JP3801622B2 - 低粘度糞便用の使い捨て吸収物品 - Google Patents

Description

発明の分野
本発明は、使い捨て吸収物品に関し、より詳細には、汚れた使い捨て吸収物品を取り外す際に装着者をきれいにし易くするために、低粘度の糞便を不動にする使い捨て吸収物品に関する。
発明の背景
おむつや成人用失禁製品のような使い捨て吸収物品は、従来技術では周知である。このような使い捨て吸収物品は、装着者の尿や糞便を収集し保持する。
現在まで、使い捨て吸収物品に収集され保持された尿と糞便を処理する従来技術の多くの試みは、尿の処理に関するものであった。使い捨て吸収物品によって収集された糞便の処理は、低粘度の糞便の複雑なレオロジーのため、尿の処理よりも、かなり困難である。
典型的な尿の処理に関する従来技術には、装着者の身体に面し身体に接触する第１のトップシートと第１のトップシートの下側の層（以後「第２のトップシート」という）とを有し、いずれのシートも尿を吸収し、或いは装着者から使い捨て吸収物品を取り外するまで下に位置する貯蔵用コアまで尿を移送する使い捨て吸収物品を提供する幾つかの試みがある。
典型的には、第１のトップシートと第２のトップシートは、異なる材料性状を有している。第２のトップシートは、トップシートを通して尿を移送するのを助けるため、第１のトップシートよりも小さな孔径を有しているのがよい。第１のトップシートは、第１のトップシートから第２のトップシートに流体を通過させるために、疎水性であり、湿った時に第２のトップシートよりも弾性であるのがよい。
従来技術の別の試みでは、使い捨て吸収物品は、第１のトップシートと、第２のトップシートと、コアとを有している。第２のトップシートは実質的に、溶融吹き込みした親水性繊維から構成され、コアの孔径よりも大きな孔径を有している。この構成により、第２のトップシートは、コアによって液体が吸収される前に、多数の液体を迅速に受け入れＸ−Ｙ平面内に分散させることができる。さらに別の実施例では、表面仕上げされていない或いは互いに架橋された膨張セルロース繊維を使用することによって、尿の垂直吸い上げ能力について研究されてきた。
従来技術の別の試みでは、尿のような液体を特に有効かつ効果的な方法で捕捉し収容するのに適した吸収コアは、多数の層を有している。装着者に最も近い第１の層は親水性の繊維材料からなり、排出された液体を迅速に捕捉するために、第１の層の他の部分よりも平均密度が比較的小さい捕捉帯域を有している。第１の層の下には、弾性で低密度かつ高間隙容積の材料からなる液体処理層が設けられており、液体処理層は、捕捉帯域を通して尿を迅速に捕捉し液体処理層全体にわたって液体を貯蔵層に分布させるために、水分に対して鈍感である。貯蔵層は、繊維材料と吸収ゲル化材料の離散粒子の組合せからなり、液体処理層が引き続く液体の流入を捕捉し分配するのに十分な容量を有することができるように、液体処理層は液体を排出することができる。
もちろん、吸収ゲル化材料も、従来技術において良く知られている。吸収ゲル化材料は、大量の尿のような流体を吸収し、吸収された液体を中圧で保持することができるポリマー材料である。吸収ゲル化材料の有効性は、使い捨て吸収物品のコアに組み込まれる形態、位置、および重量パーセントで決まる。
尿の捕捉と保持を助けるため吸収ゲル化材料の使用を最適にする試みには、大きな流体捕捉／貯蔵上部層の下に、吸収コアの流体貯蔵下部層を配置することが含まれる。貯蔵層は、使い捨て吸収物品中に提供された吸収ゲル化材料のうち約７５パーセントを有している。液体捕捉／分配層は、好ましくは流体貯蔵下部層の密度よりも小さい密度で有している。吸収ゲル化材料のうち約５５パーセントが、使い捨て吸収物品の前半部に提供され、下部層の吸収ゲル化材料のうち約７５パーセントが、使い捨て吸収物品の前方３分の２に提供されている。
従来技術における更に別の試みでは、吸収ゲル化材料の粒子を、連続した非段階的な正の濃度勾配に分布させている。この勾配は、コアの全体にわたるものでもよく、或いはコアの厚さの少なくとも一部のみに存在するものでもよい。種々の実施例では、従来技術のこのような試みについての吸収ゲル化材料は、吸収コアの略中央に位置し、或いは、吸収コアの上部面と下部面に沿って配置されている。従来技術における更に別の試みでは、吸収ゲル化材料は、孔の間に分散されており、吸収ゲル化材料の少なくとも５０パーセントが、湿潤時に、コアの平均孔径よりも大きな孔径を有している。
尿を処理する従来技術の試みの例として、１９７７年９月１３日にカラミに付与された米国特許第４，０４７，５３１号、１９８７年６月１６日にワイズマン等に付与された同第４，６７３，４０２号、１９８７年１０月１３日にケレンベルガー等に付与された同第４，６９９，８２３号、１９８９年１月１７日にメイヤー等に付与された同第４，７９８，６０３号、１９９１年８月６日にチェン等に付与された同第５，０３７，４０９号、１９９２年６月２３日にベルナーディン等に付与された同第５，１２４，１９７号、１９９２年７月２８日にライシング等に付与された同第５，１３４，００７号、および１９９２年９月１５日にケレンベルガーに付与された同第５，１４７，３４３号がある。
しかしながら、これらの特許は全て、尿を処理するものであり、使い捨て吸収物品においても提示される低粘度の糞便を良好に処理するものではない。糞便を処理する試みには、装着者にぴったり順応し孔を有する第１のトップシートの提供が含まれる。孔は、糞便が通過し空隙スペースに入るように、肛門と位置合わせされているのが望ましい。第１のトップシートは、装着者の皮膚にぴったり順応するために種々の弾性パネルを備え、および／又は、弾性ストランドを有しているのがよい。従来技術のかかる領域では、第１のトップシートの材料性状を最適にするような改良がなされてきた。このような最適化は、第１のトップシートを装着者にとって快適にし、単一の使い捨て吸収物品により、装着者の広範な寸法範囲に適合することができる。
従来技術における更に別の試みでは、糞便を受け入れるために、吸収コアに穴が設けられている。穴は、第１のトップシートの孔よりも長く幅狭になるように偏平な形状であるのがよく、或いは菱形であるのがよい。吸収コアの穴は、縁部に弾性ストリップを有する孔の下に位置決めされるのがよい。
この種の従来技術の使い捨て吸収物品の改良には、スペーサの付加が含まれる。スペーサは、糞便を受け入れるように空隙スペースを確実に提供するために、第１のトップシートと吸収コアとの間に挿入される。
