JP3801353B2 - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

窒化物半導体発光素子 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は窒化物半導体(InXAlYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)からなる発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)、スーパールミネッセントダイオード(SLD)等の発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
我々はGaN基板の上に、活性層を含む窒化物半導体レーザ素子を作製して、世界で初めて室温での連続発振1万時間以上を達成したことを発表した(ICNS'97 予稿集,October 27-31,1997,P444-446、及びJpn.J.Appl.Phys.Vol.36(1997)pp.L1568-1571、Part2,No.12A,1 December 1997)。さらに、前記レーザ素子よりサファイアを除去してGaN単独とすることにより、5mW出力でも1万時間以上の連続発振に成功したことを発表した。(Jpn.J.Appl.Phys.Vol.37(1998)pp.L309-L312、及びAppl.Phys.Lett.Vol.72(1998)No.16,2014-2016)
【0003】
最新のレーザ素子の構造は、基本的に、GaN基板上に成長されたn型GaNの上にInGaNからなるクラック防止層、クラック防止層に接してAlGaNを含む超格子構造からなるn側クラッド層、n側クラッド層上部に活性層とp側クラッド層を含むダブルへテロ構造を有する(詳細はJpn.J.Appl.Phys.Vol.37参照)。このレーザ素子は70mA、閾値電流密度5kA/cm2において、408.5nmのシングルモードで発振する。閾値における電圧は6Vである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
短波長レーザ素子は読み取り、書き込み用光源として、その実用化が待望されている。光源としてレーザ光のモード、形状、ノイズ等を理想的な状態にするには色々解決すべき問題があるが、出力だけを例にとると5mWの出力では読み取り用光源としては使用できるが、書き込み用光源としては不十分である。そのためには、さらに素子の構造を改良して、高出力、長寿命なレーザを実現する必要がある。
【0005】
従って、本発明はこのような事情を鑑み成されたものであって、その目的とするところは、窒化物半導体を用いた高出力、長寿命なレーザ素子を提供することにある。さらに最も過酷な条件で使用されるレーザが改良できれば、レーザよりも使用条件が緩やかなLED、SLD等の発光素子ではさらに信頼性が高まる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の窒化物半導体発光素子は、基板上部にn側クラッド層を有し、そのn側クラッド層上部に、多重量子井戸構造を有する活性層を備えた窒化物半導体発光素子において、前記基板と前記n側クラッド層との間にインジウムを含む窒化物半導体層を含む中間層を有し、該中間層は、InGa1−aN/InGa1−bN(0<a≦1、0≦b<1、b<a)超格子からなり、かつ、前記n側クラッド層と離間して形成され、前記クラッド層と前記中間層との間に、n型AlGa1−YN(0≦Y≦0.1)層を有し、該n型AlGa1−YN(0≦Y≦0.1)層はn側クラッド層の成長温度よりも低温で成長された層であり、前記n側クラッド層と前記活性層との間に、n側クラッド層よりもバンドギャップエネルギーの小さい窒化物半導体を含む層を有し、前記中間層と前記基板との間に、n型コンタクト層を有していることを特徴とする。n側クラッド層とはキャリアを閉じ込める層のことであり、通常、Alを含むn型窒化物半導体層を有する層、若しくはn型GaN層を有する層で構成され、活性層の井戸層よりもバンドギャップエネルギーが大きい。
【0007】
前記中間層のInを含む窒化物半導体のバンドギャップエネルギーが、活性層の発光波長のバンドギャップエネルギーよりも小さいことが望ましい。発光波長のバンドギャップエネルギーは{(eV)=1240/発光波長(nm)}なる式で算出できる。例えば活性層の井戸層のIn含有量よりも、中間層のIn含有量を多くすることにより実現できる。
【0008】
また、本発明の発光素子では、前記基板と前記中間層との間に、Si濃度が5×1016/cm3〜5×1019/cm3の範囲にあるn型AlXGa1-XN(0≦X≦0.1)層を有する第1のn側コンタクト層を備えることを特徴とする。
【0009】
