JP3801408B2 - ゲート開閉装置 - Google Patents

ゲート開閉装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3801408B2
JP3801408B2 JP2000051245A JP2000051245A JP3801408B2 JP 3801408 B2 JP3801408 B2 JP 3801408B2 JP 2000051245 A JP2000051245 A JP 2000051245A JP 2000051245 A JP2000051245 A JP 2000051245A JP 3801408 B2 JP3801408 B2 JP 3801408B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drum
gate
closing device
hydraulic cylinder
hydraulic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000051245A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001241028A (ja
Inventor
真人 三橋
晴彦 平野
幸典 鹿野田
史昭 柳田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2000051245A priority Critical patent/JP3801408B2/ja
Publication of JP2001241028A publication Critical patent/JP2001241028A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3801408B2 publication Critical patent/JP3801408B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水門のゲートの開閉装置に関し、特に、水門を昇降させるワイヤを巻き出し、巻き戻しするドラムの作動を油圧シリンダの伸縮により行うようにしたゲート開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のゲート開閉装置のゲート昇降に使用される昇降装置には、例えば、一つのドラムに一対のワイヤを巻き付け、一対のワイヤでゲートを吊る形式のものと、個々に設けた左右一対の各ドラムに巻き付けた各ワイヤでゲートをそれぞれ吊る形式のものとがあり、通常はこれらドラムの何れも電動モータによって駆動されるものが採用されている。
すなわち、1つのドラム形式のものであれば、歯車による伝達機構中に設けたレバーの切り換えで正転逆転する機構を介在させ、ワイヤのドラムからの巻き出し、巻き込みを行うことにより、ワイヤで吊り下げた水門を下降、昇降させて、水門の開閉を行うものである。
【0003】
また、一対のドラムを備えた形式のものであると、一つの電動モータで双方のドラムを同方向に、及び互いに逆転するように、更に切り換えて運転する必要があり、それらの運転は、一般にクラッチ機構により行うようにしている。
また、前述したように各形式の昇降装置の水門を昇降させるワイヤエンドはドラムを設置する架台に止め具を介して締結されるが、この止め具にはワイヤの過負荷を緩和するコイルバネや、過負荷時にドラムの回転を停止指令するリミットスイッチなどを備えたものがある。
【0004】
図6はゲート開閉装置の全体配置の1例を示す図で、図6(a)は平面図、図6(b)は正面図、図6(c)は側面図である。
図6(a)に示すように、ゲート開閉装置を設置する場所に立設された支持体1a上に設置された建物1の床面1b上には、右側取水ゲート用開閉装置2Aと左側取水ゲート用開閉装置2Bとからなる取水ゲート用開閉装置2、右側点検ステージ用開閉装置3Aと左側点検ステージ用開閉装置3Bとからなる点検ステージ用開閉装置3、および右側制水ゲート用開閉装置4Aと左側制水ゲート用開閉装置4Bとからなる制水ゲート用開閉装置4が、床面1bのそれぞれ左右に配設された架台上に設置されている。
【0005】
