JP3801767B2 - エレベータ用調速機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、かごや釣合重り等の移動体の過速度を検出し、移動体を停止させるためのエレベータ用調速機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図19は従来のエレベータ用調速機の一例を示す正面図、図20は図19の平面図である。図において、1は昇降路に沿って昇降するかご又は釣合重り等の移動体、2は移動体1の昇降方向に沿って昇降路に設けられている導体、3は移動体1上に固定されている基台、4は基台3に回動自在に設けられている主軸、5は主軸4を軸として主軸4と一体に回動するアームである。
【0003】
6はアーム5の一端部に支持されているピックアップであり、このピックアップ6は、コ字状のバックヨーク7と、導体2の両面にそれぞれ対向するようにバックヨーク7に固定されている一対の磁石8とを有し、導体2を通る磁路を含む磁気回路を形成する。9はアーム5の他端部にピックアップ6と釣り合うように設けられているバランスウエイト、10はアーム5の主軸4の両側と基台3との間にそれぞれ設けられている一対のコイルばねである。
【0004】
11は基台3上に設けられ、移動体1を昇降させる巻上機等(図示せず)の電源を遮断する移動体停止用スイッチ、12はバランスウエイト9に設けられ、バランスウエイト9の変位により移動体停止用スイッチ11を操作する操作ピン、13はバランスウエイト9に連結され、バランスウエイト9の変位により非常止め装置(図示せず)を作動させる非常止め操作棒である。
【0005】
次に、動作について説明する。ピックアップ6は、一対の磁石8間に位置する導体2の対向面に対して垂直な磁場を作る。移動体1が昇降し、この磁場が導体2中を移動すると、導体2中の磁場の変化を打ち消そうとする渦電流が導体2に発生し、移動体1の速度に対応した大きさで移動体1の移動に抗する向きの力、即ち磁気抗力が磁石8に作用する。アーム5の一端にこの磁気抗力が作用することにより、ピックアップ6が移動体1に対して上下方向へ変位されるとともに、アーム5が主軸4を軸として回動される。
【0006】
この回動変位量は、磁気抗力による主軸4回りのモーメントと、アームが回動されることにより発生するコイルばね10のばね力によるモーメントとが釣り合うことにより決まる。従って、移動体1の速度が大きくなると、アーム5の回動変位量が大きくなり、移動体1の速度が小さくなると、アーム5の回動変位量は小さくなる。そして、移動体1が停止しているときには、アーム5は、バランスウエイト9の重量及びコイルばね10の作用により水平に保たれる。
【0007】
また、移動体1の速度が予め設定された第1過速度(通常は定格速度の1.3倍程度)に達すると、操作ピン12により移動体停止用スイッチ11が操作され、移動体1の駆動装置の電源が遮断され、移動体1が停止される。また、何等かの原因により移動体1の速度が第1過速度を超えて第2過速度(通常は停止速度の1.4倍程度)に達すると、例えば図21に示すように、アーム5がさらに回動され、非常止め操作棒13を介して非常止め装置が作動される。
【0008】
なお、従来、上記のようなタイプの調速機としては、例えば特開平5−147852号公報、特開平9−40317号公報等に示されたものなどが知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成された従来のエレベータ用調速機においては、昇降路内の温度が変化すると、磁気回路により発生する磁束の密度が増減することなどにより、図22に示すように、移動体1の速度Vに対する磁気抗力の大きさFが温度により異なってしまう。即ち、昇降路内の温度が上昇すると、上記の大きさFは小さくなってしまう。従って、図23に示すように、移動体停止用スイッチ11が操作される変位量P1にバランスウエイト9が達したときの移動体1の速度VI、及び非常止め装置が作動される変位量P2にバランスウエイト9が達したときの移動体1の速度V2が、昇降路内の温度によってそれぞれ変化し、第1過速度及び第2過速度の検出精度が低下してしまう。