また、前記中間層と前記n側クラッド層との間に、Si濃度が5×1016/cm3〜5×1019/cm3の範囲にあるn型AlYGa1-YN(0≦Y≦0.1)層を有する第2のn側コンタクト層を備えることを特徴とする。第1のn側コンタクト層と、この第2のn側コンタクト層とは同一組成、好ましくはGaNとすることが望ましく、さらに好ましくは、基板に接近した側にある第1のn側コンタクト層の不純物濃度を大きくすることが望ましい。
【0010】
さらに、前記中間層と、前記n側クラッド層との距離が0.1μm以上あることを特徴とする。好ましくは0.5μm以上とする。この場合例えば第2のn側コンタクト層の膜厚を0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上にすることが望ましい。
【0011】
また、本発明の発光素子では、前記中間層が組成の異なる窒化物半導体層が積層された超格子構造を有することを特徴とする。超格子構造とは、例えば膜厚100オングストローム以下、さらに好ましくは70オングストローム以下の組成が異なる少なくとも2種類の窒化物半導体を積層した多層膜構造である。本発明では、中間層を違いに組成が異なる2種類の窒化物半導体層を交互に積層した超格子構造で形成する場合、一方の層がIn含む窒化物半導体からからからなっていれはもう一方の層は特にInを含む窒化物半導体とする必要はない。また、n側クラッド層と活性層との間のn側クラッド層よりもバンドギャップエネルギーの小さい窒化物半導体を含む層は、GaN又はInGaNであることを特徴とする。また、活性層は、発振波長が長波長の430〜550nmであり、n側クラッド層と活性層との間のn側クラッド層よりもバンドギャップエネルギーの小さい窒化物半導体を含む層は、InGaNを含む超格子層であることを特徴とする。また、基板は、窒化物半導体基板であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の発光素子の一構造を示す模式的な断面図である。この図において、1はSiドープGaNからなる窒化物半導体基板、2はSiドープGaNからなる第1のn側コンタクト層、3はアンドープInGaNからなる中間層、4はSiドープGaNからなる第2のn側コンタクト層、5はAlGaN/GaN超格子構造からなるn側クラッド層、6はアンドープGaNからなるn側光ガイド層、7はInGaN/InGaN多重量子井戸構造からなる活性層を示している。
【0013】
本発明の発光素子では、窒化物半導体基板1とn側クラッド層5との間にInを含む窒化物半導体層を含む中間層3が、n側クラッド層5と離間して形成されている。基板1はGaNを成長させるのが最も望ましく、アンドープでも良いし、またSi、Ge、Sn、S等のn型不純物をドープしても良い。図1に示すように基板の裏面側からn電極を取り出す場合には、n型不純物をドープする。一方、窒化物半導体層側から、p電極とn電極とを取り出す場合にはアンドープでも良い。窒化物半導体基板とは例えば表、裏両方に窒化物半導体が露出している基板を指す。
【0014】
n側クラッド層5は光閉じ込め層であるので、活性層の井戸層よりもバンドギャップエネルギーが大きいn型窒化物半導体層、つまり屈折率が小さいn型窒化物半導体を有する層で形成し、好ましくはAlを含む窒化物半導体層を有する超格子層とする。また活性層の井戸層を、3族元素に対しInを20%以上含む窒化物半導体で構成した場合、n側クラッド層はn型GaNでも良い。
【0015】
中間層はInを含む窒化物半導体、好ましくはInaGa1-aN(0<a≦1)で形成する。膜厚としては特に限定しないが、通常は1μm以下、好ましくは0.5μm以下、さらに好ましくは0.2μm以下にする。またこの中間層にn型不純物をドープすることもできるし、またアンドープでも良い。アンドープとする場合、その膜厚は0.5μm以下、好ましくは0.2μm以下に調整する。単一のInGaNで中間層を形成する場合、その膜厚が1μmよりも厚くなると、結晶性が悪くなり、素子の出力が低下する。また請求項6に記載したように、この中間層をInを含む窒化物半導体層を含む超格子構造とすることもできる。超格子構造とする場合の、好ましい組み合わせとしてはInaGa1-aN/InbGa1-bN(0≦b<1、b<a)を選択する。超格子とした場合、単一層を構成するInGaNの膜厚が薄いため、結晶性が良いままで中間層を厚膜で成長できる。従って中間層を超格子とする場合は膜厚は限定されない。さらに超格子構造を構成する窒化物半導体層において、互いに不純物濃度が異なる、いわゆる変調ドープを行うことがさらに好ましい。
【0016】
