JP3801847B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(以下、「エンジン」と言うものとする。)の吸気弁や排気弁の開閉タイミングを運転条件に応じて制御するためのバルブタイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンのクランクシャフトと同期回転するタイミングプーリやチェーンスプロケット等の駆動力伝達部材と、外周に駆動カムを有するカムシャフトとの組付角を回動操作することにより、吸気弁や排気弁の開閉タイミングを可変制御するバルブタイミング制御装置が従来より案出されており、この技術は、例えば、特開平9-60507号公報等に開示されている。
【0003】
この公報に記載のバルブタイミング制御装置は、径方向外側に突出する複数枚の羽根部を備えたベーン部材をカムシャフトの端部に一体に取付け、前記ベーン部材を駆動力伝達部材と一体のハウジング部材の内部に収容配置すると共に、このハウジング部材の内部に進角油圧室及び遅角油圧室を設け、この各油圧室に選択的に油圧を吸排することによってベーン部材をハウジング部材に対して相対的に回動させ、それにより駆動力伝達部材とカムシャフトとの回転位相を変化させて吸気弁や排気弁の開閉タイミングを変更するようになっている。
【0004】
このような所謂ベーン式のバルブタイミング制御装置においては、エンジンの回転速度が遅い場合等の供給油圧が低いときに油圧室内の圧力が吸気弁や排気弁から受ける反力に負け、ベーン部材がその反力によって押し動かされることが知られている。これに対処するため上記公報に記載のバルブタイミング制御装置にあっては、ベーン部材の一枚の羽根部にロックピンを進退自在に設け、ベーン部材とハウジング部材が設定相対回動位置にある状態において、ロックピンの先端をハウジング部材のロック穴に嵌合することにより、前記ベーン部材の押し戻しを防止するようにしている。
【0005】
このバルブタイミング制御装置の場合、ベーン部材とハウジング部材を相対回転させる際のトルクは、羽根部の受圧面積と油圧の積によって決まる。そして、このトルクに関係する受圧面積は各羽根部の受圧面のサイズが同じであれば羽根部の枚数に比例して増大するため、作動時に機関弁の反力に確実に打ち勝てるだけのトルクを得ようとする場合には、通常、羽根部の枚数を増加することによって対処している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ベーン部材の羽根部の枚数を単純に増やした場合、ベーン部材の重量が大幅に増加してしまううえ、羽根部の枚数増加と共にハウジング側にその枚数に応じた数の仕切壁を設けなければならないことから、その分ベーン部材とハウジング部材の回動角度が狭められてしまう。
【0007】
この対処策としては、各羽根部の周方向幅を狭めることによって重量増加の抑制や回動角度の拡大を図ることが考えられるが、少なくともロックピンを配置する羽根部はロックピンを確実に保持し得る幅を確保しなければならないため、その羽根部を残して他の羽根部の幅を狭くするとベーン部材全体の回転アンバランスが生じる。そして、バルブタイミング制御装置は、常時カムシャフトと共に高速で回転するものであるため、この回転アンバランスは振動の発生や軸受部の耐久性の低下等の種々の不具合を引き起こす。
【0008】
そこで本発明は、3枚以上の羽根部を備えたベーン部材を用いて充分な作動トルクを確保しつつも、ベーン部材の回転アンバランスを招くことなく、ベーン部材の重量を軽減し、しかも、ベーン部材とハウジングの間の充分な相対回動角度をも確保することのできる内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために請求項1に記載の発明は、内燃機関のクランクシャフトによって駆動される駆動力伝達部材と、外周に機関弁を作動させるための駆動カムを有する一方で前記駆動力伝達部材が必要に応じて相対回転できるように組み付けられ、前記駆動力伝達部材から動力を伝達されて従動回転するカムシャフトと、前記駆動力伝達部材と前記カムシャフトのいずれか一方と一体化されて回転するハウジング部材と、前記ハウジング部材内に収容され、前記駆動力伝達部材と前記カムシャフトの他方と一体化されて回転すると共に、径方向外側に突出する3枚以上の羽根部を有するベーン部材と、前記ハウジング部材内に設けられ、油圧によって前記ベーン部材を回動させる進角油圧室及び遅角油圧室と、前記進角油圧室及び遅角油圧室に連通し、これらの油圧室に選択的に油圧を吸排する油圧吸排手段と、前記ベーン部材の一つの羽根部に進退自在に取付けられ、内燃機関の運転状態に応じてハウジング部材のロック穴に嵌合されるロックピンと、を備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置において、ロックピンの設けられる羽根部の周方向幅と、この羽根部に対して回転軸を挟んで反対側に位置される1枚の羽根部の周方向幅を残余の羽根部の周方向幅よりも広く形成すると共に、この残余の羽根部を、前記ロックピンを設けない周方向幅の広い羽根部側に偏倚させて配置するようにした。