【0010】
この発明は、上記のような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、移動体の過速度の検出精度を向上させることができるエレベータ用調速機を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベータ用調速機は、移動体の走行方向に沿って昇降路に設けられている導体、移動体に設けられ、導体を通る磁路を含む磁気回路を形成し、移動体の走行時に磁気回路によって発生する移動体の速度に応じた大きさの磁気抗力を受け、移動体の走行速度に応じた位置に変位するピックアップ、移動体に設けられ、ピックアップの変位により移動体の過速度を検出し、移動体を停止させるための停止手段を作動させる検出手段、及び昇降路内の温度変化によらず設定された過速度で停止手段が作動されるように、磁気抗力の大きさの温度変化による変化を補償する温度補償手段を備えたものであり、温度補償手段として、温度に応じて変形することにより、移動体に対するピックアップの変位の途中で、温度に応じたタイミングでピックアップの変位に対する抵抗力を変化させる抵抗部材を用いたものである。
【0014】
また、この発明に係るエレベータ用調速機は、抵抗部材として板ばねを用いたものである。
【0015】
さらに、この発明に係るエレベータ用調速機は、熱膨張係数の異なる複数の材料の組み合わせにより構成された板ばねを用いたものである。
【0016】
さらにまた、この発明に係るエレベータ用調速機は、移動体に搭載されている基台と、中間部が基台に回動可能に取り付けられ、一端部にピックアップを支持しているアームと、このアームの一端部側及び他端部側と基台との間にそれぞれ設けられ、アームの回動量に応じたばね力を発生する一対のコイルばねとを有する検出手段を用い、また基台及びアームのいずれか一方に固定されている一対のピンと、基台及びアームのいずれか他方に固定され、温度に応じて変形してピンとの間隔が変化する一対の板ばねとを有する温度補償手段を用い、一対の板ばねのうちの一方がピンと接触することにより、コイルばねと板ばねとの合成ばね定数が変化し、かつ合成ばね定数が変化するときのアームの回動量が温度によって変化するものである。
【0019】
また、この発明に係るエレベータ用調速機は、移動体の走行方向に沿って昇降路に設けられている導体、移動体に設けられ、導体を通る磁路を含む磁気回路を形成し、移動体の走行時に磁気回路によって発生する移動体の速度に応じた大きさの磁気抗力を受け、移動体の走行速度に応じた位置に変位するピックアップ、移動体に設けられ、ピックアップの変位により移動体の過速度を検出し、移動体を停止させるための停止手段を作動させる検出手段、及び昇降路内の温度変化によらず設定された過速度で停止手段が作動されるように、磁気抗力の大きさの温度変化による変化を補償する温度補償手段を備えたものであり、導体に対向する磁石と、この磁石を支持するバックヨークとを有するピックアップを用い、バックヨークとして、温度補償手段を兼ね、温度により変形して導体と磁石との間の間隔を変化させるものを用いたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータ用調速機を示す正面図、図2は図1の平面図である。
【0021】
図において、1は昇降路に沿って昇降するかご又は釣合重り等の移動体、2は移動体1の昇降方向に沿って昇降路に設けられている導体、3は移動体1上に固定されている基台、4は基台3に回動自在に設けられている主軸、5は主軸4を軸として主軸4と一体に回動するアームである。
【0022】
6はアーム5の一端部に支持されているピックアップであり、このピックアップ6は、コ字状のバックヨーク7と、導体2の両面にそれぞれ対向するようにバックヨーク7に固定されている一対の磁石8とを有し、導体2を通る磁路を含む磁気回路を形成する。9はアーム5の他端部にピックアップ6と釣り合うように設けられているバランスウエイト、10はアーム5の主軸4の両側と基台3との間にそれぞれ設けられている一対のコイルばねである。