また、床面1bの右側取水ゲート用開閉装置2Aと右側制水ゲート用開閉装置4Aとの間には上水道側戸溝蓋開閉装置5が、さらに、左側制水ゲート用開閉装置4Bと建物1の外側面との中間部の床面1b上にはダム側戸溝蓋開閉装置6がそれぞれ設けられると共に、右側制水ゲート用開閉装置4Aと建物1の外側面との間には階段7が設けられている。
【0006】
図6(b)に示すように、取水ゲート用開閉装置2のうちの右側取水ゲート用開閉装置2Aは、2つのドラム8からなる2胴式ドラムのものが採用され、また、左側取水ゲート用開閉装置2Bは、単一のドラム8からなる1胴式ドラムのものが採用され、右側取水ゲート用開閉装置2Aからは、各ドラム8からそれぞれワイヤ9が巻き出し、巻き込みできるようにされて、さらに、左側取水ゲート用開閉装置2Bの単一のドラム8は、軸方向中央部に仕切部を設けて左右に仕切り、仕切部の近傍の両側から同様に2本のワイヤが巻き出し、巻込みできるようにされている。
【0007】
これらのワイヤ8は、図6(c)に示すように、水流の方向と直交して止水面が配設されたゲート10の頂端に設置されたシーブ11に巻回されて、ドラム8からの巻き出し、巻き込みにより、ゲート10を下降又は昇降させるようにしている。
【0008】
次に、図7は図6に示した開閉装置のうち、従来型の水門のゲート開閉装置の1例として、左側制水ゲート用開閉装置4Bの詳細を示す図で、図7(a)は平面図、図7(b)は正面図、図7(c)は側面図である。
図に示すように、この左側制水ゲート用開閉装置4Bは、ワイヤロープウィンチ式の開閉装置であり、駆動には(直流)電磁ブレーキ12を具えた電動モータ13を使用し、大きな減速比を有する減速機14を介して、ワイヤ9の巻き上げ、巻き戻し用のドラム8を回転させるようにしている。
【0009】
すなわち、ゲートを開閉するこのようなワイヤロープウィンチ式の開閉装置では、ドラム回転数が非常に遅く、かつ、引き上げに要するトルクが非常に大きいため、減速比の大きな減速機14を使用しているために、減速機14設置用に大きなスペースを必要としていた。
また、減速比が大きいため、特に、始動時のエネルギー効率が悪く、電動モータ13の容量を大きくする必要が生じていた。
なお、同図において15はチェーンカップリング、16はギャカップリング、17は集中給油ポンプ、18はスタンド式開度計、19はシーブ、20は制御用開閉器、21は過負荷及びロープゆるみ検出器、22は非常上限検出器である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述したように、取水ゲート用又は点検ステージ用若しくは制水ゲート用等のゲート開閉装置として、従来から使用されているワイヤロープウィンチ式開閉装置のゲートの上昇、下降を行うために、ワイヤの巻き込み、巻き戻しを行うドラムの回転を行うために電動モータを使用するようにしたことに伴う不具合、即ち、ワイヤロープウィンチ式の開閉装置では、ドラム回転数を非常に遅くする必要があり、かつ、引き上げに要するトルクが非常に大きいため、減速比の大きな減速機を使用する必要があるために、減速機の設置に大きなスペースを必要とし、さらには、減速比が大きくなるために、特に、始動時のエネルギー効率が悪く、電動モータ13の容量を大きくする必要が生じるという不具合を解消するため、ドラムの回転を油圧シリンダの伸縮で行うようにし、水門のゲート開閉用として好適な低速・高トルクの油圧式回転駆動装置にでき、しかも、無給電、センサーレスで切換えができ、油圧シリンダの移動方向と速度をメカニカルに切換えることのできる制御装置を具えて、ドラムの回転方向を自在に制御できるとともに、ドラムの回転数を容易に変化させることができるゲート開閉装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明のゲート開閉装置は、次の手段とした。
【0012】
(1)本発明はその第1の手段として、回転してワイヤを巻き込み、巻きだしゲートを昇降させるドラムを設けたゲート開閉装置において、前記ドラムの軸心から偏位した側端周方に約90°の間隔を設けて枢着されたロッドの枢着点の周方向移動に対応した揺動を行うとともに、供給された油圧により前記ロッドを伸縮させて前記ドラムを回転させる複数の油圧シリンダと、前記油圧シリンダにそれぞれ供給される油圧の油圧回路切換弁とからなり、前記切換弁は前記ドラムの回転に対応して回転するカムにより同切換弁のスプールを押圧して前記油圧シリンダの移動方向と速度とをメカニカルに切換えるものであり、前記油圧シリンダそれぞれに対する前記切換弁は複数個並列に設置され、作動させる同切換弁の個数を増減できるように構成されてなることを特徴とするゲート開閉装置を提供する