【0010】
この発明の場合、ロックピンを設ける羽根部の周方向幅は、ロックピンが挿通するための嵌合孔を設ける関係上、必然的に広く形成される必要があることから、この羽根部よりも周方向幅の狭い前記残余の各羽根部を、前記ロックピンを設けない周方向幅の広い羽根部側に偏倚させて配置したことにより、前記ベーン部材が、前記ロックピンを設ける羽根部の重量と、該ロックピンを設ける羽根部以外の各羽根部の総重量と、によって重量バランスされるようになる。これにより、前記残余の羽根部の各周方向幅をより狭めることができるため、ベーン部材全体の重量がより一層軽量化されると共に、ベーン部材とハウジング部材の相対回動角度が確保される。
【0011】
請求項2に記載の発明は、ロックピンの設けられる羽根部の周方向幅を、この羽根部に対して回転軸を挟んで反対側に位置される羽根部の周方向幅よりも広く形成するようにした。
【0012】
ロックピンを設ける羽根部には、ロックピンやそのロックピンを付勢するための機構を収容するための空間部を設けなければならならず、また、ハウジング部材のロックピンの嵌合される位置には嵌合穴を設けなければならないため、ロックピンの配置側される羽根部はこれらの分だけ軽量化される。しかし、この発明の場合、ロックピンの設けられる羽根部を、回転軸を挟んでそれと反対側に位置される羽根部の周方向幅よりも広く確保しているため、両羽根部がより正確に重量バランスされる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、ロックピンの設けられる羽根部と、この羽根部に対して回転軸を挟んで反対側に位置されるロックピンを設けない各羽根部と、の前記回転軸周りの慣性モーメントを略一致させるようにした。
【0014】
この発明の場合、前記ロックピンを設ける羽根部と該ロックピンを設けない各羽根部との重量バランスだけでなく、前記回転軸周りの慣性モーメントも略一致させたため、ベーン部材全体の重心が回転中心と一致する。
【0015】
請求項4に記載の発明は、ベーン部材に羽根部を4枚設け、ロックピンの設けられる羽根部と周方向幅の広い1枚の羽根部を回転軸対称に配置すると共に、周方向幅の狭い残余の2枚の羽根部を、前記ロックピンの設けられる羽根部とそれと対称位置に配置される羽根部を結ぶ軸線に対して対称に配置するようにした。
【0016】
この発明の場合、幅の広い2枚の羽根部を結ぶ軸線の左右での重量バランスが幅の狭い2枚の羽根部によって保たれる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図2において、1は、エンジンの吸気側のカムシャフトである。このカムシャフト1は、図外のシリンダヘッドに軸受を介して回転自在に支持されると共に、その基幹部外周に、機関弁としての吸気弁を開閉するための図外の駆動カムが設けられている。本発明にかかるバルブタイミング制御装置2はこのカムシャフト1の一端側に設けられている。
【0021】
バルブタイミング制御装置2は、タイミングチェーン(図示せず。)を介してクランクシャフトによって回転駆動される駆動力伝達部材としてのチェーンスプロケット4と、このチェーンスプロケット4がリヤ側外周に形成されたハウジング部材5と、一端部にこのハウジング部材5が必要に応じて回動できるように組み付けられた前記カムシャフト1と、このカムシャフト1の一端に一体に組み付けられ前記ハウジング部材5の内部に回動自在に収容されたベーン部材7と、このベーン部材7をエンジンの運転状態に応じて油圧によって正逆回転させる油圧吸排手段8と、前記カムシャフト1に作用する回転変動トルクに伴なうベーン部材7の戻りを運転状態に応じて規制する回動規制手段9とを備えている。
【0022】
前記ハウジング部材5は、略円筒状のハウジング本体10と、このハウジング本体10の前後の端面にボルト11によって結合されたフロントカバー12及びリヤカバー13を備えており、ハウジング本体10の内周面には、図1に示すように、ほぼ90°間隔で断面台形状の仕切壁14が4つ突設されている。
【0023】