従来のレーザ素子ではAlを含むn側クラッド層を成長させる前に、InGaNよりなるクラック防止層を、そのn側クラッド層に接して形成していた。一方、本発明では、クラック防止層と類似した中間層をn側クラッド層から離間して形成している。この中間層は、クラック防止層と同様に、n側クラッド層にクラックを入りにくくしていることは言うまでもないが、その他、次のような作用がある。つまり、従来のレーザ素子ではn側ではInGaNからなるクラック防止層の屈折率が最も大きい。このクラック防止層がn側クラッド層と接して形成されていると、n側クラッド層のAl混晶比を大きくして屈折率を小さくしても、クラッド層の実効的な屈折率はクラック防止層の屈折率に影響されて大きくなってしまう。このため活性層の発光がn側コンタクト層側へ漏れて、閾値が大きくなり、また、FFP(ファーフィールドパターン)の形状が乱れる元となる。しかし本発明ではクラック防止層としての中間層がクラッド層から離れているため、クラッド層の屈折率を大きくしないので、光閉じ込めの効果が大きくなって閾値が減少する。なお、クラック防止としての効果は、この中間層にアンドープの層(超格子とした場合、一方の層をアンドープとすること)を使用するか、若しくはInを含む窒化物半導体層そのものをアンドープとする方が、n型不純物をドープしたものよりも大きい。
【0017】
さらに請求項2に記載したように、中間層のInを含む窒化物半導体のバンドギャップエネルギーを、活性層の発光波長のバンドギャップエネルギーよりも小さくすることにより、クラッド層から漏れた光がこの中間層で吸収される。そのため、n側コンタクト層で導波されて、マルチモードとなりやすい傾向にあったレーザ光が、本発明では中間層で吸収されるためにコンタクト層中でマルチモードとなることは皆無となり、垂直横モードが完全な単一モードとなる。
【0018】
さらにまた、GaN基板を用いた特有の効果として、次のような効果もある。つまり、窒化物半導体基板を用いた場合のレーザ素子では、共振面は基板の劈開により形成されることが多い。従来の構造ではInGaNクラック防止層がクラッド層に接していたために、クラッド層とクラック防止層との界面で格子定数差が最大となって、基板の割れ方が一定となりにくい。そのため劈開時のレーザ素子の歩留まりが悪くなりやすい。しかしながら、本発明では中間層とクラッド層とを離間して形成しているため、格子定数不整が緩和されて、劈開時に鏡面状の共振面が得られやすくなり、歩留まりが向上する。
【0019】
第1のn側コンタクト層2はSi濃度が5×1016/cm3〜5×1019/cm3の範囲にあるn型AlXGa1-XN(0≦X≦0.1)層とすることが望ましい。また、この層を有する超格子構造とすることもできる。Si濃度が5×1016/cm3より少ないと、十分なキャリア濃度が得られず、Vfが上昇し、素子の出力が低下する傾向にある。また5×1019/cm3よりも多いと、第1のn側コンタクト層の結晶性が悪くなり、次に成長させる層に悪影響を及ぼす。また第1のn側コンタクト層はバッファ層としての作用もある。つまり窒化物半導体と異なる材料よりなる異種基板上に、100μm以上の膜厚で基板となるような窒化物半導体を成長させ、その後異種基板を除去して窒化物半導体基板を作製した場合、その窒化物半導体基板のAS-GROWN面(異種基板除去側と反対側面)に、まず第1のn側コンタクト層2を例えば、10μm以下の膜厚で成長させると、次に成長させる中間層の結晶性が良くなる傾向にある。そのため、この第1のn側コンタクト層はAl組成が少ないAlXGa1-XN(0≦X≦0.1)、好ましくはGaNを成長させることが最も望ましい。Al組成が0.1を超えると、バッファ層として作用しにくくなる傾向にある。この第1のn側コンタクト層2の膜厚は特に限定しないが0.1μm以上、10μm以下の膜厚で成長させることが望ましい。
【0020】
さらに、第2のn側コンタクト層4はSi濃度が5×1016/cm3〜5×1019/cm3の範囲にあるn型AlYGa1-YN(0≦Y≦0.1)層とすることが望ましい。また、この層を有する超格子構造とすることもできる。第1のn側コンタクト層2と同様に、Si濃度が5×1016/cm3より少ないと、十分なキャリア濃度が得られず、素子の出力が低下する傾向にある。また5×1019/cm3よりも多いと、第1のn側コンタクト層の結晶性が悪くなり、次に成長させるn側クラッド層を悪影響を及ぼす。またこの第2のn側コンタクト層のn型不純物濃度は第1のn側コンタクト層の不純物濃度よりも小さくすると、閾値が低下しやすい傾向にある。第2のn側コンタクト層の膜厚は0.1μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上成長させる。0.1μmよりも薄いとクラッド層の屈折率が中間層に影響されて大きくなりやすい傾向にある。好ましく0.5μmより厚く成長させることにより、n側クラッド層5と中間層3との距離が大きくなるため、クラッド層の光閉じ込め効果を向上させる上で望ましい。
【0021】
【実施例】
