部72および縦移動部74が駆動されることにより、測定チップ10を把持したチップ把持部75が、所定位置に有るターンテーブル20の貫通孔20H(図2参照)の上方位置に配される。次にチップ把持部75が下降動し、把持している測定チップ10を上記ターンテーブル20の貫通孔20Hに嵌合保持させる。ターンテーブル20はこうして測定チップ10を保持すると、貫通孔20Hの配置角度ピッチだけ間欠的に回動し、新たな貫通孔20Hが上記所定位置に有る状態となる。
【0074】
次いでチップ把持部75が上昇動した後、以上説明した操作が繰り返されることにより、パッケージ5に収容されている測定チップ10が所定の順序で1個ずつ取り出され、ターンテーブル20に供給される。
【0075】
以上説明したように、チップ押上げ部材76により測定チップ10を押し上げ、その押し上げられた測定チップ10をチップ把持部75が把持するようにしておけば、パッケージ5内で測定チップ10が互いにほとんど隙間無く収容されていても、それらの測定チップ10を簡単かつ確実に取り出すことが可能になる。
【0076】
また、特にパッケージ5における測定チップ10の縦、横の配置ピッチを、前述したようなウェルプレートにおけるウェルの配置ピッチと合わせておけば、この種のウェルプレートを対象としている既存の試料供給手段をそのまま、測定チップ10への試料供給のために用いることも可能になる。そのような試料供給手段としては例えば、先端を下向きにして一体的に連結された複数本のピペットが、その先端がパッケージ5内の測定チップ10に近接するようになる分注位置と、そこから上方に離れた待機位置との間で移動して、上記分注位置において1列の複数の測定チップ10に同時に液体試料を分注するように構成されたものを好適に用いることができる。
【0077】
次に、測定チップ集合体の別の例について説明する。図7は、この別の例である測定チップ集合体101の平面形状を示すものであり、図8はその測定チップ集合体101を構成する測定チップ列110の斜視形状を示すものである。図8に示すように測定チップ列110は、先に説明した測定チップ10と同様の測定チップ10が、一例として8個連結されてなるものである。そして図7に示す測定チップ集合体101は、上述の測定チップ列110が一例として12個(図7では2個だけ図示)並べて、取出し可能にパッケージ105に収容されてなる。
【0078】
すなわちパッケージ105は、底板105cから上方に突出して該底板105cの上に12箇所の収容領域を画成するリブ105aを有し、これらの領域の各々に測定チップ列110が収容されるようになっている。したがって本例でも、パッケージ105は8×12=96個の測定チップ10を収容する。またリブ105aは、測定チップ列110の、つまりは各測定チップ10の上下方向および左右方向の位置を規定する作用を果たす。
【0079】
そしてパッケージ105の底板105cには、上記リブ105aで画成されたチップ列収容領域毎に、その上に収容された測定チップ列110の底面を覗かせる細長い貫通孔105bが形成されている。それにより本例においても、該貫通孔105bに下方から進入させたチップ押上げ部材により測定チップ列110を押し上げて、測定チップ列110を簡単かつ確実に取り出すことが可能になる。
【0080】
以上のように複数の測定チップ10が連結されてなる測定チップ列110は、例えば本出願人による特願2000−81967号明細書に示されるように、複数の測定チップに並列的に複数の測定用光ビームを照射する光学系と、それらの光ビームに各々対応させて設けられた複数の光検出手段とを備えた表面プラズモン共鳴測定装置を用いて測定に供されるのが望ましい。またそれに限らず、1本の測定用光ビームを照射する光学系と、それに対応させて1つだけ設けられた光検出手段とを備えた表面プラズモン共鳴測定装置を用い、測定チップ列110を測定チップ10の並び方向に順次送ることにより、各測定チップ10を用いた測定を逐次行なうようにしてもよい。
【0081】
以上述べた測定チップ集合体101は、測定チップ10が複数、縦、横方向にそれぞれ所定数ずつ並べて、取出し可能にパッケージ105に収容されてなるものであるので、この測定チップ集合体101によれば、複数の測定チップ10をまとめて搬送したり、それらに対して同時に試料供給することが容易に可能となる。これは、先に説明した測定チップ集合体1においても同様である。
【0082】