従来技術における更に別の試みでは、糞便の移動を使い捨て吸収物品の特定位置に制限する遮断層が設けられている。遮断層は、糞便の接触を、遮断層のない同等の使い捨て吸収物品よりも小さな装着者の皮膚の部分に制限する。
また、従来技術における別の試みでは、トップシートの面から直立した遮断脚部カフスを提供している。遮断脚部カフスは、糞便が使い捨て吸収物品の周囲から出るのを阻止する。
糞便を処理する従来技術におけるこのような試みの例として、１９９０年１月９日にデスマレス等に付与された米国特許第４，８９２，５３６号、１９９０年３月２０日にアジズ等に付与された同第４，９０９，８０３号、１９９０年１１月６日にカーンに付与された同第４，９６８，３１２号、１９９１年２月５日にフリーランドに付与された同第４，９９０，１４７号、１９９１年８月６日にアレン等に付与された同第５，０３７，４１６号、１９９１年１１月５日にホルト等に付与された同第５，０６２，８４０号、１９９２年１２月１５日にドライアー等に付与された同第５，１７１，２３６号、および１９９０年２月２８日に公表されたアンローの欧州特許出願第０，３５５，７４０Ａ２号がある。
しかしながら、糞便を処理するこれらの従来技術の試みはいずれも、特に母乳育ちの幼児によく見られる低粘度の糞便の問題を解決していない。低粘度の糞便は、重力の影響および装着者の運動あるいは圧力によって、使い捨て吸収物品内で容易に拡散する。
糞便が拡散して使い捨て吸収物品の周囲に移動することがしばしばあり、漏れのおそれが増大する。また、糞便の拡散により、装着者の皮膚が汚れ、きれいにするのを一層困難にする。装着者をきれいにするために、世話人は、糞便で汚れた皮膚の領域全体を拭わなければならず、典型的には、比較的大きな汚れ領域を処理しなければならない。
したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点を克服する使い捨て吸収物品を提供することにある。特に、本発明の目的は、使い捨て吸収物品の糞便の漏れを少なくし、使い捨て吸収物品を装着者から取り外し際、装着者の皮膚に残る低粘度糞便の量を最少にする、使い捨て吸収物品を提供することにある。本発明の別の目的は、糞便を各成分に分ける使い捨て吸収物品を提供することにある。
発明の簡単な概要
本発明は、装着者によって装着される、おつむのような使い捨て吸収物品である。使い捨て吸収物品は、少なくとも０．２５ｇ／in2のトップシート浸透性および少なくとも約３０in2（好ましくは、少なくとも約４５is2）の表面積にわたって０．０７１lbs/in2の差圧を有する液体透過性の第１のトップシートを備えている。最小の及び好ましい表面積は、トップシート浸透性が増加するにつれて、トップシート浸透性に対して逆関係で減少する。たとえば、少なくとも０．６ｇ／in2のトップシート浸透性を有する第１のトップシートは、４in2の最小面積でこの浸透性を生じさせる。
好ましくは、使い捨て吸収物品は更に、第１のトップシートと吸収コアとの間に第２のトップシートを備えている。第２のトップシートが設けられる場合には、第２のトップシートは、第１のトップシートの表面積の５０パーセント以下に接着され、吸収コアの表面積の少なくとも５０パーセントに接着される。設けられる場合には、第２のトップシートの周囲が、第１のトップシートをバックシートに接合する必要のないように、バックシートに接合される。第２のトップシートは、０．０７１lbs/in2の差圧で、０．２０ｇ／in2以下のトップシート浸透性を有している。より詳細には、第２のトップシートは、０．１５ｇ／in2以下のトップシート浸透性を有している。
使い捨て吸収物品は更に、第１のトップシート又は第２のトップシートに周囲の少なくとも一部が接合された液体不透過性のバックシートと、第１のトップシートとバックシートとの間の吸収コアとを有している。吸収コアは、第１のトップシートの表面積の５０パーセント以下に接着されている。
【図面の簡単な説明】
本明細書は、本発明を指摘し明瞭に請求する請求の範囲で終わっているが、同じ構成要素が同じ参照番号で示されている添付図面に関連して、以下の詳細な説明を読むことによって、より良く理解されるであろう。
第１図は、本発明による使い捨て吸収物品の部分切り取り平面図である。
第２図は、第１のトップシート、第２のトップシート、およびコアの関係を示す、第１図の線２−２に沿った垂直断面図である。
第３図は、第１のトップシートと第２のトップシートのトップシート浸透性を測定するのに使用される装置の側面図である。
第３Ａ図は、トップシート浸透性を測定するのに使用される支持体の顕微鏡写真の平面図である。
第４Ａ図は、トップシート浸透性と有効開放領域（パーセント）との関係を表す２次元グラフである。
第４Ｂ図は、トップシート浸透性と０．２mm2以上の孔による全有効開放領域（パーセント）との関係を表す２次元グラフである。
第５図は、トップシート浸透性と有効開放領域（パーセント）と０．２mm2以上の孔による有効開放領域（パーセント）との相互関係を表す、第４Ａ図および第４Ｂ図から得られた３次元グラフである。
第６図は、トップシート浸透性と有効開放領域（パーセント）と０．１〜０．２mm2の孔の平均流体半径との相互関係を表す３次元グラフである。
発明の詳細な説明
ここで使用される語“吸収物品”は、身体排出物を吸収し収容する装置を意味し、より詳細には、装着者の身体に当てて或いは近接して配置され身体から排出される種々の分泌物を吸収し収容する装置を意味する。語“使い捨て”は、洗濯され或いは吸収物品として復元され再使用されたりすることを意図していない吸収物品を意味する。（すなわち、一度の使用の後、廃棄され、好適には、リサイクルされ、環境に適合するように処理されるようになっている。）語“一体の”吸収物品は、別個のホルダとライナのような別個の操作部分を必要としないように、別々の部分を互いに結合して形成した吸収物品を意味している。本発明の吸収物品の好ましい実施例は、第１図に示されるように、一体の使い捨て吸収物品、おむつ２０である。ここで使用される語“おむつ”は、一般的に幼児や成人の失禁者が下半身に装着する吸収物品を意味する。