【0013】
なお、油圧シリンダはドラムの側端外周面と平行に軸心方向が設定され、ドラムの回転に対応させて伸縮できるようにドラムの側部に設置することが好ましく、また、ドラムの側端外周面の一方のみに複数設けるようにすることもできるが、ドラムの側端外周面の両側に設けることがより好ましく、設置数もドラムの回転に必要とするトルクに対応させて、2個若しくはそれ以上設置するようにすることもできる。
また、油圧シリンダは、ドラムを設置する架台にシリンダ部を枢着することにより、ロッド先端の枢着点のドラム回転に伴う移動方向に合わせて揺動させるようにすることが好ましい。
【0014】
そして、油圧シリンダに供給され、ロッドを伸縮させドラムを回転させる油圧を制御するために油圧回路に設置され、ドラムの回動に対応させてロッドの伸縮量を制御し、油圧シリンダの移動方向と速度とをメカニカルに切換える切換弁を設けている
【0015】
なお、メカニカルに切換える切換弁は、ドラムの回転が伝達されて回転し、ドラムの回転角度に対応して押圧量を変化させて切換弁のスプールを押圧し、切換弁のポートを切換えることができるようにしたカムリングを設けるようにしたものが好ましい。
そして、油圧シリンダそれぞれに対する切換弁は複数個並列に設置され、作動させる切換弁の個数を増減できるように構成されているので、容易にドラムの回転数を変化させることができる。
【0016】
(2)また、本発明は第2の手段として、上記第1の手段のゲート開閉装置において、
前記ドラムの端部または前記油圧シリンダのロッドを締め付けて同ドラムの回動を停止する制動機構を備えてなることを特徴とするゲート開閉装置を提供する。
すなわち、ゲートの落下の危険を回避するため、又はワイヤの異常な張力が発生しワイヤの破損を防止するため、若しくはワイヤの巻きだしにも係わらずゲートが下降せず、ワイヤに緩みが生じるの防止するため、ドラムの回動を緊急に停止させることのできる制動機構を設けることがより好ましい。
この制動機構は、ドラムの外側端に固着された端板を挟み込み、油圧等により締めつけるようにしたものでも、油圧シリンダのロッドを締め付けて固着して伸縮できないようにしたものでもよい。
【0017】
このように本発明のゲート開閉装置では、ドラムの回転を油圧シリンダで行うようにしたため、コンパクトな駆動装置にすることができ、しかも、低速・高トルクでドラムを回動させることができ、従来のワイヤロープウィンチ式ゲート開閉装置では生じていた不具合、即ち、ドラム回転数を非常に遅くする必要があり、且つ、ゲートの引き上げに要するトルクが非常に大きいために、減速比の大きな減速機を必要とするために、減速機が大型化し大きな設置スペースを必要とする不具合、又は減速比が大きいために始動時のエネルギー効率が悪く、容量の大きい電動モータ又は油圧モータが必要となる不具合、又はこれらの不具合に伴い製作費が高価になる不具合を解消することができる。
【0018】
また、回転するドラム回転角度に対応して、油圧シリンダに油圧を供給するための切換弁をメカニカルに切換えることができるものにしたために、無給電、センサーレスでドラム回転角度に対応して油圧シリンダの移動方向と速度とを制御できる制御機構にすることができる。
さらに、ドラムの回転トルクの増大に対しては、油圧シリンダのストロークを長くしたり、又は油圧を高めにすることにより容易に大トルク化が可能になる。
【0019】
また、切換弁をメカニカルに作動するものにしたことにより、センサ等を使用せずに油圧シリンダの移動方向を切り換えることができ、油圧シリンダの移動速度が制御でき、ドラムの回転速度を一定にすることができ、信頼性の高いものにすることができる。
なお、ドラムの回転数を変更する場合には、切換弁の開度を回転数に対応した開度にすればよく、また、回転数に対応した複数個の切換弁を並列に設置し、作動させる切換弁の個数を増減できるように構成したこと、容易に回転数を変化させることができる。
【0020】
さらに、制動機構を設けるようにすれば、ドラムの回動を緊急に停止させてゲートの落下の危険の回避、又は異常な張力が発生したときのワイヤの破損の防止、若しくはワイヤに緩みが生じるの防止することができ、ゲート開閉作業の安全性を高めることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のゲート開閉装置の実施の一形態を図面にもとづき説明する。