次に、本発明の一実施の形態による測定チップの再使用方法について、その処理の流れを示す図9を参照して説明する。図1に示した装置において表面プラズモン共鳴測定に使用され、ターンテーブル20から排出された測定チップ10は、例えば専門の業者によって回収され、工場等の再生産施設に送られる。この施設において測定チップ10は、まず滅菌および洗浄の処理を受ける(ステップP1)。この滅菌処理は、例えばジョンソン・エンド・ジョンソン社製の滅菌装置STERRAD 50等を用いて行なうことができ、また洗浄は、測定チップ10を酸あるいはアルカリ性の液に浸漬して超音波洗浄する等の手法を採用することができる。
【0083】
次に測定チップ10は、その誘電体ブロック11が再使用可能であるか否か調べる検査にかけられる(ステップP2)。この検査は、例えば誘電体ブロック11を顕微鏡あるいは目視で観察して傷の有無を調べたり、あるいは所定の光学特性が満足されているか否かを評価装置で調べることによってなされる。
【0084】
上記検査によって誘電体ブロック11が再使用可能であると判定された場合、その測定チップ10は次にステップP3において、薄膜層としての金属膜12が再使用可能であるか否か調べる検査がなされる。この検査も、金属膜12を顕微鏡あるいは目視で観察して傷の有無を調べる等によってなされる。
【0085】
上記ステップP3の検査によって金属膜12が再使用可能であると判定された場合、その測定チップ10はステップP4において、金属膜12を除去することなく再使用するための処理を受ける。すなわち本実施の形態では、特に金属膜12の上に保護膜14aおよびセンシング媒体14が形成されていることから、ステップP4において、測定チップ10に対して下記の処理がなされる。
【0086】
以下、この処理の流れを示す図10を参照して説明する。まずステップP41において、センシング媒体14が保護膜14aから切り離されて、除去される。この処理は、例えば保護膜14aがSAM(Self-assembled Monolayer:自己組織化膜)からなり、センシング媒体14がある種の蛋白質からなる場合は、それら両者間の-CONH-結合を酵素を用いて、あるいは化学的加水分解反応を利用して切断することによってなされる。そして好ましくは、その後に測定チップ10が酸性バッファー中で洗浄される。
【0087】
次にステップP42において、露出した保護膜14aがそのまま再使用可能であるか否かが検査され、不可能と判定された場合にはその保護膜14aが除去され(ステップP43)、代わりに新しい保護膜14aが形成される(ステップP44)。なおSAMからなる保護膜14aの除去は、例えば金属膜12がAu(金)からなる場合は、強アルカリ性溶液中でAu-Sの結合を破壊し、その後表面に残存する有機物を酸化法で除去する、あるいは表面有機層を酸化法で一気に除去する、さらには高電圧によって除去する、等の方法によって行なうことができる。
【0088】
次にステップP45において、保護膜14aの上にセンシング媒体14が固定されて、新しい測定チップ10が完成する。この測定チップ10は、所定の包装、梱包等の処理を受けて、再使用のために出荷される(ステップP46)。なお前述した通り本発明においては、このような出荷等の行為も「再使用」の範疇に含まれるものとする。
【0089】
上記のステップP42において、露出した保護膜14aがそのまま再使用可能であると判定された場合、処理の流れはステップP45に移り、再使用される保護膜14aの上にセンシング媒体14が固定されて、新しい測定チップ10が完成する。
【0090】
次に、図9に戻ってその他の処理について説明する。前記ステップP3の検査によって金属膜12が再使用不可能であると判定された場合、その測定チップ10はステップP5において金属膜12を除去し、代わりに新しい金属膜12を形成する処理にかけられる。金属膜12を除去するには、例えばそれがAu膜である場合には、I2(ヨウ素)とIK(ヨウ化カリウム)との混合溶液や、HNO3(硝酸)とHCl(塩酸)との混合液(王水)によるエッチングを適用することができる。また、このようなエッチングを行なった後、誘電体ブロック11は水洗処理およびエタノール液による洗浄処理を受ける。
【0091】
なお、金属膜12を除去する際には、前記保護膜14aおよびセンシング媒体14も当然除去される。そこで、それらの代わりに新しい保護膜14aおよびセンシング媒体14が新しい金属膜12の上に形成され、新しい測定チップ10が完成する。この測定チップ10は、所定の包装、梱包等の処理を受けて、再使用のために出荷される。
【0092】
なお、上記のように新しい保護膜14aおよびセンシング媒体14は形成しないで、あるいは新しい保護膜14aだけ形成してセンシング媒体14は形成しないで、元の測定チップ10とは異なるタイプの測定チップ10を作製するようにしてもよい。
【0093】