【0023】
21は基台3に取り付けられ、移動体1を昇降させる巻上機等(図示せず)の電源を遮断する移動体停止用スイッチ、22は主軸4に固定され、主軸4の回動により移動体停止用スイッチ21を操作する操作ピン、23は操作ピン22により操作され、停止手段としての非常止め装置(図示せず)を作動させる非常止め操作棒、24は基台3、主軸4、アーム5及び操作ピン22を有する検出手段である。
【0024】
25は基台3上に立設されている一対のピン、26は基端部がアーム5の主軸4の両側にそれぞれ固定されている抵抗部材としての一対の板ばねであり、これらの板ばね26は、例えばバイメタルやトリメタルなど、熱膨張係数の異なる複数の材料の組み合わせにより構成されており、温度に応じて変形してピン25との間隔が変化するようになっている。27はピン24及び板ばね25を有する温度補償手段である。
【0025】
次に、動作について説明する。ピックアップ6は、一対の磁石8間に位置する導体2の対向面に対して垂直な磁場を作る。移動体1が昇降し、この磁場が導体2中を移動すると、導体2中の磁場の変化を打ち消そうとする渦電流が導体2に発生し、移動体1の速度に対応した大きさで移動体1の移動に抗する向きの力、即ち磁気抗力が磁石8に作用する。アーム5の一端にこの磁気抗力が作用することにより、ピックアップ6が移動体1に対して上下方向へ変位されるとともに、アーム5が主軸4を軸として回動される。この回動変位量は、磁気抗力による主軸4回りのモーメントと、アーム5が回動されることにより発生するコイルばね10と板ばね26との合成ばね力によるモーメントとが釣り合うことにより決まる。従って、移動体1の速度が大きくなると、主軸4及びアーム5の回動変位量が大きくなり、移動体1の速度が小さくなると、主軸4及びアーム5の回動変位量は小さくなる。そして、移動体1が停止しているときには、アーム5は、ピックアップ6とバランスウエイト9の重量、及びコイルばね10及び板ばね26の作用により水平に保たれる。
【0026】
また、移動体1の速度が予め設定された第1過速度(通常は定格速度の1.3倍程度)に達すると、操作ピン22により移動体停止用スイッチ21が操作され、移動体1の駆動装置の電源が遮断され、移動体1が停止される。また、何等かの原因により移動体1の速度が第1過速度を超えて第2過速度(通常は停止速度の1.4倍程度)に達すると、アーム5がさらに回動され、非常止め操作棒23を介して非常止め装置が作動される。
【0027】
このように、渦電流を利用した方式では、昇降路内の温度により磁気回路の磁束密度が変化することなどにより、図22に示したように、移動体1の速度Vに対する磁気抗力の大きさFが温度により異なってしまう。従って、アーム5の回動変位に対して作用するばね力が常に比例する場合、図3に示すように、移動体1の同一の速度により発生する磁気抗力F1,F2,F3に対応する回動変位は、昇降路内の温度が高くなるほど小さくなってしまう。
【0028】
これに対し、図1に示したように、基台3にピン25を立設し、アーム5に板ばね26を取り付けた場合、例えば図4に示すように、アーム5の回動の途中で一方の板ばね26がピン25に当接するため、コイルばね10と板ばね26との合成ばね定数が変位の途中から変化する。しかも、図5に示すように、アーム5が水平であるときの板ばね26の先端部とピン25との間の距離は、温度により連続的に変化するため、合成ばね定数を変化させるタイミングは温度により変化する。
【0029】
ここで、アーム5が水平のときに板ばね26がピン25から開離しているとすると、アーム5の回動初期に作用する合成ばね定数は、コイルばね10のみによるばね定数k1であり、板ばね26とピン25とが当接する回動変位量(温度に応じて変化する)以上では、コイルばね10と板ばね26との合成ばね定数k2(k1<k2)となる。
【0030】
図6は図1のアーム5が水平のときに板ばね26がピン25から開離している温度領域での主軸4の回動変位量と合成ばね定数との関係を示す関係図、図7は図6の温度領域での磁気抗力と主軸4の回動変位量との関係を示す関係図である。図7に示すように、非常止め装置を作動させるときの主軸4の回動量をθ1とすると、そのときの磁気抗力は、温度が低くなる程大きくなる。