第１図は、本発明のおむつ２０を広げた非収縮状態（すなわち、弾性的に導入された収縮部が引っ張り出されている）で示す平面図であり、おむつ２０の構造を明瞭に示すため、構造の一部が切り取られており、かつ、装着者に面し或いは接触するおむつ２０の部分すなわち内側面が、手前に位置している。第１図に示されるように、おむつ２０は好ましくは、液体透過性の第１のトップシート２４と、第１のトップシート２４と結合された液体不透過性のバックシート２６と、第１のトップシート２４とバックシート２６との間に位置決めされた吸収コア２８と、第１のトップシート２４と吸収コア２８との間に位置決めされた液体透過性の第２のトップシート２５とを備えている。おむつ２０は更に、弾性の側パネル（図示せず）と、弾性の脚部カフス（図示せず）と、弾性腰部要素（図示せず）と、全体として参照番号３６で示したテープタブをもつファスナシステムとを備えている。
おむつ２０は、おむつ２０を装着する際に装着者の前部に並置される第１の腰部領域２７と、第１の腰部領域２７と対向しおむつ２０を装着する際に装着者の背部に並置される第２の腰部領域２９と、第１の腰部領域２７と第２の腰部領域２９との間に位置決めされた股部領域３１と、長さ方向縁部が３３で示され端縁部が３５で示されるおむつ２０の外縁部によって構成される周囲とを有するものとして、第１図に示されている。おむつ２０の内面は、使用の際に、装着者の身体に隣接して位置決めされるおむつ２０の部分を備えている。（すなわち、内面は、第１のトップシート２４の少なくとも一部と、第１のトップシート２４に接合された他の構成要素とによって形成されている。）外面は、装着者の身体から離れて位置決めされるおむつ２０の部分を備えている。（すなわち、外面は、バックシート２６の少なくとも一部と、バックシート２６に接合された他の構成要素とによって形成されている。）
第１図は、第１のトップシート２４とバックシート２６が全体として吸収コアよりも大きな長さと幅を有する、おむつ２０を示している。第１のトップシート２４とバックシート２６は吸収コア２８の縁部を超えて延び、これにより、おむつ２０の周囲を形成している。或いは、第２のトップシート２５は、吸収コア２８の縁部を超えて延び、バックシート２６に接合されておむつ２０の周囲を形成してもよい。第１のトップシート２４、第２のトップシート２５、バックシート２６および吸収コア２８は、種々の周知の形体に組み立てることができるが、好ましいおむつの形体は、１９７５年１月１４日にケネス・Ｂ・ブールに付与された米国特許第３，８６０，００３号（使い捨ておむつのための収縮可能な側部分）、１９９１年６月１３日にケネス・Ｂ・ブール等によって出願された米国特許出願第０７／７１５，１５２号（予め配置された弾性可撓性ヒンジを有する動的弾性腰部要素を備えた吸収物品）に記載されており、これらを参考文献としてここに含める。
吸収コア２８は、一般的に圧縮可能で従順であり装着者の皮膚を刺激せず、尿や他の一定の身体排出物のような液体を吸収し保持することができる吸収手段であるのがよい。第１図に示されるように、吸収コア２８は、下着面と、身体面と、側縁部と、腰部縁部とを有している。吸収コア２８は、種々の寸法および形状（例えば、矩形、砂時計形、Ｔ形、非対称形など）で、使い捨ておむつに通常使用される種々の液体吸収物品および例えばエアフェルトと一般的に呼ばれている粉砕された木材パルプのような他の吸収物質から製造される。他の適当な吸収物質の例として、クレープ状のセルロース詰綿、コフォームを含む溶融吹込成形されたポリマー、化学的に固められ修正され又は架橋されたセルロース繊維、ティッシュラップ、ティッシュラミネートを含むティッシュ、吸収フォーム、吸収スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収ゲル化材料、或いはこれらと同等な物質、或いはこれらの混合物がある。
吸収コア２８の形体および構造を変えてもよい。（例えば、吸収コア２８は、厚み変動帯域、親水性の勾配、超吸収性の勾配、または低平均密度および低平均坪量の捕捉帯域を有していてもよく、或いは１つ以上の層または構造を備えていてもよい。）しかしながら、吸収コア２８の全体吸収容量は、おむつ２０の設計負荷および意図した使用に適合すべきである。さらに、吸収コア２８の寸法および吸収能力は、幼児から成人に至る装着者に適合するように変えてもよい。
吸収コア２８として使用される吸収構造体の例が、１９８６年９月９日にワイズマン等に付与された米国特許第４，６１０，６７８号（高密度吸収構造体）、１９８７年６月１６日にワイズマン等に付与された同第４，６７３，４０２号（二重層のコアを備えた吸収物品）、１９８９年１２月１９日にアングシュタットに付与された同第４，８８８，２３１号（ダスティング層を有する吸収コア）、１９８９年５月３０日にアルマニー等に付与された同第４，８３４，７３５号（低密度・低坪量の捕捉帯域を有する高密度吸収部材）に記載されている。これらの特許を、ここに参考文献として含める。
バックシート２６は、吸収コア２８の下着面に隣接して配置されており、好ましくは、当該技術分野において周知のような取付け手段（図示せず）によって下着面に接合されている。ここで使用される語“接合”には、要素を他の要素に直接取付けることによって要素を他の要素の固定する形体と、他の要素に取付けられている中間部材に要素を取付けることによって要素を他の要素に間接的に固定する形体とを包含している。
例えば、バックシート２６は、接着剤の均一は連続層、接着剤のパターン層、分離線の列、又は接着剤のスパイラル又はスポットによって、吸収コア２８に固定するのがよい。良好であると思われる接着剤が、米国ミネソタ州セントポールのＨ．Ｂ．フラー社によって製造され、ＨＬ−１２５８として販売されている。取付け手段は好ましくは、１９８６年３月４日にミネトーラ等に付与された米国特許第４，５７３，９８６号（使い捨ての排泄物収容下着）に開示されているような、接着剤のフィラメントの開放パターン網を備えており、より好ましくは、１９７５年１０月７日にスプラーグ・ジュニアに付与された同第３，９１１，１７３号、１９７８年１１月２２日にジッカー等に付与された同第４，７８５，９９６号、１９８９年６月２７日にワラインツに付与された同第４，８４２，６６６号に記載されている装置および方法に示されているような、螺旋形に巻かれた接着剤フィラメントの幾つかの線を備えている。これらの特許をここに参考文献として含める。或いは、取付け手段は、熱接着、圧力接着、超音波接着、動的機械接着、或いは当該技術分野において公知の他の適当な取付け手段、または、これらの取付け手段の組合せを含む。