さらに図9のステップP2に戻って、そこで測定チップ10の誘電体ブロック11が再使用不可能であると判定された場合は、次にステップP6において、その誘電体ブロック11が溶融すれば誘電体ブロック材料として再生できるか否か検査される。この検査は、誘電体ブロック11を顕微鏡あるいは目視で観察して傷や異物付着の有無を調べる等によってなされる。
【0094】
上記検査により、誘電体ブロック11が誘電体ブロック材料として再生可能であると判定された場合は、次にステップP7において、その誘電体ブロック11が溶融され、その溶融材料から新しい誘電体ブロック11が成形される。こうして得られた新しい誘電体ブロック11には、金属膜12、保護膜14aおよびセンシング媒体14が形成され、また場合によっては金属膜12だけ、あるいは金属膜12と保護膜14aだけが形成されて、新しい測定チップ10が完成する。この測定チップ10も、所定の包装、梱包等の処理を受けて、再使用のために出荷される。
【0095】
上記ステップP6の検査において、その誘電体ブロック11が誘電体ブロック材料として再生不可能であると判定された場合は、次にステップP8において、その誘電体ブロック11が溶融すれば前述のパッケージ5あるいは105(図5並びに図7参照)の材料として再生できるか否か検査される。この検査も、誘電体ブロック11を顕微鏡あるいは目視で観察して傷や異物付着の有無を調べる等によってなされる。
【0096】
なお、誘電体ブロック11と異なってパッケージ5あるいは105には特に光学特性が求められることはないから、ステップP8における検査の合否基準は、ステップP6における検査のそれよりも当然緩やかなものとなる。
【0097】
上記検査により、誘電体ブロック11がパッケージ材料として再生可能であると判定された場合は、次にステップP9において、その誘電体ブロック11が溶融され、その溶融材料から新しいパッケージ5あるいは105が成形される。こうして得られた新しいパッケージは、前記ステップP4、P5で得られた新しい測定チップ10、あるいはステップP7で得られた誘電体ブロック11を用いて形成された新しい測定チップ10、さらには、最初から全く新規に作製された測定チップ10を収容するために利用される。
【0098】
上記ステップP8の検査により、誘電体ブロック11が溶融してもパッケージ材料として再生不可能であると判定された場合、その誘電体ブロック11は廃棄される(ステップP10)。
【0099】
以上説明した通り、本実施の形態においては、測定チップ10を一度測定に使用してから、金属膜12を除去せずに、あるいは使用された金属膜12を除去して新しい金属膜12を形成してから該測定チップ10を再使用するようにしているので、1つの測定チップ10あるいは誘電体ブロック11を複数回使用可能となり、測定チップを使い捨てしていた従来と比べて、試料分析のコストを大幅に低減することができる。
【0100】
また、測定チップ10あるいは誘電体ブロック11を再使用できない場合でも、誘電体ブロック11を溶融して、それを誘電体ブロック材料として、あるいはパッケージ材料として再生利用しているので、これらの場合も測定チップを使い捨てしていた従来と比べて、試料分析のコストを大幅に低減することができる。
【0101】
また本実施の形態では、測定チップを10を滅菌および洗浄してから再使用するようにしているので、試料分析の際に測定チップ10に付着した有害な菌類から保健衛生上の問題が生じたり、付着したゴミ等の影響で再使用の際に測定精度が損なわれることを防止できる。また本実施の形態では、上記滅菌および洗浄が再生利用される測定チップ10に対してもなされるようになっているので、試料分析の際に測定チップ10に付着した有害な菌類から保健衛生上の問題が生じたり、再生された測定チップ10による測定の精度が誘電体ブロック材料に溶け込んだゴミ等の影響で損なわれたり、再生されたパッケージ5あるいは105にゴミ等が溶け込んでその外観や強度が損なわれることを防止できる。
【0102】
また本実施の形態では、金属膜12を代えずに測定チップ10を再使用する場合、センシング媒体14を除去し保護膜14aは残した上で測定チップ10を再使用するようにしているので、使用済みのセンシング媒体14が汚染していることによって測定精度が損なわれることを防止できる。また本実施の形態では、残された保護膜14aの上に新たなセンシング媒体14を固定しているので、その測定チップ10を該センシング媒体14を必要とする分析に再使用できることになる。
【0103】