なお、図において前述した図6、図7において示した部材、装置と同一のものについては、同一符号を付して詳細な説明は省略することとする。
図1は本発明のゲート開閉装置における、ゲートを昇降させるドラムの回転駆動機構の概要を説明するための駆動機構と油圧回路とを模式的に示す図である。
【0022】
図に示すように、ゲート10を昇降させるためにワイヤ9を巻き込み、巻き出しを行うドラム8には、ドラム8の回転中に発生トルクが0になることを避けるため周方向に略90°の間隔を設けて、2本の油圧シリンダ50のロッド50a先端がドラム8の回転軸56側面の回転軸56の軸心から外れた位置にそれぞれ枢着されている。
【0023】
また、シリンダ50はドラム8の回転により周方向に移動するロッド50aの枢着点の方向に、軸心方向が追従できるように、ドラム8を設置する架台に揺動自在に枢着されている。
さらに、各油圧シリンダ50の両端部には、三方の切り換えができる切換弁51からの作動油が導出入できる2本の配管が、それぞれ接続されており、例えば、左側の油圧シリンダ50のように、ロッド50aが最大長さになったときには、油圧ポンプ55からの油圧がロッド側のポートから油圧シリンダ50内に流入し、ロッド50aを縮退させることにより、ドラム8に回転トルクを与えるようにしている。
【0024】
なお、図においては後述する偏心カム52の回転角度と切換弁51のポート位置との関係を併せて示すようにしているために、右側の油圧シリンダ50を制御する切換弁51の位置は、ロック状態のポート位置になっているが、ドラム8の回転方向によっては、右側の油圧シリンダ50のロッド50aは伸展又は縮退の過程にあるために、油圧シリンダ50の上側又は下側のポートの何れかが油圧ポンプ55の吐出口と連通して、油圧シリンダ50内に油圧を流入させる切換弁51の位置になるようにしている。
【0025】
また、油圧シリンダ50の伸縮、換言すれば、ドラム8をゲートの開閉を行う方向に回転させるための切換弁51は、ドラム8の回転軸56とチェン57で連結され、ドラム8の回転方向と回転角度とが伝達され回動する偏心カム52により、スプール79を押圧して、ドラム8の回転方向および回転角度に対して切換弁51のポート位置を制御するようにした無電力式駆動・制御機構63が採用されている。
また、駆動機構65は、通常、電源58からの電力で駆動されるモータ59で作動する油圧ポンプ55からの油圧を、前述したように油圧シリンダ50に供給する油圧ユニット60、および油圧ポンプ55が作動できないとき、手動ポンプ61からの油圧を油圧シリンダ50に供給する予備動力ユニット62からなる。
【0026】
また、駆動機構65にこのような冗長性を持たせるようにしたにも拘わらず、油圧の油圧シリンダ50への供給が出来ない場合、若しくはドラム8からワイヤ9が繰り出されるにも拘わらずゲート10が下降せず、ワイヤ9にたるみが生じゲート10の落下の危険が生じたとき、又は逆にワイヤ9のドラム8への巻込みにも拘わらずゲート10が動かなくなり、ワイヤ9に異常な張力が生じるときを予測して、ドラム8の端部に端板を固着して設け、この端板53の外周縁を挟み込んで設けたディスクブレーキ64を油圧力で締め付けて、ドラム8の回転ができないようにし、又は油圧シリンダ50と油圧シリンダ50から伸縮するロッド51aとの間に設けた摺動部材を締め付けることにより、油圧シリンダ50とロッド51aとの相対移動ができないようにして、ドラム8の回動ができないようにして、ゲート10の落下の危険を防止すると共に、ワイヤ9の破損を防止することができるようにした後述する制動機構としてのディスクブレーキ64を設けるようにしている。
【0027】
次に、図2は図1で示した回転駆動機構によりドラムを回転させることにより、ゲートの昇降を行わせゲート開閉を行うようにした、本発明のゲート開閉装置の実施の第1形態としての油圧駆動式の水門のゲート開閉装置のドラム、およびその駆動機構を示す正面図である。
【0028】
図に示すように、この装置においてゲート10の昇降を行うためのワイヤ9を巻き取り、又は巻き戻すためのドラム8においては、図1に示すものと異なり、ドラム8の両端から突出され、ドラム軸受66で支持されたドラム軸67の両側端面には、それぞれ周方向に90°の角度差を設けて、ロッド50aの先端をドラム軸67の軸心から外れた位置に枢着した油圧シリンダ50を取付け、この2つのロッド50aを伸縮させることによりドラム8を回転させる機構を採用するようにしている。