バックシート２６は、液体（例えば、尿）不透過性であり、他の可撓性の液体不透過性材料を使用してもよいが、好ましくは、プラスチック薄膜によって製造される。ここで使用される語“可撓性”は、柔軟で人体の体型および輪郭に容易に順応する材料を意味する。
バックシート２６は、吸収コア２８に吸収され収容された排出物が、シーツや下着のような、おむつ２０に接触している物品を濡らすのを防止する。かくして、バックシート２６は、織布、不織布、ポリエチレンやポリプロピレンの熱可塑性フィルムのようなポリマーフィルム、或いはフィルムで被覆された不織布のような複合材料からなるのがよい。好ましくは、バックシート２６は、約０．０１２mm（０．５ミル）〜約０．０５１mm（２．０ミル）の厚さを有する熱可塑性フィルムである。バックシート２６として特に好ましい材料には、米国インディアナ州テール・オートのトレデガー・インダストリー社によって製造されているような、ＲＲ８２２０インフレートフィルム、ＲＲ５４７５キャストフィルムが含まれる。バックシート２６は好ましくは、布状の外観を提供するように、エンボス加工され、及び／又は、マット仕上げされている。さらに、バックシート２６は、吸収コア２８から蒸気を逃がし（即ち、呼吸可能にし）、かつ、排泄物がバックシート２６を通過するのを阻止する。
第１のトップシート２４と第２のトップシート２５は各々、２つの主要面を有している。第１のトップシート２４は、装着者の方へ向いた第１の主要面と、第２のトップシート２５の方へ向いた第２の主要面とを有している。第２のトップシート２５は、第１のトップシート２４の方へ向いた第１の主要面と、吸収コア２８の方へ向いた第２の主要面とを有している。
第１のトップシート２４は、第２のトップシート２５の身体面と並置されているが、第２のトップシート２５の身体面に隣接していることは必ずしも必須ではなく、好ましくは、当該技術分野において周知のように、バックシート２６又は第２のトップシート２５に接合されている。適当な取付け手段が、バックシート２６の吸収コア２８への接合に関連して上記に記載されている。本発明の好ましい実施例では、第１のトップシート２４とバックシート２６は、おむつの周囲において互いに直接接合されている。
第１のトップシート２４は、柔軟で柔らかい感触であり、装着者の皮膚を刺激しない。さらに、第１のトップシート２４は、液体透過性であり、液体（例えば、尿）をその厚さを通して容易に浸透させる。適当な第１のトップシート２４は、多孔質フォーム、網状フォーム、孔開きプラスチックフォーム、（例えば、木繊維や綿繊維のような）天然繊維の織布または不織布ウェブ、（例えば、ポリエステル又はポリエチレン繊維のような）合成繊維、或いは天然繊維と合成繊維の組合せから製造することができる。好ましくは、第１のトップシート２４は、装着者の皮膚を吸収コア２８に収容された液体から隔離するため、疎水性材料で形成されている。或いは、トップシート２４は、疎水性にするために界面活性剤で処理してもよい。
第１のトップシート２４を製造するのに使用される多くの製造技術がある。例えば、第１のトップシート２４は、スパンボンデッドされ、けば立てられ、湿式堆積され、溶融吹き込みされ、ハイドロエンタングルされた繊維の不織布ウェブ、或いは、これらの複合ラミネート等であるのがよい。好ましい第１のトップシート２４には、ワイヤ形成スクリーン上でハイドロエンタングルされ、不織布の技術において周知の熱通風接着された、けば立てられた複合材料、およびハイドロフォームされたフィルムが含まれる。
第１のトップシート２４は、最少のトップシート浸透性を有する第１のトップシート２４の表面積に応じて、最少のトップシート浸透性を有している。もちろん、トップシート浸透性は、第１のトップシート２４の領域全体にわたって同じである必要はない。肛門と位置合わせされた第１のトップシート２４の領域は、第１のトップシート２４の中心を離れた領域よりも、比較的大きなトップシート浸透性を有している。
低粘度糞便を処理するのに必要な最少トップシート浸透性と、この最少容量を有する第１のトップシート２４の表面積との間には、逆の関係がある。第１のトップシート２４の表面積の大部分が低粘度糞便を処理するのに十分なトップシート浸透性を有しているので、必要なトップシート浸透性が減少する。
いずれにしても、第１のトップシート２４の少なくとも３０in2がこのようなトップシート浸透性を有し、好ましくは第１のトップシート２４の少なくとも４５in2がこのようなトップシート浸透性を有している場合には、第１のトップシート２４は、少なくとも約０．２５ｇ／in2のトップシート浸透性を有するべきである。肛門にぴったりと位置合わせされている第１のトップシート２４のうち最少４in2が、低粘度糞便を処理するのに必要であると信じられている。このような比較的小さな領域の第１のトップシート２４が設けられている場合には、第１のトップシート２４のこの領域は、少なくとも０．５０ｇ／in2、好ましくは少なくとも約０．６０ｇ／in2のトップシート浸透性を有するべきである。
トップシート浸透性と、低粘度糞便を処理するのに必要な第１のトップシート２４の最小表面積およびこのようなトップシートを有するおむつ２０について低粘度糞便を処理するための好ましい表面積とのトレードオフが、以下の第Ｉ表に示されている。

トップシート浸透性は、以下の試験によって測定される。この測定に使用される装置３９は、第３図および第３Ａ図に示されている。
プレート４２に取付けられた中空のステンレス鋼のシリンダ４０が提供される。ステンレス鋼のシリンダ４０は、高さが７．５cm（２．９５in）、内径が５．０８cm（２．００in）、外径が６．３cm（２．４８in）である。シリンダ４０の底部は、プレートの下方に３．５mm延びており、環状厚が３．５mmのリップを有している。リップ４３は、後述するような糞便の類似物がサンプルの指定した試験領域から漏れるのを阻止する。
また、１００．６ｇの重り４４が準備される。重り４４がシリンダ４０内にぴったり嵌まり込むがシリンダ４０の穴全体にわたって自由に摺動することができるように、重り４４も円筒形であり、直径は５．０８cm（２．０in）である。かかる構成により、４９．５７kg／m2（０．０７１lb／in2）の圧力、３．１４２in2の試験領域を提供する。所望ならば、シリンダ４０に挿入したりシリンダ４０から取り出したりできるように、重り４４にハンドル４５を設けてもよい。