また本実施の形態では、使用された保護膜14aがそのまま再使用することは不可能である場合、センシング媒体14および保護膜14aを除去した上で測定チップ10を再使用するようにしているので、使用済みのセンシング媒体14および保護膜14aが汚染していることによって測定精度が損なわれることを防止できる。そして本実施の形態では、センシング媒体14および保護膜14aを除去した後、金属膜12の上に新たな保護膜14aを形成するようにしているので、該保護膜14aによって金属膜12を保護することができる。また、その保護膜14aに新たなセンシング媒体14を固定しているので、その測定チップ10を該センシング媒体14を必要とする分析に再使用できることになる。
【0104】
そして本実施の形態では、誘電体ブロック11および金属膜12が再使用可能であるか否かをステップP2、P3で検査し、この検査に合格した測定チップ10のみを金属膜12を代えずに再使用するようにしているので、不良な測定チップ10が再使用されて分析精度が損なわれることを防止できる。
【0105】
また本実施の形態では、誘電体ブロック11が再使用可能であるか否かをステップP2で検査し、この検査に合格した測定チップ10のみを金属膜12を代えて再使用するようにしているので、不良な測定チップ10が再使用されて分析精度が損なわれることを防止できる。
【0106】
そして本実施の形態では、ステップP3において金属膜12が再使用可能であるか否かを検査し、この検査に合格しなかった測定チップ10のみを金属膜12を代えて再使用するようにしているので、まだ使用可能な金属膜12が除去されてしまうことを防止でき、高い経済的効果を得ることができる。
【0107】
さらに本実施の形態では、ステップP6において誘電体ブロック11が溶融して誘電体ブロック材料として再生利用可能であるか否かを検査し、この検査に合格した誘電体ブロック11のみを溶融して誘電体ブロック材料としているので、既に光学特性が劣化してしまった誘電体ブロック材料を用いて、使いものにならない新しい誘電体ブロック11を無駄に作製してしまうことを未然に防止できる。
【0108】
また本実施の形態では、上記ステップP6での検査に合格しなかった誘電体ブロック11のみを溶融してパッケージ5あるいは105を再生するようにしているので、光学特性がまだ良好で誘電体ブロック11として再生利用可能な材料をパッケージの作製に使ってしまうことがなくなり、より経済的となる。
【0109】
さらに本実施の形態では、ステップP8において誘電体ブロック11が溶融してパッケージ材料として再生利用可能であるか否かを検査し、この検査に合格した誘電体ブロック11のみを溶融するようにしているので、強度や外観等の点で好ましくないパッケージ5あるいは105が作製されてしまうことを防止できる。
【0110】
また本実施の形態では、ステップP2において誘電体ブロック11が再使用可能であるか否かを検査し、この検査に合格しなかった誘電体ブロック11のみから誘電体ブロック11やパッケージ5あるいは105を再生するようにしているので、そのまま再使用可能である誘電体ブロック11を溶融してしまうことがなくなり、特に経済的となる。
【0111】
なお、SAMからなる保護膜14aを残して誘電体ブロック11を再使用する場合には、下記のような処理でセンシング媒体14を除去し、誘電体ブロック11を洗浄することも可能である。まず、使用済みの測定チップ10を37℃の5M尿素液中に一晩放置し、誘電体ブロック11の表面に固定化された蛋白質を変性させる。次いでその測定チップ10を蒸留水で3回洗浄した後、濃度1g/l(リットル)の37℃のパパイン液に2時間反応させ、続いて濃度1g/l(リットル)の37℃の小麦カルボキシペプチターゼW液に2時間反応させ、蛋白質を加水分解する。次に蒸留水で洗浄後、濃度0.1%のポリオキシエチレン(10)オクチフェニルエーテル水溶液に室温で終夜反応させ、測定チップ10を洗浄する。最後に蒸留水で十分洗浄した後、乾燥させる。なお、上記の加水分解に代えて、1000U/l(リットル)の非特異的プロテアーゼであるプロナーゼ(和光純薬製)と反応させる処理を適用してもよい。
【0112】
さらには、下記のような処理も採用可能である。まず使用済みの測定チップ10を、6Nの塩酸中に95℃で一晩反応させる。次に蒸留水で洗浄後、濃度0.1%のポリオキシエチレン(10)オクチフェニルエーテル水溶液に室温で終夜反応させ、測定チップ10を洗浄する。最後に蒸留水で十分洗浄した後、乾燥させる。
【0113】
なお、図9および図10に示した各ステップの処理を全て行なうことは必ずしも必要ではなく、特許請求の範囲に記載された技術思想の下に、それらのステップの処理のうちのいくつかを部分的に抽出して行なうようにしてもよい。すなわち、例えば図9の例に沿って説明すれば、回収された測定チップ10の全てに対して、常にステップP4の処理のみ、ステップP5の処理のみ、ステップP7の処理のみ、あるいはステップP9の処理のみを行なったり、それらのうちの2つまたは3つの処理を行なうようにしてもよい。