また、油圧シリンダ50の移動方向と速度は、油圧シリンダ50への油圧の出入りを制御するようにした、図1に示すような偏心カム52を利用した無電力式駆動・制御機構63の切換弁51によりメカニカルに切換えるようにしている。
【0029】
即ち、この種の装置における通常の油圧回路では、電気式の切換弁が使用されているが、本実施の形態の油圧シリンダでは、前述したように、無電力式の駆動・制御機構63を採用してメカニカルに切換えることのできる制御弁51を用いると共に、通常は制御弁51を介して油圧シリンダ50に供給する油圧は、電動の油圧ポンプ55で発生させゲート10の開閉を行うように油圧ユニット60を設けているが、電動の油圧ポンプ55が稼動できないときも、手動でゲート10の開閉が行えるように、図1に示した手動ポンプ等の予備動力ユニット62を併設した駆動機構65を採用している。
【0030】
また、ゲート10の落下防止のため、図に示すようなドラム8の端部に設けた端板53を挟み込み、押圧してドラム8の回動を止めることのできるディスクブレーキ64からなる制動機構を設けるようにしている。
【0031】
次に、図3は図2に示すA部の具体的な構成、すなわち、ドラム8の駆動と制動とを説明するための詳細図で、図3(a)は側面図、図3(b)は図3(a)の矢視A−A図である。
【0032】
図に示すように、本装置では図2においても説明したように、2本の油圧シリンダ50をドラム8の両側に設置してドラム8を回転させる機構となっている。すなわち、油圧シリンダ50に流入する油圧により、伸縮するロッド50aの先端は、ドラム軸受66で支持されたドラム軸67の両側端から突出させたロッドエンドピン68に、ロッドエンド軸受69を介して軸支されており、また、ロッド50aを伸縮させる油圧シリンダ50の上端部も架台70上に突設されたブラケット71に、トラニオン軸受72を介して枢着されており、ロッド50a先端のロッドエンド軸受69を設けたロッドエンドピン68まわりの回動、トラニオン軸受72による油圧シリンダ50の37.9°の範囲の揺動、およびロッド50aの伸縮の相互作用によりドラム8を回動させるようにしている。
【0033】
また、落下防止用の安全装置(ブレーキ)としてドラム8の側端に取付けた端板(ディスク)53を挟み込むディスクブレーキを制動機構64として使用するようにしている。
【0034】
次に、図4は図2に示すB部の具体的な構成を示し、油圧シリンダ50の移動方向と速度を制御する切換弁のメカニカルな操作機構を説明するための詳細図で、図4(a)は正面図、図4(b)は図4(a)に示す矢視B−B図、図4(c)は図4(b)に示す矢視C−C図、図5は図4(b)にBで示すバルブ駆動部の構造詳細図で、図5(a)は平面図、図5(b)は正面図である。
【0035】
なお、図4に示されたドラム8駆動のための油圧シリンダ50、ロッド50a等の作動は、図3で説明したものと同じであるため説明は省略する。
また、図1に示したように切換弁51本体は、油圧回路で通常使用されるスプールタイプの切換弁であるが、その操作量は、図1に示す回転軸56で駆動されるチェーン57で駆動力が伝達されて回転する、偏心カム52により切換弁51を制御するようにしているが、本実施の形態では、図4(a)に示すようにロッドエンドピン68の端部に固着されたアーム73により、ドラム軸67に偏心させて枢着されたロッド50aの回動に拘わらず、常にドラム軸67同軸上に位置し、軸端が軸受77で支持されたシャフト74上に取付けた駆動リング75に連結されたカムリング76がバルブアーム77の先端に回動自在に取付けたカムローラ78を介して、スプール79を押すことにより操作するようにしたバルブユニット80を設けている。
【0036】
すなわち、偏心したカムリング76の外周に沿って回動するカムローラ78がカムリング76の偏心量に対応して上下動することにより、カムローラ78を設けた側と反対側の端部が切換弁51を収容している箱体上に立設されている支柱に枢着されているため、バルブアーム77はこの枢着点まわりに回転して上下動するため、このバルブアーム77に上端が連結されているスプール79は、ドラム8の回転角度に対応して上下動して、油圧シリンダ50の移動方向と速度をメカニカルに制御することができる。
【0037】