一方、前記ベーン部材7は、略円柱状の胴部16と、この胴部16の外周面に放射状に突設された4つの羽根部17a,17b,17c,17dを備えており、胴部16はハウジング部材10の軸心位置に配置され、各羽根部17a〜17dはハウジング部材5の隣接する仕切壁14,14間に配置されている。そして、ベーン部材7の各羽根部17a〜17dの一方側の側面とそれに対峙する仕切壁14の間は進角油圧室18とされ、各羽根部17a〜17dの他方側の側面とそれに対峙する仕切壁14の間は遅角油圧室19とされている。したがって、この装置においては進角油圧室18と遅角油圧室19の対が計4組設けられている。
【0024】
また、ベーン部材7の胴部16の軸心部には前面側に開口する第1の凹部20と後面側に開口する第2の凹部21が夫々形成されている。第2の凹部21には前記カムシャフト1の端部が嵌合され、第1の凹部20と第2の凹部21を隔てる隔壁22にはカムシャフト1の端部がボルト23によって結合されている。ボルト23はその頭部が第1の凹部20内に配置されており、ボルト23の軸心部から頭部にかけて形成された第1吸排孔24の端部が第1の凹部20内に開口するようになっている。これに対し第2の凹部21に嵌合されるカムシャフト1の外周面には、同シャフト1に形成された第2吸排孔25の端部が開口している。そして、第1の凹部20には前記各進角油圧室18に連通する第1径方向孔26が開口し、第2の凹部21のうちの前記第2吸排孔25の端部と合致する位置には、前記各遅角油圧室19に連通する第2径方向孔27が開口している。したがって、各進角油圧室18と遅角圧室19は第1の凹部20と第2の凹部21を介して夫々第1吸排孔26と第2吸排孔27に連通している。
【0025】
前記油圧吸排手段8は、第1吸排孔24に接続されて進角油圧室18に油圧を吸排する第1油圧通路28と、第2吸排孔25に接続されて遅角油圧室19に対して油圧を吸排する第2油圧通路29の2系統の油圧通路を有し、この両油圧通路28,29には、供給通路30とドレン通路31が夫々通路切換用の電磁切換弁32を介して接続されている。前記供給通路30には、オイルパン33内の油を圧送するオイルポンプ34が設けられており、ドレン通路31の端部は前記オイルパン33内に連通している。また、電磁切換弁32はコントローラ35によって制御されるが、このコントローラ35には、エンジンの運転状態を示す各種信号が入力されるようになっている。
【0026】
一方、回動規制手段9は、エンジン始動時等にベーン部材7が遅角側に回動制御されているときにハウジング部材5とベーン部材7の相対的な回動を機械的にロックするものであり、図3に拡大して示すように、ベーン部材7の一つの羽根部17aに軸方向に沿って進退自在に収容支持されたロックピン36と、このロックピン36を突出方向(フロントカバー12方向)に付勢するばね部材37と、フロントカバー12の内側面(ハウジング部材5の側壁)の設定位置に配置され、ベーン部材7がハウジング部材5に対して遅角側に最大に変位した位置でロックピン36の先端が嵌合されるロック穴38とを備えている。
【0027】
ロックピン36は、先端にテーパ部を備える有底円筒状に形成され、ベーン部材7の一つの羽根部17aに形成された軸孔39に摺動自在に収容されている。軸孔39には、ロックピン36を突出方向に付勢する前記ばね部材37と共にこのばね部材37の一端を支持するばね支持ピン40が収容され、ばね部材37の介在されるロックピン36の背部空間は大気に連通している。
【0028】
一方、ロック穴38はフロントカバー12に直接加工されているのではなく、フロントカバー12の設定位置に形成された取付穴41に、耐摩耗性の高い材料から成る有底円筒状のガイドブッシュ42が圧入固定されることにより構成されている。尚、ガイドブッシュ42にはその底部を進角油圧室18に連通させる図示しない吸排孔が形成され、ロックピン36の嵌合時に、その先端部に進角油圧室18の油圧が作用するようになっている。
【0029】
ところで、本発明にかかるバルブタイミング制御装置2においては、ベーン部材7の4つの羽根部17a〜17dが以下のような設定で形成されている。
【0030】
即ち、ベーン部材7は、図4に示すようにロックピン36の配置される羽根部17aに対して1枚の羽根部17bが回転軸(o)対称に配置され、残余の2枚の羽根部17c,17dが羽根部17a,17bを結ぶ軸線pについて線対称に、かつ、羽根部17b側に若干偏寄して配置されている。そして、羽根部17aと17bは、その各周方向幅L1,L2が残余の羽根部17c,17dの周方向幅L3,L4よりも広く設定されている。また、羽根部17aの周方向幅L1は対称位置の羽根部17bの周方向幅L2よりも広く設定され、残余の羽根部17c,17dの周方向幅L3,L4はいずれも同じに設定されている(以下の(1)式参照。)。
【0031】
【数1】
L1>L2>L3=L4 …(1)