【0031】
また、板ばね26は温度が低くなるに従ってピン25側へ変形していくため、温度がある値よりも低くなると、アーム5が水平であるときに既に両方の板ばね26がピン25に接触しているという状態になる。図8は図1のアーム5が水平のときに板ばね26がピン25に接触している温度領域での主軸4の回動変位量と合成ばね定数との関係を示す関係図、図9は図8の温度領域での磁気抗力と主軸4の回動変位量との関係を示す関係図である。板ばね26がピン25を押圧している場合、主軸4の回動の途中で一方の板ばね26がピン25から開離するため、合成ばね定数はk3からk2へと変化する。また、板ばね26がピン25に接触しているだけの場合、合成ばね定数はk2のままである。
【0032】
図7及び図9において、昇降路内の温度T1,T2,T3,Tx,Ty,Tzで主軸4の同一の回動変位θ1を与える磁気抗力F1,F2,F3,Fx,Fy,Fzが移動体1の同一の速度V1となるように、板ばね26の温度による変形量を設定する。これにより、図10に示すように、昇降路内の温度によらず、移動体1の速度がV1のときに主軸4がθ1だけ回動するため、V1を第2過速度とし、θ1で非常止め装置が作動されるようにすれば、非常止め装置を作動させる速度の検出精度を向上させることができる。また、第1過速度の検出のばらつきも小さくすることができる。
【0033】
なお、上記の例では抵抗部材としてバイメタル等の板ばね26を示したが、温度の変化に応じて変形する性質を持つ弾性材料であれば、例えば形状記憶合金などを使用してもよい。
【0034】
また、上記の例では一対の板ばね26をアーム5に取り付けたが、アーム5と一体に変位する部分であれば、例えば主軸4に取り付けてもよい。
【0035】
実施の形態2.
さらに、上記の例ではアーム5に板ばね26を、基台3にピン25を取り付けたが、例えば図11及び図12に示すように、基台3に板ばね26を、アーム5にピン25を取り付けてもよい。
【0036】
さらにまた、上記の例においてばね力(弾性力)を発生する手段はコイルばね10に限定されるものではない。
また、上記の例では第2過速度をV1としたが、第1過速度をV1として、所定の主軸4の回動変位θ1により移動体停止用スイッチ21が操作されるようにしてもよい。
【0037】
実施の形態3.
次に、図13はこの発明の実施の形態3によるエレベータ用調速機を示す正面図、図14は図13の平面図である。図において、31は基端部が主軸4に固定されている温度補償手段としての板ばね(弾性部材)であり、この板ばね31は、例えばナイロン樹脂等のプラスチックからなり、温度に応じて弾性係数(ヤング率)が変化する。具体的には、板ばね31の弾性係数は、昇降路内の温度が高くなると小さくなり、温度が低くなると大きくなる。32は基台3に固定され、板ばね31の両面を挟む一対のピンである。
【0038】
このようなエレベータ用調速機では、図15に示すように、アーム5及び主軸4が回動すると、コイルばね10が伸縮するとともに、板ばね31が変形し、これらの弾性力を合成した抵抗力が作用するが、昇降路内の温度が高い場合には板ばね31のばね定数が小さく、温度が低い場合には板ばね31のばね定数が大きくなるため、同一のアーム5の回動変位に対して、温度が高い場合には抵抗力を小さく、温度が低い場合には抵抗力を大きくすることができる。従って、設定された過速度に達したときに、温度によらず主軸4が所定量だけ回動変位するように、板ばね31の材料、厚さ、長さ等を調整することにより、温度変化に対して過速度の検出精度を向上させることができる。
【0039】
なお、弾性部材の材料は、ナイロン等のプラスチックに限定されるものではなく、温度により弾性係数が十分に変化するものであれば、他のものであってもよい。
また、板ばね31のみによって磁気抗力に対する所望のばね力及びその変化率が得られるならば、コイルばね10を省略してもよい。
【0040】
実施の形態4.