このように、本実施の形態の水門ゲート開閉装置のゲート10の昇降を行うドラム8の駆動は、従来の電動モータ13と減速機14とを使用するものに代え、油圧シリンダ50を使用し、しかもパラレルリンク機構を採用したので、低速・高トルクでドラム8を回転することが可能になり、しかも大きな減速比にするために必要な大きな減速機14を使用する必要が無く、ドラム8を駆動するため装置をコンパクトに設置することが可能となり、設置スペースを小さくすることができる。
【0038】
また、油圧シリンダ50の配置としてはドラム8両側の取付け位置を90°ずらしているので、ドラム8の一回転中に生じることのある発生トルクが0となるのを回避でき、しかも、ドラム8の回転時におけるトルク変動を最小にすることができる。
さらに、ドラム8の両側にシリンダ50を設けるようにして、少くとも2個以上の複数個のシリンダ50を取付けたことにより、さらに、回転トルク変動を小さくすることができる。
【0039】
一般に低速・高トルクの回転駆動装置としては油圧モータが考えられるが、このような油圧モータを使用する場合においても、重量の大きい水門ゲート10を減速機なしで直接回転させ、昇降させることのできる油圧モータはほとんど市場に無く、また、仮にあったとしても非常に高価な製品となる。
これに対して、上述した装置は、通常の油圧回路に使用される油圧シリンダ50や油圧ポンプ55で構成することができるため、前述の油圧ポンプと比較しても安価に製作することが可能になる。
さらに、上述した装置は、大トルクに対応するためには、油圧シリンダ50のストロークを長くしたり、油圧を高くして発生力を大きくすることにより容易に大トルク化が可能になる。
【0040】
また、油圧シリンダ50に油圧を注排する切換弁51に、図5に示すようなドラム8の回転角度により切換えを行うことのできるメカニカルな切換弁51を採用したことにより、センサ等を使用せずに油圧シリンダ50の移動方向を切換えることが可能になり、また、油圧シリンダ50の移動速度を制御し、ドラム8の回転速度を一定とすることが可能となる。またドラム8の回転数を変更したい場合には、切換弁51の開度を全体に比例倍するか、もしくは、複数個の切換弁51を並列に設置し、希望速度に対して作動させる切換弁51の個数を増加させることにより、容易に変更することができる。
【0041】
さらに、上昇させたゲート10の落下を防止する安全装置としては、図2、3に示すような制動機構(ディスクブレーキ)64で端板(ブレーキディスク)54を挟み込み、両者の間に発生する摩擦力でドラム8の回転を強制的に停止させるようにしたので、確実にゲート10の落下を防止できるとともに、ワイヤ9に異常な張力が発生するようなことがあっても、ドラム8の回転を止めることにより確実にワイヤ9の損傷を防止することができる。
なお、安全装置としては図2、図3に示す制動機構64と端板53によるもの以外に、図1において説明したような油圧シリンダ50のロッド50aを挟み込んで固定するようにしたものを採用することもできる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のゲート開閉装置回転してワイヤを巻き込み、巻きだしゲートを昇降させるドラムを設けたゲート開閉装置において、前記ドラムの軸心から偏位した側端周方向に90°の間隔を設けて枢着されたロッドの枢着点の周方向移動に対応した揺動を行うとともに、供給された油圧により前記ロッドを伸縮させて前記ドラムを回転させる複数の油圧シリンダと、前記油圧シリンダにそれぞれ供給される油圧の油圧回路切換弁とからなり、前記切換弁は前記ドラムの回転に対応して回転するカムにより同切換弁のスプールを押圧して前記油圧シリンダの移動方向と速度とをメカニカルに切換えるものであり、前記油圧シリンダそれぞれに対する前記切換弁は複数個並列に設置され、作動させる同切換弁の個数を増減できるように構成されてなることを特徴とするゲート開閉装置とした。
【0043】
これにより、ドラムの回転が油圧シリンダで行われコンパクトな駆動装置にすることができ、しかも、この種のドラムの回転に必要な低速・高トルクで回動させることができ、またコンパクト化に伴い製作費が安価になる。
また、無給電、センサーレスでドラム回転角度に対応した油圧シリンダの移動方向と速度とが制御できる。
さらに、油圧シリンダのストロークを長くし、または、油圧を高めることにより容易に大トルク化が容易になる。
【0044】