ここで、羽根部17aの周方向幅L1はロックピンを設ける関係上必然的に広くなるものであるが、それと対称位置にある羽根部17bは、羽根部17aとの重量的なバランスをとるために同様に周方向幅L2が広く設定されている。そして、残余の羽根部17c,17dは羽根部17a,17bよりも周方向幅L3,L4が狭くされている。
【0032】
また、羽根部17aにはロックピン36やばね部材37等を収容するための軸孔39が形成され、さらにハウジング部材10のロックピン36対応部にロック穴38が形成されているため、羽根部17bは羽根部17aと同一周方向幅L1=L2に設定すると羽根部17b側の重量が重くなってしまう。このため、この実施形態においては、羽根部17aの軸孔39やロック穴38の空洞部分を考慮して、羽根部17bの周方向幅L2が羽根部17aの周方向幅L1よりも広く設定されている。そして、羽根部17aと17bはベーン部材7の重心が回転軸oと一致するよう両者の慣性モーメントを略一致させてある。
【0033】
かかる構造において、エンジン始動時でオイルポンプ34から作動油が充分に供給されないときや、電磁切換弁32の操作によって遅角油圧室19に高圧の作動油が供給されたときには、ベーン部材7がハウジング部材5に対して図1に示す最遅角位置にあり、回動規制手段9のロックピン36はこのときばね部材37の付勢力を受けその先端部がガイドブッシュ42のロック穴38に嵌合し、ベーン部材7とハウジング部材5を機械的に連結している。このため、図外のクランクシャフトからチェーンスプロケット4に入力された回転駆動力は、最遅角状態で機械的に連結されたハウジング部材5とベーン部材7を介してカムシャフト1に伝達され、図外の駆動カムを介して吸気弁を遅角タイミングで開閉する。
【0034】
そして、ベーン部材7がこのように最遅角側に回動変位しているときには、上述のようにロックピン36がハウジング部材5とベーン部材7を機械的に結合するため、吸気弁からカムシャフト1に変動トルクが入力されてもベーン部材7はハウジング部材5に対して相対回動することがなく、したがって、ベーン部材7がばた付き音を発生する等の不具合は生じない。
【0035】
また、この状態からコントローラ35による電磁切換弁32の制御によって進角油圧室18が供給通路30に連通し、遅角油圧室19がドレン通路31に連通するようになると、進角油圧室18には高圧の作動油が導入され、このときロックピン36の先端部(ロック穴38)にもその高圧の作動油が導入される。ロックピン36はこのとき高圧の作動油の圧力を受け、ばね部材37の付勢力に抗して後退し、ハウジング部材5とベーン部材7の回動規制を解除する。
【0036】
一方、ベーン部材7の各羽根部17a〜17dは進角油圧室18と遅角油圧室19の差圧を受け、ベーン部材7全体はハウジング部材5に対して進角方向(遅角油圧室19方向)に回動し、最進角位置で停止する。これにより、チェーンスプロケット4とカムシャフト1が相対回動し、チェーンスプロケット4に対するカムシャフト1の回転位相が進角側に制御される。
【0037】
このバルブタイミング制御装置2は以上のように作動するが、ベーン部材7は作動時に4枚の羽根部17a〜17dで油圧を受けるため、大きな作動力でもって確実な作動を得ることができる。また、この装置2においては、ベーン部材7の羽根部17a〜17dを4枚設けるにあたって、ロックピン36を設ける羽根部17aと、それと軸対称位置にある羽根部17bの周方向幅L1,L2のみを広く設定して、残余の2枚の羽根部17c,17dの周方向幅L3,L4を狭く設定したため、ベーン部材7全体の重量を軽量化することができると共に、ハウジング部材5に対する相対回動角度を広く確保することができる。
【0038】
そして、羽根部17aと軸対称位置にある羽根部17bは、羽根部17a側の軸孔39やロック穴38等の空洞部分を考慮して羽根部17aよりも若干周方向幅を狭くすると共に、両羽根部17a,17bの慣性モーメントを略一致させているため、軸心o回りの回転バランスが良好に保たれている。
【0039】
さらに、この実施形態の装置2においては、残余の羽根部17c,17d相互も軸線pを挟んで線対象に配置されているため、軸線pを挟んでの重量バランスも良好に維持されている。また、両羽根部17c,17dは羽根部17b側に偏寄して突設されているため、ロックピン36側の羽根部17aとバランスさせるための羽根部17bの周方向幅の拡大量を小さくし、ベーン部材7全体をより軽量化することができる、という利点がある。
【0040】
尚、以上では、4枚の羽根部を有するベーン部材を適用した例について説明したが、本発明にかかる装置で用いるベーン部材の羽根部は3枚以上であれば任意数であって良い。