試験すべきサンプル４６を準備する。サンプル４６は、既存のおむつ２０から切り取ってもよく、或いは、原材料で供給してもよい。サンプル４６は、１０．１６×１０．１６cm（４×４in）の正方形に切断される。
支持体４７および高坪量の吸取紙を０．０１グラムまで計量する。次いで、サンプル４６をポリオレフィンフィルムの支持体４７で形成された大きなセルの真空中に置く。第３Ａ図に示されるように、支持体は好ましくは、最も遠い対向辺間の距離が約４mm、最も近い頂点間の距離が約３mmの細長い六角形の孔を有しており、米国インディアナ州テール・オートのトレデガー社からＸ５７９０として入手できる。
サンプル４６をおむつ２０から切り取った場合には、サンプルは、第１のトップシート２４のみを有している。サンプル４６は、第２のトップシート２５または吸収コア２８の部分を有していなくともよい。おむつ２０からサンプル４６を取り出すときには、サンプル４６を壊さないように、或いは第１のトップシート２４を変形させないように、注意しなければならない。おむつ２０からサンプル４６を取り出すのが困難である場合には、サンプル４６とおむつ２０の周囲部分を冷凍するのがよい。冷凍は、米国マサチューセッツ州ワルサムのフィリップＥＣＧ社によって製造されているＰＨ１００−１５循環冷凍器を使用して実施するのがよい。
支持板４７を、高坪量の吸取紙（図示せず）の上に置く。高坪量の吸取紙は、坪量が０．０９２５ｇ／in2、厚さが約０．７５mm（０．０３０in）の湿式堆積された１００パーセントのセルロース繊維で形成されている。適当な吸取紙は、米国ペンシルベニア州マウントホリースプリングスのノールトン・ブラザーズのイートン・ダイクマン・ディビィジョンによって製造されている９８９フィルタペーパーである。
シリンダ４０をサンプル４６の中央に置く。５〜６mmの開口を有するシリンジが、シリンダ４０の穴を通ってサンプル４６の頂部に１０cm3の試験流体を分配する。試験流体は、後述のように処方された類似物である。１００．６グラムの重り４４をシリンダ４０の穴から挿入し、試験流体の上に２分間静かに置く。
２分後、重り４４をサンプル４６から取り除く。支持体４７と平行にサンプル４６を引っ張ることによって、サンプル４６を支持体４７から取り除く。次いで、支持板４７と高坪量の吸取紙を計量する。トップシートの浸透性は、サンプル４６を通って単位領域に浸透する試験流体によって生ずる、支持板４７と高坪量の吸取紙の組み合わせ重量で増加する。
試験流体は、米国オハイオ州ブレックスビルのＢ．Ｆ．ゴードリッチ社から入手できるカルボポール９４１、或いは等価なアクリルポリマー３重量パーセントを、ハンドヘルド式電気ミキサを使用して、５分間、希釈水中に混合することによって生成される類似物である。この混合物は、少なくとも１２時間平衡され、７２時間以内にトップシート透過性試験に使用される。
第１のトップシート２４は、少なくとも０．２mm2、好ましくは少なくとも０．３mm2の有効孔径をもつ孔を形成することによって、第Ｉ表に示されたトップシート浸透性能力を達成することができる。効果的な孔は、後述する仮想的な捕捉パラメータの下で、グレイレベル１８、或いは標準的なグレイレベルスケール０〜２５５以下を有するものである。
効果的な孔径および比率の開放領域は、後述する像分析システムを使用して、以下の手順によって決定される。手順は、３つの主要な段階、すなわち（第１のトップシート２４の表面に典型的な像領域を得る）像捕捉、（像および個々の孔とその周囲の開放領域の割合を測定する）像測定、（度数分布、領域分布の計、流体半径の計算が行われるスプレッドシートに、開放領域の割合、個々の孔面積および周囲測定値を提供する）データ分析を有している。
フレームグラバーボード、顕微鏡、カメラおよび像分析用ソフトウェアを有する像分析システムを利用する。米国マサチューセッツ州マルボローのデータトランスレイション社から入手できるモデルＤＴ２８５５のフレームグラバーボードを準備する。ＶＨ５９００モニター顕微鏡、米国ニュージャージー州フェアローンのケイエンス社から入手できる接触型の照明ヘッドを備えたＶＨ５０レンズを有するビデオカメラも準備し、コンピュータファイルにセーブする像を捕捉するのに使用する。ケイエンス顕微鏡は像を捕捉し、フレームグラバーボードは、この像のアナログ信号を、コンピュータで読み取り可能なデジタル・フォーマットに変換する。像をコンピュータファイルにセーブし、米国ワシントン州エドモントのビオスキャン社から入手できるオプティマス・イメージ・アナリシス（バージョン３．１）のような適当なソフトウェアを使用して測定する。オプティマス・イメージ・アナリシスを使用するためには、コンピュータには、米国ワシントン州レドモントのマイクロソフト社のウィンドウズ（バージョン３．０以降）がインストールされているべきであり、コンピュータのＣＰＵは、少なくともインテル８０３８６と同等であるべきである。適当なデスクトップ型のパソコンを使用するのがよく、４８６ＤＸ３３型のパソコンが特に適当であることが分かっている。ファイルにセーブされファイルから呼び出される像は、約５０Ｘのファイナルディスプレイマグニフィケーションを備えたソニーのトリニトロンモニターＰＶＭ−１３４３ＭＯに表示した。
上述の像捕捉段階は、特定の型式のおむつ２０の典型的な第１のトップシート２４から、或いは試験すべきサンプル材料から１０の異なる領域を必要とする。各領域は、約５．８mm×４．２mmの矩形である。サンプルは、孔と、孔を構成するサンプルの部分とのコントラストを増大させるため、黒色のマットボードに置かれる。マットボードの平均グレイレベルと標準偏差は、それぞれ１６と４であった。
サンプルのすぐ上方のコピースタンドに取付けられたケイエンスのモニター顕微鏡を使用して、室内灯を消して像を捕捉する。サンプルを照明するケイエンスの光源を、オプティマスのソフトウェアを使って調整し監視し、米国ニューヨーク州ロチェスターのイーストマンコダック社から入手できるコダックグレイスケールで、０．３密度ウェッジの平均グレイスケールと標準偏差を測定する。ケイエンスの光源は、照明ウェッジの平均グレイレベルが１１１±１であり且つ標準偏差が１０±１であるように、調整される。単一の期間で全ての像を捕捉し、像捕捉プロセス全体にわたる平均グレイスケールおよび標準偏差を測定することによって、ケイエンスの光源を監視する。