さらに、センサ等を使用せずに油圧シリンダの移動方向を切り換えることができ、また、油圧シリンダの移動速度が制御でき、ドラムの回転速度を一定にできるドラムの回転数を変更する場合には、回転数に対応した切換弁の開度にすればよい。また、回転数に対応した複数個の切換弁を並列に設置し、作動させる切換弁の個数を増減できるように構成したことで、容易に回転数を変化させることができる。
そしてさらに、制動機構を設けるようにすれば、ドラムの回動を緊急に停止させてゲートの落下の危険の回避、又は異常な張力が発生したときのワイヤの破損の防止、若しくはワイヤに緩みが生じるのを防止することができ、ゲート開閉作業の安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゲート開閉装置におけるゲートを昇降させるドラムの回転駆動機構の概念を説明するための駆動機構と油圧回路とを示す図、
【図2】本発明のゲート開閉装置の実施の第1形態としてのゲート開閉装置のドラムおよびその駆動機構を示す正面図、
【図3】図2に示すA部の具体的な構成を示す図で、図3(a)は側面図、図3(b)は図3(a)に示す矢視A−A図、
【図4】図2に示すB部の具体的な構成を示す図で、図4(a)は正面部分図、図4(b)は図4(a)に示す矢視B−B図、図4(c)は図4(b)に示す矢視C−C図、
【図5】図4に示すバルブ駆動部構造の詳細図で、図5(a)は平面図、図5(b)は側面図、
【図6】ゲート開閉装置の全体配置の1例を示す図で、図6(a)は平面図、図6(b)は正面図、図6(c)は側面図、
【図7】図6に示す左側制水ゲート用開閉装置の詳細を示す図で、図7(a)は平面図、図7(b)は正面図、図7(c)は側面図である。
【符号の説明】
1 建物
1a 支持体
1b 床面
2 取水ゲート用開閉装置
2A 右側取水ゲート用開閉装置
2B 左側取水ゲート用開閉装置
3 点検ステージ用開閉装置
3A 右側点検ステージ用開閉装置
3B 左側点検ステージ用開閉装置
4 制水ゲート用開閉装置
4A 右側制水ゲート用開閉装置
4B 左側制水ゲート用開閉装置
5 上水道側戸溝蓋開閉装置
6 ダム側戸溝蓋開閉装置
7 階段
8 ドラム
9 ワイヤ
10 ゲート
11 シーブ
12 電磁ブレーキ
13 電動モータ
14 減速機
15 チェーンカップリング
16 ギアカップリング
17 集中給油ポンプ
18 スタンド式開度計
19 シーブ
20 制御用開閉器
21 過負荷及びロープゆるみ検出装置
22 非常上限検出器
50 油圧シリンダ
50a ロッド
51 切換弁
52 偏心カム
53 端板(ブレーキディスク)
55 油圧ポンプ
56 (ドラム)回転軸
57 チェン
58 電源
59 モータ
60 油圧ユニット
61 手動ポンプ
62 予備動力ユニット
63 無電力式駆動・制御機構
64 制動機構(ディスクブレーキ)
65 駆動機構
66 ドラム軸受
67 ドラム軸
68 ロッドエンドピン
69 ロッドエンド軸受
70 架台
71 ブラケット
72 トラニオン軸受
73 アーム
74 シャフト
75 駆動リング
76 カムリング
77 バルブアーム
78 カムローラ
79 スプール
80 バルブユニット

Claims (2)

  1. 回転してワイヤを巻き込み、巻きだしゲートを昇降させるドラムを設けたゲート開閉装置において、前記ドラムの軸心から偏位した側端周方向に約90°の間隔を設けて枢着されたロッドの枢着点の周方向移動に対応した揺動を行うとともに、供給された油圧により前記ロッドを伸縮させて前記ドラムを回転させる複数の油圧シリンダと、前記油圧シリンダにそれぞれ供給される油圧の油圧回路切換弁とからなり、前記切換弁前記ドラムの回転に対応して回転するカムにより同切換弁のスプールを押圧して前記油圧シリンダの移動方向と速度とをメカニカルに切換えるものであり、前記油圧シリンダそれぞれに対する前記切換弁は複数個並列に設置され、作動させる同切換弁の個数を増減できるように構成されてなることを特徴とするゲート開閉装置。
  2. 請求項1に記載のゲート開閉装置において、前記ドラムの端部または前記油圧シリンダのロッドを締め付けて同ドラムの回動を停止する制動機構を備えてなることを特徴とするゲート開閉装置。