【0041】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載の発明は、3枚以上の羽根部によって油圧を受けるようにしたために、充分な作動トルクを確保することができる。また、ベーン部材を、ロックピンを設ける羽根部の重量と、該ロックピンを設ける羽根部以外の各羽根部の総重量と、によって重量バランスを図ることができるようになるために、ベーン部材やハウジング部材の回転バランスを高めることができる。さらに、残余の羽根部の周方向幅を狭く形成することが可能となり、ベーン部材全体の重量をより一層低減することができる。これにより、ベーン部材全体のより一層の軽量化と、ベーン部材及びハウジング部材間の充分な相対回動角度の確保との両立を図ることが可能となっている。
【0042】
請求項2に記載の発明は、ロックピンの収容空間等を考慮してロックピンを設ける羽根部と、それと対称にある羽根部を完全にバランスさせることができるため、ベーン部材やハウジング部材の回転バランスより高めることができる。
【0043】
請求項3に記載の発明は、ベーン部材の重心が回転中心とほぼ一致するために、ベーン部材の回転バランスをより一層高めることが可能となり、回転軸周りの回転バランスを良好に保つことができる。
【0044】
請求項4に記載の発明は、幅の広い2枚の羽根部を結ぶ軸線の左右での重量バランスを幅の狭い2枚の羽根部によって保つことができるため、ベーン部材の回転バランスをさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す図2のA−A線に沿う断面図。
【図2】同実施形態を示す図1のB−B線に沿う断面図。
【図3】同実施形態を示す部分拡大断面図。
【図4】同実施形態を示すベーン部材の断面図。
【符号の説明】
1…カムシャフト
2…バルブタイミング制御装置
4…チェーンスプロケット(駆動力伝達部材)
5…ハウジング部材
7…ベーン部材
8…油圧吸排手段
18…進角油圧室
19…遅角油圧室
17a,17b,17c,17d…羽根部
36…ロックピン
38…ロック穴
Claims (4)
- 内燃機関のクランクシャフトによって駆動される駆動力伝達部材と、
外周に機関弁を作動させるための駆動カムを有する一方で前記駆動力伝達部材が必要に応じて相対回転できるように組み付けられ、前記駆動力伝達部材から動力を伝達されて従動回転するカムシャフトと、
前記駆動力伝達部材と前記カムシャフトのいずれか一方と一体化されて回転するハウジング部材と、
前記ハウジング部材内に収容され、前記駆動力伝達部材と前記カムシャフトの他方と一体化されて回転すると共に、径方向外側に突出する3枚以上の羽根部を有するベーン部材と、
前記ハウジング部材内に設けられ、油圧によって前記ベーン部材を回動させる進角油圧室及び遅角油圧室と、
前記進角油圧室及び遅角油圧室に連通し、これらの油圧室に選択的に油圧を吸排する油圧吸排手段と、
前記ベーン部材の一つの羽根部に進退自在に取付けられ、内燃機関の運転状態に応じてハウジング部材のロック穴に嵌合されるロックピンと、を備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
ロックピンの設けられる羽根部の周方向幅と、この羽根部に対して回転軸を挟んで反対側に位置される1枚の羽根部の周方向幅を残余の羽根部の周方向幅よりも広く形成すると共に、
この残余の羽根部を、前記ロックピンを設けない周方向幅の広い羽根部側に偏倚させて配置したことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 - ロックピンの設けられる羽根部の周方向幅を、この羽根部に対して回転軸を挟んで反対側に位置される羽根部の周方向幅よりも広く形成したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
- ロックピンの設けられる羽根部と、この羽根部に対して回転軸を挟んで反対側に位置されるロックピンを設けない各羽根部と、の前記回転軸周りの慣性モーメントを略一致させたことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
- ベーン部材に羽根部を4枚設け、ロックピンの設けられる羽根部と周方向幅の広い1枚の羽根部を回転軸対称に配置すると共に、周方向幅の狭い残余の2枚の羽根部を、前記ロックピンの設けられる羽根部とそれと対称位置に配置される羽根部を結ぶ軸線に対して対称に配置したことを特徴する請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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