個々の孔の測定に際しては、有効孔径のみが重要である。有効孔径の測定は、第１のトップシート２４の多孔率に寄与し、孔領域を横断する繊維および繊維束の寄与について説明するようになった孔径の量を定める。有効孔径は、ここで記載されているような像捕捉パラメータを使用して１８又は１８以下のグレイスケールを有する第１のトップシート２４を通る孔である。かくして、意図した孔を、横断繊維によって複数の有効孔に分割するのがよい。
像分析用ソフトウェアは、サンプル像から捕捉される標準像によって、ミリ単位で校正される。ノイズを減少させるため、オプティマス３．１イメージメニューで見られる３×３ピクセルの平均化フィルタをセーブした各像に加える。孔は、０〜１８のグレイレベルで検出する。５．８×４．２の視認領域内に完全に収容されない孔は、個々の領域および周囲パラメータの測定では考慮されない。したがって、領域および周囲平均と分布は、視野に完全には含まれない孔によって影響されない。
しかしながら、像に完全には見ることができない個々の孔が、開放領域の比率の計算に含まれる。開放領域の比率が像のピクセルの全体数に対して０〜１８の像ピクセル比であるにすぎないので、このような差が生ずる。１９以上のグレイレベルを有する領域は、開放領域の計算では勘定に入れなかった。
第１のトップシート２４の各々について平均して１０の像の開放領域の割合を、オプティマス・イメージ・アナリシスを使用して測定した。開放領域の割合は、像のピクセルの全体数に対する、０〜１８のグレイレベルを有するピクセルの数の比率として定義される。開放領域の割合は、第１のトップシート２４のサンプルから或る特定の領域を表す各像について測定される。次いで、１０の個々の像の各々からの開放領域の割合を平均して、サンプル全体についての開放領域の割合を得る。
データ分析は、マイクロソフト社の表計算ソフト・エクセルによって行う。表計算ソフト・エクセルにより、オプティマスから得られた開放領域の割合、孔領域、孔周囲測定値を体系的に整理した。表計算ソフト・エクセルを使用して、個々の孔について、サンプルの平均値、標準偏差、個々の孔領域の寸法および度数分布、および（面積を周囲で割った）流体半径計算値を得る。
表計算ソフト・エクセルを使用して、此の孔領域の分布も計算する。孔は、一定寸法のビンに分類される。重要な範囲の一定の孔寸法に属する孔領域の数、ならびに各範囲の領域の総計を決定する。範囲は、０．０５mm2の増分で設定される。これらの領域は、サンプルの全体開放領域の百分率として表される。領域の度数分布および総計は、各サンプルについて１０の像の全てから個々の孔の測定値を結合することによって得られる。
個々の孔の流体半径は、表計算ソフト・エクセルによって計算される。流体半径は、オプティマスから得られるような、それぞれの周囲によって分割された個々の孔領域であるとみなされる。
孔の流体半径が計算されると、一定範囲内の流体半径の分布は、容易に決定される。さらに、一定の寸法範囲内の孔の流体半径の分布も、容易に決定される。
上述の手順を利用して、０．２mm2以上の孔によって寄与される有効開放領域のトップシート浸透性の割合および孔の平均流体半径を測定した。これらの試験結果を第II表に示す。
以下の第II表は、種々の市販のおむつ２０から得られた従来技術のトップシート浸透性（ｇ／in2）及びおむつ２０の第１のトップシート２４として使用するために供給された種々の市販の従来技術の材料のトップシート浸透性（ｇ／in2）を示している。また、本発明による第１のトップシート２４のための種々の材料についてのトップシート浸透性能力も示している。第II表の第１欄は、第１のトップシート２４を採取した製品の市販名称、或いは、サンプルを市販のおむつから採取しなかった場合には第１のトップシート２４の名称を示している。第２欄は、トップシート浸透性（ｇ／in2）を示している。第３欄は、有効開放領域の比率を示している。第４欄は、０．２mm2以上の孔による有効開放領域を示している。第５欄は、０．１〜０．２mm2の孔の平均流体半径を示している。

第II表によって示されるように、トップシート浸透性と有効開放領域との間には、直接的な相関関係がある。この相関関係は、より小さな相関を示すが、トップシート浸透性と０．２mm2以上の孔によって寄与される有効開放領域との間に直接相関がある、第４Ａ図〜第５図に対して以下で議論される。第４Ａ図〜第６図におけるデータポイントの番号は、第II表で使用された番号に対応している。
第４Ａ図および第４Ｂ図は、小径の孔によって寄与される有効開放領域がトップシート浸透性に特別に寄与しないことを示している。第４Ａ図および第４Ｂ図は、有効開放領域の割合が増加するにつれて、トップシート浸透性も増加することを示している。０．２ｇ／in2或いはそれ以下のトップシート浸透性を有するデータポイントは、従来技術によるおむつ及び材料を示している。０．４ｇ／in2以上のトップシート浸透性を有するデータポイントは、本発明による第１のトップシート２４を示している。
しかしながら、第４Ａ図は、有効開放領域の割合とトップシート浸透性との間の単調でない関係を示している。かかる単調でない関係は、従来技術のサンプルと本発明によるサンプルの両方において明白である。
第４Ｂ図を参照すると、０．２ｇ／in2以上の孔については、この単調でない関係は、本発明によるサンプルの全て及び従来技術のサンプルの全て（１つではない）に対して消失する。かくして、第４Ｂ図は、特別の最小寸法を有する有効孔のみが、第１のトップシート２４を通して糞便を移送させるのに効果があることを示している。好ましくは、本発明による第１のトップシート２４は、少なくとも０．１mm2、より好ましくは少なくとも０．２mm2の孔を有している。
第５図を参照すると、上述の単調でない関係が存在しているが、全体有効開放領域と０．２mm2以上の孔による有効開放領域との間に弱い関係があることが分かる。したがって、第５図は、如何なる割合の有効開放領域が異なる孔径の間に配分されるかが、低粘度の糞便を移送する際の本発明による第１のトップシート２４の効果に関する要因であることを確認している。
一般的に、有効開放領域の所定の割合について、十分なトップシート浸透性を得るために、第１のトップシート２４には大きな孔径が望ましい。もちろん、孔は大きすぎてはならないが、糞便が第１のトップシート２４を通過した後は孔が装着者を糞便から効果的に隔離することができないので、糞便は依然として装着者の皮膚に当たっている。