次に、図16はこの発明の実施の形態4によるエレベータ用調速機を示す正面図、図17は図16の平面図である。図において、33はアーム5の一端部に支持されているピックアップであり、このピックアップ33は、温度補償手段を兼ねるコ字状のバックヨーク34と、導体2の両面にそれぞれ対向するようにバックヨーク34に固定されている一対の磁石8とを有している。
【0041】
また、バックヨーク34は、例えばバイメタルにより構成され、温度により変形して導体2と磁石8との間の間隔を変化させる。具体的には、図18に示すように、低温時には中温時に比べて間隔を大きくし、高温時には中温時よりも間隔を小さくする。
【0042】
このようなエレベータ用調速機では、昇降路内の温度が上昇すると、磁気回路の磁束密度が減少するが、図18に示すように、バックヨーク34が変形して導体2と磁石8との間の間隔が小さくなることにより磁気抗力が大きくなる。逆に、温度が低下した場合には、磁気回路の磁束密度が高くなるが、導体2と磁石8との間の間隔が大きくなることにより磁気抗力が小さくなる。従って、磁束密度の変動による磁気抗力の変化量と、バックヨーク34の変形による磁気抗力の変化量とが同じになるようにバックヨーク34の変形量を設定することにより、磁気抗力の大きさは、温度の変動に拘わらず、常に移動体1の速度のみにより決まるものとなる。これにより、温度変化に対して過速度の検出精度を向上させることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のエレベータ用調速機は、昇降路内の温度変化によらず設定された過速度で停止手段が作動されるように、移動体の速度に対する磁気抗力の大きさの温度変化による変化を補償する温度補償手段を設けたので、移動体の過速度の検出精度を向上させることができる。
また、温度に応じた変形を利用する温度補償手段を用いたので、簡単な構造により温度補償を行い、移動体の過速度の検出精度を向上させることができる。
さらに、温度に応じて変形することにより、移動体に対するピックアップの変位の途中で、温度に応じたタイミングでピックアップの変位に対する抵抗力を変化させる抵抗部材を用いたので、温度の変化によりピックアップの変位に対する抵抗力をより確実に変化させ、移動体の過速度の検出精度を向上させることができる。
【0046】
さらにまた、この発明のエレベータ用調速機は、抵抗部材として板ばねを用いたので、構造をさらに簡単にすることができる。
【0047】
また、この発明のエレベータ用調速機は、熱膨張係数の異なる複数の材料の組み合わせにより構成された板ばねを用いたので、板ばねを温度に応じて容易に変形させることができる。
【0048】
さらに、この発明のエレベータ用調速機は、基台及びアームのいずれか一方にピンを固定し、基台及びアームのいずれか他方には、温度により変形してピンとの間隔が変化する抵抗部材を設けたので、簡単な構造で過速度の検出精度を向上させることができる。
【0051】
さらにまた、この発明のエレベータ用調速機は、ピックアップのバックヨークとして、温度により変形して導体と磁石との間の間隔を変化させるものを用い、バックヨークに温度補償手段を兼ねさせたので、簡単な構造で過速度の検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるエレベータ用調速機を示す正面図である。
【図2】 図1の平面図である。
【図3】 図1の温度補償手段を設けない場合の磁気抗力と主軸の回動変位量との関係を示す関係図である。
【図4】 図1のアームが回動した状態を示す正面図である。
【図5】 図1の板ばねの温度による変形状態を示す説明図である。
【図6】 図1のアームが水平のときに板ばねがピンから開離している温度領域での主軸の回動変位量と合成ばね定数との関係を示す関係図である。
【図7】 図6の温度領域での磁気抗力と主軸の回動変位量との関係を示す関係図である。
【図8】 図1のアームが水平のときに板ばねがピンに接触している温度領域での主軸の回動変位量と合成ばね定数との関係を示す関係図である。
【図9】 図8の温度領域での磁気抗力と主軸の回動変位量との関係を示す関係図である。
【図10】 図1のエレベータ用調速機における移動体の速度と主軸の回動変位量との関係を示す関係図である。
【図11】 この発明の実施の形態2によるエレベータ用調速機を示す正面図である。