【0114】
次に図11を参照して、本発明によって再使用される測定チップを用いる別の測定装置について説明する。この図11は、測定チップ700を用いる漏洩モード測定装置の側面形状を示すものである。この漏洩モード測定装置は基本的に、図2に示した表面プラズモン共鳴測定装置と同様の構成を有するものである。一方、ここで使用される測定チップ700は、誘電体ブロック11の一面(図中の上面)にクラッド層701が形成され、さらにその上に光導波層702が形成されてなるものである。
【0115】
誘電体ブロック11は、例えば前述したような透明樹脂を用いて概略四角柱状に形成されている。一方クラッド層701は、誘電体ブロック11よりも低屈折率の誘電体や、金等の金属を用いて薄膜状に形成されている。また光導波層702は、クラッド層701よりも高屈折率の誘電体、例えばPMMAを用いてこれも薄膜状に形成されている。クラッド層701の膜厚は、例えば金薄膜から形成する場合で36.5nm、光導波層702の膜厚は、例えばPMMAから形成する場合で700nm程度とされる。
【0116】
上記構成の漏洩モード測定装置において、レーザ光源31から出射した光ビーム30を誘電体ブロック11を通してクラッド層701に対して全反射角以上の入射角で入射させると、該光ビーム30が誘電体ブロック11とクラッド層701との界面11aで全反射するが、クラッド層701を透過して光導波層702に特定入射角で入射した特定波数の光は、該光導波層702を導波モードで伝搬するようになる。こうして導波モードが励起されると、入射光のほとんどが光導波層702に取り込まれるので、上記界面11aで全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。
【0117】
光導波層702における導波光の波数は、該光導波層702の上の試料15の屈折率に依存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、試料15の屈折率や、それに関連する試料15の特性を分析することができる。信号処理部61は、以上の原理に基づいて試料15中の特定物質を定量分析し、その分析結果が図示外の表示部に表示される。
【0118】
この漏洩モード測定装置に用いられる測定チップ700も、本発明の方法によって再使用に供することが可能であり、その場合にも前述した本発明による効果を奏することができる。
【0120】
また、薄膜層の上にそれを保護する保護膜および、試料中の特定物質と結合するセンシング媒体がこの順に固定されている場合に、該センシング媒体を除去し保護膜は残した上で測定チップを再使用すれば、使用済みのセンシング媒体が汚染していることによって測定精度が損なわれることを防止できる。そしてそのようにする場合、保護膜に新たなセンシング媒体を固定すれば、その測定チップを該センシング媒体を必要とする分析に再使用できることになる。なお、このセンシング媒体を除去したままの状態の測定チップを、センシング媒体を必要としない分析に再使用するようにしても構わない。
【0121】
また、上記のように薄膜層の上に該薄膜層を保護する保護膜および、試料中の特定物質と結合するセンシング媒体がこの順に固定されている場合、該センシング媒体および保護膜を除去した上で測定チップを再使用すれば、使用済みのセンシング媒体および保護膜が汚染していることによって測定精度が損なわれることを防止できる。そしてそのようにする場合、薄膜層の上に新たな保護膜を形成すれば、該保護膜によって薄膜層を保護することができる。また、その保護膜に新たなセンシング媒体を固定すれば、その測定チップを該センシング媒体を必要とする分析に再使用できることになる。なお、このセンシング媒体を除去したまま、あるいは該センシング媒体および保護膜を除去したままの状態の測定チップを、センシング媒体を必要としない分析に再使用するようにしても構わない。
【0122】
そしてこの測定チップの再使用方法において、誘電体ブロックおよび薄膜層が再使用可能であるか否かを検査し、この検査に合格した測定チップのみを再使用するようにすれば、不良な測定チップが再使用されて分析精度が損なわれることを防止できる。
【0123】
また本発明による測定チップの再使用方法において、使用された測定チップを滅菌および/または洗浄してから前記薄膜層の除去、および新たな薄膜層の形成を行なうようにすれば、前回の試料分析で測定チップに付着した有害な菌類から保健衛生上の問題が生じたり、付着したゴミ等の影響で再使用の際に測定精度が損なわれることを防止できる。
【0124】