第４Ａ図、第４Ｂ図および第５図を参照すると、本発明による使い捨て吸収物品における第１のトップシート２４は好ましくは、少なくとも１２パーセント（好ましくは、少なくとも１５パーセント、より好ましくは、少なくとも２０パーセント）の有効開放領域を有することによって得られる、上述の第Ｉ表に記載されたトップシート浸透性を有している。
第６図を参照すると、流体半径によって決定されるような孔の形状がトップシート浸透能力に影響を及ぼすことが分かる。一般に、平均流体半径とトップシート浸透性との間に直接的な相関関係がある。第６図は、０．２mm2以上の孔を考慮した場合に、非限定孔径から生ずる変動を減少させるために、０．１〜０．２mm2の寸法を有する孔に限定されている。サンプル番号７、９は、第６図には含まれていない。何故ならば、サンプル番号７、９が０．１〜０．２mm2の孔を有していないからである。
引き続き、第６図を参照すると、０．１〜０．２mm2の有効径を有する孔の平均流体半径が、好ましくは少なくとも０．０６mm、より好ましくは少なくとも０．０８mm、最も好ましくは少なくとも０．１０mmであることが分かる。
適当な第１のトップシート２４は、約２８ｇ／ｍ2（0.119lbs/3,000 ft2）の坪量と離散した孔を有する不織布ウェブの形態で提供される。このような不織布ウェブは、米国サウスカロライナ州シンプソンビルのファイバーウェブ社から番号７１９２．３６．１として入手できる。
第２のトップシート２５は、好ましくは０．２０ｇ／in2以下（より好ましくは０．１５ｇ／in2以下）のトップシート浸透性を有している。第２のトップシート２５は、第１のトップシート２４を通過する糞便を第２のトップシート２５が容易に受け入れ、糞便を不動にし好ましくは脱水するために、第１のトップシート２４よりもかなり小さなトップシート浸透性を有していることが重要である。糞便を第１のトップシート２４の下で不動にすることによって、糞便は、おむつ２０の周囲に拡散しにくくなり、漏れにくくなり或いは装着者の皮膚に付着しにくくなる。
さらに、糞便が第２のトップシート２５の上で且つ第１のトップシート２４の下で不動された場合には、この位置で糞便を脱水することができる。糞便の脱水は、粘度が低くない糞便を装着者の皮膚に接触させたままにするという利点を達成する。
このような第２のトップシート２５は、約１８ｇ／ｍ2（11.06bs/3,000 ft2）の坪量および離散した孔を有しない不織布ウェブの形態で提供される。このような不織布は、米国サウスカロライナ州シンプソンビルのファイバーウェブ社から番号６６２２０として入手できる。
第２のトップシート２５は、第１のトップシート２４の周囲のみに接合されるべきである。小さな周囲領域の範囲内の第２のトップシート２５のうちせいぜい５０パーセントが、第１のトップシート２４に接合される。第２のトップシート２５は、低粘度の糞便の浸透を最大にし再湿潤を最小にするため、周囲領域内の離散した局所領域において第１のトップシート２４に接合されている。第２のトップシート２５および吸収コア２８に負荷された後、糞便の尿または液体成分が第１のトップシート２４の身体側（すなわち、第１の主要面）に戻るとき、再湿潤が生ずる。
所望ならば、第１のトップシート２４と第２のトップシート２５は、おむつ２０の周囲の内部の箇所で互いに接着してもよい。このような接着をする場合には、接着は好ましくは、離散した箇所で行われる。このような接着は、第１のトップシート２４が第２のトップシート２５からＺ方向に約０．５〜７．６cm（０．２〜３．０in）離れるような形態とすべきである。接着箇所が互いに密接している場合には、接着箇所はせき止め効果を形成し、第１のトップシート２４と第２のトップシート２５との間に捕捉された低粘度の糞便がＸ−Ｙ方向に移動するのを阻止する。極端な場合には、密接している接着箇所は、第１のトップシート２４を通る低粘度糞便の浸透を阻止し或いは実質的に最小にする。或いは、接着箇所が離れすぎている場合には、第１のトップシート２４と第２のトップシート２５との間に過剰なＺ方向の分離が生じ、おむつ２０は装着者の臀裂で不安定になる。
特に好ましい実施例は、離散した超音波接着の２つの長さ方向に配向されたストライプを利用している。離散した超音波接着部は、直径が約２mmである。各超音波接着部は、隣接する超音波接着部から約０．３cm（０．１２in）のピッチで長さ方向に間隔を隔てており、蛇状のパターンで配列されている。ここに記載されている実施例について、２つの長さ方向に配向したストライプは、横断寸法が約１４cm（５．５１in）のコア２８を有するおむつ２０では、約４cm（１．５in）の距離だけ横断方向に分離している。
選定した接着パターンにかかわらず、第１のトップシート２４の表面積の好ましくは５０パーセント以下（より好ましくは、２５パーセント以下）を、脚部カフスの間で或いはおむつ２０が二重脚部カフスを有している場合には内部の脚部カフスの間で第２のトップシート２５に接合する。
好ましくは、第２のトップシート２５の表面積のより大きな割合が吸収コア２８に接合される。第２のトップシート２５が吸収コア２８に接合される場合には、糞便が不動にされると、糞便の最大脱水が生ずる。好ましくは、第２のトップシート２５は、網状の幅狭ビード熱溶融接着剤のような接着パターンによって、その表面積の少なくとも５０パーセントにわたって吸収コア２８に接合される。
おむつ２０は更に、液体および他の身体排出物の良好な収容を提供する弾性の脚部カフス（図示せず）を備えている。弾性の脚部カフスは各々、脚部領域における身体排出物の漏洩を減少させるための幾つかの異なる実施例を備えている。（脚部カフスは、脚部バンド、側部フラップ、遮断カフス、又は弾性カフスと呼んでもよく、或いは、そのように呼ばれることもある。）米国特許第３，８６０，００３号は、弾性の脚部（ガスケッティング・カフス）を形成するため、側部フラップおよび１つ以上の弾性部材を有する収縮可能な脚部開口を備えた、使い捨ておむつ２０を開示している。１９９０年３月２０日にアジズ等に付与された米国特許第４，９０９，８０３号（弾性のフラップを有する使い捨て吸収物品）が、脚部領域の収容を向上させるため、“スタンドアップ”弾性フラップ（遮断カフス）を有する使い捨ておむつ２０を開示している。１９８７年９月２２日にローソンに付与された同第４，６９５，２７８号（二重カフスを有する吸収物品）は、ガスケッティングカフスと遮断カフスを備えた二重カフスを有する使い捨ておむつ２０を開示している。