図1は本発明の一実施例に係るレーザ素子の構造を示す模式的な断面図であり、共振面に平行な方向で素子を切断した際の図を示すものである。以下、この図を元に実施例1について説明する。なお本発明の発光素子は図1の構造に限定されるものではない。
【0022】
[実施例1]
1インチ角のSiドープGaNよりなる窒化物半導体基板1を用意する。この窒化物半導体基板1は、以下のようにして成長させたものである。
【0023】
(窒化物半導体基板1)
2インチφ、C面を主面とするサファイアよりなる異種基板1をMOVPE反応容器内にセットし、500℃で、トリメチルガリウム(TMG)、アンモニア(NH3)を用い、GaNよりなるバッファ層を200オングストロームの膜厚で成長させる。バッファ層成長後、1050℃で同じくGaNよりなる下地層を4μmの膜厚で成長させる。
【0024】
下地層成長後、ウェーハを反応容器から取り出し、この下地層の表面に、ストライプ幅10μm、ストライプ間隔(窓部)2μmのSiO2よりなる保護膜を形成する。保護膜形成後、ウェーハを再度MOVPEの反応容器内にセットし、温度を1050℃にして、TMG、アンモニアを用い、アンドープGaN層を5μm成長させ、SiO2の表面を覆う。成長後、ウェーハをMOVPE装置からHVPE装置に移送しGaメタルと、アンモニア、HCl、シランガスを用い、Siを1×1018/cm3ドープしたn型GaN層を200μmの膜厚で成長させる。成長後、サファイア基板側から研磨して、サファイア基板、バッファ層、下地層、保護膜を除去することにより、総膜厚170μmのSiドープGaNからなる窒化物半導体基板1を作製する。SiドープGaNのSi濃度は5×1017〜1×1019/cm3の範囲に調整することが望ましい。
【0025】
(第1のn側コンタクト層2)
以上のようにして作製した窒化物半導体基板1をMOVPE装置に移送し、アンモニアとTMG、不純物ガスとしてシランガスを用い、AS-GROWN側の窒化物半導体基板面に、1050℃でSiを1×1018/cm3ドープしたGaNよりなる第1のn側コンタクト層2を2μmの膜厚で成長させる。
【0026】
(中間層3)
次に800℃において、TMI(トリメチルインジウム)、TMG、アンモニアを用い、アンドープIn0.3Ga0.7Nよりなる中間層3を500オングストローム成長させる。
【0027】
(第2のn側コンタクト層4)
次に、900℃にして、Siを1×1018/cm3ドープしたGaNよりなる第2n側コンタクト層2を3μmの膜厚で成長させる。第2のn側コンタクト層4は中間層3の成長温度とほぼ同じ、若しくは中間層の成長温度より高温で、かつn側クラッド層5の成長温度よりも低温で成長させることにより、Inを含む中間層の分解を防止でき、結晶性の良い第2のn側コンタクト層を成長できる。
【0028】
(n側クラッド層5)
続いて、1050℃にてアンドープAl0.16Ga0.84Nよりなる層を25オングストロームの膜厚で成長させ、続いてTMAを止めて、シランガスを流し、Siを1×1019/cm3ドープしたn型GaNよりなる層を25オングストロームの膜厚で成長させる。それらの層を交互に積層して超格子層を構成し、総膜厚1.2μmの超格子よりなるn側クラッド層5を成長させる。n側クラッド層は、Alを含む窒化物半導体層、好ましくはAlXGa1-XN(0<X<1)を含む超格子構造とすることが望ましく、さらに好ましくはGaNとAlGaNとを積層した超格子構造とする。超格子とした場合、不純物はいずれか一方の層に多くドープして、いわゆる変調ドープを行うと結晶性が良くなる傾向にあるが、両方に同じようにドープしても良い。なお、発振波長が長波長の430〜550nmのレーザ素子ではこのクラッド層はn型不純物をドープしたGaNでも良い。
【0029】
(n側光ガイド層6)
続いて、シランガスを止め、1050℃でアンドープGaNよりなるn側光ガイド層6を0.1μmの膜厚で成長させる。n側光ガイド層4は、n側クラッド層3のAlGaNよりもバンドギャップエネルギーの小さい窒化物半導体を含む層で形成することができ、例えばGaN、InGaNが成長できる。またこのn側光ガイド層4にn型不純物をドープしても良い。なお、発振波長が長波長の430〜550nmのレーザ素子ではこのガイド層はInGaNを含む超格子層としても良い。
【0030】
(活性層7)
次に、800℃で、SiドープIn0.02Ga0.98Nよりなる障壁層を100オングストロームの膜厚で成長させ、続いて同一温度で、アンドープIn0.15Ga0.85Nよりなる井戸層を40オングストロームの膜厚で成長させる。障壁層と井戸層とを2回交互に積層し、最後に障壁層で終わり、総膜厚380オングストロームの多重量子井戸構造よりなる(MQW)の活性層7を成長させる。活性層は本実施例のようにアンドープでもよいし、またn型不純物及び/又はp型不純物をドープしても良い。不純物は井戸層、障壁層両方にドープしても良く、いずれか一方にドープしてもよい。なお障壁層にのみn型不純物をドープすると閾値が低下しやすい。