また、薄膜層を除去するようにしたこの測定チップの再使用方法において、薄膜層が再使用可能であるか否かを検査し、この検査に合格しなかった測定チップのみを再使用するようにすれば、まだ使用可能な薄膜層が除去されてしまうことを防止できるから、経済的効果はより一層高いものとなる。
【0125】
そしてこの測定チップの再使用方法において、誘電体ブロックが再使用可能であるか否かを検査し、この検査に合格した測定チップのみを再使用するようにすれば、不良な誘電体ブロックが再使用されて分析精度が損なわれることを防止できる。
【0126】
また、測定に使用された測定チップの誘電体ブロックを滅菌および/または洗浄してから溶融するようにすれば、前回の試料分析で測定チップに付着した有害な菌類から保健衛生上の問題が生じたり、付着したゴミ等が新しい誘電体ブロックに溶け込んでその光学特性や強度が損なわれることを防止できる。
【0127】
さらに、誘電体ブロックが溶融して誘電体ブロック材料として再生利用可能であるか否かを検査し、この検査に合格した誘電体ブロックのみを溶融するようにすれば、既に光学特性が劣化してしまった誘電体ブロック材料を用いて、使いものにならない新しい誘電体ブロックを無駄に作製してしまうことを未然に防止できる。
【0128】
また、測定に使用された測定チップの誘電体ブロックを滅菌および/または洗浄してから溶融するようにすれば、前回の試料分析で測定チップに付着した有害な菌類から保健衛生上の問題が生じたり、付着したゴミ等がパッケージに溶け込んでその外観や強度が損なわれることを防止できる。
【0129】
また、誘電体ブロックが溶融して誘電体ブロック材料として再生利用可能であるか否かを検査し、この検査に合格しなかった誘電体ブロックのみを溶融するようにすれば、光学特性がまだ良好で誘電体ブロックとして再生利用可能な材料をパッケージの作製に使ってしまうことがなくなり、より経済的となる。
【0130】
さらに、誘電体ブロックが溶融してパッケージ材料として再生利用可能であるか否かを検査し、この検査に合格した誘電体ブロックのみを溶融するようにすれば、強度や外観等の点で好ましくないパッケージが作製されてしまうことを防止できる。
【0131】
また、誘電体ブロックが再使用可能であるか否かを検査し、この検査に合格しなかった測定チップのみを再生利用するようにすれば、そのまま再使用可能である誘電体ブロックを溶融してしまうことがなくなるので、特に経済的となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によって再使用可能な測定チップを用いる表面プラズモン共鳴測定装置の全体図
【図2】 図1の表面プラズモン共鳴測定装置の要部を示す一部破断側面図
【図3】 上記測定チップを示す斜視図
【図4】 表面プラズモン共鳴測定装置における光ビーム入射角と、光検出器による検出光強度との概略関係を示すグラフ
【図5】 再生されるパッケージを用いる測定チップ集合体の一例を示す平面図
【図6】 図5の測定チップ集合体の側断面図
【図7】 再生されるパッケージを用いる測定チップ集合体の別の例を示す平面図
【図8】 図7の測定チップ集合体を構成する測定チップ列を示す斜視図
【図9】 本発明の一実施の形態による測定チップの再使用方法の処理を示す流れ図
【図10】 図9の処理の中の一部を詳しく示す流れ図
【図11】 本発明によって再使用可能な測定チップを用いる漏洩モード測定装置の要部を示す一部破断側面図
Claims (1)
- 誘電体ブロックと、
この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に接触させられるAuからなる薄膜層と、
光ビームを発生させる光源と、
前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件となり、かつ、種々の入射角成分を含むようにして入射させる光学系と、
前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなる、全反射減衰を利用した測定装置に用いられる測定チップであって、
前記誘電体ブロックが、前記光ビームの入射面、この入射面と向かい合う出射面および前記薄膜層が形成される一面の全てを含む1つのブロックとして形成され、前記一面に薄膜層が形成されてなる測定チップを一度測定に使用してから再使用する方法において、
前記薄膜層をI 2 とIKとの混合溶液、または王水によって除去し、新たな薄膜層を形成してから再使用することを特徴とする測定チップの再使用方法。
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