好ましくは、おむつ２０は更に、良好なフィット感と収容を提供する弾性腰部要素（図示せず）を備えている。弾性腰部要素は、弾性的に膨張し且つ装着者の腰部に動的にフィットするようになった、おむつ２０の部分または帯域である。弾性腰部要素は、吸収コア２８の腰部縁部の少なくとも１つから長さ方向外方に少なくとも延びており、全体としておむつ２０の端縁部の少なくとも一部を形成している。使い捨ておむつを単一の弾性腰部要素で構成してもよいが、使い捨ておむつは一般的に、２つの弾性腰部要素（すなわち、第１の腰部領域２７に位置決めされている要素と、第２の腰部領域２９に位置決めされている要素）を有するように構成されている。更に、弾性腰部要素またはその構成要素のいずれかがおむつ２０に取付けられた別個の要素を備えていてもよいが、弾性腰部要素は好ましくは、バックシート２６または第１のトップシート２４のようなおむつ２０の他の要素（好ましくは、バックシート２６と第１のトップシート２４の両方）の延長部として構成されている。弾性腰部バンドは、１９８５年５月７日にキービット等に付与された米国特許第４，５１５，５９５号および上述の米国特許出願第０７／７１５，１５２号（これらを参考文献としてここに含める。）に記載されているものを含む、多数の異なる形態で構成される。
おむつ２０は又、おむつ２０を装着者の身体に維持するためおむつの周囲に側方引っ張りが維持されるように、第１の腰部領域２７と第２の腰部領域２９を重なり形態に維持する側部閉鎖体を形成するファスナシステム３６を備えている。典型的なファスナシステムが、１９８９年７月１１日にスクリップスに付与された米国特許第４，８４６，８１５号（改良したファスナ装置を有する使い捨ておむつ）、１９９０年１月１６日にネスタガードに付与された同第４，８９４，０６０号（改良したフックファスナ部分を備えた使い捨ておむつ）、１９９０年８月７日にバトルに付与された同第４，９４６，５２７号（感圧接着剤ファスナおよびこのファスナを製造する方法）、１９７４年１１月１９日にブールに付与された同第３，８４８，５９４号（使い捨ておむつ用のテープファスナシステム）、１９８７年５月５日にヒロツ等に付与された同第Ｂ１ ４，６６２，８７５号（吸収物品）および上述の米国特許出願第０７／７１５，１５２号に記載されており、これらを参考文献としてここに含める。
おむつ２０は好ましくは、一方の腰部領域（好ましくは、第２の腰部領域２９）を装着者の背中の下に位置決めし、他方の腰部領域（好ましくは、第１の腰部領域２７）が装着者の前部に位置決めされるように装着者の脚部間におむつ２０の残部を引っ張ることによって、装着者に付けられる。次いで、ファスナシステムのテープタブ３６を剥離部分から取り外す。すると、おむつは装着者の回りで弾性の側部パネルを包囲し、タブ部分を把持する。ファスナシステムは、２つの側部閉鎖を行うため、おむつ２０の外面に固定される。
本発明の特定の実施例について説明してきたが、本発明の精神と範囲から逸脱することなしに、種々の変形および修正をなし得ることは当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるこのような変形および修正は全て、添付の請求の範囲に包含される。

Claims (10)

1. 流体をその厚さを通して透過させる液体透過性を有する第１のトップシート（２４）と、第２のトップシート（２５）と、吸収コア（２８）と、少なくとも周囲の一部が前記第１のトップシート（２４）と前記第２のトップシート（２５）のうちの１つに接合された液体不透過性のバックシート（２６）とを有し、前記吸収コア（２８）は前記第１のトップシート（２４）と前記バックシート（２６）の間に配置され、前記第２のトップシート（２５）は前記第１のトップシート（２４）と前記吸収コア（２８）の間に配置され、前記第２のトップシート（２５）は２つの主要面を有し、第１の主要面は前記第１のトップシート（２４）に向いており、第２の主要面は前記吸収コア（２８）に向いている、使い捨て吸収物品（２０）において、
   前記第１のトップシート（２４）は少なくとも０．２５ｇ／in²のトップシート浸透性を有し、
   前記第２のトップシート（２５）は０．２０ｇ／in²より小さいトップシート浸透性を有し、
   前記第２のトップシート（２５）の前記第１の主要面の面積の５０％より小さい表面積が前記第１のトップシート（２４）に接合され、
   前記第２のトップシート（２５）の前記第２の主要面の面積の５０％以上の表面積が前記吸収コア（２８）に接合されている、ことを特徴とする使い捨て吸収物品。
2. 前記第１のトップシート（２４）は少なくとも０．４０ｇ／ｉｎ²のトップシート浸透性を有している、請求項１に記載の使い捨て吸収物品。
3. 前記第１のトップシート（２４）は少なくとも０．５０ｇ／ｉｎ²のトップシート浸透性を有している、請求項２に記載の使い捨て吸収物品。
4. 前記第１のトップシート（２４）は少なくとも０．６０ｇ／ｉｎ²のトップシート浸透性を有している、請求項３に記載の使い捨て吸収物品。
5. 少なくとも０．２５ｇ／ｉｎ²のトップシート浸透性を有する第１のトップシート（２４）を少なくとも３０ｉｎ ² 含む装着者に向いた表面積を有する請求項１に記載の使い捨て吸収物品。
6. 少なくとも０．５０ｇ／ｉｎ²のトップシート浸透性を有する第１のトップシート（２４）を少なくとも４ｉｎ ² 含む装着者に向いた表面積を有する請求項１に記載の使い捨て吸収物品。
7. 前記第１のトップシートは少なくとも１５パーセントの有効開放領域を有する、請求項１に記載の使い捨て吸収物品。
8. 前記第１のトップシート（２４）は有効寸法が０．１ｍｍ²〜０．２ｍｍ²の複数の孔を有している、請求項１に記載の使い捨て吸収物品。
9. 前記第１のトップシート（２４）は寸法が０．２ｍｍ²より大きい複数の有効孔を有している、請求項１に記載の使い捨て吸収物品。
10. 前記第１のトップシート（２４）は少なくとも０．０６ｍｍの平均流体半径を有する複数の有効孔を有している、請求項９に記載の使い捨て吸収物品。

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