【図12】 図11の平面図である。
【図13】 この発明の実施の形態3によるエレベータ用調速機を示す正面図である。
【図14】 図13の平面図である。
【図15】 図13のアームが回動した状態を示す正面図である。
【図16】 この発明の実施の形態4によるエレベータ用調速機を示す正面図である。
【図17】 図16の平面図である。
【図18】 図16のヨークの温度による変形状態を示す説明図である。
【図19】 従来のエレベータ用調速機の一例を示す正面図である。
【図20】 図19の平面図である。
【図21】 図19のアームが回動した状態を示す正面図である。
【図22】 従来の調速機における移動体の速度に対する磁気抗力の大きさの温度による相違を示す関係図である。
【図23】 従来の調速機において移動体停止用スイッチ及び非常止め装置が作動されるときの移動体の速度の温度による相違を示す関係図である。
【符号の説明】
1 移動体、2 導体、3 基台、5 アーム、6,33 ピックアップ、8磁石、10 コイルばね、24 検出手段、25 ピン、26 板ばね(抵抗部材)、27 温度補償手段、31 板ばね(温度補償手段)、34 バックヨーク(温度補償手段)。
Claims (5)
- 移動体の走行方向に沿って昇降路に設けられている導体、
上記移動体に設けられ、上記導体を通る磁路を含む磁気回路を形成し、上記移動体の走行時に上記磁気回路によって発生する上記移動体の速度に応じた大きさの磁気抗力を受け、上記移動体の走行速度に応じた位置に変位するピックアップ、
上記移動体に設けられ、上記ピックアップの変位により上記移動体の過速度を検出し、上記移動体を停止させるための停止手段を作動させる検出手段、及び
上記昇降路内の温度変化によらず設定された上記過速度で上記停止手段が作動されるように、上記磁気抗力の大きさの温度変化による変化を補償する温度補償手段
を備え、
上記温度補償手段は、温度に応じて変形することにより、上記移動体に対する上記ピックアップの変位の途中の温度に応じた変位位置で、上記ピックアップの変位に対する抵抗力を変化させる抵抗部材を有していることを特徴とするエレベータ用調速機。 - 抵抗部材は、板ばねであることを特徴とする請求項1記載のエレベータ用調速機。
- 板ばねは、熱膨張係数の異なる複数の材料の組み合わせにより構成されていることを特徴とする請求項2記載のエレベータ用調速機。
- 検出手段は、移動体に搭載されている基台と、中間部が上記基台に回動可能に取り付けられ、一端部にピックアップを支持しているアームと、このアームの一端部側及び他端部側と上記基台との間にそれぞれ設けられ、上記アームの回動量に応じたばね力を発生する一対のコイルばねとを有し、温度補償手段は、上記基台及び上記アームのいずれか一方に固定されている一対のピンと、上記基台及び上記アームのいずれか他方に固定され、温度に応じて変形して上記ピンとの間隔が変化する一対の板ばねとを有しており、上記一対の板ばねのうちの一方が上記ピンと接触することにより、上記コイルばねと上記板ばねとの合成ばね定数が変化し、かつ上記合成ばね定数が変化するときの上記アームの回動量が温度によって変化することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のエレベータ用調速機。
- 移動体の走行方向に沿って昇降路に設けられている導体、
上記移動体に設けられ、上記導体を通る磁路を含む磁気回路を形成し、上記移動体の走行時に上記磁気回路によって発生する上記移動体の速度に応じた大きさの磁気抗力を受け、上記移動体の走行速度に応じた位置に変位するピックアップ、
上記移動体に設けられ、上記ピックアップの変位により上記移動体の過速度を検出し、上記移動体を停止させるための停止手段を作動させる検出手段、及び
上記昇降路内の温度変化によらず設定された上記過速度で上記停止手段が作動されるように、上記磁気抗力の大きさの温度変化による変化を補償する温度補償手段
を備え、
上記ピックアップは、上記導体に対向する磁石と、この磁石を支持するバックヨークとを有し、上記バックヨークは、上記温度補償手段を兼ねており、温度により変形して上記導体と上記磁石との間の間隔を変化させることを特徴とするエレベータ用調速機。
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