【0031】
(p側キャップ層8)
次に1050℃で、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型Al0.3Ga0.7Nよりなるp側キャップ層8を300オングストロームの膜厚で成長させる。
【0032】
(p側光ガイド層9)
続いて1050℃で、アンドープGaNよりなるp側光ガイド層9を0.1μmの膜厚で成長させる。p側光ガイド層9も、p側クラッド層10のAlGaNよりもバンドギャップエネルギーの小さい窒化物半導体を含む層で形成することができ、例えばGaN、InGaNが成長できる。またこのp側光ガイド層9にp型不純物をドープしても良い。なお、発振波長が長波長の430〜550nmのレーザ素子ではこのガイド層はInGaNを含む超格子層としても良い。
【0033】
(p側クラッド層10)
続いて1050℃でMgドープAl0.16Ga0.84Nよりなる層を25オングストロームの膜厚で成長させ、続いてアンドープGaNよりなる層を25オングストロームの膜厚で成長させ、総膜厚0.6μmの超格子層よりなるp側クラッド層10を成長させる。p側クラッド層の好ましい構成については、n側クラッド層5と同じであるので省略する。なお、発振波長が長波長の430〜550nmのレーザ素子ではこのクラッド層はp型不純物をドープしたGaNでも良い。
【0034】
(p側コンタクト層11)
最後に、1050℃で、p側クラッド層10の上に、Mgを1×1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp側コンタクト層11を150オングストロームの膜厚で成長させる。p側コンタクト層はp型のInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することができ、好ましくはMgをドープしたGaN、InGaNとすれば、p電極20と最も好ましいオーミック接触が得られる。コンタクト層11は電極を形成する層であるので、1×1017/cm3以上の高キャリア濃度とすることが望ましい。1×1017/cm3よりも低いと電極と好ましいオーミックを得るのが難しくなる傾向にある。さらにコンタクト層の組成をGaN、InGaN、若しくはGaN、InGaNを含む超格子とすると、電極材料と好ましいオーミックが得られやすくなる。
【0035】
以上のようにして窒化物半導体を成長させたウェーハを反応容器から取り出し、最上層のp側コンタクト層11の表面に、所定の形状のマスクを介して、幅1.5μmのストライプからなるSiO2よりなる保護膜を形成する。保護膜形成後、RIE(反応性イオンエッチング)を用い、図1に示すように、p側クラッド層10とp側光ガイド層9との界面付近までエッチングを行い、幅1.5μmのストライプ状の導波路を形成する。
【0036】
ストライプ導波路形成後、SiO2マスクをつけたまま、窒化物半導体層の表面にZrO2よりなる絶縁膜100を形成する。絶縁膜100形成後、バッファードフッ酸に浸漬して、p側コンタクト層の上に形成したSiO2を溶解除去し、リフトオフ法によりSiO2と共に、p側コンタクト層の上にあるZrO2を除去する。
【0037】
絶縁膜100形成後、Ni/Auからなるp電極20を図1に示すように、絶縁膜100を介してp側コンタクト層9と良好なオーミックが得られるように形成する。一方窒化物半導体基板の裏面側にはTi/Alよりなるn電極21をほぼ全面に形成する。
【0038】
p、n両電極形成後、窒化物半導体基板1のM面(窒化物半導体を六角柱で表した場合にその六角柱の側面に相当する面)で基板1を劈開して、ウェーハをバー(bar)状と成し、そのバーの劈開面に共振面を作製する。この工程において、従来に比較して高歩留まりで鏡面に近い共振面が得られた。共振面作成後、さらに共振面に垂直な方向でバー状のウェーハを切断してレーザチップとする。
【0039】
レーザチップ作製後、GaN基板のn電極21側をメタライズされたヒートシンクに設置して、図1に示すようにp電極20のストライプの直上部にない位置にAu線をワイヤーボンディングしてレーザ素子とする。このレーザ素子に室温でレーザ発振を試みたところ、発振波長408.5nm、閾値電流密度2kA/cm2において室温連続発振を示し、レーザ光の形状も上下左右対称な楕円形状を示し、横モードが単一モードとなっていた。さらに電流値を上げて出力を上げ、40mWとしても、素子自体にショートは発生せず、100時間以上の連続発振を続けた。
【0040】
[実施例2]
実施例1の中間層3を成長させる工程において、アンドープIn0.3Ga0.7N層を30オングストローム、その上にSiを1×1018/cm3ドープしたGaNを30オングストロームの膜厚で成長させ、続いてこれらの層を交互に100層づつ積層して総膜厚0.6μm超格子構造よりなる中間層3を成長させる。その他は実施例1と同様にしてレーザ素子を得たところ、実施例1とほぼ同等の特性を有するレーザ素子が得られた。
【0041】
[実施例3]
実施例1の第1のn側コンタクト層2を成長させる工程において、Siを1×1018/cm3ドープしたAl0.05Ga0.95N層を1μmの膜厚で成長させる。また、2のn側コンタクト層4を成長させる工程において、Siを1×1018/cm3ドープしたAl0.05Ga0.95N層を1μmの膜厚で成長させる他は実施例1と同様にしてレーザ素子を得たところ、実施例1とほぼ同等の特性を有する素子が得られた。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の発光素子では特にレーザ素子において、横モードが単一となり、しかも低閾値で発振する高出力なレーザが提供できる。またGaN基板が劈開しやすくなるため、GaN基板を用いた他のLED素子、SLD素子等を製造する際に歩留まりが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るレーザ素子の構造を示す模式断面図。
【符号の説明】
1・・・窒化物半導体基板
2・・・第1のn側コンタクト層
3・・・中間層
4・・・第2のn側コンタクト層
5・・・n側クラッド層
6・・・n側光ガイド層
7・・・活性層
8・・・p側キャップ層
9・・・p側光ガイド層
10・・・p側クラッド層
11・・・p側コンタクト層
20・・・p電極
21・・・n電極
22・・・ワイヤー
100・・・絶縁膜

Claims (8)

  1. 基板上部にn側クラッド層を有し、そのn側クラッド層上部に、多重量子井戸構造を有する活性層を備えた窒化物半導体発光素子において、
    前記基板と前記n側クラッド層との間にインジウムを含む窒化物半導体層を含む中間層を有し、該中間層は、InGa1−aN/InGa1−bN(0<a≦1、0≦b<1、b<a)超格子からなり、かつ、前記n側クラッド層と離間して形成され、前記クラッド層と前記中間層との間に、n型AlGa1−YN(0≦Y≦0.1)層を有し、該n型AlGa1−YN(0≦Y≦0.1)層はn側クラッド層の成長温度よりも低温で成長された層であり、前記n側クラッド層と前記活性層との間に、n側クラッド層よりもバンドギャップエネルギーの小さい窒化物半導体を含む層を有し、前記中間層と前記基板との間に、n型コンタクト層を有していることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 前記中間層のInを含む窒化物半導体のバンドギャップエネルギーが、活性層の発光波長のバンドギャップよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 前記基板と前記中間層との間に、Si濃度が5×1016/cm〜5×1019/cmの範囲にあるn型AlGa1−XN(0≦X≦0.1)層を有する第1のn側コンタクト層を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 前記中間層と前記n側クラッド層との間のn型AlGa1−YN(0≦Y≦0.1)層は、Si濃度が5×1016/cm〜5×1019/cmの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至3に記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 前記中間層と、前記n側クラッド層との距離が0.1μm以上であることを特徴とする請求項1乃至4の内のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
  6. 前記n側クラッド層と前記活性層との間のn側クラッド層よりもバンドギャップエネルギーの小さい窒化物半導体を含む層は、GaN又はInGaNであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
  7. 前記活性層は、発振波長が長波長の430〜550nmであり、前記前記n側クラッド層と前記活性層との間のn側クラッド層よりもバンドギャップエネルギーの小さい窒化物半導体を含む層は、InGaNを含む超格子層であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の窒化物半導体発光素子。
  8. 前記基板は、窒化物半導体基板であることを特徴とする請求項1乃至7記載の窒化物半導体素子。
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