JP2000051245A 2000-02-28 2000-02-28 ゲート開閉装置 Expired - Fee Related JP3801408B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000051245A JP3801408B2 (ja) 2000-02-28 2000-02-28 ゲート開閉装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000051245A JP3801408B2 (ja) 2000-02-28 2000-02-28 ゲート開閉装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001241028A JP2001241028A (ja) 2001-09-04
JP3801408B2 true JP3801408B2 (ja) 2006-07-26

Family

ID=18572912

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000051245A Expired - Fee Related JP3801408B2 (ja) 2000-02-28 2000-02-28 ゲート開閉装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3801408B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101278531B1 (ko) * 2011-12-19 2013-06-26 주식회사 우진산업 유압식 인양수문용 수문개도측정장치
JP5969323B2 (ja) * 2012-08-29 2016-08-17 日本自動機工株式会社 ゲート上昇・降下機構

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001241028A (ja) 2001-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20200255269A1 (en) Winch apparatus having automatic tension function
US6978822B2 (en) Device for rolling up/rolling down a shade
KR20100015920A (ko) 윈치용 조절기구
RU2400419C2 (ru) Тормозное устройство для обслуживания скважин или буровых лебедок
JP3801408B2 (ja) ゲート開閉装置
JP5458397B2 (ja) 水門開閉装置
KR102074097B1 (ko) 무대장치용 일체형 안전배튼
JP3764692B2 (ja) ゲート開閉装置
JP4969038B2 (ja) ワイヤたるみ検出装置及びゲート開閉装置
KR102231302B1 (ko) 용량 변경이 용이한 호이스트
JP2000289990A (ja) ロープウインチ
JPS6247795B2 (ja)
CN113697701A (zh) 卷筒、起升机构及升降机
KR200355197Y1 (ko) 그래플
JP2008007278A (ja) クレーン
JP3543706B2 (ja) ブーム起伏機構の安全装置
JP3062378U (ja) 油圧ウインチ
JP3096588U (ja) 水門開閉装置
JP2002115209A (ja) 開閉橋の駆動装置
CN216580894U (zh) 单辊筒液压锚机
JPH083434Y2 (ja) 巻上装置の負荷落下防止装置
JPH11158848A (ja) ゲート昇降装置
JPH1179679A (ja) 油圧駆動ウィンチの制御方法および同装置
JPH0676162B2 (ja) 帯状体巻取り装置における回動可能なコア装填装置
JP2809308B2 (ja) 建設用タワークレーンのジブ起伏速度制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050913

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060411

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